C・ロナウドが出場4戦連発もラツィオがカイセドのラストプレー弾で追いつき劇的ドロー《セリエA》

2020.11.08 22:41 Sun
Getty Images
セリエA第7節、ラツィオvsユベントスが8日にスタディオ・オリンピコで行われ、1-1のドローに終わった。
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前節、トリノとの壮絶な打ち合いを4-3で制した10位のラツィオは、今季初のリーグ戦2連勝。ただ、直近のチャンピオンズリーグ(CL)ではゼニトを相手に1-1のドローに終わっている。絶対王者をホームで迎え撃ったこの一戦では先発4人を変更。ルイス・アルベルト、ラドゥが復帰したが、新型コロナウイルスや負傷の影響により、エースFWインモービレらを引き続き欠く陣容に。
一方、スペツィアとの前節をクリスティアーノ・ロナウドのドッピエッタの活躍などにより4-1で快勝した3位のユベントスは、CLでも格下フェレンツヴァローシュを4-1で破って公式戦連勝中。その一戦からはこちらも先発4人を変更。負傷のラムジー、キエッリーニらに代わってクルゼフスキ、フラボッタ、ベンタンクール、デミラルが起用され、2トップは引き続きC・ロナウドとモラタのコンビとなった。

ランチタイムキックオフとなった強豪同士の一戦は互いにサイドを起点に攻め手を窺う入りとなる。キックオフ直後はラツィオが押し込んだが、以降はユベントスが押し返していく。開始8分にボックス付近に持ち込んだC・ロナウドが最初の枠内シュートを放つと、直後にもラビオが積極的に足を振っていく。

すると、徐々にリズムを掴んだアウェイチームがゴールをこじ開ける。15分、クアドラードが右サイドで長い距離を持ち上がって相手を押し込む形を作る。一度スピードダウンもベンタンクールのスルーパスに反応してボックス右に侵入したコロンビア代表MFがフリーで高速クロスを入れると、ゴール前で完全にマークを外したC・ロナウドが右足ワンタッチで押し込んだ。
C・ロナウドのセリエA出場試合4戦連発となる今季6点目で早々にリードを手にしたアウェイチームは、以降はややゲームコントロールをより意識しながらカウンターで追加点を目指す形に。

対するラツィオはムリキとミリンコビッチ=サビッチの高さをシンプルに生かした空中戦、コレアとルイス・アルベルトのドリブルで局面の打開を図る。31分にはボックス内で仕掛けたコレアがグラウンダーのシュートで相手ゴールに迫るが、ここはコースが甘くGKシュチェスニーに難なく対応される。

前半終盤にかけては互いに相手のリトリート守備を前に攻めあぐねる状況が続く。その中でも圧倒的な個の力を持つC・ロナウドは、43分にクルゼフスキのお膳立てからペナルティアーク付近で決定的なシュートを放つが、これは惜しくもクロスバーを叩く。さらに、前半ラストプレーではペナルティアーク付近で得た好位置のFKの場面で鋭いシュートを枠に飛ばすが、今度はGKレイナのワンハンドセーブに阻まれた。

ユベントスの1点リードで折り返した試合。後半の早い時間帯に追いつきたいホームチームは立ち上がりの49分に右サイドのマルシッチがカットインから際どい左足のシュートを放つが、以降はボヌッチを中心とするユベントスの[4-4-2]のブロックをなかなかこじ開けられない。この停滞を受けて54分にはムリキ、ラドゥ、ファレスを下げてカイセド、ラッツァーリ、ホードを一気に投入した。

一方、ユベントスは遅攻の精度は今一つも、前がかりな相手に対してラビオやモラタ、クルゼフスキの局面を変える仕掛けによって良い形でカウンターチャンスを作り出す。57分にはボックス左に侵攻したラビオが強烈なシュートを放つが、これはGKレイナの好守に遭う。その後も相手を引っくり返す場面を作り出すが、決定機まで持ち込めない。

後半半ばから終盤にかけてはラツィオが完全にボールを握る展開となったが、セットプレー以外に攻め手を見いだせず。81分には右に流れたミリンコビッチ=サビッチのクロスをゴール前のマルシッチがダイビングヘッドで合わすが、これはGKシュチェスニーの正面を突いた。

なかなか追加点を奪えないユベントスは1点を守り抜く戦い方にシフトし、C・ロナウドやモラタ、クルゼフスキと前線の選手をディバラ、マッケニー、ベルナルデスキに入れ替えて専守防衛の構えを見せる。そして、危なげない試合運びで時計を進めて後半アディショナルタイムを迎えた。

しかし、直近のトリノ戦で後半アディショナルタイムの連続ゴールで逆転勝ちしているラツィオはこの試合でも驚異の粘りを見せた。後半ほぼラストプレーとなった95分、左サイド深くで仕掛けたコレアがベンタンクール、ラビオをかわしてボックス内に侵入。中央でDFボヌッチを背負ったカイセドの足元に短いパスを付けると、見事な反転からの右足シュートがゴール右隅に決まった。

そして、この直後に試合はタイムアップを迎え、注目の強豪対決はラツィオが土壇場で追いつき1-1の痛み分けとなった。

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