宮本恒靖氏とハリルホジッチ監督がクラシコ直前対談! エゴイスティックなFWについてハリル監督「悪い事ではない」宮本氏「高原からは感じた」
2017.11.28 00:00 Tue
▽27日、都内でWOWOW伝統の一戦クラシコ直前「宮本恒靖×ヴァイッド・ハリルホジッチ スペシャル対談」の公開収録が行われた。
▽当選したWOWOWユーザーが観覧に駆けつけた今回の対談では、12月23日に行われるリーガエスパニョーラ第17節のレアル・マドリーvsバルセロナのクラシコをテーマに、ガンバ大阪U-23の監督でありWOWOWで解説も務める宮本恒靖氏と日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が対談。様々なテーマでクラシコについて語り合った。
▽対談の中では「10番」のポジションについて話が及び、ハリルホジッチ監督は「10番タイプは現代サッカーには居ない。日本でも中村俊輔は理想的な10番タイプ。香川も清武も特徴が違う。今は思いつかない」とコメント。マドリーのイスコに近い選手がなかなか居ないことを明かした。また、バルセロナのDFジョルディ・アルバ、DFネウソン・セメドに話が及ぶと、サイドバックの重要性について言及。「現代サッカーにおいて、サイドバックの攻撃参加は必須。(酒井)宏樹、(長友)佑都はその辺りでとても頑張っている。欠かせない選手だ」と語り、日本代表の両サイドバックについて語った。
▽また、中盤のアンカーポジションについて話が及ぶと、バルセロナのMFセルジ・ブスケッツについて「ブスケッツの読み、予測力は参考にすると言っている。デュエルがいらないぐらいだ。ズル賢い。ファウルをもらうのもうまい。私の選手ももう少しズル賢こくなって欲しいと思っているが」と語り、日本代表の選手たちにも“読み”を要求していることを明かした。
▽しかし、宮本氏からブスケッツとレアル・マドリーのMFカゼミロのどちらがほしいかと聞かれると、「日本代表にはカゼミロの方が欲しい」とコメント。「長谷部(誠)はカゼミロに近い役割で、山口(蛍)も近い。カゼミロのような選手は日本代表の守備に必要だ。ボールを持ったとき、失ったときに誰が残るかというと、カウンターを喰らわないためにカゼミロのような選手が必要だ」と語り、日本代表に必要な選手の持ち味を明かしてくれた。
▽また、両氏は収録後に報道陣の囲み取材に応対。対談を振り返るとともに、日本代表についてもコメントした。
──対談を終えていかがでしょうか
ハリルホジッチ監督「非常に楽しかったです。宮本さんの質問が鋭かったです。指導者としてバルセロナとレアル・マドリーの試合に勝るとも劣らない試合をいつも見ています。私はジダンと仲良くしていますし、旧ユーゴスラビアという関係もありモドリッチ選手のことも良く知っている。最近はあまり試合に出ていないが、コバチッチという選手もして、ディナモ・ザグレブ時代には彼に初めてチャンスを与えた事がある。最高の対談だった」
宮本恒靖氏「たくさん興味深い話を聞かせてもらいました。クラシコを会話のきっかけにして、サッカー選手としてとか近代サッカーに必要なものをもう一度聞く事ができました。そして、お客さんに伝えることもできました。サッカーの知識を深めてもらうという点では、非常に良い機会だったのかなと思います」
──ガンバ大阪U-23のチームを率いて1シーズンを過ごしたが、対談でも話に挙がった「コミュニケーション能力」についてはどう感じているか
宮本氏「自分がよりプレーしやすい状況を作るために、要求したり情報を伝えることは大事だと伝えていました。できない選手も多いです。ただ、できると、これが成功するんだと感じて実行する選手もいました。若い選手は学んで理解して伸びていくスピードも早いので、変化を感じた1年でした」
「メンタルの強さ、エゴイスティックじゃなくてはいけないという部分に関しては、(ベルギー戦の)杉本健勇のシュートの場面の話もありましたが、あの場面で「なぜパスをしなかったのか」と言わない方がいいとハリルホジッチ監督が言っていましたが、僕も通ずる部分があります。FWとして一番大事な、シュートやゴールを目指すというところをオプションとして持っていることを絶対に否定したくないです。そこは共通していてよかったなと思いましたし、今後も指導していく上で続けていきたいなと思います」
──ハリルホジッチ監督は「伝説の試合を作りたい」と言っていたが、これまでの経験で「伝説の試合」はあったか?
ハリルホジッチ監督「伝説の試合と言うと、大舞台、大きな大会で伝説となる。次のワールドカップでどうなるかということはある。チームを作る過程において、集大成になる試合を作らなければいけない。3、4年のプロセスがある中で、2年ごとに大きな大会がある。アジアカップやワールドカップだ。1つのステージとしてこの大会で結果を出す。大会の中で、自分たちのサッカーの良いところを出す。それを踏み台にして、より成長する事が大事だ」
「特別な試合。ライバルとの因縁の対決で勝つ事だったり、FIFAランキングのことはあまり気にしていないが、ジャイアントキリングをするとかだ。我々の3年間を振り返ると、最終予選でアウェイのUAE戦に勝ったこと。振り返ってもものすごく良いサッカーをしていた試合だったと思う。あとは、アウェイのオーストラリア戦だ。日本はアウェイでオーストラリアに勝った事がないと言われていたが、賢い試合運びをした」
「ブラジルとベルギー戦についてだが、ブラジルには少し遠慮してしまった。もっと自信を持って挑んで欲しかった。ベルギー戦は良かったと思う。強いて言えば、ベルギーに勝っていれば、偉業を果たすことによってもっと高くいけたし、勝者のメンタリティを作れたかもしれない。シャドゥリが3、4人の選手を抜い多シーンは、ちょっとした集中力の問題だと思う。修正すれば1-1になっていたかもしれないし、大逆転できたかもしれない。こういった試合で勝たなければいけないと思う」
──エゴイスティックなFWという話が出ていましたが、これまで対戦した選手、日本人選手でそう感じた選手はいるか
宮本氏「エゴイスティック…(フィリッポ・)インザーギとかですね。なんでも自分によこせ。俺がやってしまうという、何回オフサイドに引っかかってもそういった気持ちは伝わって来ました。(ティエリ・)アンリからは特に感じなかったです。日本人では高原(直泰)とかは感じました。特に2002年に(Jリーグで)得点王になったシーズンは、対戦した時に凄みというのを感じました」
──対談ではクラシコで中盤の比較を話されていた。ブスケッツは頭脳だと話していて、日本代表では長谷部誠がその役割だと思うが、居なかった場合は他の選手でいるのか
ハリルホジッチ監督「ブスケッツがいないと、彼に変わる選手はバルセロナでも居ないだろう。長谷部ほど力のある選手は居ないかもしれない。ワールドカップには是非間に合ってほしい。もちろん日本代表監督なので、居ない場合のオプションは常にスタッフと話しながら考えている。今一番近いのは山口蛍。才能は申し分ないが、先ほどテーマにしたコミュニケーションはまだまだ足りない。「6番」というポジションは、常に声を出し合って、身振り手振り、他の選手のポジショニングを修正する。いうなれば、チームのボスだ。もっともっとできると言っているし、もっと声を出せと言っているが、彼は出しているよと言ってくるが、なかなか彼の声は聞こえてこない」
▽当選したWOWOWユーザーが観覧に駆けつけた今回の対談では、12月23日に行われるリーガエスパニョーラ第17節のレアル・マドリーvsバルセロナのクラシコをテーマに、ガンバ大阪U-23の監督でありWOWOWで解説も務める宮本恒靖氏と日本代表のヴァイッド・ハリルホジッチ監督が対談。様々なテーマでクラシコについて語り合った。
▽また、中盤のアンカーポジションについて話が及ぶと、バルセロナのMFセルジ・ブスケッツについて「ブスケッツの読み、予測力は参考にすると言っている。デュエルがいらないぐらいだ。ズル賢い。ファウルをもらうのもうまい。私の選手ももう少しズル賢こくなって欲しいと思っているが」と語り、日本代表の選手たちにも“読み”を要求していることを明かした。
▽しかし、宮本氏からブスケッツとレアル・マドリーのMFカゼミロのどちらがほしいかと聞かれると、「日本代表にはカゼミロの方が欲しい」とコメント。「長谷部(誠)はカゼミロに近い役割で、山口(蛍)も近い。カゼミロのような選手は日本代表の守備に必要だ。ボールを持ったとき、失ったときに誰が残るかというと、カウンターを喰らわないためにカゼミロのような選手が必要だ」と語り、日本代表に必要な選手の持ち味を明かしてくれた。
▽その後も話は、両クラブのエースであるFWクリスティアーノ・ロナウドとFWリオネル・メッシ、ストライカーの役割を果たすFWカリム・ベンゼマとFWルイス・スアレスなど多岐にわたった中、日本人ストライカーについてコメント。エゴイスティックなFWについては「日本には居ない。私はエゴイストだから見習って欲しい。学ぶことは可能だが、日本社会は相手を尊敬する、尊重する、リスペクトする。私はボックスに入ったらエゴイストだ」とコメント。また、FW大迫勇也、FW杉本健勇についても「2人ともエゴイストになれない。ちょっとでもなれない。ちょっとしたエゴイズムが必要。メンタリティでそれを変える。悪い事ではないということだ」と語り、エゴイスティックなプレーを出すことを恐れないでほしいと語った。この対談の模様は、クラシコ開催の直前である12月22日(金)の夜10時から、WOWOWプライムで無料放送される。
▽また、両氏は収録後に報道陣の囲み取材に応対。対談を振り返るとともに、日本代表についてもコメントした。
──対談を終えていかがでしょうか
ハリルホジッチ監督「非常に楽しかったです。宮本さんの質問が鋭かったです。指導者としてバルセロナとレアル・マドリーの試合に勝るとも劣らない試合をいつも見ています。私はジダンと仲良くしていますし、旧ユーゴスラビアという関係もありモドリッチ選手のことも良く知っている。最近はあまり試合に出ていないが、コバチッチという選手もして、ディナモ・ザグレブ時代には彼に初めてチャンスを与えた事がある。最高の対談だった」
宮本恒靖氏「たくさん興味深い話を聞かせてもらいました。クラシコを会話のきっかけにして、サッカー選手としてとか近代サッカーに必要なものをもう一度聞く事ができました。そして、お客さんに伝えることもできました。サッカーの知識を深めてもらうという点では、非常に良い機会だったのかなと思います」
──ガンバ大阪U-23のチームを率いて1シーズンを過ごしたが、対談でも話に挙がった「コミュニケーション能力」についてはどう感じているか
宮本氏「自分がよりプレーしやすい状況を作るために、要求したり情報を伝えることは大事だと伝えていました。できない選手も多いです。ただ、できると、これが成功するんだと感じて実行する選手もいました。若い選手は学んで理解して伸びていくスピードも早いので、変化を感じた1年でした」
「メンタルの強さ、エゴイスティックじゃなくてはいけないという部分に関しては、(ベルギー戦の)杉本健勇のシュートの場面の話もありましたが、あの場面で「なぜパスをしなかったのか」と言わない方がいいとハリルホジッチ監督が言っていましたが、僕も通ずる部分があります。FWとして一番大事な、シュートやゴールを目指すというところをオプションとして持っていることを絶対に否定したくないです。そこは共通していてよかったなと思いましたし、今後も指導していく上で続けていきたいなと思います」
──ハリルホジッチ監督は「伝説の試合を作りたい」と言っていたが、これまでの経験で「伝説の試合」はあったか?
ハリルホジッチ監督「伝説の試合と言うと、大舞台、大きな大会で伝説となる。次のワールドカップでどうなるかということはある。チームを作る過程において、集大成になる試合を作らなければいけない。3、4年のプロセスがある中で、2年ごとに大きな大会がある。アジアカップやワールドカップだ。1つのステージとしてこの大会で結果を出す。大会の中で、自分たちのサッカーの良いところを出す。それを踏み台にして、より成長する事が大事だ」
「特別な試合。ライバルとの因縁の対決で勝つ事だったり、FIFAランキングのことはあまり気にしていないが、ジャイアントキリングをするとかだ。我々の3年間を振り返ると、最終予選でアウェイのUAE戦に勝ったこと。振り返ってもものすごく良いサッカーをしていた試合だったと思う。あとは、アウェイのオーストラリア戦だ。日本はアウェイでオーストラリアに勝った事がないと言われていたが、賢い試合運びをした」
「ブラジルとベルギー戦についてだが、ブラジルには少し遠慮してしまった。もっと自信を持って挑んで欲しかった。ベルギー戦は良かったと思う。強いて言えば、ベルギーに勝っていれば、偉業を果たすことによってもっと高くいけたし、勝者のメンタリティを作れたかもしれない。シャドゥリが3、4人の選手を抜い多シーンは、ちょっとした集中力の問題だと思う。修正すれば1-1になっていたかもしれないし、大逆転できたかもしれない。こういった試合で勝たなければいけないと思う」
──エゴイスティックなFWという話が出ていましたが、これまで対戦した選手、日本人選手でそう感じた選手はいるか
宮本氏「エゴイスティック…(フィリッポ・)インザーギとかですね。なんでも自分によこせ。俺がやってしまうという、何回オフサイドに引っかかってもそういった気持ちは伝わって来ました。(ティエリ・)アンリからは特に感じなかったです。日本人では高原(直泰)とかは感じました。特に2002年に(Jリーグで)得点王になったシーズンは、対戦した時に凄みというのを感じました」
──対談ではクラシコで中盤の比較を話されていた。ブスケッツは頭脳だと話していて、日本代表では長谷部誠がその役割だと思うが、居なかった場合は他の選手でいるのか
ハリルホジッチ監督「ブスケッツがいないと、彼に変わる選手はバルセロナでも居ないだろう。長谷部ほど力のある選手は居ないかもしれない。ワールドカップには是非間に合ってほしい。もちろん日本代表監督なので、居ない場合のオプションは常にスタッフと話しながら考えている。今一番近いのは山口蛍。才能は申し分ないが、先ほどテーマにしたコミュニケーションはまだまだ足りない。「6番」というポジションは、常に声を出し合って、身振り手振り、他の選手のポジショニングを修正する。いうなれば、チームのボスだ。もっともっとできると言っているし、もっと声を出せと言っているが、彼は出しているよと言ってくるが、なかなか彼の声は聞こえてこない」
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