【六川亨の日本サッカー見聞録】カザンでの代表初練習を取材
2018.06.15 15:00 Fri
▽6月14日、日本代表がベースキャンプ地となるルビン・カザンの練習場で初のトレーニングに臨んだ。この日はモスクワの日本人学校の生徒約20人と、ルビン・カザンのアカデミーの生徒約40人を招待して、記念撮影やサイン会を実施。これはFIFAが1日はファンと触れ合うことを義務づけていて、4年前のイトゥでも同様なセレモニーが行われた。
▽この日の練習はクールダウンがメインの目的。それでもフィールドプレーヤーは3グループに分かれ、それぞれ負荷の異なるメニューを消化した。まずパラグアイ戦で負傷した岡崎慎司と昌子源はドクターに付き添われてランニング後、昌子は室内トレーニング場へ直行。
▽広報によると「岡崎は両ふくらはぎに張りがあって大事をとった。昌子は右太ももに張りがあるため室内で別メニュー」で調整中とのこと。
▽そしてパラグアイ戦に出場した香川真司、乾貴士、柴崎岳、武藤嘉紀、酒井高徳、山口蛍、植田直通の7人はランニングやウォーキングでクールダウンを行うと早めに引き上げた。残る12人(バックアップメンバーの浅野拓磨を含む)、吉田麻也、本田圭佑、長谷部誠、長友佑都、槙野智章、大迫勇也、宇佐美貴史、大島僚太、酒井宏樹、原口元気、遠藤航はランニングやウォーキング、ストレッチなどで疲労の回復に努め、リフティングやパス交換、9対3のボール回しなどで汗を流してこの日の練習を終えた。
▽パラグアイ戦の行われたインスブルックは28度と気温が高かったが、カザンでは10度ほど気温が低い。このため昌子や乾、香川らは口を揃えて「寒い」を連発しつつ、「試合はそのほうがいい」(昌子)と低気温を歓迎していた。
▽これまでにも紹介したと思うが、改めてお伝えしよう。ジーコ・ジャパンはボンをベースキャンプしたが、異常気象で寒波が居座り、あまりの寒さに街中で冬着を探したものの、すでに夏着に切り替わっていたため購入できなかった。そんな寒さの中で行われたドイツ戦で、日本は最高のパフォーマンスを見せた。
▽ところが初戦のオーストラリア戦では、いきなり夏日になり試合は消耗戦になる。そして日本はオーストラリアの執拗な空中戦で疲弊し、1-3の逆転負けを喫した。その苦い記憶があるだけに、5日後のコロンビア戦で天候がどうなるのか気になるところである。
▽ちなみにカザンの天候が不順だと聞いていたのでフリースと薄手のダウンを持参したが、あまりの寒さにアパート近くにある巨大なスーパーマーケットのユニクロでヒートテックの下着を購入したほどだ。
▽乾は寒さ対策として「風邪をひかないように気をつけたい」と話していた。果たして選手はどれだけ現地の気候に順応できるのか。ここらあたりも些細ではあるがW杯を勝ち抜くためには重要なポイントになるだろう。06年は中村俊輔が風邪に悩まされただけに、スタッフの準備も重要だ。
▽ともあれ昨日はロシア対サウジアラビア戦でW杯が開幕した。日本が19日のコロンビア戦までどんな準備ができるのか、街中の様子も含めてお伝えしたいと思う。
【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
▽この日の練習はクールダウンがメインの目的。それでもフィールドプレーヤーは3グループに分かれ、それぞれ負荷の異なるメニューを消化した。まずパラグアイ戦で負傷した岡崎慎司と昌子源はドクターに付き添われてランニング後、昌子は室内トレーニング場へ直行。
▽そしてパラグアイ戦に出場した香川真司、乾貴士、柴崎岳、武藤嘉紀、酒井高徳、山口蛍、植田直通の7人はランニングやウォーキングでクールダウンを行うと早めに引き上げた。残る12人(バックアップメンバーの浅野拓磨を含む)、吉田麻也、本田圭佑、長谷部誠、長友佑都、槙野智章、大迫勇也、宇佐美貴史、大島僚太、酒井宏樹、原口元気、遠藤航はランニングやウォーキング、ストレッチなどで疲労の回復に努め、リフティングやパス交換、9対3のボール回しなどで汗を流してこの日の練習を終えた。
▽パラグアイ戦の行われたインスブルックは28度と気温が高かったが、カザンでは10度ほど気温が低い。このため昌子や乾、香川らは口を揃えて「寒い」を連発しつつ、「試合はそのほうがいい」(昌子)と低気温を歓迎していた。
▽ただ、6日からカザン入りしているが、この日はこれまでで一番暖かい1日だった。好天に恵まれたが、そんな日は風が強くて冷たいのがカザンの気候だった。このまま夏日に向かっていくのか。そこで思い出すのが06年ドイツW杯の苦い記憶だ。
▽これまでにも紹介したと思うが、改めてお伝えしよう。ジーコ・ジャパンはボンをベースキャンプしたが、異常気象で寒波が居座り、あまりの寒さに街中で冬着を探したものの、すでに夏着に切り替わっていたため購入できなかった。そんな寒さの中で行われたドイツ戦で、日本は最高のパフォーマンスを見せた。
▽ところが初戦のオーストラリア戦では、いきなり夏日になり試合は消耗戦になる。そして日本はオーストラリアの執拗な空中戦で疲弊し、1-3の逆転負けを喫した。その苦い記憶があるだけに、5日後のコロンビア戦で天候がどうなるのか気になるところである。
▽ちなみにカザンの天候が不順だと聞いていたのでフリースと薄手のダウンを持参したが、あまりの寒さにアパート近くにある巨大なスーパーマーケットのユニクロでヒートテックの下着を購入したほどだ。
▽乾は寒さ対策として「風邪をひかないように気をつけたい」と話していた。果たして選手はどれだけ現地の気候に順応できるのか。ここらあたりも些細ではあるがW杯を勝ち抜くためには重要なポイントになるだろう。06年は中村俊輔が風邪に悩まされただけに、スタッフの準備も重要だ。
▽ともあれ昨日はロシア対サウジアラビア戦でW杯が開幕した。日本が19日のコロンビア戦までどんな準備ができるのか、街中の様子も含めてお伝えしたいと思う。
【六川亨】1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた、博識ジャーナリストである。
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