【日本代表コラム】「バランス」、「新戦力」に不安…深刻な“3番手”不足2017.10.11 23:15 Wed

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▽「監督になって最悪の試合」「本当に謝罪したい」──ハイチ戦を引き分けた後の記者会見で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は繰り返し、この言葉を発していた。

▽豊田スタジアムで行われたニュージーランド代表戦を2-1で勝利した日本は、その試合からDF長友佑都(インテル)、DF槙野智章(浦和レッズ)以外の9名を変更。フレッシュな顔ぶれが並び、ハイチ戦がスタートした。果たして「バランス」、「新戦力」、「結果」はどうだったのか。

◆崩れたバランス…カギは「アンカー」
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▽倉田秋(ガンバ大阪)の2戦連発弾、杉本健勇(セレッソ大阪)の代表初ゴールで幸先良く2点のリードを奪った日本。しかし、2点目を獲って以降は決定機を生かすことができず、その後に逆転される事態となった。

▽この日は中盤から前が初めて組むメンバーが多く、攻撃も単調に終わる場面が散見された。さらに、意思の疎通が取れていないようなプレーも見られ、徐々に歯車が噛み合わなくなっていった。

▽特に気になったのは、アンカーの位置に入った遠藤航(浦和レッズ)だ。インサイドハーフに小林祐希(ヘーレンフェーン)、倉田秋(ガンバ大阪)を配置したことで、守備面での貢献が求められた遠藤。序盤は鋭い出足でボールを奪う場面も見られたが、徐々に立ち位置が不安定になっていった。

▽クラブでプレーするポジションとは違うという点もあるが、U-23日本代表ではプレーしていたポジション。しかし、小林や倉田との息が合わないプレーが目立ち、ピッチ上で檄を飛ばされるような場面も。安定感をもたらせられなかったことで、徐々にハイチにペースを握られてしまった。

▽遠藤だけでなくメンバーを多く入れ替えたことで、チームを立て直すことができない部分も多く見られた。レギュラーと考えられる15名程度の選手と比べ、全体的にチグハグさが目立った印象だ。原口元気は「自分よりチームのバラバラ感が強かった」と試合後にコメントするほどだった。

◆新戦力は多く起用も、目に留まった選手はなし
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▽前述のとおり、普段試合にあまり出ていない選手が多く出場したこの試合。結果を見ても分かる通り、チームに違いを見せていた選手は少なかった。杉本が初ゴールを決めたことや、ニュージーランド戦で途中出場ながら決勝ゴールを決めた倉田が2戦連続でゴールを奪ったことなどは高材料だ。

▽また、代表デビューとなった車屋紳太郎(川崎フロンターレ)が左利きの左サイドバックらしさを発揮し、決勝点に絡むプレーを披露。久々の出場となった酒井高徳(ハンブルガーSV)が積極的に攻め上がり、同点ゴールを呼ぶシュートを放つなど、好材料がなかったわけではない。

▽しかし、改めてレギュラー組との差を感じさせられ、底上げが急務となるポジションがいくつかあることも浮き彫りとなった。「何人かの選手の弱さ、脆さに、ちょっとガッカリしている」とハリルホジッチ監督が語ったように、ポイントである“デュエル”で負けているシーンも多く見られた。

▽残された期間は8カ月。国内外の選手が集まれるチャンスはそう多くない状況で、このような試合をしてしまったことは、チーム強化に“ストップ”をかけられてしまった感覚だろう。しかし、改めて問題点を明確にされたことをプラスに捉えることもできる。「全ての面でトレーニングしなければいけないことが、たくさんある」とハリルホジッチ監督も語った通り、レベルアップが各個人に求められる。

◆土壇場でなんとかドローに持ち込む
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▽2点差をひっくり返されてしまった日本は、大迫勇也(ケルン)、香川真司(ドルトムント)を続けて投入。攻勢に出る采配を振るい、その香川が最後にゴールを決めた。

▽失点を喫してからというもの、チグハグさが消えなかった日本だったが、徐々に既存の選手を起用することで安定感が増し、終盤は押し込み続けていた。決して褒められる結果ではないが、敗戦を回避し、追いついたという部分はプラスにも考えられる。しかし、結果を残したのが既存のメンバーだったことは、テストという点では物足りなかった。

◆浮き彫りになった“3番手”不足
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▽キリンチャレンジカップサッカー2017の2試合を通じて、多くの選手を起用したハリルホジッチ監督。しかし、改めてレギュラー組と控え組の差が浮き彫りになった印象だ。特に、“3番手”の選手が不足している感が否めない。

▽例えば、センターバック。吉田麻也(サウサンプトン)が不動の1番手であり、昌子源(鹿島アントラーズ)が2番手に付ける格好だ。しかし、それまでは森重真人(FC東京)が吉田をコンビを組んでいたこともあり、現状での3番手が不透明だ。2試合フル出場を果たした槙野は、まずまずのパフォーマンスだったが、特にハイチ戦は満足していい内容ではなかった。植田は出場の機会がないまま終わり、依然として“3番手”が決まらない。

▽アンカーも同様だ。ニュージーランド戦でアンカーを務めた山口蛍(セレッソ大阪)、さらにヒザのケガの影響も考慮して招集外となった長谷部誠(フランクフルト)は安定したパフォーマンスを見せている。ダブルボランチでもアンカーでも起用できる2人。しかし、ここも“3番手”が不在だ。遠藤のパフォーマンスは追試の対象となるだろう。新たな戦力がこのポジションに割って入る可能性も十二分にあるだろう。

▽センターフォワードも同じことが言える。今回は招集外となった岡崎慎司(レスター・シティ)、ニュージーランド戦で先発し、ハイチ戦も途中出場した大迫は軸に成り得る。しかし、杉本は不慣れな1トップの動きを体現できていない。Jリーグでゴールを量産しているだけに、日本代表のやり方をモノにできればいいが、現時点ではテストを続けることになるはずだ。

▽「私には13人から15人、しっかりプレーしてほしい選手がいる」とハイチ戦の前日会見でハリルホジッチ監督はコメントしていた。つまり、11人の先発と交代で起用する可能性のある選手は目処を立てているということの表れでもある。15人と考えれば、残る枠は8名。“3番手”に成り得る選手、または1番手、2番手を追い越す選手が現れることが、日本のベースアップにつながるだろう。
《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》

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Images<hr></div>▽先制を許した韓国は、ギアを上げてプレー。日本の守備陣は受け身になってしまった。日本としては、インテンシティを上げてきた韓国に対し、ボールを保持して時間を使うこと、そして同じレベルまでインテンシティを上げることが必要だった。 ▽インテンシティが上がらない理由の1つは、「選手のポジショニング」と言えるだろう。先制後、韓国のミスもある中で主導権を握れなかった日本は、推進力に押され最終ラインが下がってしまった。また、アンカーのMF今野泰幸も最終ラインに吸収されてしまうようなシーンが多く、プレス強度が上がらなかった。 ▽相手の攻撃に対し、「受け身」になってしまうことで、人数的に足りていても、インテンシティが保たれない守備となってしまう。その場合、選手が余っているにも関わらず、マークの受け渡しが上手くいかないことが起こりやすい。ボールホルダー、ボールそのものを追ってしまうことになっていた。 ▽プレスをかけ、相手を追い込むことで、パスコースを限定する、または無理なボールを蹴らせるということができる。しかし、受け身になることで相手に主導権を渡し、攻撃陣に自由を与えてしまう。特に、2列目の選手がプレスをかけずに引いてしまったことで、全体的に重心が後ろになっていった。その結果は失点シーンにも表れている。 <span style="font-weight:700;">◆数的有利でも抑えられないクロス</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171217_1000_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽例えば1失点目のシーン。日本はボックス内に4人の選手(今野泰幸、三浦弦太、昌子源、車屋紳太郎)がいた。韓国は3人。イ・ジェソンはこぼれ球を狙う位置におり、キム・ミヌは後方からニアに走り込む役回り。ターゲットはキム・シンウクのみだった。しかし、そのキム・シンウクにフリーの状態でヘディングで決められてしまった。 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▽特に、サイドハーフが中に入ってプレーした時のサイドバックの上がりに関しては、脆さを見せる傾向にあるだろう。サイドハーフ、ボランチ、サイドバックと、どの選手が対応するのかが不明確になりやすい。 ▽失点シーンも、伊東、井手口、植田の右サイドの3人の守備に疑問が残る。韓国の左サイドバックに対してのマークは誰が見るべきだったのか。イ・グノに対して植田が付いていたが、三浦でもよかったはずだ。そうなれば、植田がキム・ジンスにつけるだろう。また、もう1つ前のプレーで伊東がプレスに行ったが、伊東がキム・ジンスを追いかけ、井手口がプレスに行くことも可能だったはずだ。しかし、受け身になっていたためにスタートポジションが下がっていたため、伊東がプレスに。キム・ジンスがフリーでクロスを上げられる状況となった。 ▽ゴールにはならなかったが、19分の韓国のカウンターも同様だ。CKからカウンターで逆襲を受けると、右サイドをキム・ジンスが突破。昌子が対応すると、中央へ折り返される。これに対し、遅れて上がってきたボックス手前のキム・シンウクがダイレクトシュートを放った。このシーン、昌子がキム・ジンス、三浦は後方から上がってきたキム・ミヌを警戒。しかし、キム・シンウクは完全にフリーだった。植田は余っており、井手口もキム・ジンスを追うのではなく、キム・シンウクに付くべきだっただろう。 ▽急造チームであること、連携面に不安を抱えていることは事実だ。しかし、普段からできているプレーをすることはできたはず。先制後に自然と「受け身」になってしまい、全体的にどう守るかをピッチ上で判断できなかったことは残念なポイントの1つだ。 <span style="font-weight:700;">◆ピッチ内でのメンタルコントロール</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171217_1000_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽守備面にも関わることではあるが、もう1つ気になったのは、メンタルコントロールができなかった点だ。1-1に追いつかれた後、日本は焦りからか攻め急ぐチーンが多く見られた。 ▽韓国も決して良いパフォーマンスとは言えず、パスミスから日本にボールを渡してしまうシーンも少なくなかった。しかし、攻め急ぎ、縦への意識が強いあまり、すぐさま韓国にボールを渡すシーンが散見された。 ▽スピードのある攻撃を求めること自体は悪くないが、試合の展開を読むことができれば、ポゼッションを高め、オープンな展開を止めることもできたはず。しかし、その勢いに身を任せたことで、韓国に押し込まれるだけになってしまった。 ▽経験値が少ない選手が多い中、ピッチ上でコントロールできる選手がいなかったことも残念だ。本来であれば今野がその役割を果たすべきだったかもしれない。しかし、今野もまた韓国の勢いに飲まれていたようにも見えた。メンタルコントロール、そして中国戦でも気になった「判断力」の面では、チーム全体としての未熟さが出てしまったようにも思う。 <span style="font-weight:700;">◆それでもわずかな収穫</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171217_1000_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽4失点での大敗となれば、得られたものは多くはない。それでも、先発した土居聖真や途中出場の阿部浩之といった、自分の普段通りのプレーを出せている選手もいた。土居は前線で競り合うだけでなく、プレスの質や仕掛ける姿勢を見せていた。阿部も出場時間は短いが、周りを使うプレー、そして自分が生きようとするプレーを見せていた。 ▽ワールドカップは日韓戦以上にメンタルコントロールが重要となる。浮き足立たずにプレーできる選手がいるというのは、ポジティブな材料だろう。日本代表デビューとなったMF三竿健斗も、落ち着いたプレーを見せ、繋ぎ役に徹するだけでなく、積極的に前に出て行く場面が見られた。 ▽北朝鮮戦で好パフォーマンスを見せたGK中村航輔は、この日も良いパフォーマンスを見せていた。4失点とはいえ、どれもセーブのチャンスは少なかったと言える。それ以上に、失点を防いだシーンが見受けられた。代表出場2試合目のパフォーマンスとしては申し分ない。 ▽「この大会で2勝できたことは一定の結果」と語るように、北朝鮮戦、中国戦で粘りながら試合を進め、勝利できたことはプラスだ。韓国戦の惨敗が印象強く残るが、3試合を通じての収穫はあった。 ▽ワールドカップに臨むレベルかどうかはさておき、Jリーグ勢である程度戦えること、そして足りないものが多く見えた。そういった点でも、収穫はゼロではない。 ▽次の代表戦は3月。その前にJリーグは開幕する。各選手がクラブに持ち帰り、自身の今後のプレーにどう繋げるかが最も重要だ。東アジアで通用しなかった部分を見つめ直さなければ、ロシア行きの切符も掴めないだろう。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.12.17 15:00 Sun
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【日本代表コラム】デビュー組が見せた可能性、意識が変化も違いを生む“判断力”

▽北朝鮮戦に続いて、我慢の展開が続いた中国戦。終盤の2ゴールで2-1と勝利し、連勝を飾った。中2日での試合となったが、北朝鮮戦と比べると、選手の意識が格段に向上した一戦だったように思う。 ▽北朝鮮戦では、前線こそ最終ラインの裏を狙う動きを繰り返したが、後方からの縦パス、裏を狙ったパスがほとんど見られることはなかった。しかし、この試合では前線の動きに対し、後方からの積極的なパスが見られた。選手構成を代えたことも、大きく影響したように思う。 <span style="font-weight:700;">◆代表デビュー組が見せた新たな可能性</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171212_1000_tw2.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽北朝鮮戦から7選手を入れ替えた日本代表。DF植田直通(鹿島アントラーズ)が右サイドバック起用されるというサプライズに加え、DF三浦弦太(ガンバ大阪)、DF山本脩斗(鹿島アントラーズ)と、最終ラインはDF昌子源(鹿島アントラーズ)以外は代表デビュー戦となった。さらに、左サイドに緊急招集を受けていたMF土居聖真(鹿島アントラーズ)を起用。5名が日本代表デビューを果たした。 ▽この試合で最も驚きだったのは植田だ。鹿島では昌子とセンターバックでコンビを組み、U-23日本代表でもセンターバックでプレー。日本代表合宿では右サイドバックに入ることもあったが、あくまでもトレーニングだと思われていた。しかし、この日は右サイドバックで先発。中国の左サイドの攻撃に対する守備と高さへの対応かと思われたが、植田は攻撃面で力を発揮した。 ▽右サイドからのアーリークロスや、縦パスを意識的に狙うシーンが目立ち、22分には意表をついたクロスからFW小林悠(川崎フロンターレ)が合わせるもゴールならず。65分にはFW伊東純也(柏レイソル)とのワンツーから絶妙な抜け出しを見せ、あわやというクロスを送った。守備面では何度か攻め込まれるシーンはあったが、代表デビュー、右サイドバックということを考えれば及第点以上の活躍だった。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171212_1000_tw3.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽そして、センターバックとしてプレーした三浦もまずまずの出来だった。G大阪で見せるフィードは味方につながるシーンは少なかったが、狙いとチャレンジは評価できる。守備面でも冷静な対応や、高さの勝負でも問題ない部分を見せた。繋ごうとしすぎるあまり、終了間際のPK献上のきっかけを作ってしまったが、経験を積めば解消されるだろう。大崩れしなかった点は、プラス材料だ。 ▽左サイドバックの山本は、持ち前の対人守備の強さを披露。最後のPK献上は残念だったが、後半は積極的にボックス付近まで上がってプレー。32歳での代表デビューとなったが、これまでの経験をしっかりと日本代表のピッチで披露した。そして、同サイドでプレーした土居もサイドからカットインするプレーなど、攻撃面で違いを見せた。デビュー戦としては上出来だといえる。 <span style="font-weight:700;">◆意識が変わった攻撃</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171212_1000_tw4.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽前述の通り、初戦の北朝鮮戦に比べて、ハリルホジッチ監督が求める裏への動き、スペースを使った動き、縦に早い攻撃を仕掛けるシーンは増えていた。 ▽インサイドハーフに入ったMF大島僚太(川崎フロンターレ)は、相手ディフェンスの間に顔を出し続け、ポジショニングの良さを見せた。ボールに絡む回数を増やし、1トップに入った小林とのコンビも見せていた。大島が入ったことで、攻撃面の前への意識は上がり、縦や裏を狙うシーンは増えた。27分にミドルシュートを放った時に左ハムストリングを負傷し、MF井手口陽介(ガンバ大阪)と交代。残念な交代となったが、自身の持ち味は出せていた。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171212_1000_tw5.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽また、大島に代わって入った井手口も、北朝鮮戦以上に攻撃面での持ち味を出せていた。高い位置を取ったこともあり、前からの守備、そして前線に上がっていくシーンが増えた。また、高いシュート意識を見せ、ミドルシュートを連発。相手ディフェンスの意識を自分に向けることができ、周りの攻撃陣は試合が進むごとに動きやすくなった印象を受けた。攻撃面に関しては、最終戦の韓国戦で更なる進化に期待したい。 <span style="font-weight:700;">◆気になる試合運び</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171212_1000_tw6.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽攻撃の意識が変わり、終盤まで粘った展開からの勝利。プラス材料は多いといえる。ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「すごく美しい勝利だった。しっかり良いプレーができたと思う」と試合後に語っていた。確かに、連勝を飾れたこと、そしてプレーが改善されたことはプラスだ。 ▽一方で、気になる部分も北朝鮮戦に続いて見えてきた。それは、「プレーの判断」だ。これもJリーグでプレーしていることが多少影響しているといえる。最後のPKを与える前のプレーもその1つだ。特に守備面では、ライン外に蹴りだすのか、繋ぐのか、ロングボールを蹴るのか、ハッキリしなければいけないシーンでの判断が気になるシーンもあった。Jリーグに比べ、国際舞台では相手のプレスのスピードや強度が変わってくる。そういった場面での判断力のスピードに関しては、さらにレベルアップする必要があるだろう。 ▽そして、攻撃面ではペースを変えられず一辺倒になってしまうことだ。裏を狙う、縦パスを入れるというプランを遂行するために、意識の変化は見られた。しかし、そのために何度も同じ形で攻撃を仕掛けるあまり、相手の守備も対応ができ、前半の30分過ぎからは中国の押し込まれる時間帯が続いてしまった。 ▽また、狙い過ぎるためにセカンドボールへの反応や、プレスの強度が下がる傾向も見られた。試合の流れをスムーズにすることができたものの、まだまだ課題は残されている。何れにしても、ピッチに立っている選手の“判断”が重要となる。 ▽得点シーンは、その“判断”が上手くいった例だろう。1点目は、ルーズボールを拾ったMF倉田秋(ガンバ大阪)がパスを狙う前に、ターンして前を向いた。これにより、FW川又堅碁(ジュビロ磐田)への縦パスが入り、最終的には小林がネットを揺らした。小林も、川又の衛星的な役割を意識していたために、あのゴールが生まれた。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171212_1000_tw7.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽2点目も同様だ。昌子の鮮やかなロングシュートはお見事だったが、その前のボール処理が素晴らしかった。胸トラップし、相手が近くにいたにもかかわらず、1つ前に持ち出した。そのおかげでシュートチャンスが生まれ、右足を一閃。スーパーゴールが誕生した。個々人の良い判断は見えてきたが、チームとして出せるようになるまでは時間がかかるだろう。試合運びでも巧者ぶりを見せることができなければ、最終節の韓国代表戦は、これまで以上の厳しい戦いとなるに違いない。 ▽ワールドカップで戦うということを考えても、判断の選択、判断をするスピードというのは必須の能力となる。Jリーグでは、全体的に判断のスピードが高くなく、多少遅くても対応できてしまう場面が多い。しかし、その能力を身につけることができれば、より自身の特徴をだすことができ、ワンランク上の選手になれるはずだ。韓国戦に勝利すれば、2大会ぶりの優勝となる。2年前は惨敗に終わっているだけに、最後もしっかりと勝利し、タイトルを獲得したいところだ。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.12.13 07:30 Wed
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【日本代表コラム】Jリーグでのプレーによる弱点が見え隠れした北朝鮮戦

▽6月に開幕するロシア・ワールドカップに向けた最後のアピールチャンスとなるEAFF E-1サッカー選手権。日本代表は、初戦の北朝鮮代表戦で薄氷の勝利を収めた。結果だけを見れば、終了間際のラストプレーで挙げたゴールで1-0の勝利と厳しい評価を下すこともできる。 ▽しかし、状況を考えればしっかりと勝利を収めたこと、そしてデビュー戦となった選手における収穫があった試合と言える。Jリーグ勢が世界で戦うために必要なことも明確になっただろう。 <span style="font-weight:700;">◆明暗分かれたデビュー戦</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171210_1000_tw2.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽この試合で最もインパクトを残したのは、日本代表初出場となった柏レイソルのGK中村航輔だ。説明の必要もないだろうが、この試合の中村は北朝鮮の決定的なシュートを連続してセーブ。日本のクリーンシートに大きく貢献し、土壇場での勝利を呼び込むプレーを見せていた。 ▽日本代表デビュー戦ということを考えれば、緊張をしてもよかったはず。しかし、中村のプレーぶりは通常運転そのもの。セービングだけでなく、セットプレー時の指示なども、柏で見せるものと変わりなかった。特筆すべきはポジショニングの良さだろう。好セーブを連発したことはポジショニグも関係しており、自身の力を発揮したと言える。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171210_1000_tw3.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽そしてもう1人、途中出場となったFW伊東純也(柏レイソル)も持ち味を発揮していた。右サイドに入った伊東は、縦への仕掛け、そして右サイドの守備でも貢献。左サイドで組み立てる時間が多かった前半に比べ、日本が右サイドを使うこともできた。北朝鮮が引いていたこともあり、前半はスペースがあまりなかったが、伊東のプレーの選択も含め、右サイドを活性化できたのはプラス材料だ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171210_1000_tw4.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽一方で、DF室屋成(FC東京)、MF阿部浩之(川崎フロンターレ)はもう少し良さを出すこともできただろう。室屋はいきなりの先発デビューとなり、ポジショニングの良さなどを見せていた。しかし「5、6回不要なファールをしています。もちろん、アピールしたいというところでのファールだったのでしょうが、未熟さも出たかと思います」とヴァイッド・ハリルホジッチ監督が試合後に語ったように、不慣れな部分も出ていた。それでも、ポテンシャルの高さは感じさせた場面は随所にあり、連係が上がれば攻撃面でも違いを出せるだろう。 ▽阿部はプレー時間が短かった部分もあるが、左サイドバックのDF車屋紳太郎、トップ下のFW小林悠とは川崎フロンターレでもチームメイト。左サイドを中心にもう少し違いを生み出せることが期待された。決勝点に繋がったシーンでは、FW川又堅碁(ジュビロ磐田)への絶妙なパスを出したが、もう少し長い時間のプレーが見たいところだ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171210_1000_tw9.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽久々の代表戦となったDF谷口彰悟(川崎フロンターレ)はまずまずの出来だった。谷口は対応を誤るシーンも多少はあったが、DF昌子源(鹿島アントラーズ)との補完性は高く、無失点で試合を終えられたことはプラスだ。FW金崎夢生(鹿島アントラーズ)はポストプレー、サイドに流れてスペースを空ける動きと従来のプレーを見せていた。ハリルホジッチ監督の要求とは少し違ったようだが、持ち味は出せていた。 <span style="font-weight:700;">◆Jリーグでのプレーによる弱点</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171210_1000_tw5.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽Jリーガーで構成される今回の日本代表。初めて日本代表に招集され、連係がままならないという点も考慮すべき部分はたくさんある。しかし、北朝鮮戦では機になるシーンがあった。1つはリスクを冒すパスを出せないことだ。 ▽この試合では前半、金崎が1トップに、トップ下にMF高萩洋次郎(FC東京)、右サイドに小林、左サイドにMF倉田秋(ガンバ大阪)が入った。[4-5-1]で2列のブロックを敷く北朝鮮に対し、高萩が間に入ってボールを受けようとしていた。そして、金崎もライン間でポストプレーを、小林はラインの裏への動きを繰り返していた。しかし、後方から3名にパスが入るシーンはほとんどなかった。 ▽基本的な攻撃は左サイドから。車屋が高い位置を取り、倉田とともにボールを運んで組み立ててていく。しかし、効果的なボールが入ることは少なく、時間をかけている間に北朝鮮のブロックが形成されていった。「縦に早いサッカー」ということをハリルホジッチ監督は予てから口にしていたが、その部分が見られるシーンは少なかった。前半では15分に今野からの縦パスを金崎がフリック。倉田はオフサイドとなったが、形としては素晴らしかった。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171210_1000_tw7.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽鍵を握るのは「ボランチ」に入る選手になるだろう。Jリーグを見ていても、効果的に「縦パス」を入れられる選手は少ない。そして、裏を狙うボール、サイドで作った上での逆サイドへの展開というものも、あまり見られるものではない。北朝鮮戦でも、サイドチェンジなどをする場面は見られたが、パススピードが遅かったり、パスが前に出ないためにスピードダウンしたりと、効果的なプレーにつながるシーンが少なかった。 ▽ワールドカップで戦うことを考えれば、ピッチ上でのスピードアップやリスクを負った仕掛けというのが必要となる。Jリーグでもトップクラスの選手が集まったチーム。連係面が不足しているとはいえ、リスクを冒すプレーがあまりにも少なく感じた。普段から行えていないことは、指示を出されていてもなかなか簡単にできるものではない。中国、韓国との2試合では、イニシアチブを握るという意味でも、リスクを冒したプレーが見たいところだ。 <span style="font-weight:700;">◆即効性はなくとも継続が重要</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171210_1000_tw8.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽残りは2試合、チームとしての活動も限られたものがある。最大の目標はロシア・ワールドカップで結果を残すこと。しかし、その先も日本サッカーは止まることなく、世界と戦う場で結果を残すことを目標に進んでいく。 ▽そういった面で考えれば、Jリーガーが普段のプレーで足りていない部分を感じること、そして国際舞台でプレーすることで感じるものはプラスに働くはず。ワールドカップに向けたメンバー選考の場であることには変わりないが、日本サッカー、Jリーグの底上げのためにも重要な機会となる。 ▽「次の試合では選手を入れ替えながらやっていきたいと思っています」とハリルホジッチ監督が語っているだけに、次の中国戦では北朝鮮戦とは違うメンバーが名を連ねるだろう。その結果、連係面は上がらない可能性はあるが、積み上げたものは無駄にはならないだろう。選手の能力は高い。あとは、そこにどれだけ対応できるか。今大会を通じて、Jリーガー勢がどこまでアジャストしていけるのか、注目していきたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.12.10 23:55 Sun
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【日本代表コラム】今見たい! EAFF E-1サッカー選手権に呼んで欲しい国内組日本代表23名を選出

▽日本代表にとって、2017年の最終戦となるEAFF E-1サッカー選手権2017。ロシア・ワールドカップに出場する日本代表にとっては、貴重なテストの場であり、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督にとっては新戦力発掘の場となる。 ▽今大会は、中国、韓国、北朝鮮と東アジアの3カ国と対戦するが、日程の関係により海外組を招集することはできない。国内組で編成される今回の日本代表。29日にそのメンバーが発表されるが、その前にJリーグでのプレーを参考に23名をポジション別に選出してみた。 ▽なお、浦和レッズがAFCチャンピオンズリーグで優勝した場合、同時期にUAEで開催されるクラブ・ワールドカップに出場するため、浦和の選手は選外としている。 <span style="font-weight:700;">GK</span> <span style="font-weight:700;">東口順昭</span>(ガンバ大阪/31) <span style="font-weight:700;">権田修一</span>(サガン鳥栖/28) <span style="font-weight:700;">中村航輔</span>(柏レイソル/22) <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171125_1000_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽まずは守護神だ。東口順昭、権田修一、中村航輔の3名を選出した。日本代表にも招集され続けている東口、11月の欧州遠征からは外れたがそれまで呼ばれていた中村は順当だろう。中村に関しては、日本代表でもプレーを見たいところだ。 ▽そして本来であれば、西川周作(浦和レッズ)が入ると考えられるが、前述の通り選外とし、アルベルト・ザッケローニ監督の下では日本代表に選出され続けていた権田を呼んでもらいたい。鳥栖に復帰した今シーズンは、幾度となくチームを救うプレーを見せ、ショットストップは衰えていないはずだ。 <span style="font-weight:700;">DF</span> <span style="font-weight:700;">松原健</span>(横浜F・マリノス/24) <span style="font-weight:700;">小池龍太</span>(柏レイソル/22) <span style="font-weight:700;">車屋紳太郎</span>(川崎フロンターレ/25) <span style="font-weight:700;">吉田豊</span>(サガン鳥栖/27) <span style="font-weight:700;">昌子源</span>(鹿島アントラーズ/24) <span style="font-weight:700;">植田直通</span>(鹿島アントラーズ/23) <span style="font-weight:700;">三浦弦太</span>(ガンバ大阪/22) <span style="font-weight:700;">中谷進之介</span>(柏レイソル/21) <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171125_1000_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽続いてDF陣。サイドバックは左右で2名ずつを呼んでもらいたい。右サイドバックには松原健、小池龍太、左サイドバックには車屋紳太郎、そして吉田豊を推薦したい。 ▽松原は今シーズンから横浜FMでプレーし、リーグ戦25試合に出場。シーズンが進むにつれて守備面での改善も見られ、スプリントも問題ない。また、今シーズンから柏でプレーする小池も気になる存在だ。ポジション取り、オーバーラップのタイミング、そしてクロスと攻撃センスは抜群。守備面でも対峙するサイドアタッカーを封じる試合も多く、初のJ1挑戦にして結果を残している。 ▽また、左サイドバックには10月、11月と日本代表に招集されている車屋、そして豊富な運動量と不屈のメンタルを持つ吉田を推したい。車屋は長友佑都(インテル)の控えとして計算されており、このタイミングで国際舞台での経験値を積みたいところだ。そして吉田は、長友と同タイプのサイドバックとして計算が立つ。攻撃センスも申し分なく、鳥栖で見せているプレーを代表で見せて欲しい。 ▽その他、サイドバックの候補としてはリオ五輪代表の室屋成(FC東京/23)、U-20W杯に出場した20歳の初瀬亮(ガンバ大阪)といった両サイドができる若手もいる。初瀬は両足で蹴ることができ、G大阪ではキッカーも務めるほどの精度を誇っている。室屋も一列前での起用が可能で、スプリント力とスタミナは示している。代表入りの可能性もゼロではないだろう。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171125_1000_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽センターバックは、日本代表に招集されている昌子源、植田直通、三浦弦太の3枚に加え、新戦力として中谷進之介を推したい。昌子、植田、三浦の3選手は、本大会のメンバー入りをかけた大事な大会となるだろう。槙野智章(浦和レッズ)が2番手に浮上してきた中、ここでアピールをしっかりしたいところだ。 ▽これまで招集歴がないところでは、中谷を推薦したい。柏で最終ラインを統率し、20歳の中山雄太をリードしている。吉田麻也(サウサンプトン)という絶対的な存在がいる現状、相棒として組めば、中谷のコントロール能力とカバー能力は日本代表でも生かされるはずだ。中山は左利きという利点もあったが、個人的に中谷を推したい。 ▽その他、左足の高精度キックを持つ福森晃斗(北海道コンサドーレ札幌/24)、右サイドバックとしても計算が立ち、“デュエル”の強さを持つ高橋祥平(ジュビロ磐田/26)、そして高橋と同じ磐田で出色のパフォーマンスを見せている大井健太郎(33)も気になる存在だ。 <span style="font-weight:700;">MF</span> <span style="font-weight:700;">山口蛍</span>(セレッソ大阪/27) <span style="font-weight:700;">三竿健斗</span>(鹿島アントラーズ/21) <span style="font-weight:700;">井手口陽介</span>(ガンバ大阪/21) <span style="font-weight:700;">倉田秋</span>(ガンバ大阪/28) <span style="font-weight:700;">原川力</span>(サガン鳥栖/24) <span style="font-weight:700;">清武弘嗣</span>(セレッソ大阪/28) <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171125_1000_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽続いて中盤。現状の日本代表のシステムを考え、アンカーとインサイドハーフ2枚という観点で選出した。アンカーとしては山口蛍と三竿健斗の2名を選出した。 ▽山口はすでにその能力も計られており、あえて招集しないという選択肢もあるかもしれない。しかし、チームを作ることを考えれば、長谷部誠(フランクフルト)の代わりにアンカーを務める可能性もある山口は外せないだろう。チームの軸として、今大会を過ごして欲しい。 ▽そして、もう1人が昨シーズンから鹿島でプレーする三竿だ。東京ヴェルディユース出身の三竿は、今シーズン途中からダブルボランチの一角としてプレー。大岩剛監督は、三竿を軸にレオ・シルバ、小笠原満男、永木亮太を使い分けている状況だ。まだ21歳と将来性も高く、“デュエル”の強さはある。攻撃面での迫力不足はあるが、アンカーとしての働きはU-23日本代表でも見せていただけに、このタイミングで招集してみるのもプラスと考えた。 ▽その他、アンカー候補には堀孝史監督就任後に本領を発揮し始めている青木拓矢(浦和レッズ)なども挙げたいところ。クラブ・ワールドカップに出場しないとなれば、ぜひ呼んでもらいたい選手の1人だ。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171125_1000_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽インサイドハーフには井手口陽介、倉田秋のガンバコンビに、清武弘嗣、原川力を選出した。井手口、倉田は言うまでもなく、日本代表としての経験を積ませたいところ。よりチームの中心となってプレーすることで、1ランクアップを目指したい。 ▽そして、ケガで長らく日本代表から遠ざかっていた清武の復帰を希望したい。ゲームを作れ、流れを変えられる清武。C大阪での最近のプレーを見ると、本来のパフォーマンスを取り戻していることが見て取れる。元海外組として、今大会の中心となる活躍を期待したい。 ▽さらに、リオ五輪代表では主力だった原川を呼んでもらいたい。今シーズンは鳥栖でプレーする原川だが、走力がついただけでなく、攻撃センス、流れの中での組み立ての参加など、試合を積むことで伸びている印象だ。さらに、プレースキックの精度も抜群。直接FKで3ゴールを挙げており、ハリルホジッチ監督が苦言を呈する「FKからのゴール」も久々に誕生する可能性は高い。 ▽その他には、左利きのゲームメーカーである天野純(横浜F・マリノス)や運動量、カバーリング、攻撃参加と持ち味はハリルホジッチ監督好みの福田晃斗(サガン鳥栖)、福田よりもより攻撃面での違いが出せ、ボック・トゥ・ボックスのプレーが可能な川辺駿(ジュビロ磐田)も見てみたい選手だ。 <span style="font-weight:700;">FW</span> <span style="font-weight:700;">杉本健勇</span>(セレッソ大阪/25) <span style="font-weight:700;">都倉賢</span>(北海道コンサドーレ札幌/31) <span style="font-weight:700;">伊東純也</span>(柏レイソル/24) <span style="font-weight:700;">遠藤康</span>(鹿島アントラーズ/29) <span style="font-weight:700;">金崎夢生</span>(鹿島アントラーズ/28) <span style="font-weight:700;">江坂任</span>(大宮アルディージャ/25) <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171125_1000_tw7.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ▽最後は前線だ。センターフォワードには杉本健勇と都倉賢を推したい。センターフォワードには強さ、高さ、ゴールに向かう意識を考え2人を選出した。 ▽杉本は今シーズンのJ1で得点王を争っており、日本代表としても経験を積んでいる。今大会でよりその得点力に磨きをかけてもらいたい。そして都倉も同様だ。身体の強さはもちろんのこと、想像を超えたシュートを放つことはチームでも見せているもの。日本人離れしたスケールを感じる。同じ左利きという点では川又堅碁(ジュビロ磐田/28)も考えられるが、よりチームに入り込めそうな都倉を推したい。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171125_1000_tw8.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ▽そして右ウイングには、快足で相手DFを翻弄する伊東純也、そして日本人らしからぬプレーが持ち味の遠藤康を推したい。伊東のスピードは言わずもがな。シュート精度も悪くなく、仕掛けのタイミングも良いものを持っている。そして遠藤。まるで南米の選手かと思わせるようなテクニック、そしてアイデアはJリーグの中でも随一。左利きという点もあり、日本代表に入ることでどのような化学反応を見せてくれるのかが気になる。南米やアフリカに弱い日本だが、遠藤のイマジネーションがあれば相手を翻弄することも可能だろう。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171125_1000_tw9.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div> ▽左ウイングに推したい金崎夢生は、ゴールへの執着心、そして前線でタメを作ることができるタフさだ。センターフォワードとしても計算が可能で、泥臭くボールを追いかけ、ゴールを奪う姿勢はこのタイミングでもう1度見たいところだ。もう1人の江坂任は、卓越した運動能力の高さに期待したい。175cmと上背はないものの、跳躍力に秀でており、ヘディングで合わせる能力が高い。ラインの裏に抜ける動きもでき、サイドハーフながらもゴールが狙え、ゲームメイクも大宮では見せている。より得点を獲ることに集中できれば、大化けする可能性も秘めており、似たタイプとしては小林悠(川崎フロンターレ)か。今シーズンゴールを量産している小林も候補には入るだろう。 ▽今回は23名に絞り、さらに浦和の選手は除いた中でメンバーを選考した。現時点ですでに日本代表のベースは作られており、より上の相手と対戦した時に戦える、通用する可能性がある選手を見出したいはずだ。Jリーグで気になった選手を実際に手元に置くことで、直接判断が下される今大会。選出される選手は、最後のチャンスだと考え、持っているものを全て出して欲しい。日本代表のメンバー発表は、29日に行われる。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.11.25 20:00 Sat
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【日本代表コラム】“世界”で戦うために必要なもの

▽ブラジル代表に続き、世界トップクラスの力を持つベルギー代表を相手に善戦した日本代表。「大きなライオンを倒すところまでいった」とヴァイッド・ハリルホジッチ監督が語ったように、ブラジル戦に比べれば前半から戦えていた。 ▽しかし、欧州遠征2試合を見れば2連敗。仮にこれがワールドカップの本大会だったとするならば、日本のグループステージでの敗退は限りなく濃厚になったと言える。運良く3チームが1勝ずつで並ぶ可能性はなくはないが、厳しい状況には変わらない。手放しでは喜べない結果だ。 <span style="font-weight:700;">◆前半からハイプレスが機能</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171115_38_tw12.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽ブラジル戦は前半から押し込まれる展開となり、「蛇に睨まれた蛙」とでも表現できるパフォーマンスだった。気がつけば3失点と試合の大勢を決められてしまった。 ▽しかし、ベルギー戦は立ち上がりからプレスがハマり、決定機も作れていた。失点シーンはシュートを警戒しすぎたのか、ボックス付近で簡単に突破を許してしまったが、それ以外は水際で体を張ってブロックするなど、守備面での改善は見られた。 ▽特にメンタル面で崩れることが少なく、「選手たちはブラジル戦の後、ブラジルと対等とまではいかないが、戦えるということに気付いた」とハリルホジッチ監督が明かしたように、最後まで戦う姿勢を見せていた。 ▽1試合を通してのハイプレスは難しいが、プレス強度をベルギー戦では使い分けていた。しかし、選手の距離感はまだ怪しい部分も多い。さらに、先発したメンバーと途中出場のメンバーでは、プレスのクオリティに大きな差が出たように感じた。ハイレベルの相手との試合では、途中から試合に入る難しさはあるだろう。しかし、その力は本大会で必ず必要になるだけに、守備面での意思統一はこの先も強化しなければいけない。 <span style="font-weight:700;">◆一瞬の隙が命取りに</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171115_38_tw13.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽前半を何とか無失点で終え、後半も無失点で試合を進めていたが、一瞬の隙を突いてやられた。ボックス手前でボールを持ったシャドゥリが一気にスペースを突いて4人を置き去りに。クロスに対し、ルカクが飛び込んで先制点を許した。 ▽シュートを打たれる意識があったからか、このシーンではプレスがかかっていなかった。突破されても…という考えがあったのかは分からないが、深くえぐられてのクロス。そして決め切るルカク。一瞬の判断ミスが、失点を招いた。 ▽DF槙野智章を中心に、守備面で粘り強さを見せられていただけに、もったいない失点でもあった。ただし、W杯になれば一瞬でも隙を見せると命取りになる。そのことをこの2試合で体感できたことは、少なからずプラス材料だろう。 <span style="font-weight:700;">◆足りないのは「スピード」</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171115_38_tw14.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽その他にも気になったポイントは横パスだ。1点ビハインドとなってから、日本は選手交代も含めてギアチェンジ。全体的に攻撃に比重をかけていく。ベルギーは自陣に引いて守備をする場面もあったが、横パスや緩いパスを常に狙い続け、インターセプトから一気にゴール前まで持ち込むシーンも見られた。 ▽また、交代直後のFW杉本健勇が粘って独走し、シュートまで持ち込んだシーンも同様だ。抜け出しまでは良かったものの、最後のところでのスピードアップができなかった。そして、ストライカーとしてシュートの判断は悪くなかったが、より判断のスピードが上がれば、並走していた原口元気も見えたはずだ。W杯本大会ではより少なくなる可能性がある決定機。それを逸することの大きさを感じただろう。 ▽Jリーグが悪い、レベルが低いという訳ではない。しかし、ヨーロッパのトップリーグと比べれば、1つ1つのプレーのスピード、判断のスピード、局面が展開するスピードは大きく違う。「普段なら問題ないプレー」がW杯で戦うのであれば、「問題あり」になってしまう。様々な面で、日本サッカー界全体としての「スピードアップ」はこの先の大きな課題だろう。 <span style="font-weight:700;">◆12月は世界で戦える選手の選考</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171115_38_tw15.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽「この12月の中で国内組から代表に入るかどうかの決断をする」とハリルホジッチ監督は試合後に語った。12月に国内で開催されるEAFF E-1サッカー大会。国内組で構成される日本代表は、本当の意味でのサバイバルになる。 ▽ハリルホジッチ監督の下で合宿を経験している選手、国内組として常に代表に招集されている選手、そして日本代表としては未知数な選手…。Jリーグでのパフォーマンスを下に、新たな顔ぶれも少なくは無いはずだ。しかし、そこで求められるのは“世界”で戦えるかどうか。国内だけで通用する選手では、本大会のメンバー入りは難しいかもしれない。 ▽今回の欧州遠征には、これまで日本代表を支えてきたMF香川真司やFW岡崎慎司、MF本田圭佑は招集されなかった。ある程度計算できる部分もありながら、満足行くパフォーマンスでないことはそれぞれの選手も理解しているだろう。 ▽しかし、ヨーロッパのトップリーグでの経験値は高い。フィジカル面、テクニック面もさることながら、メンタル面ではより“世界”で戦えるはずだ。その部分も上回れる選手が国内組から現れるならば、日本代表としては本大会に向けて明るい材料になるだろう。基準は“世界”。その点を踏まえ、12月の大会を楽しみに待ちたい。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2017.11.15 21:45 Wed
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