CLはいいスタートが切れた…【原ゆみこのマドリッド】2018.09.21 20:00 Fri

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▽「あっちもいなくて大丈夫だったのね」そんな風に私が頷いていたのは水曜日、同時刻に試合をしていたバレンシアが、前半28分にクリスティアーノ・ロナウドが退場となったユベントスに0-2で負けたのをサンティアゴ・ベルナベウのミックスゾーンで知った時のことでした。いやあ、後で問題のシーンを見たところ、元レアル・マドリーのエースは地面に座ったムリージョの頭を上からギュッと掴んだ程度、別にレッドカードを出すまでのことではなかったという意見が専門家の間でも多かったんですけどね。丁度、CLグループリーグ1節でマドリーに完敗したばかりのローマのディ・フランチェスコ監督も「自分がマドリーファンだったら、ロナウド不在をあまり心配しない」と言っていたように、10人で戦ったユベントスもメスタージャで白星を掴むのにまったく支障はなかった?

▽まあ、4年ぶりにCLに復帰したバレンシアはリーガでも未勝利とまだエンジンがかかっておらず、そこへユベントスのような老舗を迎えるのはさすがに荷が重かったんでしょうかね。失点はどちらもPKからで、ロナウドがいなくてもピャニッチに決められて、自分たちは後半ロスタイムにもらったPKをパレホが失敗するといった具合でツキがなかったと言えなくもなかったかと。翻って、対照的なのはバルサで火曜に同じCLグループリーグ1節でPSVと当たった際、メッシのハットトリックで4点のうちの3点をゲット。

▽4-0の大勝も彼なしにはありえなかったとなれば、その唯一無二さがわかるというものですが…いえ、まずはそんなバロンドール5回受賞経験者たちと、「Ya como en la misma mesa de Messi y Cristiano/ジャー・コモ・エン・ラ・ミスマ・メサ・デ・メッシ・イ・クリスティアーノ(もうボクはメッシやクリスティアーノと同じテーブルについている)」とCLがスタートする直前、AS(スポーツ紙)のインタビューで宣言。それをセルヒオ・ラモスに「La ignorancia es muy atrevida/ラ・イグノランシア・エス・ムイ・アトレビーダ(無知とは非常に厚かましいもの)。あの子の言うことを聞くと、トッティやブッフォン、ラウール、カシージャス、イニエスタら、全てを獲得しながら、バロンドールをもらえなかった選手たちを思い出すよ。シメオネ監督やコケ、ゴディンみたいに物事がわきまえている人々に忠告してもらった方がいい」と思いっきり叩かれていたグリーズマンのいる、アトレティコのグループリーグ1節がどうだったか、お話していくことにすると。

▽そう、お隣さんに先行して火曜にモナコと対戦した彼らだったんですが、恐れていた通り、いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)はケーブルTVのチャンネルを探し当てられず。毎年、放送局が変わるのも悪いんですが、昨季の初戦のように全試合の名場面を回るマルチ番組に合わされても困ると思ったため、早々に移動したものの、ようやく水色にネプトゥーノ像(アトレティコが優勝祝賀をする広場にある)などの地模様が入った第3ユニでプレーしている彼らが映っているバルを探し当てた時にはすでに、前半も10分が経過していることに。

▽でも大丈夫、そこまでアトレティコが押しているのはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況で確認していたため、あまり心配はしていなかったんですが、18分には早くも試練がやってきます。ええ、おそらくファルカオがアトレティコにいた頃はまだBチームにいたため、”El Tigre/エル・ティグレ(虎、ファルカオの愛称)”の怖さがよくわかっていなかったんでしょうね。サウールが自陣エリア前で彼にボールを奪われると、ゴール前の混戦からグランザーがモナコの先制点を入れてしまったから、さあ大変!

▽ただ、今季の彼らはこういう間抜けな失点も多いんですが、どうやら最近は根性もついてきたよう。31分には自陣のファンフランを起点にコケがセンターで、更にグリーズマンとそれぞれワンタッチで繋ぐと、それをジエゴ・コスタがエリア内からGKベナリオの脇を抜くシュートで同点に。滅多にお目にかかれないハイテクニックなプレーに私も呆気に取られていたんですが、前半ロスタイムにもコケのCKにファルカオより高く跳んだヒメネスが頭を合わせて2点目を取ってくれたから、助かったの何のって。え、後でリュカにツイッターで「ゴールが入った訳は?」と訊かれ、「los calzoncillos../ロス・カルソンシージョス(パンツ)」と、ヒメネスは彼にもらったW杯王者、フランス代表の下着をつけていたおかげにしていなかったかって(https://twitter.com/JoseMaGimenez13/status/1042184846330736651)?

▽いや、もちろんそんなの冗談でしょうけど、「La unica posibilidad que tenemos los centrales de marcar son las pelotas quietas/ラ・ウニカ・ポシビリダッド・ケ・テネモス・ロス・セントラレス・デ・マルカル・ソン・ラス・ペロータス・キエタス(CBが得点できる可能性はセットプレーだけだからね)。リーガ優勝したシーズンのように、ウチはセットプレーがPKみたいになるようにしないといけない」(ヒメネス)というのは確かですからね。そう、いくらコスタとグリーズマンが沢山、ゴールを入れてくれたとしてもメッシやロナウドのように年間40、50得点なんて、人間離れした数字には届かないんですから、それが適切な努力の方向かと。

▽おかげで1-2とスコアを逆転したアトレティコは後半、コレアをレマルに代えただけで交代枠も1つしか使わず、そのままリードを保って、昨季のヨーロッパリーグ準決勝アーセナル戦1stレグで退場したシメオネ監督のベンチ入り禁止処分、最後の試合に勝利。うーん、ここ数年のモナコは、ファルカオも「El Atleti tiene gran experiencia en este tipo de competiciones/エル・アトレティ・ティエネ・グラン・エクスペリエンシア・エン・エステ・ティポ・デ・コンペティシオネス(アトレティコはこういった大会での経験が豊富だ)」と認めていたように、それこそレマルなどを含め、才能ある選手が出て行ってしまい、若手の成長を待っている最中ですからね。

▽その辺の差が勝敗を決したとも言えますが、これでCLに関しては10月3日のクラブ・ブルージュ戦まで枕を高くして眠れることに。もちろん昨季はグループ最弱のカラバフに2分けと躓いて、3位敗退した彼らですから、決して油断はできないんですが、そうそう、実はこの試合、会場のスタッド・ルイ2世のピッチの芝が剥がれまくり。そのことを訊かれたコスタが、「Venimos del Wanda que tambien esta horrible/ビニモス・デル・ワンダ・ケ・タンビエン・エスタ・オリブレ(ボクらは恐ろしい状態のワンダから来たんだ)」とコメントして、夏の間、コンサート会場として使われた後、張替えをしたワンダ・メトロポリターノの芝がボロボロだったことが初めて発覚するんですから、まったくもう。

▽ええ、彼らはバルサじゃないので、普段、ピッチの良し悪しについて、あまり文句を言ったりせず、プレーもプレーなだけに周りも問題視しないっていうのもどうかと思いますけどね。先週末のエイバル戦で私もスタンドから見ていて、「ちょっと土、見えているかも」ぐらいには思ってはいましたが、幸い今週末のリーガは土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時医30分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで弟分のヘタフェとのミニダービー。来週火曜のウエスカ戦までにマシになっていてくれればいいんですが、ただ、土曜午後6時からはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場にあるミニスタジアムの改装が済むまで、ホームとして借りているラージョ・マハダンオンダのリーガ2部戦が開催されるんですよ。それでまた荒れてしまわないか、懸念は残るものの、前回の試合では長男、エンツォを応援するため、スタンドで目撃されていたジダン元マドリー監督はこのエクストレマドゥラ戦にも来るのでしょうか。

▽そして翌日はサンティアゴ・ベルナベウに向かった私でしたが、この日のマドリーは前半から何度もシュートを放つ活況。もっとも精度が今イチだったため、得点はロスタイム、「Me la había hecho a mí y hoy Ramos me la ha dejado/メ・ラ・アビア・エチョ・ア・ミー・イ・オイ・ラモス・メ・ラ・ア・デハードー(自分がファールを受けたし、今日はラモスが自分に撃たせてくれた)」というイスコが敵エリア近くからのFKを直接、ネットに突き刺すまで入らなかったんですが、やっぱりここ3連覇しているお得意の大会ですねえ。リーガ前節ではアスレティックと引き分けてしまったことなど、忘れさせてくれるように軽快なプレーを披露してくれるんですから、嬉しいじゃないですか。

▽そんな中、圧巻だったのは後半13分、カウンターからモドリッチが放ったスルーパスにベイルが激走。今季はジダン監督から、英語の話せるロペテギ監督に代わって、より理解を深めることができると言っていた彼がそのままシュートを決め、2点目をゲットしたとなれば、もう大船に乗った気になっていい? ここ2試合リーガで先発していたGKクルトワがベンチに戻り、先発したケイロル・ナバスも幾つか、paradon(パラドン/スーパーセーブ)を見せてくれましたし、最後は古巣に復帰後初出場を果たしたマリアーノが後半ロスタイムにエリア前から、弧を描くgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げて3-0と、いえ、この試合通じてのシュート数が30回で、うち枠内が11回となると、ちょっとスコア的に物足りない気もしないではありませんけどね。

▽この夏はスポーツディレクターのモンチ氏の肝入りで新しい選手が12人も入り、過渡期にあるローマも昨季の準々決勝でバルサをまさかの逆転敗退に追いやった時より、グループリーグでアトレティコのホームで2-0と負けた時に近かったような気がしますが、まあここはC・ロナウドがおらずともまったく、破壊力が変わらないマドリーの強さを褒めるしかないかと。ええ、ゴールは決まらなかったものの、「El Mundial me provocó mucho desgaste físico y mental, pero me siento cada día major/エル・ムンディアル・メ・プロボコ・ムーチョ・デスガステ・フィシコ・イ・メンタル、ペロ・メ・シエントー・カーダ・ディア・メホール(W杯で自分はフィジカル的にもメンタル的にも凄い消耗をしたけど、日々、良くなってきている)」というモドリッチも試合終了の笛が鳴ると同時にピッチに戻り、この日が最後のサンティアゴ・ベルナベウでのプレーになるかもしれないローマのキャプテン、デ・ロッシとユニ交換できて満足しているようでしたしね。

▽イスコと途中交代となったアセンシオも妙技を見せるなど、もうこの試合だけを見ると、今季のマドリーには死角がないように思えますが、さて。どちらにしろ、彼らのグループの次戦は10月2日のCSKAモスクワ戦、そしてビクトリア・プルゼニ(チェコ)との2連戦と突破にそれ程、障害はないようなので、あまり心配することもないような。むしろ土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのエスパニョール戦の方が気になりますが、奇しくも現在、あちらの正GKを務めるのはディエゴ・ロペス。そう、アンチェロッティ監督時代の2013-14シーズン、カシージャス(現ポルト)がCLとコパ・デル・レイを担当する一方で、リーガを担当するという珍しいローテーションを経験した選手なんですが、果たしてロペテギ監督はナバスとクルトワの分担をどうするのか、ここは大いに興味が持たれるところです。

▽そしてこの週末の弟分チームたちの情報も伝えておくと、前述した通り、柴崎岳選手のヘタフェはホームのアトレティコ戦で、うーん、基本的にあまり相性は良くないんですけどね。前節ではセビージャをアウェイで0-2と破っている上、ミッドウィークに試合がない分、体力があるのが強みになるかと。アトレティコの方は水曜からカリニッチとビトロが全体練習に加わり、超少数精鋭状態が少し、解消するかもしれません。

▽一方、先週末にはとうとう、最下位になってしまったレガネスは土曜にアウェイのエイバル戦。来週水曜にはブタルケにバルサを迎えるだけに何とか、その前に勝ち点を増やしておいてもらいたいところですが、やはり課題は決定力になりますでしょうか。もう1つの弟分、ラージョは各国代表戦週間前から、エスタディオ・バジェカスのスタンドが改修工事で閉鎖。3節のアスレティック戦が延期になり、この土曜のアラベス戦も開催が危ぶまれていたんですが…ようやく木曜になって予定通り、午後1時からキックオフすることが決定。いやあ、先週のウエスカ戦で勝ち点3を手に入れ、レガネスと交代で18位に上がった彼らですが、やっぱり降格圏にいるのは落ち着きませんからね。現在5位にあるヘタフェを見習って、ホームゲームを待ちわびていたファンの前で上昇気流に乗れたらいいですね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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まだ改善する時間はある…/原ゆみこのマドリッド

▽「ある意味、早いうちにボロが出て良かったかも」そんな風に私が気分を切り替えようとしていたのは火曜日、ファンの期待を大きく裏切ったスペイン代表の試合から、一夜明けた時のことでした。いやあ、今年から始まったUEFAの新しい大会、ネイションズリーグに関しては、これまでの退屈な親善試合に代わるものとして導入されたものの、チマチマしたグループ分けのせいで、ファイナルフォー(準決勝と決勝)までたったの4試合、計6試合で優勝が決まるというお手軽さ。獲得してもあまり泊がつくタイトルじゃなさそうだなと思っていたんですけどね。 ▽ただ、このネーションズリーグ、FIFAランキング順にAからDまでリーグを分けたため、各グループ内のチームレベルが拮抗。イグランド戦を終えた直後、セルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)も「この種類の対戦は相手にも左右される。世界的に上位のチームで、集団としてだけでなく、個人的にとても危険な選手や監督がいるのだから」と言っていましたが、そうですよねえ。普通のユーロやW杯の予選グループは玉石混合、というか、シード分けして抽選するため、互角の相手がグループ内に1つあればいい方で、あとはほとんど、勝って当然の小国ばかりとあって、スペインが無敗で本大会進出するのも近年では決して珍しいことではなし。 ▽その結果、かなり自信過剰な状態で本大会を迎え、2014年W杯グループリーグ敗退、2016年ユーロのベスト16敗退、まあ、昨夏のW杯では直前にロペテギ監督解任事件などもありましたけどね。やっぱりベスト16敗退と、残念な終わり方になっていることを考えたら、就任後3連勝と順風満帆で発進したように見えたルイス・エンリケ監督率いる新生スペインにとって、このイングランド戦での大失敗は早めに軌道修正をするいい機会になるかもしれない? ▽そんなことはともかく、まずは月曜の試合がどんなだったか、伝えていくことにすると。23年ぶりにスペイン代表を迎えたベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)はもちろん超満員となったんですが、キックオフ前の国歌斉唱時には、うーん、前日からセビージャ(スペイン南部)に乗り込んだ3000人のイングランド人ファンの一部が日曜の夜、市内で警官隊と衝突する騒ぎを起こしたせいもあったんですかね。”God save the Queen”が鳴っている間中、大きなpito(ピト/ブーイング)がスタンドから飛んでいたのはかなり、スペインの印象を悪くしたんですが、より最悪なことが起こったのは前半のピッチだったんですよ。 ▽いえ、序盤からチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)やアセンシオ(マドリー)がシュートを撃ったり、マルコス・アロンソ(チェルシー)のヘッドがゴール枠を直撃したりといったチャンスはあったんですけどね。いつものようにボールを持って相手を自陣閉じ込めていたスペインだったんですが、16分、GKピックフォード(エバートン)のゴールキックを受けたハリー・ケイン(トッテナム)がラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)に繋ぐと、速攻カウンターでスターリング(マンチェスター・シティ)がGKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)を破っているって、何かこんなシーン、9月のウェンブリーでもなかった? ▽うーん、試合前、イングランドのキャプテンも「ウチはポゼッションに関して、スペイン程のレベルにはない。でも他の資質がある」と言っていましたが、更にその日は30分にもそれが発現。ええ、またしてもピックフォードからのボールをケインがゲットしたかと思えば、今度はラッシュフォードが決めて2点差にされているって、ちょっとお。38分にもバークリー(チェルシー)がDF陣の頭の上を越えてケインに送り、ゴール前へのキラーパスからスターリングがイングランドの3点目を入ったとなれば、もう呆れて物も言えないとはまさにこのことかと。 ▽ちなみにこの日、ルイス・エンリケ監督の選んだDF陣はCBがラモス、ナチョのマドリーコンビで右SBは本職からサイドを変えたジョニー(ウォルバーハンプトン)、左SBがマルコス・アロンソ。その4人の動き出しの遅さに加え、中盤のブスケツ(バルサ)が不活発だったのもあって、面白いようにイングランドのカウンターがはまっていたんですが、実はスペインがホームゲームでハーフタイムまでに3点も奪われたのはこれが史上初めてだったとか。ただ、それでも「La primera parte, malísima, hay que reconocerlo/ラ・プリメーラ・パルテ、マリシマ、アイ・ケ・レコノセールロ(前半は最悪だったと認めないといけない)」という流れを変えるため、ルイス・エンリケ監督が後半頭から交代カードを切らなかったのにはかなり意外。 ▽「選手たちに雷を落とすのが普通だったろうが、元気づけることにした。偉大な代表チームには苦しみながらなるものと言った」そうで、でも結局、スペインが1点を返せたのは11分にサウール(アトレティコ)とイアゴ・アスパス(セルタ)がパコ・アルカセル(ドルトムント)とセバージョス(マドリー)に交代してからでしたけどね。ええ、13分に今季はバルサを離れ、絶好調のアルカセルがアセンシオ(マドリー)の蹴ったCKを敵DF陣のマークから見事に抜け出し、ヘッドで決めたんですが、もしや彼を最初から出していたら、前半が無得点に終わるなんてなかったかもと思ったのは私だけではなかった? ▽その2分後にはロドリゴ(バレンシア)がプレーを始めようとしていたピックフォードからボールを奪い、後ろから体を引っ張られてシュートし損ねたなんてことがあったんですが、「El penalti lo vimos claro, era roja y penalti/エス・ペナルティ・ロ・ビモス・クラーロ、エラ・ロハ・イ・ペナルティ(明らかなペナルティに見えた。あれはレッドカードでPKだよ)」(セバージョス)というスペインサイドの猛抗議にも関わらず、審判からのお咎めはなし。ただ、敵GKが退場していたらどうなっていたかはともかく、後半になってイングランドにカウンターのチャンスを与えなくなったとはいえ、彼らの追加点はロスタイム7分の最後のプレー、セバージョスのクロスをラモスが頭で決めるまで入りませんでしたからねえ。 ▽直後にタイムアップとなり、最後は2-3での惜敗となりましたが、この日は「自陣に閉じこもっている訳にはいかなかった。攻めに出て行って楽しんで、プレスをかけて素早くプレーする」というサウスゲート監督の戦略の前に完敗してしまった感もなきにしろあらず。うーん、この試合に勝っていれば、早くもファイアルフォー進出が決まっていたスペインだったんですけどね。おかげで消化試合となるはずだった11月15日のクロアチア戦で勝たないといけなくなったんですが、まあ物を考えよう。ルイス・エンリケ監督も招集メンバーの再検討を示唆していましたし、一応、Bリーグに降格という辱めを受ける可能性だけはなくなったんですから、ここは落ち着いて、2年後のユーロで強さを発揮できるチームを育てていってほしいものです。 ▽え、来月になればイスコやカルバハルら、今回負傷で来られなかったマドリー勢もスペイン代表に戻れるため、そんなに心配することはないんじゃないかって?そうなんですが、今はマドリー自体が不調なため、ベティス出資で里帰りとなったセバージョスこそ後半、反撃の起爆剤的な働きを見せたんですが、ラモスやアセシオがパッとしなかったという弊害も。その辺りの選手たちの調子が上向いてくれるかどうかはこの先、1カ月のロペテギ監督の手腕次第かと。もう月曜には結局、ケガはしていないものの、ウェールズ代表のアイルランド戦に出るのを諦めたベイルも帰還。バルデベバス(バラハス空港の近く)で別途、リハビリを始めていますし、火曜からはクロアチアの親善試合を免除されたモドリッチもチームに合流、土曜のレバンテ戦に向けて、ケガの治ったイスコ、マルセロらと共に全体練習に加わっていますしね。 ▽一方、火曜の夜にあったネーションズリーグのフランスvsドイツ戦でフル出場したバランとクロースは水曜には戻って来られるはずですが、いやあ、PKでドイツの先制点を挙げたものの、最後は2-1で逆転負けを喫し、レーブ監督がますます危ない状態になっているだけに後者は結構、落ち込んで帰ってくるかも。ちなみにフランスのその2点を挙げたのはグリーズマンで、同点弾はアトレティコの同僚リュカのクロスからヘッドしてのgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)。勝ち越し点はPKからでしたが、これでバロンドール獲得に最後の一押しができたと、当人も気分を良くしてくれば、丁度、9月のparon(パロン/リーガの停止期間)から上向き始めたシメオネ監督のチームにとって、鬼に金棒となる? ▽そのアトレティコでは火曜から、イングランド戦で出場のなかったコケとロドリがマハダオンダ(マドリッド近郊)でのセッションに参加。先週は手術をした父親の付き添いでアルゼンチンに帰っていたシメオネ監督も戻っており、「ボールを失くしたって構わない。Si se pierde, rápido a recuperarla/シー・セ・ピエルデ、ラピド・ア・レクペラールラ(取られたら、すぐ取り返すんだ)」と始終、選手たちを叱咤激励していたとか。更には前日のイングランド戦の影響か、「Si no cerramos la calle por dentro son todo goles!/シー・オ・セラモス・ラ・カジェ・ポル・デントロ・ソン・トードー・ゴーレス(センターへのパスコースを塞がないと全部ゴールになるぞ)」と口を酸っぱくして言っていたそうですが、確かに次はここ3年、負け続けているエスタディオ・デ・ラ・セラミカでのビジャレアル戦ですからね。 ▽まずはしっかり守ることが肝要かと思いますが、さて。まだジエゴ・コスタ、ヒメネス、サビッチはリハビリでグラウンドに出ていないものの、一応、土曜までには復帰する見込みのようで、日本に3-4で負けたウルグアイの親善試合に出ていたゴディンも含め、木曜までには各国代表に駆り出されていた選手たちも揃いそうですしね。来週水曜にはCLグループリーグでドルトムント遠征も控えているため、この先、後出しで負傷者が増えていないことを今は祈るばかりでしょうか。 ▽そして同じ土曜にはレガネスがバレンシアとアウェイ戦、日曜にはラージョがヘタフェをエスタディオ・バジェカスに迎えてのミニダービーというのが今週末の予定になっていますが、代表選手の少ない弟分たちはそろそろ試合をしたくてウズウズしている頃かと。ちなみに来週は火曜に比較的、チケットの手に入りやすいCLビクトリア・プルゼニ戦がサンティアゴ・ベルナベウで午後9時から開催、翌水曜午後7時からは延期されていたリーガ3節のラージョvsアスレティック戦があるため、マドリッド観光が平日に当たると嘆いていたサッカーファンもスタジアムに行く機会がありますよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.17 13:00 Wed
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まだ小手調べだから…/原ゆみこのマドリッド

▽「本大会を除けば強いのは昔からよね」そんな風に私が納得していたのは土曜日、ウェールズとの親善試合に勝ったスペインがこれで27試合、無敗を続けているという記事を読んだ時のことでした。いえ、ロシア・ワールドカップ(W杯)では彼ら、開催国ロシアの前にベスト16で敗退しているんですが、PK戦による負けは国際サッカー連盟(FIFA)によると、敗戦にカウントされず。従って、最後の黒星が2016年ユーロのベスト16、イタリア戦になるため、こういう数字が出てきたようですけどね。大体がして、予選では無敗に近い成績で本大会に出場するのが、近年のスペインのデフォルトとなれば、ロペテギ監督(現レアル・マドリー)、イエロ監督を経て、W杯後から受け継いだルイス・エンリケ監督が3連勝で好発進と言っても本当に強いチームが戻ってきたと手放しで喜ぶには早すぎる? ▽え、それでもウェールズ戦はいい内容だったんだろうって? そうですね、元々、イスコやカルバハル(マドリー)ら、負傷で招集されなかった選手がいたのに加えて、来週月曜にUEFAネーションズリーグの公式戦を控え、かなりのメンバーをチェンジしたスペインでしたが、やはりリーグAとBの格の差というのもあったんでしょうね。ずっと苦手にしていた5人DF体制を敷かれたにも関わらず、序盤から積極的に攻めていったところ、前半8分には早くも先制点をゲットすることに。そう、ガヤ(バレンシア)のシュートは間が悪く、サウール(アトレティコ)に当たってしまったんですが、こぼれ球をパコ・アルカセル(ドルトムント)が見事なgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)にしているんですから、大したもんじゃないですか。 ▽おまけに19分にはスソ(ミラン)が蹴ったCKをノーマークでセルヒオ・ラモス(マドリー)がヘッドして追加点を取ると、29分にも今度は敵がエリア内でクリアミスしたボールを撃ち込んで、パコ・アルカセルが自身2本目のゴールを入れているって…はい、思い出しました。実は彼、バレンシアからバルサに移籍して、メッシ、ルイス・スアレス、ネイマールの控えとなる前にはユーロ2016予選など、いいところでゴールを決めていて、この日の2点で代表14試合で8得点。プレー時間を増やすため、今季、レンタルで移ったドルトムントでも7得点と当たっていたため、24日のチャンピオンズリーグ(CL)グループリーグ3節ではアトレティコも今季は出場機会が減っている香川真司選手より、彼の方に気をつけないといけないと思ってはいたんですけどね。 ▽まさかここまでゴールづいていたとは恐ろしい。同様にマドリーでの出番の少なさから昨季、チェルシーに行ったモラタもこの日はCFとして先発していましたが、残念ながら、こちらにはあまりチャンスが回らず。ええ、後半28分にもスソのCKからヘッドでのゴールがあったんですけど、ラモスから代わったバルトラ(ベティス)が決めていますからね。実際、他にもFWは途中出場したイアゴ・アスパス(セルタ)やロドリゴ(バレンシア)がいるため、今回は招集リスト発表直前のCLクラブ・ブルージュ戦で負傷したジエゴ・コスタ(アトレティコ)も含め、毎試合、ルイス・エンリケ監督は誰を起用するかで大いに頭を悩ますことになりそうな。 ▽その後、ベイル(マドリー)はパルコ(貴賓席)で見学していたものの、終盤にはウェールズがヴォークス(バーンリー)のゴールで1点を返したため、スコアは1-4となりましたが、何より良かったのは、「Con 0-3 hemos seguido haciendo lo mismo/コン・セロ・トレス・エモス・セギードー・アシエンドー・ロ・ミスモ(0-3になってもウチは同じように続けた)」とルイス・エンリケ監督も言っていたように、前半で勝負を決めたスペインが後半になってもダレなかったこと。いえ、ところどころでは、基本が「En la seleccion la idea es la de descansar con la pelota y buscar los espacios/エン・ラ・セレクシオン・ラ・イデア・エス・ラ・デ・デスカンサール・コン・ラ・ペロータ・イ・ブスカル・ロス・エスパシオス(代表ではボールを持って休みながら、スペースを探すというのがアイデア)」(サウール)なせいか、W杯でのようにパスを外縁で回しているだけの退屈な時間もあったりはしたんですけどね。 ▽それでも明らかに縦パスを通そうという試みは以前より増えていましたし、攻撃陣もボールが敵方にある時はしっかりプレスをかけたりと、あのロシア戦にあった倦怠感がなくなっていたのは新監督の功績かと。え、その日はブスケッツ(バルサ)の代役を立派に務めたロドリ(アトレティコ)も「Para nosotros no era un amistoso, sino un examen importante/パラ・ノソトロス・ノー・エラ・ウン・アミストーソ、シノ・ウン・エクサメン・インポルタンテ(ボクらにとっては親善ではなくて、大事な試験だった)」と言っていたように、まだ今のサイクルに入ってメンバーが固定していないのもいい緊張感を保つ原因になったんじゃないかって? ▽そうですね、何よりルイス・エンリケ監督になって顕著なのは、9月の最初の招集リストからして、かつて黄金期のスペイン代表では主流だったバルサ勢がブスケッツとセルジ・ロベルトの2人だけに激減。加えてこの日は後者が負傷で呼ばれず、ブスケッツも温存されため、カーディフのプリンシパリティ・スタジアムのピッチにはバルサの選手が1人も登場しなかったのは特筆すべきかと。だってえ、ただの背番号とはいえ、この日はイニエスタ(ヴィッセル神戸)の着けていた6番をサウールが、チャビ(アル・サッド)の8番をコケが着けていたんですよ。よりによって、アトレティコのカンテラーノ(ユース組織出身選手)コンビがスペイン代表伝説のMFコンビの後釜になるなんて、私もちょっと時代の変化についていけない気がしたものの…。 ▽まあ、今はそれでもいいです。翌金曜にマドリッドに戻ったチームはラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で2回の非公開セッションを行った後、土曜の午後はフリータイムに。どうやら前回、ルイス・エンリケ監督に連れられて行ったエスケープルーム(謎解きをしてバーチャル空間を抜け出すゲーム施設)が癖になってしまったか、ブスケッツ、ガヤ、バルトラ、チアゴ(バイエルン)、アスピリクエタ(アーセナル)らがセントロ(市内中心部)のラ・カサ・デ・パペルで目撃されたなんて話もありましたが、チームは日曜にイングランド戦の行われるセビージャ(スペイン南部)に向かい、午後7時からはベニト・ビジャマリン(ベティス)でファンも見られる前日練習をする予定となっています。 ▽うーん、ルイス・エンリケ監督は「スタメンのヒントは今日、出なかった選手とも言えるが、当たるのは4人か5人だろうね」とウェールズ戦の後、記者たちを煙に巻いていましたが、その方向で行くと、ブスケッツ、アセンシオ、ナチョ(マドリー)、マルコス・アロンソ(チェルシー)などが確定。気になるのは好調、パコ・アルカセルがリピートするのかといった辺りですが、何せ、金曜にはクロアチアとイングランドがスコアレスドローだったため、ここでスペインが引き分け以上だと、ほぼ来年6月に開かれるファイナルフォー(ネーションズリーグ、グループA王者を決める準決勝と決勝)出場が確実になるみたいですからね。この3試合で計12得点したgoleada(ゴエアダ/ゴールラッシュ)体質のスペインが今度は何点取ってくれるのかも楽しみなんですが…どうにも今年から始まったこの大会の位置づけがまだ中途半端なため、ファンとしてもこの快進撃にどこまで喜んでいいのか、微妙なんですよね。 ▽そしてそこここで代表戦が開かれている今週、マドリッドの5チームはどうしていたかというと。いやあ、このparon(パロン/リーガの停止期間)に一番、巻き返しが必要とされているのはここ4試合、勝ち星がなく、次のレバンテ戦、CLビクトリア・プルゼニ(チェコ)戦の結果次第ではクラシコ(伝統の一戦、バルサ戦のこと)前にロペテギ監督解任もありうると言われているマドリーなんですが、ビッグクラブというのはかくも辛いもの。今回も各国代表に大量14人が出向しているため、バルデベバス(バラハス空港の近く)でのセッションには、RMカスティージャ(マドリーのBチーム)の選手たちがヘルプとして駆けつけることに。 ▽ただ朗報もあって、この成績不振が始まる前に急性盲腸炎の手術を受けたイスコ、0-3と大敗したセビージャ戦でケガをしたマルセロが着々と回復、来週土曜のレバンテ戦に間に合いそうなことですが、まだ様子がわからないのはベンゼマとベイル。うーん、前節アラベス戦のハーフで交代した前者には全治10日間という意見と2、3週間という意見があるため、早くてクラシコに間に合うかといったところでしょうが、アトレティコとのマドリーダービーで筋肉疲労を起こし、CLのモスクワ遠征を休んだベイルはアラベス戦で復帰したものの、再び途中でギブアップしていますからね。代表には行ったものの、ウェールズのライアン・ギグズ監督によると、火曜の公式戦、アイルランド戦出場も難しいようです。 ▽それでもただの筋肉疲労と言い張られてしまうと、もうクラシコまで温存しない限り、頼りになる戦力になってくれないんじゃないかと悲観してしまいますが、さて。とりあえず、マリアーノやルーカス・バスケスは残って練習に励んでいるため、ロペテギ監督も後はアセンシオやセバージョスがケガしないで戻って来ることを祈るばかりといったところでしょうか。ちなみにカルバハルは全治1カ月の重傷のため、当分、リハビリが続くことになります。 ▽一方、前節にはお隣さんに勝ち点差1をつけ、バルサと同じ勝ち点となって3位に上がったアトレティコとはいうと。いやあ、こちらも11人が代表に行っているため、マハダオンダ(マドリッド近郊)のセッションもこじんまりとしたものになっていたんですが、何せ今週はシメオネ監督まで、手術を受けた父親に付き添いに母国のアルゼンチンへ帰ってしまっていませんでしたからね。加えてジエゴ・コスタ、ヒメネスはリハビリ中、9月のモンテネグロ代表の試合でケガして帰って来て以来、グラウンドに姿を現していないサビッチ、リーガ開幕戦で痛めたヒザを鍛え直しているビトロと、何とも寂しい状況だったようですが、大丈夫。 ▽週が明ければ、選手たちもだんだん増えていくはずですし、コスタやヒメネス、ビトロは来週土曜のビジャレアル戦までにはプレーできるようになるはずとあって、やはりこちらも怖いのは代表戦でケガをする選手が出ないかどうか。とりわけグリーズマン、リュカ、レマルの3人が参加しているフランスなど、火曜にドイツとのネーションズリーグの試合があるため、用心が必要かと思いますが、同日、埼玉で日本代表との親善試合があるウルグアイ代表のゴディンも長旅の疲れが心配ですよね。 ▽え、そんな中、3、4名しか各国代表に呼ばれていない弟分チームたちはさぞかし、いい練習ができたんじゃないかって? そうなんですが、エン・ナシリ(モロッコ)、オメロウ(ナイジェリア)、ルニン(ウクライナ)が欠けたメンバーで木曜、エイバルと親善試合を行ったレガネスは3-2で負けてしまうという残念な結果に。ペジェグリーノ監督はこの金土日とチームに3連休を与え、月曜から再び、降格圏の18位を抜け出すため、土曜のバレンシア戦に向かってシュダッド・デポルティバ・レガネスでのセッションを始めることになります。 ▽そのレガネスに前節負け、19位になってしまったラージョはカクタ(コンゴ)、アドビンクラ(ペルー)、ラス(ギニア)、ディミトリビッチ(マケドニア)が留守なんですが、こちらは日曜にヘタフェとの連続ミニダービーに挑むのに加え、エスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖のため、延期された3節アスレティック戦の開催が24日(水)午後7時に決定。ミチェル監督はこちらも見据えて準備を進めないといけないことに。うーん、本来、ホーム2連戦というのは稼ぎどころなんですが、まだ今季、1部に戻って来てから、バジェカスのファンは勝利を祝えていませんからね。この2週間がいい気分転換となってほしいものですが…。 ▽そう、相手のヘタフェもマドリッド勢なだけに私もどっちを応援したらいいか、内心複雑なんですよ。一応、彼らだけは13位と危険地帯にいないとはいえ、ここ4試合、白星から見放されているのが辛いところ。今週は毎日、きっちり午前10時半から練習していたチームからは柴崎岳選手、ジェネ(トーゴ)、マキシモビッチ(セルビア)、アマト(セネガル)が各国代表に出向いています。週中には協議委員会の審理も出て、前節レバンテ戦で退場となったポルティージョが2試合、累積警告となったジェネが1試合の出場停止処分となってしまったのもが逆境ですが、ここはボルダラス監督に頭を捻ってもらうしかないですかね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.14 13:30 Sun
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ゴールが見足りない…/原ゆみこのマドリッド

▽「ようやく順当なとこまで上がったわね」そんな風に私が頷いていたのは月曜日、いえ、前日のワンダ・メトロポリターノからの帰り道にはいきなりアトレティコがリーガ首位になっていて、これではあまりに話が上手すぎると半信半疑だったんですけどね。家に着いてみれば、セルタに2-1で勝ったセビージャに追い越され、夜にはバレンシアと1-1で引き分けたバルサにも得失点差で及ばず、彼らは近年の定位置となっている3位で8節を終了。とはいえ、今季は開幕から4試合で勝ち点7も落としていたせいで、どうなることかとハラハラしていたのがウソのように、こんな短期間で挽回できたとなれば、ホッとしているアトレティコファンは自分だけじゃなかったはずかと。 ▽もちろん、それにはリーガの2強がここ数試合、取りこぼしまくっているおかげもあるんですけどね。おまけに途中、CLトッテナム戦で一息つけたバルサと異なり、ここ4試合無得点で白星なし。ミッドウィークのCSKAモスクワ戦から2連敗となってしまったマドリーなど、早くも監督交代の噂まで出ていたりするんですが、まあその辺はおいおい話していくことにして、まずは5チームもあるマドリッド勢のゴールが計2本しか見られなかった先週末のリーガがどうだったか、お伝えしていくことにすると。 ▽土曜午後4時15分の試合でトップバッターを飾ったのは弟分のヘタフェだったんですが、3試合ぶりにホームのコリセウム・アルフォンソ・ペレスに帰ってきながら、勝利でファンを喜ばすことはできず。ええ、前半にはホルヘ・モリーナやマキシモビッチのチャンスがあったものの、シュートが決まらず、そうこうするうちに後半14分、バルディに直接FKを見事に叩き込まれてしまったんですよ。そのまま0-1で負けてしまっては、まさに昨季、ムニス監督の後を継いで、ヘタフェ戦で1部リーガ白星デビューを飾ったパコ・ロペス監督が「El Coliseum siempre va a ser un estadio especial para mi/エル・コリセウム・シエンプレ・バ・ア・セル・ウン・エスタディオ・エスペシアル・パラ・ミー(私にとって、コリセウムはいつも特別なスタジアムになるだろう)」と喜んでいたのも当然だった? ▽うーん、ヘタフェには後半ロスタイムとして表示された3分では短すぎると抗議したポルティージョが一発レッドで退場させられる不運もありましたしね。更にこの試合でイエローカードをもらったジェネが累積警告で次戦出場停止となるため、インターナショナルマッチウィーク明けのミニダービー、ラージョ戦でレギュラーが2人欠けることになるのも踏んだり蹴ったりとはいえ…もしやここ3試合、ベンチに入れなかった柴崎岳選手にとっては、これがビッグチャンスになる? ▽うーん、ボルダラス監督も「Tenemos una plantilla con todos disponibles, son decisiones tecnicas./テネモス・ウナ・プランティージャ・コン・トードス・ディスポニブレス、ソン・デシシオネス・テクニカス(今は選手全員がプレー可能で、戦術的判断)」と柴崎選手不在の理由を話していたため、競争相手が23人から21人になれば、もちろん確率は上がりますけどね。ただ、今回の彼は日本代表に招集され、長旅を挟むことになりますし、その間、アレホ、グアルディオラ、ロベル・イバニェスといったMFのライバルたちは地元でみっちり練習。「ガクはもう長い間、チームにいて、当然ながら、もっと貢献してくれないと。あと一歩を踏み出さないとね」というボルダラス監督の要望を叶えるには代表戦で成果を出し、尚且つ、帰還後の短い時間でアピールするしかないんですが、果たしてどうなることやら。 ▽そしてその日はメトロスールが工事中で止まっているため、地上の同じルートを走る代替バスに乗り、最寄りのフリアン・ベステイロ駅から徒歩でブタルケに向かった私でしたが、途中で一休みしたバル(スペインの喫茶店兼バー)のTVでは丁度、アラベスvsレアル・マドリー戦が0-0のまま、後半が始まるところ。ベンゼマと交代でマリアーノがピッチに入ったので、そのうち1点くらい入るだろうと思いながら、オンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の中継を聞いていたんですが…まさか、ミニダービーのキックオフをスタンドで待っている間、実況アナウンサーの「Gol del Alaves/ゴル・デル・アラベス(アラベスのゴール)」というガックリした声と共に、記者席が「El Madrid ha palmado!/エル・マドリッド・ア・パルアードー(マドリーがコケた!)」とどよめく場に立ち会うことになろうとは! ▽いやあ、後半になっても点が取れないまま、先日のマドリーダービーのように脚に違和感を覚えたベイルが交代を頼み、35分にビニシウスが入ったなんてこともあったんですけどね。引き分けならまだしも、ロスタイム5分にアラベスがCKから、ソブリーノがヘッド。GKクルトワの弾いたボールが逆のゴール脇にいたマヌ・ガルシアの前に行き、それを頭で押し込まれてしまったから、さあ大変!それこそ反撃の時間もあったもんじゃなく、「20分とかに先制していたら、逆転されていたかもしれない。Es la victoria sonada/エス・ラ・ビクトリア・ソニャーダ(夢見たような勝利だ)」(アベラルド監督)という、1-0で勝ち点3をアラベスに贈ってしまったとなれば、もうこれはロペテギ監督の進退が問われるクライシス突入としか言いようがない? ▽え、それでもマドリーは日曜試合の結果のおかげもあり、首位と勝ち点差2の4位に留まっているのに比べたら、片や最下位、もう一方は18位という降格圏ダービーとなった弟分、レガネスとラージョの方が大変さは深刻だろうって?まあ、そうなんですが、近場ということで普段、ビジターチームのファンが座らされる正面スタンド左側角のスペースからはみ出る程の人数でブカネーロ(ラージョの過激なファンのグループ)がキックオフ前から声を張り上げ、何だかエスタディオ・バジェカス(ラージョのホーム)にいるような気分で始まったというのにどうやら、肝心の選手たちはエンジンがかかるのに時間がかかったよう。 ▽ミチェル監督も「La intensidad de uno y otro en la primera parte ha sido distinta/ラ・ンテンシダッド・デ・ウノ・イ・オトロ・エン・ラ・プリメーラ・パルテ・ア・シードー・ディスティントー(前半の両者のプレーの激しさは違っていた)」と後で怒っていたんですが、まだレガネスのファンたちが喉を温めている間、前半14分にはマイケル・サントスが右奥から送ったラストパスをカリージョがシュート。これが先制点となったから、一気にスタンドが盛り上がることに。その後はキャプテンのCBブスティンサが28分にケガで交代したこともあって、とりわけ後半にはラージョも攻勢をかけていたんですが、メドランの退場が響いたか、最後までスコアは動かず。 ▽おかげで先日のバルサ戦に続き、ホーム2連勝としたレガネスが最下位を脱出して18位に、ラージョは19位と1つ順位を落とすこことになったんですが、まだまだ先は長いですからねえ。paron(パロン/リーガの停止期間)後は20日(土)にアウェイでバレンシアに挑むレガネスも、21日(日)にヘタフェをホームに迎えるラージョもこの2週間、しっかり鍛えて、11月の代表戦週間は降格圏外で迎えられるといいのですが。 ▽そして翌日曜はアトレレティコのベティス戦を見にワンダに向かった私でしたが、うーん、やはりランチタイム(スペインでは午後2時から4時)直後の試合だったせいでしょうかね。開始4分にはいきなり敵陣からのスルーパスがダイレクトにロレンに渡り、エリア内からフリーでシュートを撃たれるという不注意なミスを犯した彼らでしたが、幸いこのボールは枠を外れてくれることに。何せ相手がポゼッション命のセティエン監督のチームですからね。それからもボールは持たせてもらえず、かといってピンチに陥ることもなく、淡々と前半を終えましたが、どうやらそれはシメオネ監督の作戦通りの展開だったよう。 ▽だってえ、後でロドリも「Hay partidos en los que interesa tener mas la posesion, otros menos.../アイ・パルティードス・エン・ロス・ケ・インテレサ・テネール・マス・ラ・ポセシオン、オトロス・メノス(ポゼッションを高くしたい試合とそうでもない試合がある)」と言っていたんですが、相変わらず、ボールはベティスの手にあったものの、後半になって敵陣でのプレスを強めたところ、いきなりチャンスが増えたんですよ。ええ、負傷中のジエゴ・コスタの代理で入ったカリニッチがゴールポストに当たるシュートを放ったり、GKパウ・ロペスにセーブされる惜しい一撃があった後、相手が疲れたところを見計らい、レマルをコレアに、カリニッチをトマスに代えてトップ下をやらせるという交代策が大当たり。とうとう29分にはコレアがジュニオールからボールを奪ってトマスと連携すると、ゴール右隅に狙い澄ましたシュートを送り込んでいるんですから、呆気に取られたの何のって。 ▽そのまま堅守で1点リードを守ったアトレティコは、いえ、後でセティエン監督など、「No es facil que el Atletico termine perdiendo tiempo y pidiendo la hora/ノー・エス・ファシル・ケ・エル・アトレティコ・テルミネ・ペルディエンドー・ティエンポ・イ・ピディエンドー・ラ・オラ(アトレティコが時間稼ぎをして、審判にタイムアップを訴えるような状況で終わらせるのは簡単ではない)」と嫌味を言っていましたけどね。元々、彼らはgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)体質のチームではないですし、大入りだったスタンドのファンも喜びに湧いていたため、1-0の勝利で何の問題もなかったかと。 ▽加えてセティエン監督は、「pero hay una superioridad manifiesta/ペロアイ・ウナ・スペリオリダッド・マニフィエスタ(それでも相手の方が明らかに優れていた)。中盤の3人はスペイン代表、FWは世界一の選手の1人、守備陣も経験豊富だ」と認めてもいたんですが、言われればそんな気もしなくもなし。一方、シメオネ監督は「Los recambios que tienen los equipos que pelean arriba son los que te hacen hacer la diferencia/ロス・レカンビオス・ケ・ティエネン・ロス・エキポス・ケ・ペレア・アリーバ・ソン・ロス・ケ・テ・アセン・アセール・ラ・ディフェレンシア(上位を争うチームで差をつけるのは交代選手)。スタメンの10人だけだと拮抗しているからね」とこの日、控えだったトマスとコレアが試合を決めてくれたことを褒めていましたが、何せ弟分たちと違って、今週のアトレティコは大量11人が各国代表に行ってしまいますからね。 ▽先月、モンテネグロ代表の試合で打撲を受けてきたサビッチがまだ回復していないなど、その辺はちょっと不安なんですが、逆にこの時間を利用して、コスタや今回、日本で親善試合をするウルグアイ代表には行かないヒメネスのケガが、リーガ再開となる20日のビジャレアル戦までには治ってくれればいいかと。いやあ、負傷者に関してはもっと大変なことになっているお隣さんなど、ただの筋肉疲労とは言うものの、2試合連続途中交代したベイルがウェールズ代表に行ってしまいましたけどね。バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場に残ってリハビリをするベンゼマ、イスコ、マルセロらはサンティアゴ・ベルナベウでのレバンテ戦に間に合うかもしれません。 ▽そうそう、代表繋がりではベティス戦の後、ワンダのミックスゾーンを通った乾貴士選手も今回の日本代表に呼ばれていないんですが、この日の試合で出番がなかったことには「結果を出している選手が使われるのが当然」と納得していたよう。更に「試合に出るだけが全てではないし、練習でもアピールできるからね。チームに残れることをプラスと考えてやっていきたい」と意欲を表明していましたが、今季、移籍した新天地でも徐々にプレーする機会が増えていくといいですね。 ▽そんな調子で週末が終わり、いよいよ月曜はラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設にスペイン代表が集合。私も唯一、彼らの練習風景を見る機会と午後7時からのセッションを見に行ったんですが、いやあ、やられました。モンクロア(市内のバスターミナル駅)に定刻通りバスが来ず、15分遅れで着くと同時に日曜に試合に出た選手たちが引き揚げていくって、あまりのタイミングの悪さ。おかげでもちろん、コケ、サウール、ロドリのアトレティコ勢はおらず、アセンシオやセバージョスらマドリー勢はいたものの、セルヒオ・ラモスやナチョもすぐジムに行ってしまいましたしね。ピッチを半分使ったミニゲームも半分以上が同じ敷地で練習しているU21代表の選手、バジェホ(マドリー)、オジャルサバル、スベルディア(レアル・ソシエダ)、ウナイ・ニュネス、ウナイ・シモン(アスレティック)らを借りてきて実施というのはちょっと肩透かしを喰らった気がしないでもなし。 ▽ちなみにこちら、火曜は非公開練習で水曜にはウェールズとの親善試合に備えてカーディフ入り。木曜深夜にはまたマドリッドに戻り、月曜のネイションズリーグ3節イングランド戦の前日、ベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)でのセッションまで、ずっと非公開ばかりというのはあまりに秘密めかしていて、何だかチームとの距離が遠ざかってしまったようですが、こればっかりはルイス・エンリケ監督の決めることですからね。その分、試合で楽しませてくれればいいんですが、さて。9月のネイションズリーグ2試合でイングランドに1-2、クロアチアには6-0で連勝して、期待外れに終わったW杯ロシア大会の印象を少し、改善できたスペインですが、国際メジャータイトル3連覇を果たした時のような黄金期はまた巡ってくるのでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.09 17:15 Tue
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ロシアはゲンが良くないみたい…/原ゆみこのマドリッド

▽「時代も変わったものね」そんな風に私が感慨を覚えていたのは木曜日、10月のインターナショナルマッチウィークを前に発表されたスペイン代表招集リストから、ケガでセルジ・ロベルトが落ちたため、とうとうバルサ勢がブスケツ1人になってしまったのを知った時のことでした。いやあ、確かにチャビ(アル・サッド)、イニエスタ(ヴィッセル神戸)、ピケら、黄金期を担ったメンバーが代表から引退。ジョルディ・アルバもルイス・エンリケ監督と訳ありで呼ばれていないとなると、ここまで少なくなってしまっても仕方ないんですけどね。代わって勢力を伸ばしたのがアトレティコで今回、コケの復帰でサウール、ロドリと中盤の3選手が招集って、これじゃ一世を風靡したスペイン代表のティキタカ(短いパスを繋ぐサッカースタイルのこと)はもうお目にかかれない? ▽実際、バルサを3年間、指揮していたルイス・エンリケ監督にとっては辛抱する場面も多くなりそうですが、何せ、今回は頼りのイスコ(レアル・マドリー)も急性盲腸炎の手術をして現在、療養中ですからね。来週木曜にカーディフであるウェールズとの親善試合はともかく、15日のネイションズリーグ3節イングランド戦ではスタメン選抜に苦労しそうですが、そうそう、もっと不思議だったのは先日のCL戦でカルバハル(マドリー)が太ももを痛めたにも関わらず、代理として初招集されたのがジョニー(ウォルバーハンプトン)だったこと。 ▽というのも彼はこの夏、アトレティコがフィリペ・ルイスの後釜にと獲得した左SBで、今季はプレミアリーグで修行中。いくらルイス・エンリケ監督がセルタ時代、右SBもやらせたことがあったと言われても、他にそのポジションで先発できそうなのはアスピリクエタ(チェルシー)ぐらいしかおらず、こちらも最近はCBとしてプレーする方が多かったから。もちろん、どんな状況になってもマルチDFのナチョ(マドリー)は当てにできますけどね。代表戦に関しての詳細はまた来週にでもお伝えしますが、近々、マドリッド訪問の予定があるファンは代表チームがラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設に集合するのは月曜日、午後7時から唯一の公開練習があることを覚えておくといいかもしれません。 ▽え、それよりマドリッド勢のCL第2節がどうだったのかの方が気になるって?そうですね、火曜に一足早くプレーしたのはマドリーだったんですが、相手が強豪ではなく、CSKAモスクワだったのがいけなかったんですかね。ロペテギ監督も先日のマドリダービーで途中交代したものの、ケガはしていなかったベイルやプレー時間の多いセルヒオ・ラモスをお留守番で残し、「Me habia dicho el mister que queria darme descanso por jugar tres o cuatro partidos seguidos/メ・アビア・デッチョー・エル・ミステル・ケ・ケリア・ダールメ・デスカンソ・ポル・フガール・トレス・オ・クアトロ・パルティードス・セギードス(3、4試合出場が続いたから、休みを与えたいと監督に言われた)」とモドリッチもベンチスタートにした辺りから、さすが余裕があるなとは思っていたところ…。 ▽その計算が狂ったのは開始2分、ええ、クロースのバックパスをブラシッチに奪われて、先制ゴールを奪われてしまったから、呆気に取られたの何のって!ただそれでも反撃の時間はたっぷりありましたし、その後はずっと攻めていたマドリーだったんですが、こういう日もあるんですね。ええ、CSKAのゴロチェンコ監督も「ハーフタイムにはチームを落ち着かせないといけなかった。1-0で勝っているのを信じられない選手もいたからね」と言っていたように、前半が終了しても彼らはたったの1点が返せず。 ▽そこへカルバハルが負傷でオディオソラに交代という不運が重なり、後半にはカセミロ、ルーカス・バスケスをモドリッチ、マリアーノにして攻撃力アップに努めたんですが、これぞ、同じルジニキ・スタジアムでプレーしたW杯ベスト16のスペイン対ロシアもかくあらやというようにゴールが入らないんですよ。おかげで「Hemos dado tres palos, nos ha faltado fortuna/エモス・ダードートレス・パロス、ノス・ア・ファルタードー・フォルトゥーナ(ウチはシュートが3度、ゴール枠に当たった。ツキがなかった)」(ロペテギ監督)という結末に(最終結果1-0)。 ▽うーん、初戦のローマ戦には3-0と快勝した彼らですし、この先は同日、そのローマに5-0と大敗しているビクトリア・プルゼニ(チェコ)との2連戦ですから、今の段階でグループリーグ突破が危うくなるとか、そういった問題はまったくないんですけどね。気になるのはここ3試合、マドリーが無得点で終わっていることで、これは2007年以来のゴール日照りなのだとか。おかげで再浮上してきたのがクリスチアーノ・ロナウドの移籍に伴う得点力不足懸念で、ええ、GKを務めたケイロル・ナバスも「Cristiano dejo el liston muy alto, no se puede tapar el sol con un dedo/クリスティアーノ・デホ・エル・リストン・ムイ・アルトー、ノー・セ・プエデ・タパール・エル・ソル・コン・ウン・デド(クリスチアーノが残したハードルは高いよ。太陽を指で隠すことができないようにね)」と認めていましたけどね。 ▽とはいえ、「Fue el quien quiso irse/フエ・エル・キエン・キソ・イールセ(出て行きたがったのは彼だから)」とナチョも現実を直視していたように、いない人は当てにできないんですし、ここはベンゼマやベイル、アセンシオが1人平均10得点以上、上増しして、ロナウドの1シーズン40~50ゴールを補っていくしかないんですが…もしやマリアーノ(オリンピック・リヨンから移籍)しかFWを補強しなかったペレス会長の読みは甘かった?このままいくと、同じような悩みを抱えたモウリーニョ監督(元マンチェスター・ユナイテッド)が冬にアデバヨールを緊急補強した2010-11シーズンみたいな展開になるかもしれませんが、まあそれは最悪の場合。この土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時30分)からのアラベス戦ではイスコ、マルセロ、カルバハルはまだですが、ベイルとラモスが戻って来るため、きっとゴールは見られますって。 ▽そして翌水曜はワンダ・メトロポリターノで今季初のCL戦が開かれたんですが、最初に驚かされたのは、いえ、3000人ものベルギー人ファンが詰めかけ、喉を枯らして歌っていたのもインパクトがあったんですけどね。まさか、クラブ・ブルージュの5人DF体制に対抗して、シメオネ監督もゴディン、ヒメンス、リュカの3CBを並べ、アリアスとサウールをSBというミラー戦略を取ってくるとは、やだあ、これって昨季、セティエン監督のベティスに同じ手を使い、スコアレルドローの不毛な結果に終わってなかった? ▽でも大丈夫。この日のアトレティコは昨季、やはりDFが5人いたカラバフから点が取れず、2試合共引き分けて、グループリーグ敗退した時とは違ったんですよ。個人特定すると、それはグリーズマンで、当人も「メンタル的にビッグゲームを100%で戦える状態になかった。Para mi eso fue la culpa de no pasar la Champions/パラ・ミー・エソ・フエ・ラ・クルパ・デ・ノー・パサール・ラ・チャンピオンズ(ボクにとってはそれがCLグループ通過できなかった理由だ)」と後で認めていたんですが、「アトレティコに残ることを決意して、その成果を受け取っている」(シメオネ監督)今季は真逆。 ▽ええ、前半19分にレマルのパスから決めたvaselina(バセリーナ/ループシュート)によるゴールはオフサイドでスコアに上がらなかったんですが、29分には再び、フランス代表同僚からのクロスをゴール右前でトラップ。狙い澄ました一撃でGKレティカを破ってくれたんですよ。でもねえ、リードして油断したんでしょうか。39分には試合前記者会見でもシメオネ監督が「Tiene gente por banda izquierda, el numero 47/ティエネ・ヘンテ・ポル・バンダ・イスキエルダ、エル・ヌメロ・クアレンテタシエテ(左サイドに背番号47のいい選手がいる)」と言及していたダンジュマにエリア外から、強烈な同点ゴールを浴びてしまうことに。 ▽その瞬間、またしてもカラバフの亡霊が蘇ったのは私だけではなかったかと思いますが、後半のアトレティコは意外なことにヒメネスが太ももを痛めて交代、左SBにフィリペ・ルイスが入って、慣れない5バックから、通常の4バックに戻ったのが幸いしたんです。シメオネ監督の「En el descanso hable de mejorar la ansiedad/エン・エル・デスカンソ・アブレ・デ・メホラル・ラ・アンシエダッド(ハーフタイムには焦らないようにと話した)」のも効いたか、元々、ブルージュ相手にはボールを支配していたんですが、22分にはグリーズマンがエリア内に走り込むジエゴ・コスタへスルーパス、その当人は敵に邪魔されて撃てなかったものの、折り返しをもらったグリーズマンがシュートして2点目が決まったとなれば、もう大船に乗った気でいていい? ▽いやあ、後々のことを考えると、このプレーでコスタが太ももを負傷。この先、数試合欠場することになったのは、「Aunque no meta goles, te libera muchos espacios, nos hace la vida mas fácil/アウンケ・ノー・メタ・ゴーレス、テ・リベラ・ムーチョス・エスパシオス、ノス・アセ・ラ・ビダ・マス・ファシウ(ゴールを入れなくてもスペースを沢山、作って、ボクらをやり易くしてくれる)」とグリーズマンも言っていたように、チームにとって、痛いんですけどね。この日は即座にロドリが入り、敵の攻撃を中盤で抑えてくれたため、見ていて安心できたんですが、まさかロスタイムにもグリーズマンが活躍してくれるとは! ▽だってえ、後半48分にもなって、敵CBに追いすがられながら、ゴールラインまで切り込む体力を披露しているんですよ。その折り返しからのパスをゴール前からコケが決めて、アトレティコは3点目をゲット。おかげでルイス・エンリケ監督も途中、あまりに鈍い動きでシュートチャンスを逸していた当人をセルジ・ロベルトの代わりに代表に呼ぶという決断を正当化でき、ホッとしてパルコ(貴賓席)を後にしたはずですしね。これで3-0とグループ2連勝としたため、次のドルトムントとの2連戦にはアトレティコも自信を持って挑めるはずですし、何よりワンダで迎えるCL決勝に向けて夢を繋いだのは大きかったかと。 ▽そして週末、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からはその因縁のベティスを迎える彼らなんですが、いやあ、ヒメネスの負傷欠場が確定、サビッチが復帰したという噂もなく、CBが2人しかいないため、多分、5バック対決のリピートはないと思うんですけどね。ただ相手も木曜のヨーロッパリーグ2節でデュドランジェ(ルクセンブルク)に3-0で勝利と調子に乗っていますし、リーガでも4位のアトレティコと勝ち点差1で5位につけているため、拮抗した戦いになるのは間違いないかと。 ▽そうそう、そのELではセビージャがクラスノダールに2-1で負け、ビジャレアルもスパルタク・モスクワと3-3と、どちらもロシアの地でいい結果が残せなかったなんてことがあったんですが、試合結果一覧で興味を引いたのはカラバフがアーセナルにあっさり、0-3で負けていたこと。ええ、昨季の準決勝ではそのアーセナルを倒して、アトレティコはEL決勝に進出していますからね。となると、昨季のCLグループリーグは本当に間が悪かっただけのようですが、サッカーではどんな相手にも気を抜いてはいけないという、大きな教訓になったのは確かでしょう。 ▽え、それでミッドウィークにじっくり練習できた弟分たちは今週末、どんな予定になっているのかって?実はどちらも土曜開催ゲームで現在、9位と落ち着いたところにいるヘタフェが午後4時15分から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのレバンテ戦で先陣を切ることに。ここ2試合続いたアウェイ戦では2分けで凌いできただけに、久々のホームゲームでは勝ち点3を期待したいところですが、グッドニュースにもバッドニュースにもなるのは今節のチームにはケガ人が1人もいないこと。ええ、まだ招集リストは出ていないものの、そうなるとここ2回、ベンチ外になってしまった柴崎岳選手がメンバーに入るのは難しいような気がしますが、こればっかりはねえ。 ▽一方、お隣さんのレガネスは最下位脱出を目指して午後8時45分から、ブタルケに18位のラージョを迎えて弟分ダービーとなるんですが、梯子観戦を考えている私にとって辛いのは、未だにメトロスールが工事で止まっているため、5キロそこそこしか離れていないにも関わらず、移動がやっかいなこと。まあ、代替バスを使えば何とかなるんでしょうけど、セルカニアス(国鉄近郊路線)を使ってもスタジアムまでは駅からかなり歩かないといけないのがネックです。 ▽ちなみにまだ本調子ではない彼らは先週、ペレグリーニ監督がバルサに今季初黒星を付けて名を挙げた後、ベティス戦では終盤に痛恨の失点をして1-0で負け。ミチェル監督の方はレアル・ソシエダ、エスパニョール戦と続けて2-2で引き分けているため、だんだんゴールは入るようになってきたようですが…来週は各国代表戦のparon(パロン/リーガの停止期間)で試合がないだけにどちらも勝って、降格圏外でお休みに入りたいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.06 13:00 Sat
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GKが凄いとこうなる…/原ゆみこのマドリッド

▽「何だか一番、得したのはセビージャみたい」そんな風に私が呟いていたのは月曜日、スポーツ紙などでは”Una semana magnifica/ウナ・セマーナ・マグニフィカ(偉大な1週間)”と、ここ3試合で首位との差を勝ち点7から2に縮めたアトレレティコが称えられていたものの、週明けの順位表では1つ下がって4位に。代わりに3連勝したセビージャがバルサ、レアル・マドリーと勝ち点差1となり、3位に喰い込んでいるのを見た時のことでした。いやあ、まだリーガは30節以上あるため、現時点でその程度の差に大した意味がないことはわかっているんですけどね。 ▽もちろんミッドウィークのレアル・マドリー戦での圧巻3-0勝利を含め、3試合で計12点。5位からや躍進したマチン監督のチームが勢いに乗っていることを否定する気もありませんが、とにかく羨ましいのは両エース、アンドレ・シウバとベン・イェデルがどちらも当たっていること。とりわけ先週末は戦前、あれだけ有利と言われながら、結局、スコアレスで終わったアトレレティコのマドリーダービーを見た後だけに、7試合での得点が16と、セビージャが彼らの倍、マドリーよりも4本多いゴールを入れているというのはもしや、この先の脅威となるかもしれない? ▽まあ、そんなことはともかく、7節のマドリッド勢のリーガがどうだったか、お伝えしていくことにすると。いやあ、木曜にヘタフェがアラベスと1-1で引き分け、6節最後の試合が終わった翌日、金曜にはもうラージョがエスパニョール戦で先陣を切っているんですから、まったく忙しいったらありません。そのエスタディオ・バジェカスの試合では前半6分、意表を突いて、ラウール・デ・トーマスがエリア外からシュートを決め、ようやく昇格後、初のホーム勝利を見られるかと、スタンドのファンも湧いたんですけどね。喜んでいられたのは15分程のことで、19分にはエルモーソのシュートをGKアルベルトが弾いたものの、ゴール前に詰めていたボルハ・イグレシアスに蹴り込まれ、1-1の同点に。更にハーフタイム直前にもアドビンクラに当たったボールがグラネロの前に落ち、勝ち越し点を奪われてしまうんですから、困ったもんじゃありませんか。 ▽それでも後半開始直後にはアドビンクラがディダクにエリア内で倒され、カクタがPKを決めて再びイーブンに戻したラージョだったんですが、それ以降、スコアは動かず。確かに後半の彼らは積極的に攻めていて、ミチェル監督も「Creo que los rayistas se pueden ir descontentos con el resultado, no con el rendimiento/クレオ・ケ・ロス・ラジスタス・セ・プエデン・イル・デスコンテントス・コン・エル・レスルタードー、ノー・コン・エル・レンディミエントー(ラージョファンは結果には不満足だったかもしれないが、パフォーマンスは違う)」と胸を張っていたんですけどね。スタンド閉鎖のせいで延期したアスレティック戦の分があるとはいえ、6試合で勝ち点5だけというのはちょっと寂しいですよねえ。 ▽そして土曜にはいよいよ、マドリーダービーがサンティアゴ・ベルナベウで開催されたんですが、いやあ、ピッチで先日、モドリッチ、クルトワ、セルヒオ・ラモス、ヴァラン、マルセロがロンドンで受賞したFIFA個人賞のトロフィーを披露して、まさかキックオフ前から、お隣さんがマウンティングしてくるとは!夏のW杯MVPから、UEFA最優秀選手賞、FIFAベストまでモドリッチに連取され、残るチャンスはバロンドールだけになっているグリーズマンなど、内心、あまり良い気持ちはしなかったんじゃないかと思いますが、大丈夫。前半のアトレティコは[4-3-3]のシステムで始めマドリーに対し、中盤での数的優位を生かすことに。 ▽でもねえ、早くも7分にはコケのスルーパスからグリーズマンが独走、エリア内でGKと1対1になったんですが、クルトワが顔でそのシュートを阻止。似たようなシーンは36分にも繰り返されて、今度はグリーズマンのスルーパスでジエゴ・コスタが突進したんですが、彼も手で弾かれてしまっては一体、どうしたらいいって言うのでしょう。この2つの神セーブには、シメオネ監督に「クルトワは今のアトレティコでは正GKになれない。ヤンの方が上」と信頼されているオブラクも動揺したか、ハーフタイム間際にはゴールキックをエリア内にいたアセンシオに贈るという珍しいミスを犯したりもしたんですが、幸い、相手のシュートはストライクコース。試合は0-0のままで折り返します。 ▽後半は太ももに違和感を覚えたベイルがセバージョスと交代。「creo que mi salida le ha dado otro aire al equipo/クレオ・ケ・ミ・サリーダ・レ・ア・ダードー・オトロ・アイレ・アウ・エキポ(自分が出場して、チームに別の空気を与えたと思う)」と当人も言っていた通り、俄然、マドリーの方が活発になったんですが、最大のピンチにオブラクが3シーズン連続サモラ(リーガで一番失点率が低いGK与えられる賞)はダテでないことを証明してくれたんです! そう、20分にアセンシオに1対1で迫られながら、paradon(パラドン/スーパーセーブ)で窮地を脱したんですが、何せ、彼は母国、スロベニアがW杯に出られなかったため、世界の注目する大舞台で実力を披露する機会がありませんでしたからね。 ▽おかげでUEFAやFIFAの賞とも無縁になっているんですが、この日はもう一人、マドリー攻撃陣の前に立ちはだかったディフェンダーが。それはヒメネスで、いえ、彼もダービー前には「En un partido de este estilo tiene que jugar mucho la cabeza/エン・ウン・パルティードー・デ・エステ・エスティーロ・ティエネ・ケ・フガール・ムーチョ・ラ・カベッサ(こういうスタイルの試合では頭を沢山、使ってプレーしないといけない)」と言っていたんですけどね。まさに有言実行、敵のクロスを9度も頭で弾き返す活躍で、ゴディンが自陣でアセンシオにパスを出してしまった際にも全力疾走。ボールをカットして、ウルグアイ代表先輩のミスをカバーしてくれたんですが、そのおかげもあって、最後までアトレティコは失点せずに済むことに。 ▽結果、スコアレスドローの痛み分けで終わった両者だったものの、これでサンティアゴ・ベルナベウでのリーガ戦で6年連続無敗とし、1940年代にバレンシアが作った記録に並んだアトレティコのファンには、いえ、私も含め、それ以前、ダービーでは開始1分に先制しようが、相手に退場者が出ようが、絶対に勝てなかった不遇の14年間を覚えている世代にしてみれば、負けなくて良かったという安堵感もあったんですけどね。やはりマドリーファンにはもどかしかったようで、ロペテギ監督がマリアーノを使わず、残り4分、最後の交代枠では「El partido pedia velocidad/エル・パルティードーペディア・ベロシダッド(試合にはスピードが必要だった)」(ロペテギ監督)という理由でベンゼマに代わり、18歳のヴィニシウスをデビューさせた時など、スタンドからはpito(ピト/ブイング)が飛ぶ始末。 ▽おまけにマドリー選手たちからも「Oblak ha tardado un minuto en sacar de puerta/オブラク・ア・タルダードー・ウン・ミヌート・エン・サカール・デ・プエルタ(オブラクはゴールキックに1分もかけていた)」(セバージョス)とか、「開始1分から時間稼ぎして、引き分け狙いのチーム相手に勝つのは難しい」(カルバハル)なんて文句も出ていたんですが、いやいや。だったら、前半、コケのクロスがエリア内でカゼミロの腕を直撃しながら、VAR(ビデオ審判)判定すらなかったことなんて、まさに「Que quieren que les diga.../ケ・キエレン・ケ・レス・ディガ(何を言ってほしいのやら…)」(シメオネ監督)という事態だったかと。 ▽だって、先週末のリーガだけでもエイバルvsセビージャ戦でヘスス・ナバスのクロスが腕に当たったコテがペナルティを取られていたり、ビジャレアルvsバジャドリー戦でもフネス・モリのヘッドがキコの腕に触れ、こちらはVARでPKという似た事例がありながら、カゼミロのハンドだけ、不可抗力として、お咎めを免れているんですよ。この点に関しては、クラブも審判委員会にVARの使用基準を問う書簡を出していましたが、今回のダービーではラモスがコレアの顔にcodazo(コダソ/肘打ち)を見舞ったのがイエローカードに留まったり、終盤は空中戦でカリニッチをド突いたのが2枚目にならなかったりと、どちらのケースもレッドカード案件だったにも関わらず、VAR判定がなかったのは何故? ▽まあ、シメオネ監督も「前半のチャンスを考えると残念だが、後半を見たところ…Creo que el empate es justo/クレオ・ケ・エル・エンパテ・エス・フストー(引き分けは妥当だと思う)」と言っていましたし、ハンドの抗議を主審に流されたコケも「Hoy ha sido el dia de los porteros/オイ・ア・シードー・エル・ディア・デ・ロス・ポルテーロス(今日はGKの日だった)」と認めていた通り、私もあの2度の絶好機を止められては勝てなくても仕方ないという気がしますけどね。実際、その日の前の時間帯ではバルサがカンプ・ノウでアスレティックと1-1で引き分け。ここ3試合連続して勝ち点を落としてくれたため、マドリーも同じ勝ち点で2位のまま、アトレティコも勝ち点差2で変わらずと、セビージャ以外に漁夫の利を与えることもなかったのは良かったかと。10月末のクラシコ(伝統の一戦)まで、リーガはこんな感じで競り合いが続くんじゃないでしょうかね。 ▽それより今週はCL第2節の方に注目で、早くも日曜午後には火曜のCSKAモスクワ戦に備え、マドリーがロシアに移動。セビージャ戦でふくらはぎを痛めたマルセロ、先週、急性盲腸炎で手術したイスコ、そしてケガではなかったものの、大事を取ったベイルが遠征に参加していないんですが、意外だったのはロペテギ監督がラモスをお留守番にしたこと。いえ、ダービーでサウールに頭をぶつけ、眉の上を縫ったのは関係ないんですけどね。ここまで出ずっぱりだったことを考えての休養のようですが、そうなると、センターバックをヴァランとナチョにして、カンテラーノ(RMカスティージャの選手)のレギュイロンを左サイドバックとして使うか、バジェホが中に入って、ナチョがマルセロの代理を務めるか、とにかくマルチDFのナチョは1人しかいないため、ロペテギ監督も考えどころ。 ▽折しも会場となるルジニキ・スタジアムがこの夏、スペインがベスト16でロシアに延長、PK戦の末、敗退した悲劇の舞台とあって、いえ、大会直前に代表監督を解任されたロペテギ監督はいいんですけどね。その時、ロシアのゴールを守っていたアキンフェエフと顔を合わせないといけないアセンシオやナチョ、カルバハル、ルーカス・バスケスらにとってはトラウマが残っているかもしれませんが、ここは同スタジアムでフランス代表の優勝を決めたヴァランを信頼。いくらリーガでここ2試合、ノーゴールが続いているマドリーとはいえ、実力的に後れを取るようなことはないはずですが、とりあえず火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのキックオフを楽しみに待つことにしましょうか。 ▽そしてCL第2節ではワンダ・メトロポリターノにクラブ・ブルージュを迎えるアトレティコはというと、アリアスがダービー前に全快通知をもらったため、ケガ人はサビッチだけになったはずだったんですけどね。どうやら、ヒザの負傷から戻ったビトロがまだ本調子ではなかったようで、今週は試合に出ず、スペシャルメニューでリハビリを続けるよう。他はもう、少数精鋭のチームですから、先発に少々、変更はあってもプレーする選手は同じです。何せ、昨季はグループ最弱と言われたアゼルバイジャンのカラバフと2分けして、3位で敗退してしまった彼らですからね。CL決勝がワンダで開催されることもありますし、いくら初戦でモナコに快勝して今季は好スタートを切ったとはいえ、決して油断をしないで挑んでもらいたいところです。 ▽え、兄貴分たちがリーガの上位争いを続ける一方で、だんだん心配になってきた弟分チームもあるんだろうって? そうですね、実は日曜にベティス戦だったレガネスが終了間際にロレンにゴールを許し、1-0で負け、ミッドウィークのバルサ戦勝利で離れていた最下位にまた戻ってしまったんですよ。おまけにこの土曜には18位のラージョと降格圏内ミニダービーで骨肉の争いを繰り広げないといけないのは何とも皮肉。 ▽いえ、月曜に前半にマキシ・ゴメスのゴールで先制されながら、後半に途中出場のマタが嬉しい1部初ゴールを決めて、アウェイでセルタと1-1で引き分けたヘタフェは順位も9位と安定していますけどね。土曜のレバンテ戦に向けてはここ2試合、連続して招集リスト入りできなかった柴崎岳選手が戻って来られるかどうかぐらいなんですが、さて。せっかくマドリッド勢1部5チームになってすぐ、3シーズン前のヘタフェとラージョのみたいにダブル降格なんて悲しい結末だけは避けたいですよね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.10.02 15:30 Tue
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