【J1クラブ通信簿】紆余曲折も“オズの魔法”で天皇杯優勝《浦和レッズ》
2018.12.18 20:00 Tue
▽優勝争いから残留争いまで手に汗を握る接戦、熱戦が続いた2018シーズンの明治安田生命J1リーグ。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブの通信簿(トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価)をお届けする。第14弾は5位の浦和レッズを総括!
◆シーズン振り返り
▽スタートダッシュに失敗したチームは堀監督に見切りを付け、ユースの監督を務めていた大槻毅監督に暫定指揮官として立て直しを託し、その大槻監督が窮地を救う働きを見せた。3バックへの回帰を図った大槻監督によって自信を取り戻したチームは、かつて鹿島アントラーズをJリーグ3連覇に導いたオズワルド・オリヴェイラ監督を招へい。就任当初は選手の特徴を把握しきれていなかったことで勝ち星が思うように増えなかったが、ワールドカップ期間中に行ったミニキャンプで一から身体作りを図り、試合で戦えるインテンシティを取り戻した。
▽そして、Jリーグでは終盤までACL出場権を争い、5位でフィニッシュ。一方でシーズン中盤、現実的に残されていた唯一のタイトル、天皇杯に照準を絞り、着実に勝ち上がって見せた。そして、準決勝の鹿島アントラーズ戦を筆頭に接戦を制し続け、決勝ではベガルタ仙台にMF宇賀神友弥のスーパーボレーで勝利。オリヴェイラ監督の植えつけた強固な守備力を武器に、12年ぶりの天皇杯優勝を飾ってシーズンを締めくくることに成功した。
◆MVP
DF槙野智章(31)
明治安田生命J1リーグ32試合出場(先発32試合)/4得点
◆総合評価《B》※最低E~最高S
◆シーズン振り返り
(C)CWS Brains,LTD
▽今季は紆余曲折の激しいシーズンとなった。最悪なスタートから12年ぶりの天皇杯優勝を果たし、ACL出場に漕ぎつけた。昨季ACL優勝に導いた堀孝史監督の下、国内集中で12年ぶりのリーグ優勝を目指してスタートした新シーズンだったが、開幕5試合を終えて2分け3敗と大きく躓いた。▽そして、Jリーグでは終盤までACL出場権を争い、5位でフィニッシュ。一方でシーズン中盤、現実的に残されていた唯一のタイトル、天皇杯に照準を絞り、着実に勝ち上がって見せた。そして、準決勝の鹿島アントラーズ戦を筆頭に接戦を制し続け、決勝ではベガルタ仙台にMF宇賀神友弥のスーパーボレーで勝利。オリヴェイラ監督の植えつけた強固な守備力を武器に、12年ぶりの天皇杯優勝を飾ってシーズンを締めくくることに成功した。
◆MVP
DF槙野智章(31)
明治安田生命J1リーグ32試合出場(先発32試合)/4得点
(C)CWS Brains,LTD
▽昨季の20ゴールに続く15ゴールを挙げたFW興梠慎三、チームの心臓として欠かせない存在となったMF青木拓也もシーズン・オブ・ザ・イヤーに匹敵する存在感を見せたが、シーズンを通して最も安定したパフォーマンスを発揮した槙野を選出した。ロシア・ワールドカップでは直前にレギュラー落ちして1試合の出場に留まったが、W杯後もパフォーマンスを落とすことなく持ち前のソリッドな守備を見せ続けた。私生活でも結婚し、公私ともに充実の1年となったはずだ。◆補強成功度《C》※最低E~最高S
(C)CWS Brains,LTD
▽今季の補強の目玉だったFWマルティノスが大外れに終わったことが痛恨だった。開幕前に中国からの引き抜きにあったFWラファエル・シルバに代わる助っ人として期待されたが、緩慢なプレーが多く厳格なオリヴェイラ監督から信頼を得ることは最後までできなかった。また、MF武富孝介もチームに全くフィットできず誤算となった。一方でDF岩波拓也はMF遠藤航の抜けた穴を埋め、FWファブリシオも負傷するまで得点力不足に陥っていたチームを助けるなど及第点の働きを見せたことから、C評価とした。◆総合評価《B》※最低E~最高S
(C)J.LEAGUE PHOTO
▽スタートに失敗したJリーグでは優勝争いに全く絡めず5位に終わった一方、天皇杯では優勝したことから評価をBとした。大槻コーチ、オリヴェイラ監督の存在がなければ残留争いに巻き込まれていたことが濃厚だった状況を考慮すれば、悪くないシーズンだったとも言えるかもしれない。そして浦和一筋17年、これまで8つ全てのタイトル獲得を経験してきたMF平川忠亮を勝利で送り出せたことも有終の美に相応しいシーズンの締めくくりとなった。
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