“死の組”の行方占うフランスとドイツの初戦はW杯王者に軍配! フンメルスOGが決勝点に《ユーロ2020》
2021.06.16 06:02 Wed
ユーロ2020グループF第1節、フランス代表vsドイツ代表が15日にフースバル・アレーナ・ミュンヘンで行われ、フランスが1-0で勝利した。
前大会王者ポルトガル代表、世界王者フランス、ドイツが同居した今大会最激戦区のグループF。
2018年ロシア・ワールドカップを制し、国際主要大会連覇を狙うフランスは、直近のテストマッチでウェールズ代表、ブルガリア代表を一蹴し、良い仕上がりで初戦を迎えた。デシャン監督は重要な一戦に向けてGKにロリス、最終ラインにパヴァール、ヴァラン、キンペンベ、リュカを起用。また、中盤はポグバとカンテの鉄板コンビにトリソではなくラビオを起用し、前線はグリーズマンをトップ下ではなく右ウイングに配置し、ベンゼマとムバッペと3トップを組ませた。
一方、15年に渡るレーブ体制の集大成として今大会に臨むドイツは、直近のラトビア代表戦で7-1の圧勝を飾り、こちらも上々の仕上がり。世界王者との初戦ではGKにノイアー、3バックにギンター、フンメルス、リュディガーを起用。中盤はキミッヒとゴセンズが両ウイングバックに入り、ギュンドアンとクロースの2センター、前線はニャブリを最前線に置き、ハヴァーツとミュラーが2シャドーを務めた。
互いに相手の立ち位置、戦い方を確認する様子見の入りとなった中、主導権争いが続く。フランスはカンテとラビオが中盤でバランスを取りつつ、攻撃時にかなり中に絞ってくるグリーズマンとポグバを起点にベンゼマとムバッペがフィニッシュの局面に顔を出そうとする。
立ち上がりの睨み合いを経て徐々に主導権を掴み始めたフランスは15分過ぎに続けて決定機を創出。まずは16分、右CKの場面でグリーズマンの左足インスウィングのクロスをポグバが打点の高いヘッドで合わすが、これはクロスバーの上。さらに、17分にはボックス左でグリーズマンから短いパスを受けたムバッペがカットインから右足を振るが、これはGKノイアーの好守に遭う。
それでも、続けて良い形を作り出したフランスはその流れのまま先制点を奪う。20分、相手陣内右サイドでポグバのキープからパヴァール、ベンゼマのパス交換で密集をこじ開けてポグバが右足アウトにかけた完璧なパスをボックス左に走り込むリュカに通す。すると、リュカがすかさず左足ダイレクトで折り返したボールに対して、ムバッペの手前でクリアを試みたDFフンメルスが歩幅を合わせられず、窮屈な体勢でクリアしたボールがゴール左隅に決まった。
不運な形から先制を許したドイツはすぐさま反撃を開始。序盤に比べて全体を押し上げて、3トップにギュンドアンやクロースの2セントラルMFの一角も高い位置で攻撃に顔を出す。そして、ギュンドアンらの仕掛けから続けてボックス手前の好位置でFKを獲得するが、名手クロースの直接FKは枠を捉え切れない。
その後はドイツがボールを握り、フランスがカウンターで応戦する構図の下で拮抗した試合展開が続く。36分にはムバッペがキレ味鋭い仕掛けでDFフンメルスを振り切ってボックス左からラストパスを狙うが、これはDFギンターのカバーに遭う。逆に、直後の38分にはボックス内でのニャブリのアクロバティックな折り返しに反応したギュンドアンがゴール前に飛び込むが、ここはポグバの寄せが気になったか、シュートを枠の右に外してしまう。
結局、フランスの1点リードで折り返した試合は後半も同じ流れを継続する。その中で後半は早い時間帯に決定機を作り合う。
まずは52分、フランスのカウンターからムバッペのパスをボックス左で受けたラビオがやや窮屈な体勢で左足を振るが、ニアを狙ったシュートは惜しくも左ポストを叩く。直後の54分には左サイドのゴセンズのアーリークロスに反応したニャブリがボックス右からフリーでダイレクトボレーを狙うが、これはわずかにクロスバーの上を越えた。
互いに1度ずつゴールに迫った中、後半はドイツが攻守両面で優位性を保ってフランスを自陣深くに押し込んでいく。前半に比べて明らかに攻撃に厚みが生まれたものの、最後のところで粘るフランスの堅守をこじ開けるまでには至らず。
後半半ばを過ぎても緊迫感のある状況が続く中、先に動いたのはドイツベンチ。74分、ニャブリとハヴァーツを下げてヴェルナーとサネを同時投入した。
一方、交代でバランスを崩したくないフランスは相手の背後を執拗に狙うムバッペの個人技を生かしたカウンターから幾度も決定機を作り出すが、78分にボックス内へ抜け出したプレーはDFフンメルスのギリギリのスライディングタックルに阻まれる。さらに、85分にはポグバのスルーパスに抜け出したムバッペのお膳立てからベンゼマがゴールネットを揺らすが、これもVARのレビューの結果、微妙なオフサイド判定でゴールは認められない。
その後、最少得点差のままで突入した試合終盤に両チームは共に2枚ずつ交代カードを切る。追いつきたいドイツはギンター、ゴセンズに代えてジャンとフォラント、フランスは足を痛めたラビオとお役御免のベンゼマに代えてトリソ、デンベレを投入した。
6分が加えられた後半アディショナルにはドイツが決死の猛攻を仕掛けるが、最後までフランスの堅い守備をこじ開けることはできなかった。そして、フンメルスのオウンゴールが決勝点となった白熱の強豪対決は世界王者フランスの貫録勝ちとなった。
なお、グループリーグ連勝を目指すフランスは19日に初戦を落としたハンガリー代表戦、早くも崖っぷちのドイツは初戦を快勝したポルトガルとの重要な試合に臨む。
フランス 1-0 ドイツ
【フランス】
OG(前20)
前大会王者ポルトガル代表、世界王者フランス、ドイツが同居した今大会最激戦区のグループF。
一方、15年に渡るレーブ体制の集大成として今大会に臨むドイツは、直近のラトビア代表戦で7-1の圧勝を飾り、こちらも上々の仕上がり。世界王者との初戦ではGKにノイアー、3バックにギンター、フンメルス、リュディガーを起用。中盤はキミッヒとゴセンズが両ウイングバックに入り、ギュンドアンとクロースの2センター、前線はニャブリを最前線に置き、ハヴァーツとミュラーが2シャドーを務めた。
互いに相手の立ち位置、戦い方を確認する様子見の入りとなった中、主導権争いが続く。フランスはカンテとラビオが中盤でバランスを取りつつ、攻撃時にかなり中に絞ってくるグリーズマンとポグバを起点にベンゼマとムバッペがフィニッシュの局面に顔を出そうとする。
対するドイツはミュラー、ハヴァーツ、ニャブリの前線3枚が流動的にポジションを入れ替えながら高い位置を取る左ウイングバックのゴセンズと共に相手の背後をシンプルに狙っていく。
立ち上がりの睨み合いを経て徐々に主導権を掴み始めたフランスは15分過ぎに続けて決定機を創出。まずは16分、右CKの場面でグリーズマンの左足インスウィングのクロスをポグバが打点の高いヘッドで合わすが、これはクロスバーの上。さらに、17分にはボックス左でグリーズマンから短いパスを受けたムバッペがカットインから右足を振るが、これはGKノイアーの好守に遭う。
それでも、続けて良い形を作り出したフランスはその流れのまま先制点を奪う。20分、相手陣内右サイドでポグバのキープからパヴァール、ベンゼマのパス交換で密集をこじ開けてポグバが右足アウトにかけた完璧なパスをボックス左に走り込むリュカに通す。すると、リュカがすかさず左足ダイレクトで折り返したボールに対して、ムバッペの手前でクリアを試みたDFフンメルスが歩幅を合わせられず、窮屈な体勢でクリアしたボールがゴール左隅に決まった。
不運な形から先制を許したドイツはすぐさま反撃を開始。序盤に比べて全体を押し上げて、3トップにギュンドアンやクロースの2セントラルMFの一角も高い位置で攻撃に顔を出す。そして、ギュンドアンらの仕掛けから続けてボックス手前の好位置でFKを獲得するが、名手クロースの直接FKは枠を捉え切れない。
その後はドイツがボールを握り、フランスがカウンターで応戦する構図の下で拮抗した試合展開が続く。36分にはムバッペがキレ味鋭い仕掛けでDFフンメルスを振り切ってボックス左からラストパスを狙うが、これはDFギンターのカバーに遭う。逆に、直後の38分にはボックス内でのニャブリのアクロバティックな折り返しに反応したギュンドアンがゴール前に飛び込むが、ここはポグバの寄せが気になったか、シュートを枠の右に外してしまう。
結局、フランスの1点リードで折り返した試合は後半も同じ流れを継続する。その中で後半は早い時間帯に決定機を作り合う。
まずは52分、フランスのカウンターからムバッペのパスをボックス左で受けたラビオがやや窮屈な体勢で左足を振るが、ニアを狙ったシュートは惜しくも左ポストを叩く。直後の54分には左サイドのゴセンズのアーリークロスに反応したニャブリがボックス右からフリーでダイレクトボレーを狙うが、これはわずかにクロスバーの上を越えた。
互いに1度ずつゴールに迫った中、後半はドイツが攻守両面で優位性を保ってフランスを自陣深くに押し込んでいく。前半に比べて明らかに攻撃に厚みが生まれたものの、最後のところで粘るフランスの堅守をこじ開けるまでには至らず。
後半半ばを過ぎても緊迫感のある状況が続く中、先に動いたのはドイツベンチ。74分、ニャブリとハヴァーツを下げてヴェルナーとサネを同時投入した。
一方、交代でバランスを崩したくないフランスは相手の背後を執拗に狙うムバッペの個人技を生かしたカウンターから幾度も決定機を作り出すが、78分にボックス内へ抜け出したプレーはDFフンメルスのギリギリのスライディングタックルに阻まれる。さらに、85分にはポグバのスルーパスに抜け出したムバッペのお膳立てからベンゼマがゴールネットを揺らすが、これもVARのレビューの結果、微妙なオフサイド判定でゴールは認められない。
その後、最少得点差のままで突入した試合終盤に両チームは共に2枚ずつ交代カードを切る。追いつきたいドイツはギンター、ゴセンズに代えてジャンとフォラント、フランスは足を痛めたラビオとお役御免のベンゼマに代えてトリソ、デンベレを投入した。
6分が加えられた後半アディショナルにはドイツが決死の猛攻を仕掛けるが、最後までフランスの堅い守備をこじ開けることはできなかった。そして、フンメルスのオウンゴールが決勝点となった白熱の強豪対決は世界王者フランスの貫録勝ちとなった。
なお、グループリーグ連勝を目指すフランスは19日に初戦を落としたハンガリー代表戦、早くも崖っぷちのドイツは初戦を快勝したポルトガルとの重要な試合に臨む。
フランス 1-0 ドイツ
【フランス】
OG(前20)
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