アウェイのマドリー優勢も今季最初のクラシコは17年ぶりのゴールレス決着!《ラ・リーガ》

2019.12.19 06:00 Thu
Getty Images
ラ・リーガ第10節延期分、バルセロナとレアル・マドリーによる“エル・クラシコ”が18日にカンプ・ノウで行われ、0-0のドローに終わった。
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当初、10月26日に開催が予定されていたものの、カタルーニャ州独立運動に関する裁判の影響で、バルセロナでのデモ活動が激化。これにより、安全面を考慮して開催延期に。そして、紆余曲折を経て勝ち点35で並ぶ両雄は異例のミッドウィークに今季最初の伝統の一戦を戦うことになった。
前節、苦手アノエタでレアル・ソシエダと2-2で引き分けたものの、公式戦8試合無敗(6勝2分け)と復調を見せるバルセロナは、中3日でのホームゲームに向けて先発1人を変更。ブスケッツに代えてネウソン・セメドを起用し、アンカーにデ・ヨング、セルジ・ロベルトをインテリオールに配した。

一方のマドリーは、前節のバレンシア戦では後半ラストプレーで追いつき、難所メスタージャから勝ち点1を持ち帰り、公式戦11試合無敗(8勝3分け)で敵地でのクラシコを迎えた。アザールとマルセロの主力2選手をケガで欠く中、ジダン監督は左サイドバックにサスペンション明けのメンディ、前線はベイルとベンゼマの2トップにイスコをトップ下に置く構成で臨んだ。

アウェイながら自陣でブロックを形成することなく前から嵌めに行く勇敢な戦い方を選択したマドリーが立ち上がりから主導権を握る。その流れの中で10分にベンゼマが両チームを通じて最初のシュートを放つと、ここからマドリーが畳みかける。
セットプレーの流れから波状攻撃を仕掛けて17分にはクロースの右クロスをカゼミロが頭で合わせるが、これはDFピケの決死のゴールカバーに遭う。その後も前から人を掴みに行く守備で相手のビルドアップを機能不全に陥れ、フィニッシュの数を増やしていく。その中でカゼミロ、バルベルデが際どいミドルシュートで相手ゴールを脅かす。

一方、予想外の相手のアグレッシブな出方に動揺が見えるバルセロナは前半半ばを過ぎてもフィニッシュまで持ち込めない苦境が続く。それでも、31分には左サイドを突破したジョルディ・アルバからのクロスのこぼれ球をボックス中央のメッシがボレーシュート。これが無人のゴールへ向かうもDFセルヒオ・ラモスのゴールカバーに遭う。

その後、前半終盤にかけてようやく相手陣内までボールを運べるようになったバルセロナは、41分にメッシの浮き球スルーパスに抜け出したアルバがGKクルトワと一対一の好機を迎えるが、左足のダイレクトシュートは枠の右に外れ、終始マドリーペースで進んだ45分間はゴールレスで終了した。

互いに選手なしで迎えた後半、バルセロナのハーフタイムでの修正に注目が集まるも立ち上がりは引き続きマドリーの守備がホームチームのビルドアップの質を上回る。この状況を受けてバルベルデ監督は55分にセメドを下げてビダルを投入。この交代でセルジ・ロベルトが右サイドバックに下がり、ビダルがインテリオールに入った。

この交代とマドリーの運動量にかげりが見え始めたことで、後半半ばを過ぎると、試合は完全にイーブンな展開に。要所で相手のプレッシャーラインをパスやドリブルで超えられるようになったホームチームは、ボックス内でメッシやグリーズマンにシュートチャンスが訪れるが、相手の集中した守備に阻まれる。

一方、後半に入ってフィニッシュの数が減ってきたマドリーは72分、カゼミロの浮き球フィードに抜け出したメンディのボックス左からの折り返しをベイルがゴールネットへ流し込む。だが、メンディが抜け出した時点でオフサイドを取られてしまい、ゴールは認められず。

その後、マドリーがイスコに代えてロドリゴ、バルベルデに代えてモドリッチを、バルセロナがグリーズマンに代えてアンス・ファティを投入。いずれもクラシコデビューのロドリゴ、ファティの超新星コンビにこう着状態の打開が期待されたが、互いに最後まで相手の集中した守備をこじ開けることはできず。試合はこのまま0-0のスコアでタイムアップを迎え、異例のミッドウィーク開催となった今季最初のクラシコは17年ぶりのゴールレスドローに終わった。

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