【J1クラブ通信簿】若手台頭&助っ人活躍で攻守成長! 踏み出した名門復活への一歩《清水エスパルス》

2018.12.17 22:40 Mon
©︎J.LEAGUE
▽優勝争いから残留争いまで手に汗を握る接戦、熱戦が続いた2018シーズンの明治安田生命J1リーグ。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブの通信簿(トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価)をお届けする。第11弾は8位の清水エスパルスを総括!

◆シーズン振り返り
(C)CWS Brains,LTD
▽5年ぶり1桁順位。J1復帰2年目を迎えたオレンジ軍団が殻を破った。J1復帰初年度となった昨シーズンは、前年のJ2リーグで際立った攻撃力が通用せず、負傷にも悩まされ、残留を決めるのがやっと。しかし、今シーズンは新たに就任したヤン・ヨンソン監督の下、若手の台頭と外国人選手の活躍によって攻守が成長し、名門復活への一歩を踏み出した感がある。
▽開幕前は昨シーズン同様、降格候補に挙げられていた。しかし、鹿島アントラーズとの開幕戦(0-0△)で改善に着手していた守備に手応えを掴むと、開幕4試合を2勝2分けと好スタート。さらにJ1復帰2年目のFW北川航也とFW金子翔太ら若手たちのパフォーマンスも安定しだし、10位でロシア・ワールドカップによる中断期間に入ることができた。

▽夏の補強はFWドウグラスのみ。しかし、強力ストライカーががすんなりフィットし、2戦連発で3連勝に貢献すると、連係向上により徐々に攻守がスケールアップ。第28節FC東京戦(2-0◯)を経て迎えた第29節のジュビロ磐田との静岡ダービー(5-1〇)では大きな自信を掴み、北川の日本代表デビューが周囲に刺激を与える好影響をもたらした。チームはJ1でも脅威となりつつあった北川とドウグラスの2トップに引っ張られるように勝ち点を積み重ね、第28節から8年ぶりとなる7戦無敗(4勝3分け)で終わってみれば8位フィニッシュに成功。将来に期待が膨らむシーズンを送った。

◆MVP
FW北川航也(22)
明治安田生命J1リーグ32試合出場(先発28試合)/13得点
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▽GK六反勇治、ファン・ソッコ、金子、ドウグラス…多くの選手たちの活躍によって成し遂げられた躍進だが、やはり今シーズン飛躍を遂げた北川をMVPに選出したい。
▽プロ4年目を迎えた生え抜きストライカーは、新監督の下、開幕からスタメンの座を奪取し、クリスランやドウグラスという個性の強い相方とのコンビの中で覚醒。自身の特徴である裏への抜け出しを存分に発揮し、キャリアハイの13ゴールを記録した。また、今シーズンは時間を重ねるごとにバイタルエリアでの仕事にも磨きをかけて8アシスト。終盤はドウグラスと生かし生かされの好関係を築いた。

▽今年はその期待値から代表デビューも飾り、来年1月から開催されるAFCアジアカップのメンバーにも選出。来シーズンは相手DFのマークもきつくなることが予想されるが、そうした劣勢下で勝負を決められるか。名門復活に向けてもエースとしてのさらなる覚醒がカギになる。

◆補強成功度《B》※最低E~最高S
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▽今シーズンは将来を見据えた補強が多かった中、実力者がしっかりと期待に応えた。クリスランこそ5ゴールと期待以上の結果を残せなかったが、ファン・ソッコは32試合に出場。昨シーズン加入も不完全燃焼に終わったフレイレと共にJ1クラブの攻撃を跳ね返せるだけの守備を構築した。また、レンタルバックのMF石毛秀樹も左サイドで29試合に出場。2ゴールという結果こそ物足りなさが残るが、J2への武者修行を経てJ1でも試合に絡める成長を見せた。

▽守備強化の方針もあった中で、夏に獲得したのはドウグラスのみとなったが、結果的に大成功。15試合11ゴールと爆発的なストライカーの存在で攻撃の強度を高めたことが、周囲の負担を軽減し、守備の強化にもつながった。守備も厭わない姿勢は若手の手本となり、一時期ゴールから遠ざかっていた北川をも目覚めさせた。結果的に攻守で軸となれる選手の存在が、新進気鋭の若手たちが伸び伸びプレーできる環境を作りあげることできた。

◆総合評価 《B》※最低E~最高S
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▽昨シーズン残留争いに巻き込まれ、今シーズンも降格候補として見られていたことを考えれば、8位で終われたことは成功と言えるだろう。また、数字で見ても昨シーズンの35得点54失点から56得点48失点と攻守両面で成長することができた。

▽ファン・ソッコやフレイレ、ドウグラスといった外国人選手の活躍も躍進を語る上で欠かせない。そして、何よりファン・サポーターが待ちわびた若手たちの台頭が大きかった。若きストライカーとして飛躍を遂げた北川を筆頭に、金子も右サイドハーフを主戦場とした今シーズンは、豊富な運動量やクロスで10ゴール7アシストと右サイドを活性化し続けた。また、DF松原后と立田の両サイドバックの躍動に加え、左サイドハーフでは石毛と白崎で競争が生まれるなど、J2を戦った選手たちを中心に底上げがされた。

▽また、新監督の戦術による攻守の安定のほか、開幕直前の立田のサイドバック起用や白崎のボランチ起用など采配も光った。決して厚くない陣容の中で選手の個性を引き出す戦略が、昨シーズンを通じて悩みの種だった負傷離脱による戦力低下を最小限に抑えた。

▽ただ、今シーズンはJ1で戦うための基礎を築いたに過ぎない。巧者相手には若さ故の勢いを逆手に取られる場面もあり、停滞時を打開する策は少なかった。負傷選手をカバーしたコンバート起用も本職の選手でカバーするだけの選手層がなかったということでもある。

▽来シーズンはヤン・ヨンソン監督2年目を迎えることが決定。より高みを目指すためには、更なる戦術浸透と負傷時や夏場を乗り切るための選手層が構築したいところ。まずは主力選手たちをどれだけ引き留められるか。そして、今シーズン将来のために獲得された若手選手たちの突き上げが生まれれば、育成クラブとしてもう一段階上に駆け上がることができるだろう。
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2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、柏レイソルを紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:17位(6勝15分け13敗) 2022シーズン:7位(13勝8分け13敗) 2021シーズン:15位(12勝5分け21敗) 【昨季チーム得点王】 細谷真大 14ゴール 【今季ノルマ】 残留 【編集部イチオシ】 FW細谷真大 昨季J1:34試合出場/14ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆ギリギリの残留</span> 昨季は天皇杯で11年ぶりの決勝進出とタイトルにもう一歩のところまで迫ったが、リーグ戦はというと、前年の7位から大きく落としての17位に。ネルシーニョ監督の後任として井原正巳監督が指揮するようになってからも課題が少なかったわけではなかったが、最下位のみが降格というレギュレーションにも希望を見いだしつつ、犬飼智也の夏加入や守備整備で勝ち点を着実に積み上げ、残留を決めた。 <span class="paragraph-subtitle">◆補強は…</span> J1優勝の過去を持つチームであるのを考えると、到底満足できるものではなく、この冬のチーム整備から力を入れていきたいところだったが、補強はレンタルバックとJ2からのステップアップが中心に。昨年もJ1クラブでプレーした新戦力は木下康介に限られており、ほかの新顔では野田裕喜や白井永地、島村拓弥といった個人昇格者が占める。 <span class="paragraph-subtitle">◆細谷真大の残留は朗報だが</span> 一方、主力からの退団者では椎橋慧也、仙頭啓矢、山田康太がそれぞれ新たなチャレンジを選択。武者修行先の徳島ヴォルティスで昨季13ゴールとブレイクの森海渡は横浜FCによもやの完全移籍を決断した。昨季14ゴールのエース、細谷真大に冬の海外移籍がなさそうな情勢というのは朗報だが、チーム力は現時点でIN&OUTの動向からしてダウン感が強い。 <span class="paragraph-subtitle">◆若手の成長度合いでチーム力が変化も</span> ほかでは守備の立て直しにひと役を買った犬飼の完全移籍移行も良い知らせではあったが、現時点ではJ1経験の乏しい選手がどこまで戦力として独り立ちしていけるかどうかといったところ。修行でひと回り大きくなって戻った鵜木郁哉をはじめ、ポテンシャルを秘めた若手も多く、そこから何選手が台頭を遂げるかでチーム力も変わってくる。 <span class="paragraph-subtitle">◆シーズンを通じて天皇杯決勝の戦いを</span> 攻守にわたって多くの課題を持ち越しての今季だが、天皇杯決勝では川崎フロンターレを相手に前線からのプレッシングと組織としての守りで相手のパスワークに制限をかけ、PK戦にもつれる死闘。川崎Fを大いに苦しめたあのスタイルは可能性を感じさせ、今季の初めから打ち出していければ楽しみだ。井原監督も続投。17位に沈んだ昨季からの巻き返しを期す。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 DF野田裕喜(26)←モンテディオ山形/完全移籍 DF関根大輝(21)←拓殖大学/新加入 DF犬飼智也(30)←浦和レッズ/完全移籍移行 MF島村拓弥(24)←ロアッソ熊本/完全移籍 MF白井永地(28)←徳島ヴォルティス/完全移籍 MF熊坂光希(22)←東京国際大学/新加入 MF鵜木郁哉(22)←水戸ホーリーホック/期限付きより復帰 FW木下康介(29)←京都サンガF.C./完全移籍 FW升掛友護(20)←愛媛FC/期限付きより復帰 【OUT】 DFブエノ(28)→未定 DF岩下航(24)→期限付き移籍 DF田中隼人(20)→V・ファーレン長崎/期限付き移籍 DF大嶽拓馬(21)→EDO ALL UNITED/完全移籍 DFエメルソン・サントス(28)→インテルナシオナウ(ブラジル)/完全移籍 MF三原雅俊(35)→未定 MF椎橋慧也(26)→名古屋グランパス/完全移籍 MF山田康太(24)→ガンバ大阪/完全移籍 MF仙頭啓矢(29)→FC町田ゼルビア/完全移籍 MF落合陸(24)→水戸ホーリーホック/期限付き移籍 MF加藤匠人(24)→福島ユナイテッドFC/期限付き移籍 FWドウグラス(36)→未定 FWアンジェロッティ(25)→FC今治/完全移籍 FW森海渡(23)→横浜FC/完全移籍 2024.02.15 18:15 Thu

攻撃陣は多士済々、2年目のクラモフスキー体制は真価を発揮できるか【J1開幕直前ガイド|FC東京】

2024シーズンの明治安田J1リーグが23日からいよいよ開幕する。今季からは20チーム制となり、降格も3つに増枠しての争いに。ここでは新シーズンの幕開けに先駆け、J1リーグ全チームをピックアップし、FC東京を紹介していく。 【直近3シーズンの成績】 2023シーズン:11位(12勝7分け15敗) 2022シーズン:6位(14勝7分け13敗) 2021シーズン:9位(15勝8分け15敗) 【昨季チーム得点王】 ディエゴ・オリヴェイラ 15ゴール 【今季ノルマ】 上位 【編集部イチオシ】 MF松木玖生 昨季J1:22試合出場/1ゴール <span class="paragraph-subtitle">◆不完全燃焼に終わった昨シーズン</span> アルベル監督の下で2年目を迎えた2023シーズン。タイトル争いを目標としながら開幕から成績が安定せず、6月にリーグ戦3連敗を喫して12位にまで沈み、アルベル監督解任の決断を下した。後任にピーター・クラモフスキー監督が就任してからも劇的な改善はなく、パフォーマンスも低調に。最終的にはリーグ11位、3シーズン無冠の結果に終わり、誰にとっても不満の残る1年となった。 <span class="paragraph-subtitle">◆即戦力を補強し攻撃陣は多士済々</span> 思うような結果を残せなかった昨シーズンからの巻き返しを目指し、即戦力の補強に成功した。主だったところでは北海道コンサドーレ札幌から小柏剛、アルビレックス新潟から高宇洋、鹿島アントラーズから荒木遼太郎を獲得。さらに、ウニオン・ベルリンからは遠藤渓太が加わり、アタッカーの選択肢が豊富になったことは頼もしい。一方で、守備陣についてはユースからの昇格や大卒の加入など、最小限にとどまった。 <span class="paragraph-subtitle">◆クラモフスキー監督にとって勝負の年に</span> 即戦力の補強に成功し、渡邊凌磨こそ去ったもののディエゴ・オリヴェイラ、松木玖生、小泉慶ら多くの主力は残留。上位を争える戦力は十分揃っているだけに、就任2シーズン目を迎えるクラモフスキー監督の手腕が問われることになるだろう。昨シーズンは途中就任の難しさもあり、最後まで説得力のあるサッカーは見せられず。前クラブのモンテディオ山形でも2シーズン目に成績を上げJ1参入プレーオフにチームを導いているだけに、指揮官がどのような采配を振るうかは注目だ。 <span class="paragraph-subtitle">◆新時代に向けた第一歩を踏み出せるか</span> ここ最近はタイトル争いに絡めず、もどかしい想いを抱くファンも少なくない。そんな中で、クラブは創設25周年を契機にエンブレムを一新。ここから新しい歴史を築いていく決意を新たにした。今シーズンは東京ヴェルディやFC町田ゼルビアの昇格により、にわかに首都が熱気を帯びているが、そんな中で長年J1を戦ってきた矜持を示し、ファンを熱狂させるサッカーが見せられるか、クラブの真価が問われる。 <span class="paragraph-subtitle">◆2024年冬移籍情報</span> 【IN】 GK小林将天(18)←FC東京U-18/昇格 GK波多野豪(25)←V・ファーレン長崎/期限付き移籍より復帰 DF岡哲平(22)←明治大学/新加入 DFペク・インファン(18)←チョナンジェイル高校(韓国)/新加入 DF東廉太(19)←SC相模原/期限付き移籍より復帰 MF高宇洋(25)←アルビレックス新潟/完全移籍 MF安斎颯馬(21)←早稲田大学/新加入 MF荒木遼太郎(22)←鹿島アントラーズ/期限付き移籍 MF遠藤渓太(26)←ウニオン・ベルリン(ドイツ)/期限付き移籍 MF安田虎士朗(20)←栃木SC/期限付き移籍より復帰 MF品田愛斗(24)←ヴァンフォーレ甲府/期限付き移籍より復帰 MF原川力(30)←セレッソ大阪/完全移籍移行 FW小柏剛(25)←北海道コンサドーレ札幌/完全移籍 FW野澤零温(20)←松本山雅FC/期限付き移籍より復帰 【OUT】 GKヤクブ・スウォビィク(32)→コンヤスポル(トルコ)/完全移籍 DF木村誠二(22)→サガン鳥栖/期限付き移籍 DFペク・インファン(18)→ツエーゲン金沢/期限付き移籍 DF大森理生(21)→いわきFC/期限付き移籍 DF蓮川壮大(25)→清水エスパルス/期限付き移籍 DF岡庭愁人(24)→ジェフユナイテッド千葉/期限付き移籍 MF渡邊凌磨(27)→浦和レッズ/完全移籍 MF青木拓矢(34)→未定/契約満了 MF塚川孝輝(29)→京都サンガF.C./期限付き移籍 MFアルトゥール・シルバ(28)→大宮アルディージャ/完全移籍 MF西堂久俊(22)→鹿児島ユナイテッドFC/期限付き移籍 MF梶浦勇輝(20)→ツエーゲン金沢/育成型期限付き移籍延長 MF内田宅哉(25)→名古屋グランパス/完全移籍移行 FWアダイウトン(33)→ヴァンフォーレ甲府/完全移籍 FW熊田直紀(19)→ヘンク(ベルギー)/期限付き移籍 FWペロッチ(26)→シャペコエンセ(ブラジル)/期限付き移籍満了 2024.02.14 19:00 Wed
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