【日本代表プレビュー】過密日程&ファウルトラブルを考慮し、ベスト4へ《AFCアジアカップ2019》
2019.01.24 16:30 Thu
日本代表は24日(木)、UAEで行われているアジアカップ2019の準々決勝でベトナム代表戦と対戦する。
21日(月)に行われたラウンド16のサウジアラビア代表戦では、ボールを持たれる時間が長く、防戦が続いたものの、DF冨安健洋(シント=トロイデン)の代表初ゴールを守り切り、1-0で勝利した。
◆成長著しいベトナム
しかし、最後に対戦したのは2011年10月のキリンチャレンジカップ。アジアカップでは2007年に対戦し、4-1と勝利。イビチャ・オシム監督に率いられた日本が、巻誠一郎(元ロアッソ熊本)、遠藤保仁(ガンバ大阪)、中村俊輔(ジュビロ磐田)のゴールで勝利していた。
久々の対戦となるが、当時とベトナムの環境は大きく変わっている。10年以上前から、育成に力を入れてきたベトナムは、アンダー世代の代表が躍動。特に、近年は目覚ましい成長を遂げ、2017年にはU-20ワールドカップに初出場。2018年はAFC U-23選手権で準優勝を達成。アジア競技大会でも、日本とはグループステージで対戦し、1-0でベトナムが勝利。その後も勝ち進み、ベスト4の結果を残した。
◆成功の味を知る代表チーム
かつては、大宮アルディージャやヴァンフォーレ甲府などを指揮した三浦俊也監督が率いたこともあるベトナム代表。今回のメンバーは、近年結果を残してきたアンダー世代の代表選手が中心となっており、チームとしての完成度の高さもベスト8進出を後押ししている。
戦い方としては、変則3バックを採用し、対戦相手によっては5バックを敷き、カウンターで仕留めるというもの。日本戦では5バックが想定され、しっかりとした守備から、アジリティを生かした高速カウンターが発動。さらに、運動量も豊富で、ハイプレスからのショートカウンターという形も考えられる。
注目は、FWグエン・クアン・ハイとFWグエン・コンフォンだろう。グエン・クアン・ハイは、ベトナムのエース。左利きで、精度の高いキックが持ち味。チームの攻撃の核と言っていい存在だ。
そして、グエン・コン・フオンはかつて水戸ホーリーホックでプレーしたことのあるFW。ラウンド16のヨルダン代表戦では、貴重な同点ゴールを決めている。
グループステージでは、イラク代表(2-3)、イラン代表(0-2)と強豪国と対戦し2敗と結果は出せなかったものの、フェアプレーポイントの差で滑り込みで決勝トーナメントに進出。ヨルダン戦もPKで勝ち上がっており、粘り強さが気になるところだ。
◆大迫復帰、ファウルトラブルを避けた戦いを
しかし、FW武藤嘉紀(ニューカッスル)がサウジアラビア戦で2枚目のイエローカードを貰い、ベトナム戦は出場停止。さらに、MF青山敏弘(サンフレッチェ広島)がヒザのケガによりチームを離れるアクシデントが起こった。
準々決勝が終了すれば、一度警告がリセットされるものの、ベトナム戦までは対象内。現在、GK権田修一(サガン鳥栖)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF堂安律(フローニンヘン)、MF塩谷司(アル・アイン)の5名が出場停止にリーチとなっている。
勝ち上がった場合の準決勝では、中国代表とイラン代表の勝者と対戦することになるが、両者とも実力国であり、万全の態勢で臨みたいところ。勝利することが絶対条件ではあるが、森保監督にはファウルトラブルを避ける采配も期待したい。
★予想フォーメーション[4-2-3-1]
GK:権田修一
DF:室屋成、冨安健洋、吉田麻也、長友佑都
MF:柴崎岳、遠藤航
MF:伊東純也、北川航也、原口元気
FW:大迫勇也
中2日での過密日程、そして累積警告のことを考慮したメンバー構成になるのではないかと予想する。
GKは継続して権田が起用されると予想する。ケガのGK東口順昭(ガンバ大阪)も復帰しており、仮に権田が出場停止になった場合でも、次戦の計算は立つ。最も、GKが警告をもらうような事態は避けたいところだが。
最終ラインはリーチの酒井に代えてDF室屋成(FC東京)が右サイドバックに入ると予想。そのほかの3名は、サウジアラビア戦と同じ、冨安、DF吉田麻也(サウサンプトン)、DF長友佑都(ガラタサライ)になると予想する。疲労を考慮すれば、DF槙野智章(浦和レッズ)のセンターバック起用も考えられるだろう。
中盤のボランチは、塩谷がリーチ、青山が離脱となったため、MF柴崎岳(ヘタフェ)、MF遠藤航(シント=トロイデン)のコンビが継続して出場すると予想。疲労を考慮すれば、遠藤に休養を与え、塩谷を先発起用するだろう。
2列目は堂安、南野のコンビはベンチスタート。右サイドにはMF伊東純也(柏レイソル)、左サイドにはMF原口元気(ハノーファー)、トップ下にFW北川航也(清水エスパルス)を起用すると考える。
そして1トップには大迫が復帰すると予想。コンディション次第では、北川が1トップに入り、MF乾貴士(レアル・ベティス)が2列目に起用されると予想する。
◆攻撃で違いを作ることができるか
前述の通り、ベトナムはコレクティブな守備からのカウンターを狙ってくるチーム。日本相手には5バックを採用する可能性もある。
ハイプレスをかけながらも、引いてブロックを作るという両面を持つチームを相手に、攻撃陣がどれだけギャップを作ることができるかがこの試合のカギとなるだろう。
日本は前線の組み合わせが変わる可能性もあるだけに、再び連係問題も出てくる可能性はある。それでも、各人が特長を出して行くことが、勝機を呼ぶことになるだろう。
森保監督としては、日本人監督最高のベスト4も懸かる一戦。ベトナム代表戦は、24日(木)の22時にキックオフを迎える。
21日(月)に行われたラウンド16のサウジアラビア代表戦では、ボールを持たれる時間が長く、防戦が続いたものの、DF冨安健洋(シント=トロイデン)の代表初ゴールを守り切り、1-0で勝利した。
Getty Images
ベスト4入りを懸けて戦うのは、ベトナムだ。日本はこれまで2度対戦があり、いずれも勝利している。しかし、最後に対戦したのは2011年10月のキリンチャレンジカップ。アジアカップでは2007年に対戦し、4-1と勝利。イビチャ・オシム監督に率いられた日本が、巻誠一郎(元ロアッソ熊本)、遠藤保仁(ガンバ大阪)、中村俊輔(ジュビロ磐田)のゴールで勝利していた。
久々の対戦となるが、当時とベトナムの環境は大きく変わっている。10年以上前から、育成に力を入れてきたベトナムは、アンダー世代の代表が躍動。特に、近年は目覚ましい成長を遂げ、2017年にはU-20ワールドカップに初出場。2018年はAFC U-23選手権で準優勝を達成。アジア競技大会でも、日本とはグループステージで対戦し、1-0でベトナムが勝利。その後も勝ち進み、ベスト4の結果を残した。
さらに、東南アジア王者を決めるスズキカップでは、2018年大会で10年ぶりに優勝。そして今大会も、ここまで勝ち上がり、ベスト8入りを果たしている。
◆成功の味を知る代表チーム
Getty Images
チームを率いるのは、韓国人指揮官のパク・ハンソ監督だ。U-23ベトナム代表監督も兼任しており、森保一監督とは同じ役回りとなっている。かつては、大宮アルディージャやヴァンフォーレ甲府などを指揮した三浦俊也監督が率いたこともあるベトナム代表。今回のメンバーは、近年結果を残してきたアンダー世代の代表選手が中心となっており、チームとしての完成度の高さもベスト8進出を後押ししている。
戦い方としては、変則3バックを採用し、対戦相手によっては5バックを敷き、カウンターで仕留めるというもの。日本戦では5バックが想定され、しっかりとした守備から、アジリティを生かした高速カウンターが発動。さらに、運動量も豊富で、ハイプレスからのショートカウンターという形も考えられる。
注目は、FWグエン・クアン・ハイとFWグエン・コンフォンだろう。グエン・クアン・ハイは、ベトナムのエース。左利きで、精度の高いキックが持ち味。チームの攻撃の核と言っていい存在だ。
そして、グエン・コン・フオンはかつて水戸ホーリーホックでプレーしたことのあるFW。ラウンド16のヨルダン代表戦では、貴重な同点ゴールを決めている。
グループステージでは、イラク代表(2-3)、イラン代表(0-2)と強豪国と対戦し2敗と結果は出せなかったものの、フェアプレーポイントの差で滑り込みで決勝トーナメントに進出。ヨルダン戦もPKで勝ち上がっており、粘り強さが気になるところだ。
◆大迫復帰、ファウルトラブルを避けた戦いを
Getty Images
日本代表は、ケガの影響で初戦のトルクメニスタン代表戦以降出場機会がなかったFW大迫勇也(ブレーメン)がトレーニングに復帰するという朗報がある。しかし、FW武藤嘉紀(ニューカッスル)がサウジアラビア戦で2枚目のイエローカードを貰い、ベトナム戦は出場停止。さらに、MF青山敏弘(サンフレッチェ広島)がヒザのケガによりチームを離れるアクシデントが起こった。
準々決勝が終了すれば、一度警告がリセットされるものの、ベトナム戦までは対象内。現在、GK権田修一(サガン鳥栖)、DF酒井宏樹(マルセイユ)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF堂安律(フローニンヘン)、MF塩谷司(アル・アイン)の5名が出場停止にリーチとなっている。
勝ち上がった場合の準決勝では、中国代表とイラン代表の勝者と対戦することになるが、両者とも実力国であり、万全の態勢で臨みたいところ。勝利することが絶対条件ではあるが、森保監督にはファウルトラブルを避ける采配も期待したい。
★予想フォーメーション[4-2-3-1]
(C)CWS Brains,LTD.
◆日本代表GK:権田修一
DF:室屋成、冨安健洋、吉田麻也、長友佑都
MF:柴崎岳、遠藤航
MF:伊東純也、北川航也、原口元気
FW:大迫勇也
中2日での過密日程、そして累積警告のことを考慮したメンバー構成になるのではないかと予想する。
GKは継続して権田が起用されると予想する。ケガのGK東口順昭(ガンバ大阪)も復帰しており、仮に権田が出場停止になった場合でも、次戦の計算は立つ。最も、GKが警告をもらうような事態は避けたいところだが。
最終ラインはリーチの酒井に代えてDF室屋成(FC東京)が右サイドバックに入ると予想。そのほかの3名は、サウジアラビア戦と同じ、冨安、DF吉田麻也(サウサンプトン)、DF長友佑都(ガラタサライ)になると予想する。疲労を考慮すれば、DF槙野智章(浦和レッズ)のセンターバック起用も考えられるだろう。
中盤のボランチは、塩谷がリーチ、青山が離脱となったため、MF柴崎岳(ヘタフェ)、MF遠藤航(シント=トロイデン)のコンビが継続して出場すると予想。疲労を考慮すれば、遠藤に休養を与え、塩谷を先発起用するだろう。
2列目は堂安、南野のコンビはベンチスタート。右サイドにはMF伊東純也(柏レイソル)、左サイドにはMF原口元気(ハノーファー)、トップ下にFW北川航也(清水エスパルス)を起用すると考える。
そして1トップには大迫が復帰すると予想。コンディション次第では、北川が1トップに入り、MF乾貴士(レアル・ベティス)が2列目に起用されると予想する。
◆攻撃で違いを作ることができるか
前述の通り、ベトナムはコレクティブな守備からのカウンターを狙ってくるチーム。日本相手には5バックを採用する可能性もある。
ハイプレスをかけながらも、引いてブロックを作るという両面を持つチームを相手に、攻撃陣がどれだけギャップを作ることができるかがこの試合のカギとなるだろう。
日本は前線の組み合わせが変わる可能性もあるだけに、再び連係問題も出てくる可能性はある。それでも、各人が特長を出して行くことが、勝機を呼ぶことになるだろう。
森保監督としては、日本人監督最高のベスト4も懸かる一戦。ベトナム代表戦は、24日(木)の22時にキックオフを迎える。
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