【プレミアリーグ前半戦総括】超WS選出の最優秀選手はKDB!
2018.01.01 12:00 Mon
★常勝軍団シティが驚異の18連勝
▽チェルシーが制した昨シーズンのプレミアリーグから、今季は積極補強を敢行したユナイテッドとシティのマンチェスター勢の巻き返しが予想された。実際に前半戦はその通りとなったが、予想外だったのはシティの驚異的強さだった。
▽19勝1分け、61得点12失点はいずれもリーグトップ。2位のユナイテッドとは、すでに15ポイントも勝ち点差をつけている。メンディの長期離脱やストーンズの負傷というアクシデントがありながらも、グアルディオラのチームマネジメント、そして個々の選手の成長と戦術理解度が上がったことにより、驚異的な強さを発揮している。
▽2位以下、チャンピオンズリーグ(CL)出場権争いは熾烈だ。現時点でユナイテッド(勝ち点43)と3位のチェルシー(勝ち点42)がやや有利な状況だが、前者は第19節から2試合連続ドローで、チェルシーも昨季のような勢いに欠ける。ユナイテッドは得点43、失点16と攻守において昨季からクオリティが上がっているが、アウェイで3分け2敗を喫しており、敵地での試合に課題。チェルシーはマティッチの放出が痛く、バカヨコがここまでは一貫性を見せることができていない。一方で、モラタは負傷がありながらもここまで10得点と及第点以上の働きだ。
▽4位のリバプール(勝ち点38)は、サラー、フィルミノ、コウチーニョ、マネの攻撃陣が躍動し、ここまで46得点とシティに次ぐ攻撃力を発揮。一方で、23失点は上位勢では多い数字だ。ハマった時は爆発力があるものの、試合のコントロールを含めてムラがある状況を改善したい。その意味では、DF史上最高額でサウサンプトンからの獲得を決めたDFファン・ダイクに期待がかかる。
▽そのほかでは、ダイチェ率いるバーンリー(勝ち点33)が組織的な守備を武器にここまで7位と健闘。シェイクスピアからピュエルへの監督交代があったレスター・シティ(勝ち点27)も徐々に調子を上げ、8位まで上昇してきた。ここまで6得点の岡崎も上々のプレーを見せている。サウサンプトン(勝ち点19)は14位と苦しんでおり、降格圏まで2ポイントと気が抜けない状態。一方で、吉田は15試合2得点とチームを支えており、ファン・ダイクが移籍することで重要度はさらに増しそうだ。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆MFケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)
▽シーズン毎に成長し続けるシティのプレーメーカーが最優秀選手だ。ここまでの記録は6得点9アシスト。アシスト数はリーグトップとなっているが、数字以上に存在感は絶大。相手の虚をつくポジショニングとボールの持ち出し、絶妙なスルーパスと鋭いクロス、プレースキックも非凡で守備もいとわない、というオールラウンダーに成長している。グアルディオラの指導の下、どこまで進化するのか楽しみな選手だ。
★最優秀監督
◆ジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)
▽選択肢はなく、最優秀監督はペップしかいない。リーグ18連勝で首位を独走しているだけでなく、スターリングやザネ、ガブリエウ・ジェズスらを見れば、その指導力も卓越していることが容易に理解できる。9月からは3カ月連続で月間最優秀監督を受賞しており、12月の獲得も濃厚だ。メンディの長期離脱をデルフのコンバートでカバーし、フェルナンジーニョを要所でセンターバックとして起用するなど、選手の起用法とそれに応じた戦術変更、選手への伝達力は非凡。改めて世界最高峰の指揮官であることをアピールしている。
【期待以上】
★チーム
◆バーンリー
▽ここまで9勝6分け5敗の7位と大健闘。チーム内得点王がウッズの4得点ということもあって、得点源を欠くチームの総得点は18得点だが、ダイチェの下で規律と高いインテンシティを見せる守備で奮闘。失点数はリバプール、スパーズ、アーセナルを凌ぐ17失点と素晴らしい数字を残している。リーグカップは既に敗退しており、年明けのFAカップ3回戦ではシティが相手。ここで無理をせずにリーグに集中する環境となることがむしろプラスになる可能性があり、勢いが持続すればヨーロッパリーグを狙える終盤とすることも可能か。
★選手
◆FWラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)
▽その才能が高く評価されてきたスターリングだが、今季は殻を破ってもう一段階成長した印象だ。グアルディオラ監督の指導が実になっている印象で、パスをさばいた後の動き出しや、最終ラインとの駆け引き、シュートの際の落ち着きなど、プレー精度と質が格段に上がった。ここまで、得点ランキング3位の12得点というのも素晴らしい数字。試合終了間際のゴールでチームを救ったものも多く、その勝負強さも印象的だった。
【期待外れ】
★チーム
◆エバートン
▽13年ぶりのルーニー復帰やGKピックフォード、DFマイケル・キーン、MFクラーセン、MFシグルドソンらの積極補強によりヨーロッパ圏内を争うことが期待されていたエバートン。しかし、クーマンはこれらの選手たちをうまくチームに組み込んで機能させることができず、一時18位まで低迷し10月に解任された。それでも、そこからは徐々に盛り返し、12月にアラダイスが就任してからは3勝3分けの負けなしと完全に復調。ここまで10得点のルーニーを軸に、さらなる巻き返しに期待がかかる。
★選手
◆MFヘンリク・ムヒタリアン(マンチェスター・ユナイテッド)
▽開幕からの3試合で5アシストとシーズンの立ち上がりは印象的なプレーを見せていたムヒタリアンだが、徐々にパフォーマンスが低下。モウリーニョとの確執も伝えられ、11月から12月にかけてはメンバー外の状況が続いた。香川と同じく古巣であるドルトムントへの復帰も噂されているが、このままオールド・トラフォードを離れることになるのだろうか。
【後半戦展望】
★無双シティは止められない
▽優勝争いに関しては、シティが驚異的な強さを見せており、リーグレベルでの競争力という意味ではスペクタクルさが欠ける状況。このままいってしまえば、「どこが優勝するのか」ではなく、勝ち点や得点数、優勝決定時期など、シティが「どのような記録を残して優勝するか」ということが焦点になるかもしれない。
▽一方でCL出場権争いは熾烈を極めそうだ。ユナイテッドはここまで全試合に出場しているルカクの疲労が顕著で、復帰したイブラヒモビッチもここまでコンディションが上がっていない。イブラヒモビッチがどこまでルカクの代わりになれるか、キャリックが長期離脱しているため、マティッチの代役となれる選手も冬の移籍市場で補強したい。
▽チェルシーは戦前からのとおり、選手層に一抹の不安を抱えており、引き続きCLとの並行、FAカップも始まり、やり繰りの難しさと疲労の蓄積はさらに顕著となりそう。モラタの代わりとなるストライカーを補強することや、バカヨコやドリンクウォーターがどこまでカンテの負担を軽減できるかが鍵だ。
▽リバプールは1月からファン・ダイクの加入が決まり、課題の守備が強化される。ここまで15得点と躍動しているサラーが引き続き活躍し、バルセロナから狙われているコウチーニョの慰留に成功すれば、ユナイテッドやチェルシーの上に行く可能性も十分だ。
▽アーセナルやスパーズもそれぞれ攻撃陣に役者は揃っている。ただ、アーセナルは契約延長していないサンチェスとエジルの去就が懸念。移籍が実現しなくても、報道が過熱すれば1月のパフォーマンスに影響することが考えられるため気がかりだ。スパーズは、ディフェンスリーダーのアルデルヴァイレルトが復帰すれば、世界屈指のストライカーで2017年欧州得点王のケイン、そしてチームの完成度はリーグ屈指のため、CL圏内フィニッシュを狙える。
▽残留争いは最下位のスウォンジー(勝ち点13)が厳しい状況だが、ボトムハーフの最上位の11位であるハダースフィールドも勝ち点は23。17位のウェストハム(勝ち点18)や19位のWBA(勝ち点15)も監督を交代させたばかりなので、残留争いの行方が見えてくるのはもう少し先になりそうだ。
▽チェルシーが制した昨シーズンのプレミアリーグから、今季は積極補強を敢行したユナイテッドとシティのマンチェスター勢の巻き返しが予想された。実際に前半戦はその通りとなったが、予想外だったのはシティの驚異的強さだった。
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▽序盤戦こそ第2節でエバートンに引き分け、第3節でもボーンマスを相手に試合終了間際の得点で何とか勝利したシティ。しかし、ここからが圧巻だった。第4節、ホームでリバプールを5-0と粉砕すると、第7節のスタンフォード・ブリッジでのチェルシー戦、第11節のアーセナルとのホーム戦、第16節のユナイテッドとのダービーでも白星を積み重ね続け、12月にはプレミアリーグ新記録の15連勝を達成。勢いは止まることなく、第20節終了時点で連勝記録を「18」まで伸ばしている。▽2位以下、チャンピオンズリーグ(CL)出場権争いは熾烈だ。現時点でユナイテッド(勝ち点43)と3位のチェルシー(勝ち点42)がやや有利な状況だが、前者は第19節から2試合連続ドローで、チェルシーも昨季のような勢いに欠ける。ユナイテッドは得点43、失点16と攻守において昨季からクオリティが上がっているが、アウェイで3分け2敗を喫しており、敵地での試合に課題。チェルシーはマティッチの放出が痛く、バカヨコがここまでは一貫性を見せることができていない。一方で、モラタは負傷がありながらもここまで10得点と及第点以上の働きだ。
▽4位のリバプール(勝ち点38)は、サラー、フィルミノ、コウチーニョ、マネの攻撃陣が躍動し、ここまで46得点とシティに次ぐ攻撃力を発揮。一方で、23失点は上位勢では多い数字だ。ハマった時は爆発力があるものの、試合のコントロールを含めてムラがある状況を改善したい。その意味では、DF史上最高額でサウサンプトンからの獲得を決めたDFファン・ダイクに期待がかかる。
▽スパーズ(勝ち点37)、アーセナル(勝ち点37)もCLを争う状況だ。スパーズは戦術の幅は広がったものの、ケインの調子に拠るところや、アルデルヴァイレルトの負傷離脱が響いている。アーセナルは序盤戦は3バック、最近になって4バックに戻しているが、こちらもリバプールと同様に試合による波が大きい。3分け4敗とアウェイでの取りこぼしが多かった。
▽そのほかでは、ダイチェ率いるバーンリー(勝ち点33)が組織的な守備を武器にここまで7位と健闘。シェイクスピアからピュエルへの監督交代があったレスター・シティ(勝ち点27)も徐々に調子を上げ、8位まで上昇してきた。ここまで6得点の岡崎も上々のプレーを見せている。サウサンプトン(勝ち点19)は14位と苦しんでおり、降格圏まで2ポイントと気が抜けない状態。一方で、吉田は15試合2得点とチームを支えており、ファン・ダイクが移籍することで重要度はさらに増しそうだ。
【最優秀選手&監督】
★最優秀選手
◆MFケビン・デ・ブライネ(マンチェスター・シティ)
Getty Images
▽シーズン毎に成長し続けるシティのプレーメーカーが最優秀選手だ。ここまでの記録は6得点9アシスト。アシスト数はリーグトップとなっているが、数字以上に存在感は絶大。相手の虚をつくポジショニングとボールの持ち出し、絶妙なスルーパスと鋭いクロス、プレースキックも非凡で守備もいとわない、というオールラウンダーに成長している。グアルディオラの指導の下、どこまで進化するのか楽しみな選手だ。
★最優秀監督
◆ジョゼップ・グアルディオラ(マンチェスター・シティ)
Getty Images
▽選択肢はなく、最優秀監督はペップしかいない。リーグ18連勝で首位を独走しているだけでなく、スターリングやザネ、ガブリエウ・ジェズスらを見れば、その指導力も卓越していることが容易に理解できる。9月からは3カ月連続で月間最優秀監督を受賞しており、12月の獲得も濃厚だ。メンディの長期離脱をデルフのコンバートでカバーし、フェルナンジーニョを要所でセンターバックとして起用するなど、選手の起用法とそれに応じた戦術変更、選手への伝達力は非凡。改めて世界最高峰の指揮官であることをアピールしている。
【期待以上】
★チーム
◆バーンリー
Getty Images
▽ここまで9勝6分け5敗の7位と大健闘。チーム内得点王がウッズの4得点ということもあって、得点源を欠くチームの総得点は18得点だが、ダイチェの下で規律と高いインテンシティを見せる守備で奮闘。失点数はリバプール、スパーズ、アーセナルを凌ぐ17失点と素晴らしい数字を残している。リーグカップは既に敗退しており、年明けのFAカップ3回戦ではシティが相手。ここで無理をせずにリーグに集中する環境となることがむしろプラスになる可能性があり、勢いが持続すればヨーロッパリーグを狙える終盤とすることも可能か。
★選手
◆FWラヒーム・スターリング(マンチェスター・シティ)
Getty Images
▽その才能が高く評価されてきたスターリングだが、今季は殻を破ってもう一段階成長した印象だ。グアルディオラ監督の指導が実になっている印象で、パスをさばいた後の動き出しや、最終ラインとの駆け引き、シュートの際の落ち着きなど、プレー精度と質が格段に上がった。ここまで、得点ランキング3位の12得点というのも素晴らしい数字。試合終了間際のゴールでチームを救ったものも多く、その勝負強さも印象的だった。
【期待外れ】
★チーム
◆エバートン
Getty Images
▽13年ぶりのルーニー復帰やGKピックフォード、DFマイケル・キーン、MFクラーセン、MFシグルドソンらの積極補強によりヨーロッパ圏内を争うことが期待されていたエバートン。しかし、クーマンはこれらの選手たちをうまくチームに組み込んで機能させることができず、一時18位まで低迷し10月に解任された。それでも、そこからは徐々に盛り返し、12月にアラダイスが就任してからは3勝3分けの負けなしと完全に復調。ここまで10得点のルーニーを軸に、さらなる巻き返しに期待がかかる。
★選手
◆MFヘンリク・ムヒタリアン(マンチェスター・ユナイテッド)
Getty Images
▽開幕からの3試合で5アシストとシーズンの立ち上がりは印象的なプレーを見せていたムヒタリアンだが、徐々にパフォーマンスが低下。モウリーニョとの確執も伝えられ、11月から12月にかけてはメンバー外の状況が続いた。香川と同じく古巣であるドルトムントへの復帰も噂されているが、このままオールド・トラフォードを離れることになるのだろうか。
【後半戦展望】
★無双シティは止められない
▽優勝争いに関しては、シティが驚異的な強さを見せており、リーグレベルでの競争力という意味ではスペクタクルさが欠ける状況。このままいってしまえば、「どこが優勝するのか」ではなく、勝ち点や得点数、優勝決定時期など、シティが「どのような記録を残して優勝するか」ということが焦点になるかもしれない。
▽一方でCL出場権争いは熾烈を極めそうだ。ユナイテッドはここまで全試合に出場しているルカクの疲労が顕著で、復帰したイブラヒモビッチもここまでコンディションが上がっていない。イブラヒモビッチがどこまでルカクの代わりになれるか、キャリックが長期離脱しているため、マティッチの代役となれる選手も冬の移籍市場で補強したい。
▽チェルシーは戦前からのとおり、選手層に一抹の不安を抱えており、引き続きCLとの並行、FAカップも始まり、やり繰りの難しさと疲労の蓄積はさらに顕著となりそう。モラタの代わりとなるストライカーを補強することや、バカヨコやドリンクウォーターがどこまでカンテの負担を軽減できるかが鍵だ。
▽リバプールは1月からファン・ダイクの加入が決まり、課題の守備が強化される。ここまで15得点と躍動しているサラーが引き続き活躍し、バルセロナから狙われているコウチーニョの慰留に成功すれば、ユナイテッドやチェルシーの上に行く可能性も十分だ。
▽アーセナルやスパーズもそれぞれ攻撃陣に役者は揃っている。ただ、アーセナルは契約延長していないサンチェスとエジルの去就が懸念。移籍が実現しなくても、報道が過熱すれば1月のパフォーマンスに影響することが考えられるため気がかりだ。スパーズは、ディフェンスリーダーのアルデルヴァイレルトが復帰すれば、世界屈指のストライカーで2017年欧州得点王のケイン、そしてチームの完成度はリーグ屈指のため、CL圏内フィニッシュを狙える。
▽残留争いは最下位のスウォンジー(勝ち点13)が厳しい状況だが、ボトムハーフの最上位の11位であるハダースフィールドも勝ち点は23。17位のウェストハム(勝ち点18)や19位のWBA(勝ち点15)も監督を交代させたばかりなので、残留争いの行方が見えてくるのはもう少し先になりそうだ。
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