【セリエA・シーズンプレビュー】10連覇目指すピルロ・ユーベを止めるのは!?

2020.09.19 17:00 Sat
Getty Images
2020-21シーズンのセリエAが19日に開幕する。先月2日に閉幕した昨季はユベントスの9連覇で幕を閉じたセリエA。新型コロナウイルスの影響によって僅か1カ月半で迎える新シーズン、監督未経験のピルロ新監督を迎えたユベントスの10連覇を阻むチームが、今季こそ現れるかが注目される。

◆監督未経験のピルロで目指す10連覇~ユベントス~
Getty Images

9連覇を成し遂げたものの、チャンピオンズリーグでリヨンの前にベスト16敗退に終わったことを受け、就任1年でサッリ前監督を電撃解任としたユベントス。新指揮官に迎えたのはユベントスOBで監督未経験のピルロだった。現役時代、稀代のレジスタとして名を馳せたピルロが指揮官となってどんなサッカーを表現するのか楽しみなところだが、サッリ前監督が植え付けることのできなかったポゼッション主体のサッカーに挑むのか、それともユベントス伝統の堅守を生かしたサッカーを見せるのか。指揮官としてのピルロの手腕に要注目したい。
◆続投決断のコンテが古巣ユーベの10連覇阻止へ~インテル~
Getty Images

ユベントスの10連覇を阻む最大のライバルとして昨季2位のインテルを挙げたい。昨季は最終的にユベントスに1ポイント差に迫った上での2位フィニッシュを果たし、コンテ監督の下、着実にチーム力を上げていることを証明した。シーズン前にはコンテ監督の恒例行事となりつつある退団騒動が起きたが、フロントのサポートを感じ取り続投を決断。ユベントス時代に指導したMFビダル加入が濃厚な中、満を持して古巣ユベントスの10連覇を阻みにかかる。

◆イブラ残留でスクデット争いも現実味~ミラン~
Getty Images

長らく低迷が続く名門だが、昨季後半に加入して圧倒的な存在感を示したFWイブラヒモビッチの残留に成功したことが復活を期すミランにとって大きな後押しとなりそうだ。また、イタリアの次代を担うMFトナーリとレアル・マドリーからレンタルでMFブラヒム・ディアスを獲得し、未来へ向けた投資もしっかり敢行。繫ぎの意味合いが強かったピオリ監督が結果で続投を勝ち取った中、新シーズンのミランは歯車さえ噛み合えばスクデット争いも十分に可能なはずだ。

◆もはやビッグクラブに引けを取らない存在に~アタランタ~
Getty Images

ガスペリーニ体制4季目の昨季もアタランタは飛躍を遂げた。セリエAでは2年連続で3位フィニッシュを果たし、初出場のチャンピオンズリーグ(CL)ではベスト8進出と、もはやビッグクラブに引けを取らない存在に成長した。今季も名将ガスペリーニ監督の下、主力は軒並み残留しており、期待は高まるばかり。CLとの並行した過密日程も昨季経験済みで上積みが期待できる新シーズンは本格的にスクデット争いへ参戦する可能性も十分だ。
◆昨季のスクデット争いを自信に~ラツィオ~
Getty Images

昨季はユベントスとスクデット争いを繰り広げながらもコロナ明けの失速により4位フィニッシュとなったラツィオ。新シーズンに向けてはMFダビド・シルバの獲得に迫っていたが、実現はならなかった。戦力的な上積みはほぼない状況の中、S・インザーギ監督の手腕に今季も期待が懸かる。

◆戦力維持でユーベに挑戦~ナポリ~
Getty Images

コッパ・イタリア優勝に導いたガットゥーゾ監督の2季目となるナポリ。徐々にガットゥーゾ監督の“闘う”スタイルが浸透していった昨季は、シーズン終盤にかけて結果も伴うようになっていった。迎える新シーズンに向け、FWメルテンス、MFファビアン・ルイス、DFクリバリと移籍の噂のあったセンターラインの主力が残留したのは大きい。戦力を考えればナポリもスクデット争いに顔を出したいところだが、主役に躍り出ることはできるか。

◆新フロントの下で~ローマ~
Getty Images

クラブに対する熱がなく評判の悪かったパロッタ前会長に代わり、米実業家のフリードキン氏が買収したローマ。新フロントの下、刷新されたクラブは戦力維持に努めた中、DFコラロフがインテルへ移籍し、エースFWのジェコもユベントスへの移籍が濃厚となっているが、まずはCL圏内返り咲きを目指したい。

◆更なる飛躍へ~冨安と吉田~
Getty Images

昨季、セリエA初挑戦ながらレギュラーポジションを確保したボローニャのDF冨安とサンプドリアのDF吉田。日本代表のレギュラーセンターバックでもある両者は、守備の国イタリアでしっかりと存在感を示した。冨安はケガを除いてシーズンを通し、右サイドバックのレギュラーとしてプレー。新シーズンはセンターバックでのプレーの可能性も報じられる中、セリエAの強力なアタッカーたちを直接封じ込める役割が求められる。また、吉田もシーズン後半にチームに加わった中、残留を争っているチームの助けとなった。今季も残留争いを強いられる可能性が高いが、レギュラーをキープし続け、最低限の目標である残留に貢献したい。
関連ニュース

プレミア4クラブを筆頭に20歳FWイリング・ジュニア争奪戦? ユベントスがしぶしぶ売却受け入れか

ユベントスのU-21イングランド代表FWサミュエル・イリング・ジュニア(20)は今夏の移籍の可能性が高まっているようだ。イギリス『フットボール・インサイダー』が報じた。 チェルシーのアカデミー出身で、2020年夏にユベントスへ移籍した逸材アタッカーのイリング・ジュニア。2022年10月にファーストチームデビューを果たすと、同年12月にはプロ契約を締結し、2025年6月までの契約を結んだ。 これまでも度々ビッグクラブからの関心が報じられてきた中、途中出場がメインながら今シーズンここまで公式戦19試合でプレー。さらなる飛躍が期待されると同時に、U-21イングランド代表でのパフォーマンスで評価を高めている。 ところが、イリング・ジュニアとの契約が残り1年に迫るユベントスは、フリーでの移籍を防ぐため、今夏の売却をしぶしぶ受け入れているとのこと。かねてから獲得への動きを見せていたトッテナムやエバートンの他、ウェストハムやブライトン&ホーブ・アルビオンなど、プレミアリーグのクラブが獲得を検討しているという。 また、ドイツ方面のクラブも興味を示しているようで、レバークーゼンとバイエルンが動向を注視。移籍市場に精通するジャーナリストのファブリツィオ・ロマーノ氏によると、イタリアのクラブも移籍先の候補に挙がっている模様だ。 なお、ユベントスは1月の移籍市場においても、1700万ポンド(約32億5000万円)のオファーがあれば売却を受け入れていた見込み。今度こそいずれかのクラブが獲得へ漕ぎ着けるのだろうか。 2024.03.28 15:32 Thu

ユベントスは今夏のゴレツカ獲得を希望? バイエルンとの契約は2026年夏まで

ユベントスがバイエルンのドイツ代表MFレオン・ゴレツカ(29)に関心を示しているようだ。『フットボール・イタリア』が伝えている。 今シーズン、セリエAで29試合を消化して3位につけるユベントス。首位インテルとの勝ち点差は「17」にまで広がっており、スクデット獲得は絶望的な状況となっている。 クラブはチームの競争力を高めるため、すでに夏の移籍市場での強化を模索。ドイツ『キッカー』によると、昨夏にも関心を向けていたゴレツカをターゲットとしており、スカウトも派遣しているとのことだ。 これまでもゴレツカに関心を示し続けてきたユベントスだが、選手側も6シーズン過ごしたバイエルンを離れ、新たなチャレンジを望む可能性がある模様。ただし、バイエルンとの契約を2026年夏まで残していることから、クラブ間ではタフな交渉が必要になるだろう。 ゴレツカは今シーズンのバイエルンで、公式戦31試合4ゴール9アシストを記録。チームは首位レバークーゼンに10ポイント差をつけられての2位と苦戦している中で、個人としては存在感を発揮している。 2024.03.27 13:15 Wed

ユナイテッドでのアムラバトは今季限りか 存在感薄く返却決意

マンチェスター・ユナイテッドがモロッコ代表MFソフィアン・アムラバト(27)の買取りを見送ったようだ。イタリア『カルチョメルカート』が報じた。 カタール・ワールドカップ(W杯)4強入りのモロッコで躍動し、昨夏にフィオレンティーナからユナイテッドにローン移籍したアムラバト。この移籍が実現するまで動向が注目される人気株だったが、インパクトを欠く。 もちろん、サイドバックで使われたりのチーム事情もあるが、今やコビー・メイヌーの台頭に押され、影薄く…。中盤の軸と目されたカゼミロも常時出場が叶わずにいるなかで、あまり活躍ができずにここまできている。 ローン移籍に900万ユーロ(約14億7000万円)を投じたユナイテッドは2000万ユーロ(約32億8000万円)+アドオン500万ユーロ(約8億2000万円)の買取オプションを持つが、行使しないことを決めたという。 となれば、2025年夏まで契約を残すフィオレンティーナに舞い戻るのが既定路線だが、ユベントス行きの可能性も。ミランもその候補だが、他の選手に重きを置き、ユベントスの方はスポーツディレクター(SD)のクリスティアーノ・ジュントリ氏がファンのようだ。 2024.03.26 16:55 Tue

「僕はスペイン人」18歳ハイセンが母国オランダに決別…2月にスペイン国籍取得でU-21代表デビュー

ローマDFディーン・ハイセン(18)が自らのアイデンティティを語った。オランダ『Voetbal International』が伝えている。 セリエAでメキメキ頭角を表す197cmの両利きセンターバック・ハイセン。16歳でマラガからユベントスへ移籍し、トップ昇格の今季は後半戦からローマへ武者修行…順調に出場機会を得ている。 そんなハイセン、U-17オランダ代表の一員として2022年にU-17欧州選手権準優勝などなど、これまでは世代別オランダ代表の常連。 しかし、今回の代表ウィークはU-21スペイン代表に招集…元アヤックスの父ドン・ハイセン氏を含めて一家揃ってオランダ出身だが、自身が5歳の時にスペイン・アンダルシア州へ移住し、今年2月にはスペイン国籍を取得しているのだ。 そして、21日に行われたU-21スロバキア代表との国際親善試合でラ・ロヒタ(世代別スペイン代表の愛称)デビュー。スペイン『マルカ』のインタビューでは「僕はスペイン人」と明言した。 「そうだね。僕は自分がスペイン人だと感じているよ。5歳からマラガで育ち、今回スペイン代表の一員になれて嬉しい。いずれスペイン代表でトロフィーを勝ち取りたいよ」 ハイセンをDFヴィルヒル・ファン・ダイクやDFステファン・デ・フライ、DFマタイス・デ・リフトらに続く新時代のディフェンスリーダーと捉えていたオランダ側から見れば、今回の所信表明は痛い。 2024.03.26 16:35 Tue

ユベントスがコープマイネルス獲得へ18歳逸材を譲渡も?

ユベントスはアタランタからオランダ代表MFトゥン・コープマイネルス(26)の獲得を目指し、様々なプランを検討しているようだ。 ユベントスが獲得に本腰を入れるコープマイネルス。たびたび優れた人材を輩出するオランダのAZから2021年夏にアタランタ入りした攻撃的MFは、今季のセリエAで2桁得点10ゴールを記録し、ヨーロッパリーグ(EL)でもベスト8進出を掴んだチームをけん引している。 イタリア『ガゼッタ・デッロ・スポルト』によると、関心を寄せるはユベントスだけでなく、今やインテルとミラン、さらにリバプールとマンチェスター・ユナイテッドからも熱視線が。移籍先として現実的なのは、現状ユベントスかリバプールとのことだ。 リバプールについてはEL準々決勝でアタランタと対戦予定となっており、この機会を利用してクラブ間協議に臨む可能性も。 一方のユベントスは、あくまでプランの1つとして、下部組織から育て上げた超逸材、U-21スペイン代表DFディーン・ハイセン(18)をアタランタとの交渉で提示する案を練っている模様。ローマにレンタル移籍中のハイセンは、ダニエレ・デ・ロッシ監督の下で順調に成長中だ。 「ハイセンをアタランタに提示」が移籍金引き下げを狙ったものであることは明白だが、1年レンタルなのか、完全移籍での譲渡なのか、あるいは買い戻しオプション付帯での譲渡なのか…今のところ詳細は不明。 ハッキリしているのは、“個を伸ばすスペシャリスト”アタランタのジャン・ピエロ・ガスペリーニ監督が、ハイセンを大変気に入っているということだ。 ローマも買い取りを目指すとされるハイセンだが、今夏の動向やいかに。コープマイネルスとともに、これから目が離せなくなりそうだ。 2024.03.26 13:40 Tue
NEWS RANKING
Daily
Weekly
Monthly