【リーガエスパニョーラ・シーズン総括】最優秀選手はメッシ!2018.05.25 19:30 Fri

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★無敗逃すも新生バルサが圧倒的強さで覇権奪還
▽昨シーズン、チャンピオンズリーグ(CL)連覇と共に5年ぶりのリーガ制覇を成し遂げたレアル・マドリーに対して、バルセロナがFWネイマールの退団、アトレティコ・マドリーがFIFAからの補強禁止処分という不安材料を抱えたことで、昨季王者優勢と思われた今季のリーガ。しかし、最終的には開幕から36試合無敗を継続したバルセロナが2位以下に14ポイント差を付ける圧勝劇で2年ぶりの優勝を果たした。

▽昨夏、ネイマールのパリ・サンジェルマン電撃移籍、スーペル・コパでのレアル・マドリー相手の屈辱的な連敗で厳しいシーズンのスタートを切ったバルセロナだが、バルベルデ監督仕込みの組織的な守備と“戦術メッシ”で序盤戦を乗り切ると、そこからは攻守に安定したパフォーマンスをみせ、12月に行われた敵地でのエル・クラシコに圧勝するなど、圧倒的な強さで前半戦を首位で終えた。後半戦に入ると苦手の1月と2月に取りこぼしが目立ったものの、幾度となく訪れた敗戦のピンチを凌ぐと、勝ち点5差に迫られた2位アトレティコとの直接対決をメッシの直接FK弾で勝ち切って優勝に大きく前進。そして、第35節のデポルティボ戦をきっちり勝ち切って2年ぶりのリーガ制覇を成し遂げた。

▽そのバルセロナに14ポイント差を付けられるも、宿敵レアル・マドリーより上の2位フィニッシュを決めたアトレティコは、3度目のヨーロッパリーグ(EL)制覇まで成し遂げワンダ・メトロポリターノでの最初のシーズンを終えた。前述の補強禁止処分や主力の負傷離脱に悩まされた前半戦はエースFWグリーズマンのスランプもあり、厳しい戦いを強いられた。それでも、GKオブラクやDFゴディンを中心とした堅守で勝ち点を積み重ねると、FWジエゴ・コスタとMFビトロの登録が可能となった今年1月以降は攻守に安定感を取り戻してバルセロナを猛追。直接対決での敗戦が響いて逆転優勝はならなかったものの様々な逆風を考えれば、まずまずのシーズンだったと言える。

▽一方、シーズンを通して大苦戦を強いられた昨季王者レアル・マドリーは、エースFWクリスティアーノ・ロナウドら主力の不振が響いた序盤戦の戦いが痛恨となり、前半戦終了を待たずして優勝争いから脱落。そのため、後半戦はCL3連覇に向けた調整の場としての意味合いが強まった。バレンシアの失速もあり、最低限の3位でシーズンを終えることに成功したが、今月26日に行われるCL決勝でリバプールに敗れることになれば、ジダン監督の更迭や大幅な選手の入れ替えなど、変革の夏を過ごすことになるかもしれない。

▽CL出場権争いとEL出場権争いではマルセリーノ新監督の下で復活を印象付けた4位バレンシア、シーズン序盤のカジェハ新体制移行が実った5位ビジャレアルのバレンシア勢、セティエン新監督の下で結果と内容が伴った6位ベティス、2度の監督交代に踏み切りながらも粘った7位セビージャのアンダルシア勢が来季ヨーロッパへの切符を手にした。とりわけ、粘り強い守備と縦への攻撃意識が顕著だったバレンシア、質の高いポゼッションスタイルを見せたベティスの2チームは今季リーグ戦を大いに盛り上げた好チームだった。

▽一方、例年熾烈を極める残留争いに関しては序盤戦から低迷した最下位マラガ、19位ラス・パルマスが早々に降格を強いられると、セードルフ新監督の下で巻き返しを図った18位デポルティボも第35節で優勝を決めたバルセロナを前に敗れ、3節を残して前述の2チームに続きセグンダ行きが決定した。

▽最後にエイバルのMF乾貴士、ヘタフェのMF柴崎岳という2人の日本人選手では、エイバル3年目で完全にリーガの水に馴染んた乾が34試合出場で5ゴール2アシストときっちり結果を残した。一方、シーズン序盤のバルセロナ戦で鮮烈なリーガ初ゴールを記録した柴崎だが、負傷による長期離脱以降は守備的なチームスタイルに順応できず、リーグ戦22試合(先発12試合)で1ゴール0アシストと控えに甘んじる厳しい1年となった。なお、乾は今季限りでエイバルを去り、来季はベティス行きの可能性が伝えられている。また、柴崎も今季限りでクラブを去る可能性が伝えられている。

【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆FWリオネル・メッシ(バルセロナ)
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▽成長し続けるフットボール界最高のメガクラックが文句なしで今季のリーガMVPだ。今季はトップ下と2トップの一角として新境地を開くと、圧巻の仕掛けと決定力でフィニッシャーとして機能したうえ、MFパウリーニョやDFジョルディ・アルバを巧みに生かす司令塔の二役を担い、34ゴール12アシストという圧倒的な数字で2年連続のゴールデンシュー&ピチーチ賞にリーガアシスト王を獲得。また、覇権を争うマドリードの2強との直接対決では4試合で3ゴールを挙げる勝負強さも発揮し、チームを2シーズンぶりの国内2冠に導いた。さらに、今季は直接FKからキャリアハイの6本のゴールを記録しており、世界最高のフットボーラーの進化は続く。

★最優秀監督
◆エルネスト・バルベルデ(バルセロナ)
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▽自身初のビッグクラブ挑戦でシーズン2冠に導いた智将が文句なしの最優秀監督だ。第37節のレバンテ戦でのよもやの敗戦によって38試合制で初となる無敗優勝を逃したものの、28勝9分け1敗、99得点29失点という圧倒的なスタッツで2位以下に14ポイント差を付けての優勝は見事の一言だ。ネイマールの電撃移籍に昨夏の補強失敗とクラブから十分なサポートを得られなかった中、多くの中小クラブを率いた経験を武器に現有戦力を巧みに生かし切った。とりわけ、ネイマール移籍を逆手に取った[4-3-1-2]、[4-4-2]へのシステム変更によって守備の安定を図ると共に、メッシを再びゴールに近い位置に配置したことでゾーン3の攻略に専念させることに成功した。また、ルイス・エンリケ体制での課題だったメッシやFWルイス・スアレス、MFブスケッツといった主力のコンディション調整に関しても積極的なターンオーバーを採用することで、一部の時期を除いて良好なコンディションをキープさせた。よりサポートが見込める来季に向けてはスペクタクルなスタイルへの変貌も期待されるところだ。

【期待以上】
★チーム
◆ベティス
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▽昨季の15位から6位に大きく躍進を遂げて悲願のEL出場権を獲得した。ラス・パルマスで魅力的なアタッキングフットボールを展開したキケ・セティエン新監督を招へいしたベティスはシーズン序盤こそ後方から丁寧にショートパスを繋ぐ新スタイルへの適応に苦戦し大量得点、大量失点という出入りの激しい大味な試合が目立った。それでも、敵地でレアル・マドリーを撃破するなど、時にビッグクラブを凌駕する痛快な戦いも見せていた。その後、今年3月に入って[4-3-3]から[3-5-2]へとシステムを変更すると、6戦連続クリーンシートを含む7勝1分けの8戦無敗と圧巻のパフォーマンスを見せ、宿敵セビージャより上の6位でフィニッシュした。最優秀監督との声も挙がるセティエン監督の見事な手腕に加え、MFブデブス、DFバルトラといった新戦力の活躍、MFファビアン・ルイスやFWロレンら若手のブレイクとクラブ全体の機能性も素晴らしかった。

★選手
◆MFホアキン・サンチェス(ベティス)
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▽完全復活のベティスをけん引した百戦錬磨のベテランMF。2015年にキャリアの終焉の地として古巣に復帰したホアキンだが、今年7月に37歳となるベテランMFは今季も健在ぶりを見せた。自身の代名詞である右サイドでの痛快なドリブル突破を見せる機会は稀になったものの、豊富なキャリアの中で獲得した戦術眼とテクニックを生かしリーグ戦35試合で4ゴール8アシストという素晴らしい数字を残した。とりわけ、シーズン後半戦に入ってからは[3-5-2]のインサイドハーフや2シャドーの一角としてプレーし、前線と中盤のリンクマンとして圧巻の存在感を放った。

【期待外れ】
★チーム
◆セビージャ
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▽CLで初のベスト8進出にコパ・デル・レイ決勝進出、来季EL予備予選出場の7位フィニッシュと結果だけを見れば、悪いシーズンと断定できないが、1年を通して迷走ぶりが目立った。サンパオリ前監督、伝説的なSDモンチ氏の退団によってベリッソ監督、アリアスSDの下で新たなシーズンをスタートしたセビージャはクラブ最高額で獲得したFWムリエルやFWノリート、MFバネガ、DFケアー、MFヘスス・ナバスなど積極的な補強を敢行。シーズン序盤こそまずまずの滑り出しを見せたものの、消耗が激しいベリッソ監督の戦術に選手たちが耐え切れず調子が下降すると、健康問題とMFエンゾンジら主力との確執が伝えられたアルゼンチン人指揮官が昨年末に電撃解任。その後任にモンテッラ監督を招へいも就任後16試合で5勝7敗4分けと更なる低迷を招き、アリアスSDと共にシーズン終盤に更迭が決定。その後、ホアキン・カパロス暫定監督の下で何とか7位フィニッシュを果たしたものの、クラブの将来に不安を残す1年となった。

★選手
◆FWカリム・ベンゼマ(レアル・マドリー)
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▽深刻な得点力不足に陥り、マドリディスタの怒りを買う。今シーズン、リーグ戦32試合出場と定期的に出場機会を与えられたベンゼマだが、マドリー加入後最低の5ゴール(PK2)に終わった。もちろん、2桁アシストを記録するなど利他的なプレーでチャンスメークに奮闘していた点は評価に値するが、世界屈指の名門のセンターフォワードとしては完全に期待外れだ。チャンスの数自体が少なければまだ弁解の余地はあるが、再三のカウンターチャンスやゴール前の決定機で目を覆いたくなるばかりのシュートミスが目立った。シーズンを通してサンティアゴ・ベルナベウでブーイングに晒されており、今季限りでの退団が濃厚か…。
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苦境でこそ輝きを! マドリーの救世主足り得る“バロンドーラー”モドリッチ/編集部コラム

▽2018年のバロンドールに、レアル・マドリーに所属するクロアチア代表MFルカ・モドリッチが輝いた。圧倒的な“数字”を残してきたユベントスFWクリスティアーノ・ロナウド、バルセロナFWリオネル・メッシの独占を崩したのは、昨シーズンの公式戦43試合で2ゴール8アシストの成績だったゲームメーカーだ。 ◆哲学を貫くレアル・マドリーのNo.10<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20181204_26_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽トッテナムで名声を高めていたモドリッチがマドリーに入団したのは、2012年夏の移籍市場が閉まる直前のこと。前年に4シーズンぶりのリーガエスパニョーラ制覇を成し遂げていたジョゼ・モウリーニョ監督(現マンチェスター・ユナイテッド)の、3年目のシーズンだ。 ▽モドリッチは、入団直後に行われたスーペルコパ第2戦バルセロナ戦でデビューを果たす。クラシコという大舞台で83分から途中投入され、早速初タイトルを獲得した。 ▽しかし、恐れずに記述するのであれば、加入当初のモドリッチのプレーに違和感を感じたことを覚えている。モウリーニョ監督の下、世界屈指のカウンターを磨きに磨いていたマドリーの中で、モドリッチはボールプレーを重視。美しいスキルに感嘆させられる一方で、周囲とのズレが懸念された。 ▽だが、結果から見ればその心配は杞憂に終わっている。スペイン『マルカ』の読者投票による「2012-13シーズン最悪の補強」に選ばれたモドリッチは、その後も自らの美学を決して変えず。失意後の2013-14シーズンに始まったカルロ・アンチェロッティ政権でレギュラーを奪取すると、その年のチャンピオンズリーグ(CL)決勝アトレティコ・マドリー戦では、0-1のビハインドで迎えた後半アディショナルタイムにCKからセルヒオ・ラモスの得点をアシスト。延長戦に持ち込み、4-1での“ラ・デシマ”(10度目の欧州制覇)達成に導いた。 ▽その後もモドリッチの快進撃は続き、2015-16シーズンからのジネディーヌ・ジダン政権では前人未到のCL3連覇を経験。今となっては“レアル・マドリーの心臓”と評されており、比較できない程に重要な選手となっている。 ▽このキャリアの中で最も驚くべき点は、モドリッチが自らの志向するプレーを変えていないということだ。各国のスター選手が目まぐるしく入れ替わるマドリーでは、あのC・ロナウドでさえ、得点に特化する形に自らを作り変えた。2007年のバロンドーラーであり、主役としてプレーしてきたカカは、ポテンシャルを十分に発揮することができずにクラブを去った。 ▽しかしながら、モドリッチは周囲にリズムを伝播させ、加入当初に感じさせた違和感を消して見せた。マドリーというクラブで、これほど背番号10に相応しい仕事をする人物は稀有な存在だ。 ◆W杯奮闘の代償<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20181204_26_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今年のロシア・ワールドカップ(W杯)にクロアチア代表として参戦したモドリッチは、獅子奮迅の活躍を披露し、母国をファイナルに導いた。多くのタレントを擁するフランス代表に敗れて優勝には手が届かなかったものの、ゴールデンボール(W杯MVP)に輝いている。さらに、モドリッチはバロンドールのみならず、UEFA欧州最優秀選手賞、FIFA最優秀選手賞といったあらゆる個人賞を総なめ。現代最高のMFとしての名を欲しいままにしている。 ▽しかし、注目の幕開けを迎えた今シーズン、マドリーは低迷。リーガエスパニョーラ第14節終了時点で7勝2分け5敗と戦績は凄惨そのものであり、方々で指摘されている通りジネディーヌ・ジダン監督とC・ロナウドの退団が重なったことは大きな原因だろう。 ▽だが、それだけでなく主力選手たちのパフォーマンスが昨シーズンから落ちているのも確かだ。世間からの称賛を浴びるモドリッチも例外ではない。極上のプレーは鳴りを潜め、とりわけ守備面で例年のような奮闘はみられず、W杯の疲労を残していることがありありと見て取れる。 ◆困難な時こそ輝きを<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20181204_26_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽もちろん、補強を怠ったフロントが選手以上に批判に晒されるのは当然のことだ。それでも、苦しければ苦しい試合でこそ輝きを放ってきたモドリッチの、復調を期待せずにはいられない。 「キャリアを通して、難しい仕事や困難に直面しても努力を続けていくことが才能を発揮する土台になっている」 「僕には好きなフレーズがある。『最高なことは決して簡単にできない』という言葉さ。僕がこうやって全てを勝ち取るために、簡単なことは何もなかった」 ▽モドリッチがバロンドールの授賞式で発した言葉だ。プロキャリアの中で、モドリッチにとって今シーズンのマドリーほど苦しい時があっただろうか。 ▽一選手の力でチーム全体に変化をもたらすことは、とても困難だ。だが、突出した技術を持ちながらも味方のために汗をかけるモドリッチだけが、周囲の質を引っ張り上げられる存在かもしれない。そして、それは既にマドリーで、クロアチア代表で目にした光景だ。サッカー界全体に新たなサイクルをもたらしたこの小柄な選手に、今後も期待せずにはいられない。 《超ワールドサッカー編集部・上村迪助》 2018.12.04 21:00 Tue
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非は現場か、自滅感の否めない柏のJ2降格/編集部コラム

▽混迷に混迷を極めた柏レイソル。結果、毎試合でJリーグ屈指の熱い声援を送り続けたファンやサポーターの「奇跡の残留を」という願いは成就しなかった。9年ぶり3度目のJ2降格。残念過ぎる。 ▽24日に行われた明治安田生命J1リーグ33節のセレッソ大阪戦。負ければ即降格決定という厳しい条件でのアウェイゲームだったが、ピッチに立った選手は堂々たる戦いぶりで本来の力を見せつけ、3-0の快勝した。 ▽シーズン3人目の指揮官として、10日に加藤望前監督から急きょバトンを受けた岩瀬健監督。C大阪戦までの猶予はわずか2週間しかなかったが、見事に立て直してみせた。しかも、チームをあるべき姿に戻して、だ。 「アイデア、スピード、パワーをピッチの中で表現できるようにサッカーの部分でちょっと整理した。その整理したことをとにかく一切の無駄もなくトレーニングしてきて、それが今日のゲームになったと思う」 ▽試合前に選手のプレーの迷いを察した岩瀬監督は、決して新しいことにチャレンジさせたわけではない。元々のチームにある力をどうやって結果に結びつけるか。そして、どう自信を取り戻させるか。視線はそこにあった。 ▽大まかな修正ポイントは攻守の切り替えと各エリアのプレー明確化。それが初陣のC大阪戦で確かに表れた。実際、柏は序盤から攻守の切り替えで優位に。そして、全3得点はいずれも鋭い寄せが起点だった。 ▽自分たちの力を信じて戦う。それこそコーチとしてトップチームを見守ってきた岩瀬監督が求めた、蘇生の一手として講じた策だったのだろう。その岩瀬監督の手腕は見事だったが、快勝劇の余韻は“ツケ”により、そう長く続かなかった。 ▽試合終了のホイッスルが鳴り響いたピッチ上、柏の選手は勝利の喜びに浸る時間をほどほどに他会場の結果を気にするような仕草が散見。一部選手はスタッフが手に持つスマートフォンに群がり、降格という現実を直視した。 ▽異様な光景。昨シーズンに4位躍進を遂げ、さらなる期待を胸に今年の戦いに入った当初の柏はそこになかった。果たして、この低迷の要因はどこにあるのか。一体感やビジョンを欠いた上層部にあるように感じてならない。 ▽柏は今冬、J1とACLの二兎を追うべく、FW江坂任やFW瀬川祐輔、MF小泉慶ら実力者を積極補強。強化部の見事な立ち回りにより、2チーム分の戦力を整備した。だが、シーズンに入り、上層部の一挙手一投足が鈍り始めた。 ▽それを象徴する1つが、プロで指導者経験なしだった加藤望ヘッドコーチの監督昇格による下平隆宏監督の強化チームダイレクター就任。そこまでして下平氏をクラブに留めておく理由はなんだったのか。疑問しかない。 ▽ことが終わったあとだけに、全てがたらればになるが、加藤監督の就任以降はチーム状態がより悪化。より「縦に速い仕掛け」に特化したスタイルは奏功せず、困ったときに拠り所になる原点への回帰もままならなくなった。 ▽そういった低迷の背景には、脳しんとうのGK中村航輔やDF中山雄太といった主力の故障離脱や、ACLプレーオフ参戦による例年以上に早いシーズン始動も挙げられる。だが、降格が決まった今となれば、言い訳でしかない。 ▽岩崎監督が初采配を振るったC大阪戦は、シーズンベストに匹敵するほどの戦いだった。それだけに、自滅感の否めない今回の降格は悔やまれる。高過ぎる授業料を払った格好の柏は、クラブの向かうべき方向性を改める必要があるだろう。 ▽今年のJ2は全体的なレベルアップにより、ヴァンフォーレ甲府やアルビレックス新潟、大宮アルディージャが軒並みに1年でのJ1復帰を逃した。柏とて今年のように不透明なビジョンでJ2の戦いに挑めば、浪人生活を強いられる可能性がある。 ▽柏全体として、問題にしっかりと向き合わなければ、また最悪の結末を引き起こしかねない。応援するクラブを乗り換えかねるファンやサポーターのためにも透明感溢れるチームを作り上げ、再びJ1の舞台に戻ってきてもらいたいと感じる。 《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》 2018.11.29 17:30 Thu
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数的優位を生かせず、1年でのJ1復帰を逃した大宮に足りなかったもの/編集部コラム

▽来シーズンのJ1昇格を懸けたプレーオフが、今シーズンも開催。25日に行われた1回戦は、昨シーズンJ1最下位で降格した大宮アルディージャ(5位)と11年ぶりのJ1復帰を目指す東京ヴェルディ(6位)のカードで行われた。 ▽シーズン開幕前にはJ2優勝候補の筆頭にも挙げられていた大宮は、最終節のファジアーノ岡山戦で勝利し、プレーオフ圏外の7位から逆転でのプレーオフ進出を掴んだ。一方の東京Vは、最終節で優勝の可能性を残していたFC町田ゼルビアと対戦し、1-1のドロー。大宮には逆転されたが、アビスパ福岡も引き分けたために6位でシーズンを終えた。 ▽そんな両者の対戦は、アウェイの東京Vが0-1で大宮を下し、横浜FC(4位)の待つ2回戦に駒を進めた。試合途中にはMF内田達也が2度目の警告を受けて退場し、10人の数的不利となるも、そこから1点を奪い勝利した。引き分けでも勝ち上がれた大宮だったが、数的優位な状況を生かせずに1年でのJ1復帰を逃す結末に終わった。 <span style="font-weight:700;">◆明暗を分けた“準備”</span> ▽この試合の勝敗を分けた要因は様々ある。指揮官の采配も要因の1つ。しかし、大宮が敗れた要因は、準備不足が大きかったと言えるだろう。 ▽この試合、立ち上がりからペースを握ったのは東京Vだった。ミゲル・アンヘル・ロティーナ監督の下、積み上げた[3-4-2-1]のシステムを採用。内容で圧倒したホームでの大宮戦と同じやり方で臨んだ。対する大宮は、シーズン終盤で起用したメンバーをピッチに送り出したが、FW富山貴光を[4-4-2]の右サイドハーフに置き、MFマテウスとFW大前元紀を2トップに並べた。 ▽勝利が必要な東京Vと引き分けでも良い大宮の一戦。その差が影響したのか、積極的な入りを見せられなかった大宮は、序盤から東京Vの戦いに苦しめられる。残念ながら、アウェイで2-0と敗れた東京V戦の再現となってしまった。 ▽東京Vは5レーンを使い、ウイングバックのMF奈良輪雄太、MF香川勇気を両サイドの大外のレーンに、1つ内側にMF佐藤優平、MF渡辺皓太を置いた。中央には1トップのFW林陵平が入り、MF内田達也、MF井上潮音はインサイドのレーンに。味の素スタジアムで大宮を攻略したシステムで臨んだ。 ▽リーグ戦でも同じ戦い方に苦しんだはずの大宮だったが、手を加えたのは富山をサイドに置いたことだけ。石井正忠監督は「守備のところを考えて起用した」と試合後に語ったが、「それがなかなかうまくはまらなかった」とコメントしている。守備を重視した事により後ろ重心になり、富山と右サイドバックのDF酒井宣福は、香川と佐藤の立ち位置に苦んだ。時間が経過するごとに、マークの受け渡しや自分たちの立ち位置を見失っていった。 ▽一方で、ロティーナ監督、そしてピッチに立つ東京Vの選手たちは、その異変を見逃さない。ボールをポゼッションしながら、大宮の右サイド、つまり香川、佐藤の左サイドからの攻撃を増やしていく。大宮の右サイドは、押し込まれる時間が続き、ほとんど攻撃には参加できなかった。 ▽また、守備時には渡辺と佐藤が中間ポジションを取ることで、大宮のボール回しを封じた。試合中に何度も見られたパスカットは、上手くハメた結果と言えるだろう。大前やマテウスが良い形でボールを持つ回数も少なかった。 ▽さらには、前線からのプレスを掛けなかったことで、井上を自由にさせたことも苦戦した要因だろう。内田と共にボランチの2人が前を向いてプレーする時間が多く、東京Vは得意のボール回しでジワジワと追い詰めた。 <span style="font-weight:700;">◆シーズンを通した積み上げの差</span> ▽押し込まれながらも何とか耐えていた大宮は、前半の途中でシステムを変更。富山をトップに置き、MF茨田陽生を右サイドに配置。マテウスを左サイドに置くことで5バックにし、東京Vの5レーンを封じに行った。 ▽石井監督にとっては、苦肉の策だったのだろう。守備を考えて富山をサイド起用したにも関わらず、決して守備が得意ではないマテウスを左サイドの守備に使う羽目になった。東京Vをはじめ、3バックを採用するチームが多いJ2を1シーズン戦ってきたが、大宮はあまり得意にしていない。[4-4-2]のシステムとの兼ね合いもあり、特に守備面では苦戦する試合が多かった。にも関わらず、東京Vを相手に対策をしてこなかったことが前半で明るみに出てしまった。 ▽また、シーズンを通して攻撃の形を作ることができなかった。24得点を決め得点王に輝いた大前が軸となったが、2トップを組むコンビは、FWロビン・シモヴィッチ(先発17試合)、富山(先発21)試合と固定できず。また、大前の24得点も、直接FKから「4」、PKが「7」、直接CKが「1」となっており、セットプレーから半分を記録。大宮にとっては大きな武器だったが、流れの中からの得点が半分とは少し寂しく、チームとして最後まで崩す形を作れなかったとも言えるだろう。そして、プレーの再現性の低さが昨シーズン、今シーズンと大宮のウィークポイントであった。 ▽一方の東京Vは、ロティーナ監督の下で構築された攻守に渡る約束事が選手の自信にも繋がっていた。それは後半の数的不利な状況でも動じず、選手たちが任務を遂行し、勝利を掴んだことからも窺えた。 <span style="font-weight:700;">◆退場で優位に立ったのは東京V</span> ▽5枚を最終ラインに並べたことで、なんとか無失点で前半を終えた大宮。しかし、後手に回った戦いは、後半で再び綻びを見せることとなる。 ▽後半の立ち上がりも大宮は5枚を並べて守備を構築。前半に比べ、守備面では安定感を取り戻したが、ファウルで止めるシーンが増えるなど苦戦は続いた。一方で、攻撃面もMF大山啓輔やMF三門雄大らボランチの選手も前からプレスを掛け、徐々にペースを握りに行った。 ▽そんな中迎えた59分、アクシデントが起こる。相手ゴール前でイーブンのボールを競り合った内田が、マテウスを倒してファール。このプレーにイエローカードが提示され、内田は2度目の警告となり退場処分を受ける。 ▽0-0のゴールレスの状況で、勝たなくてはいけない東京Vが数的不利に。それでも「何かを変える必要はありませんでした。点を取るために何ができるか。そこだけ」とキャプテンであるDF井林章がコメント。ロティーナ監督の下で積み上げたものは、退場者を出しても選手たちに動揺を与えなかった。 ▽一方で、大宮は数的優位な状況に。しかし、ここで守りを固めるのか、得点を目指すのかが曖昧となり、大宮は勝負に出ることができなかった。その結果が悲劇を生む。 ▽守備面では5枚で守り続けるのか、4枚に戻すのかが曖昧となった。さらに、東京Vは渡辺を下げ、MF李栄直を投入。[3-1-4-1]のような変則的なフォーメーションを敷き、大宮を苦しめたサイドからの仕掛けを止めなかった。そして迎えた70分、香川が左サイドを仕掛けると、内に絞っていた酒井が対応。これがファウルとなりFKを与えると、佐藤のクロスに平智広が合わせて、東京Vが先制した。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181127_25_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)J.LEAGUE PHOTOS<hr></div> ▽数的不利の中、ゴールを奪うとすればセットプレーしかなかった東京V。一方で、曖昧なまま試合を進めたことで、大宮は最も与えてはいけないFKをボックス付近で与えてしまった。前述した“準備”とシーズンを通して積み上げ、構築したものの差。それが、東京Vに勝利を呼び込んだ。 <span style="font-weight:700;">◆“理想の形”を目指し分析と反省を</span> ▽その後、ドリブルで局面を打開できるMF奥抜侃志、高さのあるシモヴィッチを投入した大宮は、少ない時間でこの試合最大の決定機を迎えた。しかし、そこでも東京Vの準備が勝る。後半アディショナルタイム1分、大宮はクロスを上げるとGK上福元直人が飛び出し対応。しかし、手前でシモヴィッチが競り勝ち、ボールは無人のゴールへ。しかし、途中出場のDF若狭大志が間一髪クリアし、事なきを得る。 ▽若狭はこのシーンに対し「カミ(上福元)がクロスに対して出て行ってくれることは以前から一緒にやってきた中で知っていたので、カミを信頼しつつもディフェンスの基本としてカバーに入ることは大事です」と試合後にコメントした。大分トリニータ時代にチームメイトだった2人だからこそ生まれたプレー。また、若狭としても求められる仕事を短い時間でしっかりと遂行した。 ▽アディショナルタイム4分にも、シモヴィッチが胸トラップからシュート。しかし、今度は右ポストに嫌われる。ロティーナ監督は「運に恵まれたこともあり、ゴールを奪われることなく、自分たちにとって非常に大切な勝利を得ることができました」とコメント。さすがの名将も肝を冷やすシーズンが続いた。タラレバにはなるが、終盤の猛攻を見る限り、シモヴィッチをスタートから使い、勝ちに行くサッカーを選択していれば、試合を通して東京Vを押し込めた可能性はある。奇しくも、ホームで2-0と勝利した東京V戦は、シモヴィッチが先発し、ゴールも記録していた。しかし、守備面を考えて選手を起用し、試合に入った。しかし、後手に回る結果となってしまった。 ▽大宮は、2014年に昇格後初めてJ2に降格。2015年はJ2優勝で昇格し、翌年はクラブ史上最高のJ1・5位で終えた。しかし、2017年はクラブ最低のJ1最下位で降格。そして、今年はJ1昇格を逃した。短期間で2度のJ2降格は、どうチームを作るかが定まっていないと言わざるを得ない。2015年はMF家長昭博(現川崎フロンターレ)、MF泉澤仁(現東京ヴェルディ)、FWドラガン・ムルジャなど強力な攻撃陣でJ2を制した。翌年もそのユニットが活躍し5位という成績を残したが、現在は誰も在籍していない。 ▽今シーズンもチームの形を作り上げられず、不安定な戦いに終始し、目標であったJ2優勝、J1昇格を果たせなかった。「シーズン途中に、理想とする形から修正することで、本来狙っていた自分たちの形を求めていけなくなった」と石井監督はシーズンを振り返り語った。“理想とする形”。その形は、シーズンを通して見ることはなかった。 ▽選手の顔ぶれ、そして資金力から「J1に居るべきチーム」と言われる大宮アルディージャ。しかし、真の強さを求め、結果を残せなかったシーズンの分析と反省をし、クラブ・チームとして“理想の形”を目指さなければ、より厳しい状況が待ち受ける来シーズンのJ2リーグでも苦戦することになるだろう。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.11.27 23:10 Tue
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大学No.1から日本代表へ…川崎F連覇の立役者・守田英正の伸び代/編集部コラム

▽始動から5試合を戦い、4勝1分けの無敗で2018年を締めくくった森保ジャパン。ロシア・ワールドカップを終え、それまでのメンバーから一新された日本代表の面々は、どこか閉塞感があったこれまでと比べても期待感が充満している。 ▽MF中島翔哉(ポルティモネンセ)、MF南野拓実(ザルツブルク)、MF堂安律(フローニンヘン)の2列目を託されている3選手がこれまでは際立っており、若さ、フレッシュさでも期待を抱かせているが、その期待の渦中に入り込みそうな選手が川崎フロンターレのMF守田英正だ。 <div style="text-align:center;" id="cws_ad"><hr><a href="https://prf.hn/click/camref:1011l3PkH/adref:innews_j" terget="_blank">DAZNで守田英正の活躍を観よう!<br />1カ月のお試し無料視聴はコチラから!</a><hr></div> ▽2018年、流通経済大学から川崎Fに加入した守田。その世代の大学No.1ボランチとして大きな期待が寄せられる中、「ケガをした選手の代わりに入った時に、その選手と同じぐらい、それ以上のクオリティでやれることが、求められている部分だと思う」と入団時に謙虚な姿勢で語っていた。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181125_morita_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> ▽その言葉の通り、守田はシーズン開幕前に行われたFUJI XEROX SUPER CUP 2018で、右サイドバックで先発したMF田坂祐介に代わる途中出場でいきなりデビュー。ユーティリティ性を買われての起用だった。 ▽J1王者として川崎Fが初めて臨むシーズン。ボランチには、MF大島僚太とMFエドゥアルド・ネットが君臨していた。J1優勝に導いた両ボランチの牙城を崩すことは簡単ではなかったものの、守田は途中出場で確かな経験を積む。 ▽そして、第8節のベガルタ仙台戦でJ1初先発を経験。そこから3試合連続で先発のピッチに立つ。そんな中、ロシアW杯が終了した夏、転機が訪れる。エドゥアルド・ネットの名古屋グランパスへの移籍だ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181125_morita_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ▽中盤の守備の要であったエドゥアルド・ネットの退団を受け、その位置で起用されたのは守田だった。「自分は守備で活躍して、守備で名を売って行きたい」と入団前に語っていたが、その言葉通りまずは守備面でチームに貢献した。 ▽当初は大きな穴になるかと思われたエドゥアルド・ネットの移籍だったが、持ち前の運動量とハードな守備で守田がハマった。まだプレーに粗さこそ目立つものの、ルーキーであることを考えれば、この先の伸び代と考えて良いだろう。 ▽そして、このボランチ起用が守田の成長を加速させる。コンビを組むのは大島。日本代表にも何度も招集され、川崎Fにおいては攻撃面で大きな役割を担っている。守田は「積極的にシュートを打ってゴールを決めたり、スルーパスをしてアシストするという部分が課題」と入団時に口にしていたが、大島の横でプレーすること、そして川崎Fというチームでプレーすることで自身を成長させ、ひたむきな努力を続けた。そして、その成果が花開く。 <div style="text-align:center;" id="cws_ad"><hr><a href="https://prf.hn/click/camref:1011l3PkH/adref:innews_j" terget="_blank">川崎フロンターレの試合はDAZNで!<br />1カ月のお試し無料視聴はコチラから!</a><hr></div> ▽第13節以降は全試合に先発出場。2度の途中交代はあったが、それ以外はフル出場を果たし、川崎FのJ1連覇に大きく貢献した。そして、9月には追加招集ながら日本代表にも呼ばれ、途中出場でデビュー。そして11月シリーズにも追加招集されると、20日に行われたキルギス代表との一戦で、先発デビューを果たした。 ▽キルギス戦での守田のプレーは出色の出来だった。コンビを組んだMF三竿健斗(鹿島アントラーズ)は、守田と同様に守備を得意とするボランチ。しかし、互いに攻撃でも特徴を出そうとバランスを取りながらプレーしていた。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181125_morita_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽守田は川崎Fの試合でも見せるように、常に首を振って周りの状況を確認。チャンスがあれば、縦パスを供給するなど、攻撃にも絡んだ。また、三竿が攻撃に出るときはしっかりと残り、中盤に蓋をした。そして、2人が連動してボールを奪うシーンも見られた。守備を得意とする若い2人のコンビだったが、プレスからのショートカウンターという点では、光明も見えた。 ▽川崎Fという特殊な攻撃のスタイルを持つチームにおいて、周囲の選手との距離感や立ち位置を把握することはとても重要だ。そして、それを吸収し、チームでも日本代表でも守田は発揮した。 ▽その一方で課題も見えた。「後半のラスト10分は自分のミスが続いてボールの奪われ方が悪かったので課題だと思います」と試合後に語っているが、中島、堂安、南野、大迫と日本代表の主力になるであろう4選手が入って以降は、前線との距離感に苦労した。また、ボランチのコンビがMF柴崎岳(ヘタフェ)に代わったことも影響しただろう。海外でプレーする選手たちとの距離感、スピード感に驚いたはずだ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181125_morita_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.<hr></div> ▽川崎Fとはまた違うスピード感、距離感を体感した守田。これまで追加招集で2度呼ばれている状況を考えれば、来年1月のアジアカップに招集される可能性は五分五分だろう。しかし、この先の伸び代という点では、大きな期待が持てる選手だ。 <div style="text-align:center;" id="cws_ad"><hr><a href="https://prf.hn/click/camref:1011l3PkH/adref:innews_j" terget="_blank">JリーグをDAZNで観よう!<br />1カ月のお試し無料視聴はコチラから!</a><hr></div> ▽この1年で一気にプレーする環境が変わった守田。「ボールを奪って、そこから攻撃の起点になるのがスムーズだと思います。そこが目指すべき所」と語っていたが、着実にそこに近づいている。守田の飽くなき向上心でひたむきな努力を続ければ、J1王者、そして日本代表の舵取り役を担う日もそう遠くはないだろう。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.11.25 21:00 Sun
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ランパード監督のスタンフォード・ブリッジ凱旋とサポーターに見せた確かな手腕/編集部コラム

▽10月31日──日本をはじめ世界中がハロウィンで盛り上がる中、チェルシーにとっては忘れられない1日となった。クラブのレジェンド・オブ・レジェンド、フランク・ランパードがスタンフォード・ブリッジに帰還した。それも、選手ではなく監督として─。 「ランパードが帰ってくる」 ▽このニュースに世界中のチェルシーファンが心を躍らせた。 ◆チェルシーとランパードの出会い<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181115_23_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽2001年にウェストハムからチェルシーにやってきたランパードは、元イングランド代表DFフランク・リチャード・ジョージ・ランパード、通称フランク・ランパード・シニアを父に持ち、当時から名の知れた存在であった。 ▽加入後まもなくして、ランパードは当時指揮を執っていたクラウディオ・ラニエリ監督の下でレギュラーの座を掴んだ。 ▽2003年、現オーナーのロマン・アブラモビッチ氏がクラブを買収し、多額の移籍金で大物選手を爆買いしていく中でも、ランパードの地位は揺るがなかった。それは監督が交代しても同じだった。 ▽ジョゼ・モウリーニョ、フース・ヒディンク、カルロ・アンチェロッティ、ロベルト・ディ・マッテオ……。指揮官の就任と解任を繰り返すチェルシーにあって、ランパードは不変、唯一無二と呼べる存在だった。 ▽在籍13年間の中で、ランパードがチェルシーで獲得したタイトルは「14」に上る。3度のプレミアリーグ制覇や4度のFAカップ優勝、2011-12シーズンには念願のチャンピオンズリーグも獲った。“ビッグクラブ”と呼ばれるようになって日が浅いチェルシーをここまでの存在させたのは、ランパードの功績が大きいことは間違いない。 ◆別れと1度目の凱旋<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181115_23_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽しかし、会うは別れの始め。ブルーズの最高選手“スーパーフランク”は2014年夏に退団。移籍先はメジャー・リーグ・サッカー(MLS)のニューヨーク・シティであった。しかし、シーズン開幕までの間、突如姉妹クラブであるマンチェスター・シティでプレーすることに。そのニュースに目を疑った方も多かっただろう。「あのランパードが敵になるのか?」全チェルシーファンが同じことを思ったに違いない。 ▽そして、その日はやってくる。2014年9月21日、エティハド・スタジアムで行われたマンチェスター・シティvsチェルシーの一戦。チェルシーが1点をリードして迎えた78分、ランパードはDFアレクサンダル・コラロフに代わって途中出場を果たした。しかも、同点弾というプレゼント付きで。 ▽日本ではこれを「恩返し弾」と言うが、どこが恩返しだろうか。「やってくれる…」、まさかランパードにこんな感情を向けることになるとは思っていなかっただろう。 ▽そんなこともありながら、その後ニューヨーク・シティで1年プレーしたランパードは2017年2月に自身のフェイスブックで引退を発表。チェルシーでともにキャプテンとしてチームを支えたDFジョン・テリーは「君が居なくなって寂しくなる。一緒にプレーできたことは本当に名誉なことだった。君との思い出は一生忘れない」とコメント。ほかにもディディエ・ドログバやミヒャエル・バラックなどかつての仲間や盟友たちから多くの激励の言葉が寄せられた。 ◆ランパード監督誕生<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181115_23_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽引退後は指導者に転身することを明らかにしていたランパード。その機会は意外にも早くやってきた。5月31日、イングランド2部のチャンピオンシップに所属するダービー・カウンティがランパード監督就任を発表。IQ150以上のインテリがついにトップクラブを率いることになった。 ▽監督就任に際しランパードは「これは監督として初めての仕事だ。だが、これまで素晴らしい監督を近くで見てきた。自分の力に自信を持っている」と豪語。その言葉通り、ランパード率いるダービーは昨季プレミア昇格プレーオフ決勝まで進んだ勢いそのままに、ここまで8勝4分け5敗で6位に位置。首位のシェフィールド・ユナイテッドとは勝ち点差5としている。 ▽しかし、好調さはこれだけにはとどまらなかった。ダービーは9月26日にEFLカップ3回戦でマンチェスター・ユナイテッドと対戦。率いるのはかつてチェルシーで師弟関係にあったモウリーニョ監督だ。 ▽試合前に「勝てるかどうかは正直かなり難しいところだ。だが我々はファンに恥ずかしくない試合をしなければならない」と控えめなコメントを残していたが、始まってみれば、ユナイテッドに引けを取らない勇ましい姿を見せた。ダービーは相手のシュート数を上回る試合内容で、見事にPK戦の末に勝利。試合後、ランパード監督は「隣に立てただけでとても光栄」と謙虚な姿勢を貫いた。 ▽“ランパード率いる”ダービーがユナイテッドを下したことに、チェルシーファンは驚くとともに誇らしげだったことだろう。だが、彼らををさらに驚かせたのはこの後のことだった。4回戦の組み合わせ抽選の結果、ダービーはチェルシーと対戦することが決定。舞台はスタンフォード・ブリッジ。期待していたような、していなかったようなことが現実になった。 ◆2度目の凱旋と未来への期待<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20181115_23_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽「私にとって特別な機会となる。とても興奮しているし、スタジアムの4万人の“友達”に会えることを楽しみにしている」と語るように、ランパード監督自身も特別な感情を抱いていた。 ▽迎えた試合当日、世間がハロウィンで盛り上がる中、その男はチェルシーという“家”にやってきたのだ。スタンドのファンやサポーターに拍手で迎えられ、ランパードもそれに応える。チェルシーのスタッフと握手をし、マウリツィオ・サッリ監督と挨拶を交わした。 ▽固唾を呑んで見守られる中始まった試合は、ダービーが2度のオウンゴールで得点を与えてしまうなど、チェルシーが3-2で勝利。しかし、勇猛果敢にチェルシーに挑んだダービーは内容では劣っていなかった。 ▽内容の充実度は試合後のコメントからも見て取れた。「チェルシーは3点決めたけど我々は4点だったかな? それは冗談だがチームを誇りに思うよ」とランパード監督が語るように、チェルシーは敗れていたもおかしくなかった。それほど、ダービーは監督の戦術を理解し規律を守ったうえで格上と互角以上に戦ったのだ。 「これはランパードがチェルシーを率いるのはそう遠くない」 ▽こんなことを感じざるを得ないほど、ランパード監督の指示や戦術は的確だった。 ▽そして、今月11日、ダービーはチャンピオンシップ第17節でアストン・ビラと対戦。アストン・ビラは先日現役引退を発表したジョン・テリーがアシスタントコーチを務めており、チェルシーやイングランド代表でともにした盟友が敵として向かい合ったのは、2001年3月7日のウェストハムvsチェルシー以来のことだった。 ▽当時はランパードとジョン・テリーはそれぞれウェストハムとチェルシーでプレーしていたが、今回は全く違う立場で激突。試合はアストン・ビラが3-0で勝利したのだが、この2人がピッチの外でライバルになるなんて誰が想像しただろうか。 ▽もしかすると、ブルーズを愛した2人のレジェンドがスタンフォード・ブリッジで再び共闘する姿が見られるかもしれない。そんな夢物語を今は胸にしまっておきたい。 2018.11.15 22:30 Thu
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