【原ゆみこのマドリッド】何とか両方無事に見られた…2017.09.19 12:45 Tue

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▽「嫌疑が晴れて良かったわ」そんな風に私がホッとしていたのは月曜。バルベルデ監督の記者会見の内容を知った時のことでした。というのも、先月、ネイマールがPSGに移籍した穴を埋めるため、1億5000万ユーロ(約200億円/ボーナス込みの金額)という巨額移籍金を払ってドルトムントから獲得したデンベレが、先週末にコリセウム・アルフォンソ・ペレスでハムストリングを断裂…。いえ、今はカタールのアル・サッドでプレーするチャビ以来、バルサの選手たちが「en ese campo no se podía jugar/エン・エセ・カンポ・ノー・セ・ポディア・フガール(ここのピッチじゃプレーできない)」(デウロフェウ)、「Antes de empezar el partido ya vimos que estaba alto y seco/アンテス・デ・エンペサール・エル・パルティードー・ジャー・ビモス・ケ・エスタバ・アルト・イ・セコ(試合が始まる前から、芝が長くて乾燥していたのはわかった)」(デニス・スアレス)とアウェイのピッチコンディションに文句をつけるのはお約束のようなものなんですけどね。

▽そこに運が悪くもデンベレが全治4カ月という重傷で、4年前にもネイマールがコリセウムの同じような場所で筋肉系のケガをしていることも重なって、その原因は整備責任者のヘタフェにあるんじゃないかと疑われてしまったんですが、バルベルデ監督は「No creo que tuviera una incidencia decisiva el estado del césped/ノー・クレオ・ケ・トゥビエラ・ウナ・インシデンシア・デシシバ・エル・エスタードー・デル・セスペッド(芝の状態が決定的だったとは思わない)」ときっぱり否定。曰く、「彼のように大きなケガをしたことのないサッカー選手は体に違和感があってもそれが何か、理解する経験に欠けている。自分もやったことがあるが、taconazo(タコナソ/ヒールキック)はもっとも大腿2頭筋に負担をかける動き。ベテランなら無理せず、ボールを見逃しただろう」とのことですが、え、だったら柴崎岳選手はどうして足首を痛めて途中交代してしまった?

▽それはヘタフェのボルダラス監督も「Ha sido el sólo. Ha notado una molestia grande en el pie/ア・シードー・エル・ソロ。ア・ノタードー・ウナ・モレスティア・グランデ・エン・エル・ピエ(1人でやったケガで、足がひどく傷むのに気づいた)」と言うだけで、まだ検査結果がクラブから発表されていないため、程度もわからないんですけどね。今のところ、木曜午後9時(日本時間翌午前4時)からのセルタ戦に出られるかは微妙。当人も差し当たり、火曜のカンプ・ノウで日本代表の同僚、乾貴士選手がバルサにリベンジしてくれることを願うばかりかと思いますが…。まあ、こればっかりはねえ。金曜にはマドリッド勢の弟分の片割れであるレガネスを、それこそ乾選手のアシストからガルベスがヘッドを決めて1-0で破ったエイバルですが、デンベレの早期負傷交代はまったく影響なく、バルサがヘタフェに逆転勝ちしたことを考えると、あまり過度の期待を懸ける訳にもいかないかと。

▽そう、その土曜の試合、「No estábamos jugando rápido y el campo no nos ayudaba porque el balón no corría/ノー・エスタバモス・フガンドー・ラピド・イ・エル・カンポ・ノー・ノス・アジュダバ・ポルケ・エル・バロン・ノー・コリア(ウチはスピードのあるプレーをしていなかった。ピッチもボールが走らず、助けにならなかった)」とバルベルデ監督は言っていましたっけ。そんな試合は40分、FKから始まって、ベルガラが頭で落としたボールを柴崎選手がエリア前からシュート。これが見事に決まって、ヘタフェが先制。私の隣に座っていた顔なじみのヘタフェ番女性記者など、「golazo(ゴラソ/スーパーゴール)って日本語でどう書くの?」とノートに綴った文字をスマホで撮るぐらいハシャイでいたものですけどね。

▽チラホラとスタンドにいた日本人ファンも大喜びしていたんですが、後半はイニエスタをデニス・スアレスに代えてきたバルサが底力を発揮。ええ、ボルダラス監督は「ゴールの前にアントゥネスへのファウルがあった」と言いますが、51分にはセルジ・ロベルトがエリア内右奥からフリーのデニス・スアレスにラストパス。そのシュートが決まって同点に追いつかれただけでなく、83分には伏兵も登場したんですよ。それは中国の広州恒大から来たということでどこか、これまで過小評価されていた感のあったパウリーニョ。メッシからスルーパスをもらってエリア内に入り込むと、ジェネが邪魔するのをモノともせず、強烈な一撃でGKグアイタを破り、ブラジル代表の貫録で決勝点を挙げてしまったから、驚いたの何のって(最終結果1-2)。

▽おかげで1部復帰ホームデビューだったセビージャ戦同様、土壇場の失点で引き分けを逃してしまったヘタフェですが、まだ先は長いですからね。ただコリセウムではこの日曜がビジャレアル戦、その次は各国代表戦を挟んで10月14日にレアル・マドリー戦と強敵が続くため、初勝利を掴むのはなかなか大変そうなんですが、その辺、アウェイのセルタ戦、デポルティボ戦で埋め合わせできるといいんですが…。

▽その試合の後は知り合いの車に乗せてもらい、メトロ(地下鉄)7番線の途中の駅からエスタディオ・メトロポリターノで下車。キックオフ1時間程前にはスタジアムに着いた私でしたが、恐れていたような大混雑にも遭わず。というのもクラブや市当局が再三、早めの来場を勧告したり、隣接のメガオフィシャルショップを午前10時にオープンしたり、周辺に設けたファンゾーンでキッズパークやコンサートなどのアクティビティを昼間からやっていた甲斐があったんですかね。ビセンテ・カルデロンとお別れして3カ月余り、この日を待ちわびていたファンたちは午後7時の開門から三々五々、入場していったようです。帰りのメトロ入口が凄いことになっていたらしいのはともかく、スペイン国王フィリペ6世もパルコ(貴賓席)観戦したアトレティコの新しいホームでのマラガ戦を試合前のセレモニーから楽しむことができたのは非常に嬉しかったかと。

▽まあ、始球式にクラブのレジェンド、ガラテとフェルナンド・トーレス、そしてカンテラ(ユース組織)の少年の3人が登場。パスを回して、先発ではなかったトーレスがベンチに戻るというのはご愛嬌でしたけどね。シメオネ監督も「Nunca vi una cosa igual. Las banderas flameando todas juntas/ヌンカ・ビ・ウナ・コーサ・イグアル。ラス・バンデラス・フラマンドー・トーダス・フンタス(同じことは見たことがない。全てのフラッグが一斉に振られていた)」と感動していたようですが、ただ、ボールが走り出すとそこにいるのはいつものアトレティコ。前半は開幕3連敗で腰が引けていたか、専守防衛のマラガをまったく崩せず、大いにイライラさせられることに。

▽それどころか、38分にはアトレティコのカンテラ出身のボルハ・バストンに至近距離からシュートを撃たれ、「メトロポリターノの初ゴールを挙げるのはカンテラーノだといいね」と言っていたサウールの希望が皮肉な形で実現してしまうところでしたが、そこはGKオブラクがparadon(パラドン/スーパーセーブ)で危機を回避。シメオネ監督もこのままだと先週火曜のCLローマ戦と同じになってしまうと恐れたか、後半開始からはガビ、コケ、サウール、トーマスのカンテラーノ4人の中盤を諦め、トーマスに代えてカラスコを投入したものの、その効果もすぐには見えなかったんですが…。

▽ええ、丁度、テコ入れ第2弾として、「最初はちょっと変な感じで、ホームじゃなくて、何かの決勝を戦っているような感じだったけど、con la afición, con nuestras canciones...empezamos a notarlo nuestro/コン・ラ・アフィシオン、コン・ヌエストラス・カンシオネス…エンペサモス・ア・ノタールロ・ヌエストロ(ファンやボクらの歌…それで自分たちのホームだと気づき始めた)」というトーレスがライン際で出場を待っていた時でしたっけ。アトレティコが一瞬だけ、輝きを放ってくれたんですよ。

▽それは60分、コレアがマラガのDFをかわしてエリア内奥から出したパスをグリーズマンが方向を変えたところ、やはりアトレティコのカンテラーノだったGKロベルトを破ってネットに突き刺さったから、それまで途切れなく応援していた場内がどんなに盛り上がったことか。ようやく虎の子の1点を手に入れた彼らはまあ、最後はまたオブラクに助けられたりもしたんですけどね。何とか最後まで1-0を保って、胸を張って試合後のイベントに臨めることに。

▽え、選手全員揃ってvuelta de honor(ブエルタ・デ・オノール/ファンに感謝するピッチ一周)をしたり、その後はド派手な打ち上げ花火をしたりだなんて、トロフィーがないだけで、まるで優勝祝いみたいじゃないかって? そうですね、これで選手たちが満足して、今季は他に何もなしで終わってしまったりしたら困りますが、一応、殊勲のゴールで夏のマンチェスター・ユナイテッド移籍騒動や開幕ジローナ戦で退場、リーガ2試合に出場停止になってチームに迷惑をかけた件をチャラにしてしまった形のグリーズマンなど、「タイトルを祝えるよう、できることは全てやるよ。Todos tenemos ganas. Yo el primero/トードス・テネモス・ガナス。ジョ・エル・プリメーロ(皆がやる気だ。ボクが一番にね)」と意欲を見せてくれましたしね。

▽その辺はまず、水曜午後午後8時(日本時間翌午前3時)からのアウェイ、ビルバオ戦で証明してもらいたいものですが、さて。日曜の練習にこのマラガ戦をケガで欠場したヒメネス、ヴルサリコが復帰したアトレティコは再び、ワンダ・メトロポリターノに戻って来る土曜に強敵セビージャを迎えるため、サン・マメスではローテーションが考えられますが、相手も日曜のラス・パルマス戦では1-0で負けてしまったものの、ビルバオはヨーロッパリーグに出場しているチームですからね。シメオネ監督もここは頭の悩ませどころでしょうか。

▽そして翌日曜、セントロ(マドリッド市内中心部)に戻るまでメトロに30分近く乗らないといけないため、午前様になってしまった私が大寝坊をしてしまったのはレアル・マドリーの試合が夜の時間帯だったのもありますが、大丈夫。このソシエダ戦が出場停止処分5試合の最後となるクリスチアーノ・ロナウドが彼女のジョルジーナさんと前夜、古巣のスポルティングを見にリスボンに行ってしまおうと、マルセロも前節に退場して今回はお留守番になろうと、ベンゼマやコバチッチが負傷離脱中だろうと、クロースが軽いケガでお休みしようと、彼らには代わりになる選手がいるんです。

▽その第一人者は、バレンシア戦に続いてドローに終わったレバンテ戦でベンチに入れていなかったのをジダン監督も深く反省したんでしょうかね。この日、初先発に抜擢されたCFマジョラルが序盤から躍動。ええ、18分にはセルヒオ・ラモスが敵DFに引き倒されながら、chilena(チレナ/オーバーヘッドシュート)を試みようとツマ先で上げたボールをかっさらい、先制点を決めているんですから、マドリーのカンテラーノもしっかりしているじゃないですか。

▽ただ残念ながら、このリードは長くは続かず、10分後にはソシエダの右SBオドリオソラのクロスを左SBケビン・ロドリゲスがvolea(ボレア/ボレーシュート)。ボールがGKケイロル・ナバスの手をすり抜けて、スコアが同点となり、アノエタのゴール裏に設けられた簡易スタンドにいた応援団が前のめりになったため、看板が落ちてTVのカメラマンが骨折するなんて騒ぎにもなったんですが…。しかしマジョラルは35分の2点目にも貢献。うーん、どちらかというと、直前、再び同じ形でケビンのシュートがゴールバーを直撃、そこからカウンターでマドリーが攻め上がり、マジョラルがアセンシオに向けて出したラストパスをカットしようと突っ込んだのがこれまた、ケビンだったことの方が私には驚きだったんですけどね。

▽エウセビオ監督も「彼についてはelogiar que haya llegado de una portería a otra para ayudar al equipo/エロヒアル・ケ・アジャ・ッジェガードー・デ・ウナ・ポルテリア・ア・オトラ・パラ・アジュダール・アル・エキポ(一方のゴールからもう一方のゴールにチームを助けるため、駆けつけたことを褒めるばかり)」と言っていましたが、その結果はオウンゴールという最悪な形になることに。加えて、このフランス人のカンテラーノは60分、イスコが自陣から出したパスを追うベイルと70メートルのガチンコで徒競争。時速35キロにも達するスピード自慢の相手に追い抜かれてしまい、最後はGKルリの頭を超えるシュートで3点目を奪われたとなれば、とてもその夜、マドリー戦初得点を祝う気にはならなかったに違いありませんって。

▽結局、これで1-3と快勝したマドリーでしたが、何より良かったのは水曜午後10時(日本時間翌午前5時)から、ホームにベティスを迎える前にベイルがゴールを挙げて、自信を取り戻してくれたこと。いえ、本人は昨今、サンティアゴ・ベルナベウのスタンドからpito(ピト/ブーイング)が聞こえてきても「そういうのはサッカーではよくあるし、コントロールはできない。ブーイングされないよう、練習しないとね」とあまり気にしていないようでしたけどね。ジダン監督も「Para mí esta no es todavía su mejor version/パラ・ミー・エスタ・ノー・エス・トダビア・ス・メホール・ベルシオン(私にとってはまだ、最高のバージョンじゃない)。もっと上手くできるのだから、辛抱してやらないと」と言っていましたが、それって、マドリーファンには一番ないものですよ。

▽とにかく早々に復調してくれるに越したことはないんですが、一方のベティスも先週末、デポルティボにホアキンのdoblete(ドブレテ/1試合2得点)で2-1と勝利。キケ・ステイン新監督の下で徐々に進歩してきているようなので、マドリーも油断は大敵です。とはいえ、今度は先週のCLアポエル戦で2ゴールを挙げたロナウド、そしてマルセロ、クロースも出られますからね。ソシエダ戦で頑張ったマジョラルや左SBのテオなどは控えに戻る可能性が高いんですが、何せライバルのバルサは開幕4連勝で、アトレティコも同じですが、現在の勝ち点差は4。これ以上広がると先々、面倒なため、まずはガッチリ勝利を掴んでおかないといけませんよね。
【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。

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【原ゆみこのマドリッド】同じゴール日照りでも程度が違う…

▽「リヨンなら行きやすいわね」。そんな風に私が頷いていたのは木曜日、アゼルバイジャンからの長旅を終え、早朝のバラハス空港に着いたアトレティコ一行の尾羽打ち枯らした様子をお昼のニュースで見た時のことでした。いえ、最初は何となく決勝もバクーのオリンピア・スタジアムだから、予行演習になって良かったんじゃないかと思っていたんですけどね。よくよく考えると、彼の地でEL決勝が行われるのはワンダ・メトロポリターノにCL決勝が割り当てられた2019年。つまり来季の話で、2018年は5月16日にスタッド・ド・リヨンで開催されることを思い出したから。 ▽え、どちらにしろ来年5月26日のCL決勝はウクライナのキエフ、NSKオリンピスキー・スタジアムなんて遠すぎて、私にはとても行けたものじゃないだろうって? まあ、そうなんですが、距離的な問題はともかく、このままだとアトレティコは決勝進出どころか、グループリーグ敗退で来年はELを戦うことになるって一体、何年ぶりの苦境でしょう。折しも今年は夏っぽい気候が長らく続いていたスペインでしたが、週明けの雨で一気に晩秋が到来。来週はコパ・デル・レイ32強対戦のエルチェ(2部B)との1stレグがありますし、そこでまたうっかり躓いたりしたら、シメオネ監督就任以降はなかったアトレティコ恒例、真冬のcrisis(クリシス/危機)が起こるんじゃないかと心配になってしまうのは、ちょっと気の回しすぎですかね。 ▽ちなみに今週のCLでいい結果が出せなかったマドリッド勢はアトレティコだけでなく、1日早く火曜にトッテナムをサンティアゴ・ベルナベウに迎えたお隣さんも勝利を祝うことはできず。いえ、こちらは同グループのドルトムントがアポエルと予想外の1-1ドローを演じてくれたため、順位的に問題がある訳じゃないんですけどね。4000人余りのイギリス人ファンが大声援を送る中、前半24分、オーリエのラストパスをハリー・ケインがtaconazo(タコナソ/ヒールキック)、間が悪くもバランに当たってオウンゴールとなり、先制された時もそれ程、ショックはなく、実際、42分にはそのオーリエがエリア内でクロースを倒してマドリーはPKをゲット。クリスチアーノ・ロナウドがしっかり決めてくれたため、試合は1-1で折り返すことに。 ▽ただ困ったのは今季の彼らはホームでの成績が悪く、いえ、CL第1節のアポエル戦こそ3-0で快勝していますけどね。リーガではエスパニョールにしか勝っておらず、残り3試合は2分け1敗。とにもかくにもゴールが少ないのが原因ですが、その日も開始早々、ロナウドのシュートがゴールポストに阻まれた後、至近距離から外していたベンゼマが後半にもGKロリスにヘッドを弾かれてしまってはねえ。うーん、ジダン監督は「Lloris en esta ocasion de diez para una, y ha sido hoy/ロリス・エン・エスタ・オカシオン・デ・ディエス・パラ・ウナ、イ・ア・シードー・オイ(ロリスはこういうチャンスの10回に1度は止める。それが今日だった)」と当人を庇っていましたが、それ以外にもイスコ、ロナウドの決定機を防がれてしまっては相手を褒めるしかない? <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171020_26_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽まあ、こんな展開で昨季のようにベンチにモラタ(チェルシー)のようなスーパーサブFWがおらず、その日はマジョラルさえ、ベンチ外だったのはどうかと思うんですが、幸いだったのはこの試合ではGKケイロル・ナバスも冴えていたこと。ええ、前半にはハリー・ケインの強烈なヘッド、後半も「ジョレンテが凄くいいボールを送ってくれて、ボクも上手くコントロールして狙ったんだけど…」というシュートを指先でそらすparadon(パラドン/スーパーセーブ)を披露。スコアが動かないまま、アセンシオやルーカス・バスケスの入った終盤、根性のremontada(レモンターダ/逆転劇)体質を発動させても良かったマドリーでしたが、やはり引き分けでも両者揃ってグループ首位のままという、危機感のない状況が災いしましたかね。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171020_26_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽そのまま1-1で試合は終わったため、うーん、マルセロなど「No se por que hemos pinchado estos partidos porque siempre salimos a ganar/ノー・セ・ポル・ケ・エモス・ピンチャードー・エストス・パルティードス・ポルケ・シエンプレ・サリモス・ア・ガナール(どうしてボクらがいくつもホームゲームで躓いているのかわからない。常に勝つつもりでプレーしているからね)」と言っていましたけどね。ポチェッティーノ監督も「結果はともかく、lo que mas contento me deja es haber competido con el Madrid/ロ・ケ・マス・コンテント・メ・デホ・エス・アベール・コンペティードー・コン・エル・マドリッド(マドリーと競えたことに私は満足だ)」と納得していたように、DF5人制を採用するとか、敵CBを引き付けるため、今季加入した大型FWフェルナンド・ジョレンテを先発させた辺り、トッテナムは戦術的にも上手くやったと思いますよ。 ▽そんなマドリーは11月1日のCL次戦、得意のアウェイでグループ突破が決まるかもしれないんですが、昨季からトッテナムのホーム、ホワイト・ハート・レーンは改装中のため、試合はウェンブリーで開催。まあ、その頃には負傷中のベイルやカルバハルも復帰しているかもしれませんし、同日、スパルタク・モスクワに5-1と大敗を喫しながら、まだ十分突破の可能性があるセビージャ同様、くよくよする必要はないんですけど、何せリーガは待ってくれませんからね。そう、この日曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からはエイバルを迎えてのホームゲームとあって、そろそろ自慢の得点力を爆発させてくれないと元々、あまり辛抱強くないサポーターからのpito(ピト/ブーイング)が響き渡ることになるかも。 ▽その一方で、今はヘタフェの柴崎岳選手が負傷中のため、リーガで唯一、活躍が期待できる日本人、エイバルの乾貴士選手は前節のデポルティボ戦でベンチ外。チームは降格圏外の16位ではあるものの、メンディリバル監督が今季8試合ですでに17失点、翻って得点は3点のみという事態にシステムを変更し、3CB制に変えたため、ベベと共にポジションがなくなってしまったとマルカ(スポーツ紙)が言っていたんですが、それが続けば、マドリッド遠征のメンバーから漏れてしまうかもというのもちょっと気になりますよね。 ▽おっと、いくら自分が意気消沈していてもCLの話を終わらせてしまわないと。翌水曜、例外的に午後6時という早い時間から、カラバフ戦のキックオフとなったアトレティコですが、まず驚きだったのは会場がワンダ・メトロポリターノに負けないぐらい、近未来的なデザインのスタジアムだったこと。いえ、カラバフは1993年までナゴルノ・カラバフをホームとしていたんですが、アルメニアとアゼルバイジャンの間で戦争が起こって首都に移転。バクーでも普段は違うスタジアムを使っているんですが、さすが同国初のCL本戦出場とあって、最高の場所でプレーさせてもらえることになったのだとか。 ▽それはともかく、前日練習から筋肉痛で個別メニューだったコケが欠場したアトレティコはここまで1分け1敗で勝ち点1と出遅れていることもあって、前半こそ、カラスコとグリースマンが敵GKとの1対1を弾かれるなど、チャンスを作ったんですけどね。シメオネ監督も「Debemos buscar el partido desde el comienzo/デベモス・ブスカル・エル・パルティードー・デスデ・エル・コミエンソ(キックオフから勝利を求めないといけない)」と言っていたんですが、その割にプレーからはまったく覇気が感じられず。ええ、とりわけ先発に抜擢されたガイタンなど、かなり恐ろしい出来だったかと。 ▽いやあ、トッテナム戦の前、イスコが「Un dia eres Dios y si fallas cinco pases seguidos te quieren echar del Madrid/ウン・ディア・エレス・ディオス・イ・シー・ファジャ・シンコ・パセス・セギードス・テ・キエレン・エチャール・デル・マドリッド(ある日は神様扱いされても、5回続けてパスを失敗すればマドリーから放り出すべきと言われる)」と話していたんですけどね。そういう点ではアトレティコのハードルは低いんですが、ガメイロ同様、こう出る度、失望させてくれるのでは来年1月、ジエゴ・コスタとビトロ(現在ラス・パルマスにレンタル移籍中)が加わるのに合わせての放出要員確定扱いされてしまうのも仕方ない? ▽そんなチームの緩慢なプレーぶりは後半も続き、というか、悪化の一途をたどり、いえ、シメオネ監督は「Al no convertir la ansiedad te lleva a cometer errors/アル・ノー・コンベルティール・ラ・アンシエダッド・テ・ジェバ・ア・コメテル・エローレス(点が入らないせい焦燥感がミスを誘発した)」と言っていましたけどね。28分にはカラバフのFWディノが2枚目のイエローカードをもらって退場となったにも関わらず、前日は風邪による発熱で練習を休んだグリースマンが最後に放ったシュートも大きく外れ、スコアレスドローという結果で彼らは試合を終えることに。 ▽うーん、相手がカラバフとあって、何度も危険なカウンターを受けながら、GKオブラクの手を煩わせることもなく、シュートが外れてくれただけでも恩の字とも言えるんですけどね。前日はマドリーとトッテナムの好ゲームを見ていましたし、夜、CLの他の試合のダイジェスト映像を見てもスタンフォード・ブリッジで3-3と、両者最後まで譲らなかった同グループのライバル、チェルシーvsローマ戦を始め、どこもいい試合だったせいもあって、アトレティコだけがとても同じサッカーとは思えない動きをしていたのがあまりに衝撃的。孤軍奮闘したサウルなど、「あと3試合、ウチは勝ち抜けるために全勝しないといけない」と言っていたものの、いや、ちゃんとサッカーしないとどこにも勝てませんよ。 ▽そんな彼らは早朝帰国後の木曜正午にリハビリトレ、日曜午後4時15分(日本時間午後11時15分)からのセルタ戦の準備に入ったんですが、それにつけても羨ましいのは同じ水曜にオリンピアコスに3-1で勝利したバルサの強さ。だってえ、カンプ・ノウがドシャ振りの雨だったのは事あるごとに「芝が乾いていた」とアウェイのピッチに文句をつける選手たちのチームですから、大歓迎だったはずですけどね、とはいえ、目下、現地はカタルーニャ州独立騒動の真っ只中。前日、独立派の政治団体幹部が逮捕されたことなどもあり、スタンドは試合そっちのけで「Independencia(インデペンデンシア/独立)」、「Libertad(リベルタッド/解放)」とシュプレヒコールを繰り返していたにも関わらず、ピケが前半に退場処分になったのも何のその、まったく相手を寄せ付けないのですから、凄いじゃないですか。 ▽おかげでグループ3連勝と首位通過に邁進している彼らですが、実際、スペイン政府の勧告に従わず、住民投票の後、独立宣言をしたのか、していないのかについて、カタルーニャ州政府が期日までに返答しなかったため、今週土曜には州の自治権を停止する憲法規定の適用を決める会合が開かれるとか、だったら州政府は一方的に独立宣言に踏み切るとか、もう正直、この国の政情は私には訳がわからず。まさか最悪に事がこじれて、12月20日の週末に予定されているマドリーvsバルサのクラシコ(伝統の一戦)に支障が出ないよう、今は祈るばかりかと。 ▽ただ幸い今もマドリッドは落ち着いていて、特に市内には異変もないし、普通なんですけどね。とりあえず、今週末は土曜にプレーするヘタフェは前節、マドリー戦でセルヒオ・ラモスとぶつかって脇腹を痛めたアルバロ・ヒメネスが全治1カ月、その他、柴崎選手、パチェコ、ゴロシート、ジェファーソン・モンテロがケガのリハビリ中、セルヒオ・モラも出場が微妙という状況で、トップチームの選手が16人しかいないというハンデはあるものの、バレンシア(スペイン南部のビーチリゾート)でのレバンテ戦ですしね。 ▽もう1つの弟分、現在6位と好調なレガネスも日曜に誰かさん同様、今季のELグループリーグで2分け1敗と追いつめられているアスレティックをブタルケに迎えるホームゲームですから、何の支障はないんですが…やっぱり気になってしまうのはこのところ、信じられない程、ダメダメぶりが加速しているアトレティコの行く末とまさか、自分がいる時に起こるなんて思いもしなかったカタルーニャ州独立問題が早期解決してくれるのかどうかでしょうか。 <hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.20 20:00 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】ボールを追うばかりなのは辛い…

▽「忘れちゃうこともあるんだ」そんな風に私が笑いを噛み殺していたのは月曜日、CLグループリーグのレアル・マドリー戦を控え、サンティアゴ・ベルナベウで記者会見をしたポチェッティーノ監督が「パフォーマンスって何だっけ」と横のアシスタントコーチに訊いているのを目撃した時のことでした。いやあ、当人がアルゼンチン人とあって、質疑応答もどちらかというとスペイン語の方が多かったんですけどね。実際、英語とスペイン語には語尾だけ変えればいい似た単語も多いんですが、rendimiento(レンディミエントー/パフォーマンス)はちょっと連想が不可能。うーん、サウサンプトンにもトッテナムにも母国語で会話できる選手は結構いたはずですが、さすがイギリス暮らしが4年も続くと、咄嗟に出てこないこともある? ▽まあ、些細なことはともかく、その日は昨今、プレミアリーグを席巻しているハリー・ケインを一目見たくて、トッテナムのスタジアム練習を見学に行った私でしたが、ホームゲーム初戦のアポエルとは違い、ピッチでは他にもGKロリスを始め、ソン・フンミンやフェルナンド・ジョレンテといった私でも見分けられる選手がいた上、フィジカルコーチがエクササイズの指示を英語で出しているだけで何か本格的なサッカーをやっているように思えるのは私だけ? CLの割に意外とTVカメラの数が少なく、まだチケットも残っていると聞くため、この火曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの対戦はそれ程、注目カードではないのかもしれませんが、1分け1敗で次は敗退の危機にも陥りかねないどこぞのチームとは違って、トッテナムもマドリーも2連勝中と、グループ首位の高みをガチンコで争う大事な試合ですからね。 ▽先週末のリーガ戦ではGKケイロル・ナバスを始め、ヴァランやモドリッチ、カゼミロ、イスコらをローテーションしたジダン監督も今回は「La primera final por el grupo es manana/ラ・プリメーラ・フィナル・ポル・エル・グルッポ・エス・マニャーナ(グループリーグ最初の決勝)」と言っていたため、ファンは大喜びするものの、心臓に悪いお家芸、土壇場での決勝ゴールなどに頼らなくても済むよう、ベスト中のベストメンバーで挑むはずですが、さて。折しも今季のリーガで初ゴールを挙げたばかりのクリスティアーノ・ロナウドもCLでは4得点と順調なだけに、現在5得点でランキングトップを走るケインとのストライカー対決は絶対、見逃せないところでしょう。 ▽そうそう、その土曜のリーガ戦はヘタフェとのミニダービーだったマドリーなんですが、マドリッドの弟分はバルサ戦同様、ボールがあまり速く走りすぎないよう、少々長めにコリセウム・アルフォンソ・ペレスの芝を剪定。それが却って裏目に出てしまったんでしょうか、アルバロ・ヒメネスの早期負傷交代のアクシデントにも関わらず、何とか相手を無得点に抑えていた前半38分、チャンスを与えてしまったのはCBのカラでした。ええ、自陣エリア前のFKを蹴る時に滑り、ボールが敵へ。そこから切り込んできたベンゼマにタックルを挑むもかわされ、最後はシュートを決められてしまったとなれば、後で当人が「Algo no estamos haciendo bien/アルゴ・ノー・エスタモス・アシエンドー・ビエン(ウチは何か上手くやれていない)。最高責任者の監督から用具係までね」と、失点の原因が選手たち以外にもあることを強調していたのも仕方ない? ▽ただこの1点は後半、11分にファイルが出したラストパスをホルヘ・モリーナがゴール前から流し込み、いえ、リプレー映像だと、ナチョかマルコス・ジョレンテのオウンゴールにも見えなくないんですけどね。モリーナも「Por poner, que me lo pongan a mi/ポル・ポネール、け・メ・ロ・ポンガン・ア・ミー(誰のゴールにするかだったら、ボクにしてくれたらいい)。最後かどうかはわからないけど、足を出して触ったのは確かだよ」と言っていましたし、せっかくローテーションで先発できた2人もミソはつけたくなかったか、得点者として名乗りは挙げず。これでスコアは1-1の同点となったんですが…ここでボルダラス監督が守りに入ってしまったのは残念だったかと。 ▽もちろん手持ちの選手レベルに大きな差があるため、仕方ない面もあるんですけどね。後半途中からベテランボランチのセルヒオ・モラを入れるのは今季のヘタフェのお約束なんですが、この日は彼がベンチにいなかったため、初出場となるラセンをアマスに代えて20分に投入。対するジダン監督もなかなか勝ち越し点が入らなかったため、26分にスペイン代表イスラエル戦の2匹目のドジョウを狙ったか、スーパーサブのカードを切ります。それはイスコで、どうやらその日はプレーさせるつもりはなかったようなんですが、おかげでその直後、クロースからのFKをゴールすぐ前でvolea(ボレア/ボレーシュート)しながら、信じられないことに外してしまったロナウドも面目躍如できることに。 ▽そう、後でボルダラス監督も「Teniamos problemas a nivel fisico/テニアモス・プロブレマス・ア・ニベル・フィシコ(ウチには体力的な問題があった)」と認めていたように、格上相手に必死に守った結果、明らかに終盤のヘアタフェは燃料切れに。そこでボランチのアランバッリをブルーノに代え、5人DF体制で逃げ切りを図ったんですが、40分、何とそれを嘲笑うかのようにイスコのパスが守備ラインをふわりと超え、抜け出したロナウドがシュート。これが決勝点となって、1-2で負けてしまうんですから、まさに勝負とは非情です。おまけに今季、あとちょっとのところの失点で勝ち点1を失ってしまうのはセビージャ、バルサ、デポルティボ戦に続き、この試合で4試合目となれば、ヘタフェの面々がショックを受けていたのもムリないかと。 ▽うーん、丁度、中足骨のヒビを治す手術をした柴崎岳選手も日本に帰国していたため、先週は練習見学をサボッてしまった私でしたが、このチーム、もともとマドリーやアトレティコに比べ、1回のセッションが2時間前後と沢山、トレーニングはしているんですけどね。もしや試合後、「Isco juega asi porque le sale, es lo que lleva dentro/イスコ・フエガ・アシー・ポルケ・レ・サレ、セ・ロ・ケ・ジェバ・デントロ(イスコは自然にああいうプレーをする。自分の中にそれを持っているんだ)」とルーカス・バスケスも言っていたように、才能ある選手ばかりが集まったチームに対抗するには、もっともっと鍛えて、敵の何倍も走れる体力をつけないといけない? ▽ただどんなにフィジカル強化を熱心にしても人間、限界というのはあるもので、それを示してくれたのは同日、バルサを迎えたアトレティコ。間に2時間以上あったため、私も何とかマドリッド郊外南部のヘタフェから市内東北部のワンダ・メトロポリターノに駆けつけることができたんですが、いえ、シメオネ監督のチームが高い位置でプレスをかけ、グリースマンのシュートは2度共、GKテア・シュテーゲンに弾かれてしまったものの、20分には彼らにしては珍しく19回もパスを繋ぐことに成功。それだけでも僥倖だったのに、最後はサウルがエリア外から利き足でない右で放ったシュートが決まり、冗談のように先制できてしまった前半はまだ良かったんですけどね。 ▽実際、カタルーニャ州独立問題にはまだ決着がついていないものの、スタンドにはスペイン国旗を掲げるかなりの数のファンがいたぐらいで当分、ピケへのpito(ピト/ブーイング)は各地のスタジアムで恒例行事となる気配が濃厚とはいえ、試合中に不穏な雰囲気はまったくなし。予想外のリードに場内も盛り上がったんですが、後半があれではねえ。とりわけバルサがイニエスタとセメドを下げ、デウロフェウとセルジ・ロベルトを入れて攻勢に入った15分以降はとにかく、いつ点を取られるかという恐怖と闘うだけになるとは一体、誰が予想できた? ▽それも「El plan era intentar aguantar y salir a la contra cuando dejasen espacios/エル・プラン・エラ・インテンタール・アグアンタル・イ・サリール・ア・ラ・コントラ・クアンドー・デハセン・エスパシオス(作戦は耐えて、スペースができたらカウンターに出ることだった)」という彼らが、「Cuando recuperabamos no conseguiamos hacer la salida limpia/クアンドー・レクペラバモス・ノー・コンセギアモス・アセール・ラ・サリーダ・リンピア(ボールを奪い返してもボールをスムーズに出せなかった)。すぐ取り戻されて、また攻められた」(サウール)のが悪いんですけどね。真夏のロス・アンヘレス・デ・サン・ラファエル(マドリッドから1時間の高原リゾート)での地獄のキャンプでしごかれて、弟分より持久力がついているはずのアトレティコだって、健脚自慢のコケも「El equipo ha hecho un gran desgaste fisico/エル・エキポ・ア・エッチョー・ウン・グラン・デスガステ・フィシコ(チームの体力消耗は凄かった)」と言っていたように、ずっとボールを追ってばかりでは疲れるんですよ。 ▽そう、シメオネ監督もカラスコをトーマスに代え、守備固めに入ったんですが、ファンもあまりの劣勢ぶりに心を砕かれたか、応援の声も途絶えていた36分、セルジ・ロベルトのクロスをルイス・スアレスがファンフランの目の前でヘッド。こんな形で同点にされているなんて、もう体力の限界で頭が働かなかった故のポカとしか思えませんが、その後もピンチは到来します。ええ、ロスタイム終了間際など、エリアすぐ前でFKがバルサに与えられ、メッシがキッカーに立ったため、誰もが最悪の結末を予想したんですが…大丈夫、その日も再三のparadon(パラドン/スーパーセーブ)で失点を防いでくれたGKオブラクがストライクでキャッチしてくれて、試合は1-1の引き分けで終了。ほんの少しだけですが、弟分との差を示すことができたかと。 ▽まあ、これまで全勝だったバルサから勝ち点2を奪ったという意味ではアトレティコを褒めてあげるべきなんでしょうけどね。どうにもこの土曜の2試合、サッカーはどんなに凡人が努力できる範囲で体力アップを図ったとて、やっぱり才能の閃きには敵わないんじゃないだろうかという疑問が再浮上してきたのも確か。シメオネ監督など、ゴールを挙げたサウルを「Sigue creciendo/シゲ・クレシエンドー(成長し続けている)。朝も合宿先のホテルでジムに行って夜の試合のために体調を整えるようになったしね」と評価していましたが、いえ、そういうのって普通にやるもので、今までやっていなかったら、そっちの方が問題では? ▽その辺の差がとりわけ、CLのチェルシー戦(1-2で負け)やこのバルサ戦で明らかになってしまったのは悲しいですが、いくら文句を言ったって、FIFA処分のせいでジエゴ・コスタもビトロ(現在ラス・パルマスにレンタル中)も1月までプレーできませんからね。とりあえず、これでお隣さんに順位を追い抜かれてしまったことは忘れて、月曜にはもう水曜のCL3節に備え、空路6時間のアゼルバイジャンに旅立って行った彼らには決勝トーナメント進出の可能性を残すため、とにかくカラバフに勝ってくれることを祈るばかり。うーん、このぐらいの相手には通常、楽勝のはずなんですが、今季はリーガで絶好調のバレンシアはともかく、ジローナ、レガネスにも引き分けているアトレティコだけにちょっと心配ですよね。 ▽え、レガネスが10月の代表戦週間前、スコアレスドローで兄貴分から勝ち点1をもぎ取ったのは決してフロックでなかったことは日曜のマラガ戦で証明されたんじゃないかって?そうですね、相手は今季まだ勝ち点1しかない最下位でしたが、後半に入ってギアを上げたガリターノ監督のチームは11分にはFKからガブリエウが、32分にもカウンターから1対1を制したシマノフスキが決めて、0-2で勝利。おかげでまた6位まで上がって、とうとうオンダ・マドリッド(ローカルラジオ局)の担当レポーターから「Eurolega/エウロレガ」の声まで聞こえてくることに。 ▽確かにこのままの順位で終われば、来季はヨーロッパリーグ出場となりますし、ヘタフェも最盛期にはエウロヘタと呼ばれて欧州遠征を楽しんだものでしたが、ただしこの先の道は険し。何せ、今週末にアスレティックをブタルケに迎えた後、レガネスにはセビージャ、バレンシア、そしてバルサと次々と強敵が待ち構えていますからね。この難所を半分ぐらい引き分けで抑えられれば、まだ夢を見続けられるかと思いますが…その前に定員20名ぐらいしかないようなホームの記者席の少なさはどうにかならない?来季、せっかくヨーロッパの名門が訪ねてきてくれても応援に行けないんじゃ、私も困ってしまいますよ。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.17 12:00 Tue
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【原ゆみこのマドリッド】リーガが戻って来る…

▽「あまりピンとはこないけれど」そんな風に私が呟いていたのは木曜日、そろそろリーガ再開が近づいてきたため、マドリッドの4クラブから代表戦に行っていたメンバーについて調べていたところ、弟分レガネスにも来年のW杯に参加できる選手がいるのに気がついた時のことでした。いやあ、アムラバトのプレーするモロッコはまだ、11月の予選最終戦でコートダジュール(コートジボワール)に引き分け以上の成績を残さないと確定しないんですけどね。当人もワトフォードからの1年間のレンタル移籍とあって、大会開催時はレガネスの選手と言っていいのかも微妙なところですが、それでも1人しかいないinternacional(インテルナシオナル/各国代表選手のこと)がロシアに行けるかもしれないとなれば、チームメートたちのいい励みになるかも。 ▽加えてモロッコと言えば、お隣さんヘタフェのファイルや大先輩レアル・マドリーで先日、デビューしたアクラフ・ハキミも同僚になりますからね。強敵イタリアをrepesca(レペスカ/プレーオフ)に追いやって、先週金曜にグループ1位でW杯進出を決めたスペインも来月は親善試合のみですし、それなら私もアフリカ予選を気にする余裕もあるかと。唯一、気になるのはマドリーのモドリッチとコバチッチ、そしてアトレティコのヴルサリコのいるクロアチアが17日の抽選で相手の決まるプレーオフに出場。相手はスウェーデン、北アイルランド、ギリシャ、アイルランドのどれかになるようですが、ここで勝ち抜けないと本大会に行けないとはいえ、まだ1カ月ありますしね。できれば、W杯でもマドリッドのクラブの選手たちがなるたけ沢山、活躍してほしいものの、今は元気でも来年6月にはケガに見舞われていたり、調子が落ちていたりなんてこともあるため、あまり取らぬ狸の皮勘定はしない方が無難ですかね。 ▽え、それでもW杯行きが決まって消化試合となった月曜のイスラエル戦、スペインのロペテギ監督は将来を見据えて、控えメンバーを試しまくっていたじゃないかって?そうですね、キャプテンのセルヒオ・ラモス(マドリー)こそ、「que jugara Ramos es una decision mia/ケ・フガラ・ラモス・エス・ウナ・デシシオン・ミア(ラモスが先発したのは私の決断)。多くの選手を代えたから、彼はプレーすべきだった」という理由でリピートしたんですが、後はアルバニア戦で出場停止だったブスケッツ(バルサ)やペドロ(チェルシー)を除き、あまり代表では馴染みのない選手が並ぶことに。ただ、だからといって、そんなに若いチームという訳でもなく、トップは36歳のアドゥリス(アスレティック)、GKは34歳のレイナ(ナポリ)って、ちょっと世代交代に逆行していた例もなきにしろあらず。 ▽そこへやはり、試合の前夜10時過ぎにチーム全員でエルサレムの嘆きの壁を訪問するなど、観光気分が混じっていたのも災いしたんですかね(https://twitter.com/SeFutbol/status/917120666062729222)。敗退の決まっているイスラエル相手になかなか点を取れず、後半からラモスを下げ、イアゴ・アスパス(セルタ)を入れて3バック制にした上、ロペテギ監督率いるスペインの切り札、イスコ(マドリー)も31分に投入。彼の放ったCKが敵DFにクリアされ、そのボールをイジャラメンディ(レアル・ソシエダ)がエリア外から撃ち込んだシュートが決まってくれたため、何とか0-1で勝利を手に入れた彼らでしたが、まあ他に喜ばしかったのはジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)の代表デビュー、後半にはキャプテンも務めたブスケツの代表100試合出場達成ぐらいだったでしょうか。 ▽そして翌火曜にはスペイン代表の選手たちもそれぞれのチームに帰還、マドリッド勢を乗せた飛行機がバラハス空港に着くのが遅れたため、アトレティコなどは午前11時開始予定のセッションを遅らせて、コケとサウールがマハダオンダ(マドリッド近郊)の練習場に着くのを待っていたそうですが、やはり次は強敵バルサをワンダ・メトロポリターノに迎える大一番ですからね。今週は私も2度程、彼らの夕方練を見学に行くことに。 ▽ええ、月曜には1月からスペイン代表復帰を目指すジエゴ・コスタはともかく、モンテネグロにまだプレーオフ出場の可能性がありながら、2差試合目は出場停止となったサビッチしか、代表から帰還した選手はグラウンドにいませんでしたが、水曜になると同様に予選敗退が決まったスロベニアから戻ったGKオブラク、すでにベルギーのW杯進出が確定していた1戦目のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でゴールを挙げ、次戦出場停止だったカラスコも合流。火曜のベラルーシ戦で1ゴール1アシストと活躍、フランスのW杯出場決定に大きく貢献してきたグリーズマン、2試合目のサウジアラビアとの親善試合では2得点したものの、ガーナの予選敗退を防ぐことはできなかったトマスはジムにいたとかで、姿を見ることはできなかったんですが、朗報は代表選週間直前のレガネス戦をケガで欠場したフィリペ・ルイスとルカスの両名が完全復活していたことでしょうか。 ▽そう、何せ弟分とのミニダービーでは本職はもとより、CB兼任の控えも欠き、苦肉の策で左SBをサウールがやらされていたなんてこともありましたからね。別にそればかりがスコアレスドローに終わった理由ではありませんが、とりわけ予選最終節エクアドル戦でハットトリック、アルゼンチンを1-3の逆転勝利に導いて、土壇場で劇的なW杯出場を達成したメッシを迎えるとなると、やはりこのポジションには百戦練磨のフィリペ・ルイスにいてもらいたいもの。いえ、何度も対決している当人は「Es imposible parar a Messi uno contra uno sin faltas/エス・インポシブレ・パラール・ア・メッシ・ウノ・コントラ・ウノ・シン・ファルタス(メッシを1対1でファールなしに止めるのは不可能)。自分が1人の時、ボールを持って向かって来られたら、引っ張るとか、何か変なことをしない限り、20回のうち1度ぐらいしか勝てない」と言っていましたけどね。 ▽それでも不慣れな選手が対峙したら、相手は今季リーガでも11得点していますから、勢い余って、レッドカードでももらってしまうんじゃないかという心配があるからですが、加えてバルサにはまだ今季2ゴールとはいえ、ウルグアイがW杯行きを決めた最終節、ボリビア戦でdoblate(ドブレテ/1試合2得点のこと)してきたルイス・スアレスの脅威も。木曜夕方の練習から合流した同僚のゴディンが、間が悪くもその試合でオウンゴールしてしまったなんてこともありましたしね。おまけにスペイン代表戦をケガで欠場、その間にクラブと期限なし契約延長更改をしたイニエスタも回復し、累積警告でイスラエルに行かなかったピケもセットプレーでは要注意となると、シメオネ監督もスタメン守備陣はよくよく考えて選ばないと。 ▽そんなアトレティコvsバルサ戦は結局、カタルーニャ州の独立宣言が議会でされたかされないか、曖昧なまま、延期状態に入ったようなので、相手はスペイン・:リーガのチームのまま、予定通り土曜の午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からキックオフ。幸いクロアチアがウクライナに勝ってプレーオフ進出を決めた試合で筋肉痛になったヴルサリコも金曜には練習に参加できていますが、右SBの先発はこの2週間、じっくりトレーニングを積んだファンフランになる目が高い?ちなみにその彼曰く、バルサ戦での「La clave es que no se sientan comodos/ラ・クラベ・エス・ケ・ノー・セ・シエンタン・コモドス(カギは相手に心地良くプレーさせないこと)」だとか。 ▽ただ、今回はホームゲームとはいえ、フィリペ・ルイスも「ビセンテ・カルデロンではドリブルしやすい場所、どこに窪みがあるか、何時なら日差しに目をくらませられないとか、全部わかっていた。Esa es la soltura que aun no tenemos en el Wanda/エサ・エス・ラ・ソルトゥーラ・ケ・アウン・ノー・テネモス・エン・エル・ワンダ(それがまだボクらがワンダでノビノビプレーできてない理由なんだ)」と言っていたように、アトレティコ自身も3試合目とあって、未だに手探り状態のところがありますからね。このparon(パロン/リーガの停止期間)でスタジアム内や周辺の工事もかなり進んだと聞きますが、今回は私も時間的にギリギリの到着になるため、あまりわかりにくくなっていないと助かるかと。 ▽というのもその土曜には午後4時15分(日本時間午後11時15分)から、コリセウム・アルフォンソ・ペレスに弟分のヘタフェがマドリーを迎えるからで、こちらにはクリスチアーノ・ロナウドと共に火曜のスイス戦に勝利、ポルトガルのW杯行きを決めたアントゥネスがいるんですけどね。実際、ファジルのモロッコもそれに続けば、日本代表の柴崎岳選手と合わせ、W杯に3人も参加できるかもしれないというのは昇格組ながら、ヘタフェはかなりいい人材を擁していると言っていいかと。 ▽それでも「Nosotros tenemos que confiar en nuestras cualidades/ノソトロス・テネモス・ケ・コンフィアール・エン・ヌエストラス・クアリダーデス(ボクらは自分たちの質の高さを信じないといけない)。サッカー選手なんだから、自分たちの才能や努力を信じないと」(アントゥネス)と、マドリー戦前にはどこか、精神論頼みになってしまうのは仕方ないことで、何せ相手にはそのロナウドを始め、ラモス、イスコ、アセンシオ、ナチョ、そしてウィルス感染による心膜炎は快方に向かっているものの、まだこの試合には出られないカルバハルらスペイン代表勢の面々、1試合目でドイツのW杯出場が決まったため、お役御免で早期帰還をしたクロース、フランス代表でバルサのユムティティとCBコンビを組んでいるヴァラン、そしてブラジルの初キャプテンを務めてきたカゼミロに、この代表戦週間は負傷のリハビリをしていたマルセロと、ロシアに行くメンバーがゴロゴロいますからね。 ▽そんな中、コスタリカの出場が決まったGKケイロル・ナバスは足のケガでこの試合、カシージャにゴールを譲るようですが、元々、代表戦週間明けのローテーションはジダン監督の恒例行事。ただ1人、目の前でウェールズの敗退が決まるのを見ているしかなかったベイルはふくらはぎのケガで全治1カ月となっているため、当人が落ち込んでいてもこの試合では関係ありませんしね。フランス代表には事情があって呼ばれず、この2週間、ケガが治ってから、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場で調子を整えてきたベンゼマやU21ユーロ予選でゴールを挙げたセバジョスなど、却ってモチベーションの高い選手が出てきそうとなれば、やっぱりボルダラス監督のチームが勝利をつかむのは至難の業かと。 ▽まあ現在、首位バルサとマドリーの差がもう勝ち点7もありますし、柴崎選手も12月まで負傷で出られず。頼みの綱のアトレテティコもシメオネ監督がバルサに勝っていないのもあって、これ以上差が開くと優勝戦線が面白くなくなるため、私も今回はそうそう、弟分に肩入れもしていられないんですけどね。コリセウムも今季、2度目のチケット完売だそうですし、スタンドを埋めたサポーターに胸を張れる試合をしてくれればまずは良しとするしかないかと。そうそう、レガネスは日曜にアウェイで最下位のマラガに挑むんですが、こちらは続投が懸かっているミチェル監督には悪いものの、私的にはマドリッド勢の応援一択といったところでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.13 13:59 Fri
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【原ゆみこのマドリッド】これなら期待してもいいかも…

▽「まだ考えるには気が早いよね」そんな風に私が首を振っていたのは日曜日、スペインのロシア・ワールドカップ予選最終節が余裕の消化試合となってしまったせいでしょうかね。スポーツ紙の代表ページではもう、来年6月のW杯ロシア大会行き選手名が取り沙汰されているのを見た時のことでした。いやあ、私は、これで11月の代表ウィークは親善試合三昧、ホームゲームの会場を引き受ける予定のワンダ・メトロポリターノで初めてプレーする相手はどの国なのかの方が気になってしまったんですけどね。ロペテギ監督にはすでに16人の固定メンバーがいると言われても今回、モラタ(チェルシー)、カルバハル(レアル・マドリー)、イニエスタ(バルサ)の常連が欠けていたように、本大会まであと半年以上もあるとなれば、負傷者の発生はもとより、各人の調子自体も大きく変わっている可能性があったから。 ▽ただそうは言っても逆にもし、この11月に開催するんだったら、2014年のW杯ブラジル大会ではグループリーグ敗退、2016年ユーロでもベスト16で姿を消すという残念ぶりだったスペインも再び、優勝候補に入れるんじゃないかと思わせてくれたのが金曜のアルバニア戦だったのは事実。そう、試合前はカタルーニャ州の独立を問う住民投票に対するコメントetc.のせいで、ピケ(バルサ)にしかスポットが当たっていなかったような代表チームだったんですが、ロペテギ監督は世間の騒音に惑わされず、着々と準備を整えていたよう。リコ・ペレス(2部Bエルクレスのホーム)での一戦に秘密兵器を投入とは、スタメンを見て驚いたのは私だけではなかったかと。 ▽それは今季、好調バレンシアを支えるFWロドリゴと当日、ホテルでの軽食時間に先発を告げられ、すぐに母親に電話して伝えたところ、「Pobrecita, casi le da un ataque cuando se lo he dicho/ポブレシータ、カシー・レ・ダ・ウン・アタケ・クアンドー・セー・ロ・エ・ディッチョー(可哀そうに、ボクが先発すると言うと心臓発作を起こさんばかりだったよ)」という22歳のオドリオソラ(レアル・ソシエダ)ら新顔の抜擢。いえ、この夏、ポーランドで共にU21ユーロ準優勝という結果を残したサウール(アトレティコ)も実は代表での先発はその日が初めてだったんですけどね。 ▽そこへイスコ(マドリー)、コケ(アトレティコ)、チアゴ(バイエルン)、GKデ・ヘア(マンチェスター・ユナイテッド)ら、ロペテギ監督の下、2013年のU21ユーロで優勝したメンバーが加わり、2008年~2012年に国際メジャータイトル三連覇を達成した黄金期メンバーはシルバ(マンチェスター・シティ)、セルヒオ・ラモス(マドリー)、ピケ、ジョルディ・アルバ(バルサ)の4人しかいないって、おやおや、いつの間にか随分、世代交代が進んでいるじゃないですか。 ▽実際、若いメンバーが多いせいか、ピッチに上がった選手たちも気合十分。ピケがボールを持つたびスタンドから湧き上がるpito(ピト/ブーイング)とaplauso(アプラウソ/拍手)など、まったく意に介さず、スペインは序盤から高い位置でプレッシャーをかけてボールを独占します。それこそ30分ぐらいまで、TV画面に時折映るポゼッション率もアルバニアが30%を切っていたぐらいなんですが、この日は嬉しいことにゴールも順調に決まってくれたから、助かったの何のって。 ▽そう、16分にはそれまで2度程、シュートを外していたCFのロドリゴがイスコの浮き球パスをエリア内、コントロールの難しいボールながら器用にGKベリシャ(アタランタ)の手の届かないゴール右上に撃ち込んで先制。続いて23分にはデ・ヘアから始まって18本目、最後は代表に来るといつも「El balon va super rapido!/エル・バロン・バ・ア・スーペル・ラピド(ボールが超速く動く)」と戸惑いながら、2、3日経つと慣れるというコケがスルーパスを送り、イスコが見事な弾丸シュートでフィニッシュすることに。おまけにその3分後にはオドリオソラが右サイドを上がりきり、そのクロスを2列目から飛び込んだチアゴがヘッド。あっさり3点目をゲットしているんですから、まさに目を見張るような効率の良さじゃないですか。 ▽え、中でも9月の予選でもイタリア戦で2ゴール、リヒテンシュタイン戦でも1ゴールを挙げているイスコの代表での活躍ぶりは特筆に値するんじゃないかって?そうですね、後で当人も「クラブであまり出ていなかった時も呼んでくれた監督には感謝している。Yo intento devolverle la confianza en el campo/ジョ・インテントー・デボルベールレ・ラ・コンフィアンサ・エン・エル・カンポ(ボクはその信頼をピッチで返そうとしているんだ)」と言っていましたが、その相乗効果か、今季はマドリーでも頼りになる存在になっているのは誰しも認めるところ。この調子を維持してくれれば、W杯でも2014年優勝時のイニエスタ的役割が期待できるかも。 ▽同時にブスケツ(バルサ)の出場停止を受け、本人は「No es algo nuevo para mi, Julen me conocia en esa posicion de categorias inferiors/ノー・エス・アルゴ・ヌエボ・パラ・ミー、ユーレン・メ・コノシア・エン・エサ・ポシシオン・デ・カテゴリアス・インフェリオーレス(自分にとって新しいことじゃないよ。ロペテギ監督は年代別代表でボクがこのポジションでプレーできることを知っていたのさ)」とは言っていたものの、イジャラメンディ(レアル・ソシエダ)を差し置いて,珍しくDFライン前の1人ボランチという役目を与えられたサウールもかなり上手くやっていたと思いますけどね。U21ユーロではもう少し前の位置で大会ピチチ(得点王)もゲットしている彼だけに、このまま精進を続ければ、本大会でも中盤の万能選手として重宝されるのは間違いありませんって。 ▽ただそれ以降、とりわけ後半のスペインは「no me ha gustado porque hemos perdido el control/ノー・メ・ア・グスタードー・ポルケ・エモス・ペルディードー・エル・コントロル(ウチがコントロールを失ってしまったのは気に入らなかった)」とロペテギ監督も言っていた状態で、いえ、別にイエローカードを受けたピケがナチョ(マドリー)に代わったのは関係なかったと思いますけどね。アルバニアもゴール枠に当たったシュートが2本あったものの、得点するまでには至らず。そのまま3-0でスペインが勝利すると、終了後には2位のイタリアがマケドニアと1-1で引き分けたという報も入り、「En el vestuario hemos cantado, saltado y bailado/エン・エル・ベストゥアリオ・エモス・カンタードー、サルタードー・イ・バイラードー(ロッカールームでウチは歌って跳んで踊った)」(ロペテギ監督)と、最終節を残してのW杯出場決定をお祝いできることに(https://twitter.com/andresiniesta8/status/916578309978447873)。 ▽おかげで翌日、午前中に予定されていたセッションは中止となり、代わりに途中出場のナチョ、アセンシオ(マドリー)、アドゥリス(アスレティク)を含め、この試合に出場しなかった選手たちはリコ・ペレスのピッチで遅くまで練習させられていましたけどね。午後4時にテル・アビブ行きの飛行機が出るまで自由時間となったのはとりわけ、アルバニア戦の会場となったアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート)の隣町、エルチェの出身で、「Jugar tan cerquita de mi casa es muy especial para mi/フガール・タン・セルキータ・デ・ミ・カサ・エス・ムイ・エスペシアル・パラ・ミー(実家のこんな近くでプレーするのはボクにとって特別)。親族が大勢、会いに来てくれた」サウールなどには嬉しかったかと。 ▽ちなみにそんなスペインではピケ同様、アルバニア戦でイエローカードをもらったシルバは次の試合が出場停止となるため、両人とも土曜には代表を離脱。90分プレーしたものの、足首を捻挫したチアゴも4時間のフライトを免れましたが、彼はイスラエル戦が行われるエルサレムのテディ・スタジアムで2013年U21ユーロに優勝した時のメンバーの1人ですからね。思い出の地を踏めないのはちょっと残念だった? ▽ただ、この月曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合ではロペテギ監督も「Habra cambios, vamos a refrescar el equipo/アボラ・カンビオス、バモス・ア・レフレスカール・エル・エキポ(スタメン変更はある。チームをリフレッシュするつもりだ)」と言っていたため、今度はイジャレメンディやバルトラ(ドルトムント)ら、他の当時の仲間や初招集のジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)、再招集のカジェホン(ナポリ)といったところをブスケツが率いていく形になるんでしょうが、ふむふむ、アルバニア戦でフル出場したコケやサウールが休めそうなのは今週末のバルサ戦に向けて嬉しい話かも。 ▽更にアトレティコ勢は日曜にスロベニア、モンテネグロの最終節が終わり、両国共予選敗退となったものの、GKオブラクとサビッチが月曜にはマドリッドに帰還できますしね。すでにW杯出場が決まっていたベルギーのカラスコもこの2戦目は出場停止となり、早期合流が期待されているため、あと気になるのは火曜のベルラーシ戦に1位通過か2位プレーオフかが懸かったフランスのグリーズマン、ほぼウルグアイの出場は決まっているものの、こちらの火曜深夜にボリビア戦があるゴディンとヒメネスの到着が遅いといった辺りですが、まあバルサにも来年のロシアにアルゼンチンが行けないかもしれない瀬戸際にいるメッシやヒザの関節に水が溜まり、手術するしないの話になっているウルグアイのルイス・スアレスなど、イロイロ逆境はありますからね。 ▽まあ、細かいことはまだ予選も全て終了していないですし、後日、お伝えすることにしますが、実はお隣さんにもW杯出場が最終節に懸かっている選手がいるんですよ。その筆頭はクリスティアーノ・ロナウドで、いえ、土曜のアンドラ戦ではあと1枚で出場停止になるイエローカードをフェルナンド・サントス監督が恐れ、当人をベンチ待機に。相手が相手だけにそれでも楽勝できると思ったんでしょうが、前半に点を取れなかったため、後半から投入されたんですけどね。先制点を決めた上、2点目のキッカケになるクロスも上げるという活躍でポルトガルを0-2の勝利に導いて、火曜のスイス戦で勝てば1位でW杯進出が決まるところまで来たんですが、そうでなくとも2位でプレーオフに回れるのが確定しているのはまだ気が楽かと。 ▽それ以上に大変なのはモドリッチがキャプテンを務めるクロアチアで、いえ、アトレティコのヴルサリコも一緒なんですけどね。火曜のウクライナ戦の結果次第では2位で終わっても、最低成績の2位となり、プレーオフ出場権も得られない可能性があるとはビックリ。うーん、微妙なのは代表に合流してふくらはぎのケガが見つかったものの、マドリーに戻らず、カーディフに残ってチームを応援しているベイルのウェールズも同じなんですけどね。最初の試合でW杯出場が決まったドイツのクロースが第2戦参加を免除されたり、土曜の試合でホンジュラスと土壇場で引き分けたケイロル・ナバスのコスタリカが出場決定といった朗報もあるものの、11月の代表戦週間明けはいよいよ、ワンダ・メトロポリターノでの初マドリーダービーとなれば…ジダン監督もプレーオフに参加する選手は多くない方がありがたいかと。 ▽まあ、そんな先の話はともかく、先週末はどこも2連休だったマドリッド勢4チームですが、月曜からは週末のリーガ戦に向けて練習を再開予定。うーん、またしてもこの土曜はヘタフェvsレアル・マドリーのミニダービーが午後4時15分からコリセウム・アルフォンソ・ペレスで開催、午後8時45分にはワンダ・メトロポリターノでアトレティコvsバルサ戦となるため、綱渡り梯子観戦をする予定の私も頭が痛いんですけどね。日曜にマラガとのアウェイ戦に挑むレガネス同様、各国代表選手の少ないヘタフェなど、大先輩に一泡吹かせるいい機会と張り切っているようですが。とはいえ、相手には代表に呼ばれず、丁度、負傷が治って戻って来るマルセロやベンゼマなどもいますしね。左足第5中足骨のヒビを手術した柴崎岳選手も出られないですし、とりあえず私も弟分の善戦を期待するぐらいな気持ちでしょうか。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.09 13:31 Mon
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【原ゆみこのマドリッド】誰もサッカーの話をしていなかった…

▽「やっぱり頼りにはできないか」そんな風に私が失望していたのは水曜日、アトレティコ・フェメニーノが初めて女子CLに挑んだ試合をTVで見た後のことでした。いやあ、男子チームが午前中、練習で使ったシューダッド・デポルティーボ・ワンダ(マドリッド郊外のマハダオンダにある練習施設)のミニスタジアムで開催というあたり、見事に女子大会のマイナーさを象徴している気がしないでもありませんでしたけどね。彼女たちの試合は先週の土曜、同じ会場でのリーガ戦も中継されていて、その時はアスレティックを6-0と粉砕。 ▽さすが昨季のリーガ女子1部覇者、何と強いのだろうと感心したまさにその後、ブタルケでマドリッド勢の弟分、レガネスと対戦した男子は昨季に続き、スコアレスドローがやっとだったとなれば、いっそ代表戦週間明けのバルサ戦は女子チームに出てもらった方がいいかもなんて、私がつい思ってしまったとしても仕方ない? ▽でもねえ、男子CLと違い、グループリーグではなく、いきなりラウンド32・1stレグでから始まったアトレティコ・フェメニーノは女子CL2度の優勝を誇る強豪、ボルフスブルクを迎えたんですが、あまりにドイツのチームとは選手の体格が違いすぎたせいもあるんでしょうかね。前半から押されっぱなしだった上、後半には3点を奪われ、まだ2ndレグはあるものの、0-3の負けではほとんど敗退は確実。ヨーロッパの壁は厚かったと言っていいかと。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171006_21_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽え、月曜にラジオのインタビューに出ていたシメオネ監督も「Empatamos en Leganes y parecia que se habia caido el mundo/エンパタモス・エン・レガネス・イ・パレシア・ケ・セ・アビア・カイドー・エル・ムンド(レガネス戦で引き分けたら、まるで天が落ちてきたように思われた)。大丈夫、そんな単純なことじゃない」とチームの不調説を否定。ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設で合宿中のサウルもエル・ムンド(一般紙)の取材を受け、「creo que estamos bastante bien para lo que podía haber sido/クレオ・ケ・エスタモス・バスタンテ・ビエン・パラ・ロ・ケ・ポディア・アベール・シードー(起こりうることからしたら、ボクらは十分、いい状態だよ)」とまずクラブについて語ってしまい、記者に「いや、代表のことを訊きたいんだけど」と言われていたように、アトレティコ男子チーム当事者たちは不安を感じていないんだろうって? ▽そうですね、ここ数日、ジエゴ・コスタがプロフェ・オルテガ(フィジカルコーチ)にしごかれているのは、たとえ早期にコンディションが整ったとて、出場できるのは来年1月からなのであまり重要じゃないんですが、木曜には前節をケガでお休みしたフィリペ・ルイスとルカスがグラウンドに姿を現し、9月のアルゼンチン代表招集時に負傷したアウグストもようやくalta medica/アルタ・メディカ(全快通知)をゲット。ワンダ・メトロポリターノにバルサを迎える14日には戦力となってもらえそうなのは朗報なんですけどね。 ▽未だにレガネス戦での惨状が記憶に残っている私としては、グリースマン(フランス)やオブラク(スロベニア)、ゴディン(ウルグアイ)、サビッチ(モンテネグロ)、そしてコケ、サウルといった中心選手たちが各国代表に駆り出されているため、このparon(パロン/リーガの停止期間)でもちっとも休めないことが心配。それ以上に向こうの方が代表選手数は多いとはいえ、元々、バルサはあまり走らないでも勝ててしまうチームですからね。せめてアルゼンチンがW杯に出場できるかどうかの瀬戸際にあるメッシ辺りが消耗して帰って来てくれるといいのですが、きっとそう上手くはいかないかと。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171006_21_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽まあ、そんなことはともかく、いよいよこちらもW杯出場決定が目前と迫ったスペイン代表の話をしておかないと。ラス・ロサス(マドリッド郊外)のサッカー協会施設に集合直後の月曜夕方、最初のセッションのみ一般公開すると、いえ、別にスペイン政府から違法と見なされ、中止命令が出ながら、前日には独立を問う住民投票がカタルーニャ州で実施。警察との衝突で多くの負傷者が発生したことなどもありましたが、その住民投票開催をずっと支持していたピケ(バルサ)がスタンドを埋めたファンのpito(ピト/ブーイング)や野次の標的に。おかげで練習が20分程で終わってしまったのとは関係なく、最初からの予定で続く2日間は非公開でアルバニア戦に向けて準備をしていた彼らですが、一応、水曜には私もマスコミ向けの15分のみ公開時間目当てに足を運んでみたところ…。 ▽実際、アトレティコやレアル・マドリー同様、セッションもこの部分はフィジカルやロンド(中に入った選手がボールを奪うゲーム)しかやらないため、せいぜい不在の選手がいないかどうか確認するぐらいで、あまりチームの調子を見る役には立たないんですけどね。ただその後、施設のプレスルームに閉じ込められ、練習後の記者会見を待っていると、うーん、火曜に壇上に座ったコケ(アトレティコ)とチアゴ・アルカンタラ(バイエルン)への質問がほとんどピケ関連だったせいなんでしょうかね。「Cansa un poco el tema/カンサ・ウン・ポコ・エル・テーマ(その話題にはちょっと疲れたよ)。いつも同じこと話している」とコケも愚痴っていたんですが、そんな状況に終止符を打つべく、渦中の人が現れたからビックリしたの何のって。 ▽ええ、そのことは私なんかより全然、情報通のTVやラジオの代表番記者たちも5分前に広報から知らされるまで予想もしていなかったようで、私も初招集のジョナタン・ビエラ(ラス・パルマス)やまだ新顔のロドリゴ(バレンシア)やオドリオソラ(レアル・ソシエダ)が来るんだろうと思っていたんですけどね。運がいいんだか悪いんだか、30分以上もそのご高説を拝聴する破目に。 ▽ただ、「自分の発言は後悔していない。それはボクが感じたことだから。人は皆、意見を持つものさ」とか、「un independentista podría jugar en la selección porque no hay selección catalana/ウン・インデペンデンティスタ・ポドリア・フガール・エン・ラ・セレクシオン・ポルケ・ノー・アイ・セレクシオン・カタラーナ(独立主義者もスペイン代表でプレーできる。だってカタルーニャ代表はないのだから)」と言いながら、自身は独立派なのかと訊かれると、「No te la voy a contestar porque creo que los jugadores somos figuras globales/ノー・テ・ボイ・ア・コンテスタール・ポルケ・クレオ・ケ・ロス・フガドーレス・ソモス・フィグラス・グロバーレス(それには答えない。何故なら、選手は世界的な有名人だから)」って、ちょっと矛盾していない? ▽大体、これまでのコメントやツィートだって、大きな反応を引き起こすことをわかってやっていたはずですが、とりあえず重要なのは、金曜に迫ったアルバニア戦前に彼が「今、代表辞退はブーイングする人たちが正しいという認識を与えるからしない」という点と、懸念されたセルヒオ・ラモス(レアル・マドリー)との仲に亀裂は入っていないということ。ええ、「Incluso vamos a ser socios en un negocio/インクルソ・バモス・ア・セル・ソシオス・エン・ウン・ネゴシオ(それどころか、ボクらは共同事業をするつもり)」って、後でそれはスポーツ紙などにより「Power to the Players」というスポーツ選手専門のSNSプラットフォーム開設だと明かされているのを見るにつけ、もしや宣伝も兼ねていたのでは疑ってしまったのは私だけではなかったかと。 ▽まあ、それでも自ら事態を収拾するために出て来た姿勢を評価されたか、翌木曜に移動したアリカンテ(スペイン南部のビーチリゾート)では宿泊先のホテル・メリダにチームが裏口から入ったこともあり、そこではファンからブーイングはあったものの、夕方のリコ・ペレス(2部Bエルクレスのホーム)での公開練習時には拍手と拮抗しましたからね。時にピケの言動にチェックを入れるラモスも試合前日記者会見では「人には人の意見がある」的なコメントに終始するなど、アルバニア戦を前にとにかくチームの団結を優先したいようでしたっけ。 ▽実際、火曜の夜には今回の事態を重く見たスペイン国王フェリペ6世が、父のファン・カルロス1世の在任時も2度しかしたことのないという、国民に向けて緊急メッセージをTVで発信。それがカタルーニャ自治政府の暴走を強く非難する内容だったせいか、「Quería escucharlo pero se me pasó, estaba jugando a la pocha/ケリア・エスクチャールロ・ペロ・セ・メ・パソ、エスタバ・フガンドー・ア・ラ・ポチャ(聞きたかったんだけど逃した。ポチャ/スペインのカードゲームをしていたからね)」とピケが流してしまったことについても、「Chapeau para el Rey/シャポー・パラ・エル・レイ(王様にシャッポを脱ぐよ)。絶対必要なメッセージだったし、言っていることにも同感だ。彼がアトレティコファンなのは何だけど、良かったのは認めないと」程度でラモスが留めていたのは大人の対応だったかと。 ▽一方、ピケの件はもう終わったことと見なしていたロペテギ監督は、「Estamos pensando en el estilo que podemos utilizar/エスタモス・ペンサンドー・エン・エル・エスティーロ・ケ・ポデモス・ウティリサール(使えるスタイルを考えている)」と、金曜午後8時45分(日本時間翌午前3時45分)からの試合にどんな戦略で行くのか明かさず。公開練習ではCFとしてアドゥリス(アスレティック)を使った4-3-3やアセンシオ(マドリー)のfalso nueve(ファルソ・ヌエベ/CFの場所にいるMF)など、イロイロ試していたそうですけどね。うーん、モラタ(チェルシー)やイニエスタ(バルサ)、カルバハル(マドリー)の負傷欠場やこの試合にはブスケツ(バルサ)が出場停止になるというハンデはあったとしても相手はアルバニアですからね。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20171006_21_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div>▽いくら昨年のアウェイ戦では0-2と少し苦労したとはいえ、このぐらいは軽く勝利してくれないとW杯に行ってからが思いやられるのでは?ちなみにグループ3位のアルバニアはイタリアと勝ち点6差で、最終戦ではそのイタリアと対決。ただ、得失点差も大きいため、よっぽどのことがない限り、プレーオフに回れる2位に上がるのは無理なんですが、要注意なのはこの夏、指揮官がデ・ビアージ監督(現アラベス)からパヌッチ監督に代わっていることでしょうか。ええ、現役時代にマドリーでもプレーし、スペインのファンにも馴染みのあるイタリア人元DFは勝ち点差3で逆転1位通過を狙っている母国のため、ひと肌脱ぎたいと思っているようですが、さて。何にしてもスペインには早めにW杯進出を決めてもらいたいところです。 ▽え、この1週間、アトレティコが何しているかは聞いたけど、お隣さんの情報は何もないのかって?そうですね、マドリーも小所帯となりながら、バルデベバス(バラハス空港の近く)の練習場でトレーニングを続けていたんですが、負傷中だったマルセロやテオ、ベンゼマがセッションに加わり、復帰が間近になった半面、前節のエスパニョール戦を欠場、満を持してウェールズ代表に向かったベイルがケガでプレーできないという残念な知らせも届くことに。 ▽それも少々、経過が謎めいていて、先週のCLドルトムント戦で途中交代した後、ジダン監督は「ただのこむら返り」としながら、リーガ戦の前にはハムストリングの筋肉痛にステップアップ。それが代表で検査を受けたところ、またしても左ふくらはぎのミニ肉離れで全治1カ月って、いやあ、飛行機で移動している間にもしや何かあった? ▽ただ、今回のW杯予選最終2試合、ウェールズは勝ち点4差のセルビアを上回る可能性もあれば、最終節で当たる1差の3位、アイルランドに2位の座を奪われてしまう可能性もあるといった予断を許さない状況のため、ベイルはマドリッドには戻らず、帯同してチームを応援するようですけどね。これで2013年にマドリーに入団して以来、18回目の負傷ともなると、中にはロッベン(バイエルン)のようにリーグを変えた途端、丈夫になった選手もいますからね。要はスペインの水が合っていないんじゃないかと思えてきますが、果たしてどうなんでしょうか。 ▽同様に水曜はポルトガル代表での練習をセーブしたと報じられ、体の不調が心配されたクリスチアーノ・ロナウドの方は大したことはなかったようで、木曜には軍用機でチームメートと一緒にアンドラ入り。こちらの2位は確定していますが、1位のスイスと勝ち点差3、最終節で直接対決となるため、勝利が見え次第、フェルナンド・サントス監督も温存を考えてくれるんじゃないかと。 ▽その他、木曜に1位突破を決めたクロースのドイツやすでにW杯進出が決まっていたブラジルのカセミロなどはともかく、モドリッチのクロアチアなど、突破が懸かっての激戦になりそうな代表に行っている選手はケガをしないかどうか、注意していないといけませんが、その辺、アムラバット(モロッコ)1人しか各国代表がいないレガネス、ジェネ(トーゴ)、ファジル(モロッコ)、アントゥネス(ポルトガル)と3人だけのヘタフェは余裕があって、このミッドウィークにはそれぞれエイバル(2-0で勝利)、ヒムナスティック・セゴビアーナ(1-2で勝利)と親善試合で調整。それって、リーガ再開2日前ぐらいならないと選手が揃わない兄貴分チームたちの監督にとっては羨ましい限りかもしれませんね。<hr>【マドリッド通信員】 原ゆみこ 南米旅行に行きたくてスペイン語を始めたが、語学留学以来スペインにはまって渡西を繰り返す。遊学4回目ながらサッカーに目覚めたのは2002年のW杯からという新米ファン。ワイン、生ハム、チーズが大好きで近所のタパス・バルの常連。今はスペイン人親父とバルでレアル・マドリーを応援している。 2017.10.06 17:25 Fri
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