【セリエAシーズン総括】最優秀選手はブッフォン!
2018.05.25 18:00 Fri
★ナポリとのスクデット争いを制したユーベが7連覇
▽ナポリとのハイレベルなスクデット争いを制した絶対王者ユベントスが7連覇を達成した。守備の要ボヌッチがミランに電撃移籍した中、知将アッレグリ監督が見事な手綱捌きを見せた。シーズンが深まるにつれてチームの骨格が定まっていくと、ボヌッチの穴はDFベナティアが埋め、新戦力のFWドグラス・コスタとMFマテュイディがみるみるチームにフィットし、チーム力を押し上げた。シーズン終盤、ナポリとの直接対決に敗れ、1ポイント差まで詰め寄られたが、王者の底力を発揮して最終節を前に優勝を決めた。
▽28年ぶりのスクデット獲得が現実味を増しながらもあと一歩届かなかったナポリだが、例年であれば十分スクデットに手が届く好成績を収めた。サッリ体制3季目のチームは欧州でも屈指のパスワークを駆使し、観るものを魅了するサッカーで勝利を積み重ねた。惜しむらくはサッリ監督の選手固定によりシーズン終盤、主力選手に勤続疲労が溜まってしまったことか。サッリ体制からアンチェロッティ体制に刷新される新シーズンはバックアッパーの底上げが課題となる。
▽ディ・フランチェスコ体制1季目のローマは、優勝争いこそ絡めなかったもののチャンピオンズリーグ(CL)でベスト4に進出するなど、充実のシーズンを過ごした。とりわけバルセロナ戦はクラブ史に残る奇跡の大逆転劇を演じ、世界に衝撃を与えた。立役者のディ・フランチェスコ監督はサッスオーロで披露していた攻撃サッカーではなく堅実なサッカーで勝ち点を積み上げ、ノルマのCL出場権獲得を果たした。
▽4位に滑り込んだのは最終節でラツィオとの直接対決を劇的に制したインテルとなった。シーズン前半、スパレッティ監督の手腕によって順調に勝利を積み重ねたが、牽引者のペリシッチとカンドレーバの両翼が疲労によりパフォーマンスを落としたシーズン半ば以降は8試合勝利から見放されるなど大いに苦しんだ。それでもラツィオの自滅に近い形で最後にCL出場権を7年ぶりに手にし、有終の美を飾った。
▽惜しくもCL出場権を手にできなかったものの、ラツィオは大健闘のシーズンを送った。シーズン前にMFビリアとFWケイタの両主力が抜けたものの、MFルーカス・レイバとFWルイス・アルベルトが見事に穴を埋める活躍を見せ、S・インザーギ監督の手腕で意外な攻撃力を爆発させたチームは、リーグ最多の89ゴールをマーク。CL出場権争いを大いにかき回す存在となった。
▽残留争いではセリエAに定着しているウディネーゼとキエーボが最終節まで降格の危機に瀕したが、終わってみればベネヴェントとヴェローナが1年で、クロトーネが2年での降格と順当な結果に落ち着いている。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆GKジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)
★最優秀監督
◆マッシミリアーノ・アッレグリ(ユベントス)
【期待以上】
★チーム
◆アタランタ
★選手
◆DFアレクサンドル・コラロフ
【期待外れ】
★チーム
◆ミラン
★選手
◆FWニコラ・カリニッチ(ミラン)
▽ナポリとのハイレベルなスクデット争いを制した絶対王者ユベントスが7連覇を達成した。守備の要ボヌッチがミランに電撃移籍した中、知将アッレグリ監督が見事な手綱捌きを見せた。シーズンが深まるにつれてチームの骨格が定まっていくと、ボヌッチの穴はDFベナティアが埋め、新戦力のFWドグラス・コスタとMFマテュイディがみるみるチームにフィットし、チーム力を押し上げた。シーズン終盤、ナポリとの直接対決に敗れ、1ポイント差まで詰め寄られたが、王者の底力を発揮して最終節を前に優勝を決めた。
▽28年ぶりのスクデット獲得が現実味を増しながらもあと一歩届かなかったナポリだが、例年であれば十分スクデットに手が届く好成績を収めた。サッリ体制3季目のチームは欧州でも屈指のパスワークを駆使し、観るものを魅了するサッカーで勝利を積み重ねた。惜しむらくはサッリ監督の選手固定によりシーズン終盤、主力選手に勤続疲労が溜まってしまったことか。サッリ体制からアンチェロッティ体制に刷新される新シーズンはバックアッパーの底上げが課題となる。
▽4位に滑り込んだのは最終節でラツィオとの直接対決を劇的に制したインテルとなった。シーズン前半、スパレッティ監督の手腕によって順調に勝利を積み重ねたが、牽引者のペリシッチとカンドレーバの両翼が疲労によりパフォーマンスを落としたシーズン半ば以降は8試合勝利から見放されるなど大いに苦しんだ。それでもラツィオの自滅に近い形で最後にCL出場権を7年ぶりに手にし、有終の美を飾った。
▽惜しくもCL出場権を手にできなかったものの、ラツィオは大健闘のシーズンを送った。シーズン前にMFビリアとFWケイタの両主力が抜けたものの、MFルーカス・レイバとFWルイス・アルベルトが見事に穴を埋める活躍を見せ、S・インザーギ監督の手腕で意外な攻撃力を爆発させたチームは、リーグ最多の89ゴールをマーク。CL出場権争いを大いにかき回す存在となった。
▽一方で期待に応えられなかったのがミラン。大型補強を敢行しながらもFWカリニッチとFWアンドレ・シウバが全く機能せず、モンテッラ監督が11月に首を切られた。後任のガットゥーゾ監督によってディフェンスが整備されたことで復調したものの、根本の得点力不足に大幅な改善は見られず、ヨーロッパリーグ出場権獲得がやっとの状況だった。
▽残留争いではセリエAに定着しているウディネーゼとキエーボが最終節まで降格の危機に瀕したが、終わってみればベネヴェントとヴェローナが1年で、クロトーネが2年での降格と順当な結果に落ち着いている。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆GKジャンルイジ・ブッフォン(ユベントス)
Getty Images
▽ディバラやベナティア、ドグラス・コスタらも最優秀選手に匹敵する活躍を見せたが、いずれの選手もシーズンを通した活躍ができていたとは言えず、17年在籍したユベントスを今季限りで退団することになった守護神のブッフォンを特別に選出した。40歳となった今なお衰えない身体能力と豊富な経験を武器に安定感あるゴールキーピングを今季も披露し、ユベントスの7連覇に大きく貢献した。★最優秀監督
◆マッシミリアーノ・アッレグリ(ユベントス)
Getty Images
▽ボヌッチと袖を分かった中、自身の哲学が間違っていなかったことを示した。主力であっても容赦のない采配で選手と衝突することも度々あるアッレグリ監督だが、すべてはチームの勝利のためであり、シーズンが終わってみれば監督が正しかったことが頷ける結果となっている。これでユベントスはアッレグリ監督就任後、セリエAとコッパ・イタリアでいずれも4連覇を達成。ユベントスのクラブ史に残る名将として名を刻んでいる。【期待以上】
★チーム
◆アタランタ
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▽MFケシエとDFコンティの両主力を失った中、フロントの的確な補強によって選手層の厚みを増し、ELを戦いながら7位で終えたのは、このクラスのチーム力を考えれば大成功のシーズンだったと言える。知将ガスペリーニ監督に率いられたチームは、無名に近い選手たちをセリエAで戦えるレベルにまで引き上げ、ELを戦うことによって過密となったシーズンをうまく乗り切ることに成功した。ELでは惜しくもドルトムントに敗れたが、セリエAではミランと競り合っての7位と十分な結果を残し、2年連続でのEL出場権を手にした。★選手
◆DFアレクサンドル・コラロフ
Getty Images
▽マンチェスター・シティの余剰人員的な立場でローマにやってきたセルビア代表左サイドバックだったが、依然として世界最高レベルの左足を持っていることを見せ付けた。元々ラツィオで台頭したコラロフにとっては、ライバルクラブの加入ということもあってロマニスタからは厳しい目で見られていたが、プレッシャーに感じることなくひょうひょうとプレー。課題の守備もそつなくこなし、攻守に質の高いプレーを披露し続けた。【期待外れ】
★チーム
◆ミラン
Getty Images
▽昨夏、総額2億ユーロ(約265億円)以上をつぎ込んで好選手を多数補強したものの、多くの選手がフィットしないままシーズンを終えた。11月終盤、モンテッラ監督を解任したチームは、クラブのレジェンドでもあるガットゥーゾ監督の手腕によって最低限のEL出場を決めたが、到底満足できるようなシーズンではなかった。★選手
◆FWニコラ・カリニッチ(ミラン)
Getty Images
▽エースストライカーとしての役割が期待されながらもセリエAで6ゴールに終わったクロアチア代表FWを選出。2ゴールに終わったFWアンドレ・シウバも大きく期待を裏切ったが、フィオレンティーナでエースとして活躍していたカリニッチの低調なプレーも誤算だった。ビッグクラブの重圧に押し潰されたのか、決定力をことごとく欠いた。
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