【CLプレビュー】今ラウンド屈指の好カード! 新生PSGが“カンプ・ノウの奇跡”以来の因縁の地へ《バルセロナvsPSG》
2021.02.16 18:30 Tue
チャンピオンズリーグ(CL)ラウンド16・1stレグ、バルセロナvsパリ・サンジェルマン(PSG)が日本時間16日29:00にカンプ・ノウでキックオフされる。CL史上最大の逆転劇の1つとなった“カンプ・ノウの奇跡”を演じた両雄による、ベスト8進出を懸けた注目の初戦だ。
クーマン新監督を迎え大幅なスカッド刷新を図って臨んだラ・リーガでは度重なる負傷者、好不調の波の激しさもあり、1試合未消化の首位アトレティコ・マドリーと8ポイント差の3位に甘んじている。とはいえ、直近はリーグ7連勝と完全復調のエースFWメッシ、指揮官が開幕から我慢して起用し続けたFWグリーズマン、若手の台頭などもあり、ようやく本調子を取り戻しつつある。そのため、下馬評では劣勢必至も良い形で今回の初戦に臨めるはずだ。
一方、昨季の準優勝チームとして今季CLグループステージに臨んだPSGは、グループHでRBライプツィヒ、マンチェスター・ユナイテッド、イスタンブール・バシャクシェヒルと同居。最終節までもつれ込んだライプツィヒ、ユナイテッドとの三つ巴の争いを制して、前評判通り首位での突破を決めた。
しかし、国内のリーグ・アンにおいては昨季CL決勝トーナメント参戦による疲労の影響もあり、開幕連敗スタートと厳しい船出となると、年をまたぐ前に4敗を喫する不振や予てからの上層部との確執によってトゥヘル前監督が電撃解任。代わって年明けからクラブOBであり、元トッテナムの指揮官であるポチェッティーノ新監督を招へい。コロナ禍やケガ人の影響でベストメンバーを組むのに苦戦も、就任後6勝1敗1分けと復調気配を見せ、首位のリールと1ポイント差の2位に位置している。
なお、両者は今回で通算12度目の対戦となり、戦績はバルセロナの5勝3敗3分け。直近の対戦は2016-17シーズンのCLラウンド16でパルクでの初戦をPSGが4-0で勝利も、バルセロナがカンプ・ノウでの2ndレグで6-1の奇跡的なレモンターダを決めて、逆転突破を決めている。
また、PSGの新指揮官就任前にバルセロナの新指揮官候補にも挙がった注目のポチェッティーノ監督と、クーマン監督は前者がトッテナムの新指揮官に就任した際に後者がサウサンプトンで後任を務めた因縁があり、指揮官としての直接対決の戦績はポチェッティーノ監督の4勝1敗2分け。さらに、監督キャリアをバルセロナのローカル・ライバルのエスパニョールでスタートした因縁を持つアルゼンチン人指揮官はトッテナム時代を含め、対バルセロナの戦績は1勝6敗4分けだ。
◆バルセロナ◆
【4-3-3】
▽バルセロナ予想スタメン
GK:テア・シュテーゲン
DF:デスト、ミンゲサ、ラングレ、ジョルディ・アルバ
MF:デ・ヨング、ブスケッツ、ペドリ
FW:デンベレ、メッシ、グリーズマン
負傷者:DFアラウホ、セルジ・ロベルト、MFコウチーニョ、FWアンス・ファティ、ブラースヴァイト
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関してはアラウホ、セルジ・ロベルト、コウチーニョ、アンス・ファティの欠場が確定。その一方で、長期離脱明けのピケが直近のトレーニングで全体練習に復帰しており、さすがに先発起用は難しいものの、メンバー入りできるようだ。
スタメンでは中盤から前線に関して配置のマイナーチェンジこそあるものの、前述のメンバーの起用が濃厚だ。注目は右サイドバックとラングレの相棒の人選。ここ最近ではデストのコンディションの問題でミンゲサの右サイドバック起用が多くなっているが、ユムティティの不安定なパフォーマンスを鑑みれば、ミンゲサをセンターバックで起用し、デストを右サイドバックに置く可能性が高い。もちろん、中盤にピャニッチ(リキ・プッチ)を置いてデ・ヨングをセンターバックで起用するオプションも考えられる。
◆パリ・サンジェルマン◆
【4-3-3】
▽パリ・サンジェルマン予想スタメン
GK:ケイロル・ナバス
DF:フロレンツィ、マルキーニョス、キンペンベ、クルザワ
MF:グイエ、パレデス、ヴェッラッティ
FW:ケアン、イカルディ、ムバッペ
負傷者:DFベルナト、ダグバ、MFディ・マリア、FWネイマール
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱中のベルナトに加え、先日のマルセイユ戦、カーン戦で負傷したディ・マリア、ネイマールが欠場となる。
システムに関しては[4-4-2]、[4-2-3-1]のオプションもあるが、現スカッドの陣容を考えれば、中盤に3人のセントラルMFを配置する[4-3-3]の採用が濃厚だ。
スタメンに関しては2-0で勝利したマルセイユ戦のメンバーをベースに、ディ・マリア不在の右ウイングにケアンが起用される可能性が高い。それ以外では右サイドバックにより守備的なケーラー、中盤ではドラクスラー辺りにチャンスが与えられる可能性もありそうだ。
★注目選手
◆バルセロナ:DFジョルディ・アルバ
バルセロナの注目プレーヤーは崩しの切り札アルバだ。昨シーズンは度重なる筋肉系のケガに悩まされて欠場する試合が増えた31歳のスペイン代表だが、今シーズンは開幕からコンディションを維持してほぼフル稼働を続けている。そして、セルジ・ロベルトの離脱などによって例年以上に左肩上がりの攻撃が目立つ中、公式戦29試合3ゴール10アシストと、いずれもキャリアハイを更新しそうな勢いを見せている。
今シーズンに関しては盟友メッシとのホットラインに加え、グリーズマンやペドリらとの連携に磨きをかけており、持ち味の攻撃参加の質やバリエーションを増やしている印象だ。そして、下馬評では劣勢必至のPSGとの対戦でもアルバのプレーが攻撃の突破口となるはずだ。
PSGの右サイドはウイングにケアン、サイドバックにフロレンツィ(ケーラー)といずれも攻撃に特長があり、守備面では集中力、強度に問題を抱えるユニットが並ぶ可能性が高い。したがって、アルバが普段の試合以上に攻撃面で特長を出せる展開が予想される。逆に、右サイドに関してはデスト、ミンゲサのいずれが起用されたとしてもムバッペの対応のために高い位置を取ることは難しいため、アルバが攻撃面で存在感を放てなければ、バルセロナのサイドからの攻撃が死ぬ可能性が高い。また、ビルドアップの局面では相手のハイプレスに苦しむことが多いため、うまくパスの逃げ道としてボールを引き出したいところだ。
◆パリ・サンジェルマン:FWキリアン・ムバッペ
PSGの注目プレーヤーはネイマール不在で躍動が求められるもう一人のエースだ。PSG加入後、ポストメッシ、C・ロナウドの筆頭として世界中から大きな期待を集める22歳だが、世界王者に輝いた2018年ロシア・ワールドカップ以降、やや停滞の時期を過ごしている。今シーズンはリーグ・アンで得点ランキングトップの16ゴールを挙げるなど、公式戦28試合18ゴール9アシストと数字は残しているが、かつてのような切れ味鋭い仕掛けは鳴りを潜め、独善的とも揶揄されるプレー判断で批判を浴びることもしばしばだ。
それでも、若手育成に長けたポチェッティーノ新監督の下、メンタル面や献身性の部分での改善も期待されており、今回のビッグマッチではネイマール不在という苦しいチーム状況の中で、より責任感と勝負強さを発揮するチャンスとなるはずだ。
対バルセロナという点では被カウンターの脆さに加え、前からの圧力に対してビルドアップのミスが目立つこともあり、その爆発的なスピードが生きる展開と言える。また、最終ラインとの駆け引きに長けたイカルディの存在によって、相手アンカーの脇のスペース、斜めのランニングから抜け出す形からチャンスに絡める可能性は高いはずだ。
自身は当時在籍していなかったが、PSGにとって“カンプ・ノウの悲劇”として認知される因縁の地で、チームを勝利に導くエースの仕事を果たせるか。
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バルセロナは今季CLグループステージで、ユベントス、ディナモ・キエフ、フェレンツヴァローシュと2強2弱の構成となったグループGにおいて、開幕5連勝を達成。だが、最終節でユベントスにリベンジを許したことで、無念の2位通過となった。一方、昨季の準優勝チームとして今季CLグループステージに臨んだPSGは、グループHでRBライプツィヒ、マンチェスター・ユナイテッド、イスタンブール・バシャクシェヒルと同居。最終節までもつれ込んだライプツィヒ、ユナイテッドとの三つ巴の争いを制して、前評判通り首位での突破を決めた。
しかし、国内のリーグ・アンにおいては昨季CL決勝トーナメント参戦による疲労の影響もあり、開幕連敗スタートと厳しい船出となると、年をまたぐ前に4敗を喫する不振や予てからの上層部との確執によってトゥヘル前監督が電撃解任。代わって年明けからクラブOBであり、元トッテナムの指揮官であるポチェッティーノ新監督を招へい。コロナ禍やケガ人の影響でベストメンバーを組むのに苦戦も、就任後6勝1敗1分けと復調気配を見せ、首位のリールと1ポイント差の2位に位置している。
リール、リヨン、モナコとの優勝争いは決して簡単ではないが、対戦相手のバルセロナに比べてよりCLに全力を注げる状態であり、ネイマールやディ・マリアと一部主力を欠くものの、敵地でも勝ちに行く姿勢を全面に打ち出してくるはずだ。
なお、両者は今回で通算12度目の対戦となり、戦績はバルセロナの5勝3敗3分け。直近の対戦は2016-17シーズンのCLラウンド16でパルクでの初戦をPSGが4-0で勝利も、バルセロナがカンプ・ノウでの2ndレグで6-1の奇跡的なレモンターダを決めて、逆転突破を決めている。
また、PSGの新指揮官就任前にバルセロナの新指揮官候補にも挙がった注目のポチェッティーノ監督と、クーマン監督は前者がトッテナムの新指揮官に就任した際に後者がサウサンプトンで後任を務めた因縁があり、指揮官としての直接対決の戦績はポチェッティーノ監督の4勝1敗2分け。さらに、監督キャリアをバルセロナのローカル・ライバルのエスパニョールでスタートした因縁を持つアルゼンチン人指揮官はトッテナム時代を含め、対バルセロナの戦績は1勝6敗4分けだ。
◆バルセロナ◆
【4-3-3】
▽バルセロナ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:テア・シュテーゲン
DF:デスト、ミンゲサ、ラングレ、ジョルディ・アルバ
MF:デ・ヨング、ブスケッツ、ペドリ
FW:デンベレ、メッシ、グリーズマン
負傷者:DFアラウホ、セルジ・ロベルト、MFコウチーニョ、FWアンス・ファティ、ブラースヴァイト
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関してはアラウホ、セルジ・ロベルト、コウチーニョ、アンス・ファティの欠場が確定。その一方で、長期離脱明けのピケが直近のトレーニングで全体練習に復帰しており、さすがに先発起用は難しいものの、メンバー入りできるようだ。
スタメンでは中盤から前線に関して配置のマイナーチェンジこそあるものの、前述のメンバーの起用が濃厚だ。注目は右サイドバックとラングレの相棒の人選。ここ最近ではデストのコンディションの問題でミンゲサの右サイドバック起用が多くなっているが、ユムティティの不安定なパフォーマンスを鑑みれば、ミンゲサをセンターバックで起用し、デストを右サイドバックに置く可能性が高い。もちろん、中盤にピャニッチ(リキ・プッチ)を置いてデ・ヨングをセンターバックで起用するオプションも考えられる。
◆パリ・サンジェルマン◆
【4-3-3】
▽パリ・サンジェルマン予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ケイロル・ナバス
DF:フロレンツィ、マルキーニョス、キンペンベ、クルザワ
MF:グイエ、パレデス、ヴェッラッティ
FW:ケアン、イカルディ、ムバッペ
負傷者:DFベルナト、ダグバ、MFディ・マリア、FWネイマール
出場停止者:なし
出場停止者はいない。負傷者に関しては長期離脱中のベルナトに加え、先日のマルセイユ戦、カーン戦で負傷したディ・マリア、ネイマールが欠場となる。
システムに関しては[4-4-2]、[4-2-3-1]のオプションもあるが、現スカッドの陣容を考えれば、中盤に3人のセントラルMFを配置する[4-3-3]の採用が濃厚だ。
スタメンに関しては2-0で勝利したマルセイユ戦のメンバーをベースに、ディ・マリア不在の右ウイングにケアンが起用される可能性が高い。それ以外では右サイドバックにより守備的なケーラー、中盤ではドラクスラー辺りにチャンスが与えられる可能性もありそうだ。
★注目選手
◆バルセロナ:DFジョルディ・アルバ
Getty Images
バルセロナの注目プレーヤーは崩しの切り札アルバだ。昨シーズンは度重なる筋肉系のケガに悩まされて欠場する試合が増えた31歳のスペイン代表だが、今シーズンは開幕からコンディションを維持してほぼフル稼働を続けている。そして、セルジ・ロベルトの離脱などによって例年以上に左肩上がりの攻撃が目立つ中、公式戦29試合3ゴール10アシストと、いずれもキャリアハイを更新しそうな勢いを見せている。
今シーズンに関しては盟友メッシとのホットラインに加え、グリーズマンやペドリらとの連携に磨きをかけており、持ち味の攻撃参加の質やバリエーションを増やしている印象だ。そして、下馬評では劣勢必至のPSGとの対戦でもアルバのプレーが攻撃の突破口となるはずだ。
PSGの右サイドはウイングにケアン、サイドバックにフロレンツィ(ケーラー)といずれも攻撃に特長があり、守備面では集中力、強度に問題を抱えるユニットが並ぶ可能性が高い。したがって、アルバが普段の試合以上に攻撃面で特長を出せる展開が予想される。逆に、右サイドに関してはデスト、ミンゲサのいずれが起用されたとしてもムバッペの対応のために高い位置を取ることは難しいため、アルバが攻撃面で存在感を放てなければ、バルセロナのサイドからの攻撃が死ぬ可能性が高い。また、ビルドアップの局面では相手のハイプレスに苦しむことが多いため、うまくパスの逃げ道としてボールを引き出したいところだ。
◆パリ・サンジェルマン:FWキリアン・ムバッペ
Getty Images
PSGの注目プレーヤーはネイマール不在で躍動が求められるもう一人のエースだ。PSG加入後、ポストメッシ、C・ロナウドの筆頭として世界中から大きな期待を集める22歳だが、世界王者に輝いた2018年ロシア・ワールドカップ以降、やや停滞の時期を過ごしている。今シーズンはリーグ・アンで得点ランキングトップの16ゴールを挙げるなど、公式戦28試合18ゴール9アシストと数字は残しているが、かつてのような切れ味鋭い仕掛けは鳴りを潜め、独善的とも揶揄されるプレー判断で批判を浴びることもしばしばだ。
それでも、若手育成に長けたポチェッティーノ新監督の下、メンタル面や献身性の部分での改善も期待されており、今回のビッグマッチではネイマール不在という苦しいチーム状況の中で、より責任感と勝負強さを発揮するチャンスとなるはずだ。
対バルセロナという点では被カウンターの脆さに加え、前からの圧力に対してビルドアップのミスが目立つこともあり、その爆発的なスピードが生きる展開と言える。また、最終ラインとの駆け引きに長けたイカルディの存在によって、相手アンカーの脇のスペース、斜めのランニングから抜け出す形からチャンスに絡める可能性は高いはずだ。
自身は当時在籍していなかったが、PSGにとって“カンプ・ノウの悲劇”として認知される因縁の地で、チームを勝利に導くエースの仕事を果たせるか。
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