【編集部コラム】今大会顕著に見られる相手国対策、日本はできているのか
2018.06.18 23:30 Mon
▽4年に1度のサッカーの祭典が開幕し、4日が経過した。ここまでグループAのロシア代表vsサウジアラビア代表からスタートし、11試合が消化。第1節も残すところ5試合となった。
▽我らが日本代表は19日の21時に初戦を迎える。相手はコロンビア代表。4年前のブラジル・ワールドカップでも同じグループに属し、第3戦目で4-1と大敗を喫したチームだ。
▽戦前の予想では、コロンビアの勝利が優勢。日本が勝利すること、そして勝ち点を得ることは、厳しいミッションだと言えるだろう。
◆番狂わせは不可能ではない
▽例えば、大会2日目、グループBのモロッコ代表vsイラン代表のイラン、大会3日目、グループDのアルゼンチン代表vsアイスランド代表のアイスランド、大会4日目、ドイツ代表vsメキシコ代表のメキシコ、ブラジル代表vsスイス代表のスイスが挙げられる。
◆共通項は守備時の“オーガナイズ”
▽一方、アイスランドは人口がワールドカップ史上最少の国であり、2年前のユーロで大舞台に初めて立ったチーム。アルゼンチン戦は、ワールドカップ初戦だった。
▽この2カ国に共通していたのは、守備時の“オーガナイズ”だ。互いに監督が用意したプランをチームとして完遂することを90分間続けた結果が、試合結果にも表れた。
▽イランにしても、モロッコを相手にハードワークを90分間通して行い、低いディフェンスラインから、切れ味鋭いカウンターで応戦。2列目がしっかりとボールを奪えたからこそ、カウンターが生き、終盤にFKを得ると、そこからオウンゴールで勝利した。
▽それぞれの国が、強者に対しての戦い方として、しっかりと準備してきたものを選手たちがピッチ上で体現できたことで、予想を覆す結果を残した。決して、相手が舐めていたというわけではないだろう。
◆日本はどう出るか
▽しかし、ここまでの今大会を見れば、いかにチームとして準備を行い、相手の研究を徹底して、ウィークポイントを抑えること。さらに、そこから反撃に出るプランをどう立てているかだ。
▽西野朗監督の強化試合3試合を観る限り、ハッキリと決められていたものはないように思える。スイス代表戦、パラグアイ代表戦と結果は1勝1敗だが、チームとしての完成度は低い。西野監督も、これまでのチーム作りを見れば相手を研究して…というタイプではないだろう。
▽一方で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は昨年12月1日の抽選会後、対戦相手3カ国の研究、分析に入っていた。そのデータがどこまで引き継がれているのかはわからないが、今の日本が相手のことをどこまで丸裸にできているのかは不明だ。大会後にでもハリルホジッチ監督のレビューを聞いてみたいものだが…。
▽理想を求めることも大事であり、可能性を求めて戦うことも重要だ。しかし、現実を見ることは何よりも重要。相手に対してどれだけ準備をし、ピッチ上で11人が体現してこそ、自分たちのサッカーが生まれるはずだ。日本の初戦は、他国の戦いと比較するという点でも注目だ。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
▽我らが日本代表は19日の21時に初戦を迎える。相手はコロンビア代表。4年前のブラジル・ワールドカップでも同じグループに属し、第3戦目で4-1と大敗を喫したチームだ。
◆番狂わせは不可能ではない
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▽しかし、今大会の4日目までの11試合を振り返ると、必ずしも本命が結果を残せているというわけではない。むしろ、今大会は番狂わせと言える結果がここまでも多い。▽例えば、大会2日目、グループBのモロッコ代表vsイラン代表のイラン、大会3日目、グループDのアルゼンチン代表vsアイスランド代表のアイスランド、大会4日目、ドイツ代表vsメキシコ代表のメキシコ、ブラジル代表vsスイス代表のスイスが挙げられる。
▽メキシコやスイスはワールドカップでも実績があり、番狂わせとは言いにくいかもしれないが、前回王者のドイツ代表に勝利したこと、ブラジル代表に引き分けたことは、驚きと言っても良いだろう。
◆共通項は守備時の“オーガナイズ”
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▽それ以上に驚きを与えたのは、イランとアイスランドだ。イランは直近では1998年、2006年、2014年とワールドカップに出場したが、勝利は1998年以来20年ぶりの快挙となった。▽一方、アイスランドは人口がワールドカップ史上最少の国であり、2年前のユーロで大舞台に初めて立ったチーム。アルゼンチン戦は、ワールドカップ初戦だった。
▽この2カ国に共通していたのは、守備時の“オーガナイズ”だ。互いに監督が用意したプランをチームとして完遂することを90分間続けた結果が、試合結果にも表れた。
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▽また、これはドイツに勝利したメキシコにも言える。フアン・カルロス・オソリオ監督が「我々は6カ月前からプランを準備してきた」と語った通り、ドイツの良さを消しに行くプランを遂行。アンカーの位置に入ったMFトニ・クロースにマンマークを付けることで、嫌がるクロースを中央から追い出す作戦に成功。その後は、ボール奪取から2人のセンターバックで守るが故に空いたスペースを使ったカウンターを仕掛け何度もドイツゴールを脅かし、前半のうちに先制。ドイツは後半対応したものの、今度は[5-4-1]で跳ね返し続け、メキシコはそのまま逃げ切った。▽イランにしても、モロッコを相手にハードワークを90分間通して行い、低いディフェンスラインから、切れ味鋭いカウンターで応戦。2列目がしっかりとボールを奪えたからこそ、カウンターが生き、終盤にFKを得ると、そこからオウンゴールで勝利した。
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▽アイスランドも顕著だった。FWリオネル・メッシに対しての人数の掛け方、2トップを含めてのラインの距離、そしてむやみに奪いに行かず、距離を保ちながらタイミングを見てのボール奪取。キャプテンでもあるMFアーロン・グンナルソンのコーチングも光っていた。ユーロ2016でもチームとしての戦い方に完成度の高さを見せたアイスランドだったが、ワールドカップの舞台でもそれ以上のパフォーマンスを見せたと言えるだろう。▽それぞれの国が、強者に対しての戦い方として、しっかりと準備してきたものを選手たちがピッチ上で体現できたことで、予想を覆す結果を残した。決して、相手が舐めていたというわけではないだろう。
◆日本はどう出るか
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▽初戦を19日に控える日本。相手は前述の通り、4年前に悔しい思いをさせられたコロンビアだ。力関係としては、前述のカード以上かも知れない。▽しかし、ここまでの今大会を見れば、いかにチームとして準備を行い、相手の研究を徹底して、ウィークポイントを抑えること。さらに、そこから反撃に出るプランをどう立てているかだ。
▽西野朗監督の強化試合3試合を観る限り、ハッキリと決められていたものはないように思える。スイス代表戦、パラグアイ代表戦と結果は1勝1敗だが、チームとしての完成度は低い。西野監督も、これまでのチーム作りを見れば相手を研究して…というタイプではないだろう。
▽一方で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は昨年12月1日の抽選会後、対戦相手3カ国の研究、分析に入っていた。そのデータがどこまで引き継がれているのかはわからないが、今の日本が相手のことをどこまで丸裸にできているのかは不明だ。大会後にでもハリルホジッチ監督のレビューを聞いてみたいものだが…。
▽理想を求めることも大事であり、可能性を求めて戦うことも重要だ。しかし、現実を見ることは何よりも重要。相手に対してどれだけ準備をし、ピッチ上で11人が体現してこそ、自分たちのサッカーが生まれるはずだ。日本の初戦は、他国の戦いと比較するという点でも注目だ。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》
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