【原ゆみこのマドリッド】危なっかしすぎてハラハラする…
2018.06.27 13:30 Wed
▽「予行演習になるのかしら」そんな風に私が思いをはせていたのは火曜日、スペインと同じBグループから、W杯決勝トーナメントに駒を進めたポルトガルがウルグアイと顔を合わせる16強対決の試合日程を見ていた時のことでした。というのも、ロシアに3-0と勝利してグループ首位突破を決めた月曜のグループ最終戦こそ、練習中にケガをしたヒメネスは出ていなかったんですけどね。キャプテンのゴディンと共にアトレティコのCBコンビが今大会、4試合目となる零封を懸けて次に対峙するのはクリスチアーノ・ロナウド。もちろんまだ、キエフでのCL決勝後のコメントから、レアル・マドリー退団の噂もある彼が8月15日、エストニアのタリンで開催されるUEFAスーパーカップに出るのかどうか、不確かではあるものの、ここでしっかり抑えておけば、新シーズン最初のタイトル争いでお隣さんに対して優位に立てるかもしれないから。
▽いえ、マドリーの脅威はそれだけに留まらず、クロアチアの2戦目、エリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて、アルゼンチンを0-3で粉砕するのに貢献したモドリッチや先週末、土曜のスウェーデン戦では何と、クロースが後半ロスタイムに起死回生の勝ち越し弾をゲット。いくら前半には自身のボールロストから、敵に先制点を与えるキッカケを作った責任を感じていたとて、ベンチもエリア内に展開したマリオ・ゴメス(シュトゥットガルト)、ミュラー(バイエルン)ら、攻撃に加わろうとしてコーチに止められたGKノイアー(バイエルン)を含め、その時はチームメート全員がFKからの空中戦を待っていたんですよ。
▽それなのに同点ゴールを決めていたマルコ・ロイス(ドルトムント)のキッカー志願も却下、ショートで出したボールを止めることだけを頼んで、当人は最初から直接ゴールを狙っていたというから、いやもう。思惑通り、シュートをネットに突き刺して、2-1の勝利でドイツ勝ち抜けの希望を再燃させるとはただただ、シャッポを脱ぐしかありませんって。うーん、こういう才能のほとばしりを見せつけられると、何せアトレティコの中盤要員はまだスペイン代表W杯デビューも果たしていないサウールだけでなく、コケも月曜のモロッコ戦には出番がありませんでしたからね。ジエゴ・コスタ(3得点)とグリーズマン(1得点)でFW陣はロナウドのここまで4ゴールに拮抗しているものの、こうも2列目で差がついてしまうのは一体、どうしてでしょうかね。
▽え、スペインの3戦目ではイスコ(マドリー)も違いを見せていなかったかって?そうですね、とりあえずモロッコ戦がどうだったか、お話ししていくことにすると、ポルトガルと分け、イランに勝ったことで、引き分け以上ならグループ突破という条件で始まったカリーニングラード(ロシア北西部)でのこの試合、イエロ監督はチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)を先発に起用。イラン戦でルーカス・バスケス(マドリー)を右サイドに使ったものの、あまり効果が出なかったせいのようですが、いやあまさか、すでに2戦目で敗退が決定し、前日など、ファジル(ヘタフェ)がグラウンドにスピーカーを持ち込んで、音楽をかけながらトレーニングをしていた程、リラックスしていたはずの相手にこうまで苦労させられるとは!
▽それもスペインの自業自得ではあるんですが、前半14分、イニエスタ(ヴィッセル神戸)とセルヒオ・ラモス(マドリー)のミスから、ブタイブ(マラテイアスポル)がボールを奪取。スペイン陣地を独走して先制ゴールを決めているんですから、呆気に取られたの何のって。もうその時はバルサのバルベルデ監督も昨季はセーブして使っていただけに、イニエスタが3試合連続で先発するのはもうムリだったのかと私も思ってしまったものですが、大丈夫。その5分後にはイスコ、コスタと繋いだボールを敵エリア奥まで持ち込んで、最後はイスコにアシストして面目躍如しているんですから、やはりスペインの攻撃には欠かせない人材です。
▽おまけに後半16分にはイスコのヘッドがゴール前でモロッコDFにクリアされ、追加点が取れなかったスペインはベンチの動きも遅く、イエロ監督がようやく交代カードを切ったのは29分になってのこと。それもイアゴ・アスパス(セルタ)とアセンシオ(マドリー)投入し、チアゴはいいんですが、コスタも引っ込めてしまったのはちょっと理解に苦しむところでしたが、それはまあ置いといて。だってえ、36分には絶対、許せない守備ミスが起こったんですよ。ええ、CKから落ちてきたボールをラモスがエンネミリ(マラガ)に競り負け、ヘッドを決めらてしまうって、あまりに酷すぎるでしょう?
▽実際、前節でもCKからイランにもゴールを入れられて、その時は線審がオフサイドの旗を挙げ、VAR(ビデオ審判)も確認してくれたため、大事に至らなった彼らですからね。いくら初戦直前にチームを本大会に導いたロペテギ監督が解任され、急遽、イエロ監督に代わったとはいえ、選手たちは同じ。セットプレーの守備方法が変わるはずもないとなれば、これはやっぱり気の緩みからかと。ただこの日もスペインはVARの神様に恵まれていたのか、「Le he pedido que se asocie y saque su talent/レ・エ・ペディードー・ケ・セ・アソシエ・イ・サケ・ス・タレントー(連携して、自分のタレントを出してこい)」(イエロ監督)と言われてピッチに送り込まれていたアスパスが45分、カルバハル(マドリー)のクロスをtacoazo(タコナソ/ヒールキック)でゴールに流し込んでくれたから、助かったの何のって。
▽ええ、こちらはイラン戦と逆でオフサイドのフラッグがVARにより、間違いだったと確認されたんですけどね。おまけに代表では12試合で6ゴールを全て途中出場で挙げているアスパスも「El arbitro no escuchaba bien y le dije que fuera a ver la camara/エル・アルビトロ・ノー・エスクチャバ・ビエンイ・レ・ディエ・ケ・フェラ・ア・ベル・ラ・カマラ(審判は無線がよく聞こえないようだったから、ビデオを見に行ったらと言ったんだ)」と話していたように、判定に時間がかかっている間、別会場ではイランがやはり、VARにより与えられたPKで1-1に追いつくことに。その前にロナウドがPKを失敗していたおかげもあって、そのままポルトガルと引き分けたため、2-2としたスペインのグループ首位突破が確定したから、狐につままれたようとはまさにこのこと?ええ、これでウルグアイではなく、ロシアとの16強対決に挑めることになりましたっけ。
▽ちなみに試合後のスペインからは一応、殊勝な言葉が聞こえてきていて、審判のVAR問い合わせ中には勝ち点、得失点差、総得点数が拮抗した場合、最後はカード枚数によるフェアプレー基準で順位が決まるのが気になったか、いきり立って抗議しているベンチの選手たちを抑えるので大変だったイエロ監督が、「Cinco goles en tres partidos no es el camino/シンコ・ゴーレス・エン・トレス・パルティードス・ノー・エス・エル・カミーノ(3試合で5失点というのはたどるべき道ではない)」というのは当然だったかと。このモロッコ戦のMVPとなったイスコも「No podemos seguir regalando goles, tenemos que centrarnos/ノー・ポデモス・セギール・レガランドー・ゴーレス、テネモス・ケ・セントラールノス(ゴールを贈り続けることはできない。ボクらは集中しないと)」と同じ意見のようです。
▽一番しっかりしなければならないキャプテンのラモスなども、「Es noche de hacer autocrítica del primero al ultimo/エス・ラ・ノッチェ・デ・アセール・アウトクリティカ・デル・プリメーロ・アル・ウルティモ(最初の1人から最後の1人まで自己批判する夜だね)」と言っていましたが、とにかく守備に関しては緊急に改善が必要かと。何せ、ウルグアイ戦では前半に退場者を出したこともあり、ルイス・スアレス(バルサ)、チェリシェフ(ビジャレアル)のオウンゴール、カバーニ(PSG)の3点で沈んでしまったロシアとはいえ、初戦はサウジアラビアに5-0、2戦目もエジプトに3-1と計8ゴールも挙げていて、決してチャンスをムダにするチームではないことがわかっていますからね。
▽加えてスペインはこれまでユーロ、W杯で開催国と対戦した8試合、全てで負けているというジンクスがあるとなれば、いくら大人の国際メジャートーナメントはこれが初参加。昨年はU21ユーロで一緒に準優勝したサウールとは違って、2試合で途中出場のチャンスをもらい、一歩リードした感のあるアセンシオが、「Hemos quedado primeros, parece que hemos quedado segundos o estamos eliminados/エモス・ケダードー・プリメーロス、パレセ・ケ・エモス・ケダードー・セグンドス・オ・エスタモス・エイミナードス(ウチは1位通過したのに、まるで2位だったり、敗退したみたいに見えるよ)」と試合翌朝、ベースキャンプ地のクラスノダール(ロシア南西部)での練習後記者会見で皮肉ってもなかなか、楽観的になれないのが人情というもの。
▽まあ、日曜午後4時(日本時間翌午後11時)から、モスクワのルジニキ・スタジアムで行われるロシア戦ではここまでずっと先発しながら、まったく精彩のないシルバ(マンチェスター・シティ)をローテーションしたらいいとか、CL決勝での負傷から回復したばかりのカルバハルもこれから、だんだん調子が上がっていくんじゃないかとか、世間ではイロイロ、言われていますけどね。中日も沢山あるため、火曜は控えメンバーがグラウンドで汗を流した後、恒例の24時間フリータイムをもらい、選手たちは現地に応援に来た家族や友人と過ごすため、FCクラスノダールのユース用施設を出て市内でリフレッシュ。これがいい気分転換になればいいんですが、どうにも不安は尽きませんよね。
▽そうそう、火曜のグループCとDの最終節の結果、ロシアを倒した場合、準々決勝ではクロアチアvsデンマーク戦の勝者とスペインは当たることになったんですが、一応、私が見てきた彼らのW杯やユーロではグループリーグ敗退(2004年、2014年)をしなければ、次の関門は16強対決(2006年、2016年)。ここを抜けた暁には優勝(2008年、2010年、2012年)しているため、おそらく来週まで大会に残っていれば、マドリッドでも野外に大型スクリーンを設置して、パブリックビューイングも行われたりするんじゃないかと思うんですが…このグループリーグ中はW杯の熱気を町中で感じることもあまりなくてねえ。現地のスタンドでも相手サポーターに数で圧倒されているようですし、ここ2大会、失望が続いただけにスペインのファンも慎重になっているのかもしれません。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
▽いえ、マドリーの脅威はそれだけに留まらず、クロアチアの2戦目、エリア外からgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を決めて、アルゼンチンを0-3で粉砕するのに貢献したモドリッチや先週末、土曜のスウェーデン戦では何と、クロースが後半ロスタイムに起死回生の勝ち越し弾をゲット。いくら前半には自身のボールロストから、敵に先制点を与えるキッカケを作った責任を感じていたとて、ベンチもエリア内に展開したマリオ・ゴメス(シュトゥットガルト)、ミュラー(バイエルン)ら、攻撃に加わろうとしてコーチに止められたGKノイアー(バイエルン)を含め、その時はチームメート全員がFKからの空中戦を待っていたんですよ。
▽え、スペインの3戦目ではイスコ(マドリー)も違いを見せていなかったかって?そうですね、とりあえずモロッコ戦がどうだったか、お話ししていくことにすると、ポルトガルと分け、イランに勝ったことで、引き分け以上ならグループ突破という条件で始まったカリーニングラード(ロシア北西部)でのこの試合、イエロ監督はチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)を先発に起用。イラン戦でルーカス・バスケス(マドリー)を右サイドに使ったものの、あまり効果が出なかったせいのようですが、いやあまさか、すでに2戦目で敗退が決定し、前日など、ファジル(ヘタフェ)がグラウンドにスピーカーを持ち込んで、音楽をかけながらトレーニングをしていた程、リラックスしていたはずの相手にこうまで苦労させられるとは!
▽それもスペインの自業自得ではあるんですが、前半14分、イニエスタ(ヴィッセル神戸)とセルヒオ・ラモス(マドリー)のミスから、ブタイブ(マラテイアスポル)がボールを奪取。スペイン陣地を独走して先制ゴールを決めているんですから、呆気に取られたの何のって。もうその時はバルサのバルベルデ監督も昨季はセーブして使っていただけに、イニエスタが3試合連続で先発するのはもうムリだったのかと私も思ってしまったものですが、大丈夫。その5分後にはイスコ、コスタと繋いだボールを敵エリア奥まで持ち込んで、最後はイスコにアシストして面目躍如しているんですから、やはりスペインの攻撃には欠かせない人材です。
▽ただ、同点に追いついた後も相変わらずだったのは守備陣で、何せ24分にはスローインからブタイブが再び独走。この時こそ、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)が1対1で弾き、今大会初セーブでゴールを死守してくれたんですが、まったくもって心臓に悪い。おまけにもしや、昨季のリーガ戦で何かあったんでしょうかね。ラモスと何度もいがみ合っていたアムラバット(レガネス)を始め、モロッコの選手たちがやたら乱暴なファールをかけてくるため、血気盛んなコスタがやり返してイエローカードをもらう恐れはともかく、決勝トーナメント前に誰かにケガでもされたらと心配になったのは私だけ?
▽おまけに後半16分にはイスコのヘッドがゴール前でモロッコDFにクリアされ、追加点が取れなかったスペインはベンチの動きも遅く、イエロ監督がようやく交代カードを切ったのは29分になってのこと。それもイアゴ・アスパス(セルタ)とアセンシオ(マドリー)投入し、チアゴはいいんですが、コスタも引っ込めてしまったのはちょっと理解に苦しむところでしたが、それはまあ置いといて。だってえ、36分には絶対、許せない守備ミスが起こったんですよ。ええ、CKから落ちてきたボールをラモスがエンネミリ(マラガ)に競り負け、ヘッドを決めらてしまうって、あまりに酷すぎるでしょう?
▽実際、前節でもCKからイランにもゴールを入れられて、その時は線審がオフサイドの旗を挙げ、VAR(ビデオ審判)も確認してくれたため、大事に至らなった彼らですからね。いくら初戦直前にチームを本大会に導いたロペテギ監督が解任され、急遽、イエロ監督に代わったとはいえ、選手たちは同じ。セットプレーの守備方法が変わるはずもないとなれば、これはやっぱり気の緩みからかと。ただこの日もスペインはVARの神様に恵まれていたのか、「Le he pedido que se asocie y saque su talent/レ・エ・ペディードー・ケ・セ・アソシエ・イ・サケ・ス・タレントー(連携して、自分のタレントを出してこい)」(イエロ監督)と言われてピッチに送り込まれていたアスパスが45分、カルバハル(マドリー)のクロスをtacoazo(タコナソ/ヒールキック)でゴールに流し込んでくれたから、助かったの何のって。
▽ええ、こちらはイラン戦と逆でオフサイドのフラッグがVARにより、間違いだったと確認されたんですけどね。おまけに代表では12試合で6ゴールを全て途中出場で挙げているアスパスも「El arbitro no escuchaba bien y le dije que fuera a ver la camara/エル・アルビトロ・ノー・エスクチャバ・ビエンイ・レ・ディエ・ケ・フェラ・ア・ベル・ラ・カマラ(審判は無線がよく聞こえないようだったから、ビデオを見に行ったらと言ったんだ)」と話していたように、判定に時間がかかっている間、別会場ではイランがやはり、VARにより与えられたPKで1-1に追いつくことに。その前にロナウドがPKを失敗していたおかげもあって、そのままポルトガルと引き分けたため、2-2としたスペインのグループ首位突破が確定したから、狐につままれたようとはまさにこのこと?ええ、これでウルグアイではなく、ロシアとの16強対決に挑めることになりましたっけ。
▽ちなみに試合後のスペインからは一応、殊勝な言葉が聞こえてきていて、審判のVAR問い合わせ中には勝ち点、得失点差、総得点数が拮抗した場合、最後はカード枚数によるフェアプレー基準で順位が決まるのが気になったか、いきり立って抗議しているベンチの選手たちを抑えるので大変だったイエロ監督が、「Cinco goles en tres partidos no es el camino/シンコ・ゴーレス・エン・トレス・パルティードス・ノー・エス・エル・カミーノ(3試合で5失点というのはたどるべき道ではない)」というのは当然だったかと。このモロッコ戦のMVPとなったイスコも「No podemos seguir regalando goles, tenemos que centrarnos/ノー・ポデモス・セギール・レガランドー・ゴーレス、テネモス・ケ・セントラールノス(ゴールを贈り続けることはできない。ボクらは集中しないと)」と同じ意見のようです。
▽一番しっかりしなければならないキャプテンのラモスなども、「Es noche de hacer autocrítica del primero al ultimo/エス・ラ・ノッチェ・デ・アセール・アウトクリティカ・デル・プリメーロ・アル・ウルティモ(最初の1人から最後の1人まで自己批判する夜だね)」と言っていましたが、とにかく守備に関しては緊急に改善が必要かと。何せ、ウルグアイ戦では前半に退場者を出したこともあり、ルイス・スアレス(バルサ)、チェリシェフ(ビジャレアル)のオウンゴール、カバーニ(PSG)の3点で沈んでしまったロシアとはいえ、初戦はサウジアラビアに5-0、2戦目もエジプトに3-1と計8ゴールも挙げていて、決してチャンスをムダにするチームではないことがわかっていますからね。
▽加えてスペインはこれまでユーロ、W杯で開催国と対戦した8試合、全てで負けているというジンクスがあるとなれば、いくら大人の国際メジャートーナメントはこれが初参加。昨年はU21ユーロで一緒に準優勝したサウールとは違って、2試合で途中出場のチャンスをもらい、一歩リードした感のあるアセンシオが、「Hemos quedado primeros, parece que hemos quedado segundos o estamos eliminados/エモス・ケダードー・プリメーロス、パレセ・ケ・エモス・ケダードー・セグンドス・オ・エスタモス・エイミナードス(ウチは1位通過したのに、まるで2位だったり、敗退したみたいに見えるよ)」と試合翌朝、ベースキャンプ地のクラスノダール(ロシア南西部)での練習後記者会見で皮肉ってもなかなか、楽観的になれないのが人情というもの。
▽まあ、日曜午後4時(日本時間翌午後11時)から、モスクワのルジニキ・スタジアムで行われるロシア戦ではここまでずっと先発しながら、まったく精彩のないシルバ(マンチェスター・シティ)をローテーションしたらいいとか、CL決勝での負傷から回復したばかりのカルバハルもこれから、だんだん調子が上がっていくんじゃないかとか、世間ではイロイロ、言われていますけどね。中日も沢山あるため、火曜は控えメンバーがグラウンドで汗を流した後、恒例の24時間フリータイムをもらい、選手たちは現地に応援に来た家族や友人と過ごすため、FCクラスノダールのユース用施設を出て市内でリフレッシュ。これがいい気分転換になればいいんですが、どうにも不安は尽きませんよね。
▽そうそう、火曜のグループCとDの最終節の結果、ロシアを倒した場合、準々決勝ではクロアチアvsデンマーク戦の勝者とスペインは当たることになったんですが、一応、私が見てきた彼らのW杯やユーロではグループリーグ敗退(2004年、2014年)をしなければ、次の関門は16強対決(2006年、2016年)。ここを抜けた暁には優勝(2008年、2010年、2012年)しているため、おそらく来週まで大会に残っていれば、マドリッドでも野外に大型スクリーンを設置して、パブリックビューイングも行われたりするんじゃないかと思うんですが…このグループリーグ中はW杯の熱気を町中で感じることもあまりなくてねえ。現地のスタンドでも相手サポーターに数で圧倒されているようですし、ここ2大会、失望が続いただけにスペインのファンも慎重になっているのかもしれません。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
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