【原ゆみこのマドリッド】親善試合が終わったら…
2017.11.11 17:30 Sat
▽「W杯前の力試しには最適ね」そんな風に私が頷いていたのは金曜日、というのも相手がブラジルだったおかげでしょうか。こちらでは滅多に見られない日本代表の親善試合がオープン放送で中継されたため、私もTV観戦していたんですけどね。序盤からVAR(ビデオ審判)により、ブラジルにPKが与えられ、ネイマール(PSG)に先制されたのはともかく、それから5分もしないうちにまたペナルティ。2度目のPKは川島永嗣選手が弾いてくれたものの、マルセロ(レアル・マドリー)にエリア前からの弾丸シュートを決められて2点目、36分にも今季はマドリーを離れてマンチェスター・シティでプレーするダニーロが同僚のガブリエル・ジェズスをアシストして3点目。そんな圧倒的な強さを発揮していた相手が、3月の国際代表戦週間にスペインと親善試合をするかもしれないと聞いたから。
▽幸い後半には槙野智章選手のヘッドで一矢を報いることができた日本でしたが、1-3という結果を見れば、やはりW杯優勝候補の1つに挙げられるサッカー大国と実力的に互角とは言えないのが現実。だったら、先日はアルゼンチン代表参加中のメッシ(バルサ)も「Prefiero evitar a Espana en la fase de grupos/プレフィエロ・エビタル・ア・エスパーニャ・エン・ラ・ファセ・デ・グルッポス(グループリーグではスペインを避けたい)」と言っていたロペテギ監督のチームとなら、いい勝負になると思ったんですが…何より、今度こそ会場がワンダ・メトロポリターノになりそうだとなれば、他にもカゼミロ(マドリー)やフィリペ・ルイス(アトレティコ)ら、お馴染みの選手も多いですからね。対戦相手に私がブラジルを激しく希望してしまったのも仕方なかった?
▽ただちょっと残念だったのは、アップとロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)を終えた後、日曜にクラブの試合があったチーム半数余りの選手たちがロッカールームに引き上げてしまったことなんですが、まあ今回は親善試合しかありませんからね。残ってpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をしていた選手の中にはピケ(バルサ)がいたものの、その日は10月の公開練習では嵐のように浴びせられていたpito(ピト/ブーイング)がすっかり影を潜めていたのは不思議。うーん、それこそ喉元過ぎれば熱さも忘れるというか、昨今はあまりにカタルーニャ独立問題が大事になりすぎて、ファンもピケ1人に関わりあっていられなくなったんでしょうか。どちらにしろ、代表チームにとってはありがたいことです。
▽とはいえ、合宿中にラジオのインタビューを受けていたセルヒオ・ラモス(マドリー)も「Esta muy tranquilo, no sabemos lo que le va a durar/エスタ・ムイ・トランキーロ、ノー・セベモス・ロ・ケ・レ・バ・ア・ドゥラール(とても静かだよ。いつまで続くかはわからないけど)」と言っていましたが、何せ、彼には人が予想もしていない時に爆弾発言する悪い癖がありますからねえ。今年の3月、私も現地観戦したスタッド・ド・フランスの0-2と快勝した親善試合の後もいきなり、ミックスゾーンで演説会。その時はサンティアゴ・ベルナベウのパルコでスペインの政治が動くと仄めかし、聞いていた記者たちもポカンとしていたものですが、そんな前例を考えると、このコスタリカ戦、そして来週火曜のロシア戦の後などは要注意かと。
▽そして水曜、15分間だけのマスコム向け公開練習前にW杯用の新しいユニフォームを着て集合写真を撮ったチームだったんですが、どうやら今回のデザインのダイヤ柄のazul petroleo(アスール・ペトロレオ/石油のような濃い青)が見ようによってはmorado(モラードー/紫色)に映るということから、スペイン内戦前にあった共和国の旗を彷彿させると言われ、マスコミで針小棒大な議論になっていたせいですかね。元々は前回2015年時のような舞台を組んで、アディダスがメガプレゼンを予定していたのが、全員が並んでグラウンドでポーズするだけになってしまったのは残念。おまけに寒かったせいか、皆、すぐジャージを羽織ってしまいましたしね。選手たちが気に入っていたのはラモスのツィッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/928268541048119298)などからわかりますが、ピッチでどんな風に映えるのかといったことは、土曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコスタリカ戦を待つしかないよう。
▽ちなみにその日のラス・ロサスでは、初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)と共にビトロ(ラス・パルマス)が記者会見に登場。「彼らの試合は見ているけど、espero que cambie la dinamica/エスペロ・ケ・カンビエ・ラ・ディナミカ(流れが変わることを期待している)」と、1月からプレーすることになっているCLグループリーグ敗退目前のアトレティコに立ち直ってもらいたいようでしたが、もう確率的にかなり厳しいですからね。少なくともヨーロッパリーグ優勝を狙うには、セビージャで前人未到のEL3連覇を果たした彼の経験が頼りになるんじゃないかと思いますが、まあそれは置いておいて。
▽そして金曜にはマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)に移動したスペインはスタジアムで前日練習を実施。土曜の試合が早々にチケット完売になったのに加え、このセッションのために無料配布した入場券もあっという間になくなったそうで、中でもご当地選手のイスコ(マドリー)への声援が一際、大きかったとか。実際、彼の好調ぶりはバレンシアのカンテーラ(ユース組織)で一緒だったジョルディ・アルバ(バルサ)も試合前の記者会見で、「Es de los mejores del mundo, aunque no me gusta verlo asi en su club/エス・デ・ロス・メホーレス・デル・ムンド、アウンケ・ノー・メ・グスタ・ベルロ・アシー・エン・ス・クルブ(彼は世界一の選手の1人、そういうプレーを彼のクラブで見るのはイヤだけどね)」と言っていた程ですからね。
▽ロペテギ監督も「何もなければW杯にも招集されるだろう」と言っていたため、本大会でもチームに大きく貢献してくれることを私も期待していますが、ちなみにその日の練習を見たAS(スポーツ紙)の番記者の予想スタメンを伝えておくと、GKは背筋痛を抱えているレイナ(ナポリ)ではなく、マドリーが来夏の獲得を狙っているという噂が最近、激しくなってきたケパ(アスレティック)がA代表デビュー。DFはオディオソラ(レアル・ソシエダ)、ラモス、ピケ、ジョルディ・アルバ、ボランチにブスケツ(バルサ)、その前にイスコ、イニエスタ(バルサ)、ルイス・アルベルト、シルバ(マンチェスター・シティ)で、ワントップはモラタ(チェルシー)とありましたが、何せ、この代表戦明けにはマドリーダービーが待っていますからね。今回は先輩コケが招集されなかったため、ちゃっかり背番号8をゲットしたアトレティコから1人参加のサウールも適当なところで使ってもらって、サンクトペテルスブルクのロシア戦ではプレーしないで済むといいんですが。
▽え、金曜にはそのコスタリカ戦にはGKケイロル・ナバスは呼ばれず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっと続けていた負傷のリハビリが最終フェーズに入ったという朗報とは真逆のニュースが、マドリーから発表されたんじゃないかって?そうなんですよ、それは同様にウェールズ代表に行かず、9月末のCLドルトムント戦以来、欠場する原因となった左ふくらはぎのケガの完治を目指していたベイルで、いよいよダービーで復帰かと言われていたんですけどね。練習中に今度は左太ももの肉離れを起こしたそうで、全治には1カ月ぐらいかかりそうな感じだとか。
▽これでますます、イスコに活躍の機会が増えそうなのはともかく、お留守番組もクリスチアーノ・ロナウドなどにはいい調整期間になっているようですし、ウィルス性の心膜炎を患っていたカルバハルも全快。代表出向選手では先の日本戦で活躍したマルセロを始め、ヴァラン(フランス)、クロース(ドイツ)らは親善試合、W杯プレーオフを戦っているモドリッチ(クロアチア)とアフリカ予選のアクラフ(モロッコ)だけがちょっと心配ですが、前者など、木曜にギリシャ戦でPKゴールを挙げ、1stレグに4-1と快勝したという嬉しい知らせも。
▽一方のアトレティコもコケとカラスコは全体練習に戻っていますし、フィリペ・ルイスだけがちょっと回復が微妙な程度で、招集組もベルサリコ(クロアチア)以外、ゴディンやヒメネス(ウルグアイ)にしてもヨーロッパ内での親善試合と、今回は長旅をせずに済みますからね。おそらく双方、似たようなチーム状況で18日のダービーに挑むことになるかと思いますが…それはまだ先の話。今はまだどう転がるか、まったくわかりません。
▽そうそう、マドリッドの弟分チームに関しては火曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレス前にオフィシャルショップがオープン、記念イベントでアンヘル・トーレス会長が、「ガクはあと20日ぐらいで復帰できるだろう。コパ・デル・レイ32強対戦アラベス戦2ndレグかリーガのエスパニョール戦ぐらいにね」と発言したとの情報を得て、木曜には私も練習見学に。ただ、ヘタフェの広報部長によると前日、日本から戻ったと言うものの、グラウンドで柴崎岳選手の姿を見ることはできませんでした。
▽まだジムで左足中足骨手術からのリハビリをしているそうですが、何せ、その日もボルダラス監督のチームは午前10時半から午後1時近くまで続く、超長いセッションでしたからね。寒風吹きすさぶ中、ずっと見ているこちらも泣きそうでしたが、当人もこれに合流するには相当、体力をつけないと大変かと。また来週辺りには様子を見に行くつもりですが、日本人ファンも応援に来られるよう、なるたけ早く治ってくれるといいですね。。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
▽幸い後半には槙野智章選手のヘッドで一矢を報いることができた日本でしたが、1-3という結果を見れば、やはりW杯優勝候補の1つに挙げられるサッカー大国と実力的に互角とは言えないのが現実。だったら、先日はアルゼンチン代表参加中のメッシ(バルサ)も「Prefiero evitar a Espana en la fase de grupos/プレフィエロ・エビタル・ア・エスパーニャ・エン・ラ・ファセ・デ・グルッポス(グループリーグではスペインを避けたい)」と言っていたロペテギ監督のチームとなら、いい勝負になると思ったんですが…何より、今度こそ会場がワンダ・メトロポリターノになりそうだとなれば、他にもカゼミロ(マドリー)やフィリペ・ルイス(アトレティコ)ら、お馴染みの選手も多いですからね。対戦相手に私がブラジルを激しく希望してしまったのも仕方なかった?
(C)CWS Brains,LTD.
▽え、どうやら代表戦デビューも遅かれ早かれ決まりそうなワンダ・メトロポリターノだけど、最近はとうとうスタジアムツアーも始まったというのは本当なのかって?その通りで実は先日、私も見学してきたんですが、行ったのは試合のない日曜の午前中。それでもメトロ(地下鉄)7号線のEstadio Metropolitano(エスタディオ・メトロポリターノ)駅を降りると、スタジアム前の遊歩道はそこそこファンや観光客で賑わっていたため、そろそろここもマドリッド訪問定番メニューに加えてもいいかも。入場券(大人16ユーロ(約2300円)/子供8ユーロ)はオフィシャルメガストアで販売、ツアー入り口は10番ゲートになります。(C)CWS Brains,LTD.
▽今のところ、始まったばかりとあって、ガイドなしで順路もVIPルーム、パルコ(貴賓席)、プレス・コンファレンスルーム、天井の大きな紋章が美しいホームチームのロッカールームを廻ると、それからピッチへ。選手たちの座るベンチやシメオネ監督が立っているテクニカルエリアを体験できる程度なんですが、印象的だったのは試合の時、選手たちが出て行くホールの壁にあったアトレティコのレジェンド2人の名言。ええ、故ルイス・アラゴネス氏の「君たちはアトレティコ・マドリーの選手で外には5万人、君らのために死ねる者がいる。それ故にこのユニフォーム、その誇りのためにピッチに出て、チャンピオンは1人だけ、それは赤と白をまとったチームだと言わないといけない」なんていうのを読むと、結構じわっとくるアトレティコファンは多いかも。(C)CWS Brains,LTD.
▽もう1つはシメオネ監督のもので、こちらは2014年の「これはただのリーガ優勝ではない。この選手たちがあなた方、皆に伝えるのはもっと重要な何かだ。Si se cree y trabaja, se puede/シー・セ・クレエ・イ・トラバッハ、セ・プエデ(人は信じて努力すれば、実現できる)」という、私もリアルタイムで感激したフレーズだったんですが、うーん、今季のアトレティコは少々、その信念が薄れてきている兆しもなきにしろあらず。ワンダでプレーする時はそれこそ、選手たちもこの言葉を読み直して、気合を入れてプレーしてもらいたいところですが、さて。もしかして、あまりに新スタジアムが壮大すぎて、まだピッチで足が縮こまってしまっているのだとしたら、ちょっと情けないですよね。▽まあ、このツアーは現在、金土日の3日間のみ(開催時間はクラブのオフィシャルページ、http://www.atleticodemadrid.com/でTour Wanda Metropolitanoのタイトルのついた記事から確認)、試合のある日はないとのことなので、それこそ博物館も併設されていそうな来年3月の代表戦週間頃を狙って行ってみるというのでもいいかと思いますが、今回、ラ・ロサレダ(マラガのホーム)でコスタリカと親善試合を行うスペイン代表の近況もお伝えしておかないと。火曜からラス・ロサス(マドリッド近郊)のサッカー協会施設で合宿を始めたチームでしたが、初日は午後7時半からの練習を一般公開。いえ、この時期のその時間帯はスペインでも真っ暗なんですけどね。もうこれで今年は代表も見収めとあって、スタンドには大勢のファンが詰めかけることに。
▽ただちょっと残念だったのは、アップとロンド(輪になって中の選手がボールを奪うゲーム)を終えた後、日曜にクラブの試合があったチーム半数余りの選手たちがロッカールームに引き上げてしまったことなんですが、まあ今回は親善試合しかありませんからね。残ってpartidillo(パルティディージョ/ミニゲーム)をしていた選手の中にはピケ(バルサ)がいたものの、その日は10月の公開練習では嵐のように浴びせられていたpito(ピト/ブーイング)がすっかり影を潜めていたのは不思議。うーん、それこそ喉元過ぎれば熱さも忘れるというか、昨今はあまりにカタルーニャ独立問題が大事になりすぎて、ファンもピケ1人に関わりあっていられなくなったんでしょうか。どちらにしろ、代表チームにとってはありがたいことです。
▽とはいえ、合宿中にラジオのインタビューを受けていたセルヒオ・ラモス(マドリー)も「Esta muy tranquilo, no sabemos lo que le va a durar/エスタ・ムイ・トランキーロ、ノー・セベモス・ロ・ケ・レ・バ・ア・ドゥラール(とても静かだよ。いつまで続くかはわからないけど)」と言っていましたが、何せ、彼には人が予想もしていない時に爆弾発言する悪い癖がありますからねえ。今年の3月、私も現地観戦したスタッド・ド・フランスの0-2と快勝した親善試合の後もいきなり、ミックスゾーンで演説会。その時はサンティアゴ・ベルナベウのパルコでスペインの政治が動くと仄めかし、聞いていた記者たちもポカンとしていたものですが、そんな前例を考えると、このコスタリカ戦、そして来週火曜のロシア戦の後などは要注意かと。
▽そして水曜、15分間だけのマスコム向け公開練習前にW杯用の新しいユニフォームを着て集合写真を撮ったチームだったんですが、どうやら今回のデザインのダイヤ柄のazul petroleo(アスール・ペトロレオ/石油のような濃い青)が見ようによってはmorado(モラードー/紫色)に映るということから、スペイン内戦前にあった共和国の旗を彷彿させると言われ、マスコミで針小棒大な議論になっていたせいですかね。元々は前回2015年時のような舞台を組んで、アディダスがメガプレゼンを予定していたのが、全員が並んでグラウンドでポーズするだけになってしまったのは残念。おまけに寒かったせいか、皆、すぐジャージを羽織ってしまいましたしね。選手たちが気に入っていたのはラモスのツィッター(https://twitter.com/SergioRamos/status/928268541048119298)などからわかりますが、ピッチでどんな風に映えるのかといったことは、土曜午後9時30分(日本時間翌午前5時30分)からのコスタリカ戦を待つしかないよう。
▽ちなみにその日のラス・ロサスでは、初招集のルイス・アルベルト(ラツィオのMF)と共にビトロ(ラス・パルマス)が記者会見に登場。「彼らの試合は見ているけど、espero que cambie la dinamica/エスペロ・ケ・カンビエ・ラ・ディナミカ(流れが変わることを期待している)」と、1月からプレーすることになっているCLグループリーグ敗退目前のアトレティコに立ち直ってもらいたいようでしたが、もう確率的にかなり厳しいですからね。少なくともヨーロッパリーグ優勝を狙うには、セビージャで前人未到のEL3連覇を果たした彼の経験が頼りになるんじゃないかと思いますが、まあそれは置いておいて。
(C)CWS Brains,LTD.
▽その後、協会の本部ビル内にある、サッカー博物館に併設された代表オフィシャルショップ(火曜から土曜10~19時オープン)にも立ち寄った私でしたが、あいにく新ユニフォームは売り切れ。やはりマドリッド市内のメトロ、グラン・ビア駅前にあるアディダスの大型店の方などが品揃えも充実している上、マドリーのユニなども取り扱っているため、イロイロ見たい人には便利でしょうか。そう言えば、そちらではドイツやコロンビア、ロシアなどに混じって日本代表の新ユニも見かけましたが、スペインで売れるのかはちょっと不明。90ユーロ(約1万円)と、値段は国内で買うのとあまり変わらないみたいですね。▽そして金曜にはマラガ(スペイン南部のビーチリゾート都市)に移動したスペインはスタジアムで前日練習を実施。土曜の試合が早々にチケット完売になったのに加え、このセッションのために無料配布した入場券もあっという間になくなったそうで、中でもご当地選手のイスコ(マドリー)への声援が一際、大きかったとか。実際、彼の好調ぶりはバレンシアのカンテーラ(ユース組織)で一緒だったジョルディ・アルバ(バルサ)も試合前の記者会見で、「Es de los mejores del mundo, aunque no me gusta verlo asi en su club/エス・デ・ロス・メホーレス・デル・ムンド、アウンケ・ノー・メ・グスタ・ベルロ・アシー・エン・ス・クルブ(彼は世界一の選手の1人、そういうプレーを彼のクラブで見るのはイヤだけどね)」と言っていた程ですからね。
▽ロペテギ監督も「何もなければW杯にも招集されるだろう」と言っていたため、本大会でもチームに大きく貢献してくれることを私も期待していますが、ちなみにその日の練習を見たAS(スポーツ紙)の番記者の予想スタメンを伝えておくと、GKは背筋痛を抱えているレイナ(ナポリ)ではなく、マドリーが来夏の獲得を狙っているという噂が最近、激しくなってきたケパ(アスレティック)がA代表デビュー。DFはオディオソラ(レアル・ソシエダ)、ラモス、ピケ、ジョルディ・アルバ、ボランチにブスケツ(バルサ)、その前にイスコ、イニエスタ(バルサ)、ルイス・アルベルト、シルバ(マンチェスター・シティ)で、ワントップはモラタ(チェルシー)とありましたが、何せ、この代表戦明けにはマドリーダービーが待っていますからね。今回は先輩コケが招集されなかったため、ちゃっかり背番号8をゲットしたアトレティコから1人参加のサウールも適当なところで使ってもらって、サンクトペテルスブルクのロシア戦ではプレーしないで済むといいんですが。
▽え、金曜にはそのコスタリカ戦にはGKケイロル・ナバスは呼ばれず、バルデベバス(バラハス空港の近く)でずっと続けていた負傷のリハビリが最終フェーズに入ったという朗報とは真逆のニュースが、マドリーから発表されたんじゃないかって?そうなんですよ、それは同様にウェールズ代表に行かず、9月末のCLドルトムント戦以来、欠場する原因となった左ふくらはぎのケガの完治を目指していたベイルで、いよいよダービーで復帰かと言われていたんですけどね。練習中に今度は左太ももの肉離れを起こしたそうで、全治には1カ月ぐらいかかりそうな感じだとか。
▽これでますます、イスコに活躍の機会が増えそうなのはともかく、お留守番組もクリスチアーノ・ロナウドなどにはいい調整期間になっているようですし、ウィルス性の心膜炎を患っていたカルバハルも全快。代表出向選手では先の日本戦で活躍したマルセロを始め、ヴァラン(フランス)、クロース(ドイツ)らは親善試合、W杯プレーオフを戦っているモドリッチ(クロアチア)とアフリカ予選のアクラフ(モロッコ)だけがちょっと心配ですが、前者など、木曜にギリシャ戦でPKゴールを挙げ、1stレグに4-1と快勝したという嬉しい知らせも。
▽一方のアトレティコもコケとカラスコは全体練習に戻っていますし、フィリペ・ルイスだけがちょっと回復が微妙な程度で、招集組もベルサリコ(クロアチア)以外、ゴディンやヒメネス(ウルグアイ)にしてもヨーロッパ内での親善試合と、今回は長旅をせずに済みますからね。おそらく双方、似たようなチーム状況で18日のダービーに挑むことになるかと思いますが…それはまだ先の話。今はまだどう転がるか、まったくわかりません。
▽そうそう、マドリッドの弟分チームに関しては火曜にコリセウム・アルフォンソ・ペレス前にオフィシャルショップがオープン、記念イベントでアンヘル・トーレス会長が、「ガクはあと20日ぐらいで復帰できるだろう。コパ・デル・レイ32強対戦アラベス戦2ndレグかリーガのエスパニョール戦ぐらいにね」と発言したとの情報を得て、木曜には私も練習見学に。ただ、ヘタフェの広報部長によると前日、日本から戻ったと言うものの、グラウンドで柴崎岳選手の姿を見ることはできませんでした。
▽まだジムで左足中足骨手術からのリハビリをしているそうですが、何せ、その日もボルダラス監督のチームは午前10時半から午後1時近くまで続く、超長いセッションでしたからね。寒風吹きすさぶ中、ずっと見ているこちらも泣きそうでしたが、当人もこれに合流するには相当、体力をつけないと大変かと。また来週辺りには様子を見に行くつもりですが、日本人ファンも応援に来られるよう、なるたけ早く治ってくれるといいですね。。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。
|
関連ニュース