【元川悦子の日本代表にこの選手を呼べ!】未来の日本を担う188㎝の大型DF。ベルギー移籍の動向次第でロシア滑り込みも? 冨安健洋2018.01.10 12:00 Wed

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「世界的に有名な選手になりたいですし、もちろんA代表に行って中心としてやりたい気持ちもあります。そのためにも海外にはできるだけ早く行きたい。しっかりステップを踏んで上のレベルに上がっていきたいです」

▽昨年5月のU-20ワールドカップ(韓国)直前、近未来の日本代表を担うと目される188㎝の大型センターバック・冨安健洋(当時福岡、現シントトロイデン)は大いなる野心を口にしていた。

▽当時18歳の彼はU-20日本代表の主力として韓国に赴き、中山雄太(柏)とともに最終ラインを力強く統率。ベスト16入りの原動力となった。しかし、日本はラウンド16で最終的に準優勝するベネズエラに延長の末、0-1で敗れてしまう。悔しいことにその失点に絡んだ冨安は「苦い経験を忘れることなく今後に生かさないといけない」と自らに言い聞かせ、自己研鑽に励み続けた。

▽その努力は昨季のアビスパ福岡でのJ2・35試合出場という目覚ましい働きにつながったが、第1目標だったJ1昇格は果たせなかった。それでも個人として前々から希望していた海外移籍の道は開けた。彼は今月からベルギー1部のシントトロイデンへ赴くことが決定。フィジカル色の強い異国のリーグで、より一層の高みを目指せる状況になったのだ。

▽かつて吉田麻也(サウサンプトン)がオランダ1部のVVVフェンロで欧州での一歩を踏み出し、2012年ロンドン五輪での活躍を機にイングランド・プレミアリーグへステップアップしたように、高さの部分で外国人選手に引けを取らない冨安には10歳年上の先輩と同じようなキャリアを積み重ねられる可能性がある。現時点ではスピードや強さなど足りない部分は少なくないが、鋭い戦術眼、冷静沈着な1つ1つの対応、メンタル的な落ち着きといった強みがある。こうした長所は19歳時点の吉田を上回っているかもしれない。

▽非凡な能力の一端は、2016年リオデジャネイロ五輪直前のU-23ブラジル代表とのテストマッチでも如実に表れた。出場時間は25分足らずだったが、ネイマール(PSG)やガブリエル・ジェズス(マンチェスターC)らを擁する攻撃陣に物怖じすることなく真っ向からぶつかり、攻守両面で持ち味を出したことで、評価を一気に上げた。ベルギーにはネイマールのような爆発的な速さ、ジェズスのようなパワフルさを備えた選手が少なくないだけに、そういう面々と常日頃から対峙してスピードや当たりの強さに慣れていけば、早い時期にA代表でプレーできるメドが立つこともあり得るのだ。

▽今のヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる日本代表センターバック陣を見ると、吉田を筆頭に、昨年後半から存在感を高めている槙野智章(ケルン)、2014年ブラジルワールドカップ経験者の森重真人(FC東京)、2018年ロシアワールドカップ最終予選終盤に出ていた昌子源(鹿島)、昨年12月の東アジアカップ(E-1選手権)でAマッチデビューを飾った植田直通(鹿島)、三浦弦太(G大阪)らがロシア行きの候補者。けれども、吉田と槙野以外は不安要素が少なくない。森重はケガで昨シーズンの大半を棒に振り、残る半年間でどこまで本来のパフォーマンスを取り戻せるか分からないし、昌子もE-1選手権・韓国戦で評価を大きく落とす結果となった。植田と三浦は代表経験値が乏しく、ワールドカップで戦えるかどうかは全くの未知数。そういう意味では、冨安とほとんど条件的には変わらないことになる。

▽仮に冨安が新天地・シントトロイデンで瞬く間にセンターバックの定位置を確保し、ある程度の仕事ができることを実証すれば、ハリルホジッチ監督も一気に若武者の抜擢に踏み切るのではないだろうか。指揮官は1~2月は日本に戻らず、欧州視察に回るというから、そこで冨安が琴線に触れれば、サプライズ選出も起こり得るのだ。

▽近未来の日本サッカー界を考えても、吉田の後継者たる存在をそろそろ作っておく必要がある。「日本はセンターバックの人材不足が大きな問題。そこを何とかしないといけない」と吉田も常日頃から危機感を口にしているほどだ。188㎝の長身と賢さを誇る冨安が風穴を開けてくれれば、今後に光が見えてくる。むしろ、そうなってもらわなければ困ると言っても過言ではない。

「ベルギーに行ってから、守備の駆け引きの部分など積極的に仕掛けるディフェンスで、ボールが入る前にどれだけ優位に立てるかを意識したい。吸収と改善を繰り返しながらしっかりと成長し、まずは試合に出られるように頑張りたい」と本人も欧州挑戦に向けて強い意気込みを口にした。その言葉通り、屈強なフィジカル誇る外国人FWと互角に渡り合う駆け引きや攻撃的守備を短期間で身に着けてくれれば、ロシアに手が届くかもしれない。日本中に驚きを与えるような急成長を19歳の大型DFには大いに期待したいものだ。
【元川悦子】長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。

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【元川悦子の日本代表にこの選手を呼べ!】日本人ブンデス組でトップの7ゴール。前線で体を張れるこの男の存在価値を見直せ!武藤嘉紀

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【元川悦子の日本代表にこの選手を呼べ!】新天地アンデルレヒト適応もバッチリ。攻撃的MF枠で最も活躍しているのがこの男! 森岡亮太

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【元川悦子の日本代表にこの選手を呼べ!】「なんで俺を呼ばへんのや」。ブラジル予備登録から4年。最後の追い上げ見せる23歳の点取屋・南野拓実

▽15日のヨーロッパリーグ(EL)ラウンド16、レアル・ソシエダ戦。レッドブル・ザルツブルクは敵地・サンセバスチャンのエスタディオ・アノエタで1-2の劣勢を強いられたまま、90分を過ぎた。ギリギリまで追い込まれる中、アディショナルタイムが4分に差し掛かったところでミラクルが起きる。ペナルティエリア付近に上がったMFハイダラパスを受けた右サイドバックのライトナーが絶妙の折り返しを中央へ。そこに飛び込んで右足を振り抜いたのが背番号18・南野拓実だった。76分から投入されていた切り札はマルコ・ローズ監督の期待に応える値千金の同点弾をゲット。敵地での勝ち点1という大仕事をやってのけたのだ。 ▽その南野が2014年ブラジルワールドカップ日本代表予備登録メンバーだったことを知っているサッカーファンは少なくないはずだ。当時まだセレッソ大阪所属の19歳だったが、アルベルト・ザッケローニ監督(現UAE代表監督)に非凡な才能を認められ、あと一歩で本大会に滑り込みそうだった。 ▽最後の最後でメンバー外となった悔しさを胸に、南野は2015年1月にザルツブルクへ移籍。後半戦だけを戦った1シーズン目こそオーストリア・ブンデスリーガ3得点にとどまったが、15-16シーズンは10点、16-17シーズンは11点と2年連続2ケタ得点をマークする。その活躍ぶりだっただけに、今季は同じレッドブルがメインスポンサーを務めるドイツ・ブンデスリーガのライプツィヒへのステップアップが有力視されていた。 ▽ところが、新天地への移籍が叶わなかったうえ、シーズン序盤に負傷。1カ月半にわたる長期離脱を強いられる。そのタイミングがちょうど2018年ロシアワールドカップ出場権を獲得した頃。新戦力テストの数少ない場となった昨年10月のニュージーランド(豊田)&ハイチ(横浜)2連戦、ブラジル(リール)&ベルギー(リエージュ)2連戦の日本代表招集も見送りとなり、ロシア行きの可能性がかなり低くなったと見られていた。 ▽ヴァイッド・ハリルホジッチ監督も2015年10月のイラン戦(テヘラン)で南野を呼び、残り2分でピッチに送り出したが、試したのはその1回だけ。「2~3年後には日本代表に定着しているだろう」という自身のコメントを忘れたかのように、彼の招集を見送り続けている。 ▽同じリオ世代の久保裕也(ヘント)や浅野拓磨(シュツットガルト)が日本代表で存在感を高めてきたた2016年秋、ザルツブルクの練習場で取材に応じた南野は「『なんで俺を呼ばへんのや』という気持ちはすごくある。呼んでくれたら日本代表の力になれる自信はある」と語気を強めていた。甘いマスクにも関わらず、誰よりも負けず嫌いで、闘争心を前面に押し出すこの男は世界の大舞台でもタフに、そしてアグレッシブ戦える選手。それが冒頭のソシエダ戦でよく分かったはずだ。ハリルホジッチ監督のその一挙手一投足を目の当たりにしたのであれば、3月のマリ&ウクライナ(ともにリエージュ)2連戦で最後のアピールのチャンスを与えるべきではないだろうか。 ▽南野の主戦場である右サイドのポジションはここまで久保と浅野がリードしているが、久保はヘントでトップ下を担っていて、右サイドでのプレーに少なからず戸惑いを覚えている様子だ。浅野に至っては2018年に入ってから一度もシュツットガルトで試合に出ていない。その代役として、2017年東アジアカップ(E-1選手権)で頭角を現した伊東純也(柏)が浮上。確かに新世代のスピードスターも乗りに乗ってはいるが、南野の国際経験値と決定力を見逃すのはもったいない。 ▽それに加えて、南野には4年越しのワールドカップへの強い思いがある。95年1月生まれでありながら、98年フランスワールドカップの日本代表の戦いぶり、あるいは名勝負と言われたイングランドvsアルゼンチン、決勝のフランスvsブラジルなどのビデオを擦り切れるほど見て、脳裏に焼き付けているこの男にとって、ワールドカップというのはやはり特別なもの。ブラジル大会の時はまだ19歳でピッチに立てるという実感はなかっただろうが、3年間欧州で戦い抜いてきた今は違う。コロンビア、セネガル、ポーランドといった相手と対峙しても、冷静に自分自身の力を発揮できるはずだ。 ▽南野が最後の最後にロシアへ滑り込むためには、ソシエダ戦を皮切りに、今季終盤戦に爆発的なパフォーマンスを見せ、目覚ましい結果を残すこと。それしかボスニア人指揮官の心を動かす術はない。イングランドやドイツでプレーしている選手より所属リーグの格が低いことを自覚して、そのマイナス面を感じさせないほどの強烈なインパクトを残せば、風向きは変わってくるかもしれない。 ▽ここからが南野の最後の勝負だ。<hr>【元川悦子】長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 2018.02.21 12:00 Wed
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【元川悦子の日本代表にこの選手を呼べ!】今季8得点。移籍金27億円と言われる小柄なアタッカーは日本の救世主になるのか? 中島翔哉

▽欧州の冬季移籍市場が1月末でクローズしたが、森岡亮太(アンデルレヒト)同様にステップアップが有力視されながら、惜しくも残留となったのが、ポルトガル1部・ポルティモネンセでプレーする中島翔哉だ。 ▽昨年8月にFC東京から同クラブへ赴き、瞬く間に左FWの定位置をつかんだ彼は、1月末時点で16試合出場8ゴールと大ブレイク。ポルトガルビッグ3の一角に数えられるFCポルト行きが現実味を帯びていた。ポルティモネンセ側も移籍金を27億円という強気の数字に設定。うまく契約がまとまるかと思われたが、最終的には今季いっぱいとどまることになった。 ▽ポルトへ行っていれば、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント参戦の可能性もあったが、逆に熾烈なポジション争いを強いられる。実際、今季リーグ戦15ゴールを挙げているムサ・マレガや左MFを担っているヤシン・ブラヒミらがいて、出場機会を得られる保証はない。4カ月後に迫った2018年ロシアワールドカップ滑り込みを目指そうと思うなら、コンスタントで出番のあるポルティモネンセにいた方がいい。そんなプラスマイナスを総合的に判断し、本人も残留を選択したのではないだろうか。 ▽中島がポルティモネンセでいち早く適応できたのは、東京ヴェルディアカデミー時代の後輩・亀倉龍希の存在が大きい。かつて同クラブでプレーしていた金崎夢生(鹿島)もそうだったが、ポルトガル語堪能な彼が言葉や生活の面でサポートしてくれていることは心強い。加えて、鹿島アントラーズでもプレー経験のあるファブリシオもいて、新たな環境に戸惑うことなく入り込めた。中島翔哉のドリブル突破や思い切ったシュート力を生かしてくれる体制が整っているから、わずか半年間でこれだけの成績を残せている。やはり環境的要素を抜きに語れないのだ。 ▽しかしながら、中島にそれだけのポテンシャルがなかったら、いくら周りに恵まれていたと言っても数字はついてこない。2016年リオデジャネイロ五輪に挑んだU-23日本代表時代にエースナンバー10を与えられ、手倉森誠監督(現日本代表コーチ)に絶大な信頼を寄せられた小柄なアタッカーは傑出した技術と得点能力がある。 ▽それは日本代表のトレーニングパートナーとして帯同した2015年アジアカップ(オーストラリア)直前合宿でも明らかだった。本田圭佑(パチューカ)や香川真司(ドルトムント)らがズラリと揃う中、彼は物怖じすることなくピッチに立ち、ゲーム形式の練習でも果敢にゴールを狙いに行っていた。その後、移籍したFC東京でコンスタントに活躍できなかったため、A代表にお呼びはかからなかったが、すでにヴァイッド・ハリルホジッチ監督率いる代表に定着している久保裕也(ヘント)や井手口陽介(クルトゥラル・レオネサ)らと同等以上の実力の持ち主なのは確か。ボスニア人指揮官も興味を示していると言われる。 ▽仮に中島が、2006年ドイツワールドカップの巻誠一郎(熊本)や2014年ブラジルワールドカップの大久保嘉人(川崎)のように、ロシアのラストピースになろうと思うなら、右サイドの久保、浅野拓磨(シュツットガルト)らとの競争を制することが肝要だ。左サイドに関しては、今季スペインで絶好調の乾貴士(エイバル)が君臨しているうえ、ハリルホジッチ監督の寵愛を受ける原口元気(デュッセルドルフ)が1月末の移籍によって出場機会を取り戻したことから、この2枚でほぼ決まりだろう。中島が参入できる余地があるとしたら、やはり右だろう。 ▽最近の日本代表のこのポジションは本田圭佑、久保、浅野が順番に使われていて、最終予選終盤はリオ世代の2人が定着した印象だった。が、浅野が昨年11月のブラジル(リール)&ベルギー(ブルージュ)2連戦の後、所属クラブで出番を大幅に減らしていて、冬の移籍も実現しなかったことから、立場的に厳しくなりつつある。久保と本田はクラブでコンスタントに試合に出ているが、2人ともトップ下で起用されている。久保自身も「セカンドトップが自分にとってのベストな役割」と話していて、代表の右サイドには戸惑いも少なくないという。それは本田にしても一緒。本人はインサイドハーフかトップ下でのプレーを望んでいる。そういう状況だけに、本職のサイドアタッカーである中島にはアドバンテージがあるのだ。 ▽問題はこれまでハリルジャパンに一度も招集されていないこと。細かい約束事や規律を重んじる指揮官のやり方をすぐ吸収できるかどうか未知数な部分がある。それでも何か大きなことをやってくれそうな意外性とスケール感をこの小兵アタッカーは秘めている。今の日本代表にはそういう隠し玉のような存在が必要かもしれない。 ▽いずれにしても、中島が最後の最後に滑り込むためには、ここからさらにパフォーマンスを上げて、目に見える結果を残す必要がある。ポルトガル1部での2ケタ得点はもちろんのこと、15点以上の数字がほしいところ。日本の救世主になるべく、彼には持ち前の貪欲さと泥臭さを前面に押し出してもらいたい。<hr>【元川悦子】長野県松本市生まれ。千葉大学卒業後、夕刊紙記者などを経て、94年からフリーのサッカーライターとなる。Jリーグ、日本代表、海外まで幅広くフォローし、日本代表は特に精力的な取材を行い、アウェイでもほぼ毎試合足を運んでいる。積極的な選手とのコミュニケーションを活かして、選手の生の声を伝える。 2018.02.07 12:00 Wed
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