【編集部コラム】メンディの長期離脱は覇権争いを左右する重大案件2017.09.29 19:50 Fri

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▽マンチェスター・シティのフランス代表DFバンジャマン・メンディ、右膝前十字靭帯断裂――。少なくとも半年は離脱することが確実で、復帰できるとしてもシーズン終盤。今季中にトップコンディションでプレーすることは難しいと思われる。

◆「痛い」ではなく「大打撃」
▽メンディの手術は、シティにとって「痛い」という表現よりも、「大打撃」と言えるニュースだ。DF史上最高額となる推定移籍金5200万ポンドで今夏にモナコからシティ入りしたメンディは、適応が難しいプレミアリーグにもすぐさま対応。モナコ時代同様、縦への推進力を生かした攻撃参加とバリエーション豊富かつ鋭いクロス、強靭なフィジカルなど自身の持ち味を存分に発揮していた。

▽今季、メンディは公式戦5試合に出場。その5試合でシティは5勝、22得点1失点、4度のクリーンシートと、ほぼパーフェクトの成績を残していた。攻撃では左サイドの幅と厚みをもたらしており、リーグ戦4試合でのクロス数は29本。守備でも6度のインターセプト、19度のリカバリー、11度のデュエル勝利と、フィジカル面に特長があるプレミアリーグでも身体的な面はむしろ際立っていた。

▽ガエル・クリシとアレクサンドル・コラロフが退団した今、シティにとってメンディは唯一の左サイド(ウイング)バックのスペシャリスト。ジョゼップ・グアルディオラは、「我々にはファビアン・デルフ、ダニーロ、フェルナンジーニョ、ジンチェンコという選択肢がある」とコメントしているが、いずれの選択肢にも不安が残る。

◆フィジカル面と守備の不安を抱えるデルフ
▽メンディが負傷した試合であるクリスタル・パレス戦、そして26日に行われたチャンピオンズリーグ(CL)グループF第2節のシャフタール戦と、直近の2試合でメンディの代役を担ったのがデルフだ。アストン・ビラ時代に左サイドバックとしてのプレー経験があるデルフは、いずれの試合でも問題なく役割をこなした。

▽ただ、デルフはもともと負傷が多く、フィジカル面の不安は拭いきれない。2009-10シーズン以降で、太もも、アキレス腱、肩、そけい部など様々な部位を故障しており、リーグ戦で25試合以上出場したシーズンはわずか1シーズンのみだ。全てのタイトルを狙うシティにおいて過度な信頼は置けず、サイズの面から押し込まれた際の守備にも不安を抱える。ローテーション要員の1人以上の存在として計算するのは危険だ。

◆ダニーロとフェルナンジーニョもベストポジションではない
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▽左右のウイングバック、セントラルMF、ストッパーとユーティリティなダニーロは、守備面でより計算できる存在だ。だが、プレーエリアで言えば右側がベター。ブレーキとまでは言わないが、やはりオーバーラップからクロスの流れは左利きのメンディに比べればスムーズさを欠く。

▽フェルナンジーニョに関してはダニーロと同様に器用な上、確実に計算が立つ選手だ。だが彼はアンカーとして現在のチームで欠かせない存在となっている。ヤヤ・トゥーレのコンディションが上がってくれば実用的なオプションになるが、やはり右利きの彼もダニーロと同様にプレーエリアは右のため、攻撃力の低下は否めない。

▽最後に、ポテンシャルが高く評価されている20歳のオレクサンドル・ジンチェンコに関しては、もともと攻撃的なポジションの選手で守備に不安が残る上、トップでの出場機会がなくあまりにも未知数だ。

◆補強も現実的な候補は…
▽グアルディオラ自身が来年1月の移籍市場を見据えていることからも分かる通り、現有戦力での左サイドバックの代役は一長一短の面をのぞかせる。ただ、1月の移籍市場でメンディの存在を補うとしても、「プレミアリーグの適応に問題なく」、「CLに出場可能」な選手まで選ぶと、補強は困難を極める。

▽『マンチェスター・イブニング・ニュース』など報道で噂に上っている有力どころでは、スパーズのDFダニー・ローズ(現在負傷離脱中)、ユベントスのDFアレックス・サンドロらが代役の候補。しかし、DFカイル・ウォーカーを差し出したスパーズがシティに対してさらに1人サイドバックを譲り渡すことは考えにくく、今季もユベントスのレギュラーとしてプレーしてきているA・サンドロに関しても非常に困難なオペレーションとなることは間違いない。

▽そのほかでは、エスパニョールのU-21スペイン代表DFアーロン・マルティン(20)、セルティックのスコットランド代表DFキーラン・ティアニー(20)らも候補だが、それぞれ海外リーグでのプレー経験すらなく、即戦力として頼るのは危険だ。

▽世間の反応では、メンディの長期離脱よりもセルヒオ・アグエロの自動車事故での肋骨骨折(2カ月離脱の見込みと報道)が話題を呼んでいるが、ガブリエウ・ジェズスが確実に計算できるレベルであることを証明しているチームにとっては、前者のニュースの方がよっぽど懸念すべき案件だ。個人的には、“特異な存在”であるメンディの離脱はプレミアリーグの覇権争いの行方を左右する決定打にもなり得るとみている。

◆チェルシー戦の人選と戦術に注目
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▽いずれにしても、グアルディオラは今回の問題に対処しなければならない。基本的にはローテーションで回していくことになりそうだが、それでも軸は決めておきたい。その点で言えば、30日に行われるプレミアリーグ第7節では、早くもアウェイでのチェルシー戦という大きなテストがある。

▽チェルシー戦では、おそらくデルフかダニーロが左ウイング(サイド)バックに入るだろうが、[3-4-3]の左ウイングバックにリロイ・ザネを起用し、左ウイングに中央寄りでプレーするダビド・シルバかケビン・デ・ブライネを配する“攻撃は最大の防御”の策を採ってくることもグアルディオラならあり得る。チェルシー戦では、メンディの代役となる選手のパフォーマンス、そしてそこに関連するグアルディオラの戦術的な采配(ポジショニング指示)に注目して観たいところだ。
《超ワールドサッカー編集部・音堂泰博》

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【J1クラブ通信簿】J1復帰初年度に桜旋風…守備意識改革でルヴァン制覇&リーグ3位の大躍進《セレッソ大阪》

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【J1クラブ通信簿】試行錯誤の末に辿り着いた形…リーグ制覇に向け新たな船出へ《横浜F・マリノス》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第14弾は5位フィニッシュの横浜F・マリノスを総括する。 <span style="font-weight:700;">◆シーズン振り返り</span> <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/20171210yokohama_6.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD.</div> <hr><span style="font-weight:700;">【主なトピック】</span> ●MF中村俊輔ら主力の大量放出 ●DFミロシュ・デゲネクやMFダビド・バブンスキー、FWウーゴ・ヴィエイラら3人の外国人選手の獲得 ●DF山中亮輔、DF松原健、MF扇原貴宏ら若手の獲得 ●DF中澤佑二がJ1通算連続フル出場記録更新 ●MF齋藤学の長期離脱<hr>▽昨シーズン、失意の10位に終わった横浜FMはチーム改革を行った。長年チームを支えてきたMF中村俊輔をはじめ、GK榎本哲也、DF小林祐三、MF兵藤慎剛らを放出。一方で、MFダビド・バブンスキー、DFミロシュ・デゲネク、FWウーゴ・ヴィエイラの3人の外国人選手を獲得し、さらにDF山中亮輔、DF松原健、MF扇原貴宏ら有望な若手の迎え入れも成功させた。 ▽エリク・モンバエルツ体制3年目を迎えた今シーズン、主力を大量に放出したチームは周りの予想に反して開幕から2連勝を飾ると、一時調子を崩したものの、その後は引き分けを挟んで6連勝を飾るなど、6位でシーズンを折り返す。 ▽後半戦に入っても勢いは衰えず、第19節からは6戦4勝無敗の好スタートを切った。一方で、ひとたび崩れると立て直しに時間がかかる脆さも露呈。一度負けると決まってその後の2戦も勝利できないという奇妙なジンクスが1年を通して付きまとった。 ▽シーズン終盤では攻撃をけん引してきたMF齋藤学が右ヒザ前十字じん帯損傷で長期離脱。さらに、チーム内得点王のウーゴ・ヴィエイラが負傷のため一時帰国するなどアクシデントに見舞われたが、うまくポジションを入れ替えたことで大崩れせずシーズンを乗り切った。 ▽最終的に5位という成績で終えた今シーズン。昨季の10位と比べれば上々の結果だが、2004年以来の悲願のリーグ優勝に向けて、クラブはモンバエルツ監督と袂を分かつことを決断。これから新シーズンに向けて新たな船出を切ることになった。 <span style="font-weight:700;">◆チームMVP</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/201712010yokohamafm_2_tw.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>DF中澤佑二(39) 明治安田生命J1リーグ34試合出場(先発34試合)/1得点<hr>▽改革を進めるチームにあって変わらずバックラインから支え続けてきたのがこの男だ。39歳という年齢でありながら第17節の大宮アルディージャ戦でJ1通算140試合フル出場の歴代最多記録を樹立。その後も記録を更新し、今シーズンの全34試合にフル出場を果たした。 ▽ミロシュ・デゲネクやパク・ジョンスとコンビを入れ替えながらも前半戦は横浜FMのゴール前に鉄壁を築き、最小失点に貢献した。終盤戦にかけては、疲労のせいか、全体で失点が増えたものの、新戦力が増えたチームがここまで戦えたのも中澤のキャプテンシーがあってこそ。年齢を重ねても知性と経験値で補って余りあるベテランの姿がそこにはあった。 <span style="font-weight:700;">◆補強成功度「A」</span>(評価:S~E)<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/201712010yokohamafm_4_tw.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽補強は成功と言っていいだろう。ミロシュ・デゲネクはパク・ジョンスと入れ替わりながらも中澤の隣できっちりと役割をこなした。ウーゴ・ヴィエイラは一時離脱はあったがチーム最多の10ゴールを記録。ダビド・バブンスキーも後半戦では出場機会は減ったものの、開幕2戦連続ゴールを決めるなど、バルセロナのカンテラ育ちとあって今後の成長に期待できる。 ▽また、松原は右サイドバックでレギュラーを獲得。山中は後半戦から左サイドバックでチャンスを掴んだ。扇原もMF天野純がトップ下にポジションを移してから本職のボランチで起用されるようになり、齊藤やウーゴ・ヴィエイラの負傷離脱によってポジションチェンジを強いられたチームが大きく崩れなかったのも新加入選手の活躍が大きく影響していた。 <span style="font-weight:700;">◆総合評価 「B」</span>(評価:S~E))<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/201712010yokohamafm_3_tw.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽惜しくも来季のACL出場を逃してしまう結果となったが、昨季の順位を考えれば、今シーズンの5位という成績は上々だったと評価できる。なにより、軒並み30歳を超えたベテランたちを放出し、代わりに獲得した外国人選手や若手がチームにフィットしたことで、及第点以上の活躍を残せたことが何よりの収穫だ。 ▽しかし、シーズン中に散見された“脆さ”から目をそらすことはできない。前述のような不安定さは昨シーズンにも見られ、一度崩れると立て直すのに時間がかかってしまっていた。それでも、勝ち始めたときの勢いは凄まじく、リーグ中盤戦の14戦無敗、しかも10勝という記録は優勝した川崎フロンターレに引けを取らない。いかに敗戦から上手くバウンスバックできるかが来シーズンの課題となるだろう。 ▽試行錯誤を繰り返していた前半戦とは打って変わり、後半戦に入って土台はできてきた。選手やポジションを入れ替えることで見えてきた課題と武器は来季以降の横浜FMにとってプラスとなるだろう。” 齋藤やウーゴ・ヴィエイラが負傷離脱していなければ”という思いもあるが、そこはポジティブに捉えるしかない。また、新加入のミロシュ・デゲネクやパク・ジョンスらが、中澤に代わるCBに成長することを期待したい。 ▽モンバエルツ監督の辞任が決定し、来シーズンの横浜FMを誰が指揮するのかは不透明なままだが、今季積み上げたものを崩さず進化させることが出来れば、リーグ制覇も夢じゃないはずだ。 2017.12.10 22:01 Sun
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【J1クラブ通信簿】的確補強によるリーグNo.1堅守への変貌で躍進《ジュビロ磐田》

▽歴史が動き、シーズンが閉幕した2017明治安田生命J1リーグ。最終節まで優勝争い、残留争いが繰り広げられ、最後まで目が離せない白熱したシーズンとなった。 ▽「DAZN」マネーにより、シーズンの成績で今後のクラブ強化に大きな影響を及ぼすこととなった2017シーズン。超ワールドサッカー編集部は、J1全18クラブを総括。トピックやチームMVP、補強成功度、総合評価で振り返る。第13弾は的確補強により躍進を見せたジュビロ磐田を総括する。 <span style="font-weight:700;">◆シーズン振り返り</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/20171210iwata_6.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">(C)CWS Brains,LTD<hr></div><span style="font-weight:700;">【主なトピック】</span> ●安定した守備組織の構築でリーグ最小失点 ●4バックシステムと3バックシステムの併用 ●FW小川航基、全治8カ月の重傷で早々に今季終了 ●MF松井大輔のポーランド2部のオドラ・オポーレ移籍 ●ドイツ2部カールスルーエからMF山田大記が3年ぶり復帰 ●J1復帰2年目でACL出場権を争うチームに<hr>▽名波浩監督就任3シーズン目を迎えた今シーズン、チーム内得点王のFWジェイが退団。一方で、DF高橋祥平やMFムサエフ、MF中村俊輔、FW川又堅碁といった実力者を獲得して、J1復帰2年目を迎えた。 ▽シーズン開幕からDF大井健太郎とDF森下俊ら既存メンバーの安定や高橋、ムサエフといった新加入選手の早期フィットで強固なディフェンスを形成。一方で、ジェイという得点源がいなくなったことやセンターラインが大きく変わったことが響き、序盤こそ不安定な戦いを見せた。しかし、4バックから3バックシステムに変更すると、チームで得点を目指すスタイルの浸透と共に、第7節のサガン鳥栖戦(○2-1)、第8節の鹿島アントラーズ戦(○3-0)と今シーズン初の連勝。さらに第14節のガンバ大阪戦から浦和レッズ、FC東京、アルビレックス新潟を連破して、11年ぶりの4連勝でシーズンを折り返した。 ▽後半戦に入っても、ヴァンフォーレ甲府(○1-0)、川崎フロンターレ(○5-2)を下して好調を維持。第20節のサンフレッチェ広島戦(●2-3)でこそ、連勝が「6」でストップしたものの、昨シーズン残留争いに巻き込まれた一因でもある苦手の夏場をこの黒星のみで乗り越えた。シーズン終盤には開幕当初に採用していた4バックシステムも併用し、チーム事情や対戦相手を加味した戦いで着々と勝ち点を蓄積。わずかにAFCチャンピオンズリーグ出場圏内の3位には届かなかったものの、最終節では連覇に向けて高いモチベーションを持っていた鹿島アントラーズも抑え込み、優勝を阻止する底力も披露した。14度のクリーンシートを達成して、昨シーズンのリーグワースト5位だった50失点をリーグ最小の30にまで減らし、昨シーズンの13位を大きく上回る6位という成績を残した。 <span style="font-weight:700;">◆チームMVP</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/20171210iwata_3_tw.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>DF大井健太郎(33) 明治安田生命J1リーグ32試合出場(先発32試合)/5得点<hr>▽リーグ最小失点の堅守を見せたチームの中心にいたのが、今シーズンからゲームキャプテンに就任したベテランの大井だった。併用された4バックと3バックの両システムにも適応力を披露。ディフェンスラインを統率し、身体を張った守備で幾度となく相手攻撃陣の前に立ちはだかった。 ▽また、守備だけでなく、中村俊輔という最高のキッカーを味方につけ、セットプレーでも相手の脅威になり続けた。優れた動き出しと181cmの身長を生かしたヘディングでキャリアハイの5ゴールを記録。攻守において闘志溢れるプレーでチームの躍進を支えた。 <span style="font-weight:700;">◆補強成功度「S」</span>(評価:S~E)<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/20171210iwata_4_tw.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽高橋とムサエフ、中村俊輔、川又の新加入組が主力として躍進を支えた。中でも、中村俊輔は、堅守速攻のスタイルに持ち前のゲームコントロールとセットプレーで攻撃の幅を増加させただけでなく、豊富な経験をチームの意識に還元し、自信を植え付けた。 ▽また、MF松本昌也は18試合出場、MF針谷岳晃はリーグ戦での出場はなかったものの、YBCルヴァンカップで経験を積み、U-20日本代表にも選出。未来への投資も順調で、フロント陣の的確な補強が光った。 <span style="font-weight:700;">◆総合評価 「A」</span>(評価:S~E)<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/20171210iwata_5_tw.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽昨シーズンを上回る成績でシーズン前に掲げた「一桁順位」という目標を達成できたこと高評価。その主因である守備面では、リーグ最小失点と14度のクリーンシート達成で大きな手応えを掴んだはずだ。また、攻撃面でも攻撃陣にも前線からの守備を要求する中で、昨シーズンの37得点を50得点にまで増加。攻守において1ランク上のチームへと進化を遂げた。 ▽また、全体で見ればDF小川大貴や松本、MF上原力也といった若手の突き上げにより、選手層は厚みを増したが、苦しい試合展開時に流れを変えられるようなジョーカー的な存在がいなかった。結果、引き分けは、最多11回を記録したヴァンフォーレ甲府に次ぐ10回。その部分で、上位勢に遅れをとった感が否めない。<div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/20171210iwata_2_tw.jpg" style="max-width: 100%;" class="yui-img"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽来シーズンに向けては名波監督も育成への注力を目指しており、小川航の復帰や筑波大学のFW中野誠也も加入する。リアリストの名波監督がどのようにして選手層を厚くし、チームに上位勢と張り合えるだけの反発力を植え付けるかが来シーズンのカギを握るだろう。 2017.12.10 22:00 Sun
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