【編集部コラム】サムライブルーの命運を託された男…G大阪時代から紐解く西野流2018.04.13 19:00 Fri

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▽ロシア・ワールドカップ(W杯)開幕が2カ月後に迫る中、日本サッカー界に激震が走った。日本サッカー協会(JFA)は9日、ヴァイッド・ハリルホジッチ日本代表監督を解任。JFA技術委員長としてチームをサポートしていくはずだった西野朗氏にロシアW杯での日本代表の命運を託した。

▽「本来であれば、日本代表の監督をはじめ、スタッフをサポートしていく立場」と、西野氏が12日の監督就任会見で胸中を明かしたとおり、まさに“青天の霹靂”。2016年3月のJFA技術委員長就任当時から抱く覚悟、あるいは未来図をも崩壊させる予想外の展開だったに違いない。

◆ハイライトはG大阪時代
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▽では、“西野朗という男”とは何者か。その西野氏の日本代表監督電撃就任を一斉に取り上げた各メディアの人物紹介は、1996年にアトランタ・オリンピックの世代別日本代表監督として、ブラジル代表を下した“マイアミの奇跡”が主。だが、西野氏の指導者としての歩みを語るのであれば、ガンバ大阪時代は欠かせない。

◆西野流のチーム作り
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▽現役時代を過ごした日立製作所の前身である柏レイソルで指導者キャリアをスタートさせた西野氏は、2002年からG大阪を指揮。G大阪に“打ち合いの精神”を宿した先駆者として知られ、「2点取られたら3点、3点取られたら4点取れば良い」の口癖的な誓いは、G大阪サポーターにとって今もなお語り草だ。

▽バルセロナのレジェンドである元オランダ代表のヨハン・クライフ氏の崇拝者としても知られる西野氏の根底は、もちろん超攻撃的なサッカーだ。だが、殴り合い上等のロマンチストな指揮官との先行しがちなイメージに加えて、現有戦力、あるいは選手個々の特性を生かしたリアリストな起用法も西野流。それこそがチーム作りの基盤となる。

◆柔軟性が導き出したスタイル
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▽当時のG大阪は、才能に溢れた若い原石の巣窟。MF遠藤保仁やDF山口智の移籍組やDFシジクレイやMFフェルナンジーニョ、FWアラウージョ、FWマグノ・アウベスといった有力助っ人を軸に、DF宮本恒靖やMF橋本英郎、MF二川孝広、FW大黒将志といった生え抜きの有望株を多用しつつ、当時の戦力に最適な戦い方を探った。

▽結果、行き着いた先がポゼッションとパス&ムーブを織り交ぜた攻撃サッカーだ。ただ、西野氏はそういった類の戦い方に固執した指導者では決してない。2002年にFWマグロンを軸にリアクションサッカーを展開した事実が示すように、現有戦力の個性を見極めた上で、最も適した戦い方を用いる柔軟性も併せ持つ指導者だ。

◆G大阪に黄金期をもたらす
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▽G大阪時代の功績に目を向ければ、創世記からタイトルと無縁だったチームに数々の栄冠をもたらせた。J1リーグ初制覇時の2005年は、西野サッカーが数字として表れたシーズンだった。リーグワースト3位の58失点を喫した守備面に対して、攻撃面はリーグトップの82得点。Jリーグに新たな風を吹き込んだという意味でもセンセーショナルだった。

▽2005年を境に、西野ガンバは黄金期に突入した。柏時代の教え子であるMF明神智和、DF加地亮といった一線級の主力を加えた一方で、大黒とアラウージョを失った2006年以降は、3バックから4バックにシフトするなど、攻撃に振り切った針をやや守備寄りに。すると、2007年にJリーグカップ初制覇、2008年から天皇杯連覇を成し遂げた。

◆ユナイテッド戦で体現した西野流の真髄
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▽そして2008年、西野ガンバはAFCチャンピオンズリーグをクラブ史上初制覇。同年末に自国で行われるクラブ・ワールドカップの出場権を手にした。その準決勝で対戦したのが、アレックス・ファーガソン元監督が率い、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウド(現レアル・マドリー)ら名前を挙げればきりがないほどスター選手を擁するマンチェスター・ユナイテッドだった。

▽当時、欧州最強のアタッカー陣を擁したユナイテッドとの一戦。結果として真っ向勝負を挑み、3-5で打ち負けたが、西野氏はチームとして結果を求め過ぎるが故に選手個々の能力を抑え込むことを嫌う。先の就任会見で「個人のプレーに制限をかけたくない」と語った言葉が“選手ファースト”という西野流の真髄を示しているように思えてならない。

◆Jリーグ最多勝利監督の手腕はいかに
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▽その西野氏は、会見で「攻撃的な思考を求めたゲーム展開に当然したい」とも語った。さらに、「最高の化学反応をもたらせる選手選考」のフレーズも飛ばしている。だが、初タイトルまで4年間を要したG大阪時代ほど猶予はない。“化学反応”のワードを何度か口にした西野氏だが、わずか2カ月の準備期間で2年ほど離れた指導者としての勘をどう取り戻し、どう代表を立て直していくのか。重責を承った今、Jリーグ最多勝利監督の手腕を信じたい。
《超ワールドサッカー編集部・玉田裕太》

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【編集部コラム】今大会顕著に見られる相手国対策、日本はできているのか

▽4年に1度のサッカーの祭典が開幕し、4日が経過した。ここまでグループAのロシア代表vsサウジアラビア代表からスタートし、11試合が消化。第1節も残すところ5試合となった。 ▽我らが日本代表は19日の21時に初戦を迎える。相手はコロンビア代表。4年前のブラジル・ワールドカップでも同じグループに属し、第3戦目で4-1と大敗を喫したチームだ。 ▽戦前の予想では、コロンビアの勝利が優勢。日本が勝利すること、そして勝ち点を得ることは、厳しいミッションだと言えるだろう。 <span style="font-weight:700;">◆番狂わせは不可能ではない</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽しかし、今大会の4日目までの11試合を振り返ると、必ずしも本命が結果を残せているというわけではない。むしろ、今大会は番狂わせと言える結果がここまでも多い。 ▽例えば、大会2日目、グループBのモロッコ代表vsイラン代表のイラン、大会3日目、グループDのアルゼンチン代表vsアイスランド代表のアイスランド、大会4日目、ドイツ代表vsメキシコ代表のメキシコ、ブラジル代表vsスイス代表のスイスが挙げられる。 ▽メキシコやスイスはワールドカップでも実績があり、番狂わせとは言いにくいかもしれないが、前回王者のドイツ代表に勝利したこと、ブラジル代表に引き分けたことは、驚きと言っても良いだろう。 <span style="font-weight:700;">◆共通項は守備時の“オーガナイズ”</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽それ以上に驚きを与えたのは、イランとアイスランドだ。イランは直近では1998年、2006年、2014年とワールドカップに出場したが、勝利は1998年以来20年ぶりの快挙となった。 ▽一方、アイスランドは人口がワールドカップ史上最少の国であり、2年前のユーロで大舞台に初めて立ったチーム。アルゼンチン戦は、ワールドカップ初戦だった。 ▽この2カ国に共通していたのは、守備時の“オーガナイズ”だ。互いに監督が用意したプランをチームとして完遂することを90分間続けた結果が、試合結果にも表れた。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽また、これはドイツに勝利したメキシコにも言える。フアン・カルロス・オソリオ監督が「我々は6カ月前からプランを準備してきた」と語った通り、ドイツの良さを消しに行くプランを遂行。アンカーの位置に入ったMFトニ・クロースにマンマークを付けることで、嫌がるクロースを中央から追い出す作戦に成功。その後は、ボール奪取から2人のセンターバックで守るが故に空いたスペースを使ったカウンターを仕掛け何度もドイツゴールを脅かし、前半のうちに先制。ドイツは後半対応したものの、今度は[5-4-1]で跳ね返し続け、メキシコはそのまま逃げ切った。 ▽イランにしても、モロッコを相手にハードワークを90分間通して行い、低いディフェンスラインから、切れ味鋭いカウンターで応戦。2列目がしっかりとボールを奪えたからこそ、カウンターが生き、終盤にFKを得ると、そこからオウンゴールで勝利した。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽アイスランドも顕著だった。FWリオネル・メッシに対しての人数の掛け方、2トップを含めてのラインの距離、そしてむやみに奪いに行かず、距離を保ちながらタイミングを見てのボール奪取。キャプテンでもあるMFアーロン・グンナルソンのコーチングも光っていた。ユーロ2016でもチームとしての戦い方に完成度の高さを見せたアイスランドだったが、ワールドカップの舞台でもそれ以上のパフォーマンスを見せたと言えるだろう。 ▽それぞれの国が、強者に対しての戦い方として、しっかりと準備してきたものを選手たちがピッチ上で体現できたことで、予想を覆す結果を残した。決して、相手が舐めていたというわけではないだろう。 <span style="font-weight:700;">◆日本はどう出るか</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽初戦を19日に控える日本。相手は前述の通り、4年前に悔しい思いをさせられたコロンビアだ。力関係としては、前述のカード以上かも知れない。 ▽しかし、ここまでの今大会を見れば、いかにチームとして準備を行い、相手の研究を徹底して、ウィークポイントを抑えること。さらに、そこから反撃に出るプランをどう立てているかだ。 ▽西野朗監督の強化試合3試合を観る限り、ハッキリと決められていたものはないように思える。スイス代表戦、パラグアイ代表戦と結果は1勝1敗だが、チームとしての完成度は低い。西野監督も、これまでのチーム作りを見れば相手を研究して…というタイプではないだろう。 ▽一方で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は昨年12月1日の抽選会後、対戦相手3カ国の研究、分析に入っていた。そのデータがどこまで引き継がれているのかはわからないが、今の日本が相手のことをどこまで丸裸にできているのかは不明だ。大会後にでもハリルホジッチ監督のレビューを聞いてみたいものだが…。 ▽理想を求めることも大事であり、可能性を求めて戦うことも重要だ。しかし、現実を見ることは何よりも重要。相手に対してどれだけ準備をし、ピッチ上で11人が体現してこそ、自分たちのサッカーが生まれるはずだ。日本の初戦は、他国の戦いと比較するという点でも注目だ。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.06.18 23:30 Mon
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【CL決勝特集②・キーマッチアップ】最注目はマルセロvsサラー!

▽チャンピオンズリーグ(CL)決勝、レアル・マドリーvsリバプールが、日本時間26日27:45にキエフ(ウクライナ)のオリンピスキ・スタジアムでキックオフされる。前人未到の3連覇に意気込む王者マドリーと、13年ぶり6度目の優勝を目指す躍進のリバプールによる今シーズン最後のビッグマッチだ。 ▽ここでは運命のファイナルの戦局を左右する3つのマッチアップに焦点を当てて、両チームのキープレーヤーを紹介していく。 <span style="font-weight:700;">◆神出鬼没のフィルミノを止められるか</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180525_101_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今回のファイナルではマルセロvsサラー、C・ロナウドvsファン・ダイクという両エースと守備陣のマッチアップに最も注目が集まっているが、試合の流れに大きな影響を与えそうなのが、マドリーの主力CBとリバプールの陰のエースFWのマッチアップだ。 ◆DFラファエル・ヴァラン(25歳/レアル・マドリー) CL出場試合:10試合(先発10)、出場時間:848分 得点数:0、アシスト数:1 ▽マドリーが誇る世界屈指の万能型センターバック。高さ、強さ、速さの全てを兼ね備えた圧倒的な対人守備と幅広いエリアをカバーできるフランス代表DFは攻撃的なチームを後方から支える頼れるディフェンスリーダーの1人だ。その一方で、守備範囲の広さが仇となり、不必要にサイドや前に釣り出されて最も危険なエリアを度々空けてしまう悪癖もある。今回の対戦相手のフィルミノはトップ下が本職でサイドや中盤に流れて起点作りやスペースメイクを得意としており、最も苦手なタイプと言える。通常であれば、相棒セルヒオ・ラモスやMFカゼミロが自身の空けたスペースをケアしてくれるが、今回はサラーと対峙するマルセロのカバーに終われる可能性が高く、ヴァランの的確なポジショニングや判断が重要となる。 ◆FWロベルト・フィルミノ(26歳/リバプール) CL出場試合:12試合(先発12)、出場時間:966分 得点数:10、アシスト数:8 ▽今季最も過小評価される万能型ストライカー。サラーとマネという世界最速クラスの強力ウイングを支えるブラジル代表FWだが、サラーと並ぶチームトップの得点数とミルナーに次ぐ8アシストでチームの総得点(40点)のほぼ半数に絡む圧巻の存在感を放っている。決定力、ラストパスの精度に加えてボールを引き出す動きや味方の動き出しを見逃さない視野の広さが光り、現スカッドで最も替えが利かないプレーヤーの1人だ。今回の一戦に向けては相手の出方次第という部分はあるものの、守備の局面ではハイプレスの一の矢として相手センターバックにプレッシャーをかけると共に、同胞MFカゼミロの脇のスペースや局面に応じてサイドで味方ウイングと数的優位を作って起点となり、インサイドハーフの攻撃参加を促して攻撃のアクセントとなりたい。 <span style="font-weight:700;">◆リーダー同士による中盤のマッチアップ</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180525_101_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ▽互いにリスクを冒して中盤を飛ばす戦い方を選ぶ可能性もあるが、スペースも時間も限られる最激戦区の中盤の攻防でカギを握るのが、攻守両面で幅広いタスクを担う32歳の同級生同士のマッチアップだ。 ◆MFルカ・モドリッチ(32歳/レアル・マドリー) CL出場試合:10試合(先発10)、出場時間:868分 得点数:1、アシスト数:1 ▽エル・ブランコのCL連覇をけん引してきた絶対的司令塔。今季はややコンディションを維持するのに苦戦を強いられているものの、傑出した戦術眼とテクニック、勝負強さによってビッグマッチで存在感を示し続けているクロアチア代表MF。豊富な運動量と球際の強さを最大のストロングポイントとするリバプール相手の試合では、そのプレスを掻い潜るボール捌きに加えて、セカンドボールを奪い切る強さが求められる。インサイドハーフかセントラルMF、右サイドハーフのいずれでプレーするかは不明だが、マッチアップの相手は同級生であるダイナモとなる可能性が高い。トッテナム時代にも対峙した難敵相手に後れを取ることは許されない。 ◆MFジェームズ・ミルナー(32歳/リバプール) CL出場試合:10試合(先発8)、出場時間:791分 得点数:0、アシスト数:9 ▽クロップスタイルを体現するダイナモ。DFロバートソンの台頭によって今季は本職のインサイドハーフに固定されている元イングランド代表は武骨なプレーでリバプールの中盤を攻守に支えている。さらに、ここまでCL史上最多となる9アシストを記録するなど、チャンスメーカーとしての才能まで開花させた。格上マドリーとの対戦でまず求められるのはモドリッチやMFクロースと相手のパスの供給源を断つことだが、持ち味のボール奪取能力と正確な右足のキックを武器に今季CL2桁アシストも狙いたい。 <span style="font-weight:700;">◆ローマ時代から凄みを増したサラーを止められるか</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180525_101_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今回の決勝で最も注目を集めるのが、バロンドール候補にも挙がるリバプールの絶対的エース、サラーのパフォーマンス。そして、そのサラーと対峙するのがエル・ブランコの重鎮マルセロだ。奇しくもサラーの名前が広く知られることになったのは、ローマ時代の2015-16シーズンCLラウンド16でマルセロ相手に見せた圧巻のプレーだった。当時は決定力を欠き、チームを勝利に導くことはできなかったが今回はいかに。 ◆DFマルセロ(30歳/レアル・マドリー) CL出場試合:1試合(先発10)、出場時間:868分 得点数:3、アシスト数:2 ▽エル・ブランコが誇る世界最高の左サイドバック。攻守両面で圧巻のパフォーマンスを披露した昨シーズンに比べてパフォーマンスを落とす今季のブラジル代表DFだが、シーズンが進むにつれてパフォーマンスを上げてきた。とりわけ、ビルドアップの局面や攻撃参加の質が高く、バイエルンとの準決勝2試合では1ゴール1アシストを記録し、チームの決勝進出に大きく貢献した。その一方で、守備の局面では軽さや緩さが目立ち、チームの大半の失点は自身のサイドを破られてのものだ。さらに、ローマ時代に対峙したサラーには2戦を通じてコテンパンにやられており、当時の圧倒的な突破力に強さと決定力まで身に着けた怪物相手に劣勢が予想される。そのため、セルヒオ・ラモスや味方とうまく連係を取りつつまずは守備の仕事を優先したい。また、攻撃面では持ち味のキック精度を武器に守備から攻撃に入れ替わる際のファーストパスで存在感を示したいところだ。 ◆FWモハメド・サラー(25歳/リバプール) CL出場試合:12試合(先発11)、出場時間:899分 得点数:10、アシスト数:4 ▽メッシとC・ロナウドの聖域に割って入る怪物アタッカー。今季の公式戦51試合で44ゴールと圧倒的なスタッツを残し、プレミアリーグの賞レースを席巻したエジプト代表FW。ローマ時代の圧倒的な突破力、チャンスメーク能力に加え、憎らしいほどの決定力まで手にし、完全無欠のアタッカーに成長しつつある。ただ、前述のようにメッシとC・ロナウドの独占状態だったバロンドールレースにパフォーマンス面で完全に割って入ったサラーだが、継続性と共に劣るのはチームにタイトルをもたらす勝負強さだ。今回の一戦ではマルセロという大きな壁を相手にゴールやアシストに直結する仕事をみせたい。 2018.05.26 13:45 Sat
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【CL決勝特集①・戦術分析】不動のリバプールに対して“勝負師”ジダンの策は?

▽チャンピオンズリーグ(CL)決勝、レアル・マドリーvsリバプールが、日本時間26日27:45にキエフ(ウクライナ)のオリンピスキ・スタジアムでキックオフされる。前人未到の3連覇に意気込む王者マドリーと、13年ぶり6度目の優勝を目指す躍進のリバプールによる今シーズン最後のビッグマッチだ。ここでは注目の一戦のタクティカルプレビューを紹介する。 <span style="font-weight:700;">◆注目の主導権争い</span> ▽共に世界屈指の破壊力を持つ前線の個の力を生かしたカウンターを武器とするチーム同士だ。その一方でMFクロース、MFモドリッチ、MFイスコという世界屈指のボールプレーヤーを擁するマドリーがポゼッションスタイルでも問題なく戦えるのに対して、MFヘンダーソン、MFワイナルドゥム(ジャン)、MFミルナーと運動量とハイインテンシティを売りとするリバプールはポゼッションを得意としておらず、通常であればマドリーがボールを保持してゲームをコントロールするはずだ。 ▽ただ、ボールを保持すれば、マンチェスター・シティをも凌駕するプレッシングの威力を持つリバプールのフィールドでの戦いを強いられるため、ジダン監督は敢えて相手にボールを持たせて自陣深くで攻撃を撥ね返してのカウンターという策を採る可能性も十分にあるはずだ。 <span style="font-weight:700;">◆注目はジダンの選ぶ11人</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180525_100_tw.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽前述の主導権争いと絡む話となるが、不動のリバプールに対してジダン監督の採用するゲームプランが試合の流れを作ることになるはずだ。 ▽前線に多士済々のタレントを抱えるマドリーは今季の戦いで[4-3-1-2]、[4-4-2]、[4-3-3]の3つのシステムを併用しており、とりわけここ最近はイスコを起用する際に[4-3-1-2]、[4-3-3]を、FWアセンシオとMFルーカス・バスケス起用時に[4-4-2]を採用する頻度が高い。そして、イスコ起用時はプレッシングの強度が高い相手に対して、完全なボールプレーヤーである同選手のキープ力、パスセンスを生かして中盤での数的優位、サイドでの局地的な数的優位を生かしてプレスの網を掻い潜る、よりゲーム試合を意識した戦いを見せている。 ▽逆に、サイドバックでも起用可能な運動量と守備力を持つバスケスと、一定の守備力とイスコに比べて推進力のあるアセンシオを起用する際には、より組織だった守備やプレッシングの強度を生かしてカウンター志向を強めている。さらに、サイドハーフのサポートを得たサイドバックの攻撃参加の頻度も高くなる特徴がある。 ▽ジダン監督が相手のプレスに対して真っ向から打ち合う場合にはイスコの起用と共に前述の[4-3-1-2]、[4-3-3]を、リバプールの遅攻の精度をウィークと考えて自陣に引き入れての戦いを想定した場合はカウンター向きの[4-4-2]を採用するはずだ。 <span style="font-weight:700;">◆マドリーは後半勝負でリバプールは逃げ切りか?</span><div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180525_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽一発勝負のファイナルで重要となるのが、試合途中に戦局を変えるゲームチェンジャーの存在だ。これ関してはこれまで神がかり的な采配を見せてきたジダン監督の勝負師としての才覚、選手層の厚さという意味でも明らかにマドリーに分がある。 ▽負傷離脱中のMFチェンバレンやMFララナ、MFジャンのコンディション不良によって主力と控えの実力に乖離があるリバプールは、DFクラバンやDFクラインといった守備固め要員以外に効果的な交代カードが存在せず、スタメン11人のパフォーマンスがより重要となるところだ。仮に、リードを許して試合終盤に投入できるカードは経験不足のFWソランケ、パンチ力不足のFWイングスしかおらず、リバプールが勝利するためには先行逃げ切りの形に持ち込むしかないと思われる。 ▽これに対して、一部ポジションを除き先発予想が難しいほど主力と控えの実力が拮抗しているマドリーは、3枚の交代枠を含めた“14人”での戦いが可能だ。とりわけ、先発に推す声もある絶好調のMFベイルはリバプールの運動量が落ち始めた後半に投入されれば、驚異的なスピードにシュートレンジの広さ、空中戦の強さと、相手守備陣に最も脅威を与える存在になりそうだ。さらに、中盤に活力を与えるMFコバチッチやDFナチョと緊急時にも自信を持ってピッチに送り出せる人材も揃っている。 2018.05.26 13:45 Sat
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【2017-18リーガエスパニョーラベストイレブン】バルセロナから最多4選手を選出

▽2017-18シーズンのリーガエスパニョーラが終了しました。そこで本稿では今季のリーガエスパニョーラベストイレブンを超ワールドサッカー編集部が独自に選定してみました。 ◆リーガエスパニョーラベストイレブン GK:オブラク DF:ジェネ、ゴディン、ユムティティ MF:ゴンサロ・ゲデス、ファビアン・ルイス、パレホ、イニエスタ、ジョルディ・アルバ FW:メッシ、ストゥアーニ GK ヤン・オブラク(25歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:37(先発:37)/出場時間:3330分 失点数:22<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今季も抜群の安定感を示して3年連続のサモラ賞(最優秀GK)を獲得した。今季チームは昨季から11点も少ない58得点と深刻な得点力不足に悩まされた。その中で2位フィニッシュできた最大の要因こそ昨季の26失点を上回る堅守を築いた守備陣。とりわけ、相手の決定的な枠内シュートを驚異的な反応で防ぎ続けたスロベニア人守護神の躍動ぶりは見事だった。前半戦のインパクトではバルセロナGKテア・シュテーゲンに劣るも文句なしの今季最優秀GKだ。 DF ジェネ・ダコナム(26歳/ヘタフェ) 出場試合数:36(先発:36)/出場時間:3240分 得点数:1<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽リーグ3位の堅守を支えた遅咲きの万能型DF。今季、ベルギーのシント=トロイデンから加入した26歳のトーゴ代表DFはセグンダのアルコルコンでのプレー経験はあったもののプリメーラは初挑戦だった。しかし、180cmに満たないサイズながらも圧倒的な身体能力やスピードを武器に世界屈指のアタッカー陣との一対一をことごとく制すなど対人守備は無敵。さらに、フィジカル能力に長けた選手にありがちな集中力や無謀なプレーも少なく、チームの組織的な守備にも順応していた。今夏の移籍市場では間違いなくビッグクラブが触手を伸ばすはずだ。 DF ディエゴ・ゴディン(32歳/アトレティコ・マドリー) 出場試合数:30(先発:28)/出場時間:2553分 得点数:0<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽堅守アトレティコの頼れるディフェンスリーダーは今季も健在。対戦相手による徹底対策の影響か、チーム全体でセットプレーが機能せず珍しく無得点でシーズンを終えた。ただ、本職の守備ではリュカ、サビッチ、ホセ・ヒメネスと相棒が入れ替わる中で見事な統率力を発揮して昨季以上の堅守構築に大きく貢献した。 DF サミュエル・ユムティティ(24歳/バルセロナ) 出場試合数:25(先発:24)/出場時間:2189分 得点数:1<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽前半戦の堅守を支えた若きディフェンスリーダー。加入2年目で凄みを増した今季は組織的な守備の構築に長けた新指揮官の下で守護神テア・シュテーゲンと共に躍動。卓越した身体能力とプレーリードを武器に相手のエースストライカーをことごとく封殺。また、ビルドアップの局面では昨季以上に安定したパス捌きを見せていた。 MF ゴンサロ・ゲデス(21歳/バレンシア) 出場試合数:33(先発:27)/出場時間:2437分 得点数:5<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽クリスティアーノ・ロナウド2世が完全ブレイク。昨季、途中加入したパリ・サンジェルマンでは思うように出場機会を得られず、昨夏にレンタル移籍でバレンシアに加入すると、下馬評が低かったチームと同様に序盤から快進撃を見せた。若かりし頃のC・ロナウドを彷彿とさせる驚異的な加速力と足元のテクニックを武器に左サイドを蹂躙し高速カウンターの担い手になると共に、ハイスピードでも落ちないプレー精度と判断力で5ゴール11アシストとフィニッシュの場面の存在感も抜群。両足から繰り出されるパンチのあるシュートに磨きがかかれば、さらなる飛躍も期待できる。 MF ファビアン・ルイス(22歳/ベティス) 出場試合数:34(先発:30)/出場時間:2642分 得点数:3<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今季のリーガ最大のサプライズ。直近の2シーズンはリーグ戦16試合の出場にとどまり、同い年で同じレフティのダニ・セバージョス(現レアル・マドリー)の陰に隠れていた。しかし、セティエン新監督の下ポゼッションスタイルに変貌を遂げたチームでポジションを勝ち取ると、優れたパスセンスと球際の強さ、運動量を生かして瞬く間に若きリーダーに成長した。アトレティコMFサウールを彷彿とさせる189cmの大型MFはすでに国内外のビッグクラブの関心を集めるも、移籍のタイミングを見誤った親友セバージョスを教訓に残留が濃厚だ。来季はEL出場権を手にしたベティスで更なる飛躍が期待される。 MF ダニエル・パレホ(29歳/バレンシア) 出場試合数:34(先発:34)/出場時間:3005分 得点数:7(PK6)<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽バレンシア復活の立役者。近年、迷走を続けていたクラブと共に自身もナイトクラブでのチーム批判や移籍騒動など、ピッチ内外で問題を抱えていた悩めるカピタン。だが、今季はマルセリーノ新監督の下で堅守速攻にスタイル変更したチームの絶対的司令塔として、かつて天才MFと評された頃のパフォーマンスを取り戻した。卓越した戦術眼とパスセンスを生かして縦への意識が強いチームの攻撃に抜群の間を与えると共に、課題の守備でも大きな改善を見せて攻守に戦えるピボーテという新境地を開いた。惜しくもロシアW杯行きを逃すも今年3月には28歳でスペイン代表デビューを飾るなど、充実のシーズンを過ごした。 MF アンドレス・イニエスタ(34歳/バルセロナ) 出場試合数:30(先発:25)/出場時間:1842分 得点数:1<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽22年を過ごしたブラウ・グラナを去る偉大なるMF。加齢によるパフォーマンス低下もあってルイス・エンリケ前体制下では存在感を失いつつあったイニエスタだが、今季は[4-4-2]と[4-3-3]を併用したバルベルデ率いるチームで左サイドハーフとインテリオールで持ち味の超絶技巧を遺憾なく発揮。とりわけ、同サイドのジョルディ・アルバと盟友メッシとのコンビネーションは圧巻の一言。Jリーグのヴィッセル神戸移籍が決定し、日本のフットボールファンにとってはそのプレーをスタジアムで拝める特権を味わえることになる。 MF ジョルディ・アルバ(29歳/バルセロナ) 出場試合数:33(先発:30)/出場時間:2744分 得点数:2<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽ネイマール移籍の恩恵を最も享受した男。ここ数年は一列前のネイマールを後方から支援する黒子の役割を求め続けられたアルバだが、今季は左ウイングとしてバルセロナの攻撃をけん引した。爆発的なスピードと職人芸の飛び出しを武器に、メッシからの対角線のスルーパス、イニエスタの抜群のタメからの短いスルーパスに抜け出しては正確なマイナスのクロスやシュートでフィニッシュに絡み、2ゴール9アシストを記録。また、守備の局面でもネイマールが居なくなったことで前線からのサポートも強まり、余裕を持った対応が目立った。 FW リオネル・メッシ(30歳/バルセロナ) 出場試合数:36(先発:32)/出場時間:2996分 得点数:34(PK2)<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw10.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今季のリーガ最優秀プレーヤー。30歳になって初めてのシーズンに臨んだアルゼンチン代表FWは、今季更なる進化を見せた。バルベルデ新監督の下でトップ下や2トップの一角という新たな役割を与えられた中、34ゴール12アシストとフィニッシャーとチャンスメーカーの2つの役割を異次元のレベルでこなした。 FW クリスティアン・ストゥアーニ(31歳/ジローナ) 出場試合数:33(先発:32)/出場時間:2724分 得点数:21(PK5)<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_100_tw11.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽3年ぶり復帰のリーガでキャリアハイの21ゴール。ミドルズブラでの2シーズンを経て2015年のエスパニョール時代以来のリーガ復帰を果たした31歳のウルグアイ代表FW。マチン監督の下で昨季セグンダ2位のジローナのエースストライカーに収まると、攻守にインテンシティの高いチームをけん引した。屈強なフィジカルを生かしたポストワーク、ベテランストライカーらしいペナルティエリア内の嗅覚、決定力を武器に小兵ポルトゥとの名コンビでゴールを量産。とりわけ、プレースキックの場面では正確なキックを誇るグラネルとのホットラインがチームの強力なストロングポイントとなっていた。 2018.05.25 19:31 Fri
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【リーガエスパニョーラ・シーズン総括】最優秀選手はメッシ!

★無敗逃すも新生バルサが圧倒的強さで覇権奪還 ▽昨シーズン、チャンピオンズリーグ(CL)連覇と共に5年ぶりのリーガ制覇を成し遂げたレアル・マドリーに対して、バルセロナがFWネイマールの退団、アトレティコ・マドリーがFIFAからの補強禁止処分という不安材料を抱えたことで、昨季王者優勢と思われた今季のリーガ。しかし、最終的には開幕から36試合無敗を継続したバルセロナが2位以下に14ポイント差を付ける圧勝劇で2年ぶりの優勝を果たした。 ▽昨夏、ネイマールのパリ・サンジェルマン電撃移籍、スーペル・コパでのレアル・マドリー相手の屈辱的な連敗で厳しいシーズンのスタートを切ったバルセロナだが、バルベルデ監督仕込みの組織的な守備と“戦術メッシ”で序盤戦を乗り切ると、そこからは攻守に安定したパフォーマンスをみせ、12月に行われた敵地でのエル・クラシコに圧勝するなど、圧倒的な強さで前半戦を首位で終えた。後半戦に入ると苦手の1月と2月に取りこぼしが目立ったものの、幾度となく訪れた敗戦のピンチを凌ぐと、勝ち点5差に迫られた2位アトレティコとの直接対決をメッシの直接FK弾で勝ち切って優勝に大きく前進。そして、第35節のデポルティボ戦をきっちり勝ち切って2年ぶりのリーガ制覇を成し遂げた。 ▽そのバルセロナに14ポイント差を付けられるも、宿敵レアル・マドリーより上の2位フィニッシュを決めたアトレティコは、3度目のヨーロッパリーグ(EL)制覇まで成し遂げワンダ・メトロポリターノでの最初のシーズンを終えた。前述の補強禁止処分や主力の負傷離脱に悩まされた前半戦はエースFWグリーズマンのスランプもあり、厳しい戦いを強いられた。それでも、GKオブラクやDFゴディンを中心とした堅守で勝ち点を積み重ねると、FWジエゴ・コスタとMFビトロの登録が可能となった今年1月以降は攻守に安定感を取り戻してバルセロナを猛追。直接対決での敗戦が響いて逆転優勝はならなかったものの様々な逆風を考えれば、まずまずのシーズンだったと言える。 ▽一方、シーズンを通して大苦戦を強いられた昨季王者レアル・マドリーは、エースFWクリスティアーノ・ロナウドら主力の不振が響いた序盤戦の戦いが痛恨となり、前半戦終了を待たずして優勝争いから脱落。そのため、後半戦はCL3連覇に向けた調整の場としての意味合いが強まった。バレンシアの失速もあり、最低限の3位でシーズンを終えることに成功したが、今月26日に行われるCL決勝でリバプールに敗れることになれば、ジダン監督の更迭や大幅な選手の入れ替えなど、変革の夏を過ごすことになるかもしれない。 ▽CL出場権争いとEL出場権争いではマルセリーノ新監督の下で復活を印象付けた4位バレンシア、シーズン序盤のカジェハ新体制移行が実った5位ビジャレアルのバレンシア勢、セティエン新監督の下で結果と内容が伴った6位ベティス、2度の監督交代に踏み切りながらも粘った7位セビージャのアンダルシア勢が来季ヨーロッパへの切符を手にした。とりわけ、粘り強い守備と縦への攻撃意識が顕著だったバレンシア、質の高いポゼッションスタイルを見せたベティスの2チームは今季リーグ戦を大いに盛り上げた好チームだった。 ▽一方、例年熾烈を極める残留争いに関しては序盤戦から低迷した最下位マラガ、19位ラス・パルマスが早々に降格を強いられると、セードルフ新監督の下で巻き返しを図った18位デポルティボも第35節で優勝を決めたバルセロナを前に敗れ、3節を残して前述の2チームに続きセグンダ行きが決定した。 ▽最後にエイバルのMF乾貴士、ヘタフェのMF柴崎岳という2人の日本人選手では、エイバル3年目で完全にリーガの水に馴染んた乾が34試合出場で5ゴール2アシストときっちり結果を残した。一方、シーズン序盤のバルセロナ戦で鮮烈なリーガ初ゴールを記録した柴崎だが、負傷による長期離脱以降は守備的なチームスタイルに順応できず、リーグ戦22試合(先発12試合)で1ゴール0アシストと控えに甘んじる厳しい1年となった。なお、乾は今季限りでエイバルを去り、来季はベティス行きの可能性が伝えられている。また、柴崎も今季限りでクラブを去る可能性が伝えられている。 【最優秀選手&監督】 ★最優秀選手 ◆FWリオネル・メッシ(バルセロナ)<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_101_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽成長し続けるフットボール界最高のメガクラックが文句なしで今季のリーガMVPだ。今季はトップ下と2トップの一角として新境地を開くと、圧巻の仕掛けと決定力でフィニッシャーとして機能したうえ、MFパウリーニョやDFジョルディ・アルバを巧みに生かす司令塔の二役を担い、34ゴール12アシストという圧倒的な数字で2年連続のゴールデンシュー&ピチーチ賞にリーガアシスト王を獲得。また、覇権を争うマドリードの2強との直接対決では4試合で3ゴールを挙げる勝負強さも発揮し、チームを2シーズンぶりの国内2冠に導いた。さらに、今季は直接FKからキャリアハイの6本のゴールを記録しており、世界最高のフットボーラーの進化は続く。 ★最優秀監督 ◆エルネスト・バルベルデ(バルセロナ)<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_101_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽自身初のビッグクラブ挑戦でシーズン2冠に導いた智将が文句なしの最優秀監督だ。第37節のレバンテ戦でのよもやの敗戦によって38試合制で初となる無敗優勝を逃したものの、28勝9分け1敗、99得点29失点という圧倒的なスタッツで2位以下に14ポイント差を付けての優勝は見事の一言だ。ネイマールの電撃移籍に昨夏の補強失敗とクラブから十分なサポートを得られなかった中、多くの中小クラブを率いた経験を武器に現有戦力を巧みに生かし切った。とりわけ、ネイマール移籍を逆手に取った[4-3-1-2]、[4-4-2]へのシステム変更によって守備の安定を図ると共に、メッシを再びゴールに近い位置に配置したことでゾーン3の攻略に専念させることに成功した。また、ルイス・エンリケ体制での課題だったメッシやFWルイス・スアレス、MFブスケッツといった主力のコンディション調整に関しても積極的なターンオーバーを採用することで、一部の時期を除いて良好なコンディションをキープさせた。よりサポートが見込める来季に向けてはスペクタクルなスタイルへの変貌も期待されるところだ。 【期待以上】 ★チーム ◆ベティス<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_101_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽昨季の15位から6位に大きく躍進を遂げて悲願のEL出場権を獲得した。ラス・パルマスで魅力的なアタッキングフットボールを展開したキケ・セティエン新監督を招へいしたベティスはシーズン序盤こそ後方から丁寧にショートパスを繋ぐ新スタイルへの適応に苦戦し大量得点、大量失点という出入りの激しい大味な試合が目立った。それでも、敵地でレアル・マドリーを撃破するなど、時にビッグクラブを凌駕する痛快な戦いも見せていた。その後、今年3月に入って[4-3-3]から[3-5-2]へとシステムを変更すると、6戦連続クリーンシートを含む7勝1分けの8戦無敗と圧巻のパフォーマンスを見せ、宿敵セビージャより上の6位でフィニッシュした。最優秀監督との声も挙がるセティエン監督の見事な手腕に加え、MFブデブス、DFバルトラといった新戦力の活躍、MFファビアン・ルイスやFWロレンら若手のブレイクとクラブ全体の機能性も素晴らしかった。 ★選手 ◆MFホアキン・サンチェス(ベティス)<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_101_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽完全復活のベティスをけん引した百戦錬磨のベテランMF。2015年にキャリアの終焉の地として古巣に復帰したホアキンだが、今年7月に37歳となるベテランMFは今季も健在ぶりを見せた。自身の代名詞である右サイドでの痛快なドリブル突破を見せる機会は稀になったものの、豊富なキャリアの中で獲得した戦術眼とテクニックを生かしリーグ戦35試合で4ゴール8アシストという素晴らしい数字を残した。とりわけ、シーズン後半戦に入ってからは[3-5-2]のインサイドハーフや2シャドーの一角としてプレーし、前線と中盤のリンクマンとして圧巻の存在感を放った。 【期待外れ】 ★チーム ◆セビージャ<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_101_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽CLで初のベスト8進出にコパ・デル・レイ決勝進出、来季EL予備予選出場の7位フィニッシュと結果だけを見れば、悪いシーズンと断定できないが、1年を通して迷走ぶりが目立った。サンパオリ前監督、伝説的なSDモンチ氏の退団によってベリッソ監督、アリアスSDの下で新たなシーズンをスタートしたセビージャはクラブ最高額で獲得したFWムリエルやFWノリート、MFバネガ、DFケアー、MFヘスス・ナバスなど積極的な補強を敢行。シーズン序盤こそまずまずの滑り出しを見せたものの、消耗が激しいベリッソ監督の戦術に選手たちが耐え切れず調子が下降すると、健康問題とMFエンゾンジら主力との確執が伝えられたアルゼンチン人指揮官が昨年末に電撃解任。その後任にモンテッラ監督を招へいも就任後16試合で5勝7敗4分けと更なる低迷を招き、アリアスSDと共にシーズン終盤に更迭が決定。その後、ホアキン・カパロス暫定監督の下で何とか7位フィニッシュを果たしたものの、クラブの将来に不安を残す1年となった。 ★選手 ◆FWカリム・ベンゼマ(レアル・マドリー)<div style="text-align:center;"><img src="http://ultra-soccer.jp/division_image/TOP/get20180524_101_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽深刻な得点力不足に陥り、マドリディスタの怒りを買う。今シーズン、リーグ戦32試合出場と定期的に出場機会を与えられたベンゼマだが、マドリー加入後最低の5ゴール(PK2)に終わった。もちろん、2桁アシストを記録するなど利他的なプレーでチャンスメークに奮闘していた点は評価に値するが、世界屈指の名門のセンターフォワードとしては完全に期待外れだ。チャンスの数自体が少なければまだ弁解の余地はあるが、再三のカウンターチャンスやゴール前の決定機で目を覆いたくなるばかりのシュートミスが目立った。シーズンを通してサンティアゴ・ベルナベウでブーイングに晒されており、今季限りでの退団が濃厚か…。 2018.05.25 19:30 Fri
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