【質疑応答】ハリルホジッチ監督「アタッカーと中盤では違ったデュエルになる」「ジェズスは世界一のアタッカー」《国際親善試合》

2017.10.31 22:05 Tue
©超ワールドサッカー
▽日本サッカー(JFA)は31日、11月に行われる国際親善試合の2試合に向けた日本代表メンバー25名を発表した。

▽ヴァイッド・ハリルホジッチ監督はメンバー発表後、記者からの質問に答えた。
――長年、代表に選ばれてきた本田(圭佑)選手や香川(真司)選手、岡崎 (慎司)選手が招集外となりましたが、その理由は?
「テストするために他の選手を選んだ。今、名前が挙がった選手たちは、前回の合宿では私はあまり評価していない。彼らは自分の本来のパフォーマンスを見つけるべきだ。それぞれの選手とは色んなことを話したが、これが競争だ。こういった変更を疑問に思う人もいるだろう。

「例えばナガサワを(新たに)呼んだが、A代表でどうなるか興味が湧いた。他の選手も非常に高いパフォーマンスがあったからここにいる。私の就任1日目の会見でも言ったが、各自が戦ってA代表の席を勝ち取らなければならない。調子が良ければ名前は関係ない。ただ、皆のことはリスペクトしている。ピッチの上で判断している。チームオーガナイズ、システム、ゲームのプランなどで変わる。それから誰が戦術に合う選手かで決めることもある」

――強豪国との2試合となりますが、一番のテーマは?
「この2試合はかなり厳しい試合になるだろう。例えばブラジルの3人のアタッカーを抑えなければならない。それからドリブラー。ネイマールにジェズスにウィリアン、コウチーニョ…。小柄だが速い選手だ。リズム、方向転換、突破、全てにおいて巧い。どのように彼らを抑えるかが課題だ。中盤の選手も忘れてはいけない。フィジカル的にかなり強い選手が控えている。そこまで足は速くないが、かなりストロングだ。しっかり試合を支配してくる。組み立てもボールを奪うのも上手い。デュエルでどのように立ち向かうか、おそらく違ったタイプのデュエルになるだろう。もちろんできるだけ高い位置で奪うことが理想だが、3人のアタッカーを抑えながらとなると話が変わってくる。たとえばサンドイッチの守備、カバー、ゲームの予測、密度といってもなかなか分からないかもしれないが、そういったテーマが重要になってくる。
「それからオフェンス面。ブラジル人はゲームを読む力に長けている。例えば、背後でフリーになる動き出しもそうだ。我々は守備もしっかりするが、前回の試合のような守備はしない。もっと高い位置を取って守備をする、だが間延びしてはいけない。よりコンパクトにしていかなければ。それぞれが自分のゾーンで1人ずつ受け持たなければならない。特にブラジル戦はデュエルに激しく望んでいかなければならない」

「オフェンス面に話を戻すと、相手の背中でフリーになることが大事になるだろう。我々の中盤の3人のアタッカーの関係だ。ボールが有るか無いかでスプリントをしっかりすることもテーマの1つ。特に、いかにフリーなスペースを作り、使うかというところ。もしかしたら1人でそれを作り、使わなければいけないこともあるかもしれない。もしくは組織的にその場面を作ることも必要だ。それは考え方の話だ。阿吽の呼吸にするためにしっかりとトレーニングを積まなければならない」

「それから今までの習慣を変えなければいけない。なぜなら、我々のアタッカーのほとんどは背負ってプレーをしてしまうからだ。ジェズスやカバーニを見ると、長い時間できるだけゴールを向いている。相手のリストはここにあるが、彼らを個人的に組織的にどう対処するか。そのためのビデオも用意してある。これから選手たちに説明していく。頭で理解し、そして心で理解しなければいけない」

「ベルギーはまた違うチーム。どちらかといえばパワー系。(ロメル・)ルカク、それから(マルアン・)フェライニ、(クリスティアン・)ベンテケといった選手がいるが、ブラジル人のような爆発的なスピードはない。(エデン・)アザールや(ドリエス・)メルテンスもいる。オフサイドギリギリで仕掛けてくるし、ベルギーはサイドをよく使う。右サイドバックの(トーマス・)ムニエや(ヤニク・フェレイラ=)カラスコらをどうやってブロックしていくか」

「全く違う2つのタイプのチームとの対戦。ただ、しっかり守備してボールを奪ったら得点を取りに行く。コンプレックスなしにね。いろいろ見て映像も準備している。頭の中でも準備できている。本当にこのような厳しい試合、多くを要求してくる相手に対して何ができるか非常に楽しみだ。それから我々がお互いに話す能力、コミュニケーション能力に満足していない。そこは怒りたくなるぐらいやっていかないといけないところ。コミュニケーションする力を伸ばしていかないといけない選手もいる。少しでも弱点を見せれば、ブラジルもベルギーもそこを突いてくる」

「ジェズスは20歳だが世界一のアタッカーだと思っている。20歳でもだ。身長は174cmぐらいだが、背後で垂直でもボールを受けられるし、驚くのはクロスにも合わせられること。大きくない選手なのに必ず合わせにくる。止まったプレーをしない。常に動きながらプレーする。ハイレベルの選手だ。だから彼を話し合いながらしっかり押さえないといけない。彼はチャンスをたくさん作るだろうからそれをやらせてはいけない。しかも守備でもアグレッシブにプレッシャーをかけてくる。20歳でももうこんなに良いプレーができるんだという選手だ」

「マンチェスター・シティでは(セルヒオ・)アグエロが何年もレギュラーで活躍していたが、彼がベンチに追いやれられるぐらいだ。しかもそれが20歳の選手ということを日本はもっと理解しなければならない。アグエロのおかげでシティは昨シーズン戦えたが、でも彼が競争を生み出し、ベンチに追いやったということだ。(ジョゼップ・)グアルディオラは本当にジェズスを信頼している」

――ハイチ戦は監督も不満があったと思いますが、選手との間でケアできているのでしょうか。また、戦い方の違う2試合というのは、選手も変えて違う戦いをすることになるのでしょうか?
「ハイチ戦は最初の20分は良い試合をしたが、その後はフットボールを台無しにしてしまった。だが、A代表をもっとリスペクトして欲しいと思う。全く違う2チームにしたのでブロックのトレーニングをした。それがリスペクトされなかったということだが、我慢を覚えなければならない。1回のトレーニングでいきなり大きく変わることはない。しかも、ほとんどメンバーを変えたんだ。その試合で誰かを批判することはない。私の責任だ。私がチームを選んだわけだからね。確かにうまく行かなかった」

「試合後は少し厳しく言った。『君たちはW杯に行きたくないのか?こんなことは繰り返してはいけない』と、厳しく正確な言葉を使って彼らに伝えた。ただそれはやらなければいけないことだった。誰しもがジョーカーになれるし、私もジョーカーを作りたい。だが、この前のような試合を繰り返せば、誰もメンバーには入れない。私は何を期待されているかわかっている。W杯がどういう意味か分かっている。私も陽気に和気あいあいとした会見も開けるが、特に最終予選のオーストラリア戦では最もいい試合をしたが、その時でさえ私は「このままだとうまくいかない」と言った。なぜならブラジルやベルギーに対しても同じことをしなければいけないからだ」

「もちろん、2つの簡単な敗北をしてしまうかもしれない。現段階では、2位と5位かもしれないが、私にとっては世界の2強だと認識している。ここ最近の彼らの戦いを見ると本当に彼らの2強だと思う。しっかり準備しなければ簡単に数失点してしまう。前回の試合では私の人生の中でも稀な3失点だった。このままではさらに悪くなる。選手は気持ちを入れ替えて臨んでくれると思うが、恐怖は絶対に抱いてはいけない。試合の中で厳しい時間帯があって心理面がおかしくなったという時期もある」

「例えば私の2試合目のウズベキスタン戦を思い出す。30分良い試合をして、15分どこにも存在しなくなった。だからハーフタイムで低いブロックをやらざるをえなかった。こういうゲームコントロールのことでは、メンタルやコミュニケーションといった能力をこういった試合で伸ばしてほしい。このチームはまだそういうところが伸びると思う。ハイレベルな試合も我々はしてきたがまだまだ改善の余地はある。W杯というのは全く別物。だからこの合宿で伸ばしていきたい。そして学んでいこう。私が言いたいことを理解して欲しい。背中を向けるのではなく、ゴールに身体を向けろ。世界のアタッカーがそうやっているんだ。彼らはレッスンを受けるだろう」

「日本代表は恐怖を抱かないこと。よく私はサムライの歴史を紹介するが、挑発する気持ちで伝えることもある。わざと選手をイライラさせる。つまり勇敢さや勇気を持ってやってくれということだ。あるスタッフは『ハリルちょっとあんまり厳しく選手に言っちゃいけない』と言われるが、私は嫌いだから言っているのではない。選手のことが大好きだ。本当に愛着もある、グループも選手のことも好きだ。伸ばすには厳しく言わなければならないこともある。確かに私の言葉が厳しいこともある。さっき何人かの選手と厳しいディスカッションをしたと言ったが、例えばショウジとね。色んなフィジカルのテストがあって『こうじゃないぞ』と言うが排除したいわけじゃない。証明としてここに呼んでいるだろう。信頼している。詳細を話せないが、ある選手と私1人で話をした。伸ばすという目的で。全ての面で伸ばすという目的で。メンタルも、フィジカルも、テクニックも。選手は伸びたければ伸びる」

「このチームにはロシアに向けていい道を歩んで欲しい。我々の前には8カ月ある。A代表の候補がいる。Jのクラブにも挨拶に行った。選手やクラブとのコミュニケーションを伸ばしていかなければという思いからだ。我々はフィジカルテストをやったが満足の行く結果ではなかった。かっこつけてミスをしたというが、それで排除するわけではない。私なやるべきことなんだ。時にはスタッフやみんなで厳しいディスカッションをしなければいけないと思っている。要求することは簡単ではないが、我々A代表の仕事としてはクラブと選手と協力してやっていくことしかできない」

――浦和の選手が5人選ばれていますが、ACL決勝を控えるクラブとどのように話をしたのか
「浦和レッズとはいろいろ話をさせてもらっている。もちろん彼らはそのことが気になっているだろう。私もその試合を見に行く。だが、詳細なコメントはここでは控えさせて頂く。なぜかというと、私の家はA代表だからだ。JFAにサラリーをいただいている。A代表が何をすべきか、という判断に基づいて私は行動している。まず私は自分の家のことを考えるべきだと思っている。私はクラブの監督も経験している。私がクラブの監督をしている時に『A代表に行くなよ』ということも考えていた。でも今はA代表の監督だ。全く逆の考え方になったよ。ディスカッションの仕方も変わった」

「だが、日本のことを考えると浦和のこのファイナルは絶対に大事だ。浦和のことはみんな誇りに思っている。ここ9年ACLのファイナルに行っていない理由は浦和の背後に日本という国が隠れているからだと思っている。もちろん浦和の選手を我々は招集する。ただ移動距離はそこまで長くない。そこは理解して欲しい。しかし、我々が(クラブと)どういうディスカッションをしているかについては、詳細は話せない。ただ、頭ではしっかり浦和レッズさんのことは配慮している。色々な、本当に色々なことを考えている。これだけしか申し訳ないが話せない。浦和のことは考えているが、私の家はA代表だ。皆のことをリスペクトしている。最大のリスペクトはA代表だ。それは私の仕事、権利でもあるからだ」
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JFA(日本サッカー協会)は4月18日、宮本恒靖JFA新会長と新理事による最初の理事会(年度的には第6回)を開催した。既報のとおり技術委員長には影山雅永氏(JFAテクニカルダイレクター)が就任し、新たに各種部会が設置され、代表チームの強化を担当する技術委員会強化部会の部会長には山本昌邦氏(ナショナルチームダイレクター)が就任。ユース育成部会の部会長にはU-18日本代表監督で、解説者の城彰二氏の弟の城和憲氏が就任した。 理事会後の記者会見に臨んだ湯川和之専務理事は、かつては読売クラブの選手で、90年代初めにJFAへ転出。日本代表のマネジャーとしてチームに帯同し、日本の成長を見守ってきた。宮本会長とは97年のワールドユース(現U-20W杯)で選手とマネジャーという間柄。「今日はカジュアルな形での理事会が行われた」と変化を報告しつつ、「新理事にはサッカー界の説明をしました。今まで当り前のことが当り前にできない」と、半数近くが初めてJFAの理事になったことで、サッカー界の現状説明に時間を費やしたことも明かした。 また7月13日(土)には能登半島地震復興支援マッチとして、金沢のゴーゴーカレースタジアムでなでしこジャパンの壮行試合が開催されることも報告された。対戦相手やキックオフ時間などの詳細は未定となっている。 理事会の報告はここまでで、影山技術委員長はドーハへ行っていないとのことだが、U-23アジアカップの初戦、中国戦に関してはCB西尾隆矢のレッドカードに触れないわけにはいかないだろう。いくら相手に背後から身体をぶつけられたからといって、エルボーでの報復は問答無用で一発退場だ。ましてVARがあるのだから、どんな言い訳も通用しない。 大事な初戦、それも開始17分と早い時間帯での軽率なプレーは非難されても仕方がない。まして今大会のグループリーグは中2日の連戦だ。できればターンオーバーで戦いたかったところ、初戦から日本は総力戦による“緊急事態”に追い込まれた。本来ならDF陣のリーダーにならなければいけない西尾だけに、あまりに軽率なプレーは今後の起用にも影響するかもしれない。 森保一監督はカタールのアジアカップで失点を重ねながらもガマン強くGK鈴木彩艶を起用し続けた。果たして大岩剛監督は“汚名返上”の機会を西尾に与えるのかどうか。出場停止が何試合になるかわからないものの、こちらも注目である。 今回の西尾とは違うケースだが、04年に中国で開催されたアジアカップの準決勝、バーレーン戦で遠藤保仁が不運なレッドカードで退場処分になったことがある。パスを出して前線へ走り出した遠藤に、背後からバーレーンの選手が近寄ってきた。遠藤の振った腕が偶然にもバーレーン選手の顔に当たると、オーバーに倒れ込む。すると主審は遠藤にレッドカードを出したのだった。 当時はVARなどない。そしてカードが出てしまえば取り消しようがない。0-1とリード許し、さらに10人になった日本だが、中田浩二と中澤佑二、玉田圭司の2ゴールで4-3の大逆転を演じた。 当時もいまも、日本を相手にどうやったら少しでも有利な状況に持ち込めるか各国は必死に研究しているだろう。まずは挑発に乗らないこと。そして今回のケースでは、主審は見ていなくてもぶつかられたら西尾は倒れてもよかった。ただ、Jリーグでそうしたプレーは推奨されていないし、日本人のメンタリティーからしても相手を欺くようなプレーはやりにくい。 となれば、やはり相手の挑発には乗らないことと、球離れを早くしてフィジカルコンタクトを避けるのが、体力の温存やケガの予防につながるのではないだろうか。明日のUAEもどんな罠を仕掛けてくるのか、油断のならない相手であることは間違いないだろう。 <hr>【文・六川亨】<br/><div id="cws_ad">1957年9月25日生まれ。当時、月刊だった「サッカーダイジェスト」の編集者としてこの世界に入り、隔週、週刊サッカーダイジェストの編集長や、「CALCIO2002」、「プレミアシップマガジン」、「サッカーズ」の編集長を歴任。現在はフリーランスとして、Jリーグや日本代表をはじめ、W杯やユーロ、コパ・アメリカなど精力的に取材活動を行っている。日本サッカー暗黒の時代からJリーグ誕生、日本代表のW杯初出場などを見続けた</div> <span class="paragraph-title">【動画】中国戦で西尾隆矢が一発退場…</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="hszXHBrGzek";var video_start = 161;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.19 17:00 Fri

【U-23日本代表プレビュー】連勝でグループ突破へ、中2日での試合で選手の入れ替えは?/vsU-23UAE代表【AFC U23アジアカップ】

19日、AFC U23アジアカップのグループB第2節が行われる。初戦のU23中国代表戦では、DF西尾隆矢(セレッソ大阪)が前半で一発退場となった中、70分以上を10人で戦った日本は、中国の攻撃をしっかりと封じて1-0で勝利を収めた。 AFC U23アジアカップで出場枠「3.5」を16カ国が争う中、グループの上位2カ国になれば突破が決定。ここで連勝を収めれば突破の可能性が高まるだけに、しっかりと結果を求めて行きたいところだ。 <span class="paragraph-subtitle">◆タイプの違う相手にどう立ち向かう</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/japan20240419_tw1.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:0.9em;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> 前述の通り、初戦の中国戦は早々に松木玖生(FC東京)のゴールで先制するも、西尾の退場により防戦一方の展開に。それでもしっかりとチームとして対応力を見せ、白星スタートを切った。 大岩剛監督は「選手たちが全力を尽くして勝ち点3を獲得した」と奮闘した選手たちのパフォーマンスを称えたが、中2日ですぐに試合がやってくる。ここで連勝できれば、場合によってはグループ突破が決定。波乱を起こさせたくないところだ。 中国は高さもあり、フィジカルの強さを武器にロングボール主体で戦ってきた相手だが、UAEは高さは脅威ではなく、スピードが武器。裏を狙う攻撃、そしてテクニックを駆使した攻撃で攻めてくるはずだ。 カウンターや局面での対応が求められる中、2年前にもアジアカップで対戦した相手。メンバーは違うが、ロングボールでも押し込まれることがあっただけに、しっかりと対応力を見せて行きたいところ。韓国が追い詰められたことを考えても、簡単な相手ではない。 <span class="paragraph-subtitle">◆初戦は悔しい敗戦、日本対策もバッチリか</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/japan20240419_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:0.9em;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> 対するUAEは、2012年のロンドン・オリンピック以来2度目の出場を目指す中、初戦は韓国と対戦。韓国対策をしっかりと行った影響もあり、拮抗した試合展開となったが、最終盤の後半アディショナルタイムに失点して1-0で敗れた。 マルセロ・ブロリ監督は「我々は非常に上手く組織化することで、韓国を非常に困らせることができた」と計画通りに試合を進められていたと手応え。韓国を自由にさせずにいたが、セットプレーで敗れることとなった。 監督が就任してから2カ月。まだまだ完成度は低いが、それでもプランを遂行する能力を選手たちが持っていることは初戦で示された。中2日とはいえ、日本戦に向けてもしっかりと対策はしているはず。「日本の長所と短所を特定し、弱点を突くように努める」と語っており、何をしてくるのか警戒しなければいけない。 <span class="paragraph-title">◆予想スタメン[4-3-3]</span> <div style="text-align:center;"><img src="https://image.ultra-soccer.jp/1200/img/2024/japan20240419_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:0.9em;" id="cws_ad" class="desc">Getty Images<hr></div> GK:小久保玲央ブライアン DF:関根大輝、木村誠二、高井幸大、大畑歩夢 MF:松木玖生、藤田譲瑠チマ、山本理仁 FW:山田楓喜、藤尾翔太、佐藤恵允 監督:大岩剛 中2日でやってくる連戦。中国戦では数的不利の時間が長かったこともあり、選手たちの消耗はかなり気になるところ。もちろん相手も同じレギュレーションだが、コンディション面で遅れをとるとやられる可能性は高い。 GKに関しては出色のパフォーマンスを見せていた小久保玲央ブライアン(ベンフィカ)が継続して起用されるだろう。彼の活躍がなければ、中国戦は負けていてもおかしくなかった。2試合連続のクリーンシートに期待したい。 最終ラインだがセンターバックに関しては、西尾の出場停止が確定。試合数は未定だが、UAE戦には出場できず。代わりにピッチに立った木村誠二(サガン鳥栖)がそのまま起用されると予想。もう1枚は、安定したパフォーマンスを見せた高井幸大(川崎フロンターレ)となるだろう。 一方で、サイドバックは変更があると予想する。左は大畑歩夢(浦和レッズ)が起用されると予想。中国相手に守備で奮闘した内野貴史(デュッセルドルフ)は韓国戦に備えてベンチか。右に関しては高いパフォーマンスを見せていた関根大輝(柏レイソル)が継続されると予想。大会前に急性胃腸炎となった半田陸(ガンバ大阪)はコンディション次第では起用される可能性もありそうだが、万全を期して韓国戦まで温存と見る。 中盤に関しては、西尾の退場により早々に交代した山本理仁(シント=トロイデン)は問題なくプレーできるだろう。疲労も少なく、この試合ではチームを支えてもらいたい。また、藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)、松木玖生(FC東京)は中国戦でフル出場していたが、大事なこの試合でも先発すると予想。チームを支える2人はこの試合でも期待したい。 3トップは右は山田楓喜(東京ヴェルディ)と予想。左足のクロスから松木の先制点をお膳立てしたが、やはりFKからのゴールも見たいところ。セットプレーも大チャンスになるはずだ。また左は途中出場で精力的に動いた佐藤恵允(ブレーメン)と予想する。20分程度の出場ながら、強度の高いプレスでボールを奪い、カウンターのチャンスを何度か作っていた。勢いをもたらすプレーで、ゴールに迫りたい。 そして1トップは藤尾翔太(FC町田ゼルビア)と見る。佐藤同様に途中出場を果たし、右サイドに入ったがキープ力や接近戦での突破など、特徴は見せていた。今度見せてもらいたい特徴は、ゴールだろう。 日本の第2戦となるU-23UAE代表戦は19日の24時30分キックオフ。連勝でパリ・オリンピックへまた一歩近づくことができるのか。試合は、NHKとDAZNで中継される。 <span class="paragraph-title">【動画】苦戦も耐えながら勝利、U-23中国代表戦の舞台裏</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="hz_VAi7lfmc";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.04.19 14:30 Fri
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