1G1Aで古巣撃破のイブラヒモビッチ、試合後にはズラタン節炸裂 「俺は会長であり、選手であり、監督」

2020.07.08 11:35 Wed
Getty Images
ミランに所属する元スウェーデン代表FWズラタン・イブラヒモビッチは、古巣相手の劇的な勝利にご満悦の様子だ。『フットボール・イタリア』が伝えている。

再開後のリーグ戦を3勝1分けとしている好調の6位ミラン(勝ち点46)は、7日に行われたセリエA第31節で首位ユベントス(勝ち点75)をホームで迎え撃ち4-2の逆転勝利を飾った。
ミランは前半をゴールレスで終えたものの、後半立ち上がりの連続失点で一気に2点のビハインドを負うことに。堅守を誇るアウェイチーム相手に敗色濃厚と思われたが、ここでチームの生き返らせたのが38歳の大ベテランだった。

イブラヒモビッチは62分、相手のハンドによって得たPKを冷静に決めて反撃の狼煙を上げると、66分にはボックス内での絶妙なポストワークからMFフランク・ケシエの同点ゴールをお膳立てした。

1ゴール1アシストで試合を振り出しに戻す、さすがの仕事を見せた直後にMFジャコモ・ボナヴェントゥーラとの交代でピッチを退きお役御免となったものの、この同点劇で完全に勢いづいたチームは、その後に2ゴールを挙げて絶対王者相手に見事な逆転勝利を飾った。
同試合後、殊勲のベテランストライカーは、イタリア『DAZN』でジョークをんだんに交えながら古巣相手の勝利に満足感を示した。

「俺は年を食っている。それは秘密でもなんでもない。年齢なんてただの数字だからな。良いバランスを保った良い仕事ができたと思っている。今日はこの前の試合よりも長い時間プレーすることもできた」

「正直なところ、本当に気分が良いよ。そして、あらゆる形でチームを助けようと励んでいるところだ」

また、ベンチに下がってからは周囲のチームメートに熱心にアドバイスを送るシーンも見受けられた中、今後の指導者転身の可能性について問われると、「俺は会長であり、プレーヤーであり、監督」と、クラブ内で多くの役割を担っているとズラタン節で返答。

「俺は会長であり、プレーヤーであり、監督だ。唯一の問題はプレーヤーとしての報酬しか受け取っていないことだね」

「もしも俺がシーズン初日からここにいれば、ミランはスクデットを獲得できたかもしれないな」

ユベントス戦に関して饒舌に語ったイブラヒモビッチだったが、来シーズン以降もミランでプレーするのか、との去就に関する質問に対しては明言を避けている。

「どうなるか見てみようじゃないか。少なくともあと1カ月はプレーを楽しむことができる。ただ、依然として奇妙な状況が続いているし、それは俺自身がコントロールできる類のものでもない」

「(ミラン)ファンがライブ(スタジアム)で俺を観る機会は最後になるかどうかはわからない。そうなるかもしれないし、そうじゃないかもしれない。行間を読んでくれよ」

「俺はミランで本当に楽しんでいるんだ。アメリカではケガもした。生きている実感がほしかった。今、俺は38歳になった。確かに以前ほどのフィジカルではないが、よりずる賢くもなっているんだ。だから、20歳のときと同じようなことをやろうなんて思っちゃいないよ」

「俺はいつでも違いを生みたいんだ。そうじゃなきゃ、気がすまない。マスコットとしてここに来たわけじゃない。チームメートやクラブ、ファンを助けるためにここに来ているんだ」
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