【日本代表ターニングポイント】受けに回った采配、世界との差を見た12人目以降の選手2018.07.03 08:20 Tue

twitterfacebookhatenalinegplus
photo
Getty Images
▽日本代表は2日、ロシア・ワールドカップのラウンド16でグループG首位のベルギー代表と対戦した。史上初のベスト8進出を懸けて戦った日本代表。善戦したものの、後半アディショナルタイムに力尽き、逆転負け。大会を去ることとなった。

▽立ち上がりから落ち着いた入りを見せた日本は、ベルギーの時間帯もしっかりと凌ぎゴールレスで45分を終えた。そして後半の立ち上がり、ピンチを迎えると一転して逆襲。鋭いカウンターからFW原口元気が決めて先制すると、52分にはMF乾貴士がボックス手前から右足一閃。2-0とリードを広げた。しかし、そこから日本は3失点し逆転負け。ターニングポイントはどこにあったのか。

◆受けに回った采配
Getty Images
▽今回の試合の“ターニングポイント”は、西野朗監督の采配と言える。そして、ベンチ入りメンバーの質とも言えるだろう。

▽前述の通り、後半の立ち上がりに素晴らしい2ゴールでリードを奪った日本。得点を奪うべく前掛かりになったベルギーだったが、日本はギリギリの所で対応し、得点を許さなかった。

▽局面を変えたかったベルギーは、攻撃面で違いを作れていなかったMFヤニク・フェレイラ=カラスコとFWドリエス・メルテンスを下げ、MFマルアン・フェライニ、FWナセル・シャドリを投入。この交代が流れを引き寄せることとなった。

▽前半からサイドを崩したベルギーは、FWロメル・ルカクをターゲットマンとして攻撃を仕掛けていたが、DF昌子源がしっかりと対応し、自由にさせる場面を限定していた。一方で、左サイドを崩した際には、ファーサイドを狙ってクロスをあげ、右ウイングバックに入っていたDFトーマス・ムニエの頭を狙っていた。

▽日本の左サイドはMF乾貴士、DF長友佑都と上背がなく、190cmもあるムニエとの空中戦では分が悪かった。ゴールにこそ繋がらなかったが、何度も使われていた。そして、これは交代後にも起こる。フェライニは途中交代でピッチに入ると、長友の近くにポジションを取ることに。圧倒的な身長差で、空中戦で負けることはなく、さらにリーチの深さで攻撃の起点となりつつあった。

▽MFエデン・アザール、MFケビン・デ・ブライネが自由にポジションをとり、フェライニやルカクを使ってボックス付近へ侵入。ベルギーの攻撃にエンジンが掛かり始めた所で2ゴールを続けて奪った。

▽1点目はファーサイドへ高く上がったクリアボールを、ボックス内でヴェルトンゲンがヘッド。2点目は左サイドを仕掛けたアザールのクロスをフェライニがドンピシャヘッド。3点目はCKからのカウンターを受け、最後はシャドリに決められた。フェライニの対策、高さのケアをしなかった采配は、西野監督らしいと言えばらしい。それだけに、延長戦も辞さなかったプランがラストプレーで崩れたのは誤算だっただろう。相手を受けてしまっての采配は、輝きを見せることがなかった。

◆明確な手が打てない選手層
▽選手交代が後手に回ったことも影響されるが、明確なカードを切れない選手層にも差を感じさせられた。ベルギーは2点を奪われ、前半から日本の弱点を考えていた高さを利用した。

▽カラスコやメルテンスが思った以上に仕事をさせてもらえなかったこと、さらに、DF吉田麻也、昌子のセンターバックコンビ以外には空中戦で勝算があったこと、GK川島永嗣がクロスボールに対して出てこないことも計算して、明確に“高さ”とボールの収まりどころを置いた。

▽一方で、日本は選手投入によって明確なプランを描けない状況がある。攻守にわたってカギとなっていた柴崎に代わって入った山口は、難しい時間帯ではありながらも、試合に入ることができず。最後の失点シーンでは、デ・ブライネに対する対応を誤り、ゴールに繋げてしまった。

▽また、フェライニのように、チームにメッセージを送れる選手も少ない。23名を選考した時点である程度は固まっていたが、局面を打開できるメンバーが揃っていたかといえば、ベスト8に進む国に比べると少ないだろう。今後、日本が上を目指すために必要な課題はハッキリしたはず。4年後に向けた検証と分析は早急に進めたい。

コメント

関連ニュース

thumb

開幕前の重傷でロシアW杯落選…チェンバレン、当時を振り返る

▽リバプールに所属するイングランド代表MFアレックス・オックスレイド=チェンバレンが、自身が重傷により出場することができなかったロシア・ワールドカップ(W杯)について語った。イギリス『デイリー・メール』が伝えている。 ▽ロシアW杯欧州予選でも代表メンバーに招集され、本大会への出場も有力視されていたチェンバレン。しかし、今年4月に右ヒザのじん帯を損傷したことでロシアW杯への出場が叶わなかった。今シーズン中での復帰も危ぶまれている。 ▽チェンバレン不在で本大会を迎えたイングランド代表は、開幕前の下馬評を覆す躍進を披露。準々決勝ではスウェーデン代表を2-0で下し、1990年以来となるベスト4入りを果たした。 ▽ロシアのピッチに立つことができなかったチェンバレンは、現状について語り、ロシアW杯当時の心境を明かした。 「とても重いケガだったよ。ただ、それはいつでも誰にでも起こりえることなんだ。決して簡単に乗り越えられるものではないことだよ」 「ただ、僕は前進している。ポジティブなままでいるようにも務めているんだ。僕はそういう性格でもあるし、それが最も良い方法だと思うんだ。良いスピリットで確実に前進しているよ」 「(ロシア・ワールドカップについて)その場にいることができなかったことが、たやすいものだったと言えば嘘になる。僕には実際プレーするチャンスがあった訳だからね。ただ、それと同時にイングランドファンになっていたよ」 「代表選手たちが躍動するところを見て驚いていたよ。家でとても興奮したんだ。W杯は難しいものだからね。皆が戦っている姿を見てとても嬉しくなったよ」 2018.09.09 09:10 Sun
twitterfacebook
thumb

【六川亨の日本サッカー見聞録】鼎談で一致したロシアW杯での西野ジャパンの評価

▽今週初めのこと、ある新聞社の企画でロシアW杯を振り返り、ドイツS級ライセンスを持つS氏と、元ワールドサッカー誌編集長のN君と鼎談した。優勝したフランスはもちろんのこと、日本代表の戦いぶりや森保ジャパンの今後など、話は多岐に渡った。 ▽そこで日本代表に関しては、次の点で意見が一致した。日本が勝ったのは10人が相手のコロンビアだけで、11人で戦った残り3試合は2分け1敗とけして好成績ではないこと。ポーランド戦は残り10分をボール回しに終始したことがクローズアップされたが、そもそもグループリーグの突破が決まっていないのに、なぜポーランド戦はスタメンを6人も入れ替えたのか西野監督の采配に疑問が残ること。そしてポーランド戦で起用された宇佐美、酒井高、槙野は力量不足だったし、ケガを抱えている岡崎をスタメンで使うリスクを考慮しなかったこと。 ▽ポーランド戦で時間稼ぎをしたのに、なぜベルギー戦のCKを本田は簡単に蹴ってしまったのか。その際に吉田と昌子のCB2人がゴール前に上がったが、足の遅い吉田はともかく、なぜ昌子を最終ラインに残しておかなかったのか。ベンチはリスクマネジメントを怠ったのではないかということ。 ▽そして最終的に、これらの疑問をJFA(日本サッカー協会)技術委員会は総括することなく、「世代交代」や「オールジャパン」、「ジャパンズウェイ」と耳に心地よい言葉でロシアW杯の結果を自分たちの都合の良いように解釈し、森保ジャパンを規定路線として五輪監督のみならず日本代表の監督にも選んだことなど、かなり批判的な意見で一致した。 ▽これらの意見は他のメディアでも散見されたが、「南米勢からアジア勢初勝利」やベルギー戦での善戦により、南アW杯(パラグアイ戦はPK戦のためドローとカウントし2勝1分け1敗)の成績を下回っているにもかかわらず、西野ジャパンはその健闘を讃えられたことで深く検証されることはなかった。 ▽さらに大会全体の傾向としてポゼッションサッカーよりカウンター主体のチームが勝ち上がったこと、セットプレーからの得点が多いという結果を日本は4年後のカタールW杯にどうつなげていくのかという検証もなされていない。 ▽そして指導者の育成に関しては、S氏から「サッカー協会が費用を負担して、協会と提携しているドイツやスペインの代表チームに、将来の代表監督候補を2年間くらい帯同させるなど育てる努力をするべき。JリーグはJリーグで同じようにバイエルンやバルセロナなどクラブへのパイプを通じて指導者を送り出して育成した方がいい」という建設的な意見も出た。 ▽日本の指導者が海外で研修したのは1979年まで遡る。五輪のメダリストを対象にナショナルコーチを育成しようとした日本体育協会の助成を受け、将来の代表監督と目されていたメキシコ五輪銅メダリストの森孝慈(2011年7月17日没)が西ドイツへ留学。ボルシアMGや1FCケルンの監督を務め、奥寺をケルンに加入させたヘネス・バイスバイラーや、「トータル・フットボールの生みの親」であるリヌス・ミケルスらの指導を受けた。 ▽当初は2年の研修予定だったが、当時の代表監督だった渡辺氏が病で倒れたため1年前倒しで帰国し代表監督に就任。85年のメキシコW杯アジア予選では最終予選まで勝ち進んだものの韓国に敗れてW杯初出場はならなかった。 ▽それ以来、JFAが日本人指導者をヨーロッパへ派遣した例はない。個人的に私費でヨーロッパに渡り、指導者として研修を積んだ人々は多いものの、彼らが日本代表の各カテゴリーで指導者として起用された例も聞いたことはない。彼らが街のクラブで結果を残したら、J3やJ2クラブに引き上げる。そんな環境が日本でも整うようになればいいというのも3人の一致した意見だった。<hr>【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。 2018.08.09 18:30 Thu
twitterfacebook
thumb

ロシアW杯のベストゴールはパヴァールのボレーシュートに決定

▽FIFA(国際サッカー連盟)は25日、ロシア・ワールドカップ(W杯)のベストゴールを発表した。選出されたのは決勝トーナメント1回戦のフランス代表vsアルゼンチン代表で生まれたフランス代表DFバンジャマン・パヴァール(シュツットガルト)のゴールとなった。 ▽今大会全64試合のうち、総得点169ゴールの中からFIFAが18ゴールを選出。のべ300万人以上のファンが投票で選出した。その結果、1-2と逆転されて迎えた57分に抑えの利いたボレーシュートで同点弾を叩き込んだパヴァールのゴールがベストゴールに決まった。このゴールについてパヴァールは「ボールが来た時に、あまり深く考えたりはしなかった。とにかくフラットにいこうと心がけていたよ。決まった時は、ただただ嬉しかったね」とコメントしている。 ▽2006年ドイツW杯から創設されている同賞は、これまでマキシ・ロドリゲス(アルゼンチン)、ディエゴ・フォルラン(ウルグアイ)、ハメス・ロドリゲス(コロンビア)と南米勢が受賞していた。 2018.07.26 03:55 Thu
twitterfacebook
thumb

怪物ムバッペにはそれぐらいが丁度いい? W杯決勝は背中に痛みを抱えながらプレー

▽フランス代表FWキリアン・ムバッペは、ロシア・ワールドカップ(W杯)準決勝と決勝は背中に痛みを抱えながらプレーしていたことを明かした。フランス『レキップ』が伝えている。 ▽今月15日、フランス代表の優勝で幕を閉じたロシアW杯。この大会で主役級の活躍を見せたムバッペは、底知れぬ才能を発揮し、世界へ向けて一気にその名前を轟かせた。大会では全7試合に出場し4ゴール1アシストを記録。若手最優秀選手賞に選ばれた。 ▽しかしそのムバッペ、実は準決勝ベルギー戦と決勝クロアチア戦は背中に痛みを抱えながらプレーしていたようだ。伝えられるところによると、ベッドから起き上がろうとしたムバッペの背中に痛みと鈍い音が響いたという。3つの椎骨に異常が見つかったものの、医療班は対戦相手に有利な情報を与えないようひた隠しにしていたようだ。 ▽そんな状態で決勝に臨んだムバッペだったが痛みを全く感じさせないプレーで1得点を奪って見せた。怪物にはこれぐらいのハンデが丁度いいのかもしれない。 2018.07.24 14:07 Tue
twitterfacebook
thumb

フランスのW杯優勝を受け、ジルーが公約を守り坊主姿を披露!

▽フランス代表FWオリヴィエ・ジルーが、自身の公約を果たしたことを報告した。 ▽ジルーは、フランス代表の一員としてロシア・ワールドカップに出場。枠内シュートがないなど、ストライカーとしての結果は果たせなかったものの、最前線でチームのために働き、フランス代表の優勝に大きく貢献していた。 ▽22日、ジルーは自身のツイッター(@_OlivierGiroud_)を更新。ワールドカップ前に「フランス代表が優勝したら坊主にする」と宣言していた公約を果たした事を報告。坊主姿のセルフィーを投稿していた。 ▽ファッション誌『GQ』のイタリア版では、日本代表DF槙野智章も選ばれたW杯髪型特集5人に選出され、「男らしさ溢れる髪型と評価されていたが、しっかりと公約を守った。 2018.07.24 12:35 Tue
twitterfacebook


ACL

欧州移籍情報
hikari

アクセスランキング

@ultrasoccerjp

新着ニュース