【日本代表コラム】自信を覗かせるチーム力で勝ち点を積み上げた日本
2018.06.25 22:00 Mon
▽初戦でコロンビア代表相手に予想を超える勝利を挙げた日本代表。勢いそのままにセネガル代表相手に勝利を目指したが、2-2の引き分けに終わった。
▽2度のリードを許しながらも、しっかりと追いつき勝ち点1を獲得した日本。これまで見せてきた勝負弱さはそこにはなく、強者の風格すら感じさせる戦いぶりを見せていた。
◆落ち着いた試合の入り
▽セネガルの出鼻を挫きたい日本だったが、ミスから先制を許す。11分、右サイドからのクロスを原口元気がクリア。しかし、これが相手の足元に収まると、ボックス内右からシュート。サバリのシュートはGK川島永嗣の正面に飛び、問題ないかと思われたが、川島がパンチングをミス。目の前にいたサディオ・マネの足に当たり、ボールはネットを揺らした。
▽西野朗監督が率いてからというもの、川島の精彩を欠いたプレーは全ての試合で起こっている。しっかりとセネガルの攻撃を跳ね返していた矢先の失点だけに、メンタル面でのダメージが心配されたが、日本は落ち着いて対応した。
▽乾の落ち着いたシュートも去ることながら、起点となった柴崎にも注目だ。自陣から、走り込んだ長友を狙ったロングフィード。正確無比なパスが通った柴崎は、この試合を通じて攻守に渡り圧巻のパフォーマンスを見せた。当然、これをチャンスにつなげた長友も素晴らしい。チームとして奪えた1点は、日本の成長ぶりを示した。
◆ペースを乱されない守備陣
▽特に、酒井宏樹は一対一で負けることはほとんどなく、ロングボールは吉田麻也がクリア。昌子源も対人の強さを見せながら、後半には自ら持ち出す攻撃参加まで見せた。チームとして、セネガルの攻撃陣を押さえ込めたことは大きいだろう。2失点を喫した部分は反省が必要だが、精度は上がっていると言える。
▽失点シーンに関しては、日本の右サイドが突破されたもの。それ以前の攻撃でもクロスボールがファーサイドに流れた際、対応ができていなかった。最終的には、右サイドバックのDFムサ・ワゲに詰められてゴールを許したが、同じ形を何度か作られていただけに、しっかりと修正してもらいたい。
◆選手起用によるメッセージ
▽同点ゴールのシーンは、個々の特徴が全面に出たゴールだった。ボックス手前中央でパスを受けた大迫勇也は、自身のストロングポイントであるボールコントロールで収め、持ち出すことに成功。ボックス手前からの大迫のクロスに対しては、岡崎が身体を投げ出して飛び込むと、GKがパンチングをミスし、ボールが流れた。このボールに反応した乾は、ラインギリギリからダイレクトで折り返し、このボールに倒れていた岡崎はそのまま身体を投げ出した。結果的に、GKをブロックする様な形となり、最後は良いポジションをとっていた本田が蹴り込んだ。
◆ノルマとなったベスト16
▽大会前の期待値からは大きくかけ離れ、1勝1分けで2試合を終えた日本。この状況を踏まえれば、勝手な話ではあるがグループステージ敗退は許されない状況だ。国民の期待も大いに高まっており、ここまでの流れを不意にしてもらいたくはない。
▽大方の予想が敗戦だったコロンビア戦で勝ち点3、厳しいと見られたセネガル戦も2度追いついての勝ち点1。自らチャンスを手繰り寄せているだけに、ポーランド戦で結果を残し、3度目のベスト16に進出するかどうかが、この先の日本サッカーの命運を左右すると言っても過言ではない。
▽チーム力、団結力で結果を残せた2試合。勝負弱さを払拭するには、3戦目のポーランド戦の結果が最重要だ。奇しくもポーランドは既に敗退が決定。失うものは何もなく、開き直って本来のパフォーマンスを見せる可能性は高い。実力国を相手に、ワールドカップの舞台で結果を残せせるのか。次のラウンドに進めば、ベルギー代表かイングランド代表と対戦する。そのステージに立つため、残り僅かな時間でよりチーム力を高めてもらいたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
▽2度のリードを許しながらも、しっかりと追いつき勝ち点1を獲得した日本。これまで見せてきた勝負弱さはそこにはなく、強者の風格すら感じさせる戦いぶりを見せていた。
Getty Images
▽コロンビア戦での勝利の影響か、日本は落ち着いて試合をスタートさせた。セネガルは、初戦のポーランド戦に比べて積極的に前からプレスを掛け、ボールを奪いにいくサッカーを展開。しかし、日本はその迫力に押し込まれることなく、ボールを回して行った。▽セネガルの出鼻を挫きたい日本だったが、ミスから先制を許す。11分、右サイドからのクロスを原口元気がクリア。しかし、これが相手の足元に収まると、ボックス内右からシュート。サバリのシュートはGK川島永嗣の正面に飛び、問題ないかと思われたが、川島がパンチングをミス。目の前にいたサディオ・マネの足に当たり、ボールはネットを揺らした。
▽西野朗監督が率いてからというもの、川島の精彩を欠いたプレーは全ての試合で起こっている。しっかりとセネガルの攻撃を跳ね返していた矢先の失点だけに、メンタル面でのダメージが心配されたが、日本は落ち着いて対応した。
◆冷静な判断を見せた柴崎
Getty Images
▽セネガルの1点リードで迎えた34分、日本は一本のパスから決定機を迎える。長谷部誠が最終ラインに入り、3バックの形を作った日本。中盤で柴崎岳がボールを持つと、狙いすましたロングフィード。これを長友佑都がトラップすると、ボックス内で乾貴士とスイッチ。乾は、コースを狙い済ましてネットを揺らした。(C)CWS Brains,LTD.
▽コロンビア戦では、乾は同様の形で2度シュートを外しており、悔しい思いをしていた。シュートを打った角度はこのゴールもほぼ同じ。3度目の正直といったところか、日本の貴重な同点ゴールを生んだ。▽乾の落ち着いたシュートも去ることながら、起点となった柴崎にも注目だ。自陣から、走り込んだ長友を狙ったロングフィード。正確無比なパスが通った柴崎は、この試合を通じて攻守に渡り圧巻のパフォーマンスを見せた。当然、これをチャンスにつなげた長友も素晴らしい。チームとして奪えた1点は、日本の成長ぶりを示した。
◆ペースを乱されない守備陣
Getty Images
▽また、守備陣もユニットでしっかりと守ることに成功。マネをはじめ、FWエンバイェ・ニアン、MFイスマイラ・サール、MFパパ・アリウヌ・エンディアイエとセネガルの攻撃陣を押さえ込んだ。▽特に、酒井宏樹は一対一で負けることはほとんどなく、ロングボールは吉田麻也がクリア。昌子源も対人の強さを見せながら、後半には自ら持ち出す攻撃参加まで見せた。チームとして、セネガルの攻撃陣を押さえ込めたことは大きいだろう。2失点を喫した部分は反省が必要だが、精度は上がっていると言える。
▽失点シーンに関しては、日本の右サイドが突破されたもの。それ以前の攻撃でもクロスボールがファーサイドに流れた際、対応ができていなかった。最終的には、右サイドバックのDFムサ・ワゲに詰められてゴールを許したが、同じ形を何度か作られていただけに、しっかりと修正してもらいたい。
◆選手起用によるメッセージ
Getty Images
▽追加点を奪われた直後、西野朗監督は交代の準備をしていたFW岡崎慎司ではなく、MF本田圭佑を投入。その後、岡崎も投入すると、同点ゴールが生まれた。この試合、残りの1枚はFW宇佐美貴史を起用した西野監督。メッセージとしては、勝ち点3を目指すということが選手に伝わったはずだ。引き分け狙いではなく、勝ちに行くという姿勢を見せたことは、最終戦のポーランド戦に向けても大きいだろう。▽同点ゴールのシーンは、個々の特徴が全面に出たゴールだった。ボックス手前中央でパスを受けた大迫勇也は、自身のストロングポイントであるボールコントロールで収め、持ち出すことに成功。ボックス手前からの大迫のクロスに対しては、岡崎が身体を投げ出して飛び込むと、GKがパンチングをミスし、ボールが流れた。このボールに反応した乾は、ラインギリギリからダイレクトで折り返し、このボールに倒れていた岡崎はそのまま身体を投げ出した。結果的に、GKをブロックする様な形となり、最後は良いポジションをとっていた本田が蹴り込んだ。
(C)CWS Brains,LTD.
▽途中出場の本田、岡崎が絡み、最終的には本田が3大会連続のゴールを記録。2試合続けて本田が決勝点に絡んだところを見ても、チームとしての流れが良い方向に向いているのがわかる。そして、各選手が自身の特長をしっかりと出すことで、チームに勝ち点をもたらせたことは大きい。◆ノルマとなったベスト16
▽大会前の期待値からは大きくかけ離れ、1勝1分けで2試合を終えた日本。この状況を踏まえれば、勝手な話ではあるがグループステージ敗退は許されない状況だ。国民の期待も大いに高まっており、ここまでの流れを不意にしてもらいたくはない。
▽大方の予想が敗戦だったコロンビア戦で勝ち点3、厳しいと見られたセネガル戦も2度追いついての勝ち点1。自らチャンスを手繰り寄せているだけに、ポーランド戦で結果を残し、3度目のベスト16に進出するかどうかが、この先の日本サッカーの命運を左右すると言っても過言ではない。
▽チーム力、団結力で結果を残せた2試合。勝負弱さを払拭するには、3戦目のポーランド戦の結果が最重要だ。奇しくもポーランドは既に敗退が決定。失うものは何もなく、開き直って本来のパフォーマンスを見せる可能性は高い。実力国を相手に、ワールドカップの舞台で結果を残せせるのか。次のラウンドに進めば、ベルギー代表かイングランド代表と対戦する。そのステージに立つため、残り僅かな時間でよりチーム力を高めてもらいたい。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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