【J1開幕直前クラブガイド】培った基盤重視の長谷川体制2年目、チームとしての成熟示せるか《FC東京》
2019.02.10 17:00 Sun
2019シーズンも“蹴”春がいよいよ到来! 新シーズンの幕開けを告げるFUJI XEROX SUPER CUP 2019に先駆け、超ワールドサッカー編集部はJ1全18クラブを徹底分析。チームのノルマや補強達成度、イチオシ選手、そして、東京オリンピックを翌年に控える注目の五輪候補をお届けする。第5弾はFC東京を紹介。
◆試されるチームとしての成熟《優勝争い》
※残留/ひと桁順位/上位争い/ACL出場権争い/優勝争いから選択
“長谷川トーキョー”の基盤ができ上がって迎える今年の目標は、やはり優勝だ。開幕前の移籍市場での動向に関しては、真っ先にディエゴ・オリヴェイラを完全移籍に切り替えるなど、チームの根幹を担う選手を確実に繋ぎ止めた。10番を背負ったMF梶山陽平が引退し、MF米本拓司もクラブを去ったが、むしろ若手や中堅がその役割を担えるまでに成長するチャンスだとポジティブに捉えたい。
新戦力は、期限付き移籍からの復帰や完全移籍への切り替えを除けば8名が到着。中でも、サガン鳥栖で成長を遂げた伸び盛りのU-21日本代表FW田川亨介や、昨シーズンの韓国2部で得点王やMVP、ベストイレブンを総なめした韓国代表MFナ・サンホが注目株だ。とはいえ、いずれも未知数の選手ばかりではあり、チームスタイルの継続が強く意識された今オフとなった。
その反面、ディエゴ・オリヴェイラの負担軽減というミッションの明確な達成は見送られている。大金直樹社長は新体制発表時に「ストライカーとサイドの2枚が欲しい」、「去年はディエゴに頼り、研究されてからは抑えられる試合が多かった」と発言。先に挙げた田川やナ・サンホの爆発に期待したいところだが、J1以上のリーグで実績を残しているアタッカーが欲しかったのが本音だろう。FC東京の課題は引き続き「得点力」であり、タイトル獲得に向けてその部分の改善は避けては通れない。
長谷川体制1年目で培った“基盤”をどれだけ強固なものにし、日程毎に“発展”させていけるか。2年目は、シーズンを通して“チームとしての成熟度”が試される。
◆補強動向《C》※最低E~最高S
GK児玉剛(31)←モンテディオ山形/完全
DF中村拓海(17)←東福岡高校/新加入
DF渡辺剛(22)←中央大学/新加入
MF宮崎幾笑(20)←アルビレックス新潟/完全
MFナ・サンホ(22)←光州FC(韓国)/完全
MFアルトゥール・シルバ(23)←ヴォトゥポランゲンセ(ブラジル)/期限付き
MFユ・インス(24)←アビスパ福岡/期限付き復帰
MF久保建英(17)←横浜F・マリノス/期限付き復帰
FW田川亨介(19)←サガン鳥栖/完全
FWナッタウット・スクム(21)←バンコク・ユナイテッド(タイ)/期限付き
FWディエゴ・オリヴェイラ(28)←柏レイソル/期限付き→完全
【OUT】
GK大久保択生(29)→サガン鳥栖/完全
GK廣末陸(20)→レノファ山口FC/期限付き
DF山田将之(24)→FC町田ゼルビア/期限付き
DF柳貴博(21)→モンテディオ山形/期限付き
DF吉本一謙(30)→アビスパ福岡/期限付き延長
DF野沢英之(24)→愛媛FC/期限付き延長
MFリッピ・ヴェローゾ(21)→退団
MF平岡翼(22)→栃木SC/完全
MF田邉草民(28)→アビスパ福岡/完全
MF米本拓司(28)→名古屋グランパス/完全
MFジャキット(22)→バンコク・ユナイテッド(タイ)→/期限付き満了
MF梶山陽平(33)→引退
FW前田遼一(37)→FC岐阜/完全
FW富樫敬真(25)→横浜F・マリノス/期限付き満了
FWリンス(31)→ヴァンフォーレ甲府/期限付き満了
◆超WS編集部イチオシ選手
FW永井謙佑(29)
また、昨シーズンの後半戦に相手クラブがことごとくディエゴ・オリヴェイラ封じに徹したのは、他の選手を多少自由にしても利のある戦術だと踏んだ為だろう。逆に、快足を武器とする永井が危険な選手であることを示せれば、得点パターンの幅は何倍にも膨れ上がる。キャンプから好調を示している永井の出来は、チーム全体の浮沈にまで波及しかねない重要なポイントだ。
◆注目の東京五輪世代!
MF久保建英(17)
中学2年生時の2015年3月にバルセロナから加わった日本最高峰の逸材も、今年の6月4日で18歳。一昨年にはJ1リーグ初出場、昨年には初得点を記録しており、今年求められているものは第一にFC東京でのレギュラー定着だ。23歳以下の選手に限定されているとはいえ、オリンピックでは各強豪国から世界的なスターが登場する。自国開催の日本が優勝を成し遂げるためには、代表チームを牽引する久保がJリーグで突出した存在になることが不可欠だ。背負う重圧は生半可なものではないが、今年1年を通して自らの価値を証明してくれると期待したい。
◆試されるチームとしての成熟《優勝争い》
※残留/ひと桁順位/上位争い/ACL出場権争い/優勝争いから選択
(C)CWS Brains,LTD.
長谷川健太監督を招へいしてスタートさせた2018シーズンは、ジェットコースターの様な1年となった。ガンバ大阪で3冠を達成した指揮官の下で守備力を向上させたFC東京は、開幕から徐々に調子を上げて折り返し時点で優勝を狙える位置をキープ。しかし、その後、FWディエゴ・オリヴェイラ封じを徹底する各クラブの対応に手を焼き、大失速の6位でシーズンを終えた。新戦力は、期限付き移籍からの復帰や完全移籍への切り替えを除けば8名が到着。中でも、サガン鳥栖で成長を遂げた伸び盛りのU-21日本代表FW田川亨介や、昨シーズンの韓国2部で得点王やMVP、ベストイレブンを総なめした韓国代表MFナ・サンホが注目株だ。とはいえ、いずれも未知数の選手ばかりではあり、チームスタイルの継続が強く意識された今オフとなった。
その反面、ディエゴ・オリヴェイラの負担軽減というミッションの明確な達成は見送られている。大金直樹社長は新体制発表時に「ストライカーとサイドの2枚が欲しい」、「去年はディエゴに頼り、研究されてからは抑えられる試合が多かった」と発言。先に挙げた田川やナ・サンホの爆発に期待したいところだが、J1以上のリーグで実績を残しているアタッカーが欲しかったのが本音だろう。FC東京の課題は引き続き「得点力」であり、タイトル獲得に向けてその部分の改善は避けては通れない。
とはいえ、何も外に目を向けるだけが解決方法ではない。開幕前のトレーニングマッチでは、ガンバ大阪に5-3で、名古屋グランパスに9-3で勝利。主力組には期待のMF久保建英が名を連ね、FW永井謙佑が結果を出した。もちろん、公式戦との差はあるが、2試合で14得点という結果はチームが得点力の強化を強く意識していることの証左と言えるだろう。
長谷川体制1年目で培った“基盤”をどれだけ強固なものにし、日程毎に“発展”させていけるか。2年目は、シーズンを通して“チームとしての成熟度”が試される。
◆補強動向《C》※最低E~最高S
(C)CWS Brains,LTD.
【IN】GK児玉剛(31)←モンテディオ山形/完全
DF中村拓海(17)←東福岡高校/新加入
DF渡辺剛(22)←中央大学/新加入
MF宮崎幾笑(20)←アルビレックス新潟/完全
MFナ・サンホ(22)←光州FC(韓国)/完全
MFアルトゥール・シルバ(23)←ヴォトゥポランゲンセ(ブラジル)/期限付き
MFユ・インス(24)←アビスパ福岡/期限付き復帰
MF久保建英(17)←横浜F・マリノス/期限付き復帰
FW田川亨介(19)←サガン鳥栖/完全
FWナッタウット・スクム(21)←バンコク・ユナイテッド(タイ)/期限付き
FWディエゴ・オリヴェイラ(28)←柏レイソル/期限付き→完全
【OUT】
GK大久保択生(29)→サガン鳥栖/完全
GK廣末陸(20)→レノファ山口FC/期限付き
DF山田将之(24)→FC町田ゼルビア/期限付き
DF柳貴博(21)→モンテディオ山形/期限付き
DF吉本一謙(30)→アビスパ福岡/期限付き延長
DF野沢英之(24)→愛媛FC/期限付き延長
MFリッピ・ヴェローゾ(21)→退団
MF平岡翼(22)→栃木SC/完全
MF田邉草民(28)→アビスパ福岡/完全
MF米本拓司(28)→名古屋グランパス/完全
MFジャキット(22)→バンコク・ユナイテッド(タイ)→/期限付き満了
MF梶山陽平(33)→引退
FW前田遼一(37)→FC岐阜/完全
FW富樫敬真(25)→横浜F・マリノス/期限付き満了
FWリンス(31)→ヴァンフォーレ甲府/期限付き満了
◆超WS編集部イチオシ選手
FW永井謙佑(29)
(C)CWS Brains,LTD.
注目はFC東京3年目となる元日本代表の永井だ。主に最前線でディエゴ・オリヴェイラの相方を務めた昨シーズンは、J1リーグ32試合5ゴールを記録。豊富な運動量を生かした様々な役割が求められているとはいえ、これは物足りない数字だ。イージーな場面で枠を外すシーンも散見され、タイトルを目指すクラブのアタッカーとしては更なる活躍が期待される。また、昨シーズンの後半戦に相手クラブがことごとくディエゴ・オリヴェイラ封じに徹したのは、他の選手を多少自由にしても利のある戦術だと踏んだ為だろう。逆に、快足を武器とする永井が危険な選手であることを示せれば、得点パターンの幅は何倍にも膨れ上がる。キャンプから好調を示している永井の出来は、チーム全体の浮沈にまで波及しかねない重要なポイントだ。
◆注目の東京五輪世代!
MF久保建英(17)
(c) J.LEAGUE PHOTOS
2020年の東京オリンピックに推したい選手は、横浜F・マリノスへの期限付き移籍から帰還した久保だ。中学2年生時の2015年3月にバルセロナから加わった日本最高峰の逸材も、今年の6月4日で18歳。一昨年にはJ1リーグ初出場、昨年には初得点を記録しており、今年求められているものは第一にFC東京でのレギュラー定着だ。23歳以下の選手に限定されているとはいえ、オリンピックでは各強豪国から世界的なスターが登場する。自国開催の日本が優勝を成し遂げるためには、代表チームを牽引する久保がJリーグで突出した存在になることが不可欠だ。背負う重圧は生半可なものではないが、今年1年を通して自らの価値を証明してくれると期待したい。
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