黄金時代再来の道のりは遠い…/原ゆみこのマドリッド2018.11.20 15:15 Tue

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▽「これで来年3月までお別れね」そんな風に私がホッとしていたのは日曜の夜、今年最後のスペイン代表の試合が終わった時のことでした。いやあ、その日は昼間にあったネーションズリーグ・リーグAのグループ4の最終戦でイングランド代表がファイナルフォー進出を決定。相手のクロアチア代表は先週木曜にザグレブでスペインが対戦した時同様、クラマリッチ(ホッフェンハイム)のゴールで先制したものの、スローインからリンガード(マンチェスター・ユナイテッド)に同点にされたため、その時点ではスペインにも1位で終われる可能性があったんですけどね。残り6分にハリー・ケイン(トッテナム)に決勝点を奪われ、イングランドの逆転勝利となったため、昼食後、ラス・パルマス(カナリア諸島)のホテルで経過を見守っていたスペイン代表の選手たちも来年6月、ポルトガル代表、スイス代表、オランダ代表の間で争われる準決勝、決勝の心配をしなくて済むことに。

▽え、だったらもうさっさと頭を切り替えて、それこそその日の親善試合のライバルだったボスニア・ヘルツェゴビナ代表のようなレベルのチームから、確実に勝ち点を奪っていくことが必要となる来年3月からの2020年ユーロの予選を想定した戦い方を見せてくれても良かったんじゃないかって? まあ、そうですが、その予選の組み合わせ抽選自体が12月2日とまだ先で、しかも予選参加55チーム中、半数近い24チームが本大会に行くため、予選グループ2位までが通過となれば、どう考えてもユーロ不参加はありえないかと。

▽そうとなれば、今現在のチームに危機感が少ないのは当然のことで、2007年以来の生で代表戦をみる機会を得た地元のファンだって、エスタディオ・グラン・カナリア(2部のラス・パルマスのホーム)にかなり空席を残しましたからね。先々のことを考えて、ルイス・エンリケ監督がクロアチア戦からイスコ、セバージョス(レアル・マドリー)以外の先発メンバーを総取っ替え、GKまでケパ(チェルシー)とパウ(ベティス)の両控えを使って、今回招集された選手全員が出場できるようにしたのも理解できますが…その結果、ボスニア・ヘルツェゴビナ戦のスペインがU-21代表並に馴染みのないチームになっていたのも決して、否定はできませんでしたっけ。

▽ちなみにその試合がどんなだったか、お伝えしていくことにすると、うーん、キックオフ前にカナリア諸島出身のご当地選手、2008年から2012年までの国際メジャートーナメント3連覇に貢献し、昨夏のW杯を最後に代表引退をしたシルバ(マンチェスター・シティ)が125キャップを称える記念ユニを贈呈され、始球式をしていたのはいかにも一時代が終わったようで象徴的。おまけに平均年齢24歳71日という滅多にない若いスタメンだったため、イスコがキャプテンって、何だか違和感がない?

▽いえ、ルイス・エンリケ監督も後で「Lo del brazalete es anecdótico, es el jugador con más internacionalidades sobre el campo/ロ・デル・ブラサレテ・エス・アネクドティコ、エス・エル・フガドール・コン・マス・インテルナシオナリダーデス・ソブレ・エル・カンポ(キャプテンマークのことは大したことでなく、ピッチで一番代表戦出場数が多い選手がなる)」と説明していましたけどね。試合前など、前日記者会見で喋ったサウール(アトレティコ)がたったの15試合でキャプテンになるんじゃないかなんて噂されていたことを思えば、35試合のイスコでまだ良かった? とにかく11人、全員合わせても97試合となれば、選手の名前と顔が一致しないファンがいても仕方なかったかと。

▽そんな様変わりしたスペインでしたが、太ももの筋肉痛を押してクロアチア戦に出場していたセルヒオ・ラモス(マドリー)が早帰り。土曜には故郷のセビージャでスペイン純血種馬の品評会で自身が所有するユカタンが優勝する姿を楽しむ姿も目撃されたりもしたんですが、この日、CBコンビを務めた代表デビューのエルモソ(エスパニョール)と2年ぶりに2度目の出場となったディエゴ・ジョレンテ(レアル・ソシエダ)はどちらもまずまずだったような。

▽何せ相手にはジェコ(ローマ)という、一流FWがいましたからね。もちろん、2020年のネーションズリーグではリーグAでプレーすることを決めたばかりのボスニア・ヘルツェゴビナも親善モードではあったものの、ロシアでのW杯に続き、今回また非難の的となっているデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)と代わったケパやパウがparadon(パラドン/スーパーセーブ)を披露する必要もありませんでしたしね。ロドリ(アトレティコ)が立派にブスケッツ(バルサ)の代理を務めたこともあり、敵を無失点に抑えられたのは良かったんじゃないでしょうか。

▽一方、変わらず湿っていたのは前線で、この日、CFとして入ったモラタ(チェルシー)には後半12分、アセンシオ(マドリー)のシュートがGKサヒッチ(エルズムルスポル)に弾かれて、ボールが目の前に落ちるというラッキーがあったんですけどね。足を上手く合わせられず、シュートをゴール上に飛ばしてしまうという信じられない光景が。結局、彼やスソ(ミラン)、セバージョスらが退いた後、フォルナルス(ビジャレアル)の起爆剤的効果もあった33分、弾かれたイスコのシュートをブライス・メンデス(セルタ)が蹴り込んで、ようやくスペインは1点を挙げることに成功。こちらもデビュー組で、私もあまり知らない選手なんですが、リーガ前節、4-2で負けたマドリー戦でセルタの2点目を決めた21才のサイドアタッカーです。

▽そしてそのまま試合は1-0で終わったんですが、貧乏クジを引いた選手が1人だけいて、それはルイス・エンリケ監督がセルタを率いていた時代に起用したこともあるという理由で、10月のイングランド戦に続き、負傷でカルバハル(マドリー)のいない右SBをやっていたジョニー(ウォルヴァーハンプトン)。ええ、後半が始まってすぐ敵のタックルで倒され、その場はアスピリクエタ(チェルシー)が引き継いだものの、検査でヒザの靭帯部分断裂が判明したとか。うーん、彼は夏にアトレティコ加入が決まり、今季はレンタル移籍して、プレミアリーグで修行している、将来はフィリペ・ルイスの後を継ぐ予定の左SBですけどね。とにかく今は早い回復を祈っています。

▽え、「yo creo que la selección tiene buena pinta/ジョ・クレオ・ケ・ラ・セレクシオン・ティエネ・ブエナ・ピンタ(代表はいい感じに見える)」とルイス・エンリケ監督は試合後、満足感を示していたけど、次にスペインを見る時はもっとゴールがガンガン入るチームになっていてほしいって? そうですね、これからの4カ月間でFWたちの調子も上がったり下がったりするとは思いますが、今回は呼ばれなかったジエゴ・コスタ(アトレティコ)やパコ・アルカセル(ドルトムント)もいますし、モラタ、ロドリゴ(バレンシア)、イアゴ・アスパス(セルタ)らにはもっともっと、精進をしてもらいたいところ。だってえ、ルイス・エンリケ監督就任以来のトップスコアラーは4得点のラモスなんですよ。あのスペイン黄金時代のビジャ(ニューヨーク・シティ)やフェルナンド・トーレス(サガン鳥栖)のように頼りになるエースがやっぱり、チームにはいてほしいですよね。

▽そしてマドリッド勢のクラブにもちょっと触れておくと、土曜にエイバル戦を控えるマドリーには各国代表選手が月曜に6人帰還。今のところ、誰かがケガをして帰って来たという話は聞きませんが、日曜のネーションズリーグのスイス戦で5-2と逆転負け、先月のクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)に続くmanita(マニータ/5失点のこと)を喰らい、ベルギーのファイナルフォー進出も逃してしまったGKクルトワは落ち込んでいるかも。月曜のオランダ戦で土壇場にオランダに2-2と追いつかれ、ネーションズリーグAの4試合、1勝もできずにリーグBに降格してしまったドイツのクロースもイングランドに負け、ファイナルフォーへの希望が一気に降格の悪夢に変わってしまったモドリッチ同様、あまりいい気分ではないはずです。

▽え、それはスペインのように漁夫の利を待っていながら、オランダに直接対決のアウェイゴール差で1位を奪われ、W杯チャンピオンながら、ファイナルフォー行きを逃したフランスのヴァランも同じだろうって? そうですね、とはいえ、スペインのフォルナルスも「cuando no depende de ti mismo no puedes esperar nada de los demás/クアンドー・ノー・デペンデ・デ・ティ・ミスモ・ノー・プエデス・エスペラール・ナーダ・デ・ロス・デマス(自分たち次第でない場合、他人の助けを待つことはできない)」と言っていましたし、自力で突破を決められなかったのが元凶。お隣さんのグリーズマンもそうですが、ここは諦めが肝心かと。

▽ちなみに代表戦と言えばいつもケガが心配になるベイルですが、こちらは金曜のデンマーク代表戦でフル出場、リーガA昇格を達成する勝利には繋がらなかったものの、1ゴールを挙げ、火曜のアルバニア代表との親善試合にも参加してから、戻って来るのだとか。同日にはフランスもゴディンやヒメネスのアトレティコ勢はいないとはいえ、ルイス・スアレス(バルサ)やカバーニ(PSG)のウルグアイと顔を合わせますしね。せっかくカルバハル、マルセロ、マリアーノに加え、バジェホの回復も進んでいるマドリーだけに代表戦の犠牲者はラモスだけに留めて、これ以上、ケガ人が増えることだけは避けてもらいたいですよね。

▽一方、土曜にバルサをワンダ・メトロポリターノに迎えるアトレティコは、いやあ、月曜にはサウールとロドリがチームに合流したんですけどね。マハダオンダ(マドリッド近郊)での夕方からの練習は全員、ジムごもりだったため、一番の懸念の種、負傷禍で全滅した4CBたちの回復具合も確かめられず。先週の様子だとヒメネスとリュカにはプレーできる可能性がありそうですけどね。あとはグリーズマンの帰還待ちで、コケとレマル、そしてジエゴ・コスタは3位のアトレティコが勝ち点差1でバルサに挑む首位決戦に出場できるんじゃないでしょうか。

▽そして弟分たちもレガネスは金曜のアラベス戦、ラージョは土曜のバレンシア戦、ヘタフェは日曜のアスレティック戦に向けて月曜から、またトレーニングを開始したんですが、とりあえず今のところはあまり目立ったニュースも聞こえてこず。バレンシア以外は各国代表に出向している選手も多くないため、2週間、地元でじっくり練習できた強みがあまり生かせないのは残念ですが、また試合が近くなったら、いい知らせもあるかもしれませんよ。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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勝てばいいって訳ではないけど…/原ゆみこのマドリッド

「自覚があるのはありがたいわね」そんな風に私が感心していたのは月曜日、いよいよ2日後に迫ったCL16強対決ユベントス戦前にUEFA.comに載ったグリーズマンのインタビューを読んだ時のことでした。曰く、「Sé que soy alguien importante/セ・ケ・ソイ・アルギエン・インポルタンテ(自分が大事な存在なのは知っている)。だから全力を尽くして、クラブができるだけ遠くまで行けるように助けるよ」と言っていたんですが、まさにその通り。実際、このところのアトレティコは彼以外、誰もゴールを挙げてくれませんからね。 おまけに1本決めても先日のマドリーダービーのように2本目が入らなかったため、最後は1-3で負けてしまうなんて痛い経験も身近にしているため、レアル・マドリーから移籍して1年目のユベントスですでに19ゴール。セリエAのピチチ(得点王)として君臨しているクリスチアーノ・ロナウドをワンダ・メトロポリターノに迎えるにあたっては、倍以上となる他のチームメートたちとの年棒格差を鑑みてもグリーズマンには最低、2ゴールは期待したいところですが、何せ高給取りだからといって、常に高パフォーマンスが保障されている訳でないのがサッカーですからね。 それこそ土曜のエスタディオ・バジェカスでなど、どの選手をとっても相手より、桁違いで稼いでいながら、アトレティコはピッチでその差を見せられなかったんですが、まずはそのラージョとのミニダービーの様子からお伝えしていくことにすると。いやあ、1月半ばにコパ・デル・レイ16強対決で敗退して以来、ずっと週1ペースで試合をしていた彼らなんですが、やっぱりミッドウィークに練習しかしていないのが悪影響しているんでしょうかね。この日も開始早々、サウールのヘッドが外れた後はスピード感ゼロのプレーを延々と披露。 加えてサウール、ビトロ、コレア、フィリペ・ルイスらが次から次へとボールロストのオンパレードとなれば、いくら「来た当初は敵陣に残ってボールを待つ方が良かったけど、ここでは全員が働かないといけない。ボールを取り戻して、攻撃の起点になってと、チームメートを守備でも助ける。Al final te acaba gustando/アル・フィナル・テ・アカバ・グスタンドー(最後はそれが好きになるんだよ)」と話していたグリーズマンだって、いつかはパスミス、キープミス前提のサッカーに疲れてしまわない? それは何度も守備ラインを突破され、エンバルバやラウール・デ・トマスのシュートを弾くことになったGKオブラクも同じじゃないかと思うんですが、一向に点が入らなかったため、後半15分までには両チーム共、2人の選手を交代。アトレティコは待望のジエゴ・コスタが足の手術後、7年前、レンタルでお世話になったバジェカスのスタンドから温かい拍手を浴びて初出場となったんですが、どちらのためにもならない不毛なスコアレスドローの結末が近づく中、後半28分のことでした。ようやく均衡が崩れたのは。 いやあ、フィリペ・ルイスが左サイドからクロスを入れた時、モラタはオフサイドの位置に立っていたんですけどね。それをアブドゥライ・バが頭でクリアしたため、線審の旗は上がらず、真下に落ちたボールをモラタがグリーズマンに繋いだところ、そのシュートがアマトに当たってゴールになったとなれば、それまで声を枯らして応援していたラージョファンたちが呆気に取られてしまったのも無理はなかったかと。おかげでロスタイムにはアブドゥライ・バの強烈ヘッドをオブラクのparadon(パラドン/スーパーセーブ)で凌ぎ、0-1の勝利で何とか、ベティス戦、マドリー戦の連敗を終わらせることができたアトレティコでしたが、でもねえ。 格下の弟分からrebote(レボテ/リバウンド)のラッキーゴールしか奪えず、おまけに次は2012年以来、ずっとイタリア王者に君臨しているユベントスを迎えるとあって、チームの調子を心配されてしまうのは当然のこと。そこを「いいプレーをするのを好むチームは悪いプレーをしても決勝に勝ちたいと言うが、nosotros queremos ganar siempre/ノソトロス・ケレモス・ガナール・シエンプレ(ウチは常に勝ちたい)」という言葉でシメオネ監督が済ましてしまったのはもしや、彼自身もチームがあんなひどいプレーばかりする理由がわからなかった? ここ2日間の練習を見たところ、ようやくコケの負傷が治り、水曜午後9時(日本時間翌午前5時)から、今季はCL決勝の舞台ともなるワンダではロドリ、トマス、サルール、コケのカンテラーノ(ユース組織出身の選手)によるcuatrivote(クアトリボテ/4人ボランチのこと)が実現しそうですが、だからといって、ボールロスト率が減るかどうかはまた別の問題ですしね。 それならいっそ、ラージョ戦の後、当人が「Hoy he dado una asistencia, el otro dia podia haberme ido con un gol, dos penaltis que no pitan.../オイ・エ・ダードー・ウナ・アシステンシア、エル・オトロ・ディア・ポディア・アベールメ・イドー・コン・ウン・ゴル、ドス・ペナルティス・ケ・ノー・ピタン(今日は1アシストできたけど、先日だってゴールが得点になっていてもおかしくなかったし、取ってもらえなかったけど2つのペナルティがあった)」と自身の働きをアピースしていたモラタをコスタ当人併用して、tridente(トリデンテ/スリートップのこと)を採用。取られたら、取り返すサッカーを目指すなんていうのは…やっぱり、決勝トーナメントではアウェイゴールもありますし、用心深いシメオネ監督はやりませんよね。 一方、これで3連敗となったラージョは翌日、ビジャレアルがセビージャに3-0で完勝したため、1つ順位を落として19位になってしまったんですが、残留ゾーンの17位セルタも負けたため、勝ち点差1のまま、開かなかったのは良かったかと。この冬の市場で中国から戻り、古巣を前に先発デビューしたマリオ・スアレスもこの先、大いに貢献してくれそうですね。今週末は土曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスで5位という眩しい高みにある、もう1つの弟分とのダービーが続くんですが、金曜にはエイバルに追いつかれ、2-2で引き分けてしまったヘタフェとはいえ、CL出場圏まで6位のアラベスと共にほんの勝ち点1とあって、こちらも頑張ってほしいところ。本当にもう、マドリッド勢5チームの今季は心の葛藤のある試合が多くて困ってしまいますよ。 そしてバジェカスからの帰りがけ、次の時間帯だったレガネスがアノエタでハーフタイムまで0-0だったため、勝利のシーンが見られるかと、自宅近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)に寄った私だったんですが、これが大外れ。ええ、後半5分にヤヌザイのクロスからオジャルサバルにヘッドで先制点を決められると、14分にも同選手が2点目を追加。29分にはヤヌザイのFKをウィリアム・ホセに撃ち込まれ、前節ベティス戦3-0勝利をレアル・ソシエダに真似されてしまったから、まったくツイていない。 といってもレガネスは13位で降格圏とは勝ち点6差、ヨーロパリーグ出場圏の6位までも勝ち点7差と穏やかな位置にいるため、この敗戦を糧として、バレンシアをブタルケに迎える次節に集中してくれればいいだけですが、サプライズがあったのは翌日曜のことでした。ええ、土曜の最後の試合ではバルサがバジャドリーに1-0で辛勝していたと知りながら、今まさに昇り調子にあったマドリーがリーガでここ9試合勝っていない相手に躓いてしまうとは一体、どうしたことでしょう! 正午開催のサンティアゴ・ベルナベウは天気も良く、暖かくてスタンドで見ているファンには快適な試合だったんですけどね。始まってすぐ、GKクルトワがストゥアニのシュートを顔で止め、治療を受けるというアクシデントはあったものの、前半25分にはクリアされたCKをクロースが再びエリアに放り込み、カセミロのヘッドで先制もしたというのにその後、「コパ準々決勝での対戦より、敵のボールを出しにくくした」(エウセビオ監督)ジローナから、追加点を奪えず。それが相手に「向こうは1-0で勝てると思い、nosotros con solo un gol en contra hemos creido/ノソトロス・コン・ソロ・ウン・ゴル・エン・コントラ・エモス・クレイドー(1点しか取られていないウチは信じることができた)」(同)という結果に繋がるんですから、まったくリーガは油断がならないったらありません。 実際、後半頭から、ポロとポンスをロサノとアレックス・ガルシアに代えたジローナは後者がゴール前から撃ち上げて、せっかくの同点のチャンスを台無しにしたかと思ったら、とんでもない。13分にはストゥアニのヘッドがゴールポストを直撃した後、ドグラス・ルイスのシュートをセルヒオ・ラモスが手で触ってしまい、PKを献上。これをストゥアニに沈められ、1-1となったんですが、いやあ、この少し前にはソラリ監督もここ12試合、先発出場が続いていたため、ベンチスタートにしたビニシウスをルーカス・バスケスと交代で投入、追いつかれた後にはアセンシオに代えてベイルも出し、29分にはセバージョスをマリアーノへと、ベンゼマも含めて4人FW体制にしていたんですけどね。 まさかその1分後、ロサノのシュートはクルトワが弾いたものの、マルセロのカバーが遅れ、すでにゴールバーに当たるシュートも撃っていたポルトゥに頭で決められてしまったから、さあ大変!おまけに根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)モードに入っていた44分、アルカラの目の前でchilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)を試みたラモスがjuego peligroso/フエゴ・ペリグローソ(危険なプレー)と判定され、ペナルティのプレーに続いて2枚目のイエローカードで退場してしまったんですよ。 いえ、先週水曜のCLアヤックス戦1stレグで2ndレグに出場停止となるカードをわざともらった容疑でUEFAの調査が始まっている中、リーガでもこの試合前にあと1枚で累積警告だった彼が2節先のバルサ戦での出場を確かなものするため、カードを意図的にゲットするんじゃないかという予想はあったんですけどね。確かにこの退場で今週末のレバンテ戦は出場停止、よってリーガ・クラシコには出られることになったラモスですが、イエロー累積は4枚のままというのはアテ外れもいいところだったかと。 そしてロスタイムには「al ser el último minuto y como yo soy alto, mido dos metros/アル・セル・エル・ウルティモ・ミヌート・イ・コモ・ジョ・ソイ・アルト、ミド・ドス・メトロス(最後の分だったし、ボクは大きくて、身長2メートルある)。敵はそれで神経質になるからね」という理由でクルトワも加わったCKの全員攻撃では目論見通り、高い打点でボールをミートした彼だったんですが、残念ながら、そのヘッドは枠の外へ。結局、マドリーは1-2で負けてしまうことに。うーん、「El desgaste no es solo fisico, es mental, de concentracion/エル・デスガステ・ノー・エス・ソロ・フィシコ、エス・メンタル、デ・コンセントラシオン(疲労はフィジカル面だけじゃなくてメンタル的、集中力にも影響する)」という理由でアヤックス戦からスタメンを6人代えたとはいえ、今週のマドリーはミッドウィークに試合はなし。とりわけビニシウス温存やマルセロ先発など、ちょっとソラリ監督も選手ローテーションのサジ加減を誤りましたかね。 そんなこんなで先週にはお隣さんを抜いた彼らもまた3位に逆戻り、といっても勝ち点差は2だけなので、しばらくは熱い2位争いが繰り広げられるんじゃないかと思いますが、何せ首位のバルサとはアトレティコが7差、マドリーは再び9差ですからね。もうこうなると、本当にマドリッドの両雄はCL優勝を目指すしかない?もちろん、マドリーにはカノウ・ノウでの1stレグを1-1と拮抗して終えたコパ準決勝2ndレグが27日にあるため、こちらの方でのタイトル獲得の可能性もあるんですけどね。とりあえず、今週はバルサが火曜にCLオリンピック・リヨン戦1stレグに挑むのを横目で見ながら、日曜のレバンテ戦、来週のコパ、リーガのクラシコ連戦に備え、態勢を立て直してくれるのを期待するばかりでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.19 13:00 Tue
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余計なことは言ってはいけない…/原ゆみこのマドリッド

「あまり気に病んでいる訳ではないみたい」そんな風な印象を私が受けたのは金曜日、先日のCL16強対決1stレグで次戦出場停止となるため、わざとイエローカードをもらったのではないかという容疑でUEFAがセルヒオ・ラモスの調査を開始。もしクロとされれば、最近は1試合余分に処分を課されるのが慣例になっているため、2ndレグのみならず、下手したら、バルサと当たることもある準々決勝1stレグにも出られなくなるとあって、当人も自分の口の軽さを大いに反省していると思っていたんですけどね。翌日には新しいタトゥーを入れてもらっているご機嫌な姿をインスタグラムで公開って(https://www.instagram.com/p/Bt4GM4YFHnI/)、もしやこれって、一種の現実逃避? いやあ、2011年にモウリーニョ監督の指示を受け、やはり同じアヤックス戦でシャビ・アロンソと共に彼もあからさまなファールで累積警告となるイエローカードを誘発し、突破決定済みのグループリーグ最終節で出場停止処分、懸念を残さず決勝トーナメントに挑もうと画策した際には監督に2試合のベンチ入り禁止処分、2選手は罰金2000ユーロ(約25万円)だけで済んだものでしたけどね。今回は敵の危険なカウンター攻撃を断ち切るためのファールとあって、黙っていれば、UEFAもスルーしたはずだったんですが、予想外のことが起こったのはヨハン・クライフ・スタジアムのミックスゾーン。 ええ、TVのマイクの前でラモスが「viendo el resultado mentiria si dijera que no la he forzado/ビエンドー・エル・レスルタードー・メンティリア・シー・ディヘラ・ケ・ノー・ラ・エ・フォルサードー(結果を見ながら、わざとやらなかったと言ったらウソになるだろう)」なんて言うとは、レアル・マドリー600試合出場達成のベテランにあるまじき不手際だったかと。その後すぐクラブの人に注意されたか、ツイッターで「Quiero dejar claro que me duele mas que a nadie, que no he forzado la tarjeta/キエロ・デハール・クラーロ・ケ・メ・ドゥエレ・マス・ケ・ア・ナディエ、ケ・ノー・エ・フォルサードー・ラ・タルヘタ(誰よりも辛いのはボクだよ。イエローカードをわざともらったりはしていない)」と否定。更に後日、「わざとやったというのはファールのことで、出場停止処分になろうとした訳じゃない」とマルカ(スポーツ紙)のインタビューで説明していましたが、いやいや。 彼がベンチに向かって、イエローカードをもらった方がいいかどうか訊いている映像も出回っていますしね。実際、本当のところはわかりませんが、UEFAの処分が出るのは2月末。それまでヤキモキしていないといけないのも何ですし、本当に2試合の処分になった場合、3月5日、サンティアゴ・ベルナベウでの2ndレグが無事終わっても落ち着いて準々決勝の抽選会を待てないというのはどうしたものかと思いますが…まずは水曜のアヤックス戦1stレグの様子をお伝えしていくことにすると。 いやあ、バランが風邪でお休みだったのはあまり関係ないかと思いますが、実は序盤からアヤックスの猛攻に遭い、近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)で見ていた私もただただ、呆気に取られるばかり。相手の強いプレスにボールが持てず、自陣に閉じ込められている姿は全然、マドリーらしくなかったんですが、なかなかラストパスが通らないことに助けられます。それでも前半36分にはCKから、デ・リフトがシュートしたボールをGKクルトワがうっかり弾き、タグリフィコのヘッドでゴールを入れられてしまったんですが、この決勝トーナメントから導入されたVAR(ビデオ審判)が味方。ええ、マドリーの選手たちは抗議していなかったものの、イヤホンで連絡を受けたスコミナ主審がピッチ脇のモニターで確認し、テディッチがオフサイド、更にクルトワの邪魔をしていたと見なされ、このゴールは認められないことに。 おかげで前半を0-0で終えることができたんですが、やはりこのままではマズいとソラリ監督も悟ったんでしょうかね。マルカの暴露記事によると、ロッカールームで選手たちに「Estamos dejando que nos caguen y eso no lo podemos consentir/エスタモス・デハンドー・ケ・ノス・カゲン・イ・エソー・ノー・ロ・ポデモス・コンセンティル(ウチは脅かされるままになっていて、そんなのには同意できない)」と活を入れたのだとか。「2つ3つだけの感覚でプレーすることはできない。五感、そして自分の中の第六感を探すんだ。中盤のラインを上げて、各自があと一歩、前に出る。やられたらやり返せ。短いパスを繋いでサイドへ開く。根性を見せずにここから帰ることはできない」とまあ、こんな調子でハッパをかけたようですが、後半14分にはその効果が表れたんですよ。 ええ、またビニシウスがやってくれました!左サイドから切り込むと敵DF3人をかわし、ベンゼマにパス。そのシュートが決まってマドリーが貴重なアウェイゴールをゲットしたから、助かったの何のって。その後は試合の序盤に腰を打撲していたベンゼマがアセンシオに、ベイルがルーカス・バスケスに代わったんですが、29分にはアヤックスも意地を見せます。ネレスのクロスをツィエクがエリア内から撃ち込んで同点に持ち込まれたものの、大丈夫。41分、11才の時、亡くなったオランダ人の母方の親族がスタンドに駆けつけ、応援してくれていたアセンシオがカルバハルの入れたボールを押し込み、1-2となったとなれば、早速、ラモスがイエローカード獲得作戦を始めたのも無理はなかった? 結局は相手に押されながらもしっかり先勝した彼らでしたが、まあアヤックスのテン・ハグ監督も「ウチは正確さに欠けていた。マドリーは1つチャンスがあれば、逃さないんだから」と言っていたように、いくら優勢に攻めていてもサッカーはゴールが入らないとどうしようもありませんからね。もちろん2ndレグでは昨季も0-3で負けていたユベントスがサンティアゴ・ベルナベウで1-3と逆転突破に迫ったり、過去にはドルトムントやシャルケに危ういところまで追い詰められた記憶はあるものの、このスコアなら、準々決勝進出はほぼ安泰と思っていいんじゃないでしょうか。 そんなマドリーはコパ・レル・レイ準決勝1stレグのクラシコ、先週末のマドリーダービー、そしてCLアヤックス戦のハードなアウェイ連戦を満足いく結果で終え、今週末は日曜正午(日本時間午後8時)から、ホームにジローナを迎えるんですが、何せ相手は先日もコパ準々決勝で総合スコア7-3と圧勝し、リーガでもここ9試合、白星から見放されているチームですからね。まだイスコは個人メニューで背筋痛からのリハビリをしているものの、他にはケガ人のいないソラリ監督が先発ローテーションを実施するには願ってもないチャンスかと。ええ、ここずっと出ずっぱりのベンゼマやビニシウスなど、再来週にやって来るコパ準々決勝2ndレグ、リーガと続くクラシコ祭りに備え、ちょっと休養した方がいいかもしれませんし、調子を上げてきたアセンシオや復調が望まれるマルセロといった辺りにはチャンスをあげたいところですが、何とも先が読めないのはベイル。 というのも先日のマドリーダービーでチームの3点目を入れた際、一瞬ですが、corte de mangas/コルテ・デ・マンガス(前腕を直角に立て、二の腕をもう1つの手で叩くという挑戦ポーズ)をしている映像が見咎められ、リーガ協会がアンチ暴力委員会に訴えたため、複数試合の出場停止処分が下る可能性があるから。まあ、審判は試合公式記録に書いていませんし、そんな大ごとにはならないような気はしますけどね。いよいよリーガでもお隣さんを抜き、首位のバルサまで勝ち点6の2位となったマドリーだけに油断はせずにまた、勝利を重ねていけるといいんですが。 そして木曜はヨーロッパリーグでベティス(レンヌと3-3)、セビージャ(ラツィオに0-1で勝利)、バレンシア(セルティックに0-2で勝利)、ビジャレアル(スポルティングCPに0-1で勝利)が32強対決1stレグをアウェイで戦い、揃っていい結果を持ち帰って来たんですが、今年はCL決勝トーナメントに進出している昨季のEL王者は今週、どうしていたかというと。いやあ、フランスではベティスのウルトラ(過激なファン)同士での殴り合いがあったり、ローマではセビージャのウルトラ4人がラツィオのウルトラに刺されたりとELの試合が開催された各地では暴力沙汰が相次いだため、2ndレグが全てスペイン国内に集中する来週木曜(セビージャだけ水曜)はちょっと恐怖。そういう意味ではアトレティコがCLにいてくれるのは嬉しいんですけどね。 それでも来週水曜のユベントスとの1stレグで立ち直れない結果が出たら、ヨーロッパの試合はここで詰みですし、折しもダービーでお隣さんに負け、リーガ優勝の目も遠ざかってしまったばかりですからね。いきなり今季が終わってしまい、逆風が吹くかもしれないのを心配したか、クラブは先手を打って、この木曜にはシメオネ監督の契約を2020年から2022年へと延長したことを発表。年棒も1500万ユーロ(約19億円)から、チェルシー時代のモウリーニョ監督、マンチェスター・シティのグアルディオラ監督を超える2000万ユーロ(約25億円)にアップし、世界で最も稼いでいる監督となったんですが、その価値があるかどうか、まずはこの土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)、エスタディオ・バジェカスで行われる弟分ラージョとのミニダービーで試されることに。 一応、チームには朗報もあって、シメオネ監督も「Está bárbaro, está que se sale, con ambición y como es él, es un guerrero/エスタ・バルバロ、エスタ・ケ・セ・サレ、コン・アンビシオン・イ・コモ・エス・エル、エス・ウン・ゲレロ(凄いよ、際立っている。野心があって、根っからの戦士だ)」とその状態を褒めていたようにとうとう、12月に左足の第5中足骨に入れていたボルトを変える手術をしたジエゴ・コスタが招集リストに復帰。先発するかどうかはわかりませんが、ユベントス戦への足慣らしとなってくれれば、ファンも少しは心強いかと。DF陣ではリュカがまたヒザを痛めてしまったものの、1月中旬に太ももをケガしたサビッチが戻って来ましたしね。中盤はトマスが出場停止ですが、ヒザの痛みでダービーに先発できなかったロドリゴは回復、あとはコケだけで、こちらは来週のCL戦で復帰する予定だとか。 一方、アトレティコ同様にここ2連敗で、また降格圏に戻ってしまったラージョではベラスケスが累積警告で出場停止。ボランチのインブラもケガで出られないようですが、何せ17位のジローナとは勝ち点差1ですし、向こうはマドリー戦。ちょっと頑張れば、順位を上げられる可能性が高いとなれば、選手たちもかなり気合が入るはずかと。うーん、3位になってしまったとはいえ、アトレティコもお隣さんとは勝ち点差1ですから、今回はあまりミチェル監督のチームにハッスルされても困ってしまうんですけどね。マドリッドに5チームあると、しばしばこういう葛藤が起きるのは避けられないんですよね。 そして同じ土曜、続く時間帯にレアル・ソシエダとのアウェイ戦に挑むのがレガネスなんですが、この試合は彼らにとって、リーガ1部100試合目ということで、アノエタでは青白ストライプの第1ユニフォームでプレーさせてもらえるそう。これは昨季、ソシエダがブタルケを訪れた際、スポンサーとの関係で第1ユニを着用、ホームチームが第2ユニでプレーしてあげたんですが、シーズン後半の対戦で逆にすることを約束しながら、丁度それがクラブの顔だったシャビ・プリエトとカルロス・マルティネスのお別れ試合に当たったため、こちらでもレガネスは第2ユニを使用。そのお返しということで、ちょっと珍しいケースかも。11位のレガネスも9位のソシエダとは勝ち点差がたった2しかありませんしね。前節はエン・ネシリのハットトリックでベティスを見事、3-0と粉砕してしますし、最近のレガネスはただ守るだけでなく、いいプレーも時折見られるようになってきたため、更なる順位上昇を期待していてもいいかと。 え、それでボルダラス監督は「No pensamos en la posibilidad de dormir en Champions/ノー・ペンサモス・エン・ラ・ポシビリダッド・デ・ドルミル・エン・チャンピオンズ(CL出場圏に入って眠ることは考えていない)」とは言っていたものの、金曜に24節の先陣を切ってエイバル戦に挑んだヘタフェはどうしたのかって?いやあ、前半にはマタ、後半7分にもフルキエルがゴールを挙げ、一時は勝ち点差2で4位にいるセビージャを抜いたんですけどね。その後、柴崎岳選手は遠征に参加していなかったものの、この冬、ベティスからエイバルに近いビトリア(スペイン北部)のアラベスにレンタル移籍、月曜にはデビューも飾って余裕ができたか、古巣の試合を観戦に来ていた乾貴士選手が見守る中、ジェネのハンドからチャルレスにPKを決められ、残り10分にはカブレラのクリアミスから再びチャルレスにゴールを許し、最後は2-2で引き分けてしまうことに。 おかげで差は1ポイントに縮まったものの、4位の座を奪い取ることはできずに終わってしまいましたが、まだ試合は沢山ありますからね。来週末、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにラージョを迎えての弟分ダービーでの楽しみが増えたと思えば、ファンもそんなにガッカリすることはない?とりわけここ1カ月はEL出場組がミッドウィークの試合で忙しいため、週1ペースのヘタフェにとっては差をつけるいいチャンスになると思いますよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.16 09:00 Sat
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全て自業自得ではあるけど…/原ゆみこのマドリッド

「見込み違いもいいところだわ」そんな風に私が怒っていたのは月曜日、前夜はバルサがアスレティックに勝てず、2試合連続引き分けとなり、アトレティコとの勝ち点差が7に。いやあ、1週間前にベティスに負け、バレンシアとドローだったバルサとの差を縮められず、逆に1ポイント開いたことに対し、「まだ向こうが引き分けで良かった」と言ったシメオネ監督なら、勝ち点差が9にならなかったことを喜んでいるんじゃないかと思ったんですけどね。よくよく考えると、アトレティコが2連勝していれば、今頃は同じ勝ち点で首位に並んでいたのに気がついた時のことでした。 それが何としたことか、26カ月ぶりのリーガ2連敗を喫した彼らは2位の座をお隣さんに奪われ、3位に転落。幸い、4位のセビージャとは勝ち点7と余裕があるんですが、それこそ首位バルサだって、そう感じているに違いない? 2位に浮上したとはいえ、レアル・マドリーとも勝ち点6差ありますしねえ。となれば、もしや今現在、もっとも手応えを感じているのはあと勝ち点2でCL出場圏入りできる5位のヘタフェや11位の高みに上がり、降格圏と勝ち点差6がついたレガネスら、マドリッドの弟分たちの方かも。 とりあえず、とうしてそうなったのか、先週末のリーガの結果をお伝えしていくことにすると、土曜は時間的に苦しかったため、コリセウム・アルフォンソ・ペレスには行かなかった私ですが、ヘタフェは開始早々、2分にアラウホのヘッドで1点を先行されてしまうことに。それがラッキーにも39分にはウーゴ・マジョがエリア内でアランバリを倒し、PKをもらえたばかりでなく、審判に猛抗議したマキシ・ゴメスがイエローカードを続けざまに2枚出され、退場してしまったとなれば、マタが決めて1-1とした彼らが後半、俄然優位に立ったのも当然だった? 実際、17分にはダミアンのクロスをマタが頭で落とし、ゴール前からホルヘ・モリーナが蹴り込んで逆転したヘタフェは、36分にもマタがセルタのGKルベンのゴールキックをエリア内で奪うという滅多にない幸運に遭遇。そこから3点目のゴールが入り、3-1で試合は決着したんですが、いえ、ウーゴ・マジョのゴールがVAR(ビデオ審判)でオフサイドになったのにも助けられたんですけどね。1週間前にはコパ・デル・レイ準々決勝2ndレグでバレンシアに痛恨の後半ロスタイム逆転敗退を喰らい、CBに3人も出場停止者がいた中、レバンテとスコアレスドローで凌いだヘタフェだったんですが、これで多分、大丈夫。 この先、金曜のエイバル戦を含め、あと2勝もすれば、1部残留も確定しますしね。CLは敷居が高くても、8年ぶりのEL出場権獲得に向け、その日はベンチからの見学に留まった柴崎岳選手も「スペイン・リーガはどこより要求が高いのだから、頑張るように言った。El lo ha entendido y seguro que dara un paso al frente/エル・ロ・ア・エンテンディードー・イ・セグロ・ケ・ダラ・ウン・パソ・アル・フレンテ(彼はそれを理解してくれたし、きっとあと一歩を踏み出してくれるはず)」と記者会見でボルダラス監督が語っていたように近々、チームに貢献できる日が来るんじゃないでしょうか。 そしてワンダ・メトロポリターノに開場以来、最多となる6万7752人のファンを集めマドリーダービーが始まったんですが、いやあ、キックオフ前の場内の雰囲気は最高だったんですけどね。スタジアム前の100試合以上出場選手の記念プレートをまた汚されていたクルトワに幾つか、ネズミのぬいぐるみが飛んではいたものの、心配する程のこともなく、スタンドが赤と白の旗で染められ、「Madrid, castiza y rohiblanca/マドリッド、カスティサ・イ・ロヒブランカ(生粋、そして赤白のマドリッド)」という大きな横断幕にも後押しされたか、序盤のアトレティコは果敢に攻め込んで行ったんですが、前半16分には最初の災難に襲われることに。 というのもマドリーのCKをクロースが蹴ったところ、おそらく、2014年CL決勝奇跡の93分弾を筆頭に、これまで何度も痛い目に遭っていたせいなんでしょうかね。アトレティコはセルヒオ・ラモスを選手4人、ヒメネス、リュカ、トマス、モラタがマーク。それだけでも呆気に取られたのに、ご丁寧に空中戦でも負け、頭でボールを落とされて、フリーのカゼミロにtijera(ティヘラ/シザーズヘッドシュート)を決められてしまうって、もしや反対サイドで見ていた、リスボンでは悲劇の側にいたGKクルトワなんて笑いが止まらなかった? でもこの1点は25分、コレアが自陣でヴィニシウスからボールを奪い、グリーズマンにスルーパス。敵ゴールに1人向かった彼がクルトワの股間を抜くシュートを決め、同点になってくれたから、まだ良かったんですよ。ええ、線審が挙げたオフサイドの旗もVAR判定により、撤回されましたしね。コレアがヴィニシウスを倒したファールも見咎められなかったため、この日のアトレティコはツイているんじゃないかと信じかけたところ…。 私が甘かったです。43分にはエリア内に駆け込もうとするヴィニシウスをヒメネスが倒してしまい、いえ、当人は「あれはファールだけど、踵の後ろに足で触れたのはエリアの外。その後、彼が倒れた時、自分の内モモに当たって、VARはそれを見た」と言っていましたけどね。大体がして、そんな微妙な場所でファールで相手を止めようという選択が悪かったのでは? 結果、ペナルティを取られ、ラモスが今季8本目のPKを成功させたため、マドリーが1点リードしてハーフタイムに入ります。 後半もアトレティコのツキは好転せず、8分にはヒメネスのロングボールに抜け出したモラタがクルトワの手前から、見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めたにも関わらず、VARでオフサイドの判定が。ほんの数センチのことで、しかもラモスの方が前に出ているラインを引いた写真もあったため、正しかったのかどうか、真相は不明ですが、それに追い打ちをかけたのが22分、ゴール前でモラタがカゼミロに倒されたプレー。いやあ、カゼミロは「Claro que hay contacto, pero para mi no es penalti/クラーロ・ケ・アイ・コンタクトー、ペロ・パラ・ミー・ノー・エス・ペナルティ(もちろん接触はあったけど、ボクにしてみればあれはペナルティじゃない)」と言っていましたけどね。実はこのモラタ、前節のベティス戦でもかなりはっきりしたペナルティをスルーされていて、もしやこの冬期待のニューフェイスはアトレティコのカンテラ(ユース組織)育ちだけに、不幸体質を受け継いでいたりする? そうこうするうち、29分にはこの日、16回のコレアと双璧をなす計18回、ボールロストしたトーマスが自陣でパスミスを犯し、そこからマドリーのお家芸、速攻カウンターがスタート。ヴィニシウスに代わって入っていたベイルがモドリッチからパスを受けると、エリア内からのシュートでGKオブラクを破り、差が2点に開いてしまったから、さあ大変! おまけにその4分後、トーマスが2枚目のイエローカードをもらって退場とは泣きっ面に蜂とはまさにことのこと? いくらこの日はコケの回復が間に合わず、最近、中盤の要となっているロドリゴもベティス戦で痛めた太ももの痛みを木曜から再発、先発できなかったことでかなり烏合の衆化していたアトレティコとはいえ、こうもサッカー力の差を見せらつけられてしまうと、私もちょっと落ち込んでしまうんですが…。 え、それでも彼らが1-3で負けたのにVARの影響が大きかったのは否定できないんじゃないかって? うーん、シメオネ監督は「El rival ha sido mejor que nosotros, no hemos perdido por el VAR/エル・リバル・ア・シードー・メホール・ケ・ノソトロス、ノー・エモス・ペルディードー・ポル・エル(ライバルがウチより良かった。負けたのはVARのせいじゃない)」と言っていましたけどね。このダービーに至るまで、マドリーは先週水曜の準決勝1stレグのクラシコ(伝統の一戦)も含め、コパ・デル・レイでずっと連戦が続いているにも関わらず、16強対決で敗退して以来、週1試合が続いているアトレティコは前節もコパ生き残り組のベティスに敗戦。 こうなると、「Tenemos una semana larga para trabajar y hacer autocritica/テネモス・ウナ・セマーナ・ラルガ・パラ・トラバハール・イ・アセール・アウトクリティカ(ボクらには練習して自己批判をする長い1週間がある)」(サウール)方が却って、選手たちのリズムを崩しているんじゃないかと疑いたくもなりますが、さて。何せ、アトレティコにはこの後、次の時間帯でエスパニョールに後半ロスタイムに決勝点を取られ、2-1で負け、降格圏の18位に留まることになったラージョとのミニダービーが土曜にあるのはともかく、来週水曜にはいよいよCL16強対決でユベントスがワンダにやって来ますからね。リーガ首位が遠ざかった今、ここでまた躓いたら、ファンは一体、何を励みに6月まで過ごしたらいいんでしょう。 一方、ロペテギ監督から9位にいたチームを引き継いで2位まで躍進。とうとうカペッロ監督の下、根性のremontada(レモンターダ/逆転優勝)を達成した2006-07シーズンも首位バルサとこの時期、同じ勝ち点差だったなんて話まで引き合いに出されるようになったソラーリ監督は、「La clave son los jugadores/ラ・クラベ・ソン・ロス・フガドーレス(カギになったのは選手たちだ)。練習して、ピッチで体を張り、ハートでプレーするのは彼らだからね」と、最近の好調ぶりの原因が部下たちにあることを強調していましたが、ブラジルから来たばかりの18才、ヴィニシウスやRMカスティージャから昇格したレギロンをベイルやマルセロを差し置いて、先発に抜擢した当人の手腕も評価すべきかと。 最近はベンゼマやモドリッチらが牽引してくれるおかげで、金曜の練習で背中を痛め、イスコがしばらくお休みすることになったことなど、まったく影響なさそうですしね。今週水曜午後9時(日本時間翌午前5時)にはアトレティコより1週早く、CLアヤックス戦1stレグが到来するんですが、まあ、相手は先週末もヘラクレス戦を落とし、オランダ・リーグで首位PSVと勝ち点6差。来季からバルサでプレーすることが決まったデ・ヨングもその試合で負傷し、出場が微妙とあって、ちょっと見どころに欠けるものの、何はともあれ、CL決勝トーナメントが始まるのは気分が上がりますよね。 そして翌日曜はレガネスがブタルケにベティスを迎えたんですが、こちらは前節の兄貴分の失敗が大いに糧になったよう。ええ、相手のコパ疲れを見逃さず、開始から猛攻をかけると、2分までに新鋭、21才のモロッコ人FWエン・ネシリが2本もシュートを撃っているんですから、ベニト・ビジャマリンでとろとろパスを回していたアトレティコに爪の垢を煎じて飲ましてやりたいと思ったのはきっと、私だけではなかったかと。それでもしばらくはベティスがこの日も敵にボールをもたす作戦なのかという疑いが晴れなかったものの、いえいえ。だったら、22分にオスカルのクロスからエン・ネシリがのシュートがバラガンに当たってゴールに入り、レガネスが先制点をゲット。35分にも再び、エン・ネシリが押し込んで2点差になっても様子が変わらないなんてこと、ありませんって。 結局、カナレルもホアキンも今週も木曜にはEL32強対決レンヌ戦1stレグがあることを考えてか出場せず、後半も21分にブライトバイテのスルーパスに抜け出したエン・ネシリがハットトリックを達成したレガネスが3-0で勝利したんですが、閉口したのは試合後、ベティスのセティエン監督の口が減らなかったこと。いやあ、シーズン前半の対戦の後も守備的なレガネスのサッカースタイルを批判していたんですが、「No le importa tener que jugar bien, hace cuatro cosas que estan muy bien/ノー・レ・インポルタ・テネール・ケ・フガール・ビエン、アセ・クアトロ・コーサス・ケ・エスタン・ムイ・ビエン(いいプレーをすることはどうでもよくて、非常に上手くできることが4つある)。時には成功するし、しない時もあって、だから彼らは下位にいる」って、いや、たった勝ち点3しか違わない相手にそんなこと言える? それには「Estamos muy orgullosos de ser el Leganes y de lo que tenemos/エスタモス・ムイ・オルグジョーソス・デ・セル・エル・レガネス・イ・デ・ロ・ケ・テネモス(我々はレガネスであることに誇りがある。ウチが持っているものにね)」とペジェグリーニ監督は答えていましたが、そりゃそうですよ。こちとら毎年、半分以上選手が変わり、一からチームを作っていますからね。頭角を現したばかりのエン・ネシリだって、この夏、どこかに引き抜かれてしまうのは確実だと思いますが、今はこの土曜のレアル・ソシエダ戦に勝利、月曜には乾貴士選手がデビューしたアラベスがレバンテに勝ったため、EL出場圏外の7位に落ちたベティスと勝ち点で並び、セティエン監督の鼻を明かしてやれるかもっていうのはチームのいい励みになるかと。 そうそう、その試合を観戦に行ったついでにレガネスの広報の人に土曜に突如、話題になっていたアメリカ生まれの日本人、ドイツのアーヘム(4部)U23チームから移籍した井出ウィリアム航輔選手のことを訊いてみたんですが、どうやら契約はマドリッド州リーグでプレーするCチームとしたよう。リーガ3部でプレーするBチームの練習に呼ばれることはあるかもしれないものの、トップチームの試合に今季出ることはないだろうという話でしたが、うーん、これは来シーズン以降を楽しみにしたらいいんですかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.12 11:40 Tue
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気の抜けない試合が続いている…/原ゆみこのマドリッド

「まさか同調する人なんていないと思うけど」そんな風に私が肝を冷やしていたのは金曜日、マドリーダービーの日にネズミのぬいぐるみをクルトワに皆で投げてやろうという呼びかけがツィッターで出回っているという話をお昼のニュースで知った時のことでした。いやあ、先日は母国のメディアに「アトレティコ戦で物が飛んでくると思うか」と尋ねられて肯定。「それもモチベーションになる」と答えていたのを「翻訳の間違え」とレアル・マドリーがアラベスに勝った試合の後、懸命に言い訳していたクルトワだったんですけどね。 やはりアトレティコファンの中には面白くなく感じた向きもあったか、さりとてライターやペットボトルを投げては危ないですし、クラブが罰金を喰らってしまいますからね。昨年夏、クルトワのチェルシーからマドリーへの移籍が決まった際、ワンダ・メトロポリターノ正面の石畳にはめ込まれている100試合以上出場した選手の記念プレートにRATA(ラタ/ネズミ)と落書きされていたせいか、「イケアで1ユーロ(約125円)で買えるよ。ワンダに来る日に5万のぬいぐるみを投げなきゃ、俺たちは最低のファン」(https://bit.ly/2GwUt0U)とたきつけるとは、いやいや、フィギアスケートの羽生結弦選手の演技後にくまのプーさん人形で埋まるリンクじゃあるまいし、そんなことしたら、アトレティコの選手たちだって迷惑ですって。 え、大体がして直近の2シーズン、ホームのマドリーダービーで無得点(2016-17シーズンは0-3負け、17-18シーズンは0-0)のアトレティコなんだから、まずはクルトワの手を煩わせることができるかどうかの方が肝要だろうって?まあ、その通りで先週末のベティス戦でもゴールが決まらず、0-1で負けていたため、私も心配になり、金曜午前中にはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場へ偵察に行ったんですけどね。モラタがチェルシーからレンタル移籍したとはいえ、ジェルソンがモナコに行ったため、トップチーム20人という少数精鋭体制は変わらず、ゴディンとサウールはケガが治って合流していたものの、ジエゴ・コスタ、サビッチ、そして400試合出場を達成したウエスカ戦で負傷して、リハビリが遅れているコケも不在とあって、グラウンドにいたプロの選手は17人だけ。 その人出不足を補うヘルプのカンテラーノ(アトレティコBの選手)が10人程いて、何せこのクラブ、マスコミが見学できるのは常に15分だけですからね。準備運動が終わるか終わらない頃には追い出され、私もコパ・デル・レイ16強対決敗退でミッドウィークに試合がなくなったのをいいことに、リーガ2部Bのスピードに合わせてノホホンと練習していないかどうか、確かめたかったため、顔なじみの記者たちと、去年の秋ぐらいから、敷地を囲む金網にビッチリ張られた目隠しカバーに隙間がないかと、外縁を一周してみたんですが…。 なかったです。”モノ”・ブルゴス第2監督が「Niko, bien, muy bien!/ニコ、ビエン、ムイ・ビエン(ニコ、とてもいいよ)」と褒めていたのはおそらく、カリニッチがシュートに成功したんじゃないかと推測するぐらいしかできず、もうこうなったら,シメオネ監督が記者会見で「Nos faltó profundidad y verticalidad ante el Betis/ノス・ファルトー・プロフンディダッド・イ・ベルティカリダッド・アンテ・エル・ベティス(ベティス戦では奥行きと縦の動きがかけていた)。明日はそれができるように期待している」と言っていたのに望みを懸けるしかない? そんなアトレティコと真逆で今週の水曜、最高に難易度が高い試合、コパ準決勝1stレグのクラシコ(伝統の一戦)に挑んだお隣さんはというと。いやあ、先今季のリーガでは10月にカンプ・ノウで5-1と惨敗していたため、どうなることやらと気を揉んでいたマドリーファンも多かったと思うんですが、週末のリーガでルーカス・バスケスを温存したソラリ監督の采配がバッチリ当たったんですよ。そう、開始6分にはビニシウスのパスから、絶好調のベンゼマがジョルディ・アルバを抑えてゴール前にボールを送ると、レングレに邪魔されながらもルーカス・バスケスが蹴り込んで先制点を挙げてくれたから、私も驚いたの何のって。 その後もベイルとは違い、「ルーカスはスペイン人選手の特徴として自分が一番評価する美徳を持っている。Es solidario y valiente/エス・ソリダリオ・イ・バリエンテ(連帯感があって勇敢だ)」とソラリ監督も言っていたように、守備にも精力的に動く彼のおかげでリーガ・クラシコではガンガン、上がっていたジョルディ・アルバに見せ場を作らせず。VAR(ビデオ審判)が入ったら危うかったオフサイドから、1対1でマルコムが撃ったシュートもGKケイロル・ナバスが弾き、ラキティッチのヘッドも枠に助けられ、0-1のまま、試合はハーフタイムに入ります。 でもねえ、後半12分にはローテーションの外れの方が出てしまって、いえ、もちろん近年の実績からすれば、マルセロが先発で今季、トップチームに上がったレギロンがマリアーノと共にスタンド観戦になってしまったのは仕方ないんですけどね。この日もブラジル人左SBの戻りが遅れ、ルイス・スアレスが撃ったボールはゴールポストに当たったものの、反対サイドにいた伏兵マルコムがノーマーク。そのシュートをゴール前にいたセルヒオ・ラモスも逸れると思ったか、体を張って止めに行かなかったため、1点返されてしまうとは、まったくもって悔しいじゃないですか。 え、それでも17分には前節のバレンシア戦で太ももを打撲、「状態は良かったが、チームの今後の予定を考えて危険を冒さないことにした」(バルベルデ監督)という理由でそれまでベンチにいたメッシが出場。同じぐらいの時間に投入して、1-1だったレガネスに3-1で勝った3節前の試合の二匹目のドジョウを狙ったバルサにマドリーは最後まで追加点を許さず、そのまま引き分けられたのはラッキーだったんじゃないかって?そうですね、偶然にもマルコス・ジョレンテの負傷交代も重なっていますし、ビニシウスの代わりに入ったベイルも残念ながら、違いを見せることができませんでしたからね。 幸い、クラシコ前の月曜には芸能人の彼女,ピラル・ルビオさんが出演するオルミゲーロ(バラエティ番組)にゲストとして呼ばれ、ギター演奏を披露するわ、踊るわ、6月15日に挙式することを発表するわとお楽しみだったセルヒオ・ラモスも2枚目のイエローカードをもらって退場、2ndレグ出場停止を免れましたしね。「Estuvimos mejor, tuvimos mas ocasiones que ellos, el empate no es justo/エストゥビモス・メホール、トゥビモス・マス・オカシオネス・ケ・エジョス、エル・エンパテ・ノー・エス・フストー(ウチの方が良かった。彼らよりチャンスがあったし,引き分けは妥当な結果じゃない)」(ルーカス・バスケス)という意見はあるもの、翻って「Fuimos superiores tras haber encajado el 0-1/フイモス・スペリオーレス・トラス・アベール・エンカハードー・エル・セロ・ウノ(0-1にされた後はウチが上だった)」(ブスケツ)という見方もできなくはなし。 一応、27日の2ndレグではサンティアゴ・ベルナベウで戦えて、0-0で勝ち抜けられるマドリーが若干有利ということになるかと思いますが、用心したいのは、「リーガとCLがより重要だけど、por mucho que queramos a veces tirar competiciones, nuestro ADN no nos lo permite/ポル・ムーチョ・ケ・ケラモス・ア・ベセス・ティラール・コンペティシオネス、ヌエストロ・アーデーエネ・ノー・ノス・ロ・ペルミテ(どんなに望んでも大会を捨てるのはボクらのDNAが許してくれない)」とピケも言っていたバルサのコパにおける優位性。ええ、これまでマドリーが19回優勝しているところ、向こうは30回、しかもここ4年連続王座についているとなれば、全然安心はできませんよね。 そして続く2日間、ダービーに向けてトレーニングしていたマドリーなんですが、実は木曜には10年前に健康問題で23歳の若さで現役引退、最近はマドリッド郊外にできた広州恒大のサッカースクールで中国人ユース選手のコーチをしているOBのデ・ラ・レッドとクラシコでも出番がなかったイスコの間で論争が勃発。というか、恒例のダービー前のイベントに出席した前者が、「El Real Madrid no espera a nadie/エル・レアル・マドリッド・ノー・エスペラ・ア・ナディエ(マドリーは誰も待たない)。全員が優秀だから、そのレベルに達しない者は他の選手に追い抜かれる」と言ったところ、後者がお得意のツィートで反論しちゃったんですよ。 曰く、「デ・ラ・レッドには同意するけど、他のチームメートと同じチャンスがないと状況は変わってくるんだよ」(https://bit.ly/2GkUJke)だそうですが、何せ当人が金曜のセッションで背中を痛め、早退してしまってはねえ。例のごとく、記者会見でイスコ関連の質問を複数受けたソラリ監督も「El trabajo del futbolista profesional es entrenarse al 100%/エル・トラバッホ・デル・フトボリスタ・プロフェシオナル・エス・エントレナールセ・アル・シエン・ポル・シエントー(プロサッカー選手の仕事は練習で100%出すこと)」と言っていましたし、まだ当分、彼の復権は難しいかも。ええ、ダービーが土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)と早い時間のため、金曜夜にバルデベバス(バラハス空港の近く)の複合練習施設で合宿に入ったメンバーの中にも太もものケガで全治4~6週間となったジョレンテ、バジェホと共にイスコの名前はありませんでしたっけ。 そしてこの週末、マドリッドの弟分チームたちの予定もお伝えしておくと、まずはダービー前、土曜午後1時から、ヘタフェがコリセウム・アルフォンソ・ペレスにセルタを迎えることに。いやあ、先週はコパ準々決勝2ndレグのバレンシア戦、リーガのレバンテ戦と2度もバレンシア(スペイン南西部)に足を運んだ彼らですが、今週は月火と休養した後、平常運転に戻り、丁度、水曜にはこの冬の市場で加入したフラミニ(フリー)、サム・サイス(リーズからレンタル)、マティアス・オリベイラ(アルバセテへのレンタルから復帰)の合同入団プレゼンがあったため、アジアカップ参加の日本代表から戻って来た柴崎岳選手の様子も確かめようと私も行ってみたんですけどね。 クラブのオフィシャルウェブの予定表(https://bit.ly/2UNBJxR)でセッションはCiudad Deportiva(シウダッド・デポルティーバ/練習場)となっていたにも関わらず、スタジアムの前を通ると元気のいい声が外にまで響いていたため、訊いてみたところ、中で非公開練習って、もうどうなっているのやら。おまけに特にpuerta cerrada/プエルタ・セラーダ(非公開)との記載がなくても今はアボナードー(年間指定席購入者)しか、練習場に入れないというのがデフォルトになってしまったようで、要は柴崎選手を見たくてヘタフェまで行っても機会は練習後、スタジアム併設の駐車場から出て来るのを待つか、試合でプレーする時しかないとは何とも世知辛い。 うーん、金曜の記者会見でボルダラス監督は「Tiene condiciones para poder dárselas al equipo/ティエネ・コンディシオネス・パラ・ポデール・ダールセラス・アル・エキポ(チームに貢献するコンディションは整っている)」と言っていましたが、今回は出場停止者もブルーノ以外、戻って来ますし、新加入選手のおかげでますますベンチ入りの18人に入るのが難しくなっていますからね。ヘタフェの招集リストは当日まで出ないんですが、できればまだ、アジアカップフル出場で試合のリズムが残っているうち、柴崎選手を使ってくれれば嬉しいかと。現在、ヨーロッパリーグ出場圏5位の彼らですが、6位のベティス、7位のアラベスとは同じ勝ち点。16位と降格圏に近いセルタもいよいよ、イアゴ・アスパスの負傷が完治したため、油断をせずに今の高みを維持してほしいものです。 そしてダービーの後の時間帯ではラージョがエスパニョールとアウェイ戦。前節はレガネスとの弟分ダービーで1-2と惜敗し、また降格圏の18位に戻ってしまったんですが、セーフゾーンとの差は勝ち点1しかありませんからね。向こうもたった2ポイント差の15位ですし、調子も今イチなため、先週の勝利で17位から13位にジャンプアップしたレガネスの後を追うにはいい機会かも。冬の市場で加入したマリオ・スアレス(貴州智誠から移籍)とアグボ(同スタンダール・リエージュ)のデビューがあるかもちょっと気になります。 そして日曜正午にはレガネスがベティスを迎えるんですが、相手はマドリーの翌日、木曜にコパ準決勝1stレグを決勝会場に選ばれたベニト・ビジャマリンで戦い、ホアキンのゴール・オリンピコ(CKから直接入ったゴール)などもあって2点を先行したものの、ロスタイム弾2発でヘタフェとの準々決勝を逆転突破したバレンシアが再び粘りを見せ、チェリシェフ、ガメイロのゴールで2-2と引き分けたばかり。前節は兄貴分のアトレティコが失敗しているだけに、連戦疲れに付け込めるかといったら、ちょっと疑問なんですが、とりあえず、好調なFWコンビ、ブライトワイテとエン・ネシリに加え、ようやくカリージョも復帰したため、あとはブタルケの熱い応援で白星を掴めるといいんですが。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.09 19:55 Sat
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間隔が空けばいいってものではない…/原ゆみこのマドリッド

「もちろん出てくれないにこしたことはないけど」そんな風に私が首を振っていたのは火曜日、いよいよ始まるクラシコ(伝統の一戦)祭りの皮切りとなるコパ・デル・レイ準決勝1stレグ前、バルサのバルベルデ監督が記者会見でメッシの起用は最後の練習を見てから決めると言っているのを聞いた時のことでした。いやあ、彼は先週末のリーガ戦で太ももに打撲を受け、ピッチ外に出て治療を受けている間、カンプ・ノウが静まりかえっていたなんて話もあったんですけどね。ちょっと思い出してみると、今季前半戦のリーガ・クラシコでも負傷でいなかったにも関わらず、レアル・マドリーはルイス・スアレスのハットトリックなどで5-1の大敗。ロペテギ前監督の解任に繋がったとなれば、メッシばかりを気にしていても仕方ない? それ以上に議論を巻き起こしていたのはこの水曜の対戦前、バルサは土曜、マドリーは日曜にリーガを戦っており、前者は中3日、後者は中2日となって休む時間が短いこと。これが27日の2ndレグでも同じパターンだったため、すわ「リーガ協会の陰謀か」と不公平を唱える声が上がっていたんですが、うーん、あんまり関係ないんじゃないですか。だってえ、毎シーズンCL優勝が目標にあるようなエリートチームの選手たちにとって、週2回試合はデフォルト。2日でも3日でもそのサイクルで調整できるから、高給をもらっている訳で、逆に間が空きすぎとリズムが狂ってしまわない? 何で私がそう思ったのかというと、先週末のマドリッド勢の結果のせいで、いえ、土曜にレバンテとスコアレスドローで終わった弟分のヘタフェは1月中、リーガとコパで慣れない週2の勤務体制。先週火曜には準々決勝バレンシア戦の2ndレグで後半ロスタイムに2点を取られ、滅多にない程、悲劇的な逆転敗退を喰らったショックが冷めやらないばかりでなく、その試合でのtangana(タンガナ/小競り合い)と前節のアトレティコ戦での退場による出場停止選手がブルーノ、ジェネ、カブレラとCBばかり、3人もいましたからね。 頼みのホルヘ・モリーナ、アンヘル、マタのFWトリオも皆、30代とあって、疲れも溜まっていたでしょうし、相手のパコ・ロペス監督も「No es facil combinar y elaborar con el viento/ノー・エス・ファシル・コンビナール・イ・エラボラール・コン・エル・ビエントー(風のせいで連携したり、プレーを練り上げるのが簡単ではなかった)」と言っていたシュタット・デ・バレンシア(レバンテのホーム)で勝ち点1をもぎ取っただけでも褒めてあげるべきでは? おかげで順位も5位と1つ上がり、アジアカップの日本代表参加を終えた柴崎岳選手も月曜にはマドリッドに戻ったため、これからは2010-11シーズン以来のヨーロッパリーグ出場を目指して、この土曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレスにセルタを迎える試合から、頑張ってくれればいいかと。 実を言うと、情けなかったのは兄貴分のアトレティコで、彼らは日曜にベニト・ビジャマリンでベティス戦だったんですけどね。相手は先週木曜にコパ準々決勝2ndレグでエスパニョールと延長戦までもつれ込み、ようやく準決勝進出を決めて消耗していたはずなんですが、開始早々にはCKからフェデルが至近距離で放ったヘッドをGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)というピンチに襲われることに。攻撃面も不活発で期待の新戦力、モラタ(チェルシーからレンタル移籍)が独走で駆け上がって放ったシュートもGKパウの正面だし、大体、コパ16強対決敗退以来、これが2週間目のフルウィーク練習だったチームがどうしてあんなにノロノロとしか、プレーできない? それこそ、マハダオンダ(マドリッド近郊)で身内セッションばかり、まだゴディン、コケ、サウールが負傷中で、ビトロやフィリペ・ルイスもグループに戻ったばかりとあって、シメオネ監督がヘルプで呼ぶカンテラーノ(アトレティコBの選手)軍団のリズムに合わせた練習でもしていたんじゃないのかと疑ってしまったぐらいだったんですが、そんな中、後半はツキにも見放されてしまったから、さあ大変! ええ、10分には再び敵エリア内に切り込んだモラタがフェデルに倒され、どう見てもペナルティだったんですが、主審もVAR(ビデオ審判)もこれをスルー。その10分後には前半にイエローカードをもらったアリアスの代わりに久々に復帰したフィリペ・ルイスが落ちてくるCKを手に当て、しっかり目撃されているんですから、困ったもんじゃないですか。 カナレスが蹴ったそのPKはオブラクでも止められず、これで1点をリードされてしまったアトレティコは直後にグリーズマンが撃ったシュートがゴール枠に嫌われてしまうという不運も。最後はカリニッチまで入れ、2人CF体制で攻めたんですが、ダメでしたねえ。そのまま1-0で終わり、3節のセルタ戦以来の黒星を喫したばかりでなく、前日バルサがバレンシアと引き分けていたせいで、首位との勝ち点差が2に縮まるのをウキウキして待っていたアトレティコファンを大いに失望させることに。うーん、シメオネ監督は「Soy optimista y menos mal que el Barcelona empato/ソイ・オプティミスタ・イ・メノス・マル・ケ・エル・バルセロナ・エンパト(自分は楽観的、バルサが引き分けていてまだ良かった)」と言っていましたけどね。 早々巡ってこないチャンスに逆に勝ち点差を6に広げるとは、いかにも間の悪いアトレティコ。これで今週もまたミッドウィークの試合がないまま、ノホホンと練習をして、勝ち点差が2となった3位のマドリーと週末のダービーを戦うのかと思うと、私も頭が痛いんですけどね。一応、コケとサウールはリハビリが順調に進んでいて、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)のワンダ・メトロポリターノのピッチに立てるようですが、さて。ちなみにチケットの方はまだ少し、その日は行けないアボナードー(年間指定席保持者)がクラブに返した分がチラチラ出てきているため、マドリッド訪問予定のある方は購入をトライしてみるのもいいかもしれませんよ。 そんなこんなで日曜はかなり力の抜けた状態でサンティアゴ・ベルナベウに向かった私でしたが、先週木曜にコパのジローナ戦をこなしたマドリーにはまったく疲れが見えず。ええ、ずっと出ずっぱりの選手もいるですが、前半30分にはヴィニシウスがビガライの足の間を通したパスをレギロンがエリア内奥まで持ち込み、ゴール前のベンゼマにキラーパス。クリスチアーノ・ロナウドがユベントスに移籍した今季、最近はゴールゲッターとしての才能も開花してきた彼がしっかり決め、ここ3試合連続の先制点を奪ってくれます。 それでも後半34分までアラベスの守りは崩れず、カウンターからアセンシオがヴィニシウスに送り、それまでも何度か試みていたにも関わらず、シュート精度に難のある当人がフリーで撃てるまで、マドリーの2点目は入らなかったんですけどね。何せ2週間前、コリセウムを訪れ、ヘタフェに4-0で敗戦。前節はラージョに0-1で負けるといったように、前半戦で貯めた勝ち点でもう1部残留は堅いと見たフロントがイバイ・ゴメスをアスレティックへ、ソブリーノをバレンシアへと、躍進の原動力となっていたアタッカーをこの冬の市場で売却したのが痛かったか、アラベスにはまったく点が取れる気配がなかったのも事実。 次節からは月曜にビトリア(スペイン北部、アラベスのホームタウン)にアブダビから到着、つつがなくメディカルチェックを通過し(https://twitter.com/Alaves/status/1092377369451614215)、木曜にはプレゼンが予定されているベティスからレンタル移籍の乾貴士選手などが、アラベス番記者も絶対レギュラーになれると太鼓判を押してくれていましたしね。チームの攻撃力不足を補ってくれるものと思いますが、それはまた先の話。この日はロスタイムにベンゼマと交代で入ったマリアーノもアセンシオのクロスをダイビングヘッドで押し込み、自身の快気祝いゴールを挙げたマドリーが3-0で快勝することに。 ただ、ちょっと気になるのは負傷が治って、3試合目で先発出場、後半には得意の左サイドに移っても精彩がなかったベイルですが、試合後にはソラーリ監督もクラシコに向けて、「El Madrid es favorito siempre/エル・マドリッド・エス・ファボリート・シエンプレ(マドリーは常に本命)」と自信を見せていましたしね。ちなみに出場停止だったカルバハルとヴァランは別として、アラベス戦のベンチにはルーカス・バスケスが入らず、これはカンプ・ノウでの大一番に向けての温存だったよう。ベイルとヴィニシウスが前線の残り1席を争うことになりますが、スタメンであと確定していないのは左SBがマルセロかレギロンかぐらいでしょうか。 え、その日はあまり仕事もなく、マドローのコパ担当GKはケイロル・ナバスなのに、試合後、クルトワがユニフォームに上着を羽織っただけの寒そうな短パン姿でミックゾーンに現れ、延々とマイクに答えていたのはどうしてなのかって? いやあ、先日、母国のメディアに載ったインタビューで「ダービーでスタンドから物が飛んでくるかと思うかって? 試合中、ずっとだろう。ベルギーでもアンデルレヒト戦ではライター、エウペン戦ではビールジョッキを投げられた経験があるよ。でもボクのプレーには影響しない。尚更モチベーションになるね」と語り、だからって、土曜のワンダで本当に手あたり次第、雨あられと投げ込まれてはたまったもんじゃないということに思い至ったんでしょうね。 「Esta un poco mal la traduccion del holandes/エスタ・ウン・ポコ・マル・ラ・トラドゥクシオン・デル・オランデス(あれはちょっと、オランダ語の翻訳が悪かったんだよ)。19歳で入ったチーム相手だから、特別な試合になる」と一生懸命、言い訳していましたが、まあねえ。以前、アトレティコいた時代にもオランダ人記者と話すと(クルトワの出身地はベルギーのオランダ語圏)、調子に乗って、際どいことを言っていたのは知っていましたが、彼も今や2人のお子さんのいる26才。もう少し、考えて発言しないといけないですよね。 そして厳しい寒さが続く中、翌日にはエスタディオ・バジェカスに弟分ダービーを見に行った私でしたが、開始10分にはレガネス(マドリッド近郊)から応援に来たサポーターも一緒に観客がピッチに向かって一斉に背を向けて、リーガ戦の月曜開催に抗議。いやあ、マドリッドに来たついでにできるだけ沢山、スタジアム観戦をしたい日本人ファンなどにとっては金曜や月曜の試合はありがたいんですけどね。その日もラージョのファンでスタンドはほぼ満員状態だったものの、やはり仕事のある現地の人々にしてみれば、月曜午後9時キックオフ、終了は11時近くというのには辛いものがある? しかもこの日は直近5試合負けなしで4勝というホームチームがちょっと慢心してしまいましたかね。序盤から勢いよく攻め込まれ、前半35分にはとうとう、ジョナタン・シウバのFKを冬の市場で加入した新進気鋭のデンマーク人FW、ブライトワイテ(ミドルスブラから移籍)に頭で決められ、先制点を許しまったんですよ。それでも後半13分にはニヨムがエンバルバに乱暴なタックルを見舞い、レッドカードで一発退場。おかげで反撃の機運も高まり、いよいよ38分にはポソのシュートをGKクェジェルが弾いたところ、アルバロ・ガルシアが撃ち込んで同点に持ち込んだんですが…。 リスタートから1分もかかりませんでした。CKのチャンスを掴んだ相手が今度は成長著しい21才のモロッコ人FW、エン・ネシリのヘッドで決勝点を奪ったのは。これで1-2の勝利を掴んだレガネスは17位から一気に13位に上昇、ラージョは再び降格圏の18位に戻ってしまったんですが、大丈夫。すぐ上にいるジローナとセルタとは勝ち点1差しかない上、レガネスを含めて7チームが3差以内という、凄い団子状態になっていますからね。土曜のエスパニョール戦で勝利すれば、ラージョもジャンプアップが可能となれば、落ち込んでいる時間はない? 一方、レガネスの次戦は相手のベティスが木曜にコパ準決勝バレンシア戦1stレグとなったため、土曜から日曜正午開催に変更。当初は果たしてコリセウム→ワンダ→ブタルケのトリプルヘッダーが可能かどうか、悩んでいた私ですが、1つだけでも解決したのはありがたかったかと。 そうそう、最後に火曜夕方のバルサの練習が終わった時点で発表された招集リストにメッシが入ったことをお伝えしておかないと。そのメンバーは19人。やはり回復具合が懸念されていたデンベレはおらず、当日にも1人、落ちることになりますが、どうやらこれまで出場したクラシコ39試合で28ゴールを挙げているマドリーの天敵は出場可能というのが、大方のマスコミの見解のようです。当日移動するソラーリ監督のチームはリストも水曜朝に出るんですが、ケガ人がいなくなった今、注目はアラベス戦でも3分しか出場しなかったイスコが遠征に連れていってもらえるのかどうか。何はともあれ、このところ調子の上がっているマドリーだけにいい試合をしてくれることを期待しています。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2019.02.06 11:10 Wed
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