【セリエA・シーズンプレビュー】アッレグリ復帰のユーベが本命、コンテ退任のインテルは苦戦必至か

2021.08.21 18:00 Sat
Getty Images
2021-22シーズンのセリエAが21日に開幕する。昨季はインテルが11季ぶりにスクデットを獲得し、ユベントスの10連覇を阻んだ。ただ、迎える新シーズンはアッレグリ監督が復帰したユベントスが優勝候補の本命と言えそうだ。
PR
◆アッレグリ復帰でスクデット奪還へ~ユベントス~
Getty Images

昨季は監督初挑戦のピルロを指揮官に据えて10連覇を目指したユベントス。しかし、新米監督にその重役は担いきれず、最終節での逆転劇で何とか4位に滑り込みチャンピオンズリーグ(CL)出場権を獲得するに留まった。
昨季終了をもってピルロ監督の解任を決断したフロントはアッレグリ監督を3季ぶりに招へい。堅実な戦いを標榜するユベントスのクラブカラーに沿う指揮官の就任は、ここ2シーズンの不安定な戦いを払拭する可能性が高い。開幕前に意中のMFロカテッリを獲得したものの、ここまでは最低限の補強に留まった一方、移籍が噂されたFWロナウドら主力に流出はなし。前任者が生かし切れなかった現有戦力を稀代の名将が適材適所で生かせれば、ビアンコネロがスクデットを奪還する可能性は十分だとみる。

◆ユーベの対抗馬筆頭~アタランタ~
Getty Images

ミラノ勢が弱体化したとみられる一方、ガスペリーニ体制6季目となるアタランタをユベントスの対抗馬に挙げたい。正GKゴッリーニと守備の要となったDFロメロがいずれもトッテナムへ移籍することになったが、ウディネーゼの守護神ムッソとユベントスDFデミラル、ヴェローナDFロヴァートを確保しており、戦力は維持できていると思われる。インテル行きが噂されるFWサパタの去就は懸念材料も、3シーズン連続でCL出場権を獲得したプロビンチャの雄が満を持してスクデットを狙いに行く。

◆優勝の立役者コンテ&ルカク退団で連覇は険しい道~インテル~
Getty Images

昨季は怒涛の連勝を2度記録し、ユベントスの10連覇を阻んだインテル。しかし、新型コロナウイルスの煽りを受け、オーナー企業の業績が悪化。スカッド縮小の方針に異を唱えたコンテ監督が去り、昨季リーグMVPのFWルカクがチェルシーに復帰した。加えてカウンターの起点となっていたMFハキミがパリ・サンジェルマンに流出、心臓の問題で登録が微妙なMFエリクセンの存在を含め弱体化は甚だしい。コンテ監督に代わってシモーネ・インザーギ監督、ルカク、ハキミに代わってFWジェコ、DFダンフリースではいささか連覇は難しいものと思われる。
◆守護神&司令塔流出で大幅戦力ダウン~ミラン~
Getty Images

インテル同様、ミランもこの夏は主力の流出を避けられなかった。8季ぶりのCLに向けて強化を図りたいところだったが、昨季チームMVP級の働きを見せた守護神のGKドンナルンマがPSGに移籍し、契約満了を迎えたMFチャルハノールがライバルのインテルに移籍してしまった。10月には40歳を迎えるケガがちなFWイブラヒモビッチに頼りきりになるわけにもいかず、チェルシーからFWジルーを迎えたが、得点力への過度な期待はできない。リールから獲得した未知数の新守護神メニャンのパフォーマンスにも若干の不安があり、CL出場権獲得が現実的な目標となりそうだ。

◆失敗続きのモウリーニョ、イタリアで復権なるか~ローマ~
Getty Images

かつての“スペシャルワン”は近年、目立った結果を残せずにいる。マンチェスター・ユナイテッド、トッテナムと立て続けにチームを統率しきれず、いずれも志半ばで解任の憂き目に遭った。そんなモウリーニョ監督が新天地に求めたのはかつてインテルを3冠に導いたイタリアの地。ローマはモウリーニョ監督の要望に応え、ウィークポイントとなっていたポジションにGKルイ・パトリシオ、FWショムロドフ、FWエイブラハム、DFビーニャらを獲得。かつて栄光を勝ち取ったイタリアで復権となるか。

◆サッリ招へいが吉と出るか~ラツィオ~
Getty Images

S・インザーギ監督のインテル指揮官就任に伴い、サッリ監督を招へいしたラツィオ。前任者の標榜するスタイルとは異なるサッリ監督の招へいが吉と出るかに注目だ。チェルシー、ユベントスと、ナポリ時代に収めたような成功を再現できなかった名将は、ラツィオで自身の評価を再び高めることができるか。ナポリ、チェルシー時代のサッリ監督の教え子であるDFヒサイ、FWペドロを加え、戦術理解の浸透を促す。

◆スパレッティ招へい、現時点で主力流出なしだが…~ナポリ~
Getty Images

ガットゥーゾ監督の退任に伴い、スパレッティ監督を招へいしたナポリ。今夏のメルカートでは目立った補強がない一方、開幕前時点では主力に流出なく戦力は充実。ただ、財政難が噂される中、DFマノラス、DFクリバリ、MFファビアン・ルイスらの去就は未だ不透明。メルカート終了まで懸念を抱えるが、スカッドの規模を考えれば最低でもCL出場権確保は目指したいところ。大きく崩れることのないスパレッティ監督の手腕で4位以内に滑り込めるか。

◆五輪での悔しい想いを胸に~冨安と吉田~
Getty Images

セリエAで着実に実績を積み上げているボローニャのDF冨安健洋とサンプドリアのDF吉田麻也。共にオリンピックに参戦し、惜しくもメダル獲得とはならず悔しい想いをしたが、その鬱憤をイタリアの地でぶつけて欲しいところ。冨安に関してはトッテナムへの移籍が報じられ、去就が不透明な状況だが、仮に残留すれば今季もボローニャの守備の要として存在感を見せてくれるはずだ。また、現時点では可能性の段階だが、マルセイユ退団のDF長友佑都にジェノア加入の可能性があり、仮にインテル時代の2017-18シーズン以来のイタリア復帰が決定した場合、吉田との日本人対決となるジェノヴァ・ダービーによりスポットライトが当たるはずだ。

PR
関連ニュース

鎌田欠場のラツィオがホームで意地の勝利もユベントスが22度目の決勝進出!【コッパ・イタリア】

コッパ・イタリア準決勝2ndレグのラツィオvsユベントスが23日に行われ、2-1でラツィオが勝利。2戦合計スコア3-2でユベントスが決勝へ駒を進めた。ラツィオのMF鎌田大地はベンチ外となった。 2日に行われた1stレグを0-2で敗れたラツィオは、直近のジェノア戦からスタメンを4人変更。鎌田やラッツァーリ、パトリックらに代えてゲンドゥージやカタルディ、ロマニョーリらをスタメンで起用した。 一方、ホームで先勝したユベントスは、直近のカリアリ戦からスタメンを4人変更。ウェアやアルカラス、GKシュチェスニーらに代えてコスティッチ、マッケニー、GKペリンらをスタメンで起用した。 試合は立ち上がりからホームチームが積極的な入りを見せると、12分にスコアが動く。ルイス・アルベルトの右CKをファーサイドで競り合ったカステジャノスがヘディングシュートを叩き込み、ラツィオが先制に成功した。 早い時間に1点を返されたユベントスは23分、アレックス・サンドロの鋭い縦パスから敵陣でワンタッチパスを繋ぐと、ラビオのループパスでボックス左に抜け出したキエーザの折り返しをニアに走り込んだヴラホビッチが左足で合わせたが、シュートはGKマンダスが左足でブロック。 さらにユベントスは、32分にもコスティッチの左CKからボックス中央に走り込んだブレーメルがドンピシャヘッドでゴールに迫ったが、これは枠の上に外れた。 ハーフタイムにかけては一進一退の好ゲームが続く中、ラツィオは44分に決定機。左サイドのL・アルベルトが供給したスルーパスからボックス左に抜け出したカステジャノスがGKとの一対一を迎えたが、シュートはGKペリンのファインセーブに防がれ、前半は1-0で終了した。 迎えた後半、再びラツィオは早い時間にスコアを動かす。49分、フェリペ・アンデルソンのくさびのパスを敵陣中盤のL・アルベルトがワンタッチで繋ぐと、上手くDFの裏に抜け出したカステジャノスがボックス内まで侵入しシュートを流し込んだ。 2戦合計スコアで2-2のタイに戻った中、両者は選手を入れ替えて勝ち越しゴールを目指すが拮抗した展開が続く。するとユベントスは、83分に左クロスの流れたボールをボックス右で拾ったウェアがワントラップから右足を振り抜くと、ゴールから逸れたボールをゴール前に走り込んだミリクがゴールに押し込んだ。 結局、この得点が決勝点となり、2-1でタイムアップ。2戦合計スコア3-2でラツィオを下したユベントスが22度目の決勝進出を決めた。 2024.04.24 06:05 Wed

上田綺世のライバルFWヒメネスに3つのビッグクラブが関心? 今季はエールディビジで21ゴール

フェイエノールトのエースであり日本代表FW上田綺世のライバルでもあるメキシコ代表FWサンティアゴ・ヒメネス(23)だが、今夏のステップアップを目指しているという。メキシコ『レコルド』が伝えた。 ヒメネスは母国の名門クルス・アスルの下部組織出身。2022年7月にフェイエノールトへ完全移籍し、ヨーロッパでのキャリアをスタートさせた。 初挑戦となったヨーロッパの舞台では、エールディビジで32試合15ゴール、ヨーロッパリーグ(EL)で9試合5ゴールを記録するなど、公式戦45しいあで23ゴールを記録。チームをリーグ優勝に導くと、2年目となった今シーズンはさらに飛躍し、エールディビジでは29試合で21ゴール、チャンピオンズリーグ(CL)でも4試合2ゴールを記録している。 名実共にフェイエノールトのエースとなり、メキシコ代表でも活躍するヒメネスにはビッグクラブが関心を寄せている。 『レコルド』によれば、3つのビッグクラブが関心を持っているとのこと。それはアーセナル、ユベントス、アトレティコ・マドリーだという。 フェイエノールトも売却に関しては前向きに検討しているとのこと。その中で、スペイン語が通じるラ・リーガでのプレーをヒメネス本人が希望しているということもあり、アトレティコ行きが有力という見方があるという。 また、バルセロナ、レアル・マドリーに関しては、バルセロナは財政面の問題で獲得に動くことができず、マドリーはクラブでプレーするにはまだ力が足りないと考えており、獲得に動く気はないという。 いずれにしても、結果を残した今シーズンの成績を見れば、引く手数多になることは明らか。ステップアップを果たせるのか注目だ。 2024.04.21 23:10 Sun

ローマの連覇は持ち越しに…熊谷紗希&南萌華フル出場もフィオレンティーナとゴールレスドロー【女子セリエA】

20日、女子セリエA上位プレーオフ第5節のフィオレンティーナvsローマがヴィオラ・パークで行われ、0-0の引き分けに終わった。 ローマのなでしこジャパンDF熊谷紗希は中盤の底で、DF南萌華はセンターバックの一角でフル出場した。 首位のローマ(勝ち点60)は、前節2位ユベントス(勝ち点47)との直接対決を制し、今節勝てば2連覇が決まるという状況下で、3位フィオレンティーナ(勝ち点39)との敵地戦に臨んだ。 一方、プレーオフに入って3連敗中のフィオレンティーナも、女子チャンピオンズリーグ(UWCL)圏内死守への執念を見せ、立ち上がりから攻勢を掛けると、2分に右クロスからポーリーン・ハマランドがネットを揺らす。 だが、ここは直前のエンマ・セヴェリーニのGKへのファウルを取られて、ゴールを認められず。ローマは難を逃れた。 互いが好機を作りながらも、両者無得点のまま試合は推移し、終盤にはローマの時間が続くが、82分に迎えたバレンティナ・ジャチンティの決定機はGKの好セーブに遭い、88分には南のヘディングも力なく。互いにゴールが生まれぬまま、90分を終えた。 また、裏ではユベントスが4位サッスオーロ(勝ち点32)に2-1で勝利したため、今節のローマの優勝はお預けに。プレーオフは奇数チームのため、ローマは次節試合がないが、ユベントスが5位インテル(勝ち点30)と引き分け以下なら、優勝が決まる。 <span class="paragraph-title">【動画】熊谷紗希&南萌華フル出場のローマがフィオレンティーナとドロー</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="lI5p4il6T8c";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.21 20:45 Sun

「ユベントスに勝てたはず…」残留争いカリアリのラニエリ監督に込み上げる悔しさ、2点リード守れずドロー決着

カリアリのクラウディオ・ラニエリ監督に悔しさが込み上げる。イタリア『カルチョメルカート』が伝えている。 セリエAで残留争い中のカリアリは19日、第33節でユベントスとのホームゲームに臨み、2-2のドロー。前半のPK2発で2点リードも、後半に入って直接FK弾および87分のオウンゴールで追いつかれてしまった。 勝ち点1の積み上げで暫定ながらも13位に浮上し、この「勝ち点1」がモノを言う残留争いとあって、決して価値なきドローだったわけではない。相手も停滞感漂うユベントスとはいえ、カリアリにとっては明確な格上だ。 しかし、試合直後に『DAZN』で90分間を振り返った老将ラニエリは悔しさをあらわに。「ユベントスに勝てたはず」と切り出したうえで、やるせない心情を吐露する。 「相手はユベントスだ…試合終了のホイッスルが鳴るまで、1秒たりとも集中を切らせない。我々は“いい試合”は出来たと思う。選手たちをねぎらう義務が私にはある。ただ、失点は2つとも回避できたはずだ…」 「最初の失点は、ユーベが自分たちのサッカーをできずにもがいていた時間帯。キエーザへのファウルをとられてFKになったわけだが、あの判定は疑問が残る。しかし、レフェリーに対する適応も試合の一部なのだ」 今季途中就任からなんとかカリアリを立て直し、かろうじて残留圏内をキープさせているラニエリ監督。残り5試合、目標は明確だ。 「このチームはハンディキャップを抱えて今季を滑り出し、そうだな…ようやく体裁が整ったのは、ここ1カ月半の間だろう。選手には『このまま最後まで行くぞ』と伝える」 「今日は本当に残念だ。残念だが、見据えている目標はひとつしかない。残留のために、少なくとも勝ち点36は確保しないといけない(現在は33)。最速でここに到達させる」 何はともあれユベントスから勝ち点1をもぎとった自信を次節に昇華できるか。次は27日に難敵ジェノアとのアウェイゲームだ。 2024.04.20 14:00 Sat

2点ビハインドから同点劇のユベントス、指揮官は展開に不満 「前半を相手に譲った」

ユベントスのマッシミリアーノ・アッレグリ監督がドローを振り返った。クラブ公式サイトが伝えた。 セリエA前節のトリノ・ダービーをゴールレスドローで終えていた3位ユベントスは19日の第33節でカリアリと対戦。ホームチームに立ち上がりからチャンスを許すと、30分にはPKから先制点を与えてしまう。 さらにその6分後には再びPKから失点し、2点ビハインドで後半へ。セルビア代表FWドゥシャン・ヴラホビッチの直接FKで1点を返すと、終盤のトルコ代表FWケナン・ユルドゥズのクロスからオウンゴールを誘発し、なんとか2-2の引き分けに持ち込んだ。 試合後、アッレグリ監督は前半の内容を反省。自分たちのペースにするためにどこかで上回る必要があったと述べている。 「前半はミスが多かったし、試合をうまくコントロールできなかった。もっとセカンドボールに反応するべきだったし、もっとデュエルで勝つべきだった」 「相手に合わせられないと骨折してしまうようなリスクがある。カリアリはデュエルという観点においては素晴らしい試合をしたし、このような場合はテクニックで上回らなければならない。あるいはもっと走って上回るかだ」 「我々は走らなければ試合に留まることができないチームだ。たくさんのリスクを負うことになる。後半、選手たちはうまく立て直し、カリアリは劣勢に立たされたが、前半を相手に譲ったという事実は変わらない」 「ここでテクニック的に良いプレーをするのはいつも難しい。カリアリが走る限り、我々は彼らのレベルに合わせなければならなかった。恐らく美しい試合にはならなかったが、そうすることで挑戦し、勝利するための全てのバランスを保つことができただろう」 2024.04.20 10:26 Sat
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly