何事もなくて良かった…/原ゆみこのマドリッド2018.12.11 12:00 Tue

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▽「だからシベレスやネプトゥーノは避けたのね」そんな風に私が納得していたのは月曜日、コパ・リベルタドーレス決勝終了後、プエルタ・デル・ソル(マドリッドの中心にある広場)で優勝を祝うリーベル・プレートのファン数人が熊とイチゴノキの銅像の上に乗っているのをお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、大晦日のカウントダウン並の人数が集まっていたものの、懸念されていた暴力沙汰などはまったくなかったんですけどね。レアル・マドリーがお祝いをするシベレスの噴水広場の女神像もアトレティコが祝うネプトゥーノの海神像もかなり凝った彫刻像とあって、とりわけ前者など、昔は選手たちが登っていたこともあったものの、ここ近年は簡易の階段を作り、そこからキャプテンたちだけがバンデラ(クラブ旗)やブファンダ(マフラー)を巻きつける方法に移行。

▽となると、最初はリーベルが優勝の際はシベレス、ボカ・ジュニアーズならネプトゥーノにお祝い場所が選定されていたのを前者はプエルタ・デル・ソル、後者はコロン広場に変えたのは賢い処置だったかと思いますが、幸い熊の像も無事だったようですし、あとは宿敵を破って浮かれるアルゼンチン人のファンたちが歌ったり、跳ねたりぐらいだったのは助かったかと。ええ、地元のブエノスアイレスではまたしても警官隊が出動する大騒ぎになっていましたしね。バルセロナでのように優勝騒ぎに乗じて、暴れる輩もマドリッドには現れなかったのもいい兆候ではあるんですが…。

▽まあ、コパ・リベルタドーレス決勝の話はまた後ですることにして、先に先週末のマドリッド勢のリーガ戦を報告していくことにすると。この15節、金曜に先陣を切ったのは弟分ダービーでレガネスがヘタフェをブタルケに迎えることに。ミッドウィークにはコパ・デル・レイ16強進出を果たし、波に乗っている両チームだったんですが、結果は前半39分にダミアンのFKをカブレラがヘッドで先制したヘタフェに後半19分、守備のクリアミスからニヨムのゴールでレガネスが追いついて、いえ、終盤は大型FWペア、カリージョとエン・ネスリ目がけてロングボールを繰り出していたホームチームが大いに押していたんですけどね。

▽柴崎岳選手もサイドでアップしていたんですが、おかげでボルダラス監督も前半、負傷したアマトの代わりに入ったポルティージョを「No estaba en contacto con balon, queria reforzar la banda y el centro/ノー・エスタバ・エン・コンタクトー・コン・バロン、ケリア・レフォルサール・ラ・バンダ・イ・エル・セントロ(ボールに触れていなかったし、サイドと中央を強化したかった)」という理由で下げ、左SBのアントゥネスを投入する破目に。それでも結局、「チャンスの数からしたら、ウチが勝つのにふさわしかったが、el futbol es eficacia/エル・フトボル・エス・エフィカシア(サッカーは効率性だからね)」(ペレグリーノ監督)ということで、1-1の痛み分けで終了となりましたっけ。

▽それでもレガネスは降格圏外の16位を維持できましたしね。この試合、終盤に退場となったルベン・ペレスと累積警告枚数に達したニヨムは欠くものの、再び金曜試合となるセルタ戦で勝ってくれればいいんですが、最悪のニュースがあったのはヘタフェの方。いえ、順位は8位で相変わらず、ヨーロッパリーグ出場圏とは勝ち点差1のままなんですが、何とアマトのケガがヒザのじん帯断裂だったことが判明。ずっとレギュラーだった彼が今季絶望となると、早速、この土曜のレアル・ソシエダ戦からボルダラス監督は代理の選手を試していかないといけないことになりますが、え、負傷禍にかけては兄貴分のアトレティコに勝るチームはないんじゃないかって?

▽そうですね、翌土曜午後1時という早い時間にアラベスをワンダ・メトロポリターノに迎えた彼らでしたが、うーん、前半24分にアリアスのクロスをカリニッチがお腹でゴールに。先日のコパ、サン・アンドレウ(3部)戦2ndレグではヘッドでアトレティコ移籍初得点を挙げていたため、次こそは足で決めて、2月まで戻って来ないジエゴ・コスタの穴を埋めるFWなってくれるんじゃないかと、スタンドには明るい希望が広がっていたんですけどね。36分にはアラベスのエース、カジェリともつれ合った際にリュカが負傷。右膝を痛めて、ようやくその日からベンチに復帰したヒメネスと交代って、やっぱりアトレティコのDF陣は厄払いにでも行くべきかと。

▽おまけに後でアラベスのキャプテン、マヌ・ガルシアも「Ellos se han sentido comodos con el 1-0/エジョス・セ・アン・センティードー・コモドス・コン・エル・ウノ・セロ(彼らは1-0で快適に感じていて)、ウチにピッチを明け渡して自陣エリアで守ることにした」と言っていたように、なかなかアトレティコは追加点を取りに行かないんですよ。それにはシメオネ監督も後半途中にはカンテラーノ(アトレティコBの選手)の本職CBのモンテーロを入れ、「Si fuera el estaria orgulloso de poder cumplir en cualquiera de las posiciones/シーフエラ・エル・エスタリア・オルグジョーソ・デ・ポデール・クンプリール・エン・クアルキエラ・デ・ラス・ポシシオネス(もし自分が彼なら、どんなポジションでもプレーできて誇らしいだろう)」とおだてて、最近はフィリペ・ルイスのケガで人材不足となった左SBをやらせていたサウールを中盤のサイドに上げてみたりもしたんですけどね。

▽ようやく終盤にはカリニッチから代わったビトロのスルーパスに抜け出したグリーズマンがピッチを縦断、最初のシュートはゴールポストに弾かれたものの、通りすがりにボールを押し込んで2点目が入るまで、いやあ、アベラルド監督は「ウチにもリードされてから、10~15分はいい時間があったんだが、nunca dimos sensacion de poder remontar/ヌンカ・ディモス・センサシオン・デ・ポデール・レモンタール(1度も逆転できる気がしなかった)」と後で告白していましたけどね。今季のアトレティコは1点のリードを守れず、引き分けてしまった試合が複数回あったため、私もドキドキして見ていたんですが、2点差なら安全圏。おまけに残り4分にはGKパチェコがブロックしたコレアのシュートがロドリの前に落ち、そのゴールでスコアが3-0となったとなれば、もう何も心配することはありませんって。

▽え、この勝利で一瞬、首位に並んだ彼らだったのに次の時間帯ではバレンシアと分けたセビージャに抜かれ、夜にはエスパニョールとのカタルーニャダービーにバルサが0-4と大勝したため、結局、首位と勝ち点3の3位という立ち位置は変わらなかったんだろうって? まあ、そうなんですが、リーガは長いですし、シメオネ監督も「somos pocos y no es facil competir y ganar, ganar y volver a ganar como decia Luis/ソモス・ポコス・イ・ノー・エス・ファシル・コンペティール・イ・ガナール、ガナール・イ・ボルベル・ア・ガナール・コモ・デシア・ルイス(ウチは人数が少ないし、競って、ルイス・アラゴネス監督が言っていたように勝って勝ってまた勝つのは簡単ではない)」と言っていましたしね。

▽今はこんな調子で上位陣にいてくれるだけでいいかと思いますが、日曜夜にはシメオネ監督を始め、グリーズマン、ゴディン、オブラク、サビッチ、フィリペ・ルイス、コレアと大挙してサンティアゴ・ベルナベウにコパ・リベルタドーレス決勝を観戦に行っていたアトレティコには今週、火曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、CLグループリーグ最終節、クラブ・ブルージュ戦が。膝を捻って、一足早く今年は店仕舞いしたリュカに代わり、ゴディンとフィリペ・ルイスが復帰したため、サビッチが出場停止でもDF陣は大丈夫なんですが、果たして勝ってグループ1位の座を確定できるのかどうか。幸い相手もELに回れる3位は決まっていますし、モナコと対戦するドルトムントに勝ち点2差を引っくり返されない結果を出せるといいですよね。

▽そして翌日はお隣さんがアウェイで最下位のウエスカと対戦したんですが、何ともこれがフラストレーションの溜まる展開で、マドリーの得点は前半8分、オドリオソラのクロスをベイルがvolea(ボレア/ボレーシュート)で決めたものだけ。その後、だんだん元気のなくなった彼らはとりわけ風下に回った後半など、「Era muy dificil jugar al futbol, no sabias hacia donde iba a ir el balon/エラ・ムイ・ヂフィシル・フガール・アル・フトボル、ノーサビアス・アシア・ドンデ・イバ・ア・イル・エル・バロン(サッカーをプレーするのが凄く難しかった。ボールがどこに行くのかわからなくてさ)」(オドリオソラ)という事情はあったようですが、もうほとんどウエスカの独り舞台状態に。

▽それでもメレロがゴール前から、絶対外さないようなヘッドを失敗したり、GKクルトワのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に阻まれたりと相手がゴール運から見放されていたおかげもあって、マドリーは何とか0-1で勝利。ベニト・ビジャマリンで遅い試合を戦ったラージョも優勢に進めながら、後半14分にアマトがゴール前でロレンにファールしたことがVAR(ビデオ審判)で発覚、ロ・セルソのPKでベティスに先制されてしまった上、31分にはシドネイにも決められ、2-0で負けてしまったのと同様に勝負にはやっぱり、ツキが必要ってことですよね。

▽おかげで前節エイバル戦勝利の勢いを持続できなかった弟分が降格圏の18位のまま、土曜の午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)にはサンティアゴ・ベルナベウに乗り込み、兄弟分ダービーを戦わないといけないのは心もとないんですが、マドリーにはその前、水曜午後6時55分(同2時55分)から、CSKAモスクワを迎えるCL戦をこなさなければならないというハンデが。いえ、もうグループ首位突破が決まっている彼らですから、ウエスカ戦では控えだったイスコやアセンシオがアピールする機会になりそうですけどね。負傷のリハビリが進んでいるクロースやマリアーノ、マルセロなどは来週から始まるクラブW杯を睨んで調整といったところでしょうが、もしかしたらコパ・リベルタドーレス優勝チームが最強の敵となるその大会、別にベストメンバーでなくてもいいんじゃないかと思ってしまったのは私だけではなかった?

▽いやあ、というのも実はボカとリーベルの決勝をサンティアゴ・ベルナベウで見ることができたんですよ。マドリッド当局が厳戒態勢を敷いたため、メトロの駅を出て最初のチェックゲートを抜けるのに30分近くかかったり、ボディチェックで財布まで開けられた時にはアルゼンチン人はそんなところにもbengala(ベンガラ/発煙筒)を隠すのかと驚愕したものでしたけどね。一旦、中に入ってしまえば普通で、南北のfondo(フォンド/ゴール裏席)に分かれた両チームのファンの応援が大きかったのは当然ですが、初めて見る南米チーム同士のサッカーにはただただ、目を瞠るばかり。

▽だって、アトレティコなど、よく「パスが3回と繋がらない」と解説者たちに怒られているんですが、この2チームはそれどころの話ではなく、1回でも繋がればスタンドから拍手が起きるんですよ。プレーの速度も遅いため、これだったら先日、コパ・デル・レイ32強対決で見たメリリャ(2部B)なんかの方が上手いんじゃないかと思ってしまった私でしたが、前半43分、カウンターからナンデスのパスで抜け出したベネデットが決めたプレーはちょっと、シメオネ監督のチームを彷彿させなくもない?

▽スタンドもボカ・サイドは決して歌うことを止めず、その辺もアトレティコに似た感じがしたんですが、後半にはリーベルが反撃。23分、珍しくエリア内で繋がったプレーからプラットが決め、同点になります。その後、1-1のまま、試合は延長戦に入ったんですが、2分にはバリオスが2枚目のイエローカードをもらって退場するなど、ボカはツキにも恵まれませんでしたね。延長戦後半3分にはキンテーロにエリア外から撃ち込まれてリードされると、途中出場の元マドリーの懐かしい顔、ガゴもアキレス腱を断裂してピッチ外へ。いよいよ9人になってしまった彼らは最後、GKアンドラダも加わったCK全員攻撃が仇となり、ピティ・マルティネスに誰もいないゴールに3点目を決められてしまっては仕方ありませんって。

▽まあ、そんな感じで約1カ月前にボンボネーラでの1stレグを2-2を引き分けた後、11月24日のモニュメンタルでの2ndレグはボカのチームバスがリーベルのウルトラ(過激なファン)に投石されたりして延期。河岸を変え、大西洋を渡ったマドリッドで開催された決勝はリーベルに軍配が上がったんですが、果たしてこのチームが22日のクラブW杯決勝でマドリーに太刀打ちできるかというと…いえ、ソラーリ監督のチームだって、鹿島アントラーズvsグアダラバラ(メキシコ)戦の勝者と準決勝を戦わないといけませんし、あまり予想を急いではいけませんよね。ちなみに祝杯明けの月曜はホテルで休んだ後、リーベルは火曜に開催地のアラブ首長国連邦のドバイに飛ぶそうですが、来週火曜の準決勝エスペランス(チュニジア)戦までゆっくり休めるのはアドバンテージになるかもしれません。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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代表戦はあまり慰めにならない…/原ゆみこのマドリッド

「悪くはなかったけどねえ」そんな風に私が感動薄く過ごしていたのは日曜日、スペイン代表のユーロ予選初戦が終わった翌日のことでした。いやあ、この代表戦週間では一足早く、金曜にグリーズマンがモルドバ戦でフランスの先制点をゲット。それがまあ、アトレティコでここ6試合、無得点だったのがウソように、ポグバ(マンチェスター・ユナイテッド)のアシストを流し込んだ見事なgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)だったんですけどね。おまけに先週中は代表に呼ばれていないジエゴ・コスタとコケがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で2014年リーガ優勝シーズンのゴールデンコンビ復活を目指し、特訓に励んでいるなどとも聞いたものの、覆水盆に返らず。 だってえ、今更ゴールが戻ってきたとて、トリノでユベントスに3-0で負けてCL16強で逆転敗退したのも、サン・マメスでアスレティックに2-0と遅れを取り、首位バルサとの差が勝ち点10に開いてリーガ優勝が絶望的になったのも変わらないんですよ。おかげでグリーズマンなど、バルサ移籍の噂が再燃して、いえ、木曜にネットフリックスで公開になったドキュメンタリー、" Antoine Griezmann: Campeon del Mundo/アントワン・グリーズマン:カンペオン・デル・ムンド(世界の王者)"の中で当人は、「Amo al Atleti, amo a mis companeros de equipo y amo al Cholo/アモ・アル・アトレティ、アモ・ア・ミス・コンパネロス・デ・エキポ・イ・アモ・アル・チョロ(ボクはアトレティコ、チームメートたち、そしてシメオネ監督を愛している)」と語っていたんですけどね。 それがCL敗退後に撮影されたという保証はないため、まあ、去年の夏、あの時はピケの所有するプロダクションの制作でアトレティコ残留を決意するドキュメンタリーを公開され、思いっきり顔に泥を塗られたバルサがいくら、7月にはグリーズマンの契約破棄金額が2億ユーロ(約250億円)から、1億2000万ユーロ(約150億円)に下がるからといって、諸手を広げて迎えてくれるとは思えないんですけどね。かといって、逆に彼が残ってくれても年棒が2000万ユーロ(約25億円)と破格なため、来季もアトレティコは少数精鋭体制を継続。 ようやくリュカとフィリペ・ルイスのケガが治り、paron(パロン/リーガの停止期間)明けには戻って来られるといっても、今季のようにケガ人が多発すれば、同様の状況に陥ってしまう可能性もある訳で…そう、こんな話ばかりになってしまうから、ジダン監督が復帰したとはいえ、同じく今季は終わった身分のお隣さんが来季の補強はアザール(チェルシー)だ、エムパベ(PSG)だ、ポグバだと浮かれているのもありますし、何だか最近の私は憂鬱なんですよ。 まあ、そんなことはともかく、金曜にはワンダ・メトロポリターノでもアルゼンチンとベネズエラの国際親善試合が行われ、先週は月曜以外、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でのスペイン代表の練習もpuerta cerrada/プエルタ・セラーダ(非公開)ばかりだったため、あまり外出していなかった私もちょっと、覗きに行ってみることに。普段とは違い、外環が青にライトアップされたスタジアムはいいとして、マドリッドには両国出身の移民が多いにも関わらず、観客2万8000人と半入り程度だったのには驚いたんですが、試合が始まると更なるサプライズが起こります。 というのも前半6分、ロサレス(エスパニョール)のロングパスを受けたロンドン(ニューキャッスル)がいきなりベネズエラの先制点を挙げてしまったせいで、何せ相手はメッシ(バルサ)が昨年夏のW杯以来、初めて復帰したアルゼンチンですからね。今回はマンチェスター・シティでゴールを入れまくっているアグエロやイグアイン(チェルシー)といった、リーガファンにお馴染みのFWが招集されていなかったり、ディ・マリア(PSG)が練習中に負傷してしまうという不運があったものの、折しもバルサの10番は前節のベティス戦でハットトリックを披露したばかり。誰もがその再現を期待していたんですが、やっぱり取り巻く選手が違うとそうそう上手くはいかない? 結局、前半終了間際にはメッシのクロスをヘッドしたラウタロウ(インテル)が外してしまい、逆に44分にはムリージョ(トンデラ)に2点目を奪われて折り返したアルゼンチンでしたが、後半14分にはようやくメッシのパスをロ・チェルソ(ベティス)が繋ぎ、ラウタロウが1点を返すことに。予定ではフル出場はしないことになっていたメッシもずっとピッチに残り、FKなどで同点を狙ったものの、最後は30分、PKからホセフ・マルティネス(アタランタ)に3点目を決められてしまうとは!いやあ、1-3で予想外の快勝をしたベネズエラの選手たちはおそらく、現在母国がひどい経済危機に襲われ、辛い思いをしている中、わざわざ応援に駆けつけてくれたファンに相当感謝していたんでしょうね。 アルゼンチンの選手たちがさっさとロッカールームに戻るのを尻目に場内一周を始めてしまい、私も先日のユーベとの2ndレグに挑む前だったレガネス戦後のアトレティコ、バルサとの女子1部リーガ頂上決戦でワンダを満員にしたアトレティコ女子に続き、3回連続でvuelta de honor/ブエルタ・デ・オノール(名誉の場内一周)に立ち会うことになりましたが、これもまた珍しい経験だったかと。何はともあれ、昨年アルゼンチンが同じ舞台でスペインと親善試合をした際も負傷で出られず、チームが6-1で惨敗するのをパルコ(貴賓席)から見守っていたメッシにとって、今季のCL決勝でトロフィーを掲げるといったことでもない限り、ここはゲンのいいスタジアムではないようです。 まあ、そのメッシが恥骨炎を理由に次はモロッコで親善試合をするチームを離れ、翌日にはバルセロナに戻ってしまったのは置いておいて、そろそろ本題に入らないと。土曜にメスタジャ(バレンシアのホーム)で行われたスペインとノルウェイのユーロ予選がどうだったか、お伝えしないといけません。昨年のW杯後に就任したルイス・エンリケ監督はまだ1度も同じスタメンを使っていないんですが、この日の3トップはモラタ(アトレティコ)とご当地選手のロドリゴ(バレンシア)にアセンシオ(レアル・マドリー)。そこへ5年ぶりに招集がかかったヘスス・ナバス(セビージャ)とジョルディ・アルバ(バルサ)の両SBが積極的に上がって絡むスピードのあるサッカーで序盤から、スペインは圧倒的優位に。 実際、前半6分にはジョルディ・アルバが勝手知ったる古巣のエリア内左奥から折り返すと、ゴール前で待っていたロドリゴがvolea(ボレア/ボレーシュート)を決めて、楽勝ムードに拍車がかかったかに見えた彼らだったんですが、どうやらこの日の敵は身内にいたよう。というのもその後、何度もモラタがヘッドのチャンスをもらいながら、その4回とも全てに失敗してしまい、追加点が取れないのですから、困ったもんじゃないですか。 いえ、ルイス・エンリケ監督は後で「Ha sido el mejor partido de Morata con nosotros/ア。シードー・エル・メホール・パルティードー・デ・モラタ・コン・ノソトロロス(私たちのチームでは最高のモラタの試合だった)」とフォローしてくれていましたけどね。ただ、どうやら一番、彼が役に立ったのは「Ha sido determinante aguantando el balon cuando jugabamos largo/ア・シードー・デテルミナンテ・アグアンタンドー・エル・バロン・クアンドー・フガモス・ラルゴ(ウチがロングでプレーした時はボールをキープする決定的な働きをしてくれた)」(ルイス・エンリケ監督)ことだったようで、いや、もう最近、アトレティコではそればかりやらされていますからね。逆に肝心の決定力の方に疑問符がつくような有様ではこれから先が思いやられる? そうこうするうち、1-0のまま始まった後半、19分にはピケが代表を引退して以来、日替わりでセルヒオ・ラモスとペアを務めていたイニゴ・マルティネス(アスレティック)がセットプレーの際、ヨハンセン(ウェスト・ブロムウィッチ)を倒したとされ、ペナルティの判定が。キング(ボーンマス)にPKを決められ、同点に追いつかれてしまったスペインでしたが、大丈夫。その5分後にはモラタが怒りの爆走、ボールを持って敵エリア内に入ったところをGKヤーステイン(ヘルタ・ベルリン)に引っくり返され、こちらも笛を吹いてもらえたんですよ。もちろんPKはクリスチアーノ・ロナウドの退団でマドリーどころか、代表でも第1キッカーとなったラモスがパレホ(バレンシア)やロドリゴ、地元のスペシャリストらを制して担当。 得意のパネンカ(GKの正面に緩く蹴るPK)風で決めると、今季はPK10本全て成功している実力を示してくれたから、助かったの何のって。いやあ、32才の当人については先週、6月15日にセビージャ(スペイン南部)のカテドラル(大聖堂)ですでに3人の息子さんがいる芸能人の彼女、41才のピラル・ルビオさんと挙式、予算100万ユーロ(約1億3000万円)の披露宴にはAC/DCやエアロスミスといった大御所を招待して演奏してもらうなんて話も読んだんですが、幸いここ3年間と異なり、今季のマドリーは6月1日のCL決勝に煩わされることはなし。 おかげで準備に専念できるということでしょうが、となると、スペインが昨年秋に行われた初めてのネイションズリーグでは連勝で好スタートしながら、最後はイングランドにもクロアチアにも3-2で連敗。6月5日から始まるファイナルフォーへの切符を逃がしたというのもスケジュール的には良かった?まあ、それはうがちすぎですが、このPKで何とかリードを取り戻したスペインはその後、ルイス・エンリケ監督にも余裕ができたんでしょうかね。まずは何度もヒザの靭帯断裂で苦しみ、ようやく28才で初招集となったカナレス(ベティス)をパレホと交代でデビューさせてあげることに。 続いてセバージョス(マドリー)がロドリ(アトレティコ)と代わると、いよいよ43分、30才の新人、ファン・マタ(ヘタフェ)がピッチに入ったんですが、こちらもまた感動のデビューです。そう、昨季バジャヤドリーで35本ゴールを挙げ、2部のピチチ(得点王)の看板を引っ提げて、マドリッドの弟分チームに迎えられた彼ですが、実は1部でプレーするのは今季が初めて。それまでは地方リーグや3部のチームに所属し、2009年など、給料不払いを抗議して、2部Bのペガソのチームメートと共に試合前にユニのパンツを下げるパフォーマンスにも加わるという苦労もしているんですが、いやまさに継続は力なり。 ヘタフェではボルダラス監督の下、更に成長し、今季13得点でサラ(スペイン人選手の得点王)レースのトップに立って現在、リーガ4位といまだかつて、弟分チームには縁のなかったCL出場権争いに貢献しているとなれば、ルイス・エンリケ監督からお声が掛かったのも不思議はなかったかと。いえ、この試合では交代の際、先日のバレンシアとのコパ準々決勝やリーガ前節で引き分けたせいか、メスタジャの観客からpito(ピト/ブーイング)が聞こえたものの、ほとんどボールに絡む機会はなかったんですけどね。日曜もサレル(バレンシア近郊)のパラドール(国営ホテル)のグラウンドで練習したスペイン代表は月曜に移動、火曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からアウェイで対戦するのはマルタですからね。 今度はかなり相手と実力差があるため、スペインの前線も先発ローテーションがあるんじゃないかと思いますが、さて。どちらにしろ、このユーロ予選は11月までと長丁場ですし、本大会はそれこそ来年6月となれば、この先もメンバー的には紆余曲折がありそうですし、マタを含め、今回初招集となったメンバーが定着できるかはまだまだわからず。うーん、2012年にユーロ優勝をして以来、タイトルとは遠ざかっているスペイン代表だけにそろそろまた、ビッグな大会で力を示せるチームに戻ってくれるといいのですが。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.03.25 13:30 Mon
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ほんの1週間の違いだった…/原ゆみこのマドリッド

「代表も気晴らしになっていいわよね」そんな風に私が安堵感を覚えていたのは月曜日、いよいよ始まる2020年ユーロ予選に備え、ラス・ロサス(マドリッド近郊)にあるサッカー協会本部の宿泊施設に到着するスペイン代表選手たちをキャプテンのセルヒオ・ラモスが迎えているビデオを見た時のことでした(https://bit.ly/2JkM4AD)。いえ、今回の予選もグループ1位と2位が直接本大会に出場。この土曜のノルウェー戦を皮切りに来週火曜にはマルタ戦、その後もフェロー諸島、スウェーデン、ルーマニアとそれ程、スペインにとって茨の道が待ち構えている訳ではないのも、お気楽でいられる理由の1つではあるんですけどね。 むしろ、おかげでこの2週間はリーガのことを考えずに済むためで、え、それって、CLどころか、リーガでも何も考えることがなくなってしまった悲惨な今季の現状を憂えに済むからという意味なんじゃないのかって?まあ、その通りで何せ、まだ3月ですからねえ。今となってはスペイン勢で唯一、CL準々決勝に進んだバルサのファンが4月のマンチェスター・ユナイテッド戦に向けて、じっくりオールドトラフォード遠征を計画するのを羨ましく思うぐらいしかできなくなってしまったというのはそれこそ、ツイてしないとしか言いようがないんですが…。 まあ、ずっと愚痴っていても仕方ないので、先週末のマドリッド勢がリーガでどうだったかをお話していくことにすると。今回、先陣を切ったのはレアル・マドリーで彼らはコパ・デル・レイ準決勝、リーガのクラシコ連敗に続き、CL16強対決でもアヤックスに逆転敗退。お隣さんより1週間早くシーズンが終わりましたからね。そこでソラリ監督を解任、ジダン監督の再招聘とスッパリ気分を来季に向けて切り替えたのが幸いしたか、土曜のサンティアゴ・ベルナベウには久々に陽光がさんさんと降り注ぐことに。 もちろんそれにはキックオフが午後4時15分で丁度、正面スタンドに西日が直射する時間帯だったこともあるんですが、用心のため、帽子は持参していたものの、まさかこの時期から腕に日焼け止めを塗っておかなかったことを激しく後悔する破目になろうとは。気温も25度近くになっていたため、暑くてかなわなかったんですが、眼下のプレーに熱がこもるには少々、時間がかかったかと。ええ、マドリーはジダン監督がGKにケイロル・ナバス、そしてイスコ、ベイル、マルセロを先発に起用し、前任者の時代に不遇を囲っていた選手たちの奮起に賭けたようでしたけどね。 やはり首位と勝ち点差が12となり、リーガ優勝を諦めたチームではモチベーションを保つのも難しかったか、いえ、前半には先日、このところ女性関係の噂でマスコミを賑わせすぎ、サッカーにもっと専念するようにとクラブから注意を受けたクルトワに代わり、この日の先発に抜擢されたナバスがマキシ・ゴメスの強烈ヘッドをparadaon(パラドン/スーパーセーブ)。「Es un entrenador que dice la verdad siempre/エス・ウン・エントレナドール・ケ・ディセ・ラ・ベルダッド・シエンプレ(常に真実を喋る監督だ)」と本人も尊敬する上司の期待に応える一幕も。 それ以外、降格圏で1節前、エスクリバ監督が今季3人目の指揮官として就任したセルタはイアゴ・アスパスの長期不在のせいもあり、とても点が取れそうな感じがありませんでしたが、マドリーもベイルのシュートがゴール枠を直撃したぐらいと、試合は0-0のままハーフタイムに。このままスコアレスドローで終わってはせっかく、キックオフ前は「Entrenador Zinedine Zidane!/エントレナドール・ジネディーヌ・ジダン」というスピーカーのコールに大喝采したスタンドのファンも盛り下がってしまうんじゃないかと心配したところ…。 大丈夫ですよ。待望のゴールが入ったのは後半17分、アセンシオがエリア前で敵DFを数人かわし、ベンゼマにスルーパスを送ったところ、最後はゴール前に突っ込んできたイスコが沈めて先制点をゲット。久々に喝采を浴びると、33分にはマルセロのアシストでベイルが2点目を決めてくれたため、2-0でホーム4連敗に終止符を打つことに。いやあ、試合後には「シーズン後のチーム改革はあるが、残り10試合、自分は誰が残って誰が出ていくかを話すためにいるんじゃない」とジダン監督は言っていたとはいえ、タイトル獲得の可能性がなくなった今、正直、もうマドリーについての話題はそれしかありませんからね。 jugadon(フガドン/スーパープレー)で1点目を演出したアセンシオや、途中出場して「El cambio de entrenador parece que ha funcionado, hemos recuperado sensaciones/エル・カンビオ・デ・エントレナドール・パレセ・ケ・ア・フンシオナードー、エモス・レクペラードー・センサシオネス(監督交代は上手くいったようだ。ボクらはフィーリングを取り戻した)」と話していたセバージョスなどはそのまま、そのいい感触をスペイン代表で発揮してもらえばいいんですが、ベンチ要員やスタンド観戦が続いたイスコなどは今回の非招集休暇でしっかりコンディションを整えないと。ビニシウスはまだ全然ムリですが、ルーカス・バスケスやカルバハル、ジョレンテら、リハビリ中の選手たちもparon(パロン/リーガの休止期間)明けの復帰を目指していますしね。各国代表に行く13人も含め、3月末のウエスカ戦ではまた、どの選手も来季を見据えて、熾烈なチーム内競争を繰り広げてくれるんじゃないでしょうか。 そしてベルナベウを急いで後にした私はサン・マメスでの前半が0-0だったことに感謝しながら、後半15分過ぎに自宅近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)に飛び込んだですが、まさか再び、アトレティコが負ける場面に立ち会うことになろうとは!うーん、アスレティックにクリスチアーノ・ロナウドはいないため、そうそう失点はしないだろうと思っていたんですけどね。まさか27分、ヒメネスがファールを受けたとアピールすることにかまけているうちにプレーが進行。さっさとエリア内奥に移動したコルドバにラウール・ガルシアからボールが届き、本職でないサウールがSBを務める左サイドから侵入したウィリアムスにゴールを決められているんですから、困ったもんじゃないですか。 おまけにヒメネスの不運はこれに終わらず、39分、今度はコドロのシュートを防ごうと体を投げだしたところ、ボールの軌道が変わって再びGKオブラクが破られてしまったとなれば、もうお手上げです。だってえ、この日はユベントス・スタジアムで枠内シュートを1本も撃てなかったことを反省、シメオネ監督がジエゴ・コスタ、モラタ、グリーズマンのtridente(トリデンテ/3FWのこと)を先発に並べながら、まったく効果が見えず。おまけに前半にはグリーズマンがジェライに、後半にはモラタがサン・ホセにエリア内で倒されながら、主審にもVAR(ビデオ審判)にもスルーされるという有様で、そのまま2-0で終わってしまったんですよ。 いえ、シメオネ監督によると、「トリノでの悪い試合の後、今日の後半のようにプレーするのは難しい」そうで、選手たちは頑張っていたようなんですけどね。とはいえ、ゴディンなどまだ、「Nos sentimos mas dolidos porque no fuimos el Atletico de Madrid/ノス・センティモス・マス・ドリードー・ポルケ・ノー・フイモス・エル・アトレティコ・デ・マドリッド(自分たちがアトレティコでなかったから、より痛みを感じている)。敗退することはあっても負け方というものがある」と、CL16強対決2ndレグでユベントスに完敗したのを大きく引きづっているようで、それも当然。ええ、いくらコケが「このチームは2度、CL決勝に負けて立ち上がった。Lo va a hacer ahora mismo/ロ・バ・アセール・アオラ・ミスモ(それを今すぐにやる)」と言い張ったって、あの時は夏のバケーションを挟んでいたのに対し、今回はたった4日前の話となれば、さすがにムリがあるかと。 よって、簡単にいかないのは仕方ないんですが、翌日、バルサがベティスにメッシのハットトリックなどで1-4とあっさり勝ってしまったため、2位のアトレティコとの差が10に拡大。つまり残り10試合中、向こうが3、4試合躓かないと、彼らが全勝しても追いつけなくなったため、こちらもお隣さん同様、CL出場権を確定して、早めに来季の構想を練ることになりましたが、まったくねえ。翌日には女子のクラブレベルの試合では世界記録となる6万739人の観客を集め、ワンダ・メトロポリターノでアトレティコvsバルサ戦があったんですが、こちらも後半にゴールを奪われて、0-2で負け。それでも勝ち点差3で首位にいるだけ、立派な妹分たちですが、敗戦後でもファンに感謝して場内一周をしている辺りはやっぱり、似ているようですよ。 え、先週末の悪いニュースはそれだけじゃないだろうって?そうですね、実は土曜の最後の時間帯にブタルケにジローナを迎えた弟分のレガネスも、いえ、今回の各国代表戦で招集された選手がGKルニン(ウクライナ)、シオバス(ギリシャ)、オメルオ(ナイジェリア)、ディエゴ・レジェス(メキシコ)、エン・ネシリ(モロッコ)、ブライトワイテ(デンマーク)と6人もいるのは喜ばしいことなんですけどね。ペジェグリーニ監督も「代表戦がある時はそのことも考えるし、旅支度なんかもあるが、falto intensidad y concentracion/ファルトー・インテンシダッド・イ・コンセントラシオン(激しさと集中力が欠けた)」と言っていたように、前半のうちにポルトゥに2ゴールを挙げられ、こちらも0-2で負けてしまうことに。 更には翌日曜、ビジャレアルとのアウェイ戦に挑んだラージョがマリオ・スアレスのヘッドで先制しながら、またしても逆転され、3-1の負けで7連敗。月曜にはとうとう、ミチェル監督が解任されてしまいましたが、先週末の結果でいよいよ、セーフラインとの差が勝ち点6に開いてしまいましたからね。まだ後任監督は決まっていないんですが、このリーガ戦のない2週間に何とか風向きを変えることができるといいのですが。 一方、同じ時間にメスタジャでバレンシアにコパ・デル・レイ準々決勝のリベンジを試みた、優秀な弟分のヘタフェはスコアレスドローで勝ち点1をゲット。前日、ウエスカに勝った5位のアラベスとはまだ勝ち点2差ありますし、ヨーロッパリーグ出場圏外の7位ながら、彼らの占める輝かしい4位の座を狙っているそのバレンシアとの差も6あるため、これはこれで良かったかと。いえ、その試合では現在、得点数13でサラ(リーガで得点の最も多いスペイン人選手に与えられる賞)レースのトップにつけているマタが、翌日には初めて招集されたスペイン代表でご一緒するガヤにエリア内で突き飛ばされながら、ペナルティを取ってもらえないなんてこともあったんですけどね。 同様にルイス・エンリケ監督のチームで前線のポジションを争うことになるロドリゴのヘッドがゴール枠に当たって入らなかったなんてこともあったため、引き分けは妥当な結果だったのでは?ちなみにボルダラス監督は「No podemos caer en el error de desilusionarnos si no entramos en Europa/ノー・ポデモス・カエール・エン・エル・エロール・デ・デスイルシオナールノス・シー・ノー・エントラモス・エン・エウロッパ(もしウチがヨーロッパの大会に行けなくても失望するというミスを犯してはいけない)。ヘタフェの目標は1部残留なんだから」と予防線を張っていましたが、まあ確かにコパ優勝がバルサだったため、リーガ7位に回ってきたEL出場権を勝ち点差3でセビージャに譲った昨季は、7月から始まる予選に出ないとグループリーグに進めないこともありますし、余分な体力を使わずに済んで、却って良かったと思ったファンも結構いたはず。 とはいえ、CLなら4位でもグループリーグから出られるため、ここで逃す手はないと思いますが、さて。ちなみに先週金曜のEL準々決勝抽選ではスペイン勢生き残りの2チーム、ビジャレアルとバレンシアが対戦することが決定。リーガで前者はラージョの、後者はヘタフェのライバルとなるため、ELダービーで双方、疲れてくれると助かるんですが、まずは自分たちが勝つことが一番かと。ちなみにこの代表戦週間、各国代表に出向するヘタフェの選手は5人いて、今季リーガ1部でデビューしたばかりながら、30歳の苦労人であるマタを始め、ジェネ(トーゴ)、マキシモビッチ(セルビア)、フルキエル(グアルダルーペ)、そして柴崎岳選手となりますが、とにかく全員ケガをしないで帰ってきてもらいたいものです。 そして月曜の夕方には私もラス・ロサスでたった1回しかない、スペイン代表の公開練習を見学に行ったんですが、セルタ戦で受けた打撲の治療をしていたアセンシオと共に、今回のリストではマタやカナレス(ベティス)と一緒に初招集されたファビアン・ルイス(ナポリ)の姿がグラウンドに見当たらず。どうやら先週末から発熱で具合が悪く、病院に行った後、自宅で静養することになったそうで、その代わりに追加招集されたのが、最初のリストで先輩のコケと共に落選し、マハダオンダ(マドリッド近郊)のアトレティコ練習場でみっちり鍛え直す予定になっていたサウールというのもちょっと以前、デル・ボスケ監督が近場にいるという理由でナチョ(マドリー)を呼び、CB不足を補った逸話を思い出しますが、まあ元々、彼はルイス・エンリケ監督の固定メンバーでしたしね。 ロドリとモラタは招集したものの、元バルサの監督がアトレティコのプレースタイルが好きじゃないから、2人を落としたという説が覆されたのはありがたかったものの、これでシメオネ監督が代表戦週間に失う選手は11人に増加。フィリペ・ルイス、リュカ、サビッチ、ビトロはまだリハビリ中とあって、アトレティコの練習はまた少数精鋭になってしまいますが、この金曜にマドリッドを訪れているサッカーファンにはいいお知らせも。ええ、午後9時からアルゼンチンvsベネズエラの親善試合がワンダ・メトロポリターノで開かれるからで、チケットはアトレティコのホームページ(https://bit.ly/2JjF2fq)でまだ購入できるよう。コレアも早速、月曜にはW杯後、アルゼンチン代表に初めて戻ったメッシと共にバルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場で汗を流していましたしね。時間があったら、覗いてみるのも一興かもしれませんよ。 2019.03.19 12:45 Tue
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夢を見た分、失望も大きい…/原ゆみこのマドリッド

「確かにその通り!」そんな風に私が感心していたのは木曜日、AS(スポーツ紙)の編集長巻頭コラムの一節に「レアル・マドリーとアトレティコ、どちらもクリスチアーノ・ロナウドのせいでベスト8に届かなかった」という文章を見つけた時のことでした。いやあ、お隣さんの災難は昨年夏に端を発していて、ロナウドをユベントスに売った後、減ったゴール数を補うために満足な補強をせず。おかげでシーズン中に2人も監督が解任されるなど、CL16強敗退以外にも問題は山積みだったんですけどね。 それをどうしたことか、アトレティコまでユベントス戦2ndレグ前日から、話題をジダン監督のマドリー復帰に持っていかれたかと思いきや。翌日もマドリッドで唯一のCL生き残りチームとなってスポットを浴びるチャンスをむざむざ棒に振る始末。こともあろうか、ハットトリックを達成してユベントスを逆転突破に導いたロナウドに一面を飾られてしまうとは、彼らってやっぱり巡り合わせの悪いチームだった? ちなみに一体、どうしてそんなことになったのか、火曜の試合の様子をお伝えしていくことにすると、2月の1stレグが今季1番と言えるぐらいの出来で、ワンダ・メトロポリターノでは2-0を快勝したアトレティコだったため、勇気をもらったファン1800人もユベントス・スタジアムに駆けつけていたんですけどね。開始早々、3分にCKからGKオブラクが弾いたボールをキエッリーニがゴールに蹴り込んだ際もロナウドのファールで得点を認められなかったため、私もその日はツキがあるんじゃないかと錯覚したんですが、とんでもない。 ええ、それからも攻めているのは相手ばかりでアトレティコはほとんどボールを持てず。最初のうちは「0-0でいいんだから」と静観していたものの、26分、ベルナルデスキのクロスをゴール前でファンフランがロナウドに競り負け、ヘッドを叩き込まれてしまったから、さあ大変!おまけに即時の反撃を期待しても全然、プレーが変わらないんですよ。どうやら1月半ばから、試合が週1ペースになったせいか、妙なゆとりサッカーが身についてしまった彼らには弟分のラージョやレガネスからはゴールを奪えても、ユーベの守備陣形を破ることはできず。前半唯一のチャンスがコケのクロスから、モラタのヘッドが外れたぐらいとなれば、後半に向けて不安が増すばかりですって。 実際、ハーフタイム後には再び、今度はカンセロのクロスをロナウドに頭で撃ち込まれてしまい、うーん、最初はオブラクのparadon(パラドン/スーパーセーブ)に見えたんですけどね。VAR(ビデオ審判)こそ、今季の決勝トーナメントになって初めて導入したUEFAでしたが、前からあるホークアイが起動し、ボールがラインを越えていたことを主審に伝達。これで総合スコアが2-2となり、いよいよアトレティコも本気を出さないといけなくなったんですが…。 もう何なんでしょうね。彼らの攻撃はモラタ目掛けてロングボールを放る一辺倒で大体がして、いくら前日練習でも体にゴムをかけてジャンプといった、敵DFとの競り合いに勝つ練習をさせていたとはいえ、この冬、チェルシーからレンタル移籍した当人はジエゴ・コスタと違いますからね。そうそうボールをキープできるはずもなく、もうその頃にはずっとポゼッションを放棄していたため、チーム全員が伝統の「3回もパスが続かない」状態に陥っていたとなれば、どうしたものやら。それでも延長戦を切り抜ければ、PK戦で何とかなるかもしれないという希望はあったものの、はい、上手くいかない日とはこういうものです。 それは40分、先発しながらこの日も鬼のようにパスミスを連発し、「本当にモナコに7000万ユーロ(約90億円)を払った価値があったのか」という疑いを常々抱かせていたレマルから代わっていた、こちらも筋金入りのボールロストのスペシャリスト、コレアが自身のミスで奪われたボールを取り戻そうとベルナルデスキを自陣エリアまで追ったのは良かったものの、まさか相手の背中を押して倒してしまうとは! ユーベにPKが与えられ、ここまでのマドリーダービー32試合で19ゴール、ハットトリックも2度挙げているロナウドが当然のごとく決勝点を決めているって、もう開いた口も塞がらないとはまさにこのことだったかと。 結局、「No pudimos encontrar circuito para hacerles dano/ノー・プディモス・エンコントラール・シルクイトー・パラ・アセールレス・ダーニョ(ウチは相手にダメージを与える道筋を見つけられなかった)」(ゴディン)というアトレティコは戦前の予想を大きく裏切って、総合スコア2-3で逆転敗退。ロナウドに1stレグでシメオネ監督がやった”huevo(ウエボ/タマ)”を強調するポーズをロナウドにあまつさえ、アトレティコファンのいるスタンドに向けてされてしまったりしたんですが、この大失態の原因はまず、当人も「No he entrado en juego con diferencia al partido de ida/ノー・エ・エントラードー・エン・フエゴ・コン・ディフェレンシア・アル・パルティードー・デ・イダ(1stレグと違って、ボクはプレーに絡めなかった)」と認めていたように、グリーズマンがピッチで消えていたこと。 うーん、ロナウドが試合後に「La Juve me contrato para esto/ラ・ユーベ・メ・コントラトー・パラ・エスト(ユーベはこのためにボクを獲得したんだ)」と胸を張っていたのと同様に、アトレティコもこういうビッグマッチでチームを牽引してくれるよう、彼の年像を破格の2000万ユーロ(約25億円)にまで増額して、バルサ行きを諦めてもらったんですけどね。もちろんコスタが出場停止でおらず、攻撃に迫力を与えられなかったのも影響しているんでしょうが、そんなのは言い訳にはなりませんって。 もう1つは堅固と言われていたアトレティコの守備陣ながら、この日はフィリペ・ルイスとリュカのケガのせいで左SBの本職がおらず、右SBのファンフラン代役を務めざるを得なかったこと。中盤のトマスも累積警告で、1stレグのcuatrivote(クアトリボテ/4人ボランチのこと)を再現できなかったのも痛かったんでしょうが、そのぐらい根性で何とかならなかった?とはいえ、やはり最大の敗因は「La Juve ha estado mejor tacticamente que nosotros/ラ・ユーベ・ア・エスタードー・メホール・タクティカメンテ・ケ・ノソトロス(ユーベが戦術的にウチより良かった)」と本人も認めていたシメオネ監督のゲームプランニングにあったことは世間の目も一致するところだったかと。 いくら相手がセリエAの万年王者だろうと、ああまで攻撃を放棄することはなかったんじゃないかと言われていますが、はあ。折しも火曜にマドリーに舞い戻ったジダン監督は年棒1200万ユーロ(約15億円)で契約、先日契約延長してヨーロッパで最高給となった2400万ユーロ(約30億円)のシメオネ監督には遠く及ばないなんて記事を後日読むと、片やCL3連覇。後者はEL優勝2回、今季ホームで開催されるCL決勝進出の夢も潰えたとあって、この世界、何か間違っているような気はしますが、こればっかりはねえ。 おまけにこのユーベ戦ではまた負傷者が発生し、アリアス、そしてアップしていただけのサビッチ、そしてビトロもこの土曜のリーガ戦に出られないとなれば、木曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場ではケガが完治したコスタを入れ、今更ながら、tridente(トリデンテ/3トップのこと)を試しているなんて話を聞いても余計空しくなるばかり。いえ、コケなどは「Hay que seguir/アイ・ケ・セギール(続けていかないといけない)。ボクらにはバルサとの勝ち点を縮めて優勝を争うリーガがあるんだから」と一生懸命、前を向こうとしていましたけどね。 とにかくライバルはスコアレスドローという緊張の残る1stレグの後、水曜の2ndレグではお約束通り、メッシの活躍などで5-1とオリンピック・リヨンに大勝。CL準々決勝スペイン勢唯一の生き残りとなっただけでなく、2009年のグァルディオラ監督(現マンチェスター・シティ)、2015年のルイス・エンリケ監督(現スペイン代表)に続き、バルベルデ監督もクラブ3度目のtoriplete(トリプレテ/三冠)達成を狙っていますからね。両者の差は勝ち点7ありますし、正直、難しいと思うんですが、さて。まずはアトレティコが土曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのアスレティック戦を皮切りに、4月6日の直接対決までの3試合に連勝できたら、ようやく勝負の土俵に上がれるって感じでしょうか。 え、それでその間、コパ、CLに敗退、リーガも首位と勝ち点差12と、アトレティコ以上に今季の目標がなくなってしまったお隣さんはどうしていたのかって?いやあ、月曜にプレゼンがあったジダン監督は翌日から活動を開始。水曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)で最初のセッションを指揮したんですが、21才のCBミリトンの入団が発表されたとて、当人が来るのは準々決勝に進出したポルトでのCL参加を終えた来季のことですからね。今週末土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、サンティアゴ・ベルナベウにセルタを迎える試合も選手たちの顔ぶれは変わらないんですが、イスコやマルセロら、ソラリ監督に冷遇されていたメンバーの機嫌は良くなっていたよう。 とはいえ、ビニシウス、ルーカス・バスケス、カルバハルのケガはまだ治っていませんし、バジャドリー戦を欠場したベイルもウェールズ代表には招集されたものの、先発できるのかは不明。そこへ今回はホセ・ソリージャで2枚イエローカードをもらって退場したカセミロが出場停止、彼の控えのマルコス・ジョレンテもリハビリ最終段階とあって、ジダン監督はボランチの選定に苦労するかも。あとはセルヒオ・ラモスが処分明けで戻るぐらいですが、何せ18位のセルタは同じく降格圏脱出を目指している弟分ラージョのライバル。たとえ、自らの目標がなくなってしまったとはいえ、こういう時には力を貸してもらいたいですよね。 そして土曜の夜にはレガネスがジローナとブタルケで対戦なんですが、現在降格圏とは勝ち点8差、EL出場圏とは7差で13位の彼らはモチベーションを持つのが微妙な位置。前節は兄貴分のアトレティコにサウールがPKを失敗してから、何とか入れたゴールだけで1-0と惜敗してしまったため、オスカル、ジョナタン・シウバ、レシオ、シオバスら、出場停止だった主力選手たちが戻って来られるこの試合ではホームのサポーターを喜ばせてあげられるといいのですが。 一方、日曜午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)に同時に試合をするのが残り2つの弟分チームで、どういう偶然か、双方とも木曜にEL16強対決を勝ち抜いたチームと当たることに。ええ、ミチェル監督の続投が懸かっている19位のラージョはゼニトに総合スコア5-2で勝ったビジャレアルと試合で、何せ相手はリーガでは17位と残留ラインギリギリの不調仲間ですからね。ここ4週間、向こうがミッドウィークにも稼働、疲弊していることを考えれば、ラージョが6連敗を脱出するのも不可能ではないかと。 え、それより今注目はCL出場圏4位に堂々、輝いているヘタフェがコパ・デル・レイ準々決勝2ndレグで後半ロスタイムにショッキングな逆転敗退を喰らった相手、バレンシアにリベンジするため、メスタジャに乗り込む一戦じゃないかって?そうですね、その時以来、リーガでは6試合黒星なし、おかげで5位のアラベスとは勝ち点差4、ヨーロッパの大会、できればCL参加が目標の7位のバレンシアとも6差としているボルダラス監督のチームなんですが、気をつけたいのは相手が木曜のクラスノダール戦で後半40分に敗退を意味する先制点を挙げられながら、48分にグエデスのゴールで1-1とし、総合スコア2-3で土壇場の勝ち抜けを決めたこと。 実際、彼らはコパでヘタフェを破った後、準決勝ではベティスも倒して、バルサと相まみえる決勝に駒を進めていますしね。どうもこういう劇的な結末はチームを調子づかせてしまう恐れもあるため、たとえ現在、マタとホルヘ・モリーナが絶好調。柴崎岳選手がベンチ入りもできない程、攻撃陣が充実しているヘタフェとはいえ、油断は禁物です。いやあ、今季はもうマドリッド勢にとってリーガ戦しかありませんし、私も4月5月が長く感じられそうなので、せめて週末ぐらいは手に汗握る好ゲームを満喫させてもらえるといいのですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.03.15 13:45 Fri
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あまりに展開が目まぐるしくて…/原ゆみこのマドリッド

「まさか今、シメオネ監督にそれ訊く? 」そんな風に私が憤慨していたのは月曜の夕方、先週、お隣さんがソラーリ監督即時解任、モウリーニョ監督招へいという独占情報はテレ・マドリッド(ローカルTV局)の勇み足だったことは週末のワンダ・メトロポリターノで会った顔見知りのレポーターに訊いて確認できたんですけどね。週が明けて最初のお昼のニュースではどの局も「ジダン監督からOKが取れ、午後6時からの理事会で復帰決定」と言っていたため、そりゃあ3年間ずっとCL準決勝止まりだった前者より、3連覇した後者の方がいいに決まっていると、レアル・マドリーがアヤックスに逆転敗退を喰らった後すぐ、マルカ(スポーツ紙)のウェブで始まった”La crisis del Real Madrid, en directo/ラ。クリシス・デル・レアル・マドリッド、エン・ディレクトー(レアル・マドリー危機ライブ)”というマッチログ風の記事をチラ見することに。 同時にCL16強対決ユベントス戦2ndレグ前のシメオネ監督記者会見を待っていたんですが、速報の中に「ジダン監督についてどう思うか? 」という質問があったのには驚くばかり。だって、正式発表がまだだったのはともかく、アトレティコは翌日、マドリッドで今季もCL準々決勝が見られるかどうかが懸かった、ユベントスとの決戦を控えているんですよ。「No es oportuno hablar de él /ノー・エス・オポルトゥーノ・アブラル・デ・エル(彼のことを話すのにはいい機会じゃない)」と当人はあっさり流していたものの、彼自身、2016年にはトリノにほど近いミラノでそのジダン監督率いるマドリーに2度目のCL決勝負けしているとなれば、あまりにゲンが悪い質問じゃないですか。 まあ、お隣さんの件についてはまた情報が出揃ってから話すとして、とりあえず先に先週末のリーガの様子からお伝えしていくことにすると。今回、トップバッターを切ったのはそのアトレティコで、いやあ、私も1週間、全て帰りは午前様でしかも結果が惨々だったサンティアゴ・ベルナベウから、春の陽光きらめくワンダ・メトロポリターノを訪れることができて嬉しかったんですけどね。このところ、週1ペースの試合が続いているため、余裕があるアトレティコながら、やはり次に控えるのがユベントス戦であることをシメオネ監督は重視。そのため、コケやゴディンが出場停止の中、モラタやサウール、フアンフランまでベンチスタートにしているって、もしや相手が弟分のレガネスだったのも影響していた? おまけにこの日も省エネのゆとりサッカーを続けていたため、とりわけ前半など、グリーズマンがエリア外から2本程、シュートを撃ったぐらいで、チャンスらしきチャンスもなかったんですが、0-0のまま、ハーフタイムに入りながら、ゴールが期待できる希少なFWを後半頭から温存というのはかなり豪気。でもねえ、この日は何とかなったんですよ。というのも4分もしないうちにコレアがオメロウにエリア内で倒されて、ペナルティをゲットしてくれたためで、PKキッカーはレマルと共にピッチに入ったばかりのサウールが担当することに。 ちなみにそのPKは、「助走に入った時、GKが蹴る方向を読んでいたのはわかったんだけど、変えられなくて。Es verdad que tengo mucha fortuna porque el rechace se me queda para mi/エス・ベルダッド・ケ・テンゴ・ムーチャ・フォルトゥーナ・ポルケ・エル・レチャセ・セ・メ・ケダ・パラ・ミー(弾かれたボールが自分のところに来てとってもラッキーだったよ)」と当人も後で認めていた通り、一旦はレニンに阻止されてしまったんですけどね。こぼれ球を押し込んで先制することができたから、助かったの何のって。 実際、その日のアトレティコはツキにも恵まれていて、ええ、後でペレグリーノ監督が「El penalti me parecio un poco soft para pitarlo/エル・ペナルティ・メ・パレシオ・ウン・ポコ・フォスト・パラ・ピタールロ(私にはペナルティを取るにはちょっとソフトなプレーに見えた)」と言っていたように、オメロウのファールでは即座に笛が鳴ったものの、ヒメネスがセットプレーの空中戦でエン・ネシリの頭を腕で払ったり、後半ロスタイムにもロドリがアルナイスをエリア内で倒しながら、VAR(ビデオ審判)がスルー。おかげで1-0のまま試合は終わり、首位バルサとの差を広げることなく、ファンも不安な思いをすることなしにユベントス戦を待つことになったんですが…。 うーん、やっぱり先週はお隣さんを始め、PSGやローマまで逆転敗退していたのが影響したんでしょうかね。レガネスに勝利した後、ピッチで選手たちがスタンドに拍手で感謝していた辺りまでは普通だったんですが、そのまま全員で場内一周を始めるって、いやもう、優勝決定後やそのセレモニーなどの時以外、私だって、見たことありませんって。まあそれだけ、彼らも激戦となるのは必須の火曜午後9時(日本時間翌午前5時)からのユベントスとの2ndレグに向けて、ファンからエネルギーをもらいたかったということでしょうが、やっぱりちょっと、アトレティコって特殊かも。 そして月曜にはトーマスとジエゴ・コスタ、出場停止の2名を除き、20人の選手がイタリアに向かったんですが、何よりの朗報は先週の練習中、足を打撲したゴディンが「Está bien, seguramente jugará mañana/エスタ・ビエン、セグラメンテ・フガラ・マニャーナ(状態はいい。明日はプレーするだろう)」と、記者会見でシメオネ監督のお墨付きをもらったこと。ええ、1stレグを2-0で勝っているアトレティコは0-0でも、1-1でも、1-0で負けても準々決勝進出が決まるため、とにかく敵に複数のゴールを許さないのが肝要となれば、守備陣の要であるキャプテンの存在は何より力強いかと。 負傷でリュカとフィリペ・ルイスがいない左SBもレガネス戦をカンテラーノ(アトレティコBの選手)のソラーノから、アリアス、サウール、フアンフランと交代で賄えたため、先発予定のフアンフランも余力を残していますしね。ファン的には、できれば1stレグの後、「自分はCL優勝5回、アトレティコはゼロ」と、ワンダのミックソゾーンでアトレティコを馬鹿にして去って行ったクリスチアーノ・ロナウドにギャフンと言わせてやりたいっていうのが、本音になるかと思いますが、果たしてその望みは叶うでしょうか。 一方、またしても兄貴分のホームでは歯が立たなかったレガネスですが、こちらはある程度、ペレグリーノ監督もそれを見越していたか、オスカル、ジョナタン・シウバ、シオバス、レシオら主力の4人が累積警告で出場停止という名の休養を取ることができたのはプラス要因。順位も13位のままですし、降格圏まで勝ち点差8あるため、土曜のジローナ戦で仕切り直しをしてくれればいいと思いますよ。 そしてその日はワンダからメトロとセルカニアス(国鉄近郊路線)を使って、コリセウム・アルフォンソ・ペレスへ移動した私だったんですが、その間、いえ、カンプ・ノウでバルサを迎えていたラージョは前半25分にラウール・デ・トーマスの個人技からのゴールで先制していたんですけどね。終わってみれば、相変わらず守備の綻びが災いし、ハーフタイム前にはFKからピケのヘッドで同点にされると、後半にはメッシのPKゴール、そして終盤にもルイス・スアレスに決められ、3-1で逆転負けしてしまうことに。 そのせいか、ヘタフェが迎えた最下位ウエスカもラージョを追い抜く可能性があったため、前節はセビージャも倒した窮鼠猫を噛む勢いをそのままぶつけてきたんですが、いやあ、もしかしたらこのマドリッドの優秀な弟分は冗談でなく、来季CLの舞台を踏むことになるかも。というのも前半34分にはチュミのパスからガジェゴに先制ゴールを挙げられ、リードを許してしまったんですが、後半にはCFの片割れをアンヘルからホルヘ・モリーナに変更。するとどうでしょう、たったの5分でマタが敵DFに当たって入るラッキーな同点弾を決めたかと思えば、31分にはジェネがエリア内でガランに倒されてPKをゲット。 それもマタが沈め、30歳で初めてプレーするリーガ1部でのゴールを13得点に増やすのを見た日にはイアゴ・アスパス(セルタ)が負傷中の今、ルイス・エンリケ監督が今週の金曜、3月のスペイン代表戦用に彼を招集しないなんてありえない? そのまま、こちらもアランバリのペナルティがスルーされたおかげもあって、2-1で逆転勝利したヘタフェは同日、お昼の試合で再び乾貴士選手がゴールを挙げながら、昨季まで当人がいたエイバルと1-1で5位のアラベスが引き分けていたため、勝ち点差を4に拡大。加えて、日曜に試合をする3位の兄貴分マドリーと3差になったとなれば、4月のミニダービーでは「enfrentamiento directo/エンフレンタミエントー・ディレクトー(直接対決)」という単語がメディアに踊るのも夢じゃありませんって。 これまでは1部残留の目標しか口にしなかったボルダラス監督もさすがにこの勝利で勝ち点45になった後は、「Hay que ir partido a partido hasta ver donde somos capaces de llegar/アイ・ケ・イル・パルティードー・ア・パルティードー・アスタ・ベル・ドンデ・ソモス・カパセス・デ・ジェガール(自分たちがどこまで届くか、1試合1試合行くしかない)」と視線が上を向いてくれましたしね。こうなるとますます、この過不足のないチームに柴崎岳選手が入る余地がなくなってしまうのが残念なんですが、さて。 次節はコパ準々決勝2ndで強烈な逆転突破をしてくれたバレンシアに再び、メスタージャでリベンジする機会もありますしね。コリセウムのサポーターたちも再昇格から、たったの2シーズンでかつてシュスター監督も、ラウドルップ監督も、ミチェル監督も成し遂げられなかった最上のヨーロッパの試合を来季、目の前で楽しめるんじゃないかとワクワクしている雰囲気がこの日はスタンドから痛いぐらい伝わってきましたよ。 え、でもいくらヘタフェが調子いいからといって、マドリーが弟分に抜かされるなんてことはありえないんじゃないかって? そうですね、翌日のバジャドリー戦が始まるまでは私もそう思っていたんですけどね。先週のアヤックス戦でCL敗退が決まった後、ロッカールームでペレス会長と口論したり、木曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)で選手だけの反省会を開いたり、セッション中にはマルセロとやり合うなど、ここ数日で種々の逸話を残したセルヒオ・ラモスは出場停止。それにも関わらず、自家用車で駆けつけ、ホセ・ソリージャのパルコ(貴賓席)で応援していたという、その試合の前半30分までは、真剣に彼らが2003-04シーズン以来の4位で終わるかもしれない恐怖を感じたファンは少なくなかったかと。 だってえ、前半12分にオドリオソラがオスカル・プラノを倒し、早々に献上したPKこそ、アルカラスが天高く撃ち上げてコトなきを得たものの、15分、19分と続けて、この冬、ヘタフェから移籍したセルジ・グアルディオラにゴールを決められ、VAR判定オフサイドで命拾いしているんですよ。それでもとうとう、26分にはケコのクロスをグアルディオラがゴール前のアヌアルに送り、先制点を奪われてしまったとなれば、どうしたらいいものか。幸い、33分にはGKマシップがCKのクリアに失敗、落ちたボールをいい場所にいたヴァランがゴールにして、同点で折り返したマドリーでしたが、この日はヴィニシウスに加え、ベイルやルーカス・バスケス、カルバハルもケガでおらず。 あまつさえイスコなど、アヤックス戦当日にベンチ外になったことを聞くやいなや、試合前のミーティングをパス、ベルナベウに向かうチームバスにも乗らなかったせいで、ソーラリ監督ともクラブとも完璧に決裂し、ベンチにいたアタッカーは冬に入団したばかりのブライムとRMカスティージャ(マドリーのBチーム)のクリストだけでしたしね。後半は一体、どうなるんだとヤキモキさせられましたが、バジャドリーがまさかの自滅をしてくれるとは! ええ、6分には今度はオスカル・プラノがオドリオソラにペナルティを犯し、ベンゼマのPKで逆転したマドリーは13分にも彼がCKからヘッドで決めてリードを拡大。最後は39分にベンゼマのパスからモドリッチも得点し、1-4と久々に余裕のスコアで勝利したんですが…「Hicimos goles que nos hubieran venido bien en otros partidos/イシモス・ゴーレス・ケ・ノス・ウビエラ・ベニードー・ビエン・エン・オトロス・パルティードス(他の試合で出ればウチにいい結果をもたらしたであろうゴールを挙げた)」というソラーリ監督の言葉を待つまでもなく、後悔先に立たずなのは明白でしたっけ。 実際、このバジャドリー戦では勝っても負けてもソラーリ監督の解任は決まっていたようで、翌月曜午前中の練習では選手たちに別れを告げたと報じられていましたが、まさか夕方のクラブ理事会の直後、午後8時からジダン監督就任プレゼンがベルナベウであるとは! でも大丈夫、この原稿を書きだしていたため、その場に足を運ぶことはできなかった私ですが、本当にいい時代になりましたね。”世界一”のクラブにかつては世界最高の選手とも謳われ、Undecima(ウンデシマ/11回目のCL優勝のこと)、Duodecima(ドゥオデシマ/同12回目)、そしてDecimotercera(デシモテルセーラ/同13回目)をもたらした英雄が8カ月ぶりに戻って来るとなれば、tdp(スペイン国営放送スポーツチャンネル)でもGoal TV(スペイン民放)でも、全国スポーツ紙のサイトでも生中継があるのは当然だった? いやあ、バルサ相手にコパ・デル・レイ準決勝敗退、そしてリーガ・クラシコでも負けて逆転優勝が絶望的に、更に最後の望みだったCLでも敗退した直後、クラブから電話をもらい、一旦断ったジダン監督は2度目の説得で今シーズン終了後のチーム改革を条件に2022年までの契約を結んだようで、その理由は「会長から呼ばれたから戻った。Como quiero al presidente y al club estoy aquí/コモ・キエロ・アル・プレシデンテ・イ・アル・クルブ・エストイ・アキー(自分は会長とこのクラブが好きだから、ここにいる)」とのこと。 要は愛するクラブの窮状を見かねてといったところでしょうが、不思議ですよねえ。あの穏やかな笑顔で話しているのを見るだけで、ファンがリーガ残り11試合に期待が持てるようになるというのはやっぱり人徳の致すところ? 「チームは変わらないといけないが、それは来季に向けて。今はいい形でシーズンを終えたい」という彼は火曜から、土曜のセルタ戦に備えて練習の指揮を執りますが、これはヘタフェに強敵出現です。もちろん現在、勝ち点5差つけている2位のアトレティコも決して油断できませんが、まずは試合前に世間の注目を奪われてしまった悔しさを火曜のユベントス戦で晴らしてくれるといいのですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.03.12 15:50 Tue
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明日は我が身とならないように…/原ゆみこのマドリッド

「要は2点差の先勝なんて全然、当てにならないってことじゃない!」そんな不安が私の中に沸き起こったのは水曜日、オールド・トラフォードでのCL16強対決1stレグに0-2と先勝していたPSGがホームでマンチェスター・ユナイテッドに1-3と負け、総合スコア3-3のアウェイゴール差で逆転敗退したのを夜のサッカー番組で知った時のことでした。いやあ、その日は1stレグにホームで2-1と勝っていたローマが延長戦の末、カシージャスとペペ、オリベル・トーレスとアドリアンといったマドリッドの両雄に在籍した選手がいるため、親近感がなくもないポルトにエスタディオ・ド・ドラゴンで3-1を喫し、総合スコア3-4で姿を消すなんてこともあったんですけどね。 それどころか、アウェイで1-2という僅差勝利ながら、格付け的に絶対有利だったお隣さんなど、前日に総本山のサンティアゴ・ベルナベウでアヤックスにまさかの逆転突破を許すという大失態が犯していたとなれば、もしかしてワンダ・メトロポリターノではユベントスに堂々2-0で完勝。クリスチアーノ・ロナウドにいい恰好もさせなかったし、アトレティコには頼りになるGKオブラクもいるため、来週火曜にトリノである2ndレグではそれ程、心配をしなくてもいいだろうという私の見通しはとんでもなく甘いものだった? いえ、その前に先週のコパ準々決勝2nd、リーガとクラシコ(伝統の一戦)連敗のショックから、わずか3日後、レアル・マドリーのCL決勝トーナメント、今季最初で最後となったホームゲームがどんなだったか、お伝えしていかないといけません。うーん、これで3試合連続の満員御礼となったスタンドはやはり、4連覇の懸かった大会とあって、fondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側)に大きな垂れ幕やモザイクが復活していたんですけどね。開始4分、バランのヘッドがゴール枠に弾かれてしまったのがケチのつき始めだったかと。 するとその2分後、タディッチにクロースがボールを奪われ、ナチョも止められずにラストパスがジエィフに。ヨハン・クライフ・スタジアムでもアヤックスの1点を挙げていた彼が先制ゴールを決めてしまったから、驚いたのなんのって。それでもまだ勝っていたマドリーだったため、スタンドも平静を装っていたんですが、18分、またしてもタディッチが今度はネレスにラストパスを供給し、「Nuestra idea era marcar 2 goles/ヌエストラ・イデア・エラ・マルカル・ドス・ゴーレス(ボクらの考えは2ゴールを決めることだった)。あんなに早くできるとは思わなかったけどね」(タグリアフィコ)という、アヤックスの夢想していた通りの展開になるなんて一体、誰に想像できた? そこへ更なる災厄がマドリーを襲い、うーん、ジダン監督の時もロペテギ監督の時も控えが多かったルーカス・バスケスですからね。土曜のバルサ戦ではベンチ待機でお休みをもらっていたものの、今年になってスタメン出場が続いていたのに筋肉が悲鳴を上げたか、29分にはハムストリングの肉離れを起こし、ベイルと交代することに。おまけにその4分後には、「スタートダッシュは相手に勝ったんだけど、タックルからは逃れられなかった」というビニシウスも右足首の靭帯断裂でアセンシオとチェンジ。いやまあ、それでも2014年CLリスボンでの決勝では開始9分でエースのジエゴ・コスタを負傷で失った、どこぞのチームよりすっとましで、何せ今季はBBC(ベイル、ベンゼマ、ロナウドの頭文字)改め、BBA(同ベイル、ベンゼマ、アセンシオ)でシーズンを始めたマドリーですからね。 まだ大丈夫なんじゃないかと思っていたところ、41分にはベイルが得意の左サイドから駆け込んで撃ったシュートまでゴールポストを直撃してしまうとは、あ、これって本当に運が悪いかも。実際、後半も状況は改善せず、17分にはファン・デ・ベークが繋ぎ、それまでアシスト役だったタディッチが3点目のゴールをゲット。しかもその事前のプレーでボールがサイドラインから出ていた疑いがあり、審判がたっぷり4分間程もVAR(ビデオ審判)と連絡を取った挙句、得点を認めるというオチだったとなれば、もう己のツキのなさを恨むしかありませんって。 え、でも25分にはレギロンのパスから、アセンシオが反撃の狼煙となるゴールを挙げ、fondo norte/フォンド・ノルテ(ゴール裏北側)3、4階席で飛び跳ねていたオランダ人たちに圧倒されていた観客もお家芸のremontada(レモンターダ/逆転劇)を期待、ちょっとは盛り上がったんだろうって?まあ、そうなんですが、それから2分も経たない時のことでした。左サイドからシューネが蹴ったFKにGKクルトワの長い手も届かず、アヤックスが4点目を奪ったのは。おかげで後程、ベルナベウの駐車場を出る時には「No paras ni un taxi, vete al Atleti/ノー・パラス・ニ・ウン・タクシー、ベテ・アル・アトレティ(タクシーさえ止められない。アトレティコに行っちまえ)」と心無いマドリーファンから、当人も罵られたりもしていたものの、いや、失点はGKのせいだけじゃないですからね。 結局、その後は「No nos ha alcanzado el esfuerzo que hicimos/ノー・ノス・アルカンサードー・エル・エスフエルソ・ケ・イシモス(ウチの努力が届かなかった)」(ソラリ監督)というマドリーは追加点を挙げることなく、ロスタイムにはファールでイエローカードをもらったナチョが無力感からか、口が滑って即座に2枚目を提示され、退場になってしまったように、その日のマドリーは守備陣を始めとして、何もかもがガタガタ。それこそ、テン・ハグ監督が前日に「セルヒオ・ラモスがいないのは大出血を招く」と言っていた通り、1stレグでの勝利で過信して、累積となるイエローカードゲットでこの試合の出場停止を狙ったことが裏目に出たのは火を見るより明らかだったかと。 うーん、当人には昨季も準々決勝ユベントス戦で0-3と先勝した後、2ndレグで自発的出場停止になった過去が。その時は総合スコアで同点に追い詰められた後半ロスタイム、ルーカス・バスケスがペナルティを受け、ロナウドがPKゴールを決めるまで延長戦突入の危険にあったチームをハラハラしながら、パルコ(貴賓席)で見守っていたはずなんですけどね。まさか、アマゾンで放送するドキュメンタリーの撮影(https://bit.ly/2XIxF4s)予定があったため、その苦い経験を忘れてしまったなんて思いたくはありませんが、まさにこれって、後悔決して先に立たず? それでも1-4で負け、総合スコア3-5でCL敗退が決まった後には、「Claro que echamos en falta a nuestro capitan/クラーロ・ケ・エチャモス・エン・ファルタ・ア・ヌエストロ・カピタン(もちろん、ウチはキャプテンを必要としていた)」と嘆くソラリ監督やチームメートを慰めるためにロッカールームに降り、この失態の責任は選手たちにあると叱責していたペレス会長と鉢合わせ。「夏の間にFWを取ってと言ったはず。自分たちが全部悪い訳じゃない」と反論したところ、放出してやると脅される破目に。「だったら、契約年数分の年棒を払ってくれれば、胸を張って出ていくよ」と、ラモスが啖呵を切ったなんて裏話も翌日には出てきたんですけどね。 とはいえ、残った現実は試合中、誰か落ちる人がいたら怖いなと思う程、力のこもった応援を続け、チームが「サッカーの専門家も誰も信じていなかったが、応援に来た4000人のサポーターと我々だけは信じていた」(テン・ハグ監督)歴史的勝利を挙げた後もずっと、ピッチで喜ぶ選手たちと「Ramos bedankt!(ラモス、ありがとう)」と歌いながら、お祝いをしているアヤックスファンの声が響く中、マイクの前でカルバハルが「Llevamos una temporada de mierda/ジェバモス・ウナ・テンポラーダ・デ・ミエルダ(ボクらは最悪のシーズンを送っている)」と吐き捨てていた通り、この1週間でコパもリーガも最後の命綱、CL優勝の目も失ってしまったという辛いもの。 ミックスゾーンに現れたルーカス・バスケスも「この状態を受け入れるのは難しいけど、vamos a acabar la temporada de la mejor manera posible/バモス・ア・アカバル・ラ・テンポラーダ・デ・ラ・メホール・マネラ・ポシーブレ(今季をできるだけいい形で終えたい)」と言っていましたが、いやあ久々ですねえ。マドリーのヨーロッパの試合が3月に終わってしまうなんてことは。それこそ2005年から2010年の6年間はずっと、16強敗退が続いていたため、私もそんなものかと思っていたんですけどね。その後のモウリーニョ監督時代は3年連続準決勝進出、続く5年間では4度の優勝とCLを長い期間、楽しむことができていたため、この先、ベルナベウでリーガしか見られない2カ月以上をどう過ごしたら、いいものやら。 そのリーガも首位バルサと勝ち点差12となり、逆転優勝と言うのもおこがましくなってしまったため、世間ではお決まりの次期監督候補の名前が次々と飛び交う始末。どうやら木曜の朝はジダン監督再招聘案が有力だったようですが、夜にはテレ・マドリッド(ローカルTV局)がソラリ監督即時解任、モウリーニョ監督の復帰がほぼ確定と断言するまでになっていましたが、こればっかりはねえ。 とにかく今の彼らにできることは、他局がソラリ監督にとって、最後の試合になるだろうと言っている週末日曜、午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からのバジャドリー戦でこのビッグウィーク全敗の悪いイメージを払拭することぐらいですが、恐れていた通り、ビニシウスは全治2カ月、ルーカス・バスケスも1カ月の重傷。おまけに翌日にはカルバハルまで右太もも肉離れを起こしていたことが発覚し、ベイルもアヤックス戦の終盤に足首を痛めていたとなれば…クロース、カセミロ、モドリッチも疲労困憊していますし、これまであまり出番のなかったイスコやマリアーノ、セバージョスといった選手たちに期待するしかありませんかね。 そして目標が来季のCL出場圏獲得だけになってしまったマドリーが今後、気に懸けないといけないライバルの1つ、現在、勝ち点差6で栄えある4位に鎮座している弟分のヘタフェはこの土曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに最下位のウエスカを迎えるんですが、実は彼らがこんな高みいるのには訳があって、2月にコパ準々決勝2ndでバレンシアに手痛い後半ロスタイムの逆転敗退を喰らって以来、リーガ5試合で黒星がないんですよ。おまけにホルヘ・モリーナとマタの両エースが絶好調で、失点も兄貴分のアトレティコに次ぎ、リーガで2番目に少ないとなれば、前節はセビージャに2-1で勝利。19位との差を勝ち点1に、残留ラインの17位セルタとも勝ち点差3に詰め、勢いに乗っているウエスカとはいえ、勝つのは至難の技かと。 それはすでに週明けにはミチェル監督を解任と報じられた、マドリッド勢唯一の降格圏在住者、19位のラージョのためにもなるため、喜ばしいことですが、何せ彼ら自身は土曜にカンプ・ノウでのバルサ戦ですからね。とにかく先日のジローナ戦を見る限り、私もあまり楽観的なことは言えないんですが、そこは9試合連続白星なしの後、いきなりベルナベウでマドリーに勝ってしまったジローナみたいな例もなきにしろあらず。まだ12試合もあるんですから、希望を失ってはいけませんよ。 そして土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)にワンダにレガネスを迎えてミニダービーに挑むアトレティコはいうと、いやあ、また週1試合ペースに戻ってしまいましたからね。毎日、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場で汗を流しているんですが、時間があるのをいいことに、シメオネ監督はリーガ用と来週火曜のCL用の2種類のスタメンを用意しているよう。まず、レガネス戦では前節退場したコケと累積警告のゴディンが出られないのは仕方ないんですが、中盤にロドリゴ、トマス、ビトロ、コレアを配置。前線も足の付け根を痛めたジエゴ・コスタがまだのため,グリーズマンとコンビを組むのはカリニッチにして、3月の各国代表戦後まで戻れないヒザを痛めたリュカ、前節ふくらはぎを痛めたフィリペ・ルイスら負傷者で欠員となる左SBにはカンテラーノ(アトレティコBの選手)のソラーノを当てる予定だとか。 翻って、ユベントス戦1stレグでの品のないポーズにも関わらず、幸いUEFAからの処分が罰金2万ユーロ(約250万円)のみに留まり、トリノでもベンチに入れることになったシメオネ監督は、そちらで出場停止のトマスをコケ、同ジエゴ・コスタをモラタで補うんですが、この大一番の左SBはファンフランに任せるよう。うーん、最近、ケガばかりしているフィリペ・ルイス同様、今季で契約が切れる30代の彼ですが、こちらはすでに1年延長のオファーが届いたみたいですしね。そのポジションにあまり馴染めず、文句を言っていたサウールにシーズン終了後売却の噂が出ているのを見てもやっぱり、黙って仕事をする選手には報いがあるってことでしょうか。 一方、前節レバンテ戦の勝利で11位、ヨーロッパリーグ出場圏の6位までも勝ち点差4と着々と上昇しているレガネスは今回、主力に欠場者が多数出る見込み。ええ、累積警告での出場停止がオスカル、レシオ、シオバス、GKクェジェルと4人もいる上、キャプテンのブスティンサ、ジョナタン・シウバがケガでプレーできないからですが、心強いのは大型FWエン・ネシリの復帰かと。うーん、水曜の練習でアトレティコはユーベ戦に備えて、ハイボールのクリアを集中的に練習していたとスポーツ紙で読んだんですが、これはレガネス戦にも有効ですからね。何はともあれ、春の到来を前にマドリッドから全てのCLがなくなってしまわないよう、ケガ人を出すことなく、尚且つ首位との距離を現在の勝ち点差7以上、離されないように終えてもらえるといいんですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.03.08 20:05 Fri
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