インテルvsローマの不調上位対決は痛み分け…長友は出場機会なし《セリエA》

2018.01.22 06:49 Mon
Getty Images
▽セリエA第21節、インテルvsローマが21日にジュゼッペ・メアッツァで行われ、1-1のドローに終わった。なお、インテルのDF長友佑都はベンチ入りも出場機会はなかった。
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▽リーグ戦5試合未勝利で急失速の3位インテル(勝ち点42)は、前節フィオレンティーナと引き分けてウィンターブレークに突入。短い休暇を経て迎えた今節では強豪ローマをホームに迎えてリーグ6試合ぶりの勝利を目指した。今回のビッグマッチに向けては負傷明けのミランダが復帰し、ダンブロージオの代役にカンセロが起用された以外、現状のベストメンバーが揃った。なお、左サイドバックは引き続きサントンが務め、長友はベンチスタートとなった。
▽一方、リーグ3戦未勝利でトップ4圏外の5位に転落したローマ(勝ち点39)は、前節アタランタにホームで敗れてウィンターブレークに突入。さらに、今冬の移籍市場ではナインゴラン、ゼコ、エメルソン・パルミエリに相次いで引き抜きの噂が出るなど、チーム状態は芳しくない。難敵インテル撃破で流れを変えたいローマだが、ウィンターブレーク中に負傷したゴナロン、デ・ロッシ、ペロッティの主力3人が招集外となり、ジェルソンとペッレグリーニの若手2選手が代役を担い、チェルシー移籍が噂される主砲ゼコは最前線で起用された。

▽ウィンターブレーク明けで休養十分の両チームは立ち上がりからハイプレッシャーを掛け合うインテンシティの高い攻防を繰り広げる。左ウイングに入るナインゴラン、左のインサイドハーフに入るジェルソンがファジーなポジショニングで中盤のプレス強度を保ちつつ、攻撃ではうまく浮いてボールを引き出すローマは徐々に主導権を掴む。7分にはナインゴランのサイドチェンジに抜け出した右サイドのエル・シャーラウィが果敢にシュートを狙うが、これは精度を欠く。

▽一方、密度と強度の高い相手の中盤攻略に手を焼くインテルは後方からの長いボールや要所でプレスをいなしては、3トップをスペースに走り込ませて手数をかけない攻撃を展開。15分にはカンドレーバのミドルシュート、17分には右サイド深くでカンセロが上げたクロスをファーで競り勝ったペリシッチが頭で合わすが、いずれも枠を捉え切れない。
▽その後は拮抗した展開が続く中、互いになかなか決定機まで持ち込めない。28分にはインテルが右CKの二次攻撃からカンドレーバの右クロスがファーに流れると、これを拾ったペリシッチが冷静にフェイントでDFを外してニアを狙ったシュート。しかし、これはGKアリソンの好守に阻まれる。こぼれ球に反応したボルハ・バレロのシュートもDFのブロックに阻まれた。

▽すると、直後の31分にローマが意外な形から先制点を奪う。GKアリソンからのロングフィードに反応した右サイドのエル・シャーラウィが最終ライン裏へ抜け出すと、DFサントンの緩慢な対応も重なり、このままボックス内でGKとの一対一に。ややボールコントロールが大きくなったものの飛び出したGKハンダノビッチの直前でチップキック。これが無人のゴールネットを揺らした。最高の時間帯に先制点を奪ったローマはその後もプレスの勢いを緩めず相手をけん制しつつ、イカルディに抜け出された2度のピンチは守備陣の冷静な判断で凌ぎ、前半を1点リードで終えた。

▽迎えた後半、先に動きを見せたのはビハインドを追うインテル。前半相手のハイプレスに苦戦していたガリアルディーニを下げてブロゾビッチをハーフタイム明けに投入。また、前半終盤から変更していたボルハ・バレロをアンカーに落とす[4-3-3]の布陣を継続した。

▽前半同様に中盤で潰し合う展開が続く中、徐々にローマの運動量が落ち始めたことでインテルがボールを保持する時間が増える。62分にはセットプレーの二次攻撃からカンドレーバが強烈なミドルシュートを放つが、これはGKアリソンの守備範囲に飛んだ。

▽何とか流れを変えたいインテルはカンドレーバ、サントンを下げてより攻撃的なエデルとダウベルト・エンリケを続けざまに投入。71分にはミランダのフィードに抜け出したエデル、74分にはボックス左でペリシッチが入れたクロスからイカルディが決定的なボレーシュートを放つが、GKアリソンの好守に遭いボールは左ポストを叩く。

▽一方、守勢が続くローマは足を痛めたジェルソンに代えてブルーノ・ペレス、疲労の見えたエル・シャーラウィを下げて古巣対戦のファン・ジェズスを投入。この交代で[5-4-1]の守備的な布陣に変更して逃げ切り態勢に入る。

▽ホームで負けられないインテルは試合終盤にかけてリスクを冒して前に出る。80分には左サイドからのクロスのクリアボールをゴール右のイカルディがボレーシュート。だが、枠の右隅を捉えたシュートはGKアリソンのビッグセーブに阻まれる。それでも、諦めずに攻め続けるホームチームは86分、ボックス手前左でブロゾビッチが浮き球のクロスを供給。これをプルアウェイの動きでDFファシオを剥がしたヴェシーノが頭で右隅に流し込み、土壇場で追いついた。

▽その後は追いついた勢いを生かすホームチームが果敢に勝ち越しゴールを狙うが、ローマも勝ち点1を持ち帰るために懸命の守備で応戦。最後まで見応えのある攻防を見せた両者だが、試合はこのまま1-1でタイムアップ。不調同士の上位対決は痛み分けの結果に終わり、互いに未勝利が続くことになった。

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