3発完勝のインテルがローマに13戦ぶり黒星与える! 4連勝で暫定首位に浮上しミランに圧力《セリエA》

2022.04.24 03:02 Sun
Getty Images
セリエA第34節、インテルvsローマが23日にジュゼッペ・メアッツァで行われ、ホームのインテルが3-1で勝利した。

2位のインテル(勝ち点69)と、5位のローマ(勝ち点58)によるスクデット、トップ4争いにとって重要な上位対決。
直近3連勝を含め7戦無敗のインテルは、直近に行われたコッパ・イタリア準決勝ではスクデットを争う宿敵ミランを相手に、ラウタロ・マルティネスのドッピエッタの活躍などで3-0の圧勝。ユベントスとのファイナル進出を決めた。その勢いに乗って今季公式戦2戦全勝の相手をホームで迎え撃った一戦ではデルビーから先発3人を変更。ダルミアン、バストーニ、ホアキン・コレアに代わってダンフリース、ディマルコ、ジェコを起用した。

一方、ローマは前節にナポリとのデルビー・デル・ソーレを1-1のドローで終えて連勝が「3」でストップも、セリエA無敗を12試合に更新。逆転でのトップ4フィニッシュへ勝ち点3必須の古巣対決に向けてモウリーニョ監督は、ナポリ戦から先発2人を変更。サスペンションのザニオーロ、体調不良のクリスタンテに代えてエル・シャーラウィ、ムヒタリアンを起用した。

かつて史上初のトレブルに導いたレジェンド指揮官モウリーニョへの歓迎ムード一色となった開始前とは一転して、キックオフの笛と共にインテリスタがアウェイチームへ激しい圧力をかけていく。その頼もしい後押しを受けたホームチームは、立ち上がりからボールの主導権を握って押し込んでいく。
ただ、ここに来てポルトガル人指揮官仕込みの堅守が光るローマは、押し込まれながらも要所を締める守備で相手にフィニッシュの機会を与えず、徐々に相手のファーストプレスを剥がして相手陣内に侵攻。サイドを起点にチャンスを窺うが、インテルの堅守を前になかなかフィニッシュまで持ち込めない。

18分にはチャルハノールが得意のミドルシュートでGKルイ・パトリシオを脅かすと、直後にローマもショートカウンターからムヒタリアンの際どいミドルシュートですぐさまやり返し、試合が動きそうな気配を漂わせる。

すると30分、インテルはGKハンダノビッチからのリスタートからディマルコ、ペリシッチ、ラウタロ・マルティネス、ジェコ、チャルハノールと左サイドでの見事なダイレクトのパス交換で局面を打開。前向きな状態で落としを受けたチャルハノールが中央で背後を狙うダンフリースへ絶妙なミドルスルーパスを供給。きっちり動き直してオフサイドラインのザレフスキの背後から飛び出したダンフリースがボックス内でのGKとの一対一を制し、均衡を破る先制点を奪った。

ホームで先制に成功したインテルはここで落ち着くことなく攻守のギアを上げて畳みかける攻めを見せる。そして、40分にはディマルコからの絶妙なフィードに抜け出したペリシッチがボックス左へ走り込むブロゾビッチに繋ぐと、クロアチア代表MFはボックス左でカットインを仕掛けてDFマンチーニを剥がしてゴール右上隅の完璧なコースに右足のシュートを突き刺し、2試合連続ゴールとした。

さらに、以降も的確なダイレクトプレー、相手の背後を狙う動きでローマ守備を揺さぶり続けるホームチームは、ザレフスキとのフィジカルのミスマッチで優位性を保てるダンフリースを起点に3点目にも迫るが、2-0のスコアのまま試合を折り返すことになった。

後半はローマがアグレッシブな入りを見せ、幾つか際どいシーンを作り出したが、堅い守備でこれを撥ね返したインテルが早い時間帯に3点目を奪う。52分、右CKの場面でキッカーのチャルハノールが右足アウトスウィングの正確なボールを入れると、ゴール前でフリーとなったラウタロが渾身のヘディングシュートで合わせ、公式戦3試合連続ゴールとした。

リーグ前回対戦に続いて3-0と大きく点差を付けたインテルは、以降はより攻守のバランスを意識しながら危なげなく時計を進めていく。さらに、63分にはジェコ、ディマルコを下げてコレア、バストーニ。72分にはペリシッチ、ブロゾビッチのクロアチア代表コンビを下げてゴセンス、ガリアルディーニを同時投入。フレッシュな選手の投入でプレー強度を維持する。

一方、敗色濃厚のローマは64分、ペッレグリーニとエル・シャーラウィの2シャドーを下げてヴェレトゥ、カルレス・ペレスを投入。週明けに控えるヨーロッパ・カンファレンスリーグ準決勝1stレグ、レスター・シティ戦を睨んだ割り切った采配を見せる。今季ここまでの対戦で無得点ということもあり、何とか一矢報いるゴールがほしいところだが、アタッキングサードまでボールを運んでも最後の精度が低く、GKハンダノビッチを脅かすこともできない。これを受け、75分過ぎには主砲エイブラハムをベンチに引っ込めて白旗宣言に近い対応を見せた。

しかし、結果的には一連の交代策がアウェイチームにゴールをもたらすことに。85分、中央突破したカルスドルプからボックス左に走り込むショムロドフにパスが繋がると、ウズベキスタン代表FWはゴールライン際でタメを作って角度を付けたマイナスのパス。これをカルスドルプが冷静にスルー、背後にフリーで走り込んできたムヒタリアンが強烈な右足のシュートをゴール右隅へ突き刺した。

このゴールによって息を吹き返したローマは、試合終盤に入ってようやくインテルを押し込むことに成功したが、気を引き締め直したホームチ―ムの集中した守備を再びこじ開けることはできず。この結果、難敵ローマに13戦ぶりの黒星を与えたインテルがリーグ4連勝を飾り、暫定首位に浮上。翌日にラツィオ戦を控えるミランに大きなプレッシャーを与えた。
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人種差別的発言疑惑のアチェルビ、証拠不十分で無罪に…

ナポリ戦での元ブラジル代表DFファン・ジェズスに対する人種差別的発言疑惑がかけられたインテルのイタリア代表DFフランチェスコ・アチェルビだが、最終的に無罪の判決が下された。イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』など複数メディアが伝えている。 アチェルビは、17日に行われたセリエA第29節のナポリ戦でジェズスと小競り合いになっていた。その際、ジェズスは人種差別的発言を受けたとして主審のフェデリコ・ラ・ペンナに報告していた。 同試合後、アチェルビはジェズスに謝罪を行っていたものの、人種差別的発言疑惑がかけられた後は一転してその発言を否定。この翻意に対して、激高したジェズスが発言内容を明かすと共に憤りを示していた。 両者の主張が真っ向から食い違う中、イタリアサッカー連盟(FIGC)のスポーツ判事は、両者への聞き取り調査に加え、関連映像や他のインタビューを含む他の証拠も検討。慎重に調査を進めてきた。 そして、ヘラルド・マストランドレア氏は、今回の一件に関してアチェルビがジェズスを人種的に虐待したことを証明する十分な証拠はなかったとして、無罪の判決を下した。 これにより、アチェルビは次節に行われるエンポリ戦での出場が可能となった。 なお、今回の判決に至った経緯を説明する報告書では証拠不十分と判断した理由について以下のように説明されている。 「ピッチ上での一連の出来事はマッチオフィシャルの協力を得て公式文書に基づいて再構成され、いずれの場合もビデオで見ることができ、必然的に試合の衝突とアチェルビによるいくつかの言葉の発声行為から始まることが注目された」 「フェン・ジェズスに対するこの発言は、あからさまではないものの、侮辱の表現と確かに一致する。これはインテルプレーヤーによるものであり、攻撃的かつ脅迫的な態度で無視されなかったが、その差別的な内容はサッカー協会のプレーヤーの誠意を疑うものではなかった。ナポリは、『気分を害した』フットボーラー(ファン・ジェズス)によってのみ、発言が認識されているようであり、音声、ビデオ、さらには証言など、外部の証拠の裏付けがない」 2024.03.27 00:29 Wed

イタリアが誇る“サン・シーロ”に現職閣僚から警鐘「今のままではユーロ2032を開催できません」

スタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ(サン・シーロ)を巡り、イタリアの現職閣僚から警鐘だ。『フットボール・イタリア』が伝えている。 インテリスタにとってのスタディオ・ジュゼッペ・メアッツァ、ミラニスタにとってのサン・シーロ。“カルチョのスカラ座”と言われる由緒正しいスタジアムであり、長い歴史を通じ、数多の名勝負が繰り広げられてきた。(※1) (※1)以下サン・シーロ しかし、近年はインテルとミラン、現サン・シーロの隣に新スタジアムを建設する独自プロジェクトを共同推進(現在は破談し双方が個別に思案中)しており、サン・シーロ大規模改修計画を発表した所有者のミラノ市とは、常に一定の距離感がある。 そんななか、イタリアは2032年のユーロ(欧州選手権)をトルコと共同開催することが決まり、これを受けて先月には、ナポリのアウレリオ・デ・ラウレンティス会長が本拠地移転・新スタジアム建設計画スタートを明言している。 イタリア全体のスタジアム老朽化が、ドイツやイングランドにない“味”を出している一方、快適さやバリアフリー面などで劣っているのも現実。ミラノ市からサン・シーロ改修計画を委託される建設会社「WeBuild」の担当者は、国政も絡んだ円卓会議でこう語る。 「現状のサン・シーロは、障がいを持つファンのための設備が不足しており、VIPゾーンと名付けられた区画でさえ、スタジアムの雰囲気を十分に楽しめるものではありません。ここが特別な席として販売されているのはスキャンダルとも言えます。スタジアムに関して言えば、サン・シーロは“中世”です」 また、同席したイタリア共和国のスポーツ大臣、アンドレア・アボディ氏は民間出身で、長年にわたってスポーツ業界と観光業界でマーケティング活動に従事してきた、この道のプロフェッショナル。サン・シーロの厳しい現実を語る。 「サン・シーロはユーロ2032を開催できる状態にありません。ミラノをローマやトリノなどと共に開催都市の1つとすることは勿論可能ですが、ことサン・シーロについては、スタジアムインフラの観点から、遅くとも2026年末までに何らかの返答(進展)が必要です」 二転三転し続けるサン・シーロ問題。インテル、ミラン、行政…なかなか折衝案が浮かび上がらない。 2024.03.26 18:25 Tue
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