【プレビュー】“悲劇”と“奇跡”を味わった両雄によるトップ4を懸けた首都デルビー!《ラツィオvsローマ》

2018.04.15 12:00 Sun
Getty Images
▽セリエA第32節、ラツィオvsローマによる“デルビー・デッラ・カピターレ”が日本時間15日27:45にスタディオ・オリンピコでキックオフされる。ミッドウィークに行われたヨーロッパの戦いで“悲劇"と“奇跡"を味わった、勝ち点60で並ぶ4位のラツィオと3位のローマによる、トップ4を懸けた今季2度目の首都デルビーだ。
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▽前々節ベネヴェント戦での6-2の大勝でリーグ戦3試合ぶりの勝利を手にしたラツィオは前節絶不調のウディネーゼ相手に先制を許しながらも鮮やかな逆転勝利を飾り、リーグ戦2連勝。熾烈なチャンピオンズリーグ(CL)出場権争いを繰り広げるローマ、インテル(勝ち点59)の取りこぼしを生かして3位ローマと同勝ち点の4位に浮上した。しかし、ミッドウィークに敵地で行われたヨーロッパリーグ(EL)準々決勝2ndレグのザルツブルク戦では1stレグでの4-2のアドバンテージに加え、後半立ち上がりにFWインモービレのゴールで先制と余裕の展開の中、70分過ぎに4分間で3点を失い、最終的に3点差を引っくり返される“ザルツブルクの悲劇”を味わうことになった。その“悲劇”から相手より準備期間が2日少ない中2日の厳しい日程の中でリバウンドメンタリティが求められる。
▽一方、ローマは直近のリーグ戦でボローニャ、フィオレンティーナ相手に1敗1分けと取りこぼしたうえ、CL準々決勝1stレグで1-4の大敗を喫する厳しい戦いを強いられていた。しかし、ミッドウィークに行われたバルセロナとの2ndレグでは指揮官の3バック変更やエースFWゼコやMFデ・ロッシ、DFマノラスの圧巻の活躍によって3-0で完勝。2戦合計4-4もアウェイゴール差で上回り、3点差を引っくり返す“オリンピコの奇跡”でCLへの名称変更後初となるベスト4進出を果たした。その勇敢な戦いぶりはイタリア国内ならず世界中で称賛を浴びており、重要なデルビーを前に最高のチーム状態に仕上げてきた。

▽なお、昨年11月に行われた前回対戦ではホーム扱いだったローマが後半立ち上がりにFWペロッティのPK、MFナインゴランのミドルシュートで2点を先行。その後、FWインモービレのPKでラツィオが一矢報いるもローマが2-1で勝利している。

◆ラツィオ◆
【3-3-2-2】

▽ラツィオ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:ストラコシャ
DF:ルイス・フェリペ、デ・フライ、ラドゥ
MF:マルシッチ、パローロ、ルーカス・レイバ、ミリンコビッチ=サビッチ、ルリッチ
FW:ルイス・アルベルト、インモービレ
負傷者:DFパトリック
出場停止者:なし
▽出場停止者はいない。負傷者に関しても控えDFパトリックを除く全選手が起用可能だ。

▽スタメンに関してはザルツブルク戦から中2日という過密日程を考慮してルイス・フェリペとバスタに代わってバストス、マルシッチ、ジョルダン・ルカクなどが起用される可能性もある。

◆ローマ◆
【3-5-2】

▽ローマ予想スタメン
(C)CWS Brains,LTD.
GK:アリソン
DF:ファシオ、マノラス、ファン・ジェズス
MF:フロレンツィ、ストロートマン、デ・ロッシ、ナインゴラン、コラロフ
FW:シック、ゼコ
負傷者:DFカルスドルプ、FWペロッティ、デフレル
出場停止者:なし

▽出場停止者はいない。負傷者に関しても直近のバルセロナ戦から状況は変わっておらず、ペロッティとデフレルが招集メンバーを外れた。

▽システムに関してはメインシステムの[4-3-3]に戻す可能性もあるが、相手が3バックを採用していることもあり、バルセロナ撃破を果たした[3-4-3]、[3-5-2]の変則布陣で臨む可能性が高い。スタメンも同じ11人を起用し、相手の運動量低下が見込まれる後半の勝負所でMFジェンギズ・ユンデル、FWエル・シャーラウィを投入する可能性が高い。

★注目選手
◆ラツィオ:MFルーカス・レイバ
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▽ラツィオの注目プレーヤーは、中盤で攻守のバランスを整えるルーカス・レイバだ。昨夏、ミランに旅立った元キャプテンのMFビリアの後釜としてリバプールから加入したルーカス・レイバは当初、セリエAへの適応やビリアの後釜を担うクオリティーに関して懐疑的な見方をされていたものの、百戦錬磨の守備的MFはすぐさまラツィオのスタイルに適応。自身最大の特長であるポジショニングや守備センスを生かして中盤のリスク管理を取り仕切ると、シーズン中盤からはミドルシュートや3列目からの攻撃参加など攻撃面でも存在感を示し、ここまで公式戦4ゴール7アシストと“嬉しい誤算”をインザーギ監督にもたらしている。ただ、今回の一戦に向けてはセカンドボールの回収やシンプルな繋ぎによるハイプレス回避など、地味ながら重要なリスク管理の部分での働きが求められる。

◆ローマ:MFダニエレ・デ・ロッシ
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▽ローマの注目プレーヤーは、キャリア最後のデルビーとの噂も伝えられるデ・ロッシだ。2001年のトップチームデビュー以降、フランチェスコ・トッティの後釜として“未来のカピターノ”と言われてきたローマ育ちの生え抜きMFは34歳で迎えた今季にようやく正式なカピターノに就任。昨年11月のジェノア戦では相手FWへのビンタでPK献上&一発退場という、相変わらずのヤンチャさを見せたものの、皇帝トッティなき初めてのシーズンを戦うジャッロロッソの精神的支柱としてディ・フランチェスコ新体制のチームを支える。

▽ミッドウィークに行われたCLバルセロナ戦では先制点のアシストに加え、巨大な重圧がかかったPKの成功、要所を締める守備と圧巻の存在感を放ち“オリンピコの奇跡”の立役者となった。その試合後に「今日はローマでのキャリアで最も幸せな日」と語ったデ・ロッシだが、正式なカピターノとして臨むデルビーで再び重要な勝利を収めて再び歓喜を味わいたい。なお、試合前にはクルヴァ・スッドが自身に向けたコレオグラフィーを用意しているとも伝えられており、特別な一戦になることに間違いないはずだ。

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