【原ゆみこのマドリッド】ゴールがないと盛り上がらない…2017.12.12 13:00 Tue

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▽「もう5年も前のことなのね」そんな風に私が思い起こしていたのは月曜日、ヨーロッパリーグ32強組み合わせ抽選でアトレティコの相手が決まった時のことでした。いやあ、ここ数年、CL決勝トーナメントの常連と化していた彼らですが、今季はグループリーグで3位敗退し、年明けからは2012-13シーズン以来のELに挑戦することに。相手がアーセナルやドルトムント、ナポリ、ミランといった大物なら、話は違うんでしょうが、これがコペンハーゲンとなると、2月22日の2ndレグなんて、ワンダ・メトロポリターノのスタンドにかなり空きが出るのは間違いないかと。

▽実際、寒くて人も少ないビセンテ・カルデロンで私が見た最後のEL試合も2013年の32強対決ルビン・カザン戦1stレグだったんですが、これまた結果も最悪で、そう、0-1で負けていたアトレティコはGKアセンホ(現ビジャレアル)がロスタイムに全員攻撃に参加してカウンターを喰らい、2点目を奪われて被害が拡大。結局、ロシアでの2ndレグにファルカオ(現モナコ)のゴールで勝ったものの、総合スコア1-2で敗退という悲惨さだったんですが、そのシーズンは当時、フェルナンド・トーレスもいたチェルシーが、昨季もマンチェスター・ユナイテッドが優勝と、通常ならCLにいるであろうチームが優勝することもありますしね。前人未到のEL3連覇を果たしたセビージャだって、今季のCL16強対戦でユナイテッドに負けたら、もう先はないことを考えると、シーズン終盤までヨーロッパの大会を楽めそうという意味では良かったのかもしれませんが…。

▽いやいや、もちろん私が自分を慰めているだけというのはわかっていますよ。だってえ、同じ金曜に決まったお隣さんのCL16強対戦の相手はあのPSG。グループ2位通過のため、2月14日にあるホームの1stレグなど、ネイマール、カバーニ、エムバペを擁するチームとの名勝負目当てのファンで、サンティアゴ・ベルナベウが超満員になるのは日を見るより明らかじゃないですか。3月6日の2ndレグもパリで開催とマドリッドから近いため、応援に行くレアル・マドリーファンも多いかと思いますが、その頃、順当に行っていれば、アトレティコはEL16強対戦の1stレグ。自己責任と言ってしまえばそれまでですが、ラウンドが1つ少ないCLに比べ、ミッドウィーク全てがコパ・デル・レイで占められる1月のハードスケジュールの後、ELだと2月3月も週2試合ペースを続けないといけないのは本当に辛いですよね。

▽まあ、その辺はまた時期が来たらお話しすることにして、とりあえず、先週末のリーガでマドリッド勢がどうだったかを伝えておかないと。この15節、先陣を切って土曜のアジアンゴールデンタイム、正午からキックオフしたのは弟分のヘタフェ。丁度、相手がエイバルということで、柴崎岳選手と乾貴士選手の日本人対決をLEP(スペイン・プロリーガ協会)が盛り上げたかったのか、いえ、選手入場時にスタンドに大きな日の丸の垂れ幕が広がったり、マドリッド日本人会が応援ツアーを企画したりというのは別にいいんですけどね。まさか、キックオフ前に両選手が始球式をするスペイン人フィギアスケーター、ハビエル・フェルナンデスのご相伴までするのはちょっと演出過多だったかと(https://twitter.com/LaLigaEN/status/939484109575000064)。

▽ええ、後で乾選手に訊くと、一緒に始球式したのが誰だったかも知らなかったようで、「日本人が出るだけで、何でこんなに日本で盛り上がるのかよくわからない。始球式もいるのかなって感じで」とのこと。「もうボクなんか、3年いるんだから、こういうのは1年目の選手同士でやってほしい。エイバルでのホームゲームでもやるって言われたら、絶対止めます」と言っていたものですが、残念ながら、この日はピッチの上で2人がマッチアップすることはありませんでした。というのも先発した乾選手は後半18分でベベに交代、9月のバルサ戦で負傷して以来、柴崎選手が初めてコリセウム・アルフォンソ・ペレスのピッチに帰って来たのはその後、28分になってからだったから。

▽それも柴崎選手の出場はやはり回復したばかりのパチェコ同様、ボルダラス監督に言わせると、「Es importante que esten en el verde para que tengan minutes/エス・インポルタンテ・ケ・エステン・エン・エル・ベルデ・パラ・ケ・テンガン・ミヌートス(プレー時間を持つため、ピッチに出るのは大事なこと)」だったからのようで、残念ながら、チームの勝利には結びつかなかったんですが、何せエイバルのキャプテン、ダニ・ガルシアでさえ、「家で見ていたら、チャンネルを変えていただろう。Un partido sin ocasiones, muchas faltas.../ウン・パルティードー・シン・オカシオネス、ムーチャス・ファルタス(チャンスがなく、ファールばっかりある試合…)」という展開でしたからね。

▽それでもエイバルには後半8分、ジェネにエンリッチがゴール前で倒されたため、PKが与えられたんですが、ホルダンが天高く撃ち上げてしまって得点ならず。「Nos han hecho una presion tremenda/ノス・アン・エッチョー・ウナ・プレシオン・トレメンダ(ウチに凄いプレスをかけてきた)。プレーをやりにくさせられて、パス3回も繋げさせてもらえなかった」(ボルダラス監督)というヘタフェの方は後半途中、中盤の要、ベルガラがヒザを痛めて交代という不運も響いたんでしょうか。ロスタイムにはラセンの強烈シュートもGKディミトロビッチに阻まれて、結局、スコアレスドローで終わったため、ガッカリした日本人ファンも多かったかと。

▽でも大丈夫、次の時間帯で行われたマドリーvsセビージャ戦では一気に憂さを晴らすことができたんですよ。そう、ヘタフェから大急ぎで駆けつけたサンティアゴ・ベルナベウも先日、メッシと並ぶ5回目のバロンドールを受賞したクリスチアーノ・ロナウドのトロフィーお披露目から始まったんですが、試合の方でもお祭りは続行。そう、開始3分にはCKからナチョが先制点を奪ったかと思いきや、22分にはアセンシオのスルーパスを受けて、ロナウドが自らお祝い弾を挙げると、31分にはヘスス・ナバスがエリア内でハンドを犯してペナルティもゲットすることに。当然、このPKもロナウドが決め、更に38分にはクロースが、41分にもベンゼマのアシストで右SBのアクラフがトップチーム初ゴールと、前半だけで5点なんて、こんな景気のいい試合、今季のリーガで初めて見ましたっけ。

▽いやあ、こんなことになるならカセミロ、カルバハル、セルヒオ・ラモスの出場停止、バランの負傷欠場で守備の不安を煽られていたキックオフ前は何だったのかと思ってしまいますが、やはり最大の防御は攻撃と言いますか、水曜のマリボル戦でようやくCLグループ突破を果たしたセビージャも選手の疲れを考慮して、ローテーションしていましたからね。後半も大した反撃は見られず、すでに大量リードでアブ・ダビ行きのことを考えだしたマドリー同様、無得点で終わったため、最終スコアはそのまま5-0となりましたっけ。

▽え、セビージャ相手にそんなgoleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)を見せられるのなら、今年もクラブW杯のタイトル獲得は確実じゃないかって?そうですね、日曜には寒いマドリッドを離れ、常夏のアラブ首長国連邦に着いた彼らですが、現地での最初のセッションではベイルとバランが問題なしに全体練習をこなしたといういい知らせも。いえ、FIFAに登録する大会メンバーには入っていないバジェホも同伴しており、またバランに何かあった場合は水曜午後6時(日本時間翌午前2時)からの準決勝、土曜に浦和レッズに勝利したアル・ジャジーラとの試合の24時間前までなら差し替えできるため、心配には及ばないんですけどね。

▽ただ、現地でのインタビューでジダン監督は「No va a ser fácil/ノー・バ・セル・ファシル(簡単にはいかないだろう)。去年もウチは日本のチーム(柴崎選手のいた鹿島アントラーズ)相手に大変な苦労をして優勝した」と言ってはいたんですが、どう見たって、準決勝も火曜のグレミオvsパチューカ戦勝者と顔を合わせる土曜の決勝にしても彼らの方が格上。逆に負けたりしたら、何を言われるかわからないという恐れもありますし、全力を尽くして夏のUEFAスーパーカップ、スペイン・スーパーカップに続く、今季3つ目のタイトルを持って帰ってくれるんじゃないかと。

▽そして話をリーガに戻すと、土曜は続いてレガネスがラ・コルーニャ(スペイン北西部)でデポルティボに挑んだんですが、いやあ、あまりにEL出場圏に近付いてしまったのが裏目に出ましたかね。試合は結局、前半24分にアドリアンに決められたゴールが決勝点となって、1-0で負けてしまったんですが、ガリターノ監督によると、「前半が本当に悪くて、ハーフタイムに5、6人代えられるならそうしていただろう」という最悪の出来で、もっと大量点差で負けていてもおかしくなかったよう。幸い翌日、ビジャレアルがバルサに負けたため、同じ勝ち点差のヘタフェに7位を奪われたとはいえ、6位まで勝ち点差1の8位といういい位置はキープしたままなんですが、何せ彼らの次節、兄貴分とのミニマドリーダービーは相手の都合で来年回しにされていますからね。

▽そこは今週末、首位バルサとの差が勝ち点8から11へと、更に開いてしまうかもしれないマドリーも同じなんですが、おかげで両チーム共、今年のリーガはあと1試合だけ。レガネスが19日(火)にレバンテ戦を終え、真っ先にクリスマスのparon(パロン/リーガの停止期間のこと)に入るのに比べ、23日(土)にクラシコ(伝統の一戦)でライバルと直接対決するマドリーながら、どちらも年明けは1月4日のコパ・デル・レイ16強対決1stレグ(レガネスvsビジャレアル、ヌマンシアvsマドリー)とあって、バケーションが短い方は気の毒ですが、今週日曜にジローナ戦、20日(水)にホームのラス・パルマス戦の後、コパ・デル・レイを敗退しているため、1月最初の週末まで試合のないヘタフェのように上には上がいるため、そこはあまり羨んでも仕方ないかと。

▽え、先週末は4位から上の勝ち点差がまったく変わらなかったということは、日曜にプレーしたアトレティコもベティスに勝ったのかって?いやあ、その通りなんですが、恥ずかしながら、お隣さんに引けを取らない試合をしたとは決して言えなず、だってえ、前半も後半もポゼッションが30%にさえ満たなかったんですよ。もうその惨状はパスが3回続かなかった弟分どころではなく、ボールを拾うやいなや、敵目掛けて蹴っているような恐ろしさだったんですが、それでも前半30分にはゴールが決まったから、呆気に取られたの何のって。そう、センターラインからゴディンが出したロングフィードをベルサイコが受け、ゴール前にラストパス。ニアポストではコレアもガメイロも捉えることができなかったものの、反対側にいたサウールが押し込んで先制点って、こんな上手い話があっていいんでしょうか。

▽うーん、彼は先週のCL最終節チェルシー戦でも彼は劣勢の中からヘッドを決め、スタンフォード・ブリッジまで応援に行った1500人のアトレティコファンを喜ばせていたんですけどね。GKオブラクが後半、テージョのシュートをparadon(パラドン/スーパーセーブ)で逸らし、チームを同点の危機から救っていたのはその日と同じだったんですが、幸いビジャマリン(ベティスのホーム)では味方のオウンゴールは生まれず。加えてシメオネ監督も15分にはコレアに代え、3人目のCBヒメネスを投入し、ロスタイムにはリュカまで出して、自慢の4CB総動員体制で守ったため、何とか最後まで1点のリードを守り切ることはできたんですが…「今日はあまりチャンスがなかったが、より確実なものだった。Para mí, es el juego bueno y el resultado major/パラ・ミー、エス・エル・フエゴ・ブエノ・イ・エル・レスルタードー・メホール(私にとってはいいゲームだったし、結果も最高だ)」(シメオネ監督)って、ちょっと本気で言っている?

▽いえ、確かに「Ellos tampoco es que nos hayan tirado mucho/エジョス・タンポコ・エス・ケ・ノス・アジャン・ティラードー・ムーチョ(彼らも沢山、シュートしてきた訳じゃない)。ボールは持っていたけど、そんなに危険はなかったよ」とコケが言うのももっともなんですけどね。いくらグリーズマンがケガでいないからって、6人のDFで守るアトレティコがカッコいいかというと、やっぱりそうは言えないでしょ。

▽まあ、その辺は土曜のアラベス戦、そして年内最終戦となる22日(金)、アウェイのエスパニョール戦で改善を試みて、いよいよジエゴ・コスタとビトロが出場可能となる1月3日のコパ、ジェイダ(2部B)戦ではもっと積極的なアトレティコを見せてくれることを期待していますが、さて。そうそう、冬の市場で移籍の噂が出ているベルサイコですが、コパのエルチェ戦に続き、この試合でも本職の右SBらしいアシストで貢献。バルカン半島出身仲間のサビッチも「Yo creo que se queda/ジョ・クレオ・ケ・セ・ケダ(彼は残ると思う)」と言っていましたし、トーマスが一生懸命修行しているとはいえ、やっぱりいてくれた方がチームのためになるんじゃないですかね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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【原ゆみこのマドリッド】こうまで試合が続くのは珍しい…

▽「お昼時に見たい映像じゃないのに」そんな風に私が眉をしかめていたのは金曜日、ラス・ムサス駅前のベンチから、清掃員が血まみれの衣服を拾ってゴミ袋に入れているシーンがどのチャンネルのスポーツニュースでも映るのにうんざりしてのことでした。というのもワンダ・メトロポリターノでコパ・デル・レイ準々決勝1stレグがあった水曜日、メトロ(地下鉄)7号線エスタディオ・メトロポリターノ駅の1つ手前、スタジアムに至る道のりにお店が並んでいる通りがあり、こちらから歩いて行くファンも多いエリアで傷害事件が発生。キックオフ20分前にとあるバル(スペインの喫茶店兼バー)にいた22歳のスペイン人がナイフで3カ所を刺され、助けを求めて警察に保護されたのがそこだったから。 ▽被害者の方は一命を取りとめたそうなので、不幸中の幸いだったんですが、すぐに捕まった犯人は元フレンテ・アトレティコ(過激なファングループ)の一員。それも1998年にビセンテ・カルデロン周辺でレアル・ソシエダのファンが殺害された時にも容疑者の1人とされ、2005年に不振を極めていたチームに抗議するため、当時、リバプール移籍前のフェルナンド・トーレスもいたマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に柵を破って侵入した集団にもいた人物だったとか。おまけにここ10数年、強盗などの罪で服役し、釈放されてたったの6カ月しか経っていなかったというのには言葉もありませんが、おかげでまたしてもウルトラたちの蛮行がクローズアップされてしまったのは何とも嘆かわしいかと。 ▽ええ、同じ水曜遅くに行われたコパ、エスパニョールvsバルサ戦でもRCDEスタジアムへの入場を断られた一団がスタジアム外でbengala(ベンガラ/発煙筒)を炊いて大騒ぎ、警官隊と揉み合っていましたしね。アトレティコが迎えたセビージャも先日には練習場にビリス(過激なファングループ)の訪問を受けて、どうにも落ち着きませんが、いくら取り締まってもこういう類いの人たちはサッカー周辺から消えないよう。自分としてもできるのは、そういう騒動にぶつからないことを祈るぐらいしかないんですが、それも運次第としか言えなくって…スペインに試合観戦に来るファンにとって、何のアドバイスにもならないのが申し訳ないです。 ▽まあ、そんなことはともかく、今週のミッドウィークは私もコパ三昧。マドリッド勢が3チームも準々決勝に残っているため、連夜のスタジアム通いとなったんですが、格下相手だった16強対決とは違い、どちらも大勢の観客を集めての試合となりました。ちなみに水曜のアトレティコvsセビージャ戦は5万1000人とかつてのビセンテ・カルデロンなら、ほぼ満員になる数字で、木曜のマドリーミニダービーとなったレガネスvsレアル・マドリー戦は1万1000人と、こぶりなブタルケはスタンドから人が溢れんばかり。結局、ソシオ(協賛会員)に先行販売した後、当日券が80枚ばかり出たそうですが、やはり一般のファンにとっては狭き門だったかと。 ▽ただ、どちらも結果から言うと、残念なもので、アトレティコなど、グリーズマンとFIFA処分明けで1月からプレーできるようになったジエゴ・コスタ、ビトロ、シメオネ監督待望の黄金コンビが初めて揃い踏みしたんですけどね。期待たがわず、前半13分にはCKからコスタがヘッドでゴールを決めたんですが、残念ながら、グリーズマンがGKセルヒオ・リコにぶつかったとして、ファールでゴールが認められず、続くコスタの一撃もリコにparadon(パラドン/スーパーセーブ)される始末。更に彼にはゴール前の揉み合いでメルカドにユニフォームを破られながら、ペナルティを取ってもらえない不運もあったんですが、セビージャもコレアの1対1やエスクデーロの意表を突くロングシュートをGKモヤに阻まれ、先制点を奪うことはできません。 ▽それでもスコアレスドローで迎えた後半28分、クリアされたCKをカラスコが撃ったボールが敵DFに当たって逸れ、そのこぼれ球をコスタがゴールしてとうとうアトレティコが1点を入れたんですよ! ところが35分、途中出場のヘスス・ナバスのクロスがリュカに当たって軌道が変わったため、モヤも慌ててしまったんでしょうかね。ボールは枠の外に向かっていたにも関わらず、手を伸ばして弾こうとして、オウンゴールにしてしまったから、場内も呆気に取られたの何のって。 ▽ええ、これにはサウールなども「El gol del empate fue muy doloroso, de rebote, nos hizo mucho dano moralmente/エル・ゴル・デル・エンパテ・フエ・ムイ・ドローロ、デ・レボテ、ノス・イソ・ムーチョ・ダーニョ・モラルメンテ(同点ゴールはとても痛かった。リバウンドだったし、士気的に凄く影響した)」と言っていたんですが、だからって、「Hemos perdido la cabeza/エモス・ペルディードー・ラ・カベッサ(ボクらは考える頭を失ってしまい)、やみくもに2点目を取りにいった」なんて、ちょっとお。コパは180分間で決着がつくのを忘れていた? ▽うーん、思うにこれにはこの日のアトレティコが先発のアタッカートリオに加え、ベンチにはコレア、カラスコ、トーレス、ガメイロとやたらFW人口が多め。おかげでハーフにはビトロをコレアに、後半22分にはグリーズマンをカラスコへと太っ腹に代えたシメオネ監督は更に、同点になった後もコケに代えてトーレスを投入し、攻めに出たんですが、これまでのパターンだったら、ここはヒメネスで中盤の守備強化だったかと。ついつい豊富な攻撃陣に誘惑され、コケ、サウール、ガビらMFたちがまったく役に立っていなかったことに目をつむってしまったというところでしょうが、そんな彼らを最悪の災難が襲ったのは43分。 ▽それは昨今のアトレティコには珍しいCB陣のダブルミスからで、センターからバネガが頭で戻したボールをゴディンがベン・イェデルに競り負け、落ちた先でサビッチもクリアし損ねてセビージャのコレアがゲット。最後はモヤも破られて、2点目を取られてしまったとなれば、もうどうしたらいいものやら。残り時間もなく、そのまま1-2で逆転負けしてしまったんですが、いやあ、まさか昨季最後のリーガ戦後、ベリッソ監督を解任。モンテッラ監督をイタリアから呼んだものの、ベティスとのアンダルシアダービーにホームで3-5とやられ、続くアラベス戦にも負けて、絶不調と言われていた相手が息を吹き返す勝利を与えるとは、まったくお人よしにも程があるってもんじゃありませんか。 ▽まあ、嘆いても後の祭りで、こうなったら来週火曜の2ndレグ、すでにチケット完売のサンチェス・ピスファンでremontada(レモンターダ/逆転劇)を目指すしかないんですが、ファンフランは「No es la primera vez que hemos ido a Sevilla y hemos ganado tanto en Liga como en Copa/ノー・エス・ラ・プリメーラ・ベス・ケ・エモス・イドー・ア・セビージャ・イ・エモス・ガナードー・タントー・エン・リーガ・コモ・エン・コパ(ウヒがセビージャで勝ったのはリーガもコパも初めてじゃない)」とは言っていたものの、ホームで1-2負けからの逆転突破はクラブ史上、これまで1回のみ。それを考えると、かなり厳しそうですが、今はもう土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)からのジローナ戦に頭を切り替えないと。何せ、ワンダのオープンが遅れ、開幕からアウェイが3試合続いたシーズン序盤と逆にここから、リーガはホーム3連戦ですからね。フィリペ・ルイスにまたケガが見つかり、リュカが出づっぱりというのもちょっと心配ですが、首位バルサとの勝ち点差9を少しでも縮められるよう、全力を尽くしてほしいものです。 ▽そして木曜、午後9時30分という遅いキックオフだっただけに、帰りはセルカニアス(国鉄近郊路線)の終電に間に合わず。それでもグーグルマップを見ながら、サン・ニカシオ駅まで20分程歩けばメトロスール(地下鉄南線)はまだあるからと、観念してブタルケに向かった私でしたが、マドリーのBチームも相変わらずパッとしませんねえ。いえ、開始14分でCBバジェホが負傷、コパ32強対決フエンラブラダ(2部B)で退場したのに続き、せっかくのチャンスを利用できず、ナチョと代わる破目になったのは気の毒でしたけどね。レガネスは元々、しっかりした守りに定評のあるチームなんですが、ボールは支配していたマドリーだったものの、先発したマジョラル、アセンシオ、ルーカス・バスケス、セバジョスらでは上手く攻め込むことができず、前半のチャンスなど、コバチッチがGKシャンパンとの1対1で不可思議にも枠を外してしまった時ぐらいでしたっけ。 ▽だからといって、お隣さんとは対照的にケガの直ったベンゼマも含め、BBCを招集しなかったジダン監督のチームの控えにはFWが1人もいませんでしたしね。さすがに0-0のまま、後半半ばにもなると、セバジョスをモドリッチにしてみたんですが、すると対するガリターノ監督も勝負に出ます。そう、24分には現在、チームで一番調子のいいアムラバットを入れ、攻勢をかけたところ、ボービューが至近距離からvolea(ボレア/ボレーシュート)。残念ながら、これはGKカシージャに弾かれてしまったため、勝負は来週水曜のサンティアゴ・ベルナベウに持ち越されるかと、スタンドを埋めたサポーターたちも思ったんですが…いやあ、才能ある選手というのは本当に油断がなりませんよ。 ▽そう、残り1分、途中出場したイスコが始めたプレーから、左SBのテオがクロスを上げると、アセンシオがゴール右前、ティトに先んじてボールのコースを変えてゴール。これで0-1と、マドリーが土壇場で勝利をモノにしたんですが、ガリターノ監督も「ベルナベウでチャンスを探す。Allí daremos todo lo que tenemos/アジー・ダレモス・トードー・ロ・エ・テネモス(そこで我々の持つ全てを出すつもりだ)」と言っていた通り、安心とは程遠い結果だったのも事実だったかと。 ▽いえ、ジダン監督は「Este triunfo es un punto de inflexión para seguir y sacar dos, tres o cuatro partidos adelante/エステ・トリウンフォ・エス・ウン・プント・デ・インフレクシオン・パラ・セギール・イ・サカール・ドス、トレス・オ・クアトロ・パルテイードス・アデランテ(この勝利が先の2試合、3、4試合に勝ち続ける分岐点になるだろう)」と楽観的でしたけどね。バランなども「他の日より劣ったプレーをしたけど、今日は勝った。ボクは悪いプレーでも勝つ方がいいね」と認めていたように、年が変わって以来、1部の相手には引き分け、敗戦と白星がなかったことを考えると、弟分チームとはいえ、レガネスに勝てたのは選手たちの自信回復にもなって良かったかと。 ▽まあ、そんな彼らは日曜午後4時15分から、ホームサポーターの前で今度はデポルティボ相手に復調したことを証明しないといけないんですが、まあ、首位のバルサとは勝ち点差19ありますからね。焦っても仕方ないんで、1ポイント差で5位のビジャレアルに来季のCL出場圏順位の4位を奪われないように気をつけながら、グループリーグに直接参加できる3位のバレンシアとの8差を少しずつ詰めていくことが当面の目標でしょうか。 ▽ちなみにこの試合の注目は今週、メッシやネイマールに年棒で激しく抜かれながら、ペレス会長が一向に契約更改をしてくれないことに業を煮やしてか、マンチェスター・ユナイテッドへの移籍を望んでいると大々的に報じられたクリスチアーノ・ロナウドに対するスタンドのリアクション。うーん、これまでならあっさりハットトリックでも挙げて、ファンの恩寵を取り戻すのに苦労はなかった当人ですが、今季はリーガでなかなかゴールが入らず。まだ、たったの4得点という悪い流れを変えないと、pito(ピト/ブーイング)が飛んできたりもするかもしれませんね。 ▽え、コパ生き残り勢の様子はわかったけど、初ラウンドで敗退したため、ミッドウィークはカヤの外となっているマドリッド勢、ヘタフェのことも知りたいって? いやあ、実はそうでもなくて、今週はCBカブラル(クロトーネからレンタル移籍)の入団プレゼンがあったり、水曜には私も練習を見て来たんですけど、ここ2週続けて金曜に試合というのはもしや、彼らに疎外感を与えたくないというスペイン・プロリーガ協会の思いやりだったりする?おかげで私もとうとう、3夜連続でスタジアム通いをしてしまったんですが、コリセウム・アルフォンソ・ペレスにアスレティックを迎えた一戦はペナルティが3つも吹かれる珍しい展開に。 ▽いえ、前半12分には落ちてきたクロスをウィリアムスがすくい上げ、ファーサイドの味方に合わそうとしたところ、今年になって負傷中だか、プレミアリーグへの移籍を待っているのだか、よくわからないGKグアイタに代わり、ゴールを守っているエミ・マルティネスが掻き出しきれず、アスティックにリードを許してしまったヘタフェだったんですけどね。21分にはホルヘ・モリーナがGKエレリンに倒され、そのPKを自ら決めて1-1に追いつきながら、後半序盤にはケガをしたダミアンの代わりに入ったモリネーロがセットプレー中にラポールを倒してしまい、こちらはラウール・ガルシアがPKを沈めて再び、ヘタフェは1-2の劣勢に陥ります。 ▽するとその3分後、またしてもエレリンがホルヘ・モリーナにペナルティを犯してしまったんですが、ここはボルダラス監督もキッカーを変えても良かったかもしれませんね。度重なるファールの影響もあったか、今度はPKをエレリンに弾かれてしまい、ヘタフェは同点に追いつけず。そんな逆境時、チームに勢いを与えてくれたのはアンヘルで、いえ、代わって退いた柴崎岳選手も頑張っていたんですけどね。「ケガが治って前節初めて先発で、今日はリズムの激しい試合だった。No estaba cómodo, lo ha intentado y no encontraba esa posición para recibir y participar/ノーエスタバ・コモドー、ロ・ア・インテンタードー・イ・ノー・エンコントラバ・エサ・ポシシオン・パラ・レシビール・イ・パルティシパール(いい感じがつかめず、試みはしたものの、ボールを受けて、プレーに加わるポジションが見つからなかった)」(ボルダラス監督)だったようで、何にしても28分にはそのアンヘルが、ポルティージョが頭で落としたボールをゴールに流し込み、待望の同点弾を決めてくれたとなれば、まさに的確な交代策だったと言わざるをえないかと。 ▽ただ残念ながら、アンヘルも勝ち越し点のチャンスには決めることができず、結局、2-2の引き分けで終わったんですが、暫定7位で、ヨーロッパリーグ出場圏の6位セビージャにも少し近づきましたしね。次節はそのセビージャと直接対決、続いてお隣さんのレガネスとの弟分ダービー、バルサ戦としばらく茨の道が続く彼らには、悪くないシーズン後半戦のスタートになったはず。そうそう、こちらも午後9時の遅い試合だったんですが、嬉しいのはブタルケと違い、コリセウム・アルフォンソ・ペレスはすぐ側にメトロスールのロス・エスパルタレス駅があること。マドリッド中心部に戻るには1時間ぐらいと、ちょっと時間はかかるんですが、暗い道を延々と歩かなくて済むのはありがたいですね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.20 14:31 Sat
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【原ゆみこのマドリッド】マドリッド勢はコパに懸ける…

▽「前代未聞のハードスケジュールだわ」そんな風に私がおののいていたのは月曜日、今週の観戦予定をチェックしていた時のことでした。いやあ、リーガ後半戦開始となる20節は珍しく、マドリッドの3チームがホームゲームとなるのはすでにわかっていたんですけどね。それもヘタフェが金曜、アトレティコが土曜、レアル・マドリーが日曜とバラけてくれた時には今週末、スペインの首都に滞在するサッカー好きの観光客は毎晩試合が見られてラッキーだなぐらいにしか思わなかったんですが、よくよく見てみれば、ミッドウィークにはコパ・デル・レイ準々決勝1stレグが開催。水曜にアトレティコがセビージャをワンダ・メトロポリターノに迎えた後、木曜にはブタルケ(レガネスのホーム)でマドリーミニダービーのコパ版って、もしかして私、5日連続でスタジアムに通うことになる? ▽ちなみにコパのいいところはチケットの値段がリーガ戦より安いことで、アトレティコの場合は一般25ユーロ(約3400円)から。相手が近年、ライバル意識の強いセビージャだけにすでに7000枚売れたと言われていますが、リーガより手に入れやすいのは確かかと。前売りはビセンテ・カルデロンの窓口かクラブのオフィシャルウェブのEntradas(エントラーダス/入場券)セクション(http://www.atleticodemadrid.com/entradas/entrada/atletico-de-madrid-sevilla-12)で、当日もワンダのスタジアムに向かって左手前にあるチケット売り場で買うことができます。 ▽一方、マドリッドの大先輩の胸を借りることになるレガネスは40ユーロ(約5500円)からなんですが、何せ、あそこは収容人数が1万人ちょっとと少ないですからね。月曜のベティス戦では今年初めて2得点しながら、アムラバトのハンドで与えたPKをルベン・カストロに決められ、3-2と負けてしまったものの、コパ16強対決ではビジャレアルを破ったというのもあって、先行販売されているソシオ(協賛会員)たちが駆けつけないはずはなし。もし余ったら木曜の試合当日に一般用チケットが出るとはいえ…あまり期待はしない方がいいかもしれませんね。 ▽まあ、コパについてはまた後で話すことにして、まずは先週末のリーガ戦がどうだったかお伝えしておかないと。先陣を切ったのは弟分のヘタフェで金曜にマラガをコリセウム・アルフォンソ・ペレスに迎えたんですが、ようやく柴崎岳選手が負傷から復帰後、初先発となったものの、得点はかなり遅くまで生まれず。そんな時、切り札となったのはセットプレー。何せ彼らは最初のラウンドでコパを敗退しているため、練習時間が沢山ありますからね。後半26分、ファジルのFKから途中出場のアンヘルがクロスを上げ、カラが頭で決めて待望の先制点をゲットすることに。 ▽相手が降格圏で低空飛行しているマラガだったこともあり、その後、攻撃陣の一角だった柴崎選手をボランチのモラに代え、そのまま1-0で勝利。シーズン前半戦を勝ち点26の8位という好成績で終えたヘタフェでしたが、ボルダラス監督によると、「(2年前)降格したシーズンも勝ち点は同じだったのだから、tenemos que seguir trabajando con mucha humildad/テネモス・ケ・セギール・トラバハンドー・コン・ムーチャ・ウミルダッド(謙虚さを忘れずに努力し続けないといけない)」のだとか。クラブもそのための用心は怠らず、今週はCBのゴロシートがアルバセテ(2部)に移籍するのと入れ替わりでカブラル(カントーネからレンタル移籍)を獲得。プレミアリーグ行きの噂があったGKグアイタも残留することになったようですしね。再び金曜午後9時(日本時間翌午前5時)に振られた、ホーム連戦となるアスレティックとの試合でもいい結果を出せば、ヨーロッパリーグ出場圏入りも夢ではないというのはきっと、選手たちの励みになるはずですよ。 ▽そして土曜は兄貴分たちの番で先に試合をしたのはマドリー。サンティアゴ・ベルナベウでのビジャレアル戦でしたが、氷雨が降る中、いえ、このスタジアムだけは客席に暖房があるため、凍えることは滅多にないんですけどね。ファンに寒気を与えたのは試合内容の方で、前半にはベイルのゴールがオフサイドで認められなかったり、クリスチアーノ・ロナウドのシュートがゴール枠を叩いたりしたものの、ジダン監督も後で「Hemos tenido muchas ocasiones y no quiere entrar/エモス・テニードー・ムーチャス・オカシオネス・イ・ノー・キエレ・エントラール(ウチには沢山チャンスがあったが、ボールが入りたがらなかった)」と嘆いていたように、待てど暮せど、ゴールが決まらないんですよ。 ▽すると後半、それまで押し込まれるばかりだったビジャレアルが少しずつ攻撃を繰り出し、残り3分にとうとうそれが実ってしまったから、さあ大変! マドリーのCKをクリアすると、チェリシェフがドリブルで抜け出してカウンターをスタート。バッカから代わっていた20歳のウナルのシュートはGKケイロル・ナバスが弾いたものの、フォルナルスのカバーを誰もしていなかったため、vaselina(バセリーナ/ループシュート)で虎の子の1点を奪われてしまうって、あんまりじゃないですか。すでにイスコとベイルをアセンシオとルーカス・バスケスに代えていたマドリーですが、その後もめぼしいリアクションはなく、FWマジョラルも投入も見送られ、そのまま0-1で負けてしまうことに。 ▽いやあ、ビジャレアルにとって、これがベルナベウ初勝利で、殊勲の決勝点を挙げたフォルナルスが試合後、「実は金曜の練習でまったく同じシチュエーションがあって、その時のシュートはバーに当たっちゃったんだけどね」と嬉しそうにしていたのは別にいいんですけどね。問題はカジェハ監督も「No veo imposible llegar a la Champions/ノー・ベオ・インポシーブレ・ジェガール・ア・ラ・チャンピオンズ(CL出場圏に入るのは不可能には見えない)」と言っていたように、これで4位マドリーと5位に上がったビジャレアルの差がたったの勝ち点1になってしまったことで、え、翌日、レアル・ソシエダに逆転勝ちした首位バルサとの19差になったのはいいのかって? ▽まあ、こうまで離されると、カンテラーノ(ユース組織出身選手)のナチョなどは「No vamos a tirar la Liga hasta el ultimo minuto/ノー・バモス・ガ・ティラール・ラ・リーガ・アスタ・エル・ウルティモ・ミヌート(ボクらは最後の1分までリーガ優勝を諦めたりしない)」と建前を貫いたものの、「ウチは来季のCL出場権獲得に集中すべき。それが今季残りの目標だ」というクロースの意見の方がずっと現実的ですからね。昨年最後の試合だったクラシコ(伝統の一戦)でバルサに負けて以来、セルタとの引き分けを挟んでここ3試合、リーガで白星なし、ホームでのコパ2ndレグもフエンラブラダ(2部B)、ヌマンシア(2部)の格下に続けて2-2のドローという体たらくでは、その日もファンが試合終了と共に大音響のpito(ピト/ブーイング)をチームに浴びせたのも仕方なかったかと。 ▽よってもう、この木曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのレガネスとの今季まだタイトル獲得の可能性があるコパ準々決勝1stレグ、日曜のリーガ、ホームでのデポルティボ戦はマドリーにとって、まさに背水の陣と言っていいかと思いますが、悪い時には悪いことが重なるのは人生の常。ええ、月曜にはAS(スポーツ紙)が「ロナウド、ユナイテッド移籍を希望」報道を開始してしまったんですよ。その理由は昨季、カーディフでの決勝で2ゴールと活躍、ユベントスを倒してDuodecima(ドゥオデシマ/12回目のCL優勝のこと)に貢献した際に契約更改をペレス会長が約束しながら、まだ果たされておらず。その間にメッシやネイマールらに年棒で大きな差をつけられてしまったのが不満だというのですが、何せ今季の彼はリーガで4得点ですからね。いくら先日は自身5度目のバロンドールを受賞したとはいえ、今はそうそう、強気には出られないんじゃないのでは? ▽ただどちらにしろ、それはこの夏のことで、今はロナウド引き止めより、緊急補強でも何でもして、シーズン前半戦18試合(クラブW杯でレガネス戦が未消化)でたったの32得点という、2006-07シーズンの26得点に次ぐゴール日照りを解消すべきだと思うんですが、相変わらず、ジダン監督の意見は今のメンバーで十分というもののよう。いえ、バルサがここまで52得点というのが異常で、前半終了時点でお隣さんに勝ち点差10をつけた2位のアトレティコなど、たったの28得点ですから、要は守備との兼ね合いなんですけどね。まだ今週は負傷のリハビリ中のベンゼマもセルヒオ・ラモスも戻って来ませんし、いざとなれば、今季のCLに優勝すれば来季のグループリーグに出られるとはいえ…本当にどうするつもりなんでしょうかね。 ▽え、ということは、その土曜はジエゴ・コスタが出場停止でいなかったにも関わらず、アトレティコはエイバルに勝ったのかって? いやあ、私も試合の前半はまだベルナベウのミックスゾーンにいたため、彼らがガンガン押していた前半は見ることができなかったんですけどね。コレアやコケのシュートが外れた後、27分にはコケのパスを追ったグリーズマンがエリア内でガメイロにアシスト。そのシュートが決まって先制してくれたため、自宅近くのバル(スペインの喫茶店兼バー)に駆け込んで、後半が始まるのを楽しみに待っていたところ…ちょっとお、「Ellos crecian y nosotros elegimos refugiarnos/エジョス・クレシアン・イ・ノソトロス・エレヒモス・レフヒアールノス(相手が強くなってきたので、ウチは避難することにした)」(シメオネ監督)って、どういうこと? ▽おかげで私が見たのは自陣にこもって守る一方のアトレティコで、いえ、乾貴士選手の強烈な一撃を弾いたのを始め、7回にも及ぶGKオブラクの奮闘にはいつもながら、感動させられたんですけどね。チャンスと言えば、グリーズマンが1対1でGKドミトロビッチに弾かれたシュートぐらいなもので、フラストレーションもかなり溜まったとはいえ、この日はコスタ以外にもガビやサビッチが累積警告で不在。おまけにエイバルは3連勝中と絶好調だったのを考えると、「Despues de ver la segunda parte creo que hemos merecido mas/デスプエス・デ・ベル・ラ・セグンダ・パルテ・クレオ・ケ・エモス・メレシードー・マス(後半を見た後のウチはもっと報われても良かった)」(メンディリバル監督)という相手を零封して、0-1で渋い勝利をもぎ取ったんですから、不満を言ったらバチが当たりますって。 ▽まあ、「Estamos un poco cansados de jugar cada tres dias/エスタモス・ウン・ポコ・カンサードス・デ・フガール・カーダ・トレス・ディアス(ボクらは3日ごとにプレーするのにちょっと疲れていて)」というガメイロの言葉は、イプルア(エイバルのホーム)でもゴディンが5枚目のイエローカードをもらい、土曜のリーガ次節、ジローナ戦で出場停止になったように、すでに強制ローテーションも始まっていますし、コパもEL決勝トーナメントも勝ち続けて、3月の各国代表戦週間までノンストップで行く予定となれば、今は聞かないふりをしておいた方がいいんですけどね。 ▽それより喜ばしいのは今年になって、彼を始め、グリーズマン、フェルナンド・トーレス、コレアとFW陣が全員得点していること。何せ、あのコスタだけにまた退場による出場停止があるかもしれませんし、実際、出ずっぱりという訳にもいかないですしね。となれば、シーズン前半は決定力不足に悩まされた前線にゴールが戻ってきたのは現在、勝ち点9差で唯一、リーガ優勝戦線でバルサの対抗馬と言われている彼らにとっては心強いかと。 ▽いえ、もちろんこの先、バルサが3敗もするとは私も思えないため、アトレティコの現実的な目標もELはまだ先が長いですし、4月21日にワンダ・メトロポリターノで開催することが決定したコパで優勝することなんですけどね。そのためには水曜午後7時(日本時間翌午前3時)からの準々決勝1stレグでセビージャを叩いておかないといけないんですが、昨年最後のレアル・ソシエダ戦で敗れた後、ベリッソ監督を解任、イタリア人のモンテッラ監督が引き継いだ相手が未だに復調していないのはツイている? ええ、年明け最初のアンダルシアダービーで宿敵ベティスに3-5と負けた後、この日曜にもアラベスに1-0と惜敗し、翌朝には練習場にビリス(セビージャの過激なサポーターグループ)のメンバーが詰めかけ、選手たちと話すことを要求。そういうのはリバプールに移籍する前にトーレスがいた時代、アトレティコでもあったんですが、これってかなりヤバい状態ですよ。 ▽とりあえず、月曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習でシメオネ監督はグリーズマンとコスタのコンビで前線を試していたそうですが、今度は私も威勢よく攻めていくアトレティコをワンダで見られることを期待。ただビセンテ・カルデロンに負けず劣らず、周囲が荒野のあのスタジアムは風が通って非常に寒いんですよね。ここしばらくはマドリッドも夜は低温が続くため、もし水曜からの5連戦、スタジアムに行こうと思っているファンはできるだけ暖かい恰好をしていくのがお勧め。ええ、今はマドリッドもrebaja(レバッハ/バーゲン)のシーズンということもあり、私も裏フリースのニット帽をつい買ってしまいましたっけ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.16 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】消化試合にもイロイロある…

▽「せめて勝つぐらいはしてくれないと」そんな風に私が愚痴っていたのは水曜。今週マドリッドで行われたコパ・デル・レイ16強対決2ndレグ、2日目の試合がサンティアゴ・ベルナベウで終わった時のことでした。いやあ、確かに格下のヌマンシア(2部)相手に0-3で先勝していたとあれば、レアル・マドリーの選手たちのやる気がそげるのも無理はないんですけどね。それを言ったら、前夜のワンダ・メトロポリターノなど、リーガ前節のヘタフェ戦同様に雨。アトレティコも1stレグでジェイダ(2部B)に0-4と大勝していため、観客数もたったの2万8000人と今季最低の入りだったものの、スタンドで寒さに耐えた甲斐のある内容だったのとはかなり、対照的だったから。 ▽とりあえず順番にお話ししていくことにすると、アトレティコはマドリーミニダービーで累積警告や退場となったガビ、サビッチ、ジエゴ・コスタが次節に出場停止となるため、シメオネ監督は彼らをコパで先発に使うことに。それ以外はグリーズマン、ゴディン、サウール、コケ、トーマス、ヴルサイコ、ヒメネス、GKオブラクら、リーガのtitulares(ティトゥラレス/レギュラー)を招集しなかったんですが、前半が0-0で終わったのはいつもの習慣のようなものだったかと。実際、CKからリュカがシュートをゴールポストに当てたり、フェルナンド・トーレスのラストパスで敵GKと1対1になったコスタが弾かれたりと、チャンスはあったんですが、待望のゴールは57分まで生まれませんでしたっけ。 ▽とはいえ、彼らの得点は十分、見ごたえのあるもので、今は9月に復帰しながら、アトレティコの受けたFIFA処分のせいで年明けまでプレーできなかったコスタが張り切っていますからね。先制点のキッカケも彼で、自陣でボールを取り戻すと、一気にカウンターが始まり、最後は当人がエリア内から出したパスからカラスコが決めてくれます。ええ、シメオネ監督も「No tengo ninguna duda de que ha sido el jugador más importante que ha llegado al Atlético en los últimos años/ノー・テンゴ・ニングーナ・ドゥーダ・デ・ケ・ア・シードー・エル・フガドール・マス・インポルタンテ・ケ・ア・ジェガードー・アル・アトレティコ・エン・ロス・ウルティモス・アーニョス(ここ数年でアトレティコに来た一番重要な選手であることに自分はまったく疑いを持っていない)」とベタ褒めしていましたが、とにかくコスタがピッチにいるだけで何かが起こるような気がするのはきっと、私だけではないかと。 ▽そして2点目は72分、今度は途中出場組のコレアとガメイロの連携で、とりわけ彼らの場合は新戦力がプレー解禁されたせいで、チーム内競争激化の影響をモロに喰らっていますからね。スローインからのボールを前者が持ち込むと、ゴールライン際から出したパスを後者が流し込んでゴールに。何せ、このコパづくめの1月に続き、2月もヨーロッパリーグ32強対決コペンハーゲン戦を皮切りにはずっとミッドウィークの試合が続く(予定)のアトレティコ。この日、ワンダデビューしたビトロ(昨夏セビージャから移籍して、シーズン前半はラル・パルマスにレンタル)も11月に負傷して以来、1カ月間、マハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場でリハビリしながら、横目でチームメートのトレーニングぶりを見学していたのが早い適応に繋がったんでしょうかね。 ▽78分にはトーレスのロングフィードを追いかけ、3点目のゴールを決めたとなれば、当人も「No podía pedir más en mi debut en casa/ノー・ポディア・ペディール・マス・エン・ミ・デビュー・エン・カサ(自分のホームデビューにこれ以上のことは頼めない)」と喜んでいたように、選手層の厚さを試す最高な消化試合だったと言っていい? 結局、そのまま3-0で勝利したアトレティコは総合スコア7-0で準々決勝進出を決めたんですが、うーん、それでもやっぱり気になるのは土曜の午後6時30分(日本時間翌午前2時30分)からのエイバル戦。相手はコパ敗退組で1週間、十分休養を取っているというのもありますが、一応、クラブもヘタフェ戦でスタンドのファンに揉みくちゃにされてゴールを祝ったコスタに出されたイエローカードの取り消しを協議委員会に申請。 ▽それが木曜には却下されてしまったため、今月になって初めて彼抜きで戦わないといけないというのはちょっと不安ですが、今度は週中にお休みをもらった選手たちが頑張ってくれる? そうそう、同日行われたラス・パルマスとのコパ2ndレグでバレンシアの一員として、レンタル移籍デビューしたビエットは今季前半のゴール入らない病がいきなり全快したようで、ハットトリックで4-0の勝利に貢献。チームも総合スコア5-1で準々決勝に進んでいますが、その相手は現在、リーガ3位、2位のアトレティコとはCL出場権争いのライバルっていうのは当人にとっては喜ばしくても、ちょっと敵に塩を送るみたいな形になってしまいましたかね。 ▽そして翌水曜、一足先にコパ16強2ndレグに挑んだのはマドリッドの弟分、レガネスでこちらはアウェイでのビジャレアル戦。先週はブタルケで1-0の最少得点差勝利だったため、危ういところもあったんですが、31分にナランホのスルーパスからエル・ザールが見事なvaselina(バセリーナ/ループシュート)を決めて1点を取ってくれたため、ラバとチェリシェフのゴールで後半、2-1と逆転されながら、アウェイゴール差で勝ち上がることができました。ええ、ガリターノ監督も「Es lo que tiene la Copa, a pesar de haber perdido, pasamos de ronda/エス・ロ・ケ・ティエネ・ラ・コパ、ア・ペサール・デ・アベール・ペルディードー、パサモス・デ・ロンダ(これがコパにはある。負けたのにウチは次のラウンドに進んだ)」と言っていましたが、とにかく感心するのは年明けからの3試合、どれも1点しか取ってないにも関わらず、彼らが最大限の効率を上げていること。 ▽さすがに来週になると、リーガ次節ベティス戦が月曜、コパ準々決勝は金曜の抽選で相手が決まりますが、これも間違いなく1部のチームとで1stレグは木曜、そして日曜にはアウェイでのアラベス戦と超ハードスケジュールになるため、息切れが心配ですけどね。ちなみに今のところ、コパ8強進出組で一番勝ち目がありそうなのは、お隣さんのヘタフェは32強対決で後れを取ったものの、そのアラベス(2部Bのフォルメンテラに総合スコア3-0で勝利)ですが、謙虚なレガネスファンは1-0の辛勝でも決して文句を言わないものの、さすがに3連戦とかなると、それはそれで観客動員数に影響が出るかもしれませんね。 ▽え、そんな弟分とは真逆で、goleada(ゴレアダ/ゴールラッシュ)でないとpito(ピト/ブーイング)が飛ぶサンティアゴ・ベルナベウのファンの要求度の高さにも問題ななきにしろあらずだけど、水曜のヌマンシア戦では仕方ないところもあったんじゃないかって? そうですね、リーガでは前節のセルタ戦で2-2と引き分け、とうとう首位バルサとの差が勝ち点16に開いてしまったマドリーだったんですが、前日にはジダン監督がバルデベバス(バラハス空港の近く)での練習前に30分間、反省ミーティングを開きながら、その鬱憤をコパで晴らすには至らず。もちろんクリスチアーノ・ロナウドを始め、モドリッチやクロース、GKケイロル・ナバスらはローテーションでお休み、ベイルも実戦のリズムは戻ったとして、ベンチに入らなかったせいもあったんでしょうが、結果は2試合連続となる引き分けとなれば、もうAチームもBチームも違いはない? ▽いえ、確かに1stレグで3点リードしていたところに10分、カルバハルのクロスをノーマークでルーカス・バスケスが頭で決め、すでについていた勝負が序盤から更についてしまったという巡り合わせはあったんですけどね。こういう試合でこそ、アピールして出場機会を増やさないといけないマジョラル、アセンシオ、セバージョス、コバチッチ、ジョレンテらが揃って精彩なく、追加点は一向に奪えず。それどころか、前半終了間際にはカウンターから、負傷で交代したヒヒニオに代わって入っていたギジェルモに同点ゴールを決められているのでは、ハーフタイムでロッカールームに戻る時から選手たちがブーイングを浴びていたのも仕方なかったかと。 ▽後半も53分にはアセンシオのクロスをマジョラルが落としたところをルーカス・バスケスが押し込み、再びリードしたマドリーだったんですが、その後、積極的に攻めているのがヌマンシアばかりでは。おかげで「al final nos faltó gasolina/アル・フィナル・ノス・ファルトー・ガソリーナ(ウチは最後、ガソリンが足りなかった)」とジダン監督も残り15分、唯一のFWだったマジョラルを下げ、ボランチのカセミロを入れることになったんですが、36分には再びギジェルモに決められて、同点に追いつかれてるって一体、このマドリー、守備も攻撃もどうなっている? ▽いえ、それでも総合スコアは5-2ですから、いくらヌマンシアのアラサーテ監督が「Vimos la posibilidad incluso de ganar/ビモス・ラ・ポシビリダッド・インクルソ・デ・ガナール(勝利の可能性さえウチにはあった)」と胸を張っても逆転突破される心配はなかったんですけどね。この日の引き分けで今季のホームゲーム15試合中、勝ったのはたったの8試合だけって、うーん、これじゃ、いくら2得点を挙げて満足していたルーカス・バスケスに「La afición tiene que ilusionarse en los cinco títulos que ganamos el año pasado/ラ・アフィシオン・ティエネ・ケ・イルシオナールセ・エン・ロス・シンコ・ティトゥロス・ケ・ガナモス・エル・アーニョ・パサードー(ファンはボクらが去年獲った5つのタイトルに夢を抱かないといけない)」と言われたって、フラストレーションが溜まるのは当然でしょう。 ▽そんなマドリーはこの週末、土曜午後4時15分(日本時間翌午前0時15分)から、またしてもベルナベウでビジャレアル戦に挑むんですが、今の時点ではあまりリーガの優勝戦線に復帰することを考えても空しいばかりなので、まずは12月9日のセビージャ戦以来となるホームでの白星をファンにプレゼントすることに専念するべきかと。バルサと違って、即戦力となる戦力補強の話もありませんし、木曜に残っている16強対決2ndレグ3試合が終わって、相手が決まらないことにはコパの先行きもわからず、このところ1試合1試合進むごとに2月のCL決勝トーナメントPSG戦が到来するのが怖くなってくるというのも非常に悪い傾向ですが、こればっかりはねえ。何はともあれ、2月にクラブW杯のせいで延期されたリーガのレガネス戦を迎える頃までには現在、勝ち点3しかない5位との差を広げてくれていると安心なんですが、才能にはまったく問題がないはずの選手たちがまずは90分間、集中してプレーできるようになるのが最優先でしょうか。 ▽そうそう、最後にコパの話題がまったくなかったヘタフェについてですが、彼らはこの週末のリーガ、金曜試合で午後9時(日本時間翌午前5時)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに19位の降格圏にいるマラガを迎えることに。前節は先輩のアトレティコに2-0と軽くひねられてしまったんですが、今回は再び、夢のEL出場圏に近づくいいチャンスかと。ちなみにそのワンダの試合で控えとなったGKグァイタにはクリスアル・パレスへの移籍の噂があったせいで、何かと注目されていたんですが、ボルダラス監督が言うには単に身体的に問題があったからだとか。マラガ戦にもまだ出られるかわかりませんが、このシーズン前半最終戦を過ぎると、また強豪との対戦が始まる彼らですからね。そろそろ柴崎岳選手の先発などもあるかもしれませんし、ここはマドリッド勢唯一、週1試合ペースでいられるメリットを生かして、リーガで健闘してくれることを期待しています。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.12 12:31 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】新年、メデタイことばかりじゃない…

▽「ここまで来るといっそ、忘れてしまいたいかも」そんな風に私が呟いていたのは日曜の夜、18節ではすでにリーガの1位から3位まで皆、勝っていたのを知りながら、4位のレアル・マドリーがバライドス(セルタのホーム)で勝ち点2をむざむざ失ってしまったのを見た時のことでした。いやあ、昨年最後のクラシコ(伝統の一戦)で0-3と宿敵に一蹴され、クラブW杯のおかげで消化試合は1つ少ないとはいえ、首位との差が勝ち点14に開いた時点でもう、彼らの今季のリーガは終わったという声はそこここから聞こえていたんですけどね。 ▽ただ、その直後にクリスマスのparon(パロン/リーガの停止期間)に入ったため、いえ、この月曜にコウチーニョ(リバプールから移籍)の入団発表があったバルサのように、即戦力となる選手を獲得するとかの噂はその間、GKのケパ(アスレティック)を除いてまったくなし。それもジダン監督の「ahora no necesito un porter/アオラ・ノー・ネセッシートー・ウン・ポルテーロ(今、GKは必要ない)」という、至極ごもっともなコメントで後回しとなったようですが、世間がお祭りムードに入るのと同時にマドリーの絶望的な状況も記憶の彼方に。おまけに年明け最初の試合、コパ・デル・レイ16強対決ヌマンシア(2部)戦1stレグなど、内容はともかく、0-3と快勝だったため、セルタ戦の後に思い出した現実がより悲惨に感じられたという見方もできなくはないんですが…。 ▽まあ、その辺についてはまた後で話しますが、2018年最初のリーガのマドリッド勢がどうだったかというと。この節のトップバッターを飾ったのはマドリー・ミニダービーで、アトレティコとヘタフェがワンダ・メトロポリターノで激突。雨模様の中、los Reyes Magos/ロス・レジェス・マゴス(東方の三博士)の祝日、土曜の午後1時からの試合に駆けつけたホームチームのサポーターには、待ちに待ったジエゴ・コスタ(昨夏チェルシーから移籍したものの、FIFA処分でシーズン前半はプレーできなかった)とグリーズマンのFWコンビをスタメンで見られるというregalo(レガーロ/プレゼント)があったんですが、シメオネ監督が左右にコレアとカラスコを配して攻撃的な布陣を敷いたのも効果的だったかと。 ▽ええ、コスタとグリーズマンのシュートが1本ずつ外れた後の前半18分、今度はアシスト役になった後者のスルーパスをコレアがエリア内で受け取りシュート。余裕のある1対1でなかったのが逆に良かったか、これが決まってアトレティコが先制点を挙げてくれたから、昨年最後の試合でエスパニョール相手にゴールが入らず。0-1で負けて、首位との差が勝ち点9になってしまったことを嘆いていたファンもどんなに喜んだことか。それ以降は両チーム共にファウルが増え、ハーフタイムまでに7枚ものイエローカードが飛び交ったため、次節のエイバル戦ではガビとサビッチが出場停止になってしまったんですが、これもアトレティコでは毎シーズンのお約束。例年に比べれば、累積警告ローテーションが始まったのはこの日のサウールからなので、むしろ今季は遅かったと言っていいでしょうか。 ▽そして後半序盤、チームメートに負けじとばかり、コスタもジェネの顔面にcodazo(コダソ/肘打ち)を入れてイエローカードをもらったんですが、それが22分、ヴルサリコのラストパスをCFとはかくありなんとばかりにゴール前から決めたすぐ後、災いの種となるとは!そう、自分を待ち望んでいたファンの前でワンダ初得点を挙げて感極まり、ピッチの囲いを飛び越えて、応援団のいるfondo sur/フォンド・スール(ゴール裏南側席)に駆けつけて一緒に祝ったところ、審判に2枚目のイエローカードを提示されてしまったから、誰もが呆気に取られたの何のって。もちろんこれでコスタは退場、リーガの次節にも出られないって、いや、彼はまだローテーションいりませんってば! ▽うーん、後でガビなど、「se merece una colleja, aunque espero y deseo que no conociera la norma/セ・メレセ・ウナ・コジェハ、アウンケ・エスペロ・イ・デセオ・ケ・ノー・コノシエラ・ラ・ノルマ(規則を知らなかったんだと思いたいけど、頭をガツンとやるのにふさわしいね)」とキャプテンらしく、一応、コスタに苦言を呈していたんですけどね。コレアも「yo tampoco sabía que era amarilla celebrar el gol con la grada/ジョー・タンポコ・サビア・ケ・エラ・アマリージャ・セレブラール・エル・ゴル・コン・ラ・グラダ(ボクもスタンドと一緒にゴールを祝ったらイエローだってのは知らなかった)」と言っていましたし、本当かどうか、私は知りませんが、リュカによると、「イングランドじゃそんな規則はなくて、ファンと祝ってもいいんだ」そう。ただ、その次の時間帯で試合をしたバレンシアでロドリゴがロマーリョのオウンゴールを誘発した際、同じようにファンに揉みくちゃにされてもカードは出ずと、この規則に関しては適用がまちまちなのは如何なものかと。 ▽それでも幸い、途中出場の柴崎岳選手も大したインパクトは残せず、ヘタフェが「Nos faltó golpear y no las metimos/ノス・ファルトー・ゴルペアール・イ・ノー・ラス・メティモス(ウチはシュートが足らず、ゴールも入れなかった)」(ボルダラス監督)ため、10人になったアトレティコながら、そのまま2-0で終了の笛を聞くことに。丁度、3位のバレンシアもジローナに2-1で逆転勝利、翌日には首位のバルサもレバンテに3-0と快勝したため、ありがたい勝ち点3ゲットとなりましたが、何より嬉しいのはコスタがプレーできるようになって、チーム全体が前に引っ張られるようになったことでしょうか。 ▽それだけに火曜のコパ16強対決ジェイダ(2部B)戦2ndレグは先週の試合で0-4と大勝しているため、ビトロ(セビージャから移籍、シーズン前半はラス・パルマスでプレー)に慣れてもらったり、ガメイロやフェルナンド・トーレスが調子を上げるのに使ってもらって全然、構わないんですが、土曜のエイバル戦がちょっと気掛かりな面もなきにしもあらず。一方、すでにコパに敗退しているヘタフェは金曜にマラガ戦を迎えるんですが、もうこれでアンヘルは6試合連続ノーゴールですしね。順位的には11位とまったく問題ないものの、そろそろボルダラス監督も柴崎選手の先発起用など、ちょっとフォーメーションをいじることを考えてみてもいいかもしれませんね。 ▽そして翌日曜、同じアジアン・ゴールデンタイムの正午からブタルケにレアル・ソシエダを迎えたもう1つの弟分、レガネスは後半31分にガブリエルのゴールが決まり、コパのビジャレアル戦1stレグに続き、1-0で勝利。それこそ、ガリターノ監督も「Es para estar increíblemente contentos con lo que estamos haciendo/エス・パラ・エスタル・インクレイブレメンテ・コンテントス・コン・ロ・ケ・エスタモス・アシエンドー(自分たちがやっていることに信じられないぐらい満足な状態)」と言っていた程、守備の堅さに裏打ちされた省エネゲームで連勝しているんですが、ビジャレアルのホームに乗り込む水曜にもその勢いが衰えないといいのですが。何せ、コパ準々決勝に進出すると次のリーガ、ベティス戦が月曜に組まれているため、来週は3試合という超ハードなスケジュールになりますからね。レガネスの場合、2大会同時進行に慣れている選手もあまり多くないため、1月にムリをすると、あとでツケが回りそうなのがちょっと怖かったりします。 ▽え、そんなことより、早くマドリーに何が起こったのか知りたいって?そうですね、日曜の夜にセルタ戦を迎えた彼らだったんですが、この日は木曜のヌマンシア戦とは違い、クリスチアーノ・ロナウド、ベイル、イスコ、クロース、モドリッチ、カセミロらが先発。ただケガでセルヒオ・ラモス、出場停止でカルバハルがいなかったのが大きかったというか、うーん、それよりマルセロにこのところ精彩がないせいですかね。前半32分にはイアゴ・アスパスからのロングパスを受けたヴァスにvaselina(バセリーナ/ループシュート)を見事に決められ、先制点を奪われてしまったから、さあ大変! ▽でも大丈夫。この時は3分もしないうちにベイルがクロースのアシストから同点弾、38分にもイスコのパスを押し込んで逆転弾と、負傷続きで目立てなかった2017年の鬱憤を晴らすかのごとく大活躍してくれたため、すぐ安心できたんですけどね。ただ、良くなかったのはその後で、セルタのGKルベンも「Nos enchufaron dos goles y vivieron de ellos/ノス・エンチュファロン・ドス・ゴレス・イ・ビビエロン・デ・エジョス(ウチから2ゴール奪って、それで良しとした)」と言っていたように、後半に畳みかけないんではねえ。それでも26分にはGKケイロル・ナバスがアスパスを倒して与えたPKを自己責任で弾き、最大のピンチは逃れたかと思ったんですが…いえいえ、世の中、そんなに甘くありませんって。 ▽それは38分、またしてもマルセロがボールを失い、最後はアスパスのクロスをマキシ・ゴメスがヘッドして、とうとうセルタに追いつかれてしまったんですよ。そのまま2-2で引き分けて、キャプテンを務めていた当人は「No podemos hacer nada más. Hacemos lo que podemos/ノー・ポデモス・アセール・ナーダ・マス。アセモス・ロ・ケ・ポデモス(これ以上のことはできない。できることをやるだけさ)。いいサッカーをして、ゴールを入れて、ボールを回すようにしているけど、上手くいかないんだ」と開き直っていましたけどね。ジダン監督も「Tuvimos muchas pérdidas de balón, algo que no suele ser un problema y hoy sí/トゥビモス・ムーチャス・ペルディダス・デ・バロン、アルゴ・ケ・ノー・スエレ・セル・ウン・プロブレマ・イ・オイ・シー(ウチは沢山ボールを失った。問題にならないことが多いんだが、今日はそうなった)」と言っていたように、得点力のあるチームの前であのミスは致命的だったかと。 ▽実際、ここ4試合のアウェイゲームでマドリーは3分け1敗と滅多にない程の情けない成績で、これでは首位に勝ち点16差をつけられてしまっても仕方ないかと思えるんですが、この日はセルタの思いきりのいいサッカーに私も感心。だってえ、彼らは丁度、先週の16強対決1stレグでバルサと1-1と引き分けたばかりで、といっても相手はメッシやルイス・スアレスが出ていませんでしたけどね。ウンスエ監督も今週木曜の2ndレグに備え、メンバーを調整しているため、ひょっとしたら、2年前はアトレティコ、昨季はそれこそマドリーを撃破している流れを継いで、現在、3連覇中のバルサをコパ敗退に追いやってくれるかもしれないじゃないですか。 ▽そうなれば、これから長いヨーロッパリーグの戦いに挑まないといけないアトレティコはもちろんですが、先週末もレンヌに1-6と大勝し、フランス・リーグアンの首位を独走。命綱のCLですら、ネイアールやエムバペ、カバーニらの強力FW陣を要するPSGに2月の決勝トーナメント16強対決で打ち勝てるかという疑問が湧いてきたマドリーにもコパ優勝で何とか、スーパーのつく大会やクラブW杯は別勘定として、今季の面目を保てる可能性が出て来るんじゃないかと思うんですが、こればっかりはねえ。 ▽とりあえず、この水曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのヌマンシア戦2ndレグにはBチーム起用でも余裕で挑めるマドリーですが、とにかく一刻も早い改善が必要とされるのは土曜のリーガ、ビジャレアル戦。ええ、今節はセビージャがベティスとのアンダルシアダービーに3-5と負けたため、4位を奪われることはなかったものの、差はたったの勝ち点3ですからね。このまま不調が続くと、来季のCL出場権までが危うくなるって、まったく、こんな心配をしないといけないのはお隣さんだけかと思いきや、世の中、不思議なことも起こるものです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.09 09:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】期待してもいいのだろうか…

▽「どこと当たったら楽かしら」そんな風に私が取らぬ狸の皮勘定をしていたのは金曜日、コパ・デル・レイ16強対決1stレグの結果が出揃った時のことでした。いやあ、コパなんて、昨季、バルサが祝勝パレードもイベントもしなかったように、タイトル慣れしているクラブにとっては優勝しても大したことないと思われている大会なんですけどね。この週末から再開されるリーガの現状を見る限り、首位にそれぞれ勝ち点9差、14差と水を開けられているマドリッドの両雄にしてみれば、国内でトロフィーを掲げられる貴重なチャンス。となれば、フォルメンテーラ(2部B)がアラベスに1-3、カディス(2部)もセビージャに0-2と負けた後、おそらく1部のチーム同士の対戦になるであろう準々決勝ではなるたけ、与しやすい相手に恵まれることが大事だったから。 ▽ちなみにまだ来週には2ndレグもあるのに何故、私がこうも先走っているのかというと、実は凄かったんですよ、アトレティコの変身ぶりが。ええ、FIFA処分のせいで昨年の夏に獲得しながら、この1月までプレーできなかったジエゴ・コスタ(チェルシーから移籍)とビトロ(同セビージャ、シーズン前半はラス・パルマスにレンタル)がメンバーに加わり、悩みの種だったゴール不足が解消されるだろうとは予見されてはいたんですが、まさか新年そうそう、水曜のジェイダ(2部B)戦で即座に効果が現れるとは!いえ、両者とも先発ではなく、ベンチスタートだったんですけどね。前半32分、カラスコのFKを2度目の正直でゴディンが先制点にした後、前日にはビエットのバレンシアへのレンタル移籍が決まったものの、ますます熾烈になった前線のポジション争いにFWたちが発奮。 ▽そう、ガメイロがエリア内右から放ったラストパスをオフサイドの疑いはあったものの、ゴール前でフェルナンド・トーレスが押し込み、2点もリードしてハーフタイムに入ってくれるんですから、何ともありがたいじゃないですか。おかげでシメオネ監督も後半、プレッシャーのかからない場面で新戦力を投入できたんですが、13分にはカラスコからビトロ、18分にはトーレスとコレアとコスタとグリーズマンって、もしやこれって、チームの最大火力を試してみる誘惑に抵抗できなかった?すると期待たがわず、ピッチに入ってたったの5分後、フアンフランからのパスからコスタがアトレティコ復帰後初ゴールを決めたとなれば、「あのカラバフ2連戦に彼がいれば、今でもCLを戦っていられたのに」と嘆いてしまったのはきっと、私だけではなかったかと。 ▽いえ、過去を嘆いていても仕方ありません。実はそのゴールの時、後でビトロも「Sabemos que él mete la pierna en un ventilador/サベモス・ケ・エル・メテ・ラ・ピエルナ・エン・ウン・ベンティラドール(彼は扇風機にだって足を突っ込むことをボクらは知っている)」と言っていたように、シュートした時に足がジェイダのDFに当たり、ヒザに傷を負ったコスタですが、大したことがなかったのは本当にラッキー。何せ、前回の在籍時には得点を量産したものの、ケガをおして優勝の懸かった試合に出場した挙句、序盤で交代という悪癖もあった当人ですからね。この再デビューで負傷、当分出られないなんてことになっていたら、目も当てられないじゃないですか。 ▽そして最後はロスタイム、グリーズマンが蹴ったGKが敵の壁に当たってゴールを割り、0-4と大勝をしたため、来週火曜、ワンダ・メトロポリターノでの2ndレグではかなり楽ができるようになったからでしょうかね。試合後はシメオネ監督も「2人ができるだけ早く最高の状態になってくれるといい。ウチは沢山、試合があるという幸運に恵まれているから、プレー時間を与えるのもたやすい」と言っていましたが、実際、そうなんですよねえ。1月から2月前半のミッドウィークはコパが準決勝まで続きますし、CLグループリーグ3位敗退でヨーロッパリーグ決勝トーナメントに回った彼らはその後もコペンハーゲンとの32強対決、そして16強対決と週2試合ペースが途切れず。 ▽つまり3月の各国代表戦週間まで負けない限り、ハードスケジュールが続くことになるんですが、とりあえず、当面の課題は弟分とのマドリー・ミニダービー。ええ、コパを32強対決でアラベス相手に敗退、クリスマスのバケーション明け後、ダブルセッションを何度もこなし、「Nosotros vamos a plantear un partido serio a nivel defensive/ノソトロス・バモス・ア・プランテアール・ウン・パルティードー・セリオ・ア・ニベル・デフェンシーボ(ウチは守備面でしっかりした試合をプランニングするつもりだ)」(ボルダラス監督)と、張り切ってワンダデビューに挑むヘタフェとのリーガ戦ですが、どうやら金曜のマハダオンダ(マドリッド近郊)での練習ではジェイダ戦を太ももの筋肉痛でお休みしたコケの復帰も確認されたよう。 ▽その他、GKオブラク、ガビ、サビッチらもコパでは休養をもらっていますからね。対するヘタフェでは、ボルダラス監督が前日記者会見で「Es una posibilidad/エス・ウナ・ポシビリダッド(可能性の1つだ)」と言っていたように、ここ5試合ノーゴールのアンヘルに代わり、いよいよ柴崎岳選手の先発もあるかも。ただ、シメオネ監督は「ヘタフェはFWを2人にしたのが良かった。統制のとれたプレーをする」と牽制していたため、微妙ですけどね。それぞれ中盤ではサウールが累積警告、ベルガラが負傷からの回復最終段階という事情での欠員がありますが、その影響は弟分の方が大きいかと。 ▽そんなアトレティコvsヘタフェ戦はアジアン・ゴールデンタイムの土曜午後1時(日本時間午後9時)にキックオフ。丁度、その日は子供たちがプレゼントをもらうlos Reyes Magos/ロス・レジェス・マゴス(東方の三博士)の祝日とあって、チケットの売れ行きもいいようですし、ヘタフェ(マドリッド近郊の衛星都市)からも応援団が駆けつけるとあって、かなりの大入りが期待できますが、果たして笑顔で家に帰るのはどちらのファンになるんでしょうかね。 ▽そして残りのマドリッド勢は翌木曜にコパを戦ったんですが、弟分の片割れ、レガネスはホームで1-0の辛勝。まあ、相手が同じ1部、しかもリーガで上位にいるビジャレアルでしたからね。2年ぶりとなるアムラバットのゴールで勝てただけでも立派なんですが、ガリターノ監督は「Por lo menos este resultado nos hace creer que podemos tener opciones de pasar/ポル・ロ・メノス・エステ・レスルタードー・ノス・アセ・クレエル・ケ・ポデモス・テネール・オプシオネス・デ・パサール(少なくともこの結果はウチに勝ち抜けのオプションがあると信じさせてくれる)」と来週水曜の2ndレグに向けて自信をつけたよう。彼らは昨年12月のリーガでもビジャレアルに3-1と快勝しているため、それもわかるんですが、チーム自体、週2回ペースの試合を想定した選手層にはなっていないのが辛いところ。 ▽この日曜にはレアル・ソシエダ、次も同様にコパから敗退しているベティスとの試合が控えているため、あまり週中に頑張ると、リーガでツケを払うことにならないか心配ですが、もしや経営陣は次のラウンドで人気チームを引き当てて、ブタルケ(レガネスのホーム)の興行収入アップを望んでいるかも。今のところ、この冬の移籍市場ではエリック・モランがAEKに行っただけで、新加入の選手はいないレガネスですが、目標の早期1部残留確定のみならず、現在の13位という成績を再び、夢のEL出場圏に近付けるためにもできたら、もう少し攻撃陣を手厚くできたらいいですよね。 ▽え、そんなレガネスだったら、同じ木曜にコパ1stレグに快勝した大先輩、レアル・マドリーと次に当たったら、願ったり叶ったりだろうって?まあ、それだとファンも喜ぶと思いますが、実はそのヌマンシア(2部)戦、内容的には少々問題があって、いえ、ジダン監督がクリスチアーノ・ロナウドやセルヒオ・ラモス、クロース、カセミロ、マルセロ、GKケイロル・ナバスらを温存したのは理解できるんですけどね。それでもベイルやアセンシオ、ルーカス・バスケスらがスタメンにいたため、早めのゴールを期待していたところ、先制点が入ったのは前半35分になってから。ルーカス・バスケスがエリア内で倒されゲットしたPKをベイルが決めたんですが、その後もねえ。 ▽だって後半14分にはディマンカが2枚目のイエローカードをもらい、ヌマンシアが10人になったにも関わらず、追加点が43分になるまで入らないんですよ。しかもこれまた、ルーカス・バスケスの受けたペナルティからで、今度は途中出場のイスコがPKを沈めましたが、え、PKで2点って、32強対決フエンラブラダ(2部B)戦1stレグとまったく同じでは?おまけにその日、キャプテンを務めたナチョも「時に審判が助けてくれることもある」と告白していたように、それまでにはマドリーサイドのエリア内でのファールが見逃された風のプレーが2件あって、うーん、ヌマンシアのニエトも「Si nos adelantamos con 1-0 es otro partido/シー・ノス・アデランタモス・コン・ウノ・セロ・エス・オトロ・パルティードー(ウチが1-0でリードしていたら、違った試合になっていた)」と言っていましたしね。 ▽それでもロスタイムにはアクラフのクロスをマジョラルがヘッドで決め、0-3で勝ったため、ジダン監督も「Al final es el resultado que cuenta/アル・フィナル・エス・エル・レスルタードー・ケ・クエンタ(最後にモノを言うのは結果だ)」と言っていた通り、来週水曜の2ndレグでヌマンシアが逆転するのはほぼ不可能なスコアとなりましたが、やっぱり今季のマドリーBチームは怪しげだったかと。まあ、彼らの場合、2月にはCL16強でPSG戦が控えているため、それまで主力メンバーを酷使したくないというのはわかりますけどね。負傷から復帰後、ここまで途中出場しかしていなかったベイルも「Jugó una hora y sin problemas/フゴ・ウナ・オラ・イ・シン・プロブレマス(1時間プレーしてトラブルもなかった)」(ジダン監督)とだんだん、実戦のリズムを取り戻しつつあるのは心強いんですが、コパ準々決勝の組み合わせ次第ではいよいよベストメンバー登場ということになるかも。 ▽そんなマドリーはこの週末、日曜午後8時45分(日本時間翌午前4時45分)からセルタ戦なんですが、実はこの相手、同日のコパでバルサと1-1で引き分けたばかり。昨年12月のリーガでもカンプ・ノウで2-2のドローを演じているだけに、バライドス(セルタのホーム)にはかなり心して乗り込まないといけないんですが、正直、今の彼らはクラブW杯のせいで消化試合が1つ少ないものの、5位のセビージャと勝ち点差2しかないですからね。首位を見るより、CL出場圏絶対維持の方が優先されるんですが、この金曜にはバルデベバス(バラハス空港の近く)でお留守番練習をしていたラモスが左ふくらはぎのケガで全治2、3週間になってしまったというバッドニュースも。カルバハルも出場停止とあって、逆境に次ぐ逆境ですが、こんな時こそ、自慢のマドリー魂を見せてもらいたいものです。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2018.01.06 12:00 Sat
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