チュニジアに惨敗の日本、森保一監督は「選手たちの責任ではない」とトライを続けた選手たちを評価、課題も浮き彫りに

2022.06.14 23:30 Tue
©超ワールドサッカー
日本代表の森保一監督が、チュニジア代表戦を振り返った。

14日、キリンカップサッカー2022の決勝で日本はチュニジアと対戦した。
20年前の同じ日、日韓ワールドカップ(W杯)のグループステージ第3戦で対戦した両国。偶然の一致とはいえ、同じ日、同じ大阪(当時は長居スタジアム)での同じカードとなった。

立ち上がりから日本がボールを握りビルドアップをしながら攻撃を仕掛け、チュニジアは中盤にボールが入った時には強いプレスをかけるという展開に。

徐々に日本が主導権を握り始めると、大きくサイドを使った攻撃から伊東純也が何度もあわやというクロスをあげる。しかし、飛び込んだ鎌田大地は空振り、浅野拓磨は僅かに合わず、南野拓実はシュートを決めたがオフサイドとゴールを奪えない。
ゴールレスで後半を迎えるとチュニジアも得意のサイドを起点とした攻撃を仕掛ける。すると55分に吉田麻也の裏にパスを送ると、これがファウルとなりPKを獲得。モハメド・アリ・ベン・ロムダーネがしっかりと決めて先制する。

先にゴールを許した日本は、攻撃の形が作れず。選手を入れ替えても攻撃が活性化しないでいた中、三笘薫が投入されると左サイドを蹂躙。それでも決定機を作れないでいると、76分には再び吉田の裏が狙われ、GKシュミット・ダニエルとの呼吸が合わずに相手にボックス内でボールを奪われると、最後はフェルジャニ・サッシが決めて追加点。さらに、後半アディショナルタイムにはイサーム・ジェバリに持ち込まれミドルシュートを叩き込まれ、0-3で惨敗を喫した。

森保監督は試合後の記者会見で「まずはホームで戦うということ、チュニジアに勝ってこのシリーズを終えること、優勝してサポーターの皆さんに喜んでいただくということを考えていましたが、残念な結果になってしまいました」とコメント。敗戦を悔やんだが「手たちのトライに関しては、よくやってくれたなと思っています」とパフォーマンスを評価した。

「結果だけ見ると0-3で敗戦ということ、もちろん課題はありますが、毎試合選手を変える中で戦うことは選手たちにとっては難しいこと。その中で、選手たちにプレーしてもらったので、選手たちの責任でこういう結果になったわけではないと思います」と語り、多くのトライをした結果が招いたものだとした。

また「難しい設定の中、選手たちが我慢強く戦ってくれたことを評価したいと思いますし、勝負の分かれ目としては難しい戦いの中、自分たちのペースにしながら決定機が最初あったと思いますので、そこが決めきれず、相手に流れを持っていかれたという部分では、決定力を今後つけていけるようにしなければいけないと思います」と、前半の得点チャンスを生かせなかったことが要因だと振り返った。

W杯に向けての4連戦は2勝2敗。今回の4試合で見えた課題については「課題としてはアタッキングサードでどう攻撃の形を作っていくか、シュートに持っていくかはさらにやらないといけないですし、ビルドアップの部分でも、もっともっとミスを少なくして、相手を動かせるボールの動かし方をしながら、チャンスを作れるようにしなければいけないと思います」とコメント。「難しい状況の中で自分たちでボールを動かしながら、ロストして相手の狙いであるカウンター攻撃を受けてしまって難しくしてしまったので、ビルドアップを含めてシュートに持っていくクオリティをもっと上げないといけないと思います」と、攻撃面での大きな課題に直面したとした。

システムとしては「[4-1-4-1]の課題は、我々の良い時間帯は相手も同じ形でやってきて、上回れたところもあると思います」とコメント。「ミスマッチでも上回ることが必要ですし、我々が受け身になった時に、[4-1-4-1]から[4-2-3-1]に変えたりという部分は、選手に私の方から指示をしたり、選手たちが対応できるように試合の展開によって準備しなければいけないと思います」とし、ピッチ上での対応力ももっと身につける必要があるとした。

この試合では吉田の背後が狙われ、中盤では遠藤航へのパスを徹底的に狙われた。日本をスカウティングすれば相手も狙える部分ではあるが、「チュニジアが良いチームで我々のミスを確実に逃さずに決定機に持っていく力があったと思います」と、相手が上回っていたと語った。

ただ、「ホームということもありますし、我々は敗戦があってはいけないというのがありますが、W杯本大会で我々がこういう状況になった時に、しっかり対応できるように、今日は課題としてチュニジアの良さが出たと思います」と語り、「課題としてしっかり取り組んで本大会ではしっかり対応していきたいと思います」と、本番で同じミスを繰り返さないようにしたいと意気込んだ。

失点シーンについては「ファウルしないように足をたたんでいったと思いますが、スリッピーだったりということも含め、ペナルティエリアに相手を入らせない、ボールの出どころ、切り替えのところからしっかりとやり無駄なロストをしないようにできるしたいと思います」と、ファウルに至るまでの流れが良くなかったとした。

また、2点目はGKとの連携ミスだったが「GKに関しても、選手を入れ替えながらやってきている中、限られた選手しかできていなく、連携ができていないところは私自身が反省しなければいけないところかもしれないです」とコメント。「色々な組み合わせを試すことができて、敗戦はいけないと思いますが、選手個々とチーム全体の底上げはできたと思います」と語り、本番で結果を残すためのトライが生んだものだとした。

その点ではビルドアップ絡みのこれまでの3試合の失点も必要であったとし、「ブラジル戦は直接ビルドアップからではないですがPKに繋がったのはビルドアップのミスからでした。今日の試合の前にもそのことは話していて、チュニジア戦までの3失点は全てビルドアップからの失点だということ。ただこれは絶対やらなければいけないということ」と、失点はしているものの、ディフェンスラインからのビルドアップの重要性は選手にも伝えていたという。

「ビルドアップでカットされてしまったミスを修正して、プレッシャーを掻い潜レル、繋いで攻撃に行けるようにやっていくということを最大限トライしようと。切らなければいけない場面はあると思いますが、最初から繋ぐことを放棄して相手に渡したりクリアすればもっと相手の攻撃を受けることになり、最後はやられて失点につながる」と、簡単に蹴り出すことは避けるプランで戦っているとし、「世界と戦うために絶対にやらなければいけないこと。守から攻、ディフェンディングサードからのチャレンジだと伝えました」と、W杯で結果を残すためには、ビルドアップはやらなければいけないことだと改めて強調した。

敗戦後、ピッチ上では少し長めの円陣が組まれていた。森保監督はその内容についても言及。まずは今回の活動の評価をしたこと、そして欧州組はシーズン終了について、Jリーグ組はこれからの取り組みについてメッセージを伝えたとした。

「敗戦ということに関しては、勝って成長するということを目指してきた中で悔しい敗戦となったことで、この悔しさをバネにして、W杯本大会で結果を出せるようにしていこうという話をしました」

「この試合に向けて、今回の6月の代表ウィークの中で、結果は残念でしたが、選手たちみんなが日々努力してくれたことに関しては、『みんな最大限努力してくれたと思う』ということを伝えて、私自身はそこに何の疑念もなく、選手たちが日々努力してくれたことを評価しているということを伝えました。この努力を結果に結びつけられるように、これからも続けていこうと話しました」

「ヨーロッパ組は長いシーズンを所属チームで終えて、そのまま代表ウィークに入ってきたということで、長いシーズンが一区切りになりますので、お疲れ様でしたということ。ここから心身ともに休めてもらって、また新しいシーズンに向けて頑張ってほしいと」

「Jリーグの国内組の選手についてはこの戦いの後すぐ切り替えて、自チームに戻って、Jリーグを戦わなければいけないという部分。切り替えて自チームで活躍してほしいと」

「選手全員には自チームで存在感を発揮することが自分のために、所属チームのために、それが代表チームの強化につながると思うので、所属チームのために頑張ってほしいと伝えました」

次は国内組で臨むEAFF E-1サッカー選手権が7月に開催。ヨーロッパ組は9月の活動で再び合流する。
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overflow:hidden; padding:8px 0 7px; text-align:center; text-overflow:ellipsis; white-space:nowrap;"><a href="https://www.instagram.com/p/C5DpnHYtDb9/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" style=" color:#c9c8cd; font-family:Arial,sans-serif; font-size:14px; font-style:normal; font-weight:normal; line-height:17px; text-decoration:none;" target="_blank">上田綺世/Ayase Ueda(@bee18_official)がシェアした投稿</a></p></div></blockquote> <script async src="//www.instagram.com/embed.js"></script> 2024.03.29 10:35 Fri

伊藤洋輝が問題を抱えてドイツ帰還? 指揮官が明かすも「日曜日には十分だろう」と週末は出場か

日本代表DF伊藤洋輝が問題を抱えてドイツに戻っていたようだ。 今シーズンはシュツットガルトでブンデスリーガ18試合に出場し2アシストを記録している伊藤。急遽中止になるというトラブルもあった中、21日には2026年の北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選の北朝鮮代表戦に左サイドバックとしてフル出場を果たしていた。 予定よりも早くチームに戻ることができた伊藤。上位を争い、来シーズンのチャンピオンズリーグ(CL)出場権獲得のため、残りシーズンで結果を残していきたいシュツットガルトだが、日本から帰国した伊藤は問題を抱えていたという。 31日に控えているブンデスリーガ第27節のハイデンハイム戦に向けた記者会見に臨んだセバスティアン・ヘーネス監督。代表選手の状態について語る中、伊藤にも言及した。 ケガ人がいる中で、伊藤については、腰に軽い問題を抱えながら戻ってきたとのこと。ただ、27日からランニングを開始できたようで「日曜日には十分だろう」と、ハイデンハイム戦の出場は問題ないと考えているようだ。 伊藤が北朝鮮戦で大きく痛むシーンはなかったと思われるが、いくつか接触プレーはあったのも事実。悪化しないという点では、アウェイでの北朝鮮戦が中止になったことはプラスと言えるのかもしれない。 2024.03.29 09:55 Fri

「今回もニッコニコ」もはや恒例!1人だけ笑顔の日本代表集合写真がまたも話題に「待ってました!」「いつも笑顔が素敵」

日本代表FW上田綺世(フェイエノールト)が、やはり笑顔だ。 3月の2026年北中米ワールドカップ(W杯)アジア2次予選で北朝鮮代表との連戦に臨む予定だった日本。だが、アウェイの平壌で開催予定だった試合が中止となったことで、ホームでの1試合のみで活動を終えた。 週末の試合に向けて選手たちが各自のクラブへと戻っている中、21日に行われたホームゲームで先発していた上田も28日にインスタグラムを更新。「応援ありがとうございました!」とファンやサポーターへの感謝の思いを綴っていた。 そんな中、その上田の投稿に添えられていた1枚の写真が話題だ。 上田は、キックオフ前にスターティングメンバー11人が並んで撮影される集合写真もアップ。他の10人がいかにも試合前というようなきりっとした表情を見せる中、上田だけは満面の笑顔だった。 上田が集合写真の撮影時に笑顔を見せるのは恒例のこと。アジアカップ2023の時も度々話題となっていたが、今回はそのアジアカップ以来の代表戦ということもあり、ファンからは「綺世いつも笑ってて可愛い!!!」、「いつも笑顔が素敵」、「今回もニッコニコ」、「スマイル待ってました!」、「とびきりの笑顔で可愛い」とまたも反響が集まっている。 今回はアウェイでの試合が中止となったこともあり、上田の笑顔も並んだ集合写真はこの時だけ。6月の2次予選でも、またこのとびきりの笑顔が見られるだろうか。 <span class="paragraph-title">【写真】1人だけ爽やかな笑顔!日本代表の集合写真(2枚目)</span> <span data-other-div="movie"></span> <blockquote class="instagram-media" data-instgrm-captioned data-instgrm-permalink="https://www.instagram.com/p/C5BhsnPtqYw/?utm_source=ig_embed&amp;utm_campaign=loading" data-instgrm-version="14" style=" background:#FFF; border:0; border-radius:3px; box-shadow:0 0 1px 0 rgba(0,0,0,0.5),0 1px 10px 0 rgba(0,0,0,0.15); 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width:50px;"><svg width="50px" height="50px" viewBox="0 0 60 60" version="1.1" xmlns="https://www.w3.org/2000/svg" xmlns:xlink="https://www.w3.org/1999/xlink"><g stroke="none" stroke-width="1" fill="none" fill-rule="evenodd"><g transform="translate(-511.000000, -20.000000)" fill="#000000"><g><path d="M556.869,30.41 C554.814,30.41 553.148,32.076 553.148,34.131 C553.148,36.186 554.814,37.852 556.869,37.852 C558.924,37.852 560.59,36.186 560.59,34.131 C560.59,32.076 558.924,30.41 556.869,30.41 M541,60.657 C535.114,60.657 530.342,55.887 530.342,50 C530.342,44.114 535.114,39.342 541,39.342 C546.887,39.342 551.658,44.114 551.658,50 C551.658,55.887 546.887,60.657 541,60.657 M541,33.886 C532.1,33.886 524.886,41.1 524.886,50 C524.886,58.899 532.1,66.113 541,66.113 C549.9,66.113 557.115,58.899 557.115,50 C557.115,41.1 549.9,33.886 541,33.886 M565.378,62.101 C565.244,65.022 564.756,66.606 564.346,67.663 C563.803,69.06 563.154,70.057 562.106,71.106 C561.058,72.155 560.06,72.803 558.662,73.347 C557.607,73.757 556.021,74.244 553.102,74.378 C549.944,74.521 548.997,74.552 541,74.552 C533.003,74.552 532.056,74.521 528.898,74.378 C525.979,74.244 524.393,73.757 523.338,73.347 C521.94,72.803 520.942,72.155 519.894,71.106 C518.846,70.057 518.197,69.06 517.654,67.663 C517.244,66.606 516.755,65.022 516.623,62.101 C516.479,58.943 516.448,57.996 516.448,50 C516.448,42.003 516.479,41.056 516.623,37.899 C516.755,34.978 517.244,33.391 517.654,32.338 C518.197,30.938 518.846,29.942 519.894,28.894 C520.942,27.846 521.94,27.196 523.338,26.654 C524.393,26.244 525.979,25.756 528.898,25.623 C532.057,25.479 533.004,25.448 541,25.448 C548.997,25.448 549.943,25.479 553.102,25.623 C556.021,25.756 557.607,26.244 558.662,26.654 C560.06,27.196 561.058,27.846 562.106,28.894 C563.154,29.942 563.803,30.938 564.346,32.338 C564.756,33.391 565.244,34.978 565.378,37.899 C565.522,41.056 565.552,42.003 565.552,50 C565.552,57.996 565.522,58.943 565.378,62.101 M570.82,37.631 C570.674,34.438 570.167,32.258 569.425,30.349 C568.659,28.377 567.633,26.702 565.965,25.035 C564.297,23.368 562.623,22.342 560.652,21.575 C558.743,20.834 556.562,20.326 553.369,20.18 C550.169,20.033 549.148,20 541,20 C532.853,20 531.831,20.033 528.631,20.18 C525.438,20.326 523.257,20.834 521.349,21.575 C519.376,22.342 517.703,23.368 516.035,25.035 C514.368,26.702 513.342,28.377 512.574,30.349 C511.834,32.258 511.326,34.438 511.181,37.631 C511.035,40.831 511,41.851 511,50 C511,58.147 511.035,59.17 511.181,62.369 C511.326,65.562 511.834,67.743 512.574,69.651 C513.342,71.625 514.368,73.296 516.035,74.965 C517.703,76.634 519.376,77.658 521.349,78.425 C523.257,79.167 525.438,79.673 528.631,79.82 C531.831,79.965 532.853,80.001 541,80.001 C549.148,80.001 550.169,79.965 553.369,79.82 C556.562,79.673 558.743,79.167 560.652,78.425 C562.623,77.658 564.297,76.634 565.965,74.965 C567.633,73.296 568.659,71.625 569.425,69.651 C570.167,67.743 570.674,65.562 570.82,62.369 C570.966,59.17 571,58.147 571,50 C571,41.851 570.966,40.831 570.82,37.631"></path></g></g></g></svg></div><div style="padding-top: 8px;"> <div style=" color:#3897f0; 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