【移籍考察】レアンドロ・ダミアン獲得の影響は? 川崎フロンターレが一皮剝ける可能性2018.12.16 22:15 Sun

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▽初タイトルを獲得してから1年、J1を連覇した川崎フロンターレが大型補強を敢行した。2019シーズンからチームに加わるのは、元ブラジル代表FWレアンドロ・ダミアン(29)だ。▽ブラジル国内クラブでキャリアの大半をプレーし、国外に出たのは2015-16シーズン後半にスペインへ渡ったのみ。今回の移籍が2度目の国外移籍となる。そんなレアンドロ・ダミアンが川崎Fに入った場合はどのようになるのか、考察していきたい。

◆国外移籍はスペインに次いで2度目
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▽ロンドン・オリンピックの得点王として知られるレアンドロ・ダミアンだが、キャリアの転換期は2010年のインテルナシオナル入団からだ。同年のブラジル・セリエAでは、25試合に出場し7ゴール1アシストを記録。翌シーズンはセリエAで28試合に出場し14ゴール6アシスト、コパ・リベルタドーレスでは8試合に出場し4ゴール4アシストを記録した。

▽2011年にはブラジル代表に初招集されると、2012年に行われたロンドン・オリンピックに出場。マルセロやオスカル、ネイマールを擁し銀メダルを獲得したチームにおいて、5試合に出場し決勝を除く4試合で6ゴールを記録して大会得点王に輝いた。

▽2012シーズンはセリエAで19試合に出場し7ゴール2アシスト、コパ・リベルタドーレスで10試合に出場し6ゴール1アシストを記録。2013シーズンはセリエAで26試合に出場し5ゴール5アシストを記録した。

▽2014年にサントスへ完全移籍を果たすと、セリエAで26試合に出場し6ゴールを記録。しかし、2015年はクルゼイロ、2016年はリーガエスパニョーラのベティス、2016年後半からはフラメンゴへとレンタル移籍でプレー。2018年はインテルナシオナルにレンタル移籍されセリエAで26試合に出場し10ゴール3アシストを記録した。

▽ベティスでは、わずかに3試合の出場にとどまり、ブラジルでの輝きは見せられず。ベンチ入りも3試合に終わり、大半はメンバー外となっていた。

◆基本は1トップor3トップの中央
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▽レアンドロ・ダミアンのプレーポジションは、センターフォワードだ。キャリア当初のインテルナシオナル、ロンドン・オリンピックでは2トップの一角としてプレーしたものの、ブラジル代表やサントス、クルゼイロ、フランメンゴでは3トップの中央に、今シーズンもインテルナシオナルでは3トップの中央でプレーしていた。

▽今シーズンの川崎Fは、[4-2-3-1]のシステムで戦い、1トップの位置にはFW小林悠(19試合)、FW知念慶(12試合)が入ってプレー。小林は15ゴール、知念は4ゴールを記録し、チームのJ1連覇に貢献した。
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▽鬼木達監督が続投する川崎Fは、来シーズンも[4-2-3-1]のシステムで臨むと考えられる。レアンドロ・ダミアンは1トップのポジションに入る事になり、連覇を達成したチームはシステムに変更を生じさせる必要があるだろう。

◆小林はかつての右サイド起用か?
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▽レアンドロ・ダミアン加入によってポジションを争う事になるのは小林だ。今シーズンのJ1リーグで15ゴールを決め、得点ランキングでもFW興梠慎三(浦和レッズ)とともに日本人最多タイの3位につけたストライカーだが、レアンドロ・ダミアンにポジションを譲る事になるだろう。もちろんチームへのフィットという問題もあるが、元ブラジル代表ストライカーを獲得したということは、1トップを任せる算段であることは間違いない。

▽1トップから外れることが予想される小林に関しては、2016シーズンまでプレーした右サイドに入る事になるだろう。かつてはFW大久保嘉人(ジュビロ磐田)が1トップに入り、小林は2列目の右でプレーしていた。風間八宏監督(名古屋グランパス)の下では、[4-4-2]を試したこともあったが、シーズンの大半は[4-2-3-1]を採用。しかし、右サイドの起用でも小林はリーグ戦で15ゴールを記録しており、日本代表にも招集されていた。レアンドロ・ダミアンと小林を共存させるのであれば、2トップを組ませるよりも、小林を右サイドに置いた方が得策と考えられる。

◆変化が生まれる2列目の陣容
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▽小林を右サイドで起用するとなると、今シーズンの2列目を務めたMF家長昭博、MF中村憲剛、MF阿部浩之にも変化が生まれる。今シーズンMVP級の活躍を見せた家長は右サイドで27試合に出場。また、中村はトップ下として29試合に、阿部は左サイドで21試合に出場した。小林を右サイドで起用するとなれば、家長のポジションと重なる。

▽家長は、右サイドだけでなく、トップ下や2トップの一角、左サイドと攻撃的なポジションでのプレー経験は豊富。試合中に流動的にポジションを移すことを考えても、右サイドにこだわって起用する必要はない。また、38歳とベテランながらもフル稼働を続ける中村は、トップ下としてチームの中心に君臨する。ここぞの得点力も含め、チームに欠かせない存在であることは変わらない。来シーズンもトップ下で起用される可能性は高そうだ。

▽阿部が見せる攻撃性能の高さは目を見張るものがあるが、今シーズンは、前年に比べて結果が伴わないパフォーマンスとなった。今シーズンのパフォーマンスをベースとするならば、家長を左に、中村をトップ下に置き、小林を右に置くことが1stプランとなるだろう。

▽しかし、一方で課題も多い。川崎Fにとっては、2019シーズンのリーグ優勝はもちろんだが、今シーズン惨敗したAFCチャンピオンズリーグで勝ち上がることも重要だ。レアンドロ・ダミアンの補強はその点も多いに考慮されてのことだろう。前線を4人+知念で回していたことを考えれば、攻撃陣の層を厚くすることも求められる。レアンドロ・ダミアンの加入によって競争が生まれることは、チームの成長にとってもプラスとなるはずだ。

◆レアンドロ・ダミアンを生かすには戦い方の変更も
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▽1トップにレアンドロ・ダミアン、2列目に家長、中村、小林を配置すると仮定した場合、どうやってレアンドロ・ダミアンを生かすかが焦点となる。

▽若きレアンドロ・ダミアンは、足元の技術を生かしたプレーが多く、ドリブルで相手DFを切り裂くプレーはもちろんのこと、テクニカルな技を見せて局面を打開し、そこからゴールを決めるプレーも見られた。しかし、近年の得点パターンは限られている。

▽今シーズンのインテルナシオナルで決めた得点は「10」。その大半は、ヘディングでの得点だった。セットプレーやサイドからのクロスを合わせてのゴールが大半を占めていおり、その他のゴールも味方の崩しからラストパスに合わせるという形が多く、独力でゴールを奪うというよりは周囲のお膳立てによりゴールを量産できるタイプだ。

▽Jリーグ屈指のパスサッカーを披露する川崎Fにとって、1トップの選手にゴールを決めさせる手段は数多くある。レアンドロ・ダミアンにとっても、周りのお膳立てが期待でき、キックやパスの精度が高い選手も多いため、最大限生かされる可能性は高い。さながら、今シーズンのJ1得点王に輝き、近いタイプのストライカーであるFWジョー(名古屋グランパス)の活躍を期待したくなるだろう。

▽しかし、気になるポイントもある。それは、川崎Fのサッカーと攻撃パターンだ。川崎Fは、中央を崩しての攻撃を特徴としており、細かいパスワークで局面を打開するシーンをよく目にする。中盤の選手を含め、攻撃時のパスワーク、選手の立ち位置、ボールに関わらない選手の動き出しなどが整備されている。そこにレアンドロ・ダミアンがどこまでフィットするのか、どの段階でフィットできるかは、活躍を大きく左右するだろう。
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▽また、サイドからのチャンスメイクが少ない川崎Fだが、リーグ屈指の攻撃性能を備えたDFエウシーニョが退団。右サイドバックらしからぬ攻撃参加も1つのパターンであったが、来シーズンはその部分が未知数だ。左サイドバックのDF車屋紳太郎を含め、攻撃的なサイドバックが売りの川崎Fだったが、サイドからゴールに繋がっているプレーは多くない。さらに、右サイドバックを務めるDF武岡優斗も退団し、現時点で右サイドバックは不在。3バックに変更し、[3-4-3]のシステムとする可能性もある。何れにしても、レアンドロ・ダミアンを生かすには、いかにサイドからも攻撃の形を作れるか。鬼木監督にとっては、大型ストライカーを生かす策を見つける必要がありそうだ。

◆華麗なサッカーに力強さを
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▽川崎Fは華麗なパスワーク、綺麗な崩しが特徴的なチーム。風間体制から積み上げてきたものを、継続して起用される選手が作り上げた完成度の高いサッカーが魅力であり特徴だ。そして、その戦い方を突き詰め、継続してきたことがJ1連覇に繋がったと言える。しかし、アジアの戦いを見ればベスト8止まり。今シーズンはグループステージで未勝利と惨敗を喫した。

▽国内での複数タイトル、そしてアジアで結果を残すには、華麗なパスサッカーだけでは足りないと痛感したはず。そういった意味で、レアンドロ・ダミアンの補強は理にかなっている。あとは、チームとして華麗なパスワークを捨ててでも勝ちに行くサッカーを見せることができるかだ。

▽大型ブラジル人ストライカーを生かすことができるようになれば、川崎Fがまた1つ階段を上ったと言えるだろう。華麗なスタイルに加え、勝利を掴みに行く泥臭さを身につけることができるか。1年後にレアンドロ・ダミアンの補強が成功だったと評価できるかは、川崎Fの進化に懸かっているだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル⑦~ソラーリ体制プレイバック~

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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル⑥~ロペテギ体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆フレン・ロペテギ体制/2018</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_29_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>2003年にラージョ・バジェカーノでスタートしたロペテギ監督の指導者としてのキャリアは、2010年のU-19スペイン代表監督就任から急速に花を咲かせる。育成年代でU-19EUROやU-21EUROを制すると、2016年からはA代表の指揮官に就任し、MFイスコやMFコケなど多くの若手を引き上げてベテラン世代との融合に成功。ロシア・ワールドカップ(W杯)前には20試合14勝6分け無敗、61得点13失点という圧倒的な成績を収め、ナショナルレベルでは最高の評価を得ていた。 一方、2017-18シーズン終了直後のマドリーは大きな混乱に包まれていた。チャンピオンズリーグ(CL)3連覇を成し遂げた偉大な前任者、ジネディーヌ・ジダン前監督が電撃辞任を発表し、エースFWクリスティアーノ・ロナウドにも退団の噂(その後実際に退団)が囁かれていたためだ。そして、大きな注目が集まっている中、マドリーはロシアW杯直前にスペイン代表を指揮していたロペテギ監督の招へいを発表。大会後の就任と伝えられていたが、この発表がスペインサッカー連盟の逆鱗に触れ、同監督はロシアの地で試合に臨むことなく代表指揮官の任を解かれた。 そして、マドリーとロペテギ監督は、シーズン前からスペイン国内から大きな反感を買うことに。その批判を跳ね返すためにも、ロペテギ監督にはC・ロナウド不在を感じさせない様な「結果」が求められた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_29_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>FWクリスティアーノ・ロナウドが退団する衝撃的な夏を過ごしたマドリーは、これと言って大きな補強をせず。GKティボー・クルトワこそ獲得したものの、必要性が叫ばれた即戦力の新アタッカーはFWマリアーノ・ディアスのみ。FWヴィニシウス・ジュニオールが後にポテンシャルを示すが、この時点では計算されておらず、エースが抜けた穴は埋めることが出来ていない。 ロペテギ監督は指揮した全14試合で[4-3-3]を採用。強烈な左足を持つMFアセンシオが左ウィングのファーストチョイスに。また、ロシアW杯を決勝まで戦ったMFルカ・モドリッチが出遅れ、MFイスコやMFダニ・セバージョスに多くのチャンスが与えられた。特にMFイスコをインサイドハーフで起用した際には、中央の崩しを意識した試合を展開。GKに関しては、ケイロル・ナバスがCL、クルトワがリーガエスパニョーラを担当した。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~クラシコでの大敗~</span> ロペテギ監督は、スタートから棘の道を歩まされた。就任時の経緯から開幕前の時点で批判を浴び、初陣となったUEFAスーパーカップではアトレティコ・マドリーに延長戦の末2-4で敗北。初陣にしてタイトル獲得を逸している。その後に何とか建て直したかに思われたのも束の間、リーガ第6節セビージャ戦で0-3の完敗を喫した。 さらに、そこからはセビージャ戦を含め公式戦5試合1分け4敗、1得点7失点と大きく低迷。CLグループステージのプルゼニ戦で6試合ぶりの白星を手にしたものの、リーガ第10節バルセロナ戦では1-5と歴史的な大敗を喫した。 そして、クラシコの翌日、マドリーはロペテギ監督の解任を発表。クラブは、「バロンドール候補を8選手擁するというクラブ史において前例のない陣容と、ここまで手にした結果の間に、大きな不均衡がある」と、ロペテギ監督のマネジメントに全責任を押し付けるかのような声明で、ロシアW杯前から続いていた狂想曲に区切りを付けた。<hr>▽フレン・ロペテギ 【在任期間】 0.5シーズン(2018/7/1~2018/10/29) 【戦績】 公式戦14試合6勝2分け6敗 チャンピオンズリーグ:グループステージ3試合2勝1敗※解任時点 リーガエスパニョーラ:9位(勝ち点14)※第10節終了時点 コパ・デル・レイ:-※大会参加前に解任 【主な獲得選手】 FWヴィニシウス・ジュニオール、FWマリアーノ・ディアス、DFアルバロ・オドリオソラ、GKティボー・クルトワ 【主な放出選手】 FWクリスティアーノ・ロナウド、MFマテオ・コバチッチ、DFテオ・エルナンデス 2019.03.14 18:00 Thu
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル⑤~第一次ジダン体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ジネディーヌ・ジダン体制/2016-2018</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_21_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>現役時代に当代一の名選手としてあらゆる栄光を手にしていたジダン監督は、マドリーの下部組織から指導者生活をスタート。2013-14シーズンからのカルロ・アンチェロッティ体制下ではトップチームのアシスタントコーチも務め、経験を積んだ。しかし、当時はレアル・マドリー・カスティージャ(Bチーム)でしか監督経験がなく、その手腕の程は全くの未知数だった。 そして、ジダン監督就任時のマドリーは、規約違反によりコパ・デル・レイを失格となっており、リーガでも3位。チャンピオンズリーグ(CL)こそベスト16進出を決めていたものの、悲観的なムードが漂っていた。その混迷度合いは、本拠地サンティアゴ・ベルナベウで自チームにブーイングが飛び、前任者のラファエル・ベニテス前監督がわずか半年での解任を言い渡される程。このタイミングでのレジェンド登用には悲観的な意見も少なくなかった。就任当初、目指すべきものとしてはチーム再建やタイトルが掲げられていたが、周囲からのハードルはそれほど高く設定されていなかったのが実情だ。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190313_21_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>ジダン監督が就任してからのマドリーは、移籍市場において明確に方針を転換。FWアルバロ・モラタの復帰がビッグディールとなったが、これまでの様に世界的なスター選手に手は伸ばさず。MFダニ・セバージョスを獲得し、レンタルで経験を積んでいたMFアセンシオにトップチームでの機会を与えるなど、未来を見据えたオペレーションを目立たせた。同時に、既存のスタープレーヤーを不良債権化させることもなく、バランスの良いチーム作りを試みている。 基本となった布陣は守備的MFカゼミロをアンカーに据えた[4-3-3]だが、対戦相手によって複数のフォーメーションを使い分け。イスコをトップ下に配した[4-3-1-2]や、MFルーカス・バスケスとMFアセンシオを両サイドに置き安定感を重視した[4-4-2]など、多くのパターンを有した。特に、C・ロナウドをサイドでなく中央で起用するアイデアは、多くの得点をもたらしている。 さらに、2年目の2016-17シーズンにはAチーム、Bチームと言われる2つのチームを組み、ローテーション。主力のコンディション、若手を含む全選手の試合勘を保ち、あらゆる大会を勝ち抜く総力を培った。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~ヴォルフスブルク戦の大逆転~</span> 就任時こそ悲観的な見方も多かったジダン政権だが、その声は半年後にはかき消え、2年半が経つ頃には大音量の声援へと変わっていた。言わずもがな、わずか半年でCLのタイトルを獲得し、前人未到の3連覇を達成したためだ。 さらに、初年度からリーガエスパニョーラでも凄まじいスピードで巻き返し、優勝したバルセロナとの勝ち点差はわずか「1」。ベニテス政権時のリーグ前半戦で0-4の大敗を喫していた“エル・クラシコ”でも、後半戦では2-1でリベンジを果たした。また、2年目には5年ぶりのリーガ奪還を成し遂げている。 指導者としても伝説的な成績を収めているジダン監督だが、その道程の中では2015-16シーズンのCL準々決勝ヴォルフスブルク戦がターニングポイントに挙げられる。マドリーはアウェイでの1stレグを0-2で落とし、絶体絶命となっていた。しかし、2ndレグではFWクリスティアーノ・ロナウドがハットトリックを記録し、3-0で終えて逆転突破。それから3年後、ユベントスに移籍したC・ロナウドが同様の偉業を成し遂げ、時を同じくしてジダン監督も再びマドリー指揮官に復帰したのは、何の因果か…。 ともあれ、ヴォルフスブルクを劇的な形で破ったマドリーは、勢いそのままに欧州制覇。その後も一切チャンピオンの座を渡すことなく、3連覇を果たした。 そして、2017-18シーズン終了と当時にジダン監督は電撃辞任。「今こそ変えなければ」、「勝てる気がしないときは何か変化が必要だ」と語り、マドリーでは稀有なことに好印象だけを残してクラブを去っていった。<hr>▽ジネディーヌ・ジダン 【在任期間】 2.5シーズン(2016/1/4~2018) 【戦績】 [2015-16シーズン]※半シーズン 公式戦27試合22勝3分け2敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点90) コパ・デル・レイ:-※規約違反により就任前に失格 [2016-17シーズン] 公式戦60試合44勝11分け5敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:優勝(勝ち点93) コパ・デル・レイ:ベスト8 [2017-18シーズン] 公式戦62試合39勝14分け9敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点76) コパ・デル・レイ:ベスト8 [合計] 公式戦149試合115勝28分け16敗 【主な獲得選手】 FWアルバロ・モラタ、DFテオ・エルナンデス、MFダニ・セバージョス 【主な放出選手】 FWアルバロ・モラタ、FWヘセ・ロドリゲス、FWデニス・チェリシェフ、MFハメス・ロドリゲス、DFアルバロ・アルベロア、DFダニーロ、DFペペ 2019.03.13 18:00 Wed
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル④~ベニテス体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆ラファエル・ベニテス体制/2015</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190312_17_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>選手としてマドリーの下部組織で育ったベニテス監督は、指導者としてのキャリアもマドリーのコーチからスタートさせた。その後、バレンシアで2度のリーガエスパニョーラ制覇を成し遂げて頭角を現すと、リバプールではチャンピオンズリーグ(CL)も獲得。しかし、リバプール以降はなかなかファンが求めているタイトルには手が届かず、戦術家としての手腕を評価される反面、人心掌握に関しては懐疑的な目が向けられていた。 マドリーは、前年を主要無冠で終えていたものの、前任者のカルロ・アンチェロッティ前監督が選手やファンから高い評価を得ており、ベニテス監督は強い逆風の中で到着。監督交代の必要性に関してフロレンティーノ・ペレス会長への批判も聞こえる中、ベニテス監督には主要タイトルの獲得だけでなく、クラシコやダービーなど重要な試合で手腕をアピールする必要があった。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190312_17_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>夏の移籍市場では、MFマテオ・コバチッチ、DFダニーロが大型補強となったほか、MFカゼミロをポルトからレンタルバック。反対に、MFサミ・ケディラやレジェンドGKイケル・カシージャスが退団し、左SBのバックアップを務めていたDFファビオ・コエントランもレンタルで放出された。 シーズン当初はMFイスコやMFベイルをトップ下に置き、MFトニ・クロースとMFルカ・モドリッチがボランチを務める攻撃的な[4-2-3-1]を多用していたが、次第に[4-3-3]にシフト。MFカゼミロをアンカーに配すバランス重視の形に落ち着き、内容に応じてMFコバチッチやMFハメス・ロドリゲス、FWヘセ・ロドリゲスといったバリエーション豊かなカードの投入で変化を付けた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~国王杯での恥辱~</span> 開幕戦こそスポルティング・ヒホンと0-0で引き分けたものの、その後のベティス戦を5-0、エスパニョール戦を6-0で進むなど、ベニテス監督の船出は順調だった。しかし、11月に入ってリーガでセビージャに2-3で敗北すると、翌節で宿敵バルセロナにも0-4で完敗。アンチェロッティ前監督解任で燻っていた不満が表面化し始めた。 さらに、ベニテス・マドリーはコパ・デル・レイ4回戦のカディス戦で出場停止処分中だったMFデニス・チェリシェフを起用してしまい、屈辱の失格処分。年末には、ベニテス監督の名前がコールされた際にホームスタンドからブーイングが飛ぶ状態となり、監督交代を行ったペレス会長の解任も叫ばれた。 そして、クラシコ大敗後にペレス会長が緊急記者会見でベニテス監督の続投を表明していたのも空しく、2016年1月4日に解任が発表されている。<hr>▽ラファエル・ベニテス 【在任期間】 0.5シーズン(2015/6/3~2016/1/4) 【戦績】 公式戦25試合17勝5分け3敗 チャンピオンズリーグ:グループステージ突破※解任時点 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点37)※第18節終了時点 コパ・デル・レイ:ベスト32※規約違反により失格 【主な獲得選手】 MFマテオ・コバチッチ、MFルーカス・バスケス、DFダニーロ 【主な放出選手】 FWハビエル・エルナンデス、MFサミ・ケディラ、MFアシエル・イジャラメンディ、DFファビオ・コエントラン、GKイケル・カシージャス 2019.03.12 18:00 Tue
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終焉を迎えたレアル・マドリーのサイクル③~アンチェロッティ体制プレイバック~

2018-19シーズン、レアル・マドリーは3月に入ると同時に全てのタイトルへの望みを絶たれた。2009年夏にフロレンティーノ・ペレス会長が2度目の就任を果たして以来、数々の栄光を手にしてきたクラブも、明確な後退を余儀なくされている。本稿では、このサイクルの軌跡を振り返っていく。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆カルロ・アンチェロッティ体制/2013-15</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190310_25_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>ミラン長期政権時代にチャンピオンズリーグ(CL)を制し、チェルシーでも欧州の頂に立った経験を持つアンチェロッティ監督は、マドリー指揮官就任前年までパリ・サンジェルマン(PSG)を指揮。ビッグクラブで築いた輝かしい実績が評価され、ジョゼ・モウリーニョ前監督の後任としてチームの再建を託された。 前年までのマドリーでは、モウリーニョ前監督とGKイケル・カシージャスらの確執が各紙から噴出。穏やかで真摯な人柄で知られるアンチェロッティ監督には、ロッカールームの規律を取り戻すことが期待され、同時に当人が就任会見で宣言した通り“デシマ”(10度目の欧州制覇)達成が切望された。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆基本フォーメーション[4-3-3]</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20190310_25_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(c) CWS Brains, LTD.<hr></div>アンチェロッティ政権では、MFガレス・ベイル、MFイスコ、MFハメス・ロドリゲスといった強力なアタッカーのほか、退団間近となっていたMFシャビ・アロンソの穴にはMFトニ・クロースを獲得。負傷により度々欠けるDFマルセロのバックアップ問題は残されたものの、DFダニエル・カルバハルやGKケイロル・ナバスも加えたことで概ねの心配事は取り除かれた。 アーセナルに去ったMFメスト・エジルの代役は見つからなかったものの、2013-14シーズンからのマドリーはMFルカ・モドリッチを中心に据えた[4-3-3]にシフト。3トップの並びは“BBC”と呼ばれるユニットが固定されていたが、中盤の組み合わせに関しては2014-15シーズンからはMFトニ・クロースが欠かせない選手となり、MFハメス・ロドリゲス、MFイスコ、MFアシエル・イジャラメンディといった豊富な選択肢が用意されていた。 <span style="font-weight:700;font-size:1.1em;">◆Turning Point! ~アトレティコとのダービーマッチ~</span> 見事に選手たちのポテンシャルを引き出したアンチェロッティ監督は、初年度から主要二冠を達成。コパ・デル・レイ決勝でバルセロナを破り、CL決勝でアトレティコ・マドリーを破ったとなれば、その喜びは尚更だ。リーガエスパニョーラでは両クラブの後塵を拝したものの、それをかき消すほどに、悲願の“デシマ”達成への称賛は止まなかった。 そして、2014-15シーズンの前半戦では前年の好調を引き継ぎ、公式戦22連勝を記録。しかし、そのシーズンにはスーペル・コパ、コパ・デル・レイでアトレティコに敗退に追い込まれ、リーガでの“マドリッド・ダービー”でも2敗を喫した。優勝したバルセロナ(勝ち点94)と勝ち点2差でタイトルを逃しており、ユベントスに敗れたCL以外の大会で、隣のクラブとの直接対決で失っている。 結局、2015年夏に解任されたアンチェロッティ監督に問われた責は、主要大会を無冠で終えたことだ。しかし、いずれの大会も惜しい所までは進んでおり、解任報道噴出時には選手たちがSNSを通じて慰留を呼び掛け。前年にクラブの悲願を達成した監督を追い出すにはあまりにもな状況だったが、だからこそアンチェロッティ政権からは、ペレス会長が長を務めるマドリーのシビアさが読み取れる。<hr>▽カルロ・アンチェロッティ 【在任期間】 2シーズン(2013-15) 【戦績】 [2013-14] 公式戦60試合46勝8分け6敗 チャンピオンズリーグ:優勝 リーガエスパニョーラ:3位(勝ち点87) コパ・デル・レイ:優勝 [2014-15] 公式戦59試合43勝6分け10敗 チャンピオンズリーグ:ベスト4 リーガエスパニョーラ:2位(勝ち点92) コパ・デル・レイ:ベスト16 [合計] 公式戦119試合89勝14分け16敗 【主な獲得選手】 FWハビエル・エルナンデス、MFガレス・ベイル、MFイスコ、MFハメス・ロドリゲス、MFトニ・クロース、DFダニエル・カルバハル、GKケイロル・ナバス 【主な放出選手】 FWゴンサロ・イグアイン、FWアルバロ・モラタ、MFメスト・エジル、MFカカ、MFアンヘル・ディ・マリア、MFシャビ・アロンソ、DFラウール・アルビオル 2019.03.11 18:00 Mon
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