終始劣勢のラツィオが土壇場PK弾でトリノとドロー…公式戦4戦未勝利で今季初のデルビーへ《セリエA》

2021.09.24 03:36 Fri
Getty Images
セリエA第5節、トリノvsラツィオが23日にスタディオ・オリンピコ・グランデ・トリノで行われ、1-1のドローに終わった。

ラツィオは開幕連勝スタートも、第3節のミラン戦で今季初黒星を喫すると、直後のヨーロッパリーグ(EL)でもガラタサライに敗戦。さらに前節はカリアリとドローに終わり、公式戦3試合未勝利と急失速となった。
今週末にローマとの“デルビー・デッラ・カピターレ”を控える中、2連勝中の好調トリノを相手に、4戦ぶりの白星を目指した。ミラン戦での退席処分によって引き続きサッリ監督が不在のチームは、カリアリ戦から先発4人を変更。ラッツァーリ、ルーカス・レイバ、ミリンコビッチ=サビッチ、ペドロをベンチに置き、マルシッチ、アクパ・アクプロ、カタルディ、18歳FWモロを初スタメンで起用した。

立ち上がりからホームチームの勢いに押されるラツィオだが、ボックス内で粘りの対応を見せてピンチを凌ぐ。11分にはGKヴャンヤ・ミリンコビッチ=サビッチの前目のポジションを確認したインモービレが、ロングシュートを放つも、これは枠の左に外れる。

以降は相手の強度の高い守備に苦戦を強いられ、思うように相手陣内でボールを繋げないラツィオ。最終ラインと積極的に駆け引きを繰り返すインモービレにも良い形でボールが入らず、攻撃は完全に停滞する。
前半終盤にかけては簡単に前進を許す場面が目立って押し込まれる状況が続いていく。その流れの中で38分にはボックス左に抜け出したサナブリアに際どい左足のシュートを打たれると、42分にはアイナからの左クロスをゴール前のサナブリアにドンピシャのヘディングで合わせられるが、ここはGKレイナが見事な反射神経で枠外にはじき出して事なきを得た。

試合内容では劣勢も0-0のイーブンで試合を折り返したラツィオは、モロとルイス・アルベルトを下げてペドロとミリンコビッチ=サビッチを後半頭から投入。すると、キックオフ直後の47分には右サイドを突破したフェリペ・アンデルソンからの斜めのグラウンダークロスに、ファーで反応したペドロが飛び込んでいきなり決定的な場面に絡んだ。

ここから攻撃のギアを上げたいラツィオだが、立ち上がり以降はトリノに押し返されてイーブンの展開に持ち込まれる。幾度か得たカウンターチャンスも前線の選手たちの呼吸が合わず。逆に、相手の鋭い縦への攻撃に晒されると、69分にはボックス左で仕掛けた途中出場のアンサルディに枠のわずか右に外れる際どいシュートも打たれる。

何とか流れを変えたいアウェイチームはマルシッチ、カタルディを下げてラッツァーリ、ルーカス・レイバを続けてピッチに送り出す。だが、この交代も流れを引き戻す効果的な一手とはならず。

すると、76分には右サイド深くに侵攻したシンゴからの正確なクロスを、直前に投入されたばかりのピアツァに完璧なヘディングで叩き込まれ、痛恨の先制点献上となった。

これを受け、ラツィオベンチは失点直後にアクパ・アクプロを下げて長身FWムリキを投入。この交代で[4-3-3]から[4-4-2]に布陣を変更する。だが、勢いづくホームチームの攻勢に晒され、ピアツァ、ジジと続けてあわや2失点目というピンチを招いた。

その後も攻め手を欠くラツィオは試合終了間際の88分に左CKの流れからインモービレにチャンスも、ゴール右角度のないところから放ったヘディングシュートは相手GKのセーブに遭う。

これで万事休すかに思われたが、最後の最後に幸運な形から劇的な同点ゴールが生まれる。91分、ボックス内でルーズボールに反応したムリキがDFジジと交錯した際に太ももを蹴られてPKを獲得。これをキッカーのインモービレが冷静にゴール左隅へ流し込んだ。

このゴールで辛くも敗戦を逃れたラツィオだったが、終始劣勢の振るわないパフォーマンスで公式戦4戦未勝利に。ホーム開催となる今季最初のデルビーに向けて不安を残す結果となった。
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