停滞した後半で新たな課題、北川航也の見えざる貢献は新たな一手の可能性/日本代表コラム2019.01.14 22:00 Mon

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初戦のトルクメニスタン代表戦で苦しみながらも勝利を収めた日本代表。その試合から中3日、第2戦のオマーン代表戦でも苦しみながら勝利。グループステージの突破を決めた。

結果としては、1-0で勝利し、初戦でミスから2失点を喫したディフェンス陣は無失点に抑えた。一方で、オフェンス陣は序盤の決定機を逸したことにより、1得点に留まった。初戦からの改善は見られた部分もあったが、やはり不完全燃焼と言わざるを得ない。

◆改善された立ち上がり
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トルクメニスタン戦から、メンバーを2名変更した日本。1人は、臀部の痛みを訴えていたFW大迫勇也(ブレーメン)に代わりFW北川航也(清水エスパルス)を起用。もう1人は、DF槙野智章(浦和レッズ)に代えてMF遠藤航(シント=トロイデン)を起用した。

遠藤はMF柴崎岳(ヘタフェ)とともにボランチに入り、トルクメニスタン戦でボランチ起用されたDF冨安健洋(シント=トロイデン)がDF吉田麻也(サウサンプトン)とともにセンターバックでコンビを組んだ。

立ち上がり、トルクメニスタン戦は中央の崩しに固執してしまった日本だが、この試合ではサイドも有効に活用。立ち上がり2分には、堂安が積極的に仕掛けると、ボックス内へのクロスをMF原口元気(ハノーファー)がシュート。しかし、クロスバーに阻まれる。

さらに7分、12分とMF南野拓実(ザルツブルク)がGKと一対一の決定機を迎えるが、シュートはセーブされてしまう。24分、26分にも南野は決定機を迎えたが、いずれも得点を奪えず。しかし、26分のシーンでは原口がファウルを誘い、PKを獲得。しっかりと決めて先制し、この1点を守り切って勝利した。

先制点までの26分間に、南野が得たビッグチャンスは4度。立ち上がりの原口のシュートを含めれば、5度の得点チャンスを作り出した。これは、トルクメニスタン戦と比較しても、良い立ち上がりだったと言える。

ピッチの横幅を使うこと、そして、1トップの北川が受けるだけでなく、オマーンのディフェンスラインのポジショニングを見て、最終ラインからロングボールを送って裏をとるということ。攻撃面では大きな改善も見えたが、5度の得点チャンスを1度も生かせていないことは大きな問題だ。

結果として、PKを獲得して先制したものの、判定に助けられた部分も大きい。相手GKのパフォーマンスも評価に値するが、1人で4度決定機を迎えた南野がゴールを奪えなかったことは、課題として大きく残った。

◆停滞した後半
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一方で、後半のパフォーマンスには不満が残る。前半の得点機を逸した日本だったが、後半の立ち上がりからオマーンが強度を強めて出てきた。また、徐々にボールをオマーンが持つ時間が増えたことにより、日本はペースを掴めない時間が続いた。

停滞した状況を打破しようと、日本は北川に代えて武藤嘉紀(ニューカッスル)を投入。しかし、この交代がハマらず、日本は決定機どころか、シュートすら打てない状況を迎えてしまった。

オマーンの攻撃に対しては、冨安、吉田を中心に守備陣が奮闘。特に、ボランチに入った遠藤が攻守に渡って冴えており、無失点で凌ぐことが出来た。終盤のパワープレーに対してはヒヤリとさせられる場面も作られたが、2試合目でクリーンシートを達成できたことは、選手たちにとっても自信になったはずだ。

しかし、攻撃面での変化がつけられなかったことは大きな課題として残る。ビハインド、またはイーブンの状況で勝利を目指すことを考えれば、2試合目の後半に及第点は与えられない。しっかりと課題として、ウズベキスタン戦までに準備してもらいたい。

◆北川の見えざる貢献はオプションにも
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前半の決定機を逸したことが試合の流れに影響を与えたことは1つあるだろう。あの場面で2点、3点と奪えていれば、オマーンの戦い方も変わり、さらなるゴールを積み重ねられた可能性もある。フィニッシュの精度という点では、ウズベキスタン戦での奮起に期待したい。

一方で、もう1つ試合の流れを変えたと考えられる場面があった。それは1トップに入った北川の交代だ。

大迫の欠場により、先発した北川。森保体制になってから、大迫以外の1トップが結果を残したことはなく、欠場時のプランに不安があったのは事実だ。

この試合でも先発した北川は、試合中に見せ場を作ることなく、57分と早い時間に武藤と交代させられている。確かに、決定機に絡めず、ボールタッチ数も少なかった。特に、南野との距離感が悪く、1トップに入る選手としては、働きが物足りないと言わざるを得ず、得点が欲しい森保監督が武藤を投入したのも理解はできる。

しかし、この日の北川は結果として黒子の働きを見せていた。前半から、ボールを受けようとしていたが、オマーンはウズベキスタン戦同様に縦パスが入った瞬間を狙っていた。そのため、2センターバックが北川をケアしていた。

さらに、オマーンが想定以上のハイラインを敷いたことにより、裏のスペースを狙うことが可能となった。北川にとってもやりやすい状況だったが、積極性が足らず、ポジショニングも良くなかったためボールが来ず。一方で、南野の近くにスペースが生まれ、決定機が生まれた。

大迫が欠場すると分かってか、オマーンは高いラインを敷いた。本来であれば、南野同様に自身にボールが入る動きをすべきだったが、経験値の少なさか、積極性に欠け、味方からパスを供給される回数が少なかった。

それでも、南野とのポジショニングを間違えることはなく、相手CBを引きつけていたことも事実だ。囮という考えでいけば、南野を生かすために使い道はある。コミュニケーションをとり、狙って動くことができれば、オプションになり得るだろう。

一方で、武藤は北川よりも前線で動くタイプ。サイドに流れるプレーや、裏へボールを呼び込むためのポジションチェンジなどを繰り返していた。しかし、武藤が動くことで、南野のスペースが消滅。結果として、前半に作っていた決定機はほとんど迎えることがなかった。

大迫の代役の答えは見つからないが、北川の起用は、南野を生かすという意味で考えればオプションにもなり得るだろう。ユース年代ではともにプレーしていただけに、お互いのイメージが一致すればだ。

前線からの守備という点でも、オマーンに対して効いていた部分はある。攻守の整備役としては及第点だ。しかし、1トップとして起用されていることを考えれば、最善のプレーだったとは言えない。大迫の穴の大きさは、やはり埋め切れないというのが現時点での答えであり、北川には自身が生きるプレーを見つける課題が残った。

◆大迫の存在は課題に
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大迫のケガの状態が不明だが、決勝トーナメントの戦いを見据えれば、ウズベキスタン戦も欠場させる可能性は高い。その場合は、北川、武藤のどちらかを起用することになる。

どちらのプランが良いということではなく、それぞれ特徴が違うため、戦い方を変える必要があるということ。北川も、南野のサポートにはなっていたが、自身が生きたとは言えず、1トップとしては及第点を出せない。武藤もそれは同様だ。

決勝トーナメントへの進出を決めたものの、課題が残る日本。ウズベキスタン戦で勝利し、首位通過を目指す必要はあるが、選手の特徴を生かすという意味では、システムの変更も視野に入れて良いのではないだろうか。

基本システムは[4-2-3-1]としているものの、南野、堂安をサイドに置く[4-4-2]や堂安をインサイドに置き、南野をウイングに置く[4-3-3]も考えられるだろう。「システムを決めてはいない」と森保監督は過去に語っており、3バックを試合中に試すこともあると発言していた。

核となる大迫が不在、そしてMF中島翔哉(ポルティモネンセ)も今大会は不在の状況であれば、新たなオプションを探すという手も1つあるはず。9月に始まるカタール・ワールドカップ予選を考えても、様々な手を用意する必要はあるだろう。

◆首位通過を争う相手は強敵

オマーンvs日本の後に行われたトルクメニスタンvsウズベキスタンでは、ウズベキスタンが0-4で圧勝した。日本が苦戦した相手に4得点を奪い、無失点に抑えたという状況。ウズベキスタンはグループ最大のライバルと言える。

トルクメニスタン戦では、1トップに入ったFWショムロドフが効いており、日本戦にも出場するとなると、ディフェンス陣は非常に手こずることになるだろう。世代別の代表でも結果を残しているウズベキスタンは、森保監督率いるU-21日本代表の前にも立ちはだかった。

この先の戦いを見据えれば、首位通過が望ましい。しかし、この2戦で日本も多くの課題を見つけたはず。3戦目でこの2試合の反省を生かすことができれば、勝利も難しくない。1戦目より改善が見られた2戦目。3戦目のウズベキスタン戦はさらなる好ゲームを期待したい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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発展途上のチームにとってはマイナスではない勝ち方/日本代表コラム

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「総合力」を高めるための実験は及第点…森保監督の調合がカギに/日本代表コラム

「この試合に関してもこの大会を総力戦で戦っていくということをチーム内で共有していましたが、ウズベキスタン相手に総合力を示し、難しい試合を制して勝利してくれたと思います」 ウズベキスタン代表に逆転勝利を収め、グループステージ3連勝を果たした試合後、森保一監督が語った言葉だ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆「総合力」を求めた一戦</span> オマーン代表戦でグループステージの突破を決めていた日本代表。ラウンド16の対戦相手が決定するこのウズベキスタン戦には、FW北川航也(清水エスパルス)以外のスタメンを10名変更した。 10名の中には、MF塩谷司(アル・アイン)、MF乾貴士(ベティス)といった森保体制で初招集を受けた選手を含め、GKシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)、DF室屋成(FC東京)、DF三浦弦太(ガンバ大阪)、DF佐々木翔(サンフレッチェ広島)、MF青山敏弘(サンフレッチェ広島)とアジアカップ初出場の選手も多くピッチに立った。 チームの完成度という点では、当然ながら初めての組み合わせでもあり、高かったとは言えない。しかし、選手個々が自身の持ち味を出してプレーするという点においては、これまでの2試合に比べて発揮できていたように思う。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆目を見張る塩谷司のプレー</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190118_34_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> この試合で大きなインパクトを残したのは、塩谷だろう。サンフレッチェ広島時代は、3バックの右を担当していたが、アル・アインでは左サイドバックやセンターバックでのプレーが主となっている。 ボランチでのプレーも試合によってあるものの、殆どが最終ラインでプレーしている。しかし、この日は広島時代の同僚である青山と初めてボランチでコンビを形成。しかし、持ち前の対人守備の強さと、身体能力、読みの鋭さを生かした守備で躍動。さらには、持ち前の攻撃センスも発揮し、ゴール前に上がるシーンも見られた。 そして決勝点となった豪快なミドルシュート。Jリーグ時代から塩谷を観ている方なら、何度も目にした強烈なシュートが、日本代表を逆転勝利へと導いた。 初戦は冨安健洋(シント=トロイデン)と柴崎岳(ヘタフェ)、2戦目は柴崎と遠藤航(シント=トロイデン)がボランチを務めていた。この3名の中で、最も持ち味を出していたのは遠藤だ。攻守にわたってピッチ上を走り回り、潤滑油となっていた。 そして、このウズベキスタン戦でのプレーで、塩谷がそこに割って入る可能性が出てきた。ボランチという選択肢をこれまでは持てなかったが、攻守にわたるプレーはボランチで活かせることも見て取れた。現段階ではオプションでしかないかもしれないが、この先の日本代表の序列が変わる可能性を見出した。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆明暗分かれた両サイド</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190118_34_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 一方で、両サイドハーフに入ったFW伊東純也(柏レイソル)と乾は明暗が分かれたと言っても良いだろう。 ロシア・ワールドカップ以来の日本代表招集となった乾は、森保体制で初出場。初の組み合わせとなるメンバー構成ではあったものの、攻撃面での違いをつけることが求められていたはずだ。 左サイドでボールを受けてタメを作り、攻撃を促す場面は見られた。しかし、アクセントを付けるまでのパフォーマンスは見せられず、また、守備面ではカウンターを抑えなくてはいけない場面でも突破を許すなど、ルーズな部分が目立ってしまった。立ち上がりから運動量高くプレーしていたことも影響はしたとは思うが、期待されていたものを発揮できなかったことは、大きな課題と言えるだろう。 一方で、伊東は出色の出来と言えるだろう。前半こそ、同サイドの室屋とポジションが被ってしまう場面も見られたが、後半は前方のスペースを上手く使い、ストロングポイントであるスピードもカウンターの場面でウズベキスタンの脅威となった。 2トップとの連携面など課題は残しているが、ウズベキスタンの守備陣を混乱させていたことは間違いない。守備面でも最終ラインまで戻ってブロックするなど、逆サイドの乾と比較しても攻守にわたって好パフォーマンスを見せていた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆答えの見つからない前線のカード</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190118_34_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> オマーン戦でも大きな課題として残った1トップだが、この試合は武藤と北川が2トップに近い関係でピッチに立った。 1トップでそれぞれプレーしたオマーン戦と比べ、両選手の動きにも改善が見られ、コンビネーションを含めても役割が整理されていたように見える。しかし、効果的だったかと言われると、まだまだ物足りないと言わざるを得ない。 軽率な守備から先制をされた直後、室屋のクロスに武藤が飛び込んで合わせたシーンは、流れを含めて見事だった。室屋の突破もさることながら、北川がニアで潰れ、武藤は中央でフリーになりヘディング。2トップとしての距離感、立ち位置もしっかりと発揮できた。 しかしながら、後半のプレーには気になるところも。自陣からのカウンターを仕掛け、左サイドで伊東がボールを持つと、中央の無糖へパス。これを武藤がワンタッチで流すと、後方から猛然と走り込んだ北川がフリーでシュートを放った。 前半も、反転シュートをGKにセーブされるなど、この試合は決定機を逃していた北川だったが、このシーンでもシュートは大きく枠を外れる。長い距離を走ってきたという側面はあるが、逆に捉えればカウンターというのはそういったもの。そこでシュートを枠に飛ばせないのは、ストライカーとして大きな課題だ。 この先は1点が明暗を分ける一発勝負がスタートするだけに、あの様なシーンは相手を助けてしまう可能性もある。ピンチの後にはチャンスありという言葉がある様に、失点を逃れた相手が息を吹き返す場面はこれまでに何度も観た事がある。先発、途中出場含めて3試合全てに出場した北川。Jリーグで結果を残しての招集だが、ポジションが確保されているわけではない。目立たないファインプレーはこれまでも見せていたが、そろそろゴールという目に見える結果が欲しいところだ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆「総合力」を高めるための調合は</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190118_34_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 森保監督が口にした「総合力」。突出した選手の力に頼るだけでなく、チームとして成長していく必要がある日本代表にとっては、このウズベキスタン戦の勝利は、3連勝したということ以上の価値があるだろう。 ベンチから試合を見ていた主力組は、それぞれのポジションの選手のプレーを見て思うことがあったはずだ。公式大会でタイトルを獲るには、大きな変化、突出した何かが必要となる。いわゆる、“シンデレラボーイ”という存在だ。 その観点では、森保監督とJ1のタイトルを獲得し、急遽追加招集され、UAEの地を知る塩谷の活躍は、何かを予感させるものではあった。それと同時に、選手間での競争意識がより強くなることが想定でき、チームが向上していくことに繋がれば、この実験は成功だったと言える。 一方で、森保監督には次の実験が待っている。「総合力」を高めつつも、コンディションを整えることとチームの形を作っていかなくてはいけない日本代表は、ここから移動を含めた厳しい日程が待っている。タイトルまで4試合、一発勝負が続く中で、「総合力」を最大化するための調合を考える必要がある。 ウズベキスタン戦で見られた選手たちの気概が、チームの成長とともに、優勝という結果に近づくのか。調整、準備を含めた、森保監督の腕の見せ所がやってきた。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2019.01.18 18:15 Fri
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形に固執した最悪の前半、対応力不足を2戦目の糧にできるか/日本代表コラム

「厳しい戦いになるということはチームで共有して、今日のトルクメニスタン戦に臨みました」 試合後の記者会見で日本代表の森保一監督が最初に語った言葉。予想通りの苦しい展開であったことを認め、その中で逆転勝利を収めたことは、結果だけを見ればプラスと言える。しかし、チームとしての戦い方を紐解くと、やはり厳しい内容だったと言わざるを得ない。 2大会ぶりのアジア制覇を目指して臨んだ今大会。グループステージの初戦で当たった相手は、トルクメニスタン代表だ。中央アジアの国であり、2018年11月のキリンチャレンジカップでは近隣国のキルギス代表と対戦した。 その試合では、4-0と快勝を収め、2018年の代表活動を良い形で締めくくった。しかし、前半で2点をリードしてからは停滞。後半に入り、FW大迫勇也(ブレーメン)、MF堂安律(フローニンヘン)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF中島翔哉(ポルティモネンセ)の4人からなる攻撃ユニットを投入。試合が活性化したものの、戦力差を痛感させられる場面でもあった。そして、それはこのトルクメニスタン戦でも出たように思う。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190109_41_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 大事なアジアカップ初戦のスターティングメンバーは、GK権田修一(サガン鳥栖)、DF冨安健洋(シント=トロイデン)、堂安、南野を除く11人中7名がロシア・ワールドカップ経験者。初戦の勝利に向けた意気込みを感じるラインナップだった。しかし、フタを開ければコンディションが整っていないことが明白で、運動量も少なく、ミスも散見される展開だった。 森保監督も「最終的にチームとしてコンディションを合わせる部分で難しいところはあった」と試合後に認め、「そこはある程度、覚悟していた」と語った。確かにシーズン終了後の国内組、シーズン真っ只中の海外組、そして試合の出場時間が短い選手と個々のコンディション調整が難しい時期ではある。それでも、厳しい戦いになると戦前に予想していたならば、試合中の対策を準備しておくべきだったと思う。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆最悪の前半、形に固執し墓穴を掘る</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190109_41_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 立ち上がりからペースが上がらず、パスミスやボールロストからカウンターを受けていた日本。その要因の1つは、中央からの崩しに固執しすぎたことだろう。左サイドに入った原口、右サイドの堂安ともに、サイドに張る機会は少なく、ボールを受ければ常に中を意識。ボールサイドとは逆にいても、中央に絞っていた。 また、中盤でボールを持ったMF柴崎岳(ヘタフェ)や冨安も縦パスで南野に当てるシーンが多く、DF長友佑都(ガラタサライ)やDF酒井宏樹(マルセイユ)の両サイドバックが攻撃に絡む機会は少なかった。 ブロックを敷くトルクメニスタンにとっては、中央を固めてボールを奪い、簡単にカウンターに移れたため、日本陣内に攻め込むことができた。さらに、コンディション面も影響したのか、トランジションが極端に遅く、ボールロスト時に足が止まるシーンが前半から見られた。 単調な攻撃、運動量の欠如を生み出した要因の1つは、中島の不在とも言える。ケガによる大会不参加は、2018年の戦いで日本の攻撃を牽引していた存在の大きさを初戦でも感じさせた。中島が出場していた際には、左サイドに張ってボールを受け、中央へのカットインやコンビネーションで崩す他、サイドを縦に仕掛ける崩しなど、攻撃のバリエーションが豊富だ。中央の崩しに固執することは、少なくともなかっただろう。 1失点目は、堂安のパスミスから生まれたカウンター。アマノフの強烈なミドルシュートは褒めるべきものではあったが、距離が離れていたこと、そしてブラインドになっていなかったことを考えると、権田の対応にも不満は残る。日本代表の守護神になるのであれば、あのシュートは防ぐ必要があった。打ってこない、打ったとしてもあのレベルのシュートは来ないという油断があったのかもしれない。しかし、親善試合ではなく公式の大会。アジアの頂点を決める大会なのだから、油断は禁物だ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ハーフタイムで修正し逆転勝利</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190110_22_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 失点だけでなく、決定的なピンチを何度も迎えた日本は、ハーフタイムで修正する。まずは、サイドの関係だ。中央に固執するあまり、ピッチの幅を使えていなかった前半に比べ、後半は特に左サイドの長友が修正。本来であれば、原口が使うべき大外のレーンを長友が使い、サイドからの崩しを多用した。 また、「切り替えの部分あったりとか、球際のバトルのところ」と森保監督が明かした通り、中盤、前線での球際の強度を上げていった。その結果、徐々にセカンドボールを拾えるようになり、同点ゴールにつながる。 それまでは、単純なクロスを選択していたものの上手くいかず。しかし、相手の意識がクロスに向いたタイミングで、左サイドでボールを持った原口がグラウンダーのボールを中央へ。大迫の素晴らしいボールコントロールでゴールを奪った。そして逆転ゴールもサイドから。吉田のロングフィードを原口が落とし、駆け上がった長友がボックス内へ。相手DFの対応のまずさもありながら、長友が冷静にクロスを入れ、大迫が無人のゴールへと押し込んだ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆修正力を見せるも、対応力の欠如を露呈</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190110_22_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> サイドからの仕掛けを増やしたことで逆転できたことはプラスだろう。ただし、この対策がハーフタイムでしかできなかったことは、大きな課題と言える。試合中に流れを変える、相手の出方を見てやり方を変える。難しい要因があったにせよ対応力の欠如が露呈した。 「前半はゴールを奪えなくてもボールを動かしたことが相手にとってボディブローのように効いてきたと思う」と森保監督は、前半をビハインドで終えてもプラスに捉えたが、それは相手がトルクメニスタンという実力差があったから。日本が目指すアジアの頂点に向かうには、決勝トーナメントでアジアの実力国との戦いが待っている。 ハーフタイムというチーム全体に指示を送れるタイミングで変化をもたらせることは、そこまで難しいことではない。ただ、それを試合中にできなければ、後半が始まってしまえば、もう修正が難しいと言わざるを得ない。もちろん、交代のカードを切ることでも対応はできるが、根本的な解決は、ピッチ内で選手ができる必要があるだろう。 思い起こせば、2018年7月、ロシア・ワールドカップのラウンド16で対戦したベルギー代表戦。2-0とリードした日本だったが、マルアン・フェライニが投入されて追いつかれ、ラストプレーで逆転を許して敗退した。様々な要因があるものの、この試合でも欠けていたのはピッチ内での対応力だ。自分たちの形に固執しているようでは、この先に厳しい戦いが待っているだろう。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆大事な2戦目、バウンスバックに期待</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20190110_22_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> 悪いところばかりを指摘してきたが、収穫もゼロではない。試合終了後の表情を見ていれば、勝ったという事実こそ喜ばしいものの、誰一人笑顔の選手はいなかった。自分たちに足りないもの、そしてアジアカップというものを4年ぶりに思い出した選手も多いはず。森保体制初の公式戦で、痛いほどに課題を突きつけられた。 それは指揮官も同様だ。「内容的には攻守ともにすべて上げていかないといけない。次の試合の課題として進んでいきたいと思う」と会見で語った。アジアでの戦いは東京五輪世代を率いても、森保監督は難しさを痛感していたはず。そして、A代表の初戦でも感じただろう。 日本が目指すものはアジア制覇。つまり、大会を通じて7試合を戦わなければいけない。当然、チームとしてのピークを初戦に合わせることもなく、大会を通じてコンディションを全体的に上げていき、キープすることが求められる。トルクメニスタン戦はFW北川航也(清水エスパルス)のみを投入したが、展開によってはグループステージの残り2戦で多くのことを試す必要もあるだろう。 W杯経験組は改めて気が引き締まり、初出場組はアジアの難しさを痛感したはず。しかし、その経験が次戦以降の糧となることで、頂点が見えてくるはず。順風満帆なスタートとならなかったことは、改めてアジアの戦いの難しさを体感するという意味では、収穫だっただろう。次戦のオマーン代表戦のバウンスバックに期待したい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2019.01.10 14:00 Thu
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新戦力が光明を見出すも選手間の差は明確に…/日本代表コラム

▽チーム発足から4カ月、森保ジャパンの2018年の戦いは全て終わった。結果は5試合で4勝1分け。初戦のチリ代表戦が北海道胆振東部地震の影響で中止となったものの、チームを作り上げ結果を残した。 ▽UEFAネーションズリーグの影響で欧州勢との試合が組めず、アフリカ・ネーションズカップの予選を戦うアフリカ勢とも対戦ができなかった。そのため、北中米カリブ海、南米の国と戦ったが、3勝1分け。とりわけ、主力を起用してきたウルグアイを相手に打ち合いを制したことも、新戦力が多いチームとしては自信となったはずだ。 <span style="font-weight:700;">◆不安材料は残ったまま</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181121_22_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽キルギス戦は、ベネズエラ戦から先発11名全てを変更。左サイドバックには初出場となったDF山中亮輔(横浜F・マリノス)を起用。また、ボランチの一角には初先発となるDF守田英正(川崎フロンターレ)、トップ下にはこちらも初先発となるFW北川航也(清水エスパルス)を起用した。 ▽DF槙野智章(浦和レッズ)、MF原口元気(ハノーファー)のロシア・ワールドカップ組以外は、日本代表としての経験が少ない選手。FIFAランクでは格下に位置するキルギス相手にどの様なパフォーマンスを見せるのか。ベネズエラ戦の後半に見せた低調なパフォーマンスを払拭できるかに期待が懸った。 ▽立ち上がり2分、ボックス手前中央でパスを受けた杉本。トラップに失敗したことでシュートチャンスを逸したが、左サイドのスペースにボールを送ると、走り込んだ山中がシュート。横浜FMでも見せる形から史上最速となるデビュー弾を決め、日本がリードする。 ▽18分にもボックス付近でFKを獲得すると、原口が直接狙いゴール。相手GKのファンブルもあってのゴールだが、2-0とリードを広げた。その後も日本は決定機を作っていくが、MF伊東純也(柏レイソル)が決定機を連続で逸し、FW杉本健勇(セレッソ大阪)も決定的なシーンを作れず、2-0で折り返した。 ▽立ち上がりこそ効率良くゴールを奪っていた日本だったが、徐々にそのチャンスを不意に。試合の流れを掴み切れず、試合が停滞していった。ベネズエラ戦で結果を残せなかった選手たちが先発したものの、やはり連携面の精度が低く、プレー精度も低いため、効果的な攻撃が時間の経過とともに減っていった。控え組のパフォーマンスに不安は残ったままと言える。 <span style="font-weight:700;">◆輝きを見せた新戦力</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181121_22_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽そんな中でも、2人の選手が輝きを放っていた。それは、初ゴールを記録した山中と、ボランチの一角で出場した守田だ。 ▽ファーストシュートで代表初ゴールを記録した山中。普段から攻撃面で特長を出せている選手であり、そのプレーが日の丸を背負っても出すことができた。キルギスのパフォーマンスもあり、守備面の確認があまりできない試合だったが、攻撃面では果敢にサイドを上がり、深さをとってクロスを上げるシーンも多く見られた。デビュー戦としては、本人も自身を掴み、結果を出せたことは大きな収穫だった。 ▽今回は代表招集を見送られたDF長友佑都(ガラタサライ)がアジアカップで起用できるかは不透明。DF佐々木翔(サンフレッチェ広島)のパフォーマンスも高かったとは言えず、山中にとってはポジションを奪うチャンスが到来した。まずは、ゴールという形で結果を残した山中。アジアカップにも招集され、よりそのプレーに磨きが掛かることを期待したい。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181121_22_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽そして圧巻だったのは、守田のパフォーマンスだ。大卒ルーキーとしてプロの世界に飛び込んだ守田は、右サイドバックとして川崎Fでデビュー。MFエドゥアルド・ネット(現名古屋グランパス)の移籍に伴い、ボランチでのレギュラーを掴むと、チームのJ1連覇に貢献した。 ▽守備面を買われてのボランチ起用だった守田だが、コンビを組むMF大島僚太(川崎フロンターレ)とともに攻撃面も磨かれ、ポジショニング、カバーリング、そして攻撃への切り替え、パスのチョイスと代表初先発とは思えないパフォーマンスを見せた。今回の代表チームには、MF遠藤航(シント=トロイデン)、MF柴崎岳(ヘタフェ)、MF三竿健斗(鹿島アントラーズ)が招集されており、守田の前にはMF青山敏弘(サンフレッチェ広島)が招集されていた。ライバルは少なくないが、今後のさらなる成長と活躍には期待せざるを得ない。 <span style="font-weight:700;">◆盤石のレギュラー組に割って入るのは</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181121_22_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽2-0で迎えた後半、FW大迫勇也(ブレーメン)、MF堂安律(フローニンヘン)、MF中島翔哉(ポルティモネンセ)、MF南野拓実(ザルツブルク)と前線のユニットを投入。すると、72分には守田の縦パスを受けた北川が足裏を使って繋ぐと、大迫が蹴りこんで追加点。直後には、投入されたばかりの南野が持ち上がり堂安へパス。堂安がダイレクトで繋ぐと、中島が蹴り込んで4点目を奪った。 ▽選手交代で流れを一気に引き戻す形が確認できたことは大きな収穫だ。一方で、ベネズエラ戦と逆の展開となり、選手間のパフォーマンスの差が明確になってしまった。来年1月のアジアカップまで実戦の場はなく、選手たちのクラブでの活躍を頼りにするしかない。それでも、戦う形は見えているだけに、どこまで選手たちがピッチ内で表現できるか。レギュラー組に割って入る存在が出てくることが期待される。 ▽GKを除いて、基本的には各ポジションに2名ずつと予想されるメンバー。とりわけ前線の選手は、誰がフィットするのか。または、誰がこの先の伸び代を持っているのか。森保監督は限られたリーグ戦で見極めるミッションが残された。 <span style="font-weight:700;">◆本番まで約1カ月</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181121_22_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽1月5日のアジアカップ開幕まで約1カ月。日本のみならず、多くの国が新たなチーム作りをスタートさせ、初の大きな大会となる。韓国代表やオーストラリア代表がライバルとなってくるが、どちらもチーム作りが進んでいる。日本も負けなかったことは大きな自信となり、3度の招集で森保監督が目指すサッカーも理解できたはずだ。 ▽森保監督が招集したメンバーで代表デビューを果たしたのは8名。継続して呼ばれている選手も居る。また、キリンチャレンジカップには招集されなかったものの、過去に代表招集を受けて結果を残している選手たちも居る。どの様なメンバーでアジアカップに臨むのか。この5試合の評価と反省、分析を行い、今後の伸び代を考慮したメンバーを選考してもらいたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.11.21 17:00 Wed
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見え隠れした収穫と課題、差を埋められるか/日本代表コラム

▽選手たちがスタジアムに来ない…前代未聞のエクスキューズから始まったベネズエラ代表戦は、1-1のドロー。森保ジャパンにとって、初めて勝利を逃した試合となった。 ▽ウォーミングアップの時間が取れなかったことについては「ボールを使ったり、長い距離を走ったりというような試合の状況を想定した動きができませんでした」と振り返った森保一監督。スタメン組は室内でのアップで戦いに臨んだ。 ◆新たな守備ラインは収穫と課題が<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181118japan_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽10月のウルグアイ代表戦のメンバーが中心となったスターティングメンバー。GKには日本代表初キャップとなるシュミット・ダニエル(ベガルタ仙台)を起用。さらに、センターバックの一角にはDF冨安健洋(シント=トロイデン)を起用し、代表の守備の要であったDF吉田麻也(サウサンプトン)と初コンビとなった。 ▽立ち上がり11分、日本は大ピンチを迎える。浮き球のパスを入れられると、これをDF佐々木翔(サンフレッチェ広島)が頭でバックパス。しかし、勢いが足りなかったボールは、FWサロモン・ロンドン(ニューカッスル)がシュート。シュミット・ダニエルの脇を抜けたものの、戻った冨安がギリギリのところでクリアを見せ、失点を逃れた。 ▽代表2キャップ目となった冨安だが、この試合のパフォーマンスは圧巻だった。前述のクリアに加え、常に相手のボールを前で奪うチャレンジを敢行。ボールを奪ったまま、相手陣内まで持ち上がるプレー見られた。その他にも、一対一で負けるシーンは少なく、吉田との連係も悪くなかった。無謀ではない守備でのチャレンジは、吉田とのコンビがあったからとも言える。良さをしっかりと発揮できた冨安のプレーは大きな収穫と言えるだろう。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181118japan_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽また、初キャップとなり、ろくにウォーミングアップもできないままピッチに立ったシュミット・ダニエル。PKでの失点は防ぎようもないものだったが、それ以外のプレーは及第点といえるだろう。さらに、魅力である高さはクロスボールに対して威力を発揮。加えて、ビルドアップの部分でも高い能力を見せた。 ▽森保監督は、これまでGK東口順昭(ガンバ大阪)、GK権田修一(サガン鳥栖)、そしてシュミット・ダニエルと3人のGKを招集し続けてきた。そして、今回のシュミット・ダニエルの起用で、全員を起用したこととなる。来年1月のアジアカップも同じメンバーで臨む可能性が高いが、4年後を見据え熾烈なポジション争いがスタートすることだろう。 ▽一方で、不安材料も見えた。それはサイドバックの人選だ。今回は、肺気胸の影響でDF長友佑都(ガラタサライ)が招集外に。また、状態によってはアジアカップも欠場となる。右サイドバックには、代表初ゴールを決めたDF酒井宏樹(マルセイユ)とDF室屋成(FC東京)がおり、左サイドバックには佐々木とDF山中亮輔(横浜F・マリノス)が招集された。しかし、先発した佐々木は守備面でも不安定さを見せた上、攻撃参加の回数も少なく、インパクトを残せたとは言えない。ロシア・ワールドカップのメンバーであったDF酒井高徳(ハンブルガーSV)は代表引退を表明。この先、誰がポジションを掴むのか。サイドバックの出来は課題が残った。 ◆前線の形は確立も…<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181118japan_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽MF中島翔哉(ポルティモネンセ)、MF堂安律(フローニンヘン)、MF南野拓実(ザルツブルク)が先発した2列目、そして1トップに入ったFW大迫勇也(ブレーメン)は盤石だった。開始3分で、右サイドを突破した堂安からのパスを受けた中島がシュート。26分には、南野のパスを受けた堂安が華麗なタッチで相手DFをかわし、右足でシュートも枠外。34分には、大迫が狭い中央を通すパスを出すと、中島がGKと一対一になるも、シュートはセーブされてしまった。 ▽決定機を作り続けていた場面、4選手の連係面は申し分なかった。足りなかったのは、ゴール。アジアカップでは、このような決定機をいかに決めきれるかが結果を左右する。形は見えてきており、対応力もある前線のコンビは、より精度を高めていければ良いだろう。 ▽一方で、控え組のパフォーマンスの差が気になるところだ。68分に大迫、中島が下がり、FW北川航也(清水エスパルス)、MF原口元気(ハノーファー)が投入。77分には、南野、堂安が下がり、MF伊東純也(柏レイソル)、FW杉本健勇(セレッソ大阪)が投入された。しかし、それまでの4人が見せていた連係は見られず、中盤のMF柴崎岳(ヘタフェ)、MF遠藤航(シント=トロイデン)との関係性も変わった。選手が代わったことでやり方が変わることは問題ないが、互いが描くイメージが異なっている印象に。スタメン組のプレーをベースとするのであれば、力の差を感じざるを得ない出来となった。 ◆戦力の底上げが必須<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181118japan_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽20日には、初のアジア勢であるキルギス代表との試合を控えている。アジアカップに初出場となるキルギスとの対戦は、本番で対戦するウズベキスタン代表、トルクメニスタン代表への対策でもあるだろう。前述の2カ国に加え、タジキスタン、カザフスタンと共に中央アジアと呼ばれている。実力的には劣ることになるが、本番への良いテストの場となるはずだ。 ▽しかし、森保監督には新たな戦力を試してもらいたいと思う。前述の通り、選手の中に徐々に序列ができあがってきている。それ自体は悪くないが、完成度の差、パフォーマンスの差が否めない。キルギス戦では、今回起用されなかった選手、または組み合わせを試してもらいたいところ。選手を手元で見る機会はもうなくなり、Jリーグもシーズンが終わるとなると、選手を見極められる機会がなくなる。しっかりと戦力を見極めるための戦いを期待したい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.11.18 23:01 Sun
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