【インタビュー】1vs1のスペシャリスト・石川直宏が語る「駆け引きが醍醐味」
2017.09.16 12:00 Sat
▽持ち前のスピードで一瞬にして相手選手をかわし、時には想像を超えるプレーで相手を翻弄する石川直宏。サイドアタッカーとして名を馳せたスピードスターも、今シーズン限りで現役を退く。
▽“個の力”を生かし、1vs1で観衆を魅了してきた石川は、8月27日にアディダスが開催した「アジリティフットボール」の大会『NEMEZIZ presents TANGO LEAGUE』に特別ゲストとして登場。「3メートル四方」での1vs1の勝負を観戦し、改めて1vs1の楽しさに触れたようだ。
▽石川は、1vs1に関する自身のこだわりを「自分の間合い」と語り、対峙したディフェンダーに“リアクション”させることで1vs1を制すると明かした。
◆駆け引きが1vs1の醍醐味
──実際に「NEMEZIZ presents TANGO LEAGUE」 1vs1の「アジリティフットボール」を観戦されていましたが印象はいかがですか
──1vs1の際に駆け引きやスピードが必要だと思いますが、意識されていることはありますか?
石川:「シンプルに相手の逆を突く。その駆け引きです。攻守が常にあって、自分がアクションを起こしながら、(相手に)リアクションさせるという駆け引きが、僕の中では1vs1のキーになっています」
「(実際のサッカーとの)唯一の違いは、スペースがあるかないかなので、その辺りで駆け引きの仕方は変わってくると思いますが、目まぐるしく攻守が入れ替わるので、常にアクションを起こすわけではないと思います。リアクションやアクションが目まぐるしく変わる中で、どう対応するかがキーになりそうですね」
──石川選手が1vs1を仕掛ける上で、個人的にこだわっていたりする部分などはありますか
石川:「自分の間合いですね。これ(アジリティフットボール)だと間合いは取れないので、どう抜くのかなというのと、抜き切らなくてもゴールがあるので、判断をどうするかですね。抜きたくなる中で、どのタイミングを外して、一瞬でゴールを入れていけるか。その感覚は、(サッカーの)フィールドでも局面は1vs1の攻防なので、(実際の試合に)繋がる部分があるかと思います。僕はその距離感を重視していますね」
──サイドでは相手DFに詰められたりする場面があると思いますが、抜かなくてはいけない時はどういった考えでプレーしていますか
石川:「シンプルに言えば、右に行きたければ1回左に行って、右に行くということです。そうしている間に相手が詰めてくる可能性はあるので、詰めてきた時の間合いと距離感、重心で判断して抜き切ります。ボールがあるので、ボールの置く位置でも変わってきます」
「実際のサッカーでは、ゴールに攻める方向がありますし、僕は右サイドで多くプレーしますが、右足で持つのか、左足で持つのかで立つ場所が変わってきます。縦に行きたい、右に行きたいときは、左足で持って、相手をボールに少し寄らせておいて、スペースを空けていくとか。中に行きたいときは逆で、右足で持って、持ち出して相手に触られないようにしていくとかですね」
──そうやって相手にリアクションさせるということですね
石川:「相手にリアクションさせて、自分の動きに対応させることもそうです。アクションを起こさせる、足を出させておいてかわすとか。結果的に、僕の中では相手のリアクションになりますが、その駆け引きが面白いことに気付きました。話は発展しますが、ボールが無いところでも駆け引きはしますし、そこが醍醐味ですね」
◆イメージがパッと生まれて、そこに道ができる
──中央でプレーする際にも同じことが言えるでしょうか
石川:「中央では360度なので、1vs1で他の選手が来ることもあると思います。サイドで1vs1になっても、視野は180度あるので目には入ってきますが、中央は違います。中に入っていく勇気もサイドでずっとやっていると求められますし、判断を変えなくてはいけないという部分はあります」
──サイドでの選択肢はクロスや切り返してシュートなどありますが、判断を切り替える瞬間はどういった時でしょうか
石川:「相手の立ち位置と味方の立ち位置ですね。自分が抜くと思っても、裏に相手が居れば抜いた後にまた勝負しなくてはいけません。抜いた瞬間にスペースがあるのか、抜いた瞬間に食いついてきたかなど、その先の先までイメージしながらドリブルを開始します」
「その状況で、“こう動いたからこう”ということを頭にイメージさせておいて、そこに引き込むように持つとか。そうやって反応してこなかったら、違う手を先に打って、反応させるという感じです。結構、色々な駆け引きがあります」
──先のことまでイメージすることが重要なんですね
石川:「この戦い(アジリティフットボール)は、先々と言ってもすぐに目まぐるしく変わりますし、ボールを獲られる可能性もあるので、イメージもそうですが、ハッとした瞬間の判断力と、体の俊敏性、アジリティが高いといいと思います」
──1vs1で仕掛ける際に相手DFを見るポイントは?
石川:「足の位置と体の向きですね。重心は僕が動いて相手を動かしますし、先に居る相手とかスペースがあるかとか。一瞬パッと見て、イメージがパッと生まれて、道ができるじゃないですけど、そこに持っていく。さらに、周りの選手を意識するということですね」
──相手DFと対峙した時にイメージが湧かない時などはありますか?
石川:「結構みんな間合いが違うので、間合いが違うと感じてしまう時点で、自分の仕掛けの中では“負け”とは認めたくないですが…。その場合、相手がこの間合いで仕掛られたら嫌だという瞬間に抜きますね。僕は人と少し違う間合いなので、ある程度距離があっても、仕掛けられる間合いはありますし、自分の間合いに入ってこられる前に先に仕掛けたりとか。みんなそれぞれ嫌な距離感で勝負してきますね」
「距離感の取り方がうまいのは、ディフェンダーで言えば、同じチームだと太田宏介とかですね。彼は近い距離でも守備ができますし、体も強いので。寄せてきたりしますね。ただ、人それぞれです」
──寄せられるよりも、間合いを持たれたほうが嫌でしょうか
石川:「ガツガツ来てもらったほうが、チョンと出して行けることもありますし、自分が良い形でボールを持っていたら、距離があった方がやりやすいです。ズルズルとスピードが怖くて引いてくれるディフェンダーの場合、1vs1だけを考えればやりやすいですが、ゴールを決めると考えたらそこからシュートを打たなくてはいけません。ディフェンスは抜かれないでコースを切って、GKに守らせやすくするのも1つなので、そこをどこまで持っていくかですね。かわすことなのか、シュートを決めることなのか、パスを選択するための仕掛けなのか…色々なイメージが湧いてきますね」
◆本能的な部分がもう少し磨かれるようなチャレンジをしてほしい
──長年プレーされていて、日本人選手の“個の力”の変化について感じていることはありますか
石川:「より流れを感じながら仕掛けて行くかなというのはあります。流れを感じて仕掛ける時点で、タイミングが少し遅れると思うので、本能のまま、ボールを受けた瞬間仕掛ける。最近で言うと、ポルトガルに行きましたが、中島翔哉とかは完全に自分の仕掛けからスタートします。本能的な部分がもう少し磨かれるようなチャレンジをして欲しいなと思います」
「僕も海外のチームや選手とやりましたが、いかに自分がそこで勝てるかということだけを考えてプレーしていました。考えることで選択肢が広がっていって、自分の仕掛けが生きる。仕掛けのレベルをどんどん高めて欲しいです。現代のサッカーのスタイルだからこそですね」
──自分のスタンスを持つということが大事ですね
石川:「自分からアクションを起こして、相手のリアクションを作る。相手のアクションを自分が活かす。その駆け引きを1vs1から学べますし、僕は小さい頃からやってきたのでチャレンジして欲しいですね。やっぱりミスがイメージされてしまうと、獲られた瞬間にうわーってなっちゃいますが、抜いた瞬間の歓声と喜びは「ヨッシャー!(笑)」という感じですね。サッカーの根本的なところです」
──石川選手がシューズを選ぶ際のポイントや好みはありますか
石川:「まず、見た目が派手なことが自分の中でのポイントですね。派手であればあるほど注目が高まります。それをプレッシャーに感じることはないですし、注目をしてもらった上で自分の足技を見てもらえればと思います。あとは軽いことと、横にステップを踏みながら仕掛けるのでグリップの部分ですね。しっかり芝を掴むのもそうですが、掴む上で抜けるというか、引っかかりすぎないことですね。フィット感を感じられれば感じられるほど、ククッといけるイメージが湧くので、自分のスタイルでは求める部分です」
──派手な見た目というと色などの好みはあるでしょうか?
石川:「原色が好きですね。青赤がやっぱり一番好きですけど。蛍光色だと黄色ですかね。新しいスパイクが届いてからまだ履けていないですが、履きたくてしょうがないです。今はランニングシューズがメインなので」
──今シーズン限りで現役を引退されますが、後輩選手へのアドバイスなどはされていますか?
石川:「自分の感覚や仕掛けなどは、すごく伝えています。チームメイトの東慶悟は色々なプレーが出来る選手なので、思っていることを伝えています。室屋(成)とかも、(僕と)同じポジションで仕掛けることが多いので色々と伝えていますね。ボールの位置などをアドバイスしています」
▽“個の力”を生かし、1vs1で観衆を魅了してきた石川は、8月27日にアディダスが開催した「アジリティフットボール」の大会『NEMEZIZ presents TANGO LEAGUE』に特別ゲストとして登場。「3メートル四方」での1vs1の勝負を観戦し、改めて1vs1の楽しさに触れたようだ。
◆駆け引きが1vs1の醍醐味
──実際に「NEMEZIZ presents TANGO LEAGUE」 1vs1の「アジリティフットボール」を観戦されていましたが印象はいかがですか
石川:「思ったよりもスペースがない中で、スピーディさや、判断力、俊敏性が求められるものだと思いまいした。僕にとっては一番必要な要素が多いので、練習には持ってこいのものだと思います」
──1vs1の際に駆け引きやスピードが必要だと思いますが、意識されていることはありますか?
石川:「シンプルに相手の逆を突く。その駆け引きです。攻守が常にあって、自分がアクションを起こしながら、(相手に)リアクションさせるという駆け引きが、僕の中では1vs1のキーになっています」
「(実際のサッカーとの)唯一の違いは、スペースがあるかないかなので、その辺りで駆け引きの仕方は変わってくると思いますが、目まぐるしく攻守が入れ替わるので、常にアクションを起こすわけではないと思います。リアクションやアクションが目まぐるしく変わる中で、どう対応するかがキーになりそうですね」
──石川選手が1vs1を仕掛ける上で、個人的にこだわっていたりする部分などはありますか
石川:「自分の間合いですね。これ(アジリティフットボール)だと間合いは取れないので、どう抜くのかなというのと、抜き切らなくてもゴールがあるので、判断をどうするかですね。抜きたくなる中で、どのタイミングを外して、一瞬でゴールを入れていけるか。その感覚は、(サッカーの)フィールドでも局面は1vs1の攻防なので、(実際の試合に)繋がる部分があるかと思います。僕はその距離感を重視していますね」
──サイドでは相手DFに詰められたりする場面があると思いますが、抜かなくてはいけない時はどういった考えでプレーしていますか
石川:「シンプルに言えば、右に行きたければ1回左に行って、右に行くということです。そうしている間に相手が詰めてくる可能性はあるので、詰めてきた時の間合いと距離感、重心で判断して抜き切ります。ボールがあるので、ボールの置く位置でも変わってきます」
「実際のサッカーでは、ゴールに攻める方向がありますし、僕は右サイドで多くプレーしますが、右足で持つのか、左足で持つのかで立つ場所が変わってきます。縦に行きたい、右に行きたいときは、左足で持って、相手をボールに少し寄らせておいて、スペースを空けていくとか。中に行きたいときは逆で、右足で持って、持ち出して相手に触られないようにしていくとかですね」
──そうやって相手にリアクションさせるということですね
石川:「相手にリアクションさせて、自分の動きに対応させることもそうです。アクションを起こさせる、足を出させておいてかわすとか。結果的に、僕の中では相手のリアクションになりますが、その駆け引きが面白いことに気付きました。話は発展しますが、ボールが無いところでも駆け引きはしますし、そこが醍醐味ですね」
◆イメージがパッと生まれて、そこに道ができる
──中央でプレーする際にも同じことが言えるでしょうか
石川:「中央では360度なので、1vs1で他の選手が来ることもあると思います。サイドで1vs1になっても、視野は180度あるので目には入ってきますが、中央は違います。中に入っていく勇気もサイドでずっとやっていると求められますし、判断を変えなくてはいけないという部分はあります」
──サイドでの選択肢はクロスや切り返してシュートなどありますが、判断を切り替える瞬間はどういった時でしょうか
石川:「相手の立ち位置と味方の立ち位置ですね。自分が抜くと思っても、裏に相手が居れば抜いた後にまた勝負しなくてはいけません。抜いた瞬間にスペースがあるのか、抜いた瞬間に食いついてきたかなど、その先の先までイメージしながらドリブルを開始します」
「その状況で、“こう動いたからこう”ということを頭にイメージさせておいて、そこに引き込むように持つとか。そうやって反応してこなかったら、違う手を先に打って、反応させるという感じです。結構、色々な駆け引きがあります」
──先のことまでイメージすることが重要なんですね
石川:「この戦い(アジリティフットボール)は、先々と言ってもすぐに目まぐるしく変わりますし、ボールを獲られる可能性もあるので、イメージもそうですが、ハッとした瞬間の判断力と、体の俊敏性、アジリティが高いといいと思います」
──1vs1で仕掛ける際に相手DFを見るポイントは?
石川:「足の位置と体の向きですね。重心は僕が動いて相手を動かしますし、先に居る相手とかスペースがあるかとか。一瞬パッと見て、イメージがパッと生まれて、道ができるじゃないですけど、そこに持っていく。さらに、周りの選手を意識するということですね」
──相手DFと対峙した時にイメージが湧かない時などはありますか?
石川:「結構みんな間合いが違うので、間合いが違うと感じてしまう時点で、自分の仕掛けの中では“負け”とは認めたくないですが…。その場合、相手がこの間合いで仕掛られたら嫌だという瞬間に抜きますね。僕は人と少し違う間合いなので、ある程度距離があっても、仕掛けられる間合いはありますし、自分の間合いに入ってこられる前に先に仕掛けたりとか。みんなそれぞれ嫌な距離感で勝負してきますね」
「距離感の取り方がうまいのは、ディフェンダーで言えば、同じチームだと太田宏介とかですね。彼は近い距離でも守備ができますし、体も強いので。寄せてきたりしますね。ただ、人それぞれです」
──寄せられるよりも、間合いを持たれたほうが嫌でしょうか
石川:「ガツガツ来てもらったほうが、チョンと出して行けることもありますし、自分が良い形でボールを持っていたら、距離があった方がやりやすいです。ズルズルとスピードが怖くて引いてくれるディフェンダーの場合、1vs1だけを考えればやりやすいですが、ゴールを決めると考えたらそこからシュートを打たなくてはいけません。ディフェンスは抜かれないでコースを切って、GKに守らせやすくするのも1つなので、そこをどこまで持っていくかですね。かわすことなのか、シュートを決めることなのか、パスを選択するための仕掛けなのか…色々なイメージが湧いてきますね」
◆本能的な部分がもう少し磨かれるようなチャレンジをしてほしい
(C)CWS Brains,LTD.
──長年プレーされていて、日本人選手の“個の力”の変化について感じていることはありますか
石川:「より流れを感じながら仕掛けて行くかなというのはあります。流れを感じて仕掛ける時点で、タイミングが少し遅れると思うので、本能のまま、ボールを受けた瞬間仕掛ける。最近で言うと、ポルトガルに行きましたが、中島翔哉とかは完全に自分の仕掛けからスタートします。本能的な部分がもう少し磨かれるようなチャレンジをして欲しいなと思います」
「僕も海外のチームや選手とやりましたが、いかに自分がそこで勝てるかということだけを考えてプレーしていました。考えることで選択肢が広がっていって、自分の仕掛けが生きる。仕掛けのレベルをどんどん高めて欲しいです。現代のサッカーのスタイルだからこそですね」
──自分のスタンスを持つということが大事ですね
石川:「自分からアクションを起こして、相手のリアクションを作る。相手のアクションを自分が活かす。その駆け引きを1vs1から学べますし、僕は小さい頃からやってきたのでチャレンジして欲しいですね。やっぱりミスがイメージされてしまうと、獲られた瞬間にうわーってなっちゃいますが、抜いた瞬間の歓声と喜びは「ヨッシャー!(笑)」という感じですね。サッカーの根本的なところです」
──石川選手がシューズを選ぶ際のポイントや好みはありますか
石川:「まず、見た目が派手なことが自分の中でのポイントですね。派手であればあるほど注目が高まります。それをプレッシャーに感じることはないですし、注目をしてもらった上で自分の足技を見てもらえればと思います。あとは軽いことと、横にステップを踏みながら仕掛けるのでグリップの部分ですね。しっかり芝を掴むのもそうですが、掴む上で抜けるというか、引っかかりすぎないことですね。フィット感を感じられれば感じられるほど、ククッといけるイメージが湧くので、自分のスタイルでは求める部分です」
──派手な見た目というと色などの好みはあるでしょうか?
石川:「原色が好きですね。青赤がやっぱり一番好きですけど。蛍光色だと黄色ですかね。新しいスパイクが届いてからまだ履けていないですが、履きたくてしょうがないです。今はランニングシューズがメインなので」
──今シーズン限りで現役を引退されますが、後輩選手へのアドバイスなどはされていますか?
石川:「自分の感覚や仕掛けなどは、すごく伝えています。チームメイトの東慶悟は色々なプレーが出来る選手なので、思っていることを伝えています。室屋(成)とかも、(僕と)同じポジションで仕掛けることが多いので色々と伝えていますね。ボールの位置などをアドバイスしています」
(C)CWS Brains,LTD.
▽なお、石川が特別ゲストとして登場した「アジリティフットボール」は、31名が参加した一発勝負のトーナメントを見事に勝ち抜いた東京都の小黒拓人さん(18)が優勝。アジリティ溢れる見事なボールさばきで、決勝戦を2-1で勝利。アディダスフットボールとの1年間のスパイク契約を勝ち取った。(C)CWS Brains,LTD.
▽表彰式では、石川が「テクニックとフィジカルの使い方がうまい!今度勝負して下さい」とコメント。小黒さんも「よろしくお願いします」と返事をしていた。■アジリティプレーをまとめたスペシャル動画を公開中!
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