【リーグ・アン前半戦総括】超WS選出の最優秀選手はムバッペ!2019.01.11 18:00 Fri

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★新生PSGが首位独走、モナコが大不振

リーグ・アン2連覇を目指すパリ・サンジェルマン(PSG)が絶対優位と思われた戦前の予想通り、開幕から無敗を継続する圧倒的な強さで2位以下に勝ち点13差を付ける独走劇をみせ、2015-16シーズンに自ら記録した最速優勝と共に無敗優勝を達成しそうな勢いだ。

昨季、国内3冠を達成したエメリ前監督との契約を解消して稀代の戦術家トゥヘル監督を新指揮官に迎えたPSG。開幕当初はディテールにこだわり過ぎるドイツ人指揮官とスーパースター軍団の親和性に疑問符が付けられていたが、蓋を開けてみれば圧倒的な戦力と複数のシステム、的確な用兵を見せる指揮官の采配が見事にマッチし、開幕14連勝のロケットスタートを切った。その後、クラブ最優先のチャンピオンズリーグ(CL)の戦いに力を注いだ影響もあり、ボルドー、ストラスブール相手に連続ドローと開幕からの連勝こそストップしたものの、昨季以上に隙のない戦いぶりで早くも連覇を決定的なものとしている。

例年、序盤戦ではPSGと競り合うリヨン、モナコ、マルセイユの3強だが、今季は序盤戦の躓きによってシーズンを折り返す前に勝負を決められた感がある。ここまで1試合未消化ながら3位と、前述の3チームで最も安定した戦績を残しているリヨンはシーズン序盤戦の躓きと、FWフェキルやFWデパイ、FWトラオレと昨季リーグ屈指の破壊力を示した自慢の攻撃陣がやや調子を落とした影響で勝ち切れない試合が目立った。それでも、[3-4-3]へのシステム変更や絶好調のMFエンドンベレ、MFアワールのセントラルMFコンビの活躍など後半戦に向けてポジティブな要素は多い。

一方、2試合未消化ながら6位に甘んじるマルセイユと、1試合未消化で降格圏の19位に低迷するモナコの低迷は深刻だ。マルセイユに関してはエースFWトヴァンの奮闘が目立つ一方、ガルシアスタイルの悪癖である守備の切り替えの甘さ、最終ラインの集中力の欠如、ここ数年の課題であるエースストライカー不在が響き攻守両面で安定感を欠く。先日の国内カップでは4部相手に屈辱の敗戦を喫しており、体制変更の可能性も否定できない。

そのマルセイユに輪をかけて酷いのが昨季2位チームのモナコ。MFファビーニョ、MFレマルという主力の流出を昨夏の移籍市場で穴埋めできずにいると、公式戦16戦未勝利という泥沼を経験。この間にジャルディム監督からアンリ監督への政権交代が図られるも、ここまではその効果も出ていない。

PSGを除く3強の低迷によって混戦模様のヨーロッパ出場権に関しては昨季残留争いを強いられたリールと、リーグ屈指の堅守速攻スタイルを築くモンペリエが2位、4位と大躍進。ここに古豪サンテチェンヌ、レンヌ、ストラスブールらも絡んだ熾烈な争いが続いている。残留争いに関してはここまでわずか2勝の最下位ギャンガンが苦しい状況だが、前述のモナコやディジョン、カーン、アミアンらと共にシーズン最終盤まで争うことになる。

マルセイユのDF酒井宏樹とストラスブールのGK川島永嗣の2人の日本人選手に関しては明暗が分かれる結果に。酒井は本職の右サイドバックに加え、チーム事情で左サイドバックに回る機会も多かったが、攻守両面で安定したプレーを披露し、不振のチームの中でもきっちり存在感を示した。一方、メスの降格に伴いストラスブールを新天地に選んだ川島は前所属先と同様に第3GKとしての加入となったが、ここまで公式戦出場はゼロと好調のチームとは裏腹に厳しい前半戦に。

【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWキリアン・ムバッペ(パリ・サンジェルマン)
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ロシア・ワールドカップで完全に次期バロンドール候補の最右翼に立った若きスーパースターが前半戦のMVPだ。フランス代表を世界王者に導いたことで昨季以上に自信を持った振る舞いが目立つ20歳は先発出場9試合ながらリーグトップの13ゴールを記録。相手の徹底マークに遭う中でも異次元のスピードとスキルで局面を打開すれば、ゴール前では百戦錬磨のベテランストライカーさながらの落ち着きで難なくゴールを陥れる末恐ろしいアタッカーに成長している。また、13ゴール中5ゴールが決勝点と勝負強さも光る。キャリアハイはモナコ時代の2016-17シーズンの15ゴールだが、その記録更新は確実で自身初の得点王獲得にも期待が集まる。

★最優秀監督
◆クリストフ・ガルティエ(リール)
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昨季、降格圏ギリギリの17位でフィニッシュしたリールを今季2位に躍進させているガルティエ監督が文句なしの前半戦最優秀監督だ。昨年12月に途中就任し、壊れかけのチームを立て直して残留に導いた。今季は昨季の戦力をベースにサンテチェンヌ時代を思い起こさせる堅実なカウンター型のチームを作り上げると、攻守両面で安定感を獲得。絶好調の若きエースのFWペペを中心に上位陣相手にも堂々と渡り合えるチームに進化させた。

【期待以上】
★チーム
◆リール
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モンペリエやストラスブールの躍進も目立ったが、最優秀監督に率いられ最もインパクトを残したリールが前半戦の主役だ。前述のように昨季はジェラール・ロペス新会長の下、鬼才ビエルサを新指揮官に迎えてモナコのような育成クラブとして華々しいスタートを目指したリールだったが、その指揮官の途中解任と共に昨季は泥沼を味わうことに。だが、その反省を生かした今季はDFフォンテ、FWレミと若きチームに百戦錬磨のベテランを迎え入れ、チームとしてのバランスが大きく改善。さらに、昨季獲得したペペやMFチアゴ・メンデスらの急成長に、FWバンバ、FWイコネと国内から獲得した新戦力の補強がハマり、チャンピオンズリーグ(CL)出場権も十分に狙える状況だ。

★選手
◆FWエミリアーノ・サラ(ナント)
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かつてナントで2度の得点王に輝いたハリルホジッチ監督の下、覚醒の気配を漂わせる28歳のアルゼンチン人ストライカー。アルゼンチン生まれもボルドーでキャリアをスタートした187cmの大型ストライカーは2015年に加入したナントでも直近2シーズン連続で12ゴールを記録。しかし、今季は名ストライカーの薫陶を受けた10月以降にゴールを量産し、前半戦だけでキャリア最多タイの12ゴールを記録する爆発ぶりだ。屈強なフィジカルに加え、スピードも十分に備えており、得点以外の部分での貢献も見逃せない。右足インサイドで枠の隅を狙うフィニッシュの偏りは懸念材料だが、1994-95シーズンのパトリス・ロコ以来の得点王獲得なるか。

【期待外れ】
★チーム
◆モナコ
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昨季の2位から一転、降格圏の19位に低迷する大不振に。ここ数年、毎年のように複数主力を引き抜かれてきた中、優れたスカウト網と育成力に長けたジャルディム監督の下、その度に新戦力や下部組織の若手を台頭させ、育成クラブの理想的なサイクルを継続してきたモナコ。しかし、今季は若手の伸び悩み、新戦力のMFゴロビン、FWシャドリらの不振の影響でレマル、ファビーニョ、モウティーニョらの抜けた穴を埋められず開幕戦の勝利以降、公式戦16戦未勝利という泥沼を味わった。クラブのレジェンド、アンリ新監督の下で本格的な巻き返しを図る後半戦に向けてはMFセスク、DFナウドと経験豊富なベテランの獲得に動いており、その新戦力のパフォーマンスが重要になるはずだ。

★選手
◆FWマリオ・バロテッリ(ニース)
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キャリアを通じて何度目かわからない素行不良でフットボールファンをまたしても呆れさせることに。直近2シーズンでいずれもリーグ戦15ゴール以上を記録し、コートダジュールの地でキャリアを再生した28歳。だが、昨夏に移籍濃厚と思われた中、ニース残留を決断したものの無断での練習欠席や度が過ぎるオーバーウエイトとプロフェッショナリズムを欠く態度で新指揮官ヴィエラの怒りを買う。前半戦10試合出場でノーゴールとピッチ内でも精彩を欠いた。今冬にマルセイユ、イタリア行きの可能性が浮上しているが…。

【後半戦展望】
★PSG優勝は決定的。混戦ヨーロッパ争いに注目

ここまでリーグ最多得点、最少失点と完璧な戦いぶりで連覇に邁進するPSGの優勝は既定路線だ。したがって、注目されるのは優勝時期や無敗優勝といった記録的な側面だけだ。また、ムバッペ、ネイマール、カバーニと超強力トリデンテによる個人賞争いにも注目が集まるところだ。

タイトル争いへの興味が薄れる後半戦だが、CL出場権を懸けたトップ3争い及びEL出場権はシーズン最終盤まで白熱の攻防が期待できる。現時点でリヨンのトップ3フィニッシュは濃厚だが、リールやモンペリエ、サンテチェンヌ、巻き返しを図るマルセイユ、レンヌあたりは実力が拮抗しているだけに今冬の補強が大きなカギとなりそうだ。

残留争いに関しては崖っぷちのモナコに注目。本来の力を出せれば、問題なく残留は可能だが、やや疑問視されるアンリ監督の采配、リーグ・アン初挑戦となる今冬の新戦力のフィット次第では昨季2位からの降格という悲劇に見舞われる可能性も除外できない。

最後に今冬鹿島アントラーズからトゥールーズに完全移籍したDF昌子源の加入によって3人に増えた日本人選手では、アジアカップ帰りとなる酒井は不振に喘ぐチームに前半戦同様に安定感をもたらしたい。一方、川島と昌子に関してはまずチーム内でのポジション争いを制したい。現在、降格圏と勝ち点8差の14位に位置するトゥールーズだが、1試合平均1得点に満たない脆弱な攻撃陣の影響で決して安全圏にいるわけではない。したがって、昌子に最も求められる要素は自陣低い位置にブロックを敷き押し込まれる中、屈強な相手アタッカーに競り勝つ強さなど、ゴール前で身体を張る泥臭い仕事だ。決して最終ラインの選手層は厚くないため、そこをきっちりこなせればプレー機会は与えられるはずだ。
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル⑦~ソラーリ体制プレイバック~

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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル⑥~ロペテギ体制プレイバック~

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2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ジネディーヌ・ジダン体制/2016-2018</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_21_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>現役時代に当代一の名選手としてあらゆる栄光を手にしていたジダン監督は、マドリーの下部組織から指導者生活をスタート。2013-14シーズンからのカルロ・アンチェロッティ体制下ではトップチームのアシスタントコーチも務め、経験を積んだ。しかし、当時はレアル・マドリー・カスティージャ(Bチーム)でしか監督経験がなく、その手腕の程は全くの未知数だった。 そして、ジダン監督就任時のマドリーは、規約違反によりコパ・デル・レイを失格となっており、リーガでも3位。チャンピオンズリーグ(CL)こそベスト16進出を決めていたものの、悲観的なムードが漂っていた。その混迷度合いは、本拠地サンティアゴ・ベルナベウで自チームにブーイングが飛び、前任者のラファエル・ベニテス前監督がわずか半年での解任を言い渡される程。このタイミングでのレジェンド登用には悲観的な意見も少なくなかった。就任当初、目指すべきものとしてはチーム再建やタイトルが掲げられていたが、周囲からのハードルはそれほど高く設定されていなかったのが実情だ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_21_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>ジダン監督が就任してからのマドリーは、移籍市場において明確に方針を転換。FWアルバロ・モラタの復帰がビッグディールとなったが、これまでの様に世界的なスター選手に手は伸ばさず。MFダニ・セバージョスを獲得し、レンタルで経験を積んでいたMFアセンシオにトップチームでの機会を与えるなど、未来を見据えたオペレーションを目立たせた。同時に、既存のスタープレーヤーを不良債権化させることもなく、バランスの良いチーム作りを試みている。 基本となった布陣は守備的MFカゼミロをアンカーに据えた[4-3-3]だが、対戦相手によって複数のフォーメーションを使い分け。イスコをトップ下に配した[4-3-1-2]や、MFルーカス・バスケスとMFアセンシオを両サイドに置き安定感を重視した[4-4-2]など、多くのパターンを有した。特に、C・ロナウドをサイドでなく中央で起用するアイデアは、多くの得点をもたらしている。 さらに、2年目の2016-17シーズンにはAチーム、Bチームと言われる2つのチームを組み、ローテーション。主力のコンディション、若手を含む全選手の試合勘を保ち、あらゆる大会を勝ち抜く総力を培った。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~ヴォルフスブルク戦の大逆転~</span> 就任時こそ悲観的な見方も多かったジダン政権だが、その声は半年後にはかき消え、2年半が経つ頃には大音量の声援へと変わっていた。言わずもがな、わずか半年でCLのタイトルを獲得し、前人未到の3連覇を達成したためだ。 さらに、初年度からリーガエスパニョーラでも凄まじいスピードで巻き返し、優勝したバルセロナとの勝ち点差はわずか「1」。ベニテス政権時のリーグ前半戦で0-4の大敗を喫していた“エル・クラシコ”でも、後半戦では2-1でリベンジを果たした。また、2年目には5年ぶりのリーガ奪還を成し遂げている。 指導者としても伝説的な成績を収めているジダン監督だが、その道程の中では2015-16シーズンのCL準々決勝ヴォルフスブルク戦がターニングポイントに挙げられる。マドリーはアウェイでの1stレグを0-2で落とし、絶体絶命となっていた。しかし、2ndレグではFWクリスティアーノ・ロナウドがハットトリックを記録し、3-0で終えて逆転突破。それから3年後、ユベントスに移籍したC・ロナウドが同様の偉業を成し遂げ、時を同じくしてジダン監督も再びマドリー指揮官に復帰したのは、何の因果か…。 ともあれ、ヴォルフスブルクを劇的な形で破ったマドリーは、勢いそのままに欧州制覇。その後も一切チャンピオンの座を渡すことなく、3連覇を果たした。 そして、2017-18シーズン終了と当時にジダン監督は電撃辞任。「今こそ変えなければ」、「勝てる気がしないときは何か変化が必要だ」と語り、マドリーでは稀有なことに好印象だけを残してクラブを去っていった。<hr>▽ジネディーヌ・ジダン 【在任期間】 2.5シーズン(2016/1/4~2018) 【戦績】 [2015-16シーズン]※半シーズン 公式戦27試合22勝3分け2敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点90) コパ・デル・レイ:-※規約違反により就任前に失格 [2016-17シーズン] 公式戦60試合44勝11分け5敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:優勝(勝ち点93) コパ・デル・レイ:ベスト8 [2017-18シーズン] 公式戦62試合39勝14分け9敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点76) コパ・デル・レイ:ベスト8 [合計] 公式戦149試合115勝28分け16敗 【主な獲得選手】 FWアルバロ・モラタ、DFテオ・エルナンデス、MFダニ・セバージョス 【主な放出選手】 FWアルバロ・モラタ、FWヘセ・ロドリゲス、FWデニス・チェリシェフ、MFハメス・ロドリゲス、DFアルバロ・アルベロア、DFダニーロ、DFペペ 2019.03.13 18:00 Wed
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル④~ベニテス体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ラファエル・ベニテス体制/2015</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190312_17_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>選手としてマドリーの下部組織で育ったベニテス監督は、指導者としてのキャリアもマドリーのコーチからスタートさせた。その後、バレンシアで2度のリーガエスパニョーラ制覇を成し遂げて頭角を現すと、リバプールではチャンピオンズリーグ(CL)も獲得。しかし、リバプール以降はなかなかファンが求めているタイトルには手が届かず、戦術家としての手腕を評価される反面、人心掌握に関しては懐疑的な目が向けられていた。 マドリーは、前年を主要無冠で終えていたものの、前任者のカルロ・アンチェロッティ前監督が選手やファンから高い評価を得ており、ベニテス監督は強い逆風の中で到着。監督交代の必要性に関してフロレンティーノ・ペレス会長への批判も聞こえる中、ベニテス監督には主要タイトルの獲得だけでなく、クラシコやダービーなど重要な試合で手腕をアピールする必要があった。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190312_17_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>夏の移籍市場では、MFマテオ・コバチッチ、DFダニーロが大型補強となったほか、MFカゼミロをポルトからレンタルバック。反対に、MFサミ・ケディラやレジェンドGKイケル・カシージャスが退団し、左SBのバックアップを務めていたDFファビオ・コエントランもレンタルで放出された。 シーズン当初はMFイスコやMFベイルをトップ下に置き、MFトニ・クロースとMFルカ・モドリッチがボランチを務める攻撃的な[4-2-3-1]を多用していたが、次第に[4-3-3]にシフト。MFカゼミロをアンカーに配すバランス重視の形に落ち着き、内容に応じてMFコバチッチやMFハメス・ロドリゲス、FWヘセ・ロドリゲスといったバリエーション豊かなカードの投入で変化を付けた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~国王杯での恥辱~</span> 開幕戦こそスポルティング・ヒホンと0-0で引き分けたものの、その後のベティス戦を5-0、エスパニョール戦を6-0で進むなど、ベニテス監督の船出は順調だった。しかし、11月に入ってリーガでセビージャに2-3で敗北すると、翌節で宿敵バルセロナにも0-4で完敗。アンチェロッティ前監督解任で燻っていた不満が表面化し始めた。 さらに、ベニテス・マドリーはコパ・デル・レイ4回戦のカディス戦で出場停止処分中だったMFデニス・チェリシェフを起用してしまい、屈辱の失格処分。年末には、ベニテス監督の名前がコールされた際にホームスタンドからブーイングが飛ぶ状態となり、監督交代を行ったペレス会長の解任も叫ばれた。 そして、クラシコ大敗後にペレス会長が緊急記者会見でベニテス監督の続投を表明していたのも空しく、2016年1月4日に解任が発表されている。<hr>▽ラファエル・ベニテス 【在任期間】 0.5シーズン(2015/6/3~2016/1/4) 【戦績】 公式戦25試合17勝5分け3敗 チャンピオンズリーグ:グループステージ突破※解任時点 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点37)※第18節終了時点 コパ・デル・レイ:ベスト32※規約違反により失格 【主な獲得選手】 MFマテオ・コバチッチ、MFルーカス・バスケス、DFダニーロ 【主な放出選手】 FWハビエル・エルナンデス、MFサミ・ケディラ、MFアシエル・イジャラメンディ、DFファビオ・コエントラン、GKイケル・カシージャス 2019.03.12 18:00 Tue
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル③~アンチェロッティ体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆カルロ・アンチェロッティ体制/2013-15</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190310_25_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>ミラン長期政権時代にチャンピオンズリーグ(CL)を制し、チェルシーでも欧州の頂に立った経験を持つアンチェロッティ監督は、マドリー指揮官就任前年までパリ・サンジェルマン(PSG)を指揮。ビッグクラブで築いた輝かしい実績が評価され、ジョゼ・モウリーニョ前監督の後任としてチームの再建を託された。 前年までのマドリーでは、モウリーニョ前監督とGKイケル・カシージャスらの確執が各紙から噴出。穏やかで真摯な人柄で知られるアンチェロッティ監督には、ロッカールームの規律を取り戻すことが期待され、同時に当人が就任会見で宣言した通り“デシマ”(10度目の欧州制覇)達成が切望された。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190310_25_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>アンチェロッティ政権では、MFガレス・ベイル、MFイスコ、MFハメス・ロドリゲスといった強力なアタッカーのほか、退団間近となっていたMFシャビ・アロンソの穴にはMFトニ・クロースを獲得。負傷により度々欠けるDFマルセロのバックアップ問題は残されたものの、DFダニエル・カルバハルやGKケイロル・ナバスも加えたことで概ねの心配事は取り除かれた。 アーセナルに去ったMFメスト・エジルの代役は見つからなかったものの、2013-14シーズンからのマドリーはMFルカ・モドリッチを中心に据えた[4-3-3]にシフト。3トップの並びは“BBC”と呼ばれるユニットが固定されていたが、中盤の組み合わせに関しては2014-15シーズンからはMFトニ・クロースが欠かせない選手となり、MFハメス・ロドリゲス、MFイスコ、MFアシエル・イジャラメンディといった豊富な選択肢が用意されていた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~アトレティコとのダービーマッチ~</span> 見事に選手たちのポテンシャルを引き出したアンチェロッティ監督は、初年度から主要二冠を達成。コパ・デル・レイ決勝でバルセロナを破り、CL決勝でアトレティコ・マドリーを破ったとなれば、その喜びは尚更だ。リーガエスパニョーラでは両クラブの後塵を拝したものの、それをかき消すほどに、悲願の“デシマ”達成への称賛は止まなかった。 そして、2014-15シーズンの前半戦では前年の好調を引き継ぎ、公式戦22連勝を記録。しかし、そのシーズンにはスーペル・コパ、コパ・デル・レイでアトレティコに敗退に追い込まれ、リーガでの“マドリッド・ダービー”でも2敗を喫した。優勝したバルセロナ(勝ち点94)と勝ち点2差でタイトルを逃しており、ユベントスに敗れたCL以外の大会で、隣のクラブとの直接対決で失っている。 結局、2015年夏に解任されたアンチェロッティ監督に問われた責は、主要大会を無冠で終えたことだ。しかし、いずれの大会も惜しい所までは進んでおり、解任報道噴出時には選手たちがSNSを通じて慰留を呼び掛け。前年にクラブの悲願を達成した監督を追い出すにはあまりにもな状況だったが、だからこそアンチェロッティ政権からは、ペレス会長が長を務めるマドリーのシビアさが読み取れる。<hr>▽カルロ・アンチェロッティ 【在任期間】 2シーズン(2013-15) 【戦績】 [2013-14] 公式戦60試合46勝8分け6敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点87) コパ・デル・レイ:優勝 [2014-15] 公式戦59試合43勝6分け10敗 チャンピオンズリーグ:ベスト4 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点92) コパ・デル・レイ:ベスト16 [合計] 公式戦119試合89勝14分け16敗 【主な獲得選手】 FWハビエル・エルナンデス、MFガレス・ベイル、MFイスコ、MFハメス・ロドリゲス、MFトニ・クロース、DFダニエル・カルバハル、GKケイロル・ナバス 【主な放出選手】 FWゴンサロ・イグアイン、FWアルバロ・モラタ、MFメスト・エジル、MFカカ、MFアンヘル・ディ・マリア、MFシャビ・アロンソ、DFラウール・アルビオル 2019.03.11 18:00 Mon
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