【原ゆみこのマドリッド】プレーするのは選手とはいえ…2018.06.15 14:30 Fri

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▽「そりゃこっちも同じだわ」そんな風に私が肩をすくめていたのは木曜日、ようやく待ちに待ったレアル・マドリーの新監督が決まり、サンティアゴ・ベルナベウのパルコ(貴賓席)前ホールでロペテギ監督の就任スピーチを聞いている時のことでした。いやあ、彼の姿を自分の目で最後に見たのは10日程前、ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で行われたスペイン代表の練習だったんですけどね。それが何と、いよいよW杯初戦に臨むチームがソチのフィシュト・スタジアムで前日最終セッションを行っている時間、朝5時にバラハス空港に着いた当人のプレゼンに立ち会うとは、それこそ「un dia surrealista/ウン・ディア・スルレアリスタ(シュールな日)」だったのは絶対、ロペテギ監督だけじゃない?

▽いえ、物事は順序立てて話していかないといけません。事件の始まりは火曜の午後5時少し前。レアル・マドリーのオフィシャルページにロペテギ監督がジダン監督の後継者として、スペインのW杯参加が終わり次第、3年契約で入団することが発表されたことでした。いえまあ、その時は程なくしてスペイン代表のホームページにも同様の内容がアップされ、おまけにサッカー協会はロペテギ監督とマドリーの交渉を把握。5月中に2020年まで延長契約を結んだ際に決まった違約金200万ユーロ(約2億6000万円)を受け取るという文面になっていたため、世間もまだ、「W杯初戦を2日後に控えての非常識な時期だし、代表チームにはマドリー以外の選手もいるし、これからクリスチアーノ・ロナウドを筆頭に来季率いることになる面々と対戦するのに何故今、発表?」的な違和感を持ったぐらいだったんですけどね。

▽どうやらこれにはマドリー側の事情があって、実際、ドイツのレーブ監督、ポチェッティーノ監督(トッテナム)、クロップ監督(リバプール)、アッレグリ監督(ユベントス)、コンテ監督(チェルシー)ら候補リストの上にあった指揮官を招聘するのがまずムリと判明したのが今週になってから。それでも7月16日にはプレシーズンを開始しないといけないのと、ジダン監督の辞任から2週間以上経ちながら、一向に後任が決まらないことにジレていたソシオ(協賛会員)をなだめるため、月曜にクラブOBで、RMカスティージャ(2部B)も率いたことのあるロペテギ監督にオファーを出したところ、速攻で話が進んだのだとか。クラブ上層部はW杯期間中、その新監督就任を隠しておくのは難しいと判断し、公にすることにしたようですが、まさかサッカー協会のルビアレス会長があれ程、極端なリアクションを起こすとは一体、誰に予想できた?

▽ええ、「No puede ser que la Federacion se entere cinco minutos antes de una nota de prensa/ノー・プエデ・セル・ケ・ラ・フェデラシオン・セ・エンテレ・シンコ・ミヌートス・アンテス・デ・ウア・ノタ・デ・プレンサ(協会がプレスリリースの出る5分前に知らされるなんてことはありえない)」と翌日、記者会見で何度も言っていましたが、その日、FIFA総会が開催されていたモスクワにいた当人はこの事実をウェブに告知が出る直前、マドリーのペレス会長から電話で伝えられたとのこと。慌てて代表監督と話そうとしたものの、クラスノダール(ロシア南西部)のベースキャンプでは丁度、夕方の練習が始まったところで、何とロペテギ監督自身がグラウンドで選手たちにマドリーに行くことを告げていたというから、もしやクラブと歩調を合わせていた?

▽モスクワからとんぼ帰り、深夜にはクラスノダールに着いたルビアレス会長は夜半から、翌水曜午前中までロペテギ監督、セルヒオ・ラモス(マドリー)、イニエスタ(ヴィッセル神戸)、シルバ(マンチェスター・シティ)のキャプテン、ピケやブスケツ(バルサ)ら、チームの重鎮と話し合い、いえ、とりわけラモスなどは監督続投を強く訴えたようだったんですけどね。私も合宿所のプレスセンターで記者会見が午前10時半にあると聞いて、スポーツ紙のウェブで生中継が始まるのを待っていたんですが、遅れに遅れて結局、ルビアレス会長が現れたのは正午過ぎ。協会への"ほうれんそう"が欠けていたという理由により、ロペテギ監督の即時解任が告げられることに。ええ、日本代表が4月にハリルホジッチ監督を解任、西野朗監督に代わった時だって、本大会開幕2カ月前に随分、思い切ったことをすると驚かれていたのに、こちらなんてたった2日前ですよお!

▽こんな無茶苦茶な話、聞いたことがないと私も頭を抱えていたところ、午後5時半には昨年11月から、代表のスポーツディレクターに復帰していたイエロ氏がルビアレス会長と共に現れ、W杯期間中の新監督に任命されたんですが、うーん、とりあえずチームはもう出来上がっていますからね。プロの監督経験は2016-17シーズンにオビエド(2部)を率いたことしかない当人も「No se puede tocar en dos dias dos anos de trabajo/ノー・セ・プエデ・トカール・エン・ドス・ディアス・ドス・アーニョス・デ・トラバッホ(2日間で2年間の仕事を変えることはできない)」と言っていた通り、ここはずっとチームに寄り添い、マドリーでの現役時代14年間にクラブのレジェンドの域に達した往年の名DFのリーダーシップを信頼するしかないかと。

▽そして木曜にはスペインはソチ(ロシア南東部のビーチリゾート)に移動。オビエド時代にイエロ監督を補佐した第2監督、フィジカルコーチ、そして元代表で2010年W杯優勝時のメンバーだったマルチェナもスタッフとして加わって、ベルナベウでペレス会長が「W杯中に次の仕事の契約をすることが不忠義だと解釈された前例などない。ウチは普通のことをしただけなのに誤ったプライドから、馬鹿げた結果となった。Es una decision injusta/エス・ウナ・デシシオン・インフスタ(公正ではない決断だった)」、ロペテギ監督も「A mi me hubiera gustado que Rubiales hubiera actuado de otra manera/ア・ミー・メ・ウビエラ・グスタードー・ケ・ルビアレス・ウビエラ・アクトゥアドー・デ・オトラ・マネラ(ルビアレス会長が違う振る舞いをしてくれていた方が良かった)」と電撃解任を非難している間、選手たちはいつもと変わらず、和気藹々と練習をしていましたっけ。

▽実際、金曜午後8時(日本時間翌午前3時)から試合の相手、ポルトガルのフェルナンド・サントス監督も「スペインには10年前から特有のプレースタイルがある。驚かされることは何もないだろう」と言っていましたし、イエロ監督も「Se vera a la Espana de siempre/セ・ベラ・ア・ラ・エスパーニャ・デ・シエンプレ(いつものスペインを見ることになるはずだ)」と記者会見で再度強調。順調に行っていてもグループリーグ敗退となった4年前のブラジル大会ような例もあるんですから、あまりこの監督交代劇の影響は心配しなくてもいい?そうですね、ラモスも「La idea no ha cambiado y es ir a por el Mundial/ラ・イデア・ノー・ア・カンビアードー・イ・エs・イル・ア・ポル・エル・ムンディアル(考えは変わっていなよ。目指すはW杯優勝だ)」とやる気満々でしたしね。

▽ただ、このゴタゴタのせいで直前のスイス、チュニジアとの親善試合でも結論が出なかった、いえ、火曜から全体練習に復帰したものの、カルバハル(マドリー)はイランとの2戦目からという見方が多いんですけどね。その代理はナチョ(マドリー)でいいとして、肝心のFWはジエゴ・コスタ(アトレティコ)、ロドリゴ(バレシア)、イアゴ・アスパス(セルタ)の誰を何人、スタメンとして使うのかは未だに予想つかず。それぞれ一長一短があり、公式戦では交代枠も3つしかないため、ここはかなり慎重に選んでほしいものですが、さて。

▽一方、中盤は結局、ここまでポルトガル代表でダンマリを貫き、これからロペテギ監督もマドリー残留を説得するのに骨を折りそうなロナウドの危険性も考えると、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)より、コケ(アトレティコ)の方が守備的に落ち着いて良さそうでしたが、何せ当人はスペイン中を呆気に取らせた大騒動の中、ツィッターに丁度、お隣さんがCL決勝を戦っていた日だったせいで、あまり注目されなかったベアトリスさんとの挙式の写真を投稿(https://twitter.com/Koke6/status/1006966408239042567)。新妻の29歳のバースデーを祝うという、いささかズレたことをしていたため、どうかと思われる節もあるんですが、まあその辺はイエロ監督の判断次第かと。

▽え、そもそもここ数日、スペインのお家騒動のせいで一番、割を喰らったのはグリーズマンだったんじゃないかって?その通りで火曜にはロシア滞在中のフランス代表で待望の記者会見があったんですが、当人は「もう来季のことについては決心がついたけど、今日はそれを話す場所でも時でもない」とヨーロッパリーグ優勝の後や先日の親善試合後同様、残留なのか、バルサ移籍なのかについて言明せず。水曜には代表仲間のレマル(モナコ)のアトレティコ加入が大筋、決まったという報道もあったため、スポーツ紙でも短く触れられただけだったんですが、まさか木曜になって、「He decidido quedarme/エ・デシディードー・ケダールメ(ボクは残ることに決めた)」と最後に言うため、それまでの自身の心の葛藤を描いたTVのドキュメンタリー番組が公開されることになるとは!

▽いやあ、確かに自身の目標であるCL優勝を遂げるにはアトレティコには何かが足りないと悩んだり、ELのトロフィーを掲げた後の試合でワンダ・メトロポリターノのファンにpito(ピト/ブーイング)を受け、当人がイロイロ、悩む様子を描いたのはいい台本だなと思ったものですけどね。どうにもここまで引っ張られると、もしや口が重かったのはこの番組の視聴率を取りたかったからなんて、ちょっと穿ってしまうのは私だけ?どちらにしろ、これで来季もグリーズマンをアトレティコで見られることが決まったため、土曜正午(日本時間午後19時)からのフランスvsオーストラリア戦では素直に応援できそうですが、金曜にはゴディンや2023年までの契約延長の発表があったヒメネスの出るエジプトvsウルグアイ戦もありますしね。

▽他にも土曜にはベルサイコに加え、モドリッチやコバチッチらマドリー勢の活躍も楽しみなクロアチアvsナイジェリア戦、日曜にはフィリペ・ルイスは控えですが、マルセロ、カセミロ、そして監督が決まったため、これから本格化する補強の候補として一番の大物、ネイマールの出るブラジルvsスイス戦や全大会チャンピオン、クロースを有するドイツvsメキシコ戦もあるとあって、どうやら私にもまたサッカー観戦三昧の日々が戻って来そうなのは嬉しいんですが…今回のW杯、スペインでは全ての試合がオープン放送。自宅のTVで済んでしまうというのも何だか、1日中、籠ってしまいそうで怖い気もします。

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CLはいいスタートが切れた…【原ゆみこのマドリッド】

▽「あっちもいなくて大丈夫だったのね」そんな風に私が頷いていたのは水曜日、同時刻に試合をしていたバレンシアが、前半28分にクリスティアーノ・ロナウドが退場となったユベントスに0-2で負けたのをサンティアゴ・ベルナベウのミックスゾーンで知った時のことでした。いやあ、後で問題のシーンを見たところ、元レアル・マドリーのエースは地面に座ったムリージョの頭を上からギュッと掴んだ程度、別にレッドカードを出すまでのことではなかったという意見が専門家の間でも多かったんですけどね。丁度、CLグループリーグ1節でマドリーに完敗したばかりのローマのディ・フランチェスコ監督も「自分がマドリーファンだったら、ロナウド不在をあまり心配しない」と言っていたように、10人で戦ったユベントスもメスタージャで白星を掴むのにまったく支障はなかった? ▽まあ、4年ぶりにCLに復帰したバレンシアはリーガでも未勝利とまだエンジンがかかっておらず、そこへユベントスのような老舗を迎えるのはさすがに荷が重かったんでしょうかね。失点はどちらもPKからで、ロナウドがいなくてもピャニッチに決められて、自分たちは後半ロスタイムにもらったPKをパレホが失敗するといった具合でツキがなかったと言えなくもなかったかと。翻って、対照的なのはバルサで火曜に同じCLグループリーグ1節でPSVと当たった際、メッシのハットトリックで4点のうちの3点をゲット。 ▽4-0の大勝も彼なしにはありえなかったとなれば、その唯一無二さがわかるというものですが…いえ、まずはそんなバロンドール5回受賞経験者たちと、「Ya como en la misma mesa de Messi y Cristiano/ジャー・コモ・エン・ラ・ミスマ・メサ・デ・メッシ・イ・クリスティアーノ(もうボクはメッシやクリスティアーノと同じテーブルについている)」とCLがスタートする直前、AS(スポーツ紙)のインタビューで宣言。それをセルヒオ・ラモスに「La ignorancia es muy atrevida/ラ・イグノランシア・エス・ムイ・アトレビーダ(無知とは非常に厚かましいもの)。あの子の言うことを聞くと、トッティやブッフォン、ラウール、カシージャス、イニエスタら、全てを獲得しながら、バロンドールをもらえなかった選手たちを思い出すよ。シメオネ監督やコケ、ゴディンみたいに物事がわきまえている人々に忠告してもらった方がいい」と思いっきり叩かれていたグリーズマンのいる、アトレティコのグループリーグ1節がどうだったか、お話していくことにすると。 ▽そう、お隣さんに先行して火曜にモナコと対戦した彼らだったんですが、恐れていた通り、いつものバル(スペインの喫茶店兼バー)はケーブルTVのチャンネルを探し当てられず。毎年、放送局が変わるのも悪いんですが、昨季の初戦のように全試合の名場面を回るマルチ番組に合わされても困ると思ったため、早々に移動したものの、ようやく水色にネプトゥーノ像(アトレティコが優勝祝賀をする広場にある)などの地模様が入った第3ユニでプレーしている彼らが映っているバルを探し当てた時にはすでに、前半も10分が経過していることに。 ▽でも大丈夫、そこまでアトレティコが押しているのはオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の実況で確認していたため、あまり心配はしていなかったんですが、18分には早くも試練がやってきます。ええ、おそらくファルカオがアトレティコにいた頃はまだBチームにいたため、”El Tigre/エル・ティグレ(虎、ファルカオの愛称)”の怖さがよくわかっていなかったんでしょうね。サウールが自陣エリア前で彼にボールを奪われると、ゴール前の混戦からグランザーがモナコの先制点を入れてしまったから、さあ大変! ▽ただ、今季の彼らはこういう間抜けな失点も多いんですが、どうやら最近は根性もついてきたよう。31分には自陣のファンフランを起点にコケがセンターで、更にグリーズマンとそれぞれワンタッチで繋ぐと、それをジエゴ・コスタがエリア内からGKベナリオの脇を抜くシュートで同点に。滅多にお目にかかれないハイテクニックなプレーに私も呆気に取られていたんですが、前半ロスタイムにもコケのCKにファルカオより高く跳んだヒメネスが頭を合わせて2点目を取ってくれたから、助かったの何のって。え、後でリュカにツイッターで「ゴールが入った訳は?」と訊かれ、「los calzoncillos../ロス・カルソンシージョス(パンツ)」と、ヒメネスは彼にもらったW杯王者、フランス代表の下着をつけていたおかげにしていなかったかって(https://twitter.com/JoseMaGimenez13/status/1042184846330736651)? ▽いや、もちろんそんなの冗談でしょうけど、「La unica posibilidad que tenemos los centrales de marcar son las pelotas quietas/ラ・ウニカ・ポシビリダッド・ケ・テネモス・ロス・セントラレス・デ・マルカル・ソン・ラス・ペロータス・キエタス(CBが得点できる可能性はセットプレーだけだからね)。リーガ優勝したシーズンのように、ウチはセットプレーがPKみたいになるようにしないといけない」(ヒメネス)というのは確かですからね。そう、いくらコスタとグリーズマンが沢山、ゴールを入れてくれたとしてもメッシやロナウドのように年間40、50得点なんて、人間離れした数字には届かないんですから、それが適切な努力の方向かと。 ▽おかげで1-2とスコアを逆転したアトレティコは後半、コレアをレマルに代えただけで交代枠も1つしか使わず、そのままリードを保って、昨季のヨーロッパリーグ準決勝アーセナル戦1stレグで退場したシメオネ監督のベンチ入り禁止処分、最後の試合に勝利。うーん、ここ数年のモナコは、ファルカオも「El Atleti tiene gran experiencia en este tipo de competiciones/エル・アトレティ・ティエネ・グラン・エクスペリエンシア・エン・エステ・ティポ・デ・コンペティシオネス(アトレティコはこういった大会での経験が豊富だ)」と認めていたように、それこそレマルなどを含め、才能ある選手が出て行ってしまい、若手の成長を待っている最中ですからね。 ▽その辺の差が勝敗を決したとも言えますが、これでCLに関しては10月3日のクラブ・ブルージュ戦まで枕を高くして眠れることに。もちろん昨季はグループ最弱のカラバフに2分けと躓いて、3位敗退した彼らですから、決して油断はできないんですが、そうそう、実はこの試合、会場のスタッド・ルイ2世のピッチの芝が剥がれまくり。そのことを訊かれたコスタが、「Venimos del Wanda que tambien esta horrible/ビニモス・デル・ワンダ・ケ・タンビエン・エスタ・オリブレ(ボクらは恐ろしい状態のワンダから来たんだ)」とコメントして、夏の間、コンサート会場として使われた後、張替えをしたワンダ・メトロポリターノの芝がボロボロだったことが初めて発覚するんですから、まったくもう。 ▽ええ、彼らはバルサじゃないので、普段、ピッチの良し悪しについて、あまり文句を言ったりせず、プレーもプレーなだけに周りも問題視しないっていうのもどうかと思いますけどね。先週末のエイバル戦で私もスタンドから見ていて、「ちょっと土、見えているかも」ぐらいには思ってはいましたが、幸い今週末のリーガは土曜午後6時30分(日本時間翌午前1時医30分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスで弟分のヘタフェとのミニダービー。来週火曜のウエスカ戦までにマシになっていてくれればいいんですが、ただ、土曜午後6時からはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場にあるミニスタジアムの改装が済むまで、ホームとして借りているラージョ・マハダンオンダのリーガ2部戦が開催されるんですよ。それでまた荒れてしまわないか、懸念は残るものの、前回の試合では長男、エンツォを応援するため、スタンドで目撃されていたジダン元マドリー監督はこのエクストレマドゥラ戦にも来るのでしょうか。 ▽そして翌日はサンティアゴ・ベルナベウに向かった私でしたが、この日のマドリーは前半から何度もシュートを放つ活況。もっとも精度が今イチだったため、得点はロスタイム、「Me la había hecho a mí y hoy Ramos me la ha dejado/メ・ラ・アビア・エチョ・ア・ミー・イ・オイ・ラモス・メ・ラ・ア・デハードー(自分がファールを受けたし、今日はラモスが自分に撃たせてくれた)」というイスコが敵エリア近くからのFKを直接、ネットに突き刺すまで入らなかったんですが、やっぱりここ3連覇しているお得意の大会ですねえ。リーガ前節ではアスレティックと引き分けてしまったことなど、忘れさせてくれるように軽快なプレーを披露してくれるんですから、嬉しいじゃないですか。 ▽そんな中、圧巻だったのは後半13分、カウンターからモドリッチが放ったスルーパスにベイルが激走。今季はジダン監督から、英語の話せるロペテギ監督に代わって、より理解を深めることができると言っていた彼がそのままシュートを決め、2点目をゲットしたとなれば、もう大船に乗った気になっていい? ここ2試合リーガで先発していたGKクルトワがベンチに戻り、先発したケイロル・ナバスも幾つか、paradon(パラドン/スーパーセーブ)を見せてくれましたし、最後は古巣に復帰後初出場を果たしたマリアーノが後半ロスタイムにエリア前から、弧を描くgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)を挙げて3-0と、いえ、この試合通じてのシュート数が30回で、うち枠内が11回となると、ちょっとスコア的に物足りない気もしないではありませんけどね。 ▽この夏はスポーツディレクターのモンチ氏の肝入りで新しい選手が12人も入り、過渡期にあるローマも昨季の準々決勝でバルサをまさかの逆転敗退に追いやった時より、グループリーグでアトレティコのホームで2-0と負けた時に近かったような気がしますが、まあここはC・ロナウドがおらずともまったく、破壊力が変わらないマドリーの強さを褒めるしかないかと。ええ、ゴールは決まらなかったものの、「El Mundial me provocó mucho desgaste físico y mental, pero me siento cada día major/エル・ムンディアル・メ・プロボコ・ムーチョ・デスガステ・フィシコ・イ・メンタル、ペロ・メ・シエントー・カーダ・ディア・メホール(W杯で自分はフィジカル的にもメンタル的にも凄い消耗をしたけど、日々、良くなってきている)」というモドリッチも試合終了の笛が鳴ると同時にピッチに戻り、この日が最後のサンティアゴ・ベルナベウでのプレーになるかもしれないローマのキャプテン、デ・ロッシとユニ交換できて満足しているようでしたしね。 ▽イスコと途中交代となったアセンシオも妙技を見せるなど、もうこの試合だけを見ると、今季のマドリーには死角がないように思えますが、さて。どちらにしろ、彼らのグループの次戦は10月2日のCSKAモスクワ戦、そしてビクトリア・プルゼニ(チェコ)との2連戦と突破にそれ程、障害はないようなので、あまり心配することもないような。むしろ土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのエスパニョール戦の方が気になりますが、奇しくも現在、あちらの正GKを務めるのはディエゴ・ロペス。そう、アンチェロッティ監督時代の2013-14シーズン、カシージャス(現ポルト)がCLとコパ・デル・レイを担当する一方で、リーガを担当するという珍しいローテーションを経験した選手なんですが、果たしてロペテギ監督はナバスとクルトワの分担をどうするのか、ここは大いに興味が持たれるところです。 ▽そしてこの週末の弟分チームたちの情報も伝えておくと、前述した通り、柴崎岳選手のヘタフェはホームのアトレティコ戦で、うーん、基本的にあまり相性は良くないんですけどね。前節ではセビージャをアウェイで0-2と破っている上、ミッドウィークに試合がない分、体力があるのが強みになるかと。アトレティコの方は水曜からカリニッチとビトロが全体練習に加わり、超少数精鋭状態が少し、解消するかもしれません。 ▽一方、先週末にはとうとう、最下位になってしまったレガネスは土曜にアウェイのエイバル戦。来週水曜にはブタルケにバルサを迎えるだけに何とか、その前に勝ち点を増やしておいてもらいたいところですが、やはり課題は決定力になりますでしょうか。もう1つの弟分、ラージョは各国代表戦週間前から、エスタディオ・バジェカスのスタンドが改修工事で閉鎖。3節のアスレティック戦が延期になり、この土曜のアラベス戦も開催が危ぶまれていたんですが…ようやく木曜になって予定通り、午後1時からキックオフすることが決定。いやあ、先週のウエスカ戦で勝ち点3を手に入れ、レガネスと交代で18位に上がった彼らですが、やっぱり降格圏にいるのは落ち着きませんからね。現在5位にあるヘタフェを見習って、ホームゲームを待ちわびていたファンの前で上昇気流に乗れたらいいですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.21 20:00 Fri
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急に心配になってきた…【原ゆみこのマドリッド】

▽「昨季と同じ手は使えないわよね」そんな風に私が頭を悩ましていたのは月曜日、CLグループリーグ1節に備え、アトレティコがモナコに着いた映像をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、スタッド・ルイ2世スタジアムで記者会見に現れたコケも「昨季のウチは最弱の相手との2試合で悪い結果を出して、グループ敗退した」と言っていたんですが、実際、一番痛かったのは初戦で、攻めても攻めても点が取れず、ローマとスコアレスドローに終わってしまったこと。もちろんホームでの2節、チェルシー戦で逆転負けを喰らったのも褒められたものではないんですが、おかげでアゼルバイジャンのカラバフとの連続引き分けが止めとなり、最後は3位でヨーロッパリーグへ回ることに。 ▽その結果、強敵があまりいない大会で快進撃を続け、リヨンの決勝で久々のタイトルを獲得できたのは有り難かったんですが、今季のCL決勝は来年6月1日にワンダ・メトロポリターノで開催。となれば、奇しくもアゼルバイジャンの首都バクーで行われる、5月29日のEL決勝で連覇したとしてもファンはあまり喜べないでしょうし、それこそCL決勝と日付が近すぎて、スタジアムでのパブリックビューイングどころか、祝勝行事すらできないかもしれない? ▽それもこれもこの夏はUEFAスーパーカップでお隣さんを堂々たる2-4で破り、クラブ史上最強メンバーを揃えたチームになったと期待されながら、リーガが始まるやいなや、まさしく、1年前と同じゴール日照りに陥ってしまったせいですが、今年もまた、スペインでのCL放送局が変更。近所のバル(スペインの喫茶店兼バー)がちゃんと初戦からチャンネルを探し出せるかなんて、些末なことばかり気になってしまうのは、私が本質から目を背けたいからなんでしょうかね。 ▽まあ、CLについてはまた後では話すことにして、各国代表戦が終わって再開した先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったかもお伝えしていかないと。金曜にはエスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖で3節を延期していた弟分のラージョが1部昇格により、リニューアルオープンしたアルコラスでウエスカと対戦。前半29分、ストークシティからのレンタルで今季加入したインビュラが圧巻のロングシュートを決め、0-1の勝利で最下位を脱したという朗報があったんですけどね。実は私が確認を待っているのは土曜のアラベス戦がホームで開催できるのかどうかで、一応、市の安全検査に合格したものの、まだわからないってまったく、呑気な話じゃないですか。 ▽一方、来週CLがある兄貴分たちは揃って土曜試合となったものの、いやあ、午後1時のワンダのピッチは日差しが強く、暑かったのはわかりますけどね。それを考えれば、枠内シュートが1本もなかった前節のセルタ戦に比べ、何度もアトレティコがチャンスを作っていたのは進歩でしたが、前半13分にグリーズマンの1対1から始まって、CKからサルールのヘッドもゴディンのシュートもGKドミトロビッチに弾かれてしまっては何にもなりませんって。両チームとも無得点のまま始まった後半もゴール前でコケがグリーズマンのキラーパスをすかすという、目を覆いたくようなロストチャンスがあったため、シメオネ監督は早々にレマルをコレアに交代。更に25分にはこの日、中盤でしっかりエイバルの攻撃を抑えていたロドリを下げ、FWを入れたんですが…。 ▽この起用策がスタンドからpito(ピト/ブーイング)を受けてしまったんですよ。うーん、後でシメオネ監督は、「コケかサウールという選択もあったが、entendi que ellos podian crear mejor transicion en ataque/エンテンディ・ケ・エジョス・ポディアン・クレアル・メホール・トランシシオン・エン・アタケ(彼らの方が攻撃でより良い形を作りだせると思った)」とロドリを下げた理由を説明していましたけどね。そのFWが現在、カリニッチが負傷中のため、カンテラーノ(アトレティコBの選手)の19歳、リーガ初出場のボルハ・ガルセスだったのも元々、少数精鋭のチームであるからして仕方なかったんですが、事態が急転直下したのは41分。ゴディンのミスから、エンリッチに先制点を決められてしまうなんて、絶体絶命とはまさにこのこと? ▽え、本来だったらその日、ウルグアイ代表でアメリカまでの長旅をしてきた32歳のキャプテンは火曜にCLモナコ戦があることも鑑みて、温存されるはずじゃなかったのかって?そうなんですが、先発予定だったリュカが前夜、食あたりを起こしてしまったため、急遽、出場することに。でもねえ、デ・ブライシのクロスをエンリッチのいる方に弾いてしまい、ゴール前から蹴り込まれたのではGKオブラクだって、何もできませんって。残り3分、しかもお隣さんと違い、奇跡のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質でない彼らにはもう期待できないと思ったか、この時点で席を立つファンも結構、いたんですが…何と、その奇跡が起こったんですよ! ▽それはロスタイム最後の1分、コレアがエリア内右奥から入れたパスをグリーズマンは空振りしてしまったんですけどね。中央で待ち受けていたボルハが、バロンドール受賞を目指す、W杯優勝フランス人ストライカーの信じられないミスにも動じず、右足を一閃。これがとうとうドミトリビッチを破り、土壇場で同点ゴールとなったから、驚いたの何のって。ここで時間切れになったため、試合は1-1で終わり、殊勲の当人も「Es debut amargo porque me hubiera gustado ganar/エス・デビュー・アマルゴ・ポルケ・メ・ウビエラ・グスタードー・ガナール(勝ちたかったから、苦いデビューだね)」とどこか、不満げでしたが、もしや彼、第2のel Nino(エル・ニーニョ/子供)になれるかも。 ▽ええ、奇しくも昨季、アトレティコを退団したフェルナンド・トーレスのお別れ試合だったのもエイバル戦でしたし、今はサガン鳥栖でプレーする当人もマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習や5月のナイジェリア代表との親善試合で一緒だった後輩のお手柄にお祝いのメッセージを送っていますしね(https://twitter.com/Torres/status/1041126769657565184 )。ジエゴ・コスタ不発のせいもあり、リーガ4試合で早くも勝ち点7も落としてしまい、すでに優勝争いのライバル、バルサとレアル・マドリーと距離ができてしまったチームのため、「Es un momento para aguantar y estar fuerte/エス・モメントー・パラ・アグアンタール・イ・エスタル・フエルテス(今は耐えながら、気持ちを強く持つ時)」(シメオネ監督)の助けに少しでもなってくれたらと。 ▽そして月曜にはモナコに旅立ったアトレティコですが、負傷によるお留守番は変わらず、カリニッチ、ビトロ、サビッチ、アリアス。代わりに4人、ボルハも含めたカンテラーノが招集されているんですが、リュカが回復したのは不幸中の幸いだったかと。相手のモナコも週末のリーグ1のトゥールーズ戦を急性胃腸炎で欠場した、アトレティコファンには決して忘れられないゴールゲッター、ファルカオが出られるようなため、火曜午後9時(日本時間翌午前4時)からの一戦は絶対、見逃せませんよね。 ▽え、その土曜にはバルサはレアル・ソシエダに1-2で逆転勝利、開幕4連勝を飾ったものの、マドリーはそれに続けなかったんだろうって?その通りで夜には近所のバルに向かった私でしたが、うーん、ラージョとの3節が延期になったため、ベリッソ監督に3週間も作戦を考える時間ができたのがマズかったですかね。サン・マメスでのマドリーはアスレティックの強烈なプレスとマンマークに苦しんだだけでなく、前半32分にはマルセロの守る左サイドから攻め込まれ、先制されてしまうことに。ゴール前にデ・マルコスが送ったパスをウイリアムスは撃てなかったものの、こぼれ球をムニアインが押し込んで、スペインU21代表で何年もお世話になったロペテギ監督に恩返しされているんですから、困ったもんじゃないですか。 ▽後半は中盤の底としてほとんど機能していなかったクロースをその役割から解放するため、セバージョスに代わってカセミロが入ったマドリーでしたが、ようやく同点ゴールを奪えたのはイスコが出てきてから。ええ、後で当人も「ボクより上手いチームメートがいるのかもしれないし。Lo de que con Lopetegui iba a ser Isco y diez mas lo deciais vosotros/ロ・デ・ケ・コン・ロペテギ・イバ・ア・セル・イスコ・イ・ディエス・マス・ロ・デシアイス・ボソトロス(ロペテギ監督なら、スタメンはイスコと10人云々は君ら(マスコミ)が言っていたことだから)」と、スペイン代表時代から重用してくれた監督だったにも関わらず、前節のレガネス戦同様、彼はモドリッチと交代でピッチに登場。それから3分もしないうちに、ベイルのクロスをヘッドで決めてくれたんですよ。 ▽うーん、こちらもアトレティコと一緒で敵GKのウナイ・シモンが大活躍しましたからね。この夏、ケパがチェルシーに行ってしまったアスレティックはエレリンが負傷、もう1人のGK、ラミスが契約延長を拒み、ずっと招集されない状態が続いているため、エルチェにレンタルに出したばかりだった21歳のシモンを急遽、呼び戻したという事情があるんですが、どうやらこの選手は大当たりだったよう。セルヒオ・ラモスのロングパスに追いついたアセンシオが放ったシュートも弾かれて結局、マドリーはサン・ホセとミケル・リコで守りを固めた相手に最後まで勝ち越し点を奪えません。終盤、ベイルの代わりにルーカス・バスケスを入れ、FWマリアーノを使わなかったことを批判もされたロペテギ監督でしたが、とりあえず、この日は鬼のような気迫でプレスをかけていたアスレティックが頑張ったということにしておきましょうか(最終結果1-1)。 ▽そしてマドリーも水曜にはローマ戦で控えているんですが、注目はここ2試合、リーガ戦で先発したGKクルトワがCLでもリピートするのか。実際、この2週間、コスタリカ代表に行かず、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でずっとトレーニングをしていたケイロル・ナバスにはアスレティック戦でプレーしない理由がまったくなかったんですが、これをCL前の温存と考えるか、正GKはクルトワになったと考えるべきか、迷うところ。相手ローマのアタッカーは昨季、アトレティコがグループリーグで対戦した時とあまり変わらず、ジェコやシャーラウィ、ペロッティらになりますが、開幕からの2つのミニダービーでは入りが悪かったサンティアゴ・ベルナベウが水曜午後9時、CL戦では満員になるのかも気になりますね。 ▽一方、残りの弟分チームは日曜試合となったんですが、正午からビジャレアル戦がキックオフとなったレガネスは、いえ、ブタルケは夏の間に改装され、プレスコンフェレンスルームやミックスゾーンなど、かなりキレいになっていたんですけどね。スタンドを満員にしたファンもいつものように一生懸命、応援していたんですが、どうやら選手が16人も入れ替わった新生レガネスもゴールがなかなか決まらないという悩みを克服できていなかったよう。ええ、前節のマドリー戦では成功したものの、後半3分にカリージョがPKまで外していては、20分に途中出場のバッカにFKから決められたヘッドの1点を返せず、とうとうラージョと入れ替わりで最下位になってしまっても仕方なかったかと(最終結果0-1)。 ▽未だに勝ち点がたったの1だけとあって、4節終了時に早くも「Afrontamos los proximos partidos como finales/アフロンタモス・ロス・プロキシモス・パルティードス・コモ・フィナレス(これから数試合は決勝だと思って戦う)」(ルーベン・ペレス)という状態になってしまったのはどうにも心配なんですが、彼らの次戦は土曜、イプルアでのエイバル戦。ミッドウィーク開催の来週水曜はバルサとのホームゲームだけに、何とか勝利を手に入れておきたいところですが、こればっかりはねえ。なまじっか、前任者のガリターノ監督(レアル・ソシエダ)が2年連続、1度も降格圏に落ちずに1部残留を達成しているため、ペジェグリーノ新監督も大変ですよね。 ▽そして日曜最後に待っていたサプライズはヘタフェで何と、サンチェス・ピスファンでのセビージャ戦で0-2の勝利を挙げたから、感心したのなんのって。ええ、速攻で開始3分、ホルヘ・モリーナのスルーパスからアンヘルが先制ゴールを挙げると、38分にも敵がエリア内でクリアミスに失敗したボールを拾い、オフサイドにならずに2点目を奪ってくれます。逆にセビージャはVAR(ビデオ審判)でベン・イェデルのゴールが認められず、この辺はツキもあったような気もしましたが、ようやく柴崎岳選手も後半途中、アンヘルに代わって、3試合ぶりにピッチに立てましたしね。とりわけ今週土曜、コリセウム・アルフォンソ・ペレスでのミニダービーに兄貴分のアトレティコより上の5位という高みから挑めるのは選手たちも気分がいいかと。 ▽まあ、そんな感じの週末だったんですが、この先、10月のインターナショナル・マッチウィークのparon(パロン/リーガの停止期間)まで、CLやELがあるチームは18日間で6試合という過密日程に突入。頭数の少ないアトレティコなど、疲労が心配なんですが、逆にトップクラスの選手を大量に抱えているマドリーの方はいつもと違う顔を見られるいい機会になるかも。翻って、ヨーロッパの試合のない弟分たちにとっては地道に勝ち点を積み上げていく時期になりましたが、まだまだリーガは始まったばかり。これからマドリッド第3のチーム争いがどう発展していくのかも気になりますね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.18 17:01 Tue
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スペインがまた強くなったのは嬉しいけど…【原ゆみこのマドリッド】

▽「瞬間移動でもできなきゃ、両方見張るのはムリよね」そんな風に私が溜息をついていたのは木曜日、サンティアゴ・ベルナベウから今季、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場施設内に移ったレアル・マドリーのオフィスを所用で訪ねた後、もう各国代表に行っていた選手もほとんど戻っているはずだし、練習も終わって時間的にそろそろかと、関係者用出入り口に回った時のことでした。いやあ、いつものように選手の車の出待ちをするファンは20人程、もう、そう暑くはないものの、強烈な紫外線の降り注ぐ中、辛抱強く待っていたんですけどね。丁度、取材に来ていたTVのカメラマンに誰か通ったかと訊いたところ、「今日はほとんど、もう1つの出口から帰っているらしい」との答えが。 ▽そう、昨今ではバラハス空港ターミナル4まで行くセルカニアス(国鉄近郊路線)のValdebebas駅から、ほんの徒歩1分でこちらの出入り口に着けるため、車を持たないファンでもアクセスは容易になったと言えるんですけどね。だからって、必ずしもお目当ての選手に出会えるかといえば、そうは問屋が卸さず。ええ、選手用出口が他にもあるせいで、そちらまで広大な敷地に沿って歩いて20分ぐらいとなれば、いえ、マハダオンダ(マドリッド近郊)のアトレティコ練習場も出口は2つあるんですけどね。あまり離れていないため、敷地の角に立って待機、車が出て来るのを見て駆けつけるなんて技が使えたりするんですが、ベルデベバスでは望むべくもないかと。 ▽そうこうするうち、ファンが「バラン!」と呼ぶ声が聞こえたため、振り返ると、1台のアウディが颯爽と高速道路に向かっていましたが、最近はマドリー選手の車もなかなか止まってくれなくてねえ。試合前の合宿も練習場敷地内のホテルとあって、姿を見ることも叶いませんし、そう思うと、選手たちが一般道を歩いてスタジアムにあるロッカールームに戻るヘタフェなど、ファンとの距離が近くていいと思うんですが…難点は彼らを含むレガネス、ラージョら弟分チームは毎年、メンバーが大量に入れ変わるため、私ですら、シーズン序盤は名前と顔が一致しない選手が多いことでしょうか。 ▽まあ、リーガ再開はこの金曜からなので、先にスペインのネーションズリーグ2節がどうだったか、お話していくことにすると。いやあ、これが予想に反して、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)になってしまったんですよ。先週、1-2で勝利したイングランド戦から、マルティネス・バレロ(エルチェのホーム)ではスタメンを3人変更、左SBをマルコス・アロンソ(チェルシー)からガヤ(バレンシア)、チアゴ・アルカンタラ(バイエルン)をセバージョス(レアル・マドリー)、イアゴ・アスパス(セルタ)をアセンシオ(マドリー)にして、W杯準優勝のクロアチアに挑んだルイス・エンリケ監督でしたが、いえ、前半20分に右SBのベルサイコ(インテル)が負傷。ログ(ナポリ)に代わり、アトレティコ時代にもよくケガしていたし、やっぱり放出したのは正解だったのかと思わせるまでは相手も危ないシュートを放ったりして、試合は拮抗していたんですけどね。 ▽口火を切ったのはご当地出身のサウール(アトレティコ)で20分、セルヒオ・ラモス(マドリー)のロングパスをカルバハル(同)がエリア内に上げたボールに頭を合わせ、イングランド戦に続いての連続ゴールを決めているとなれば、その夜、ラジオ番組に出演して「Lo necesitamos en esa linea con nosotros/ロ・ネセシタモス・エン・エサ・リネア・コン・ノソトロス(ウチもああいう形で彼を必要としている)」と言っていたシメオネ監督じゃありませんが、アトレティコの試合で決めるゴールも取っておいてほしいと私が思ってしまったのは仕方なかった? ▽いえ、その夜は現役時代、エルチェでプレーした父親を始め、昨季からエルチェの選手となった長兄ジョナタンら家族や親族、大勢の友人が観戦。自身も腕にダマ・デ・エルチェ(エルチェで発見された紀元前4世紀の貴婦人像)、太ももにアトレティコとエルチェの紋章を半分ずつタトゥーしている程、故郷を誇りに思っている当人にとっては、「Ha sido incluso una liberacion el gol, estaba nervioso/ア・シードー・インクルソ・ウナ・リベラシオン・エル・ゴル、エスタバ・ネルビオーソ(ゴールを挙げて解放されたよ。神経質になっていたからね)」と、おかげで肩の力が抜けて良かったようですけどね。 ▽それだけでなく、この先制ゴールに大いに発奮した選手が約1名。それはアセンシオで何せ、昨年の夏、2人はU21ユーロで準優勝したスペインでハットトリックを挙げていますからね。その時はサウールが5得点で大会ゴールデンシューに輝いたんですが、32分、エリア外で敵がパスミスしたボールを拾い、そこからgolazo(ゴラソ/スーパーゴール)にしてしまうって、いや、もうこれは才能のほとばしりとしか言いようがないかと。続いて彼は3分後にもシュートを撃ち、今度は枠に当たってから、GKカリニッチ(ヘント)の背中でオウンゴールに。うーん、前半だけでもう3点、これって本当にW杯でラウンド16敗退したスペインですか? ▽いえ、実は微妙に違うんですけどね。後半も開始早々の3分にアセンシオのスルーパスをロドリゴ(バレンシア)が決めて4点目、12分にはアセンシオのCKをセルヒオ・ラモス(マドリー)がヘッドで5点目、そして25分にはアセンシオからボールをもらったイスコ(マドリー)が6点目とスコアを倍にしたスペインだったんですが、もうお気づきになりました?この試合、ナチョも出ていて、スタメンにマドリー勢が6人もいたんですよ。これは2002年10月の北アイルランド戦以来のことだそうで、その時のメンツはカシージャス、エルゲラ、サルガド、ラウール・ブラボ、グティ、ラウール…何だか、懐かしいですねえ。 ▽ただ、後でそのことを訊かれたルイス・エンリケ監督は、「知らなかったし、興味もない。皆、スペイン代表の選手だ。La base es el Real Madrid y me parece bien/ラ・バセ・エス・エル・レアル・マドリッド・イ・メ・パレセ・ビエン(ベースはレアル・マドリーで、いいと思う)」と言っていましたが、攻撃面でダントツに目立っていたのはアセンシオで間違いないとしても、守備で大貢献していたのがセバージョス。ええ、「Ha tapado a Modric... lo que hace habitualmente en el Real Madrid/ア・タパードー・ア・モドリッチ…ロ・ケ・アセ・アビトゥアルメンテ・エン・エル・レアル・マドリッド(モドリッチを抑え込んだ…いつもレアル・マドリーでやっていることだ)」とルイス・エンリケ監督も狙いが当たって嬉しそうでしたが、W杯MVPに昨年のU21ユーロMVPで対抗するとは勇気ある選択じゃありませんか。 ▽え、翻ってブスケツが後半14分にロドリ(アトレティコ)に代わった後、ピッチにはバルサ勢が1人もいなくなってしまったけど、ラキティッチはそれ程、重要視されていなかったのかって?うーん、そんなこともないんでしょうが、イニエスタ(ヴィッセル神戸)やピケが代表引退、ジョルディ・アルバが今回落選したため、元々、バルサからはブスケツ以外、セルジ・ロベルトしか呼ばれていませんでしたからね。クロアチアもマンジュキッチ(ユベントス)やGKスバシッチ(モナコ)、チョルルカ(ロコモティブ・モスクワ)ら、ベテランが引退した影響もあったようですが、この6-0の勝利でスペインはネーションズリーグ2連勝に。 ▽国際メジャートーナメントでここ3大会、早期敗退しているとはいえ、予選レベルでは負け知らずの彼らですし、今年の3月にはワンダ・メトロポリターノでの親善試合でアルゼンチンに6-1と大勝しているため、この2試合だけで強いスペインが戻って来たと言い切る訳にはいかないんですが、若い世代の活躍で希望が湧いてきたのは確かだったかと。ええ、この後、まだ10月にベニト・ビジャマリン(ベティスのホーム)でのイングランド戦、11月にアウェイのクロアチア戦が残っていますが、少なくともグループ最下位となってリーグBに降格という赤っ恥だけは免れそうなのは有り難いことですよね。 ▽そしていよいよ、金曜からリーガ4節が始まるんですが、トップバッターとなるのはラージョ。未だに改修中のエスタディオ・バジェカスの使用許可は出ていないものの、今回はアウェイ戦。一緒に今季から1部に上がり、工事期間を見越して3節までホーム戦をしていなかったウエスカとアルコラスで顔を合わすことに。前節のアスレティック戦が延期となり、2試合でまだ勝ち点1も溜めていないラージョだけにここは3週間、練習だけに専念。新戦力もチームに馴染んだ利点を生かして、昇格後初白星を掴んでもらいたいところですが、バルサには8-2で大敗したとはいえ、レオ・フランコ監督率いるウエスカは開幕2試合で勝ち点4としぶとそうですからね。いいプレーを見せて、ホームで応援できないせいでフラストレーションを溜めているラージョ・ファンを笑顔にしてあげられるといいのですが。 ▽一方、来週からCLグループリーグが始まるため、土曜試合となったマドリッドの兄貴分たちはというと。どちらも13人程、各国代表に出向いていたんですが、貧乏クジを引いてしまったのはアトレティコ。ええ、午後1時から、開場1周年を迎えるワンダ・メトロポリターノでのエイバル戦は出場停止のため、まだマシだったんですが、サビッチがモンテネグロ代表で脚に打撲を受けて帰還。コレアもアメリカまで行きながら、ヒザが痛んでアルゼンチンの試合にまったく出られないわ、マハダオンダで練習していたカリニッチまで足首を捻挫するわともう惨々なんですよ。 ▽先週中はコケとジエゴ・コスタの指導に専念していたシメオネ監督もようやく、水曜からはトップチームのメンバーが揃い、リーガ戦の準備を始めることができたんですけどね。いいニュースと言えば、腕の負傷でスロベニア代表招集を免除されていたオブラクがようやく、グラウンドに姿を見せたことぐらいだったかと。ええ、FIFPro(国際プロサッカー選手会)の最優秀イレブンの候補に不可思議にも入っていなかった彼ですが、シメオネ監督も「Courtois no seria titular en el Atletico. Oblak es major/クルトワ・ノー・セリア・ティトゥラル・エン・エル・アトレティコ。オブラク・エス・メホール(クルトワはアトレティコではレギュラーにならないだろう。オブラクの方が優秀だ)」と言っていたように、このリーガ3試合で2得点しかしていない彼らにとって、失点ゼロは譲れないところですからね。 ▽エイバルも乾貴士選手がベティスに行ってしまったこともあり、ペドロ・レオン、オレジャナ、ビガスら、負傷者も多く、決して調子がいい訳ではありませんが、現在、アトレティコは開幕3連勝のお隣さん、バルサと勝ち点差がすでに5。リーガ優勝は狙えるのかと訊かれ、「Claro que si, si fallan Madrid y Barca/クラーロ・ケ・シー、シー・ファジャン・マドリッド・イ・バルサ(もちろんだ。マドリーとバルサが躓けばね)」とシメオネ監督が言っていた状況を作り出すためにも、早々に詰めておきたいんですが、どうなることやら。 ▽一方、どの選手も元気で帰って来たマドリーは土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)から、サン・マメスでスレテッィク戦なんですが、こちらはロペテギ監督が何とも贅沢な悩みを抱えているよう。まずGKからして、双方ともFIFProベストイレブン候補となったクルトワとケイロル・ナバスがいますし、DFの4人、カルバハル、バラン、ラモス、マルセロから、中盤のカセミロ、モドリッチ、クロース、イスコ、前線のベンゼマと同賞の候補がズラリ。リストに入らなかったとはいえ、ベイルやアセンシオもいて、このうち誰かを常に控えにしないといけないって、まったく羨ましいにも程があるってもんじゃないですか。 ▽おまけにスペイン代表戦でアピールしたセバージョス、古巣復帰で早くゴールを入れたくてウズウズしているマリアーノもいるとなれば、しばらくマドリーの快進撃は止まらない?相手のアスレティックは37歳のエース、アドゥリスが負傷から復帰。ベリッソ監督がロンドンまで遠征し、パルコ(貴賓席)で見守っていたウェンブリーでのイングランド戦終盤に出場し、エルチェでの前日練習はケガの痛みが再発して参加できなかったイニゴ・マルティネスもほぼOKのようですが、果たしてここ2試合、4得点が続いているマドリーの破壊力を止めることができますかね。 ▽そして弟分の残り2チーム、昨季から引きずるケガのリハビリ中だったキャプテンのシマノフスキが再手術というショックなニュースが入ってきたレガネスは日曜正午にビジャレアルをブタルケに迎え、ここ2試合、柴崎岳選手の出場がなかったヘタフェは午後8時45分からサンチェス・ピスファンでセビージャ戦というのがマドリッド勢の今節の予定。どちらも上位狙いのチームが相手なだけに苦労しそうではありますが…週明けにはいい結果を報告できることを祈っています。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.14 12:45 Fri
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まだ手放しでは喜べない…【原ゆみこのマドリッド】

▽「これってもう、戻って来るってことよね」そんな風に私がホッとしていたのは月曜日、スタッド・ド・フランスでW杯トロフィーを囲んでの盛大な祝勝イベントが開催。楽しそうに踊っているグリーズマンやリュカの姿をお昼のニュースで見た時のことでした。いやあ、ムバッペとジルーのゴールでフランスがオランダに2-1で勝利したネイションズリーグの一戦は日曜夜に生中継があったため、何となく見てはいたんですけどね。さすがに試合後のお祝いまでは映してくれず、レマルを除く、2人のアトレティコ勢やヴァラン(レアル・マドリー)のプレーを楽しむに留まったんですが、要はこれで彼らの代表でのお勤めは終了。 ▽パリなんて飛行機で2時間弱なんですから、マドリッドの兄貴分チームが月曜午後7時から、それぞれマハダオンダ(マドリッド近郊)、バルデベバス(バラハス空港の近く)で行う週明けセッションに参加するのにまったく問題はないかと。それだけでなく、シメオネ監督のところには土曜のエイバル戦に向けて、早くもレギュラーが3人が復帰するのに比べ、同日アスレティック戦に挑むレアル・マドリーはまだ1人とほくそ笑んでいたところ、いえいえ、世の中、そうそう都合良くはできていませんって。 ▽ええ、しっかりスポーツ紙のインターナショナルページを見てみれば、木曜のネイションズリーグ初戦で自身もゴールを挙げ、アイルランドに4-1と快勝したベイルのウェールズも日曜日、代表選手のストが解けたデンマークに2-0と負けて日程が終わっており、1戦目をフランスと引き分けたクロースのドイツも親善試合でラージョのアドビンクラに先制点を奪われながら、ペルーに2-1の逆転勝ち。両人共、すでにお役御免になったため、結局、お隣さんも3人が早帰りできることに。 ▽となると、火曜のスペインvsクロアチア戦の後、水曜合流予定組がセルヒオ・ラモス、カルバハル、ナチョ、イスコ、アセンシオ、セバージョス、そしてモドリッチと大量にいるマドリーより、ベルサイコもこの夏、インテルに移籍。サウール、ロドリの2人だけというのが、アトレティコの強みになるかと思いますが、うーん、大西洋の向こうでプレーしてくる南米組もいますからね。マドリーはマルセロとケイロル・ナバスが招集免除されたため、カゼミロ(ブラジル)だけなのに対し、ゴディン、ヒメネス(ウルグアイ)こそ月曜には戻っていたものの、コレア(アルゼンチン)、フィリペ・ルイス(ブラジル)にはまだ試合があり、おまけに早帰りが決まったアリアス(コロンビア)なんて、ベネズエラ戦で担架退場、肋骨を骨折しての帰還だとか。 ▽こんな按配では先週の練習中に足首を捻挫したカリニッチと相まって、ますますアトレティコが少数精鋭になってしまいそうなのが怖いんですが、こればっかりはねえ。せめての慰めは、奥さんの第2子出産を理由にスペイン代表招集を辞退したジエゴ・コスタのところにようやく日曜、次女が誕生。当人もエイバル戦でお祝いのゴールを挙げたいと意気込んでいることぐらいでしょうが、開幕3連勝でスタートを切ったお隣さん、そしてそれに肩を並べるバルサともすでに勝ち点3差がついているアトレティコだけに何とも、心配の種が尽きないのは困りものですよね。 ▽え、それより土曜にルイス・エンリケ監督のスペイン代表デビューとなったイングランド戦がどうなったかの方が気になるって? そうですね、先週月曜にラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設でのセッションは初日以外、全て非公開。ウェンブリーでの前日練習でもあまり情報がなかったため、先発予想もままならなかったんですが、蓋を開けてのサプライズはジエゴ・コスタの辞退により、直前のアトレティコ戦でセルタの2点目のゴールを挙げたのが決め手になったんでしょうかね。追加招集されたイアゴ・アスパスがスタメンに入っていたことですが、ロペテギ代表監督時代や今季のマドリーとは違い、イスコが[4-3-3]の最前列でずっと左サイドに引っ付いていたのはちょっと意外。 ▽おまけに開始11分にはチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)のボールロストから、イングランドに速攻カウンターを喰らい、キックオフ前にW杯ゴールデンシューのトロフィーを披露していたハリー・ケイン(トッテナム)、ショー(マンチェスター・ユナイテッド)と繋がれると、最後はナチョがラッシュフォード(マンチェスター・ユナイテッド)に先を越されてしまったから、さあ大変! 楽々、チームメートのGKデ・ヘアを破っているって、もしやロシアでのW杯で惨々だった彼をケパ(チェルシー)に代えなかったのは、ルイス・エンリケ監督のミスだったかもと思ってしまったのは私だけではなかった? ▽でも大丈夫。その日のスペインには逆境に立ち向かう根性があったんですよ! それからわずか2分、カルバハルが右側からエリア内のロドリゴ(バレンシア)にパスを送ると、中盤から上がって来たサウールがその折り返しをシュート。同点にしてくれたとなれば、あのW杯での4試合、1度もピッチに立たしてあげなかったイエロ暫定監督の見識が疑われても仕方なかったかと。うーん、確かに彼はアトレティコの選手だけあって、この夏、代表を引退したイニエスタ(ヴィッセル神戸)やシルバ(マンチェスター・シティ)のようにパスはそれ程、上手くないんですけどね。 ▽それには目をつむって、ルイス・エンリケ監督も「Tiene calidad, fisico descomunal y mentalidad brutal. Bueno tacticamente, tiene gol/ティエネ・カリッド、フィシコ・デスコムナル・イ・メンタリダッド・ブルタル。ブエノ・タクティカメンテ、ティエネ・ゴル(質が高くて、ズバ抜けたフィジカル、凄いメンタル力がある。戦術的にも良くて、ゴールも入れられる)」と言っていたように、ただパスを回しているだけでなく、ダイナミックなサッカーをやりたい指揮官には丁度いい選手だったかも。その点に関してはモラタ(チェルシー)でなく、マークを外して動き回るのが得意なアスパスとロドリゴを前線に入れたのも効いていましたが、スペインの追加点は意外にも32分、セットプレーから生まれることに。 ▽ええ、これはブラジル人の父親同士がサッカー選手で仲良かったせいで幼少から、いとこのような付き合いがあったチアゴとロドリゴのおかげで、いえ、サウールも前者の放ったFKにニアポストで合わせようと飛び込んで、敵の目を引き付ける役目を担ったんですけどね。届かなかったボールをロドリゴがゴールに押し込み、逆転してくれたから、これで一安心。後半は開始早々、カルバハルとの接触プレーでショーが担架退場となり、ゲームが7、8分中断するアクシデントがあったんですが、おかげでせっかく前半のいい攻撃のリズムが削がれたんでしょうか。 ▽アスパスをアセンシオに、チアゴをセルジ・ロベルトにというルイス・エンリケ監督の交代策もあまり当たっていたとは思えませんが、「En la segunda parte nos falto buscar la porteria y poco a poco nos metimos atrás/エン・ラ・セグンダ・パルテ・ノス・ガルトー・ブスカル・ラ・ポルテリア・イ・ポコ・ア・ポコ・メティモス・アトラス(後半のウチはゴールを探すことができなくて、少しずつ後ろに引いてしまった)」(ロドリゴ)チームを救ってくれたのはデ・ヘア。ええ、同僚ラッシュフォードの至近距離シュートを2度もparadon(パラドン/スーパーセーブ)で弾き、「Por numeros y rendimiento es un numero 1 mundial/ポル・ヌメロ・イ・レンディミエントー・エス・ウン・ヌメロ・ウノ・ムンディアル(記録とパフォーマンスでは世界一)」というルイス・エンリケ監督の期待に応えたんですが、まあ、ウェンブリーのパルコ(貴賓席)ではマドリー時代にアシスタントを務めていたカランカ監督(現ノッティンガム・フォレスト)と並んで、上司のモウリーニョ監督も見ていましたからね。 ▽当人も気合が入って良かったのかもしれませんが、残り3分、左SBのマルコス・アロンソ(チェルシー)をこの夏の負傷から回復後、初めてプレーする本職CBのイニゴ・マルティネス(アスレティック)にという一番不思議な交代の後、第4審判の掲示したロスタイムは何と9分。いえ、途中からセンターにも出て行って、ボールを持つようになったイスコのおかげで時間稼ぎはある程度、できたんですけどね。最後の最後にハイボールをキャッチしたデ・ヘアがウェルベック(アーセナル)にぶつかられて落球。それをゴールに蹴り込まれてしまったんですが、イングランドのサウスゲート監督などは文句を言っていたものの、審判がファールを取ってくれたのは有り難かったですね(最終結果1-2)。 ▽そんな調子で無事、ネイションズリーグ初戦を勝利で飾れたスペインはその夜のうちにロンドンからアリカンテ(スペイン南東部のビーチリゾート)に移動。日曜から、クロアチア戦の準備に入っているんですが、やっぱり一番気になるのは試合の行われるエルチェ(アリカンテから30分程内陸に入った町)出身のサウールがこの試合でも先発するのかどうかということでしょうか。いえ、当人は「Me han pedido muchas entradas, intentare conseguirlas/メ・アン・ペディードー・ムーチャス・エントラーダス、インテンタレ・コンセギールラス(沢山、チケットを頼まれたんだ。手に入れるように努力しないとね)」と、家族や友人たちの前でプレーするのを楽しみにしているんですけどね。あまり張り切りすぎて、リーガ戦に疲れが残るのも如何なものかと。 ▽どちらにしろ、月曜にリコ・ペレス(エルチェのホーム)で前日記者会見をしたルイス・エンリケ監督は、「No voy a dar pistas/ノー・ボイ・ア・ダール・ピスタス(手掛かりを与えるつもりはない)」とスタメンに関して、ポーカーフェイスを貫いていたため、私もはっきりしたことはわからないんですが、DF5人制を敷いていたイングランドと違って、クロアチアはもっとポゼッションを争ってきそうですからね。モドリッチとラキティッチ(バルサ)を中心に攻めてくるのは間違いないため、同じクラブで良く知っているセバージョスやアセンシオ、セルジ・ロベルトらを入れてみるというのもいいかもしれない? ▽そんなスペインのネイションズリーグ第2節は火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。ちなみにクロアチアの直近の試合は親善で、木曜にクリスチアーノ・ロナウド(ユベントス)不在のポルトガルと1-1の引き分けているんですが、W杯で準優勝したチームから、FWマンジュキッチ(ユベントス)、GKスバシッチ(モナコ)という攻撃と守備、両方の要が引退しています。うーん、モドリッチもこの日曜にはアリカンテのホテルで33歳のバースデーを祝ってもらっていましたしね(https://twitter.com/lukamodric10/status/1038894605557792770)。どこの代表も世代交代の時期に入っているようですが、とりあえずこのネイションズリーグでは試運転、来年3月から始まる2020年ユーロの予選で方向が見えてくるっていう感じでしょうかね。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.11 11:30 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】新しい大会が始まった…

▽「確かに親善試合よりはマシなのかもしれないけど」そんな風に私が呟いていたのは金曜日、スペインのネーションズリーグ初戦を翌日に控えながら、あまりワクワクしていない自分に気づいた時のことでした。いやあ、この夏のW杯では開幕直前にロペテギ監督が解任されるという信じられない事態が発生。イエロ暫定監督の下で戦ったチームはグループリーグこそ勝ち抜いたものの、16強対決でロシアにPK戦で負けて敗退と、2014年W杯、2016年ユーロに続く失望を味合わせてくれたせいもあったんですけどね。 ▽7月にはルイス・エンリケ監督が新しい指揮官として就任し、2020年ユーロまでのサイクルを担当することになったんですが、困ったことに9月から始まったこの新しいUEFAの大会、何だか妙なんですよ。ええ、FIFAランキングに従って、チームを4つのリーグに割け、更にその中で4つのグループを形成。その結果、最高レベルのAリーグに入ったスペインはイングランドとクロアチアと同じ組になったんですが、グループリーグの4試合は11月に終わり、1位になれば、来年6月に残り3グループの首位チームと準決勝、決勝を戦って優勝を決めるそうですが、不可解なのは3月からは2020年ユーロの予選も始まるということ。 ▽うーん、ネーションズリーグのグループ首位チームになれば、ユーロ予選プレーオフへの出場権ももらえるんですが、大体、今回はその予選もグループ2位まで本大会に行けるという、かなり楽なモノですしね。となると、この大会を万が一の保険として考えればいいのか、うっかり最下位になって、下のリーグに降格するのは恥ずかしいからぐらいの感覚でいいのか、もしや、もやもやしているのは私だけでなく、選手たちも同じかもしれない? ▽ただそうは言ってもこの月曜、ラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で行われた公開練習は盛況で、いえ、セッションの方は前日、所属クラブのリーグ戦でプレーした選手もいたため、ブスケツ、セルジ・ロベルト(バルサ)、ロドリゴ、ガヤ(バレンシア)、デ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)、パウ・ロペス(ベティス)らはロンド(輪の中に選手が入ってボールを奪うゲーム)の後、分かれてランニング、ストレッチだけで上がってしまったんですけどね。残った選手たちもイニエスタ(ヴィッセル神戸)、ピケ(バルサ)、シルバ(マンチェスター・シティ)らが代表から引退、コケ(アトレティコ)、ジョルディ・アルバ(バルサ)ら、ルイス・エンリケ監督の初招集リストから漏れた常連もいなかったため、私も見知った顔が減ってちょっと、寂しかったんですが、大丈夫。 ▽500人程、見学に駆けつけたファンはイスコやアセンシオ、セルヒオ・ラモスといったレアル・マドリー勢を熱心に応援していましたが、どちらにしろ、初日はほんの小手調べですからね。新監督の構想がわかってくるのは翌日からの練習だったんですが…何と、今回から、マドリーやアトレティコのセッションでもお馴染みの開始から15分だけマスコミに公開する習慣がなくなってしまったんですよ!おまけに以前は非公開セッションでもTVカメラが谷を隔てた公道からグラウンドを撮影していたのを懸念して、敷地を囲むネットをシートで覆って目隠しって、もしや秘密主義に磨きがかかっていない? ▽要は代表の日々の様子を知りたければ、オフィシャルサイト(http://www.sefutbol.com/)に上がる動画を見るしかなくなってしまったんですが、それだけでなく、ルイス・エンリケ監督が代表合宿中のオフ日をなくし、チームは金曜にイングランド戦の行われるロンドンに移動した後、もうラル・ロサスには戻らず。直接、来週火曜のクロアチア戦の舞台となるエルチェ(スペイン南東部)に飛んでしまうって、いえ、ご当地出身のサウール(アトレティコ)は嬉しいでしょうけどね。試合前日のスタジアム練習は一般公開されるようですが、せっかくマドリッド訪問が代表戦期間中に当たりながら、チームを見る機会がほとんどなさそうなのは残念ですよね。 ▽え、それでも木曜午後には選手たちがサント・ドミンゴ(マドリッド市内)に出現して、居合わせた観光客らを驚かせていなかったかって?ああ、それは月曜から、朝食は午前9時、夕食は午後8時30分の時間厳守で遅刻は罰金、食堂にスマホ持ち込みを禁止し、夜の自由時間のカードゲームやプレステもW杯中のように夜通しやるのはダメと、節度ある合宿生活を求められ、練習中もグラウンドの脇に新たに組み立てた足場の上からルイス・エンリケ監督に見張られて、ラス・ロサスに缶詰めになっている彼らを気遣ってのレクリーションタイムで、いえ、私もエスケープルームなるものを初めて知ったんですけどね。銀行の金庫室や刑務所など、仮想空間からグループで知恵を絞って脱出するゲームをやりに行ったそうですが、まあ、よくクラブで見かけるカートレースやペイントボールより、ケガの危険が少なそうなのはいいかと(https://twitter.com/saulniguez)。 ▽そんなことはともかく、土曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からのイングランド戦については何せ、練習の内容が伝わってこないため、GKがW杯で株を下げたデ・ヘアのままか、ケパ(チェルシー)抜擢なのかを始め、先発がどうなるのか、予想つかないんですが、ロペテギ監督時代同様、初日の練習からルイス・エンリケ監督がよく目をかけていたイスコがどうやらチームの軸になるよう。 ▽うーん、水曜のラス・ロサスで記者会見に出た当人はW杯中に批判的な記事を書いたエル・パイス(スペインの一般紙)が気に入らなかったか、「敵が自陣に籠ってしまった時、ラインの間でボールを受けるのと中盤に下りるのとどちらがダメージを与えられると思う?」と質問され、「Yo a ti no te voy a contester/ジョ・ア・ティー・ノー・テ・ボイ・ア・コンテスタール(ボクは君には答えない)」と返答を拒否。物議を醸していたりしたんですけどね。 ▽理由は「何を言ったって、好きなことを書くんだから」とのことでしたが、まあ気持ちはわかるものの、それってちょっと大人げなくない?実際、イスコのプレースタイルには賛否両論なんですが、ウェンブリーでの前日記者会見で「Vamos a jugar al ataque, a tener el balón, a generar, más ocasiones de gol, a presionar arriba, ser agresivos/バモス・ア・フガ-アル・アル・アタケ、ア・テネール・エル・バロン、ア・ヘネラル・マス・オカシオネス・デ・ゴル、ア・プレシオナル・アリバ、セル・アグレシーボス(ウチは攻撃的にプレーする。ボールを持って、チャンスをより多く作って、敵前線にプレスをかけて、アグレッシブに行く)」と言っていたルイス・エンリケ監督の期待に応えられるといいのですが、さて。この9月の2試合が、どちらも夏のW杯で上に行かれてしまったイングランド(4位)とクロアチア(2位)相手というのはきっと、新チームのいい腕試しになってくれるはずです。 ▽え、そんな調子で代表が非公開練習ばかりだった今週、私は何をしていたのかって?いやあ、火曜には久々に弟分、ヘタフェを覗いてきたんですが、相変わらず、あそこは練習が長いですね。10時から始まって、終わったのが12時半だったため、屋根付きスタンドのあるグラウンドで座って見られてどんなに助かったことか。丁度、その日は駆け込みで移籍のきまったクリストフォロ(フィオレンティーナからレンタル)の入団プレゼンもコリセウム・アルフォンソ・ペレスであったんですが、夏の間は芝の張替えでできなかったピッチでのユニフォーム姿お披露目を見に来たファンが20人ぐらいしかいなかったのはご愛敬。バケーション明けの平日ですし、ヘタフェは兄貴分チームたちのように気前よく、スタンドにボールを蹴り込んでプレゼントしてくれたりはしないため、かなりアットホームなプレゼンになっていましたっけ。 ▽そして翌日、ヘタフェはマドリッドの2部チームの弟分、アルコルコンとプチェロ杯(夏の親善試合)を行ったため、私もメトロ10号線とセルカニアス(国鉄近郊路線)を乗り継いで、サント・ドミンゴ(アルコルコンのホーム)に足を運ぶことに。何せ、リーガ開幕戦のマドリー戦では先発フル出場しながら、続くエイバル戦、バジャドリー戦に柴崎岳選手の出番がありませんでしたからね。練習では元気そうだったため、絶対、出てくれるはずという読みが見事的中。前半半ばまでは2列目に入っていた彼でしたが、すぐ目の前のベンチからやたら、「Gaku, Gaku!」と大声を飛ばすボルダラス監督の指示に従って、途中からは新加入のクリストフォロとボランチでコンビを組むように。 試合の方は前半22分、柴崎選手がエリア内奥から折り返したラストパスをポルティージョは決められなかったものの、36分にはロベルト・イバニェスのパスから、こちらも新加入のフルキエ(ワトフォードからレンタル)が撃ち込んでヘタフェが先制。前半終了近くにも柴崎選手は敵DFを2人かわしながら、エリア前からいいパスを出したんですが、ロベルト・イバニェスがフィニッシュに失敗してしまいます。そのまま0-1で折り返した後、アルコルコンがレギュラーメンバーに代わった後半はどちらも点を挙げられず、そのままヘタフェが勝って終わったんですが、途中出場したアンヘルに2度、惜しいシュートがあったりと、やっぱりカテゴリーの差はありましたかねえ。 ▽まあ、この試合のプレーぶりが認められ、柴崎選手がparon(パロン/リーガの停止期間)明け、16日のセビージャ戦で先発に戻れるかどうか、まだ1週間もあるため、定かじゃないんですが、実は同日には弟分仲間のレガネスとラージョも非公開で練習試合をやっていたとか。どうやら、エスタディオ・バジェカスのスタンド閉鎖により、10月半ばまでホームゲームが延期されているだけでなく、先週からはマドリッド南部にある練習場も整備で使用中止に。おかげでバルデベバス(バラハス空港の近く)のマドリー練習場を借りたり、今週前半はロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)で合宿していたラージョにレガネスが手を差し伸べて、最近はシュダッド・デポルティバ・レガネスを貸してあげていたよう。お互い、移籍市場ギリギリの新戦力が多く、おまけに各国代表に行っている選手が少ないという点でも手合わせするのに都合が良かった? ▽結果は2-1でレガネスの勝利だったそうですが、14日にはラージョも3週間ぶりとなるウエスカ戦が待っていますし、初の降格圏入りをしてしまったレガネスも16日にはブタルケでビジャレアル戦。どちらもこの期間にしっかり練習して、ファンをガッカリさせないようなプレーを披露してくれるといいのですが。 ▽そして各国代表にそれぞれ、13人もの選手を出向させている兄貴分チームたちはというと。いえ、ロペテギ監督もシメオネ監督も火曜はUEFAのエリート監督会議でニヨンに行って不在だったんですけどね。あとは毎日、来週末の試合に備えて練習です。ただそれでも、マドリーには今回の招集を辞退したケイロル・ナバスやマルセロが残っており、ビニシウス(フラメンゴから移籍)やマリアノ(同オリンピック・リヨン)、そしてベンゼマが毎日、golazo(ゴラソ/スーパーゴールを連発しているなんていいニュースが聞こえてくることに。 ▽翻って、トップチームの選手が11人いる彼らに比べ、少数精鋭主義のアトレティコはマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場にたったの7人。しかもファンフラン、ビトロはまだ負傷のリハビリ中で、スロベニア代表を免除してもらったGKオブラクもプレシーズンから引きずっている腕の痛みでジムごもりとあって、グラウンドには4人だけって、何か物凄いものがない?おまけに第2子の出産が近い奥さんの状態が良くなくて、ルイス・エンリケ監督と話して代表を辞退したジエゴ・コスタが木曜に足を打撲しただの、金曜はセルタ戦でデビューしたばかりのカリニッチ(インテルから移籍)が足首を捻挫したのって、どうしてこう、悪いことばかりが続くのでしょう! ▽そんな中、シメオネ監督がつきっきりで集中特訓している選手が1人いて、それはコケ。いやあ、カテラーノ(下部組織出身の選手)の後輩で今季、ビジャレアルから出戻り移籍したロドリなど、「Me sorprendió que no estuviese Koke/メ・ソルプレンディオ・ケ・ノ^・エストゥビエセ・コケ(コケがいないのには驚いたよ)。でも監督の意見は尊重しないといけないし、コケには代表の門は誰にでも開いているんだから、努力を続けるように言いたいね」と何だか、ちょっと上から目線のアドバイスをラス・ロサスから送っていたんですが、まあ2013年にコケがA代表に呼ばれるようになって以来、初めての落選だったようですしね。 ▽実際、UEFAスーパーカップではチームの4点目を決めたものの、リーガでは開幕戦からまったくパッとしていないため、今回の居残り練習は本人のためにもなるかと。その辺は木曜にネーションズリーグのドイツvsフランス戦(0-0)でプレーしたグリーズマンも同じなんですが、今週発表されたFIFAベストの3候補からはUEFA最優秀選手賞同様、クリスチアーノ・ロナウド、モドリッチ、サラに先を越されてしまった彼とはいえ、クラブも「Sin palabras/シン・パラブラス(言葉もない)」とツイッターで選考基準に異議を唱えていた通り(https://twitter.com/Atleti/status/1036649508187385856)、3つのタイトルの立役者ですからね。フランス代表のデシャン監督も少しでもチャンスを与えて、当人も「2年前は2つの決勝(CLとユーロ)で負けたから、3位だったけど、今回バロンドールを獲れなかったら、これ以上、何をしたらいいと訊きたいよ」と言っていた賞獲りを少しでも手助けしてあげたかったのかも。 ▽そんな感じの1週間でしたが、リーガも始まったばかりで途切れてしまう9月のインターナショナルマッチウィークはやっぱりどこか中途半端。とりあえず、幾つかネーションズリーグの試合の放送はあるため、週末も私は退屈はしないで済むんですが…とりあえず、マドリッド勢の選手たちがケガなく帰って来てくれるのを今は願うしかありませんね。<hr> 【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.09.08 15:00 Sat
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