【質疑応答】U-17日本代表を率いる森山佳郎監督「ファイナリストとして7試合経験させたい」《U-17ワールドカップ》
2017.09.22 19:30 Fri
▽日本サッカー協会(JFA)は22日、10月6日から28日かけてインドで行われるFIFA U-17ワールドカップに臨むU-17日本代表メンバーを発表した。
▽メンバー発表にあたり、U-17日本代表を率いる森山佳郎監督が質疑応答に応え、メンバー構成や対戦国、またU-20ワールドカップを経験しているFW久保建英(FC東京U-18)についても語った。
◆森山佳郎監督
──瀬古歩夢(セレッソ大阪U-18)が入らなかったことで、メンバーにユーティリティさが増えた印象だが
「ずっと瀬古、小林(友希)というのを看板に、185cm超えのセンターバックということで将来的にも世界で戦って行けるぞということでした。おそらく、一番最初にJ1でデビューを果たすんじゃないかと思っていた瀬古がいなくなったことで、代わりというのは馬場(晴也)が1番手です」
「ただ、彼も1つ下で代表経験も少ないということで、経験のある監物(拓歩)と山﨑(大地)を連れて行きます。当然、菅原(由勢)も真ん中をやらなくてはいけない。そうなるとサイドバックが足りず、喜田(陽)がやるとか…。今度は右サイドの池髙(暢希)がケガをしたとなれば、サイドバックも足りないから鈴木(冬一)を左サイドバックに持って行こうかとか、小林も筋肉系のケガがちだとか、色々な状況を想定した中でメンバー選考をすることになりました」
「逆に、これまでの遠征ではフォワードとセンターバックは変わらないですが、1人2つぐらいはポジションを入れ替えたりして経験させていた部分もあるので、そういった部分ではすんなりやってくれるかなというイメージがあります」
「選手には最後決勝のピッチに立つ、ファイナリストとして7試合経験させたいというのがあります。3試合で終わるのか、7試合世界の強豪と上位を争って経験することは、かけがえのない経験になると思います。若い年代の国際経験が何年か後に日本代表の力になるはずですし、それは一戦でも多く戦わせたいです」
「ファイナリストだ、優勝だと勝手に思っている選手が何人も居ると思いますが、一足飛びで登ろうとすると階段を踏み外してズッコケちゃいます。ファイナリストを目指そうとは言いますが、でも初戦が大事。グループを突破すること。大きな目標を置きながらも、一戦必勝でいかないと、どことやっても互角にやれる自信があっても、勝ち切れる確信は何もありません」
「グループもホンジュラスとかフランスとか強豪相手にどう転ぶかわからない。決勝トーナメントに進めば、すぐに優勝候補と当たるようにもなっています。とにかく一戦必勝でやっていきたいなと思います」
「事前合宿は、これまでやってきたことの確認と、トレーニングマッチです。最後のゲームは浜松大学にお願いしていますが、その前に練習の中で色々なシチュエーション。1人少ないとか、引いた相手とか、プレッシャーをかけてくる相手とか。あるいは、こっちも形を変えてなど、色々なオプションを試すトレーニングを高校のチームと手合わせすることを含めて、戦術的オプションと色々な状況設定の中でのゲームをやろうと考えています」
──対戦する3カ国についてどの様にみているか
「ホンジュラスについては、結構試合によって形を変えたり、人の配置を変えたりして読みづらい部分はあります。前線の3枚は、かなり身体能力が高く、ソロで突破してくるようなグイグイくる相手なので、そういった選手にスペースを与えたり、突破されると厳しい戦いになると思います」
「アメリカと予選を戦って、北中米カリブ海で3位ですが、アメリカ戦を見ても、[5-4-1]でしっかり守って、サイドのスピードのある選手を使ってしたたかにカウンターを狙っています。引かれてなかなか崩せなくて、無理して行った時に一発カポーンとやられる可能性はあるので、そういったものを含めて準備しなくてはいけないと思います
「フランスについては、言うまでもないぐらいご存知だと思いますが、どの年代も、特に若い選手が次々に出てきます。(キリアン・)ムバッペとか世界的な若い選手が生まれてくる国です。当然、簡単な試合じゃないなというところです」
「2年前の15歳の時に1度対戦していますが、その時とはほとんどメンバーが変わっているようなので、まったく参考になりません。次々と新しい選手が出てきます。情報収集もありますが、1試合目を観られるというのもあるので、観た中でです。ただ、引いてとか、相手をリスペクトしてというのではなく、互角に殴り合う気持ちでやりたいなと思います」
「3戦目(ニューカレドニア)は、情報をあえて集めていないです。1戦目、2戦目で向こうに行ってからの情報でということです。変に先入観を持つのではなく、向こうに入ってからということを考えています」
「ただ、3戦目までにできれば勝ち点がある状態で臨みたいです。ただ、取らぬ狸の皮算用なので、初戦が重要ですし、2戦目も重要です。(6月の)インターナショナルドリームカップでも、初戦でオランダに負けましたが、逆転して優勝しました。(7月の)新潟での国際ユースサッカーでも初戦クロアチアに先制されて、苦しみながらなんとか追いついて1-1に持ち込んで、そこから1位となりました」
「初戦は重要であるけれども、初戦が必ずしも良い成績じゃなくても、まだ挽回できるということです。3戦トータルで勝ち上がる準備をしたいと思います。
──このチームの特徴は。また、久保建英(FC東京U-18)がチームに落とし込もうとしていることは
「このU-17のチームは、発足当時から大人しい奴はいらない、戦えない奴はいらないと言っています。自分の良さを出せ、武器を出せといつも言ってきているので、色々なコンビネーションとかテクニック、個人戦術はありますが、ベースがしっかりできた中で、自分の持ち味を思う存分出してくれということで、この大会でも物怖じせず自分を披露して欲しいです」
「躍動感あるサッカーをしたいので、1人1人が躍動感を持ち、攻守に思い切りアグレッシブに仕掛けていくというか、そういったことは浸透していると思います。性格的にも関西の子も多く、放っておいたら、ミーティングでも「これどうだ?」と聞いたら、ワーワーと意見を言い出すので、今の子で考えたら少しやんちゃな子が多いのかなと。それもずっとこっちが要求しているので、何も意見がなければ来なくていいと思っています。自分を主張したり、主体的に行動したりします」
「最後彼らに求めているのは、自分たちで編み出せというか、監督要らないよというところまで行ってほしい。育成年代の監督なので、最終的には選手がそれぐらい自立してくれたら、サッカーIQの高い選手になってくれれば、僕は本当に必要ないと思います。そういったことはずっと要求してきていることです。全員ではないですが、主力を担う選手はかなり高いレベルでできるようになっていると思います」
「久保に関しては、明るくて、常に自分を出せる子です。選手の前でも悔しい思いをしたし、それをリベンジしたい。何もできなかったけど、自分のアシストがあったことで少しはプラスになれたというような色々な話をしてくれました。この大会に懸ける思いは強いと思います」
「U-20W杯が終わってすぐに、「どうするの?」と聞いたら、絶対に行きますと言いました。「どうしようかな」ぐらいであれば、上でやればいいかなと思っていましたが、彼はおそらく今大会で主役になってU-20のリベンジを果たしたい気持ちが強いと思います。ただ、1人で気負ってもしかたないですし、彼に負けないぐらいの将来性を持った子が多いので、それが最終的にチームのためのエネルギーに変わると思います。心配はしていません」
▽メンバー発表にあたり、U-17日本代表を率いる森山佳郎監督が質疑応答に応え、メンバー構成や対戦国、またU-20ワールドカップを経験しているFW久保建英(FC東京U-18)についても語った。
──瀬古歩夢(セレッソ大阪U-18)が入らなかったことで、メンバーにユーティリティさが増えた印象だが
「ずっと瀬古、小林(友希)というのを看板に、185cm超えのセンターバックということで将来的にも世界で戦って行けるぞということでした。おそらく、一番最初にJ1でデビューを果たすんじゃないかと思っていた瀬古がいなくなったことで、代わりというのは馬場(晴也)が1番手です」
「ただ、彼も1つ下で代表経験も少ないということで、経験のある監物(拓歩)と山﨑(大地)を連れて行きます。当然、菅原(由勢)も真ん中をやらなくてはいけない。そうなるとサイドバックが足りず、喜田(陽)がやるとか…。今度は右サイドの池髙(暢希)がケガをしたとなれば、サイドバックも足りないから鈴木(冬一)を左サイドバックに持って行こうかとか、小林も筋肉系のケガがちだとか、色々な状況を想定した中でメンバー選考をすることになりました」
「逆に、これまでの遠征ではフォワードとセンターバックは変わらないですが、1人2つぐらいはポジションを入れ替えたりして経験させていた部分もあるので、そういった部分ではすんなりやってくれるかなというイメージがあります」
──過去最高成績はベスト8ですが、監督は目標をどこに置くのか。また、直近のチェコでの大会で優勝しているが、直前の合宿ではどこを詰めたいか
「選手には最後決勝のピッチに立つ、ファイナリストとして7試合経験させたいというのがあります。3試合で終わるのか、7試合世界の強豪と上位を争って経験することは、かけがえのない経験になると思います。若い年代の国際経験が何年か後に日本代表の力になるはずですし、それは一戦でも多く戦わせたいです」
「ファイナリストだ、優勝だと勝手に思っている選手が何人も居ると思いますが、一足飛びで登ろうとすると階段を踏み外してズッコケちゃいます。ファイナリストを目指そうとは言いますが、でも初戦が大事。グループを突破すること。大きな目標を置きながらも、一戦必勝でいかないと、どことやっても互角にやれる自信があっても、勝ち切れる確信は何もありません」
「グループもホンジュラスとかフランスとか強豪相手にどう転ぶかわからない。決勝トーナメントに進めば、すぐに優勝候補と当たるようにもなっています。とにかく一戦必勝でやっていきたいなと思います」
「事前合宿は、これまでやってきたことの確認と、トレーニングマッチです。最後のゲームは浜松大学にお願いしていますが、その前に練習の中で色々なシチュエーション。1人少ないとか、引いた相手とか、プレッシャーをかけてくる相手とか。あるいは、こっちも形を変えてなど、色々なオプションを試すトレーニングを高校のチームと手合わせすることを含めて、戦術的オプションと色々な状況設定の中でのゲームをやろうと考えています」
──対戦する3カ国についてどの様にみているか
「ホンジュラスについては、結構試合によって形を変えたり、人の配置を変えたりして読みづらい部分はあります。前線の3枚は、かなり身体能力が高く、ソロで突破してくるようなグイグイくる相手なので、そういった選手にスペースを与えたり、突破されると厳しい戦いになると思います」
「アメリカと予選を戦って、北中米カリブ海で3位ですが、アメリカ戦を見ても、[5-4-1]でしっかり守って、サイドのスピードのある選手を使ってしたたかにカウンターを狙っています。引かれてなかなか崩せなくて、無理して行った時に一発カポーンとやられる可能性はあるので、そういったものを含めて準備しなくてはいけないと思います
「フランスについては、言うまでもないぐらいご存知だと思いますが、どの年代も、特に若い選手が次々に出てきます。(キリアン・)ムバッペとか世界的な若い選手が生まれてくる国です。当然、簡単な試合じゃないなというところです」
「2年前の15歳の時に1度対戦していますが、その時とはほとんどメンバーが変わっているようなので、まったく参考になりません。次々と新しい選手が出てきます。情報収集もありますが、1試合目を観られるというのもあるので、観た中でです。ただ、引いてとか、相手をリスペクトしてというのではなく、互角に殴り合う気持ちでやりたいなと思います」
「3戦目(ニューカレドニア)は、情報をあえて集めていないです。1戦目、2戦目で向こうに行ってからの情報でということです。変に先入観を持つのではなく、向こうに入ってからということを考えています」
「ただ、3戦目までにできれば勝ち点がある状態で臨みたいです。ただ、取らぬ狸の皮算用なので、初戦が重要ですし、2戦目も重要です。(6月の)インターナショナルドリームカップでも、初戦でオランダに負けましたが、逆転して優勝しました。(7月の)新潟での国際ユースサッカーでも初戦クロアチアに先制されて、苦しみながらなんとか追いついて1-1に持ち込んで、そこから1位となりました」
「初戦は重要であるけれども、初戦が必ずしも良い成績じゃなくても、まだ挽回できるということです。3戦トータルで勝ち上がる準備をしたいと思います。
──このチームの特徴は。また、久保建英(FC東京U-18)がチームに落とし込もうとしていることは
「このU-17のチームは、発足当時から大人しい奴はいらない、戦えない奴はいらないと言っています。自分の良さを出せ、武器を出せといつも言ってきているので、色々なコンビネーションとかテクニック、個人戦術はありますが、ベースがしっかりできた中で、自分の持ち味を思う存分出してくれということで、この大会でも物怖じせず自分を披露して欲しいです」
「躍動感あるサッカーをしたいので、1人1人が躍動感を持ち、攻守に思い切りアグレッシブに仕掛けていくというか、そういったことは浸透していると思います。性格的にも関西の子も多く、放っておいたら、ミーティングでも「これどうだ?」と聞いたら、ワーワーと意見を言い出すので、今の子で考えたら少しやんちゃな子が多いのかなと。それもずっとこっちが要求しているので、何も意見がなければ来なくていいと思っています。自分を主張したり、主体的に行動したりします」
「最後彼らに求めているのは、自分たちで編み出せというか、監督要らないよというところまで行ってほしい。育成年代の監督なので、最終的には選手がそれぐらい自立してくれたら、サッカーIQの高い選手になってくれれば、僕は本当に必要ないと思います。そういったことはずっと要求してきていることです。全員ではないですが、主力を担う選手はかなり高いレベルでできるようになっていると思います」
「久保に関しては、明るくて、常に自分を出せる子です。選手の前でも悔しい思いをしたし、それをリベンジしたい。何もできなかったけど、自分のアシストがあったことで少しはプラスになれたというような色々な話をしてくれました。この大会に懸ける思いは強いと思います」
「U-20W杯が終わってすぐに、「どうするの?」と聞いたら、絶対に行きますと言いました。「どうしようかな」ぐらいであれば、上でやればいいかなと思っていましたが、彼はおそらく今大会で主役になってU-20のリベンジを果たしたい気持ちが強いと思います。ただ、1人で気負ってもしかたないですし、彼に負けないぐらいの将来性を持った子が多いので、それが最終的にチームのためのエネルギーに変わると思います。心配はしていません」
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