急に心配になってきた…【原ゆみこのマドリッド】
2018.09.18 17:01 Tue
▽「昨季と同じ手は使えないわよね」そんな風に私が頭を悩ましていたのは月曜日、CLグループリーグ1節に備え、アトレティコがモナコに着いた映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、スタッド・ルイ2世スタジアムで記者会見に現れたコケも「昨季のウチは最弱の相手との2試合で悪い結果を出して、グループ敗退した」と言っていたんですが、実際、一番痛かったのは初戦で、攻めても攻めても点が取れず、ローマとスコアレスドローに終わってしまったこと。もちろんホームでの2節、チェルシー戦で逆転負けを喰らったのも褒められたものではないんですが、おかげでアゼルバイジャンのカラバフとの連続引き分けが止めとなり、最後は3位でヨーロッパリーグへ回ることに。
▽その結果、強敵があまりいない大会で快進撃を続け、リヨンの決勝で久々のタイトルを獲得できたのは有り難かったんですが、今季のCL決勝は来年6月1日にワンダ・メトロポリターノで開催。となれば、奇しくもアゼルバイジャンの首都バクーで行われる、5月29日のEL決勝で連覇したとしてもファンはあまり喜べないでしょうし、それこそCL決勝と日付が近すぎて、スタジアムでのパブリックビューイングどころか、祝勝行事すらできないかもしれない?
▽それもこれもこの夏はUEFAスーパーカップでお隣さんを堂々たる2-4で破り、クラブ史上最強メンバーを揃えたチームになったと期待されながら、リーガが始まるやいなや、まさしく、1年前と同じゴール日照りに陥ってしまったせいですが、今年もまた、スペインでのCL放送局が変更。近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)がちゃんと初戦からチャンネルを探し出せるかなんて、些末なことばかり気になってしまうのは、私が本質から目を背けたいからなんでしょうかね。
▽まあ、CLについてはまた後では話すことにして、各国代表戦が終わって再開した先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったかもお伝えしていかないと。金曜にはエスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖で3節を延期していた弟分のラージョが1部昇格により、リニューアルオープンしたアルコラスでウエスカと対戦。前半29分、ストークシティからのレンタルで今季加入したインビュラが圧巻のロングシュートを決め、0-1の勝利で最下位を脱したという朗報があったんですけどね。実は私が確認を待っているのは土曜のアラベス戦がホームで開催できるのかどうかで、一応、市の安全検査に合格したものの、まだわからないってまったく、呑気な話じゃないですか。
▽一方、来週CLがある兄貴分たちは揃って土曜試合となったものの、いやあ、午後1時のワンダのピッチは日差しが強く、暑かったのはわかりますけどね。それを考えれば、枠内シュートが1本もなかった前節のセルタ戦に比べ、何度もアトレティコがチャンスを作っていたのは進歩でしたが、前半13分にグリーズマンの1対1から始まって、CKからサルールのヘッドもゴディンのシュートもGKドミトロビッチに弾かれてしまっては何にもなりませんって。両チームとも無得点のまま始まった後半もゴール前でコケがグリーズマンのキラーパスをすかすという、目を覆いたくようなロストチャンスがあったため、シメオネ監督は早々にレマルをコレアに交代。更に25分にはこの日、中盤でしっかりエイバルの攻撃を抑えていたロドリを下げ、FWを入れたんですが…。
▽え、本来だったらその日、ウルグアイ代表でアメリカまでの長旅をしてきた32歳のキャプテンは火曜にCLモナコ戦があることも鑑みて、温存されるはずじゃなかったのかって?そうなんですが、先発予定だったリュカが前夜、食あたりを起こしてしまったため、急遽、出場することに。でもねえ、デ・ブライシのクロスをエンリッチのいる方に弾いてしまい、ゴール前から蹴り込まれたのではGKオブラクだって、何もできませんって。残り3分、しかもお隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質でない彼らにはもう期待できないと思ったか、この時点で席を立つファンも結構、いたんですが…何と、その奇跡が起こったんですよ!
▽それはロスタイム最後の1分、コレアがエリア内右奥から入れたパスをグリーズマンは空振りしてしまったんですけどね。中央で待ち受けていたボルハが、バロンドール受賞を目指す、W杯優勝フランス人ストライカーの信じられないミスにも動じず、右足を一閃。これがとうとうドミトリビッチを破り、土壇場で同点ゴールとなったから、驚いたの何のって。ここで時間切れになったため、試合は1-1で終わり、殊勲の当人も「Es debut amargo porque me hubiera gustado ganar/エス・デビュー・アマルゴ・ポルケ・メ・ウビエラ・グスタードー・ガナール(勝ちたかったから、苦いデビューだね)」とどこか、不満げでしたが、もしや彼、第2のel Nino(エル・ニーニョ/子供)になれるかも。
▽ええ、奇しくも昨季、アトレティコを退団したフェルナンド・トーレスのお別れ試合だったのもエイバル戦でしたし、今はサガン鳥栖でプレーする当人もマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習や5月のナイジェリア代表との親善試合で一緒だった後輩のお手柄にお祝いのメッセージを送っていますしね(https://twitter.com/Torres/status/1041126769657565184 )。ジエゴ・コスタ不発のせいもあり、リーガ4試合で早くも勝ち点7も落としてしまい、すでに優勝争いのライバル、バルサとレアル・マドリーと距離ができてしまったチームのため、「Es un momento para aguantar y estar fuerte/エス・モメントー・パラ・アグアンタール・イ・エスタル・フエルテス(今は耐えながら、気持ちを強く持つ時)」(シメオネ監督)の助けに少しでもなってくれたらと。
▽そして月曜にはモナコに旅立ったアトレティコですが、負傷によるお留守番は変わらず、カリニッチ、ビトロ、サビッチ、アリアス。代わりに4人、ボルハも含めたカンテラーノが招集されているんですが、リュカが回復したのは不幸中の幸いだったかと。相手のモナコも週末のリーグ1のトゥールーズ戦を急性胃腸炎で欠場した、アトレティコファンには決して忘れられないゴールゲッター、ファルカオが出られるようなため、火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの一戦は絶対、見逃せませんよね。
▽え、その土曜にはバルサはレアル・ソシエダに1-2で逆転勝利、開幕4連勝を飾ったものの、マドリーはそれに続けなかったんだろうって?その通りで夜には近所のバルに向かった私でしたが、うーん、ラージョとの3節が延期になったため、ベリッソ監督に3週間も作戦を考える時間ができたのがマズかったですかね。サン・マメスでのマドリーはアスレティックの強烈なプレスとマンマークに苦しんだだけでなく、前半32分にはマルセロの守る左サイドから攻め込まれ、先制されてしまうことに。ゴール前にデ・マルコスが送ったパスをウイリアムスは撃てなかったものの、こぼれ球をムニアインが押し込んで、スペインU21代表で何年もお世話になったロペテギ監督に恩返しされているんですから、困ったもんじゃないですか。
▽後半は中盤の底としてほとんど機能していなかったクロースをその役割から解放するため、セバージョスに代わってカセミロが入ったマドリーでしたが、ようやく同点ゴールを奪えたのはイスコが出てきてから。ええ、後で当人も「ボクより上手いチームメートがいるのかもしれないし。Lo de que con Lopetegui iba a ser Isco y diez mas lo deciais vosotros/ロ・デ・ケ・コン・ロペテギ・イバ・ア・セル・イスコ・イ・ディエス・マス・ロ・デシアイス・ボソトロス(ロペテギ監督なら、スタメンはイスコと10人云々は君ら(マスコミ)が言っていたことだから)」と、スペイン代表時代から重用してくれた監督だったにも関わらず、前節のレガネス戦同様、彼はモドリッチと交代でピッチに登場。それから3分もしないうちに、ベイルのクロスをヘッドで決めてくれたんですよ。
▽うーん、こちらもアトレティコと一緒で敵GKのウナイ・シモンが大活躍しましたからね。この夏、ケパがチェルシーに行ってしまったアスレティックはエレリンが負傷、もう1人のGK、ラミスが契約延長を拒み、ずっと招集されない状態が続いているため、エルチェにレンタルに出したばかりだった21歳のシモンを急遽、呼び戻したという事情があるんですが、どうやらこの選手は大当たりだったよう。セルヒオ・ラモスのロングパスに追いついたアセンシオが放ったシュートも弾かれて結局、マドリーはサン・ホセとミケル・リコで守りを固めた相手に最後まで勝ち越し点を奪えません。終盤、ベイルの代わりにルーカス・バスケスを入れ、FWマリアーノを使わなかったことを批判もされたロペテギ監督でしたが、とりあえず、この日は鬼のような気迫でプレスをかけていたアスレティックが頑張ったということにしておきましょうか(最終結果1-1)。
▽そしてマドリーも水曜にはローマ戦で控えているんですが、注目はここ2試合、リーガ戦で先発したGKクルトワがCLでもリピートするのか。実際、この2週間、コスタリカ代表に行かず、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でずっとトレーニングをしていたケイロル・ナバスにはアスレティック戦でプレーしない理由がまったくなかったんですが、これをCL前の温存と考えるか、正GKはクルトワになったと考えるべきか、迷うところ。相手ローマのアタッカーは昨季、アトレティコがグループリーグで対戦した時とあまり変わらず、ジェコやシャーラウィ、ペロッティらになりますが、開幕からの2つのミニダービーでは入りが悪かったサンティアゴ・ベルナベウが水曜午後9時、CL戦では満員になるのかも気になりますね。
▽一方、残りの弟分チームは日曜試合となったんですが、正午からビジャレアル戦がキックオフとなったレガネスは、いえ、ブタルケは夏の間に改装され、プレスコンフェレンスルームやミックスゾーンなど、かなりキレいになっていたんですけどね。スタンドを満員にしたファンもいつものように一生懸命、応援していたんですが、どうやら選手が16人も入れ替わった新生レガネスもゴールがなかなか決まらないという悩みを克服できていなかったよう。ええ、前節のマドリー戦では成功したものの、後半3分にカリージョがPKまで外していては、20分に途中出場のバッカにFKから決められたヘッドの1点を返せず、とうとうラージョと入れ替わりで最下位になってしまっても仕方なかったかと(最終結果0-1)。
▽未だに勝ち点がたったの1だけとあって、4節終了時に早くも「Afrontamos los proximos partidos como finales/アフロンタモス・ロス・プロキシモス・パルティードス・コモ・フィナレス(これから数試合は決勝だと思って戦う)」(ルーベン・ペレス)という状態になってしまったのはどうにも心配なんですが、彼らの次戦は土曜、イプルアでのエイバル戦。ミッドウィーク開催の来週水曜はバルサとのホームゲームだけに、何とか勝利を手に入れておきたいところですが、こればっかりはねえ。なまじっか、前任者のガリターノ監督(レアル・ソシエダ)が2年連続、1度も降格圏に落ちずに1部残留を達成しているため、ペジェグリーノ新監督も大変ですよね。
▽そして日曜最後に待っていたサプライズはヘタフェで何と、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦で0-2の勝利を挙げたから、感心したのなんのって。ええ、速攻で開始3分、ホルヘ・モリーナのスルーパスからアンヘルが先制ゴールを挙げると、38分にも敵がエリア内でクリアミスに失敗したボールを拾い、オフサイドにならずに2点目を奪ってくれます。逆にセビージャはVAR(ビデオ審判)でベン・イェデルのゴールが認められず、この辺はツキもあったような気もしましたが、ようやく柴崎岳選手も後半途中、アンヘルに代わって、3試合ぶりにピッチに立てましたしね。とりわけ今週土曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのミニダービーに兄貴分のアトレティコより上の5位という高みから挑めるのは選手たちも気分がいいかと。
▽まあ、そんな感じの週末だったんですが、この先、10月のインターナショナル・マッチウィークのparon(パロン/リーガの停止期間)まで、CLやELがあるチームは18日間で6試合という過密日程に突入。頭数の少ないアトレティコなど、疲労が心配なんですが、逆にトップクラスの選手を大量に抱えているマドリーの方はいつもと違う顔を見られるいい機会になるかも。翻って、ヨーロッパの試合のない弟分たちにとっては地道に勝ち点を積み上げていく時期になりましたが、まだまだリーガは始まったばかり。これからマドリッド第3のチーム争いがどう発展していくのかも気になりますね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
▽その結果、強敵があまりいない大会で快進撃を続け、リヨンの決勝で久々のタイトルを獲得できたのは有り難かったんですが、今季のCL決勝は来年6月1日にワンダ・メトロポリターノで開催。となれば、奇しくもアゼルバイジャンの首都バクーで行われる、5月29日のEL決勝で連覇したとしてもファンはあまり喜べないでしょうし、それこそCL決勝と日付が近すぎて、スタジアムでのパブリックビューイングどころか、祝勝行事すらできないかもしれない?
▽まあ、CLについてはまた後では話すことにして、各国代表戦が終わって再開した先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったかもお伝えしていかないと。金曜にはエスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖で3節を延期していた弟分のラージョが1部昇格により、リニューアルオープンしたアルコラスでウエスカと対戦。前半29分、ストークシティからのレンタルで今季加入したインビュラが圧巻のロングシュートを決め、0-1の勝利で最下位を脱したという朗報があったんですけどね。実は私が確認を待っているのは土曜のアラベス戦がホームで開催できるのかどうかで、一応、市の安全検査に合格したものの、まだわからないってまったく、呑気な話じゃないですか。
▽一方、来週CLがある兄貴分たちは揃って土曜試合となったものの、いやあ、午後1時のワンダのピッチは日差しが強く、暑かったのはわかりますけどね。それを考えれば、枠内シュートが1本もなかった前節のセルタ戦に比べ、何度もアトレティコがチャンスを作っていたのは進歩でしたが、前半13分にグリーズマンの1対1から始まって、CKからサルールのヘッドもゴディンのシュートもGKドミトロビッチに弾かれてしまっては何にもなりませんって。両チームとも無得点のまま始まった後半もゴール前でコケがグリーズマンのキラーパスをすかすという、目を覆いたくようなロストチャンスがあったため、シメオネ監督は早々にレマルをコレアに交代。更に25分にはこの日、中盤でしっかりエイバルの攻撃を抑えていたロドリを下げ、FWを入れたんですが…。
▽この起用策がスタンドからpito(ピト/ブーイング)を受けてしまったんですよ。うーん、後でシメオネ監督は、「コケかサウールという選択もあったが、entendi que ellos podian crear mejor transicion en ataque/エンテンディ・ケ・エジョス・ポディアン・クレアル・メホール・トランシシオン・エン・アタケ(彼らの方が攻撃でより良い形を作りだせると思った)」とロドリを下げた理由を説明していましたけどね。そのFWが現在、カリニッチが負傷中のため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)の19歳、リーガ初出場のボルハ・ガルセスだったのも元々、少数精鋭のチームであるからして仕方なかったんですが、事態が急転直下したのは41分。ゴディンのミスから、エンリッチに先制点を決められてしまうなんて、絶体絶命とはまさにこのこと?
▽え、本来だったらその日、ウルグアイ代表でアメリカまでの長旅をしてきた32歳のキャプテンは火曜にCLモナコ戦があることも鑑みて、温存されるはずじゃなかったのかって?そうなんですが、先発予定だったリュカが前夜、食あたりを起こしてしまったため、急遽、出場することに。でもねえ、デ・ブライシのクロスをエンリッチのいる方に弾いてしまい、ゴール前から蹴り込まれたのではGKオブラクだって、何もできませんって。残り3分、しかもお隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質でない彼らにはもう期待できないと思ったか、この時点で席を立つファンも結構、いたんですが…何と、その奇跡が起こったんですよ!
▽それはロスタイム最後の1分、コレアがエリア内右奥から入れたパスをグリーズマンは空振りしてしまったんですけどね。中央で待ち受けていたボルハが、バロンドール受賞を目指す、W杯優勝フランス人ストライカーの信じられないミスにも動じず、右足を一閃。これがとうとうドミトリビッチを破り、土壇場で同点ゴールとなったから、驚いたの何のって。ここで時間切れになったため、試合は1-1で終わり、殊勲の当人も「Es debut amargo porque me hubiera gustado ganar/エス・デビュー・アマルゴ・ポルケ・メ・ウビエラ・グスタードー・ガナール(勝ちたかったから、苦いデビューだね)」とどこか、不満げでしたが、もしや彼、第2のel Nino(エル・ニーニョ/子供)になれるかも。
▽ええ、奇しくも昨季、アトレティコを退団したフェルナンド・トーレスのお別れ試合だったのもエイバル戦でしたし、今はサガン鳥栖でプレーする当人もマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習や5月のナイジェリア代表との親善試合で一緒だった後輩のお手柄にお祝いのメッセージを送っていますしね(https://twitter.com/Torres/status/1041126769657565184 )。ジエゴ・コスタ不発のせいもあり、リーガ4試合で早くも勝ち点7も落としてしまい、すでに優勝争いのライバル、バルサとレアル・マドリーと距離ができてしまったチームのため、「Es un momento para aguantar y estar fuerte/エス・モメントー・パラ・アグアンタール・イ・エスタル・フエルテス(今は耐えながら、気持ちを強く持つ時)」(シメオネ監督)の助けに少しでもなってくれたらと。
▽そして月曜にはモナコに旅立ったアトレティコですが、負傷によるお留守番は変わらず、カリニッチ、ビトロ、サビッチ、アリアス。代わりに4人、ボルハも含めたカンテラーノが招集されているんですが、リュカが回復したのは不幸中の幸いだったかと。相手のモナコも週末のリーグ1のトゥールーズ戦を急性胃腸炎で欠場した、アトレティコファンには決して忘れられないゴールゲッター、ファルカオが出られるようなため、火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの一戦は絶対、見逃せませんよね。
▽え、その土曜にはバルサはレアル・ソシエダに1-2で逆転勝利、開幕4連勝を飾ったものの、マドリーはそれに続けなかったんだろうって?その通りで夜には近所のバルに向かった私でしたが、うーん、ラージョとの3節が延期になったため、ベリッソ監督に3週間も作戦を考える時間ができたのがマズかったですかね。サン・マメスでのマドリーはアスレティックの強烈なプレスとマンマークに苦しんだだけでなく、前半32分にはマルセロの守る左サイドから攻め込まれ、先制されてしまうことに。ゴール前にデ・マルコスが送ったパスをウイリアムスは撃てなかったものの、こぼれ球をムニアインが押し込んで、スペインU21代表で何年もお世話になったロペテギ監督に恩返しされているんですから、困ったもんじゃないですか。
▽後半は中盤の底としてほとんど機能していなかったクロースをその役割から解放するため、セバージョスに代わってカセミロが入ったマドリーでしたが、ようやく同点ゴールを奪えたのはイスコが出てきてから。ええ、後で当人も「ボクより上手いチームメートがいるのかもしれないし。Lo de que con Lopetegui iba a ser Isco y diez mas lo deciais vosotros/ロ・デ・ケ・コン・ロペテギ・イバ・ア・セル・イスコ・イ・ディエス・マス・ロ・デシアイス・ボソトロス(ロペテギ監督なら、スタメンはイスコと10人云々は君ら(マスコミ)が言っていたことだから)」と、スペイン代表時代から重用してくれた監督だったにも関わらず、前節のレガネス戦同様、彼はモドリッチと交代でピッチに登場。それから3分もしないうちに、ベイルのクロスをヘッドで決めてくれたんですよ。
▽うーん、こちらもアトレティコと一緒で敵GKのウナイ・シモンが大活躍しましたからね。この夏、ケパがチェルシーに行ってしまったアスレティックはエレリンが負傷、もう1人のGK、ラミスが契約延長を拒み、ずっと招集されない状態が続いているため、エルチェにレンタルに出したばかりだった21歳のシモンを急遽、呼び戻したという事情があるんですが、どうやらこの選手は大当たりだったよう。セルヒオ・ラモスのロングパスに追いついたアセンシオが放ったシュートも弾かれて結局、マドリーはサン・ホセとミケル・リコで守りを固めた相手に最後まで勝ち越し点を奪えません。終盤、ベイルの代わりにルーカス・バスケスを入れ、FWマリアーノを使わなかったことを批判もされたロペテギ監督でしたが、とりあえず、この日は鬼のような気迫でプレスをかけていたアスレティックが頑張ったということにしておきましょうか(最終結果1-1)。
▽そしてマドリーも水曜にはローマ戦で控えているんですが、注目はここ2試合、リーガ戦で先発したGKクルトワがCLでもリピートするのか。実際、この2週間、コスタリカ代表に行かず、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でずっとトレーニングをしていたケイロル・ナバスにはアスレティック戦でプレーしない理由がまったくなかったんですが、これをCL前の温存と考えるか、正GKはクルトワになったと考えるべきか、迷うところ。相手ローマのアタッカーは昨季、アトレティコがグループリーグで対戦した時とあまり変わらず、ジェコやシャーラウィ、ペロッティらになりますが、開幕からの2つのミニダービーでは入りが悪かったサンティアゴ・ベルナベウが水曜午後9時、CL戦では満員になるのかも気になりますね。
▽一方、残りの弟分チームは日曜試合となったんですが、正午からビジャレアル戦がキックオフとなったレガネスは、いえ、ブタルケは夏の間に改装され、プレスコンフェレンスルームやミックスゾーンなど、かなりキレいになっていたんですけどね。スタンドを満員にしたファンもいつものように一生懸命、応援していたんですが、どうやら選手が16人も入れ替わった新生レガネスもゴールがなかなか決まらないという悩みを克服できていなかったよう。ええ、前節のマドリー戦では成功したものの、後半3分にカリージョがPKまで外していては、20分に途中出場のバッカにFKから決められたヘッドの1点を返せず、とうとうラージョと入れ替わりで最下位になってしまっても仕方なかったかと(最終結果0-1)。
▽未だに勝ち点がたったの1だけとあって、4節終了時に早くも「Afrontamos los proximos partidos como finales/アフロンタモス・ロス・プロキシモス・パルティードス・コモ・フィナレス(これから数試合は決勝だと思って戦う)」(ルーベン・ペレス)という状態になってしまったのはどうにも心配なんですが、彼らの次戦は土曜、イプルアでのエイバル戦。ミッドウィーク開催の来週水曜はバルサとのホームゲームだけに、何とか勝利を手に入れておきたいところですが、こればっかりはねえ。なまじっか、前任者のガリターノ監督(レアル・ソシエダ)が2年連続、1度も降格圏に落ちずに1部残留を達成しているため、ペジェグリーノ新監督も大変ですよね。
▽そして日曜最後に待っていたサプライズはヘタフェで何と、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦で0-2の勝利を挙げたから、感心したのなんのって。ええ、速攻で開始3分、ホルヘ・モリーナのスルーパスからアンヘルが先制ゴールを挙げると、38分にも敵がエリア内でクリアミスに失敗したボールを拾い、オフサイドにならずに2点目を奪ってくれます。逆にセビージャはVAR(ビデオ審判)でベン・イェデルのゴールが認められず、この辺はツキもあったような気もしましたが、ようやく柴崎岳選手も後半途中、アンヘルに代わって、3試合ぶりにピッチに立てましたしね。とりわけ今週土曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのミニダービーに兄貴分のアトレティコより上の5位という高みから挑めるのは選手たちも気分がいいかと。
▽まあ、そんな感じの週末だったんですが、この先、10月のインターナショナル・マッチウィークのparon(パロン/リーガの停止期間)まで、CLやELがあるチームは18日間で6試合という過密日程に突入。頭数の少ないアトレティコなど、疲労が心配なんですが、逆にトップクラスの選手を大量に抱えているマドリーの方はいつもと違う顔を見られるいい機会になるかも。翻って、ヨーロッパの試合のない弟分たちにとっては地道に勝ち点を積み上げていく時期になりましたが、まだまだリーガは始まったばかり。これからマドリッド第3のチーム争いがどう発展していくのかも気になりますね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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