【試合後会見】西野朗監督「万が一が起こらない状況を選んだ」
2018.06.29 06:05 Fri
▽日本代表は27日、ロシア・ワールドカップ(W杯)グループH最終節でポーランド代表と対戦し、0-1で敗れた。しかし、セネガルがコロンビアに敗れ、フェアプレーポイントの差で日本が2大会ぶり3度目の決勝トーナメント進出を決めた。試合後の日本代表を率いる西野朗監督のコメントは以下の通り。
◆西野朗監督(日本代表)
──終盤にボールを回してそのままのスコアで終わらせた。セネガルが点を取ると敗退のリスクもあったが
「非常に厳しい選択。万が一という状況は、このピッチ上でも考えられましたし、もちろん他会場でも万が一はあり得た。そこで選択したのは、そのままの状態をキープすること。このピッチで万が一が起こらない状況を選んだ。これは間違いなく他力の選択だったということ。ゲーム自体に負けている状況で、キープしている自分というのも納得いかない。不本意な選択をしている。他力に頼っている」
「ただ、非常にシビアな状況だったと思う。ピッチ上では回すだけでなく、チャンスがあればオフェンシブにという選択を早い段階でしていた状況があった。ただ、選手たちのバランスが非常に『これでいいのであれば、この状態』を選択している意識と、そうでなくても重心が後ろにというような(印象があった。万が一、0-2になったらという状況だった。おそらく、ディフェンスもオフェンスの選手もそうなんだが、自分が送ったメッセージは『このままでいい』というものだった。それで選手たちが状況をキープした、そういうベンチワークだった)
「非常に自分の中でも、心情的に攻撃的に、アグレッシブに戦ったグループステージの1、2戦を考えれば、この3戦目で何としても勝ち上がるにあたって、この選択はまったくなかったもの。ただそういう状況だったので、自分の中になかったプランの選択をした。自分が選んだのは他力だった。自分の信条では納得できなかったが、選手に遂行させた」
──プランにない選択を迫られたということだが、どのタイミングで選択したのか。それと長谷部を入れるタイミングで選手には何を伝えたのか
「前半を0-0で他会場が終わって、我々が動かなければならない。『このままでいい』という選択をしてはダメだと、選手たちにはハーフタイムに伝えた。守り切る頭はここに置いておいてくれと。アグレッシブに、攻撃的に勝ちにいく。そのスピリットを持ってピッチに立ってくれと。このままの状況はあり得ない。選手たちは、もちろん攻撃的に点を取りにいくという選択は持ちながらも、ああいう形で失点した。攻撃的なカードを切る中で、他会場が動いた。なおかつ攻撃的に入っていく。ただ他会場が動いた中で、時間が刻まれる中で、自分の選択が変わっていった」
「長谷部の投入時には、今の状況を伝えました。ハイリスクではなく、しかもイエローカードについても指示をした。こんな状況は今までにない。不用意なファウルを避けて、4-1-4-1のシステムで、ある程度ディフェンシブな形でバランスをもってという指示をした。時間を刻む中で、『このままでいい』ということを伝えた。そういうメッセージがあって、チームは動けない状況。長谷部の投入というメッセージで、このままキープでいく。0-2にはさせない。ポーランドも、アグレッシブに追加点という形でもなかった。時間が刻まれていく中で、その選択をした。長谷部の投入が、すべてのメッセージであったことは間違いない。一歩踏み入れるときに、『状況が変わったら、すぐに教えてください』と。行く前にもカードのことを長谷部に入れた」
──難しい選択だったと思う。あの瞬間、今までにない重圧を感じたか
「自分のスタイルは、攻撃的というか強気というか。選手には、コロンビア戦に入る前には『強い選択を選べ』と。試合にはいろいろな状況があります。上がっていいのか、ステイなのか。いや、そこは上がるんだと。ためらわずにポジションを高く取れと。チームとしてもアグレッシブにプレッシングして、ボールを保持してゴールに向かう。常に強い選択を選手には求めて、選手は非常に実践してくれた。それで好転していくゲームを続ける中で、今日のゲームはこういうトーンになった。ひとつのゲームに対して、ひとつのプレーに対して、選手に強い選択を常に求めている中で、ゲームの敗戦を考えれば、救いだったのはステージに上がれたというところだけだ」
──ボルゴグラードについてはどんな印象を持っているか
「半分半分。ゲームに負けたことは忘れない。日本サッカー界が、2018年のW杯でグループステージを突破できた土地でもあるので半分半分。次に来るときは、勝つゲームをしたい。リベンジしたいと思って、カザンに帰る」
──22年前のアトランタ五輪では勝ち点6を獲得しながら決勝トーナメントに行けなかった。今回は勝ち点4とフェアプレーポイントで行けた。監督としてどう考えるか
「結果的にグループステージを突破できた、勝ち上がれたというのは、自分の中では世界大会で同じようなめぐり合わせ。南米、アフリカ、欧州の強豪と戦うめぐり合わせであり、勝敗こそ違うが、ステージを勝ち抜く難しさというのも五輪ですけれど経験した。そういうことも感じながら突破したことに関して、自分の中ではリベンジできたと思いたい。勝ち上がり方の問題で、負け試合ということがフォーカスされれば半減することもあるでしょう。W杯で勝ち点4を取る難しさは、ステージが五輪とW杯で違うが、いろいろな思いで勝ち上がれたことを、そこだけはフォーカスしたいとこれからは思う」
──次の相手は決まっていないが大きな勝負になる。どんな改善を考えているか
「日本のサッカーが初めて経験するポイントではない。また経験できる状況を勝ち取った瞬間ではある。日本代表は2大会とも、この時点ですべてを出し尽くして、やっと16に臨むことができた。おそらく今、同じ状況かもしれないが、気持ちの上で対戦相手に対して、今まで以上に優位なスピリットを持ち、精神的にも今までの状況と違う持ち方をさせたいと思う」
「すべて出し尽くして、ステージ突破を成し遂げた。その延長に16があったのではなく、そうではない状態に持っていきたいと思う。余裕はないけれど、疲弊しているのも分かるが、イングランドやベルギーに臆することなく、勝ち上がった喜びで満足せず、今までの大会と気持ちの面で違うんだという状況で臨む。そこだけは自信を持っていかせたい。今日の分まで強気で迎えたいと思う」
──スタメンを6人替えたが、この先を考えてなのか。戦術的なことなのか、それともチームの和を考えたのか。そして正解だったと思うか
「和ということではない。常に和はあるし、出ていない選手を起用したいという思いは一切ない。総合的な判断で、勝ち上がることを自分の中で前提と考えていた。もちろん出ていない選手を起用したいという気持ちだけで、メンバーを変更しているわけではない。やれる、戦える、勝てる。3戦目で目に見えない疲弊をしている、ダメージがある。3戦とも同じスタートでも、もちろん戦えたと思う。ただそれは試合前の判断で、おそらく選手たちが相当ダメージを持っていて、フィジカル的にも感じるところがある。6人を起用したのは、良い状態がであったし、間違いなく同じようなチームスピリッツでやれる選手を起用した。決して不正解だとは一切思っていない」
──イングランドとベルギー、ラウンド16の相手はどちらがいいか
「ワールドクラスの両チームなので、チャレンジしがいがある。決まってから自分のチームを整えることと、対戦相手の分析をして、どういう戦いができるか。現時点では両チームとも対戦したい。非常にやりがいのあるチームだと思う」
◆西野朗監督(日本代表)
──終盤にボールを回してそのままのスコアで終わらせた。セネガルが点を取ると敗退のリスクもあったが
「ただ、非常にシビアな状況だったと思う。ピッチ上では回すだけでなく、チャンスがあればオフェンシブにという選択を早い段階でしていた状況があった。ただ、選手たちのバランスが非常に『これでいいのであれば、この状態』を選択している意識と、そうでなくても重心が後ろにというような(印象があった。万が一、0-2になったらという状況だった。おそらく、ディフェンスもオフェンスの選手もそうなんだが、自分が送ったメッセージは『このままでいい』というものだった。それで選手たちが状況をキープした、そういうベンチワークだった)
「非常に自分の中でも、心情的に攻撃的に、アグレッシブに戦ったグループステージの1、2戦を考えれば、この3戦目で何としても勝ち上がるにあたって、この選択はまったくなかったもの。ただそういう状況だったので、自分の中になかったプランの選択をした。自分が選んだのは他力だった。自分の信条では納得できなかったが、選手に遂行させた」
「ただW杯は、そういう戦いもあって、その選択が正解と出れば、勝負にも勝ったということなのだと自分では思っている。チームとしてもそう思いたいし、そういうフットボールがあってもいいのかなと、初めて感じたゲームだった。W杯のグループステージを突破するための究極の選択かもしれない。そして自力ではなく地力を選んだというのは、少し後悔はあるかなとは思う。自分の中になかったプランを選択したことに関しては、今までのアグレッシブな戦い方に、何か運がついてくれた。ブーイングを浴びながら選手たちにプレーをさせたことは、自分の信条ではない。これから選手にいろいろ伝えたいと思う」
──プランにない選択を迫られたということだが、どのタイミングで選択したのか。それと長谷部を入れるタイミングで選手には何を伝えたのか
「前半を0-0で他会場が終わって、我々が動かなければならない。『このままでいい』という選択をしてはダメだと、選手たちにはハーフタイムに伝えた。守り切る頭はここに置いておいてくれと。アグレッシブに、攻撃的に勝ちにいく。そのスピリットを持ってピッチに立ってくれと。このままの状況はあり得ない。選手たちは、もちろん攻撃的に点を取りにいくという選択は持ちながらも、ああいう形で失点した。攻撃的なカードを切る中で、他会場が動いた。なおかつ攻撃的に入っていく。ただ他会場が動いた中で、時間が刻まれる中で、自分の選択が変わっていった」
「長谷部の投入時には、今の状況を伝えました。ハイリスクではなく、しかもイエローカードについても指示をした。こんな状況は今までにない。不用意なファウルを避けて、4-1-4-1のシステムで、ある程度ディフェンシブな形でバランスをもってという指示をした。時間を刻む中で、『このままでいい』ということを伝えた。そういうメッセージがあって、チームは動けない状況。長谷部の投入というメッセージで、このままキープでいく。0-2にはさせない。ポーランドも、アグレッシブに追加点という形でもなかった。時間が刻まれていく中で、その選択をした。長谷部の投入が、すべてのメッセージであったことは間違いない。一歩踏み入れるときに、『状況が変わったら、すぐに教えてください』と。行く前にもカードのことを長谷部に入れた」
──難しい選択だったと思う。あの瞬間、今までにない重圧を感じたか
「自分のスタイルは、攻撃的というか強気というか。選手には、コロンビア戦に入る前には『強い選択を選べ』と。試合にはいろいろな状況があります。上がっていいのか、ステイなのか。いや、そこは上がるんだと。ためらわずにポジションを高く取れと。チームとしてもアグレッシブにプレッシングして、ボールを保持してゴールに向かう。常に強い選択を選手には求めて、選手は非常に実践してくれた。それで好転していくゲームを続ける中で、今日のゲームはこういうトーンになった。ひとつのゲームに対して、ひとつのプレーに対して、選手に強い選択を常に求めている中で、ゲームの敗戦を考えれば、救いだったのはステージに上がれたというところだけだ」
──ボルゴグラードについてはどんな印象を持っているか
「半分半分。ゲームに負けたことは忘れない。日本サッカー界が、2018年のW杯でグループステージを突破できた土地でもあるので半分半分。次に来るときは、勝つゲームをしたい。リベンジしたいと思って、カザンに帰る」
──22年前のアトランタ五輪では勝ち点6を獲得しながら決勝トーナメントに行けなかった。今回は勝ち点4とフェアプレーポイントで行けた。監督としてどう考えるか
「結果的にグループステージを突破できた、勝ち上がれたというのは、自分の中では世界大会で同じようなめぐり合わせ。南米、アフリカ、欧州の強豪と戦うめぐり合わせであり、勝敗こそ違うが、ステージを勝ち抜く難しさというのも五輪ですけれど経験した。そういうことも感じながら突破したことに関して、自分の中ではリベンジできたと思いたい。勝ち上がり方の問題で、負け試合ということがフォーカスされれば半減することもあるでしょう。W杯で勝ち点4を取る難しさは、ステージが五輪とW杯で違うが、いろいろな思いで勝ち上がれたことを、そこだけはフォーカスしたいとこれからは思う」
──次の相手は決まっていないが大きな勝負になる。どんな改善を考えているか
「日本のサッカーが初めて経験するポイントではない。また経験できる状況を勝ち取った瞬間ではある。日本代表は2大会とも、この時点ですべてを出し尽くして、やっと16に臨むことができた。おそらく今、同じ状況かもしれないが、気持ちの上で対戦相手に対して、今まで以上に優位なスピリットを持ち、精神的にも今までの状況と違う持ち方をさせたいと思う」
「すべて出し尽くして、ステージ突破を成し遂げた。その延長に16があったのではなく、そうではない状態に持っていきたいと思う。余裕はないけれど、疲弊しているのも分かるが、イングランドやベルギーに臆することなく、勝ち上がった喜びで満足せず、今までの大会と気持ちの面で違うんだという状況で臨む。そこだけは自信を持っていかせたい。今日の分まで強気で迎えたいと思う」
──スタメンを6人替えたが、この先を考えてなのか。戦術的なことなのか、それともチームの和を考えたのか。そして正解だったと思うか
「和ということではない。常に和はあるし、出ていない選手を起用したいという思いは一切ない。総合的な判断で、勝ち上がることを自分の中で前提と考えていた。もちろん出ていない選手を起用したいという気持ちだけで、メンバーを変更しているわけではない。やれる、戦える、勝てる。3戦目で目に見えない疲弊をしている、ダメージがある。3戦とも同じスタートでも、もちろん戦えたと思う。ただそれは試合前の判断で、おそらく選手たちが相当ダメージを持っていて、フィジカル的にも感じるところがある。6人を起用したのは、良い状態がであったし、間違いなく同じようなチームスピリッツでやれる選手を起用した。決して不正解だとは一切思っていない」
──イングランドとベルギー、ラウンド16の相手はどちらがいいか
「ワールドクラスの両チームなので、チャレンジしがいがある。決まってから自分のチームを整えることと、対戦相手の分析をして、どういう戦いができるか。現時点では両チームとも対戦したい。非常にやりがいのあるチームだと思う」
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