【質疑応答】初招集FW中島翔哉への期待、そしてFW乾貴士とFW岡崎慎司を招集しなかった理由は?《キリンチャレンジカップ》

2018.03.15 20:00 Thu
©超ワールドサッカー
▽日本サッカー協会(JFA)は15日、国際親善試合及びキリンチャレンジカップ 2018 in EUROPEに臨む同国代表メンバー26名を発表した。

▽メンバー発表会見に出席した日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督はメンバー発表後、メディア陣による質疑応答に応対。初招集のFW中島翔哉(ポルティモネンセ/ポルトガル)に期待することや、FW乾貴士(エイバル/スペイン)とFW岡崎慎司(レスター・シティ/イングランド)を招集しなかった理由などを明かした。
◆ヴァイッド・ハリルホジッチ監督(日本代表)
──FW中島翔哉(ポルティモネンセ/ポルトガル)に期待すること
「中島は爆発的なスピードを持っている。一対一で抜けるのではないかと思う。そういうプレーをなかなか日本人は出せない。クラブで9得点6アシストを記録したプレーを代表でも見せて欲しい。それができるかどうかの見極めをしなくてはいけない」

──FW乾貴士(エイバル/スペイン)とFW岡崎慎司(レスター・シティ/イングランド)が試合に出ていながら招集されていない点と、選手を見極めるポイントとして重要視していることは
「乾に関しては、原口と宇佐美、中島を彼の代わりに招集した。ただ、乾は常に追跡している。他の選手に関しても質問してもらって構わない。まずは得点を取るか、取らせるかというのが基準になる。この前の試合でも大体FW陣が5人得点を奪った。ただ、レヴァントフスキは3点を取っている」

「1年前に良かった選手を信頼し続けるのではなく、23人のメンバーに入れるのではなく、今良い選手を呼んでいる。そして、その後に選択しなくてはいけない。今回の合宿では乾の代わりに3人を選んでいるが、乾も候補の中に入っている」
「浅野や井手口もオーストラリア代表戦で歴史的なプレーをしてくれたが、今現在どうかということ。私は今選手たちが何をもたらすことができるかを見ている。もちろん私も間違えることはある。例えば中島は、代表でもクラブと同じように1対1で抜けるかどうかはまだわからない。それから1人で絶対的に何か仕事ができるか。個人で打開できる選手は必要になる」

「チャンピオンズリーグも観たが、果たしてバルセロナはメッシがいなければあの結果を出せていたのか。もちろん別次元の話であり、比較はできないが、1人で違いを生み出せる選手をこれからも探していく。対戦国はそれを持っている。コロンビアにはハメス・ロドリゲスやファルカオ、ポーランドにはレヴァンドフスキやミリク、セネガルにはサディオ・マネがいる。マネはチャンピオンズリーグで3点も取っている。そういった違いを生み出せる選手が日本にも必要だ。そういう選手たちをテストで探さなくてはいけない」

「本大会では得点を奪うためのチャンスは10回もない。2、3回のチャンスで1点か2点を奪わなくてはいけない試合になる。そういったことで最も難しい得点を取ることができるという選手を探している」

「岡崎に関しても、小林と杉本、大迫を選んでいる。岡崎とは違うクオリティを持った選手たち。得点を奪える選手でもある。もちろん何かをもたらすことができる選手だ」

「また、レスターでやっている岡崎の役割は代表とは全く違うこと。そういうこともあり、今回はこういうチョイスをした。もちろん乾同様、候補には入っている。違う選手をトライしたということだ」

──MF長谷部誠(フランクフルト/ドイツ)のリベロ起用の可能性についてと、違いを生む選手として試してみたい選手はいるか
「まず長谷部についてだが、プレーし続けてくれていることが良いこと。確かにクラブでは中盤に加えて後ろもやっている。A代表では絶対的な中盤の選手だと認識している。彼はグラウンド外でも重要な選手。彼の存在は代表に必要だ」

「グラウンド場で長谷部に代われる選手として、今野泰幸(ガンバ大阪)を考えていたが、少しケガをしている。いろいろなことを予想して選手を準備している」

「次の質問についてだが、いろいろな選手たちをEAFF E-1選手権で試してきた。最後の1カ月で偶然見つかるという訳ではない。海外組、国内組合わせてだいたい50人くらいのラージリストがあり、まだまだ選手たちを発見したいという気持ちもある」

「例えばアルジェリア代表時代には、本当に最後の最後にそういう選手を見つけた。これは奇跡的だ。そういったことを見つけてみたいという気持ちも存在するならある。今回で言えば中島を呼んだ。オリンピックでのプレーの情報ももらった。素晴らしいプレーをすることがあれば、全く存在が消えることもあるという。23人の中に入るかはわからない。ただ、最後の最後に資格があるなら入れる。1対1で相手を抜ける選手はなかなかいない。彼は左もできるし、真ん中もできるだろう」

「まだまだ最終的なリストは作れない状況だ。ケガのことももちろんある。ただ、日本代表はケガが少し多い」

──W杯に臨む23名のメンバー発表はいつ頃になるか
「おそらく(5月30日の)ガーナ代表戦が終わって、5月31日になると思う。ヨーロッパに行く直前になる。最終締め切りは確か6月4日だったと思う」

「本大会に臨む監督はみんなそうだが、フットボール面や感情面全てを混ぜてチョイスしなければならない。関わる選手たちは本当に人間として素晴らしい。素晴らしい人間性を持った選手が日本は多い。具体的な名前は出さないが、多くの選手たちが素晴らしい」

「もちろんプレーが良い悪いで私が嬉しい嬉しくないもある。ただ、私が関わる選手たちには本当に愛着がある。フットボール面で言えば、どのようなオーガナイズが伴って戦いにいかなくてはいけないかという選択を私がしなくてはいけない。1年前や6カ月前に良かったから呼べるという問題ではない。その時に良い選手でなければならない」

「23人の基準は色々ある。フットボール面でも人間面でも物凄く難しい作業になる。例えば浅野(拓磨)や井手口(陽介)の現状はどうか。それから経験のある選手たちが本当に本大会で何かをもたらせるのか。その時に違う状況になっているのではないか。このチームに何をもたらせるかというところで考えなくてはいけない」

「本大会ではプレッシャーも大きなものがある。私はプレッシャーに弱くない。しかし、私は間違えることもある。ただ、それが間違いかどうかは本大会が終わった後にしか分からない。先ほどマフレズの話もしたが、イングランドで岡崎(慎司)と共にプレーする素晴らしい選手。ここ数試合でも違いを見せてチームに結果をもたらしている。ただ、その当時私がマフレズを呼んだ時には無名で、みんなに批判された。最後の最後にヴァイッドが正しかったとなった」

「とにかくフットボール面でチョイスしなければならない。もちろんみんな、そして私の横にいるスタッフと意見は違う。もし結果が伴わなければ私の責任だ。ただ、このチームでしっかりと希望を掴みにいきたい。確信を持っていかなくてはいけない。全員で何かを成し遂げるんだという気持ちを持って、トレーニングを行い、準備してやっていかなくてはいけない」

「4年前(ブラジル・ワールドカップ)のコロンビア代表戦を観たが、ちょっとしたことで結果は変わる。ちょっとしたことで敗北になったり、勝利になる。それが本大会で突きつけられている強い要求だ。我々は最終予選を突破した。強い誇りを持って臨まなくてはいけない。日本のフットボールを見せなくてはいけない。それがショーウィンドウとして世界に発信される。そういったことをサポーターの皆さん、国民の皆さんは期待されているのではないでしょうか。ここで約束できることは、希望を掴みにやれることは全部やるということ。本当に狂ったようにトレーニングをしていきたい。成功するかは誰もどうかわからない。ただ、強い気持ち、野心を持って本大会に臨みたい」

▽なお、日本代表は、3月のベルギー遠征で2試合の国際親善試合を予定。ロシアW杯に向けた選手見極めとチーム強化のため、マリ代表(23日/ベルギー)、ウクライナ代表(27日/同)と対戦する。
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U-23日本代表は25日、AFC U-23アジアカップ準々決勝でU-23カタール代表と対戦し、延長戦までもつれ込む激闘を4-2で制した。 3.5枠のパリ・オリンピック出場権を懸けたアジア最終予選となる今大会。上位3チームがストレートイン、4位チームがアフリカ予選4位のU-23ギニア代表との大陸間プレーオフに臨む。 グループステージ最終節でU-23韓国代表に0-1と競り負けてグループB2位通過となった日本は、この準々決勝でグループA首位通過で開催国のカタールと対峙した。 大岩剛監督は引き続き[4-3-3]の布陣を採用した中、韓国戦から高井幸大を除く先発10人を変更。GKに小久保玲央ブライアン、4バックは右から関根大輝、高井幸大、木村誠二、大畑歩夢。中盤は藤田譲瑠チマをアンカーに配し、インサイドハーフに山本理仁、松木玖生。3トップは右から山田楓喜、細谷真大、佐藤恵允が並んだ。 試合は開始早々に日本が動かす。開始2分、自陣右サイドで関根が縦に蹴り込んだロングフィードは相手に渡るが、バックパスを狙っていた山田楓がボックス手前右でカット。そのまま内側に切り込んで得意の左足を振り抜くと、ほぼ回転のない鋭いシュートがゴール右に突き刺さった。 今大会好調のレフティーの鮮烈な一撃によって電光石火の先制点を挙げた日本。以降はカタールの反応を窺いつつ、前から圧力をかけて主導権掌握を目指す。10分にはボックス付近で藤田が果敢にドリブルで仕掛け、ボックス右のライン際から浮き球クロス。これをゴール前の細谷が頭で合わすが、DFの寄せもあって枠を捉え切れない。 立ち上がりの攻防でペースを掴んだ日本は、早い時間帯の追加点を奪うべく松木のミドルシュートや山田楓の直接FKで相手ゴールを脅かしていく。だが、前半半ばには一瞬の隙を突かれて同点に追いつかれる。 24分、左から中央を経由したボールが意図せずに流れると、アル・ヤジディが早いタイミングで正確なクロスを供給。これをボックス中央でDF関根を振り切ったアル・ラウィに打点の高いヘディングで合わされると、GK小久保が一歩も動けずにゴール右上隅に突き刺さった。 ここまで良い戦いを見せながらも一発の怖さを改めて実感させられた日本。この失点によって相手に流れを持っていかれる形となったが、時間の経過と共に押し返していく。37分には左サイドでのスローインからボックス左で収めた松木がゴールライン際から鋭いクロス。これにファーの細谷が反応したが、懸命に伸ばした右足のワンタッチシュートは枠の右に外れる。 だが、この直後の38分には松木が背後に入れた縦パスに反応した細谷がボックスギリギリの位置でGKユセフと交錯。ユセフは先にヘディングでボールをクリアしたが、その際に右足裏で細谷の腹部を蹴っており、レッドカードに値する危険なプレーの可能性があるとしてオンフィールド・レビューの対象に。結果的に主審は意図的な悪質なプレーと判断し、ユセフにレッドカードを掲示した。 これで数的優位を手にした日本は相手が10人で守り慣れる前に、10分が加えられたアディショナルタイムで攻勢を仕掛けたが、割り切って後ろを固めたカタールの守備をこじ開けるまでには至らず。1-1のイーブンで試合を折り返した。 迎えた後半、大岩監督はカードトラブルも意識してか、松木を下げて藤尾翔太をハーフタイム明けに投入。[4-4-2]の形で10人のカタール守備攻略を目指す。 だが、立ち上がりの49分には自陣中央左で与えたFKの場面で、キッカーのモスタファ・タレクに左足の正確なボールを入れられると、藤尾の背後に走り込んだジャッセム・ガベルにドンピシャのヘディングシュートを叩き込まれ、痛恨の逆転ゴールを奪われた。 日本はすぐさま反撃を開始。55分にはFKの二次攻撃から右サイドでこぼれ球を回収した山田楓がそのままボックス内に侵入し、グラウンダーの正確な折り返しを供給。これをゴール前の高井が右足ダイレクトで狙うが、うまくミートできない。 アル・ラウィを起点としたカウンターに、狡猾に時計を進めるカタールの戦いを前に焦れる展開が続く日本だが、再三獲得してきたセットプレーでスコアをタイに戻す。 67分、右CKの場面でキッカーの山本が左足インスウィングの正確なクロスを上げると、ゴール前にタイミング良く走り込んだ木村がゴール左隅へヘディングシュートを流し込んだ。 木村の今大会2点目で良い時間帯に追いついた日本は、勝ち越しを目指して攻勢を強める。だが、接触プレーのたびに痛がって時計を止めるカタールの徹底したスタイルの影響もあり、なかなかリズムを掴み切れない。その中で右サイドの関根が再三効果的なクロスボールで決定機を演出するが、藤尾らが仕留め切れない。 その後、83分には佐藤を下げて平河悠を2枚目のカードとして投入。90分で決着を付けるべく攻め続ける。さらに、9分が加えられたアディショナルタイムには山田楓を下げて荒木遼太郎を投入したが、最後までゴールをこじ開けることはできず。ベスト4の行方は延長戦へと委ねられることになった。 延長戦ではPK戦へ持ち込むべく、より専守防衛の構えを見せるカタールに対して、相手陣内でハーフコートゲームを展開する日本。外回りの攻撃はなかなか決定機に至らない。 だが、ここまでクラブチーム、代表で苦しみ続けてきたストライカーがこの土壇場で決定的な仕事を果たす。延長前半の101分、リスタートの流れで相手陣内中央の藤田が縦に差し込んだボールを荒木が半身で受けてボックス右に走り込む細谷の足元に繋ぐと、背中でDFをブロックした前に入った細谷がGKの股間を抜く渾身の右足シュートを突き刺した。 エース待望のゴールによって勝ち越した日本は、さらなる追加点を意識しながらも疲労困憊の相手に対してピッチを大きく使ってボールを動かしてゲームをコントロール。延長後半頭には殊勲の細谷、山本を下げて内野航太郎、川崎颯太の同時投入で試合をクローズにかかる。 すると、112分には荒木の左CKの流れから川崎が放ったミドルシュートをGKが何とかはじいたボールに詰めた内野航が冷静にタップインし、途中投入2選手がダメ押しの4点目までもたらした。 これで完全に相手の心を折った日本は、危なげなく時計を進めて開催国カタールとの120分間の激闘を4-2で勝利した。 この勝利でパリ五輪出場権獲得へ王手をかけた日本は、29日に行われる準決勝でU-23イラク代表vsU-23ベトナム代表の勝者と対戦する。 U-23カタール代表 2-4 U-23日本代表 【カタール】 アル・ラウィ(前24) ジャッセム・ガベル(後4) 【日本】 山田楓喜(前2) 木村誠二(後22) 細谷真大(延前11) 内野航太郎(延後7) ◆U-23日本代表出場メンバー GK 小久保玲央ブライアン(ベンフィカ/ポルトガル) DF 関根大輝(柏レイソル) 高井幸大(川崎フロンターレ) 木村誠二(サガン鳥栖) 大畑歩夢(浦和レッズ) →114分 半田陸(ガンバ大阪) MF 山本理仁(シント=トロイデン/ベルギー) →105分 川崎颯太(京都サンガF.C.) 藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン/ベルギー) 松木玖生(FC東京) →HT 藤尾翔太(FC町田ゼルビア) FW 山田楓喜(東京ヴェルディ) →90分+6 荒木遼太郎(FC東京) 細谷真大(柏レイソル) →105分 内野航太郎(筑波大学) 佐藤恵允(ブレーメン/ドイツ) →83分 平河悠(FC町田ゼルビア) <span class="paragraph-title">【動画】ついに目覚めたエース!細谷真大が値千金の決勝ゴール</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="pZnkovlMOfU";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.26 01:51 Fri

U-23日本代表、ベスト4進出懸けた激闘は延長戦へ…一時逆転許すも木村誠二の今大会2点目で追いつく【AFC U-23アジアカップ】

U-23日本代表は25日、AFC U-23アジアカップ準々決勝でU-23カタール代表と対戦し、2-2のスコアで90分の戦いが終了。延長戦に突入することになった。 3.5枠のパリ・オリンピック出場権を懸けたアジア最終予選となる今大会。上位3チームがストレートイン、4位チームがアフリカ予選4位のU-23ギニア代表との大陸間プレーオフに臨む。 グループステージ最終節でU-23韓国代表に0-1と競り負けてグループB2位通過となった日本は、この準々決勝でグループA首位通過で開催国のカタールと対峙した。 大岩剛監督は引き続き[4-3-3]の布陣を採用した中、韓国戦から高井幸大を除く先発10人を変更。GKに小久保玲央ブライアン、4バックは右から関根大輝、高井幸大、木村誠二、大畑歩夢。中盤は藤田譲瑠チマをアンカーに配し、インサイドハーフに山本理仁、松木玖生。3トップは右から山田楓喜、細谷真大、佐藤恵允が並んだ。 試合は開始早々に日本が動かす。開始2分、自陣右サイドで関根が縦に蹴り込んだロングフィードは相手に渡るが、バックパスを狙っていた山田楓がボックス手前右でカット。そのまま内側に切り込んで得意の左足を振り抜くと、ほぼ回転のない鋭いシュートがゴール右に突き刺さった。 今大会好調のレフティーの鮮烈な一撃によって電光石火の先制点を挙げた日本。以降はカタールの反応を窺いつつ、前から圧力をかけて主導権掌握を目指す。10分にはボックス付近で藤田が果敢にドリブルで仕掛け、ボックス右のライン際から浮き球クロス。これをゴール前の細谷が頭で合わすが、DFの寄せもあって枠を捉え切れない。 立ち上がりの攻防でペースを掴んだ日本は、早い時間帯の追加点を奪うべく松木のミドルシュートや山田楓の直接FKで相手ゴールを脅かしていく。だが、前半半ばには一瞬の隙を突かれて同点に追いつかれる。 24分、左から中央を経由したボールが意図せずに流れると、アル・ヤジディが早いタイミングで正確なクロスを供給。これをボックス中央でDF関根を振り切ったアル・ラウィに打点の高いヘディングで合わされると、GK小久保が一歩も動けずにゴール右上隅に突き刺さった。 ここまで良い戦いを見せながらも一発の怖さを改めて実感させられた日本。この失点によって相手に流れを持っていかれる形となったが、時間の経過と共に押し返していく。37分には左サイドでのスローインからボックス左で収めた松木がゴールライン際から鋭いクロス。これにファーの細谷が反応したが、懸命に伸ばした右足のワンタッチシュートは枠の右に外れる。 だが、この直後の38分には松木が背後に入れた縦パスに反応した細谷がボックスギリギリの位置でGKユセフと交錯。ユセフは先にヘディングでボールをクリアしたが、その際に右足裏で細谷の腹部を蹴っており、レッドカードに値する危険なプレーの可能性があるとしてオンフィールド・レビューの対象に。結果的に主審は意図的な悪質なプレーと判断し、ユセフにレッドカードを掲示した。 これで数的優位を手にした日本は相手が10人で守り慣れる前に、10分が加えられたアディショナルタイムで攻勢を仕掛けたが、割り切って後ろを固めたカタールの守備をこじ開けるまでには至らず。1-1のイーブンで試合を折り返した。 迎えた後半、大岩監督はカードトラブルも意識してか、松木を下げて藤尾翔太をハーフタイム明けに投入。[4-4-2]の形で10人のカタール守備攻略を目指す。 だが、立ち上がりの49分には自陣中央左で与えたFKの場面で、キッカーのモスタファ・タレクに左足の正確なボールを入れられると、藤尾の背後に走り込んだジャッセム・ガベルにドンピシャのヘディングシュートを叩き込まれ、痛恨の逆転ゴールを奪われた。 日本はすぐさま反撃を開始。55分にはFKの二次攻撃から右サイドでこぼれ球を回収した山田楓がそのままボックス内に侵入し、グラウンダーの正確な折り返しを供給。これをゴール前の高井が右足ダイレクトで狙うが、うまくミートできない。 アル・ラウィを起点としたカウンターに、狡猾に時計を進めるカタールの戦いを前に焦れる展開が続く日本だが、再三獲得してきたセットプレーでスコアをタイに戻す。 67分、右CKの場面でキッカーの山本が左足インスウィングの正確なクロスを上げると、ゴール前にタイミング良く走り込んだ木村がゴール左隅へヘディングシュートを流し込んだ。 木村の今大会2点目で良い時間帯に追いついた日本は、勝ち越しを目指して攻勢を強める。だが、接触プレーのたびに痛がって時計を止めるカタールの徹底したスタイルの影響もあり、なかなかリズムを掴み切れない。その中で右サイドの関根が再三効果的なクロスボールで決定機を演出するが、藤尾らが仕留め切れない。 その後、83分には佐藤を下げて平河悠を2枚目のカードとして投入。90分で決着を付けるべく攻め続ける。さらに、9分が加えられたアディショナルタイムには山田楓を下げて荒木遼太郎を投入したが、最後までゴールをこじ開けることはできず。ベスト4の行方は延長戦へと委ねられることになった。 U-23カタール代表 2-2 U-23日本代表 【カタール】 アル・ラウィ(前24) ジャッセム・ガベル(後4) 【日本】 山田楓喜(前2) 木村誠二(後22) ◆U-23日本代表出場メンバー GK 小久保玲央ブライアン(ベンフィカ/ポルトガル) DF 関根大輝(柏レイソル) 高井幸大(川崎フロンターレ) 木村誠二(サガン鳥栖) 大畑歩夢(浦和レッズ) MF 山本理仁(シント=トロイデン/ベルギー) 藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン/ベルギー) 松木玖生(FC東京) →HT 藤尾翔太(FC町田ゼルビア) FW 山田楓喜(東京ヴェルディ) →90分+6 荒木遼太郎(FC東京) 細谷真大(柏レイソル) 佐藤恵允(ブレーメン/ドイツ) →83分 平河悠(FC町田ゼルビア) 2024.04.26 01:13 Fri
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