日本の子供たちの弱点を語るドルトムントアカデミーコーチのパトリック・クリンスキ氏「パス、シュートの技術は見劣りする」
2017.08.18 20:00 Fri
▽8月8日から11日にかけて、ドルトムントの現役コーチによる小学生向けのサッカーキャンプである「Borussia Dortmund EVONIK JUNIOR CAMP POWERED BY PUMA」が行われた。
▽今回のトレーニングキャンプは6回目の開催となり、これまでに多くの子供たちがドルトムントのメソッドを体験してきた。今回、初めて「Borussia Dortmund EVONIK JUNIOR CAMP POWERED BY PUMA」にコーチとして参加したパトリック・クリンスキ氏(27)に、育成やドイツとの差についてお話を伺った。
▽4日間にわたって行われたトレーニングキャンプ。パトリックコーチは今回のキャンプを通じて「1人1人の個人的なスキルにフォーカスしていきたいなと思っています。ドリブルであったり、シュートであったり、パスもそうですが、パスをどのポジションでどうやって受けるかを重点において臨みたいと思います」と意気込みを語ってくれた。
▽下級生のクラスでありながら、単純なパスやボールを蹴る動きだけでなく、実戦を意識した動きながらのパスなどをトレーニングに取り入れていたパトリックコーチ。その狙いについて尋ねると、「今日(2日目)の練習はシュートでしたが、ドイツでは比較的シュートを打つことにフォーカスを置いて、全部の練習をすることが多いです」とドイツでの指導方法を取り入れていたことを明かし、以下の様に続けた。「まずは、ボールを沢山触るような、個人のトレーニングをやります。それをゲームの中で、使うようなシチュエーションを用いてトレーニングをします。その後、誰かとペアを組んで基礎的なことをやり、ゲーム形式でやります。強度は年齢によって変わっていきます。そういったものを取り入れながら、流れを重視をしてやっています」。試合で重要とされるシュートの動きを、基礎をシチュエーションを考えての両面でトレーニングしていたと教えてくれた。
▽また、重要なポイントを1つ挙げ「チームとして勝つという気持ちが足りないと思います」とコメント。これはブンデスリーガに所属する18クラブがDFB(ドイツサッカー連盟)から言われていることにも関連しているとのことで、「ドルトムントに限らず、ブンデスリーガに所属する全クラブがDFBから言われていることですが、チームスポーツなのでチームで勝つことを伝えて育成するようにと言われています」と明かし、ドイツでの育成方針の中にチームプレーがあることを教えてくれた。
▽高い育成力が評価されているドイツ国内において、トップクラスの評価を得ているドルトムント。アカデミーコーチの話からも、高い評価を得ている理由が垣間見えた気がする。
▽今回のトレーニングキャンプは6回目の開催となり、これまでに多くの子供たちがドルトムントのメソッドを体験してきた。今回、初めて「Borussia Dortmund EVONIK JUNIOR CAMP POWERED BY PUMA」にコーチとして参加したパトリック・クリンスキ氏(27)に、育成やドイツとの差についてお話を伺った。
(C)CWS Brains,LTD.
▽2013年からドルトムントのアカデミーコーチを務めているパトリックコーチは、最下級生のクラスを担当。サッカーの技術だけを教えるだけでなく、子供たちとのスキンシップやコミュニケーションを取りながら、ドルトムントのメソッドを伝授していた。(C)CWS Brains,LTD.
▽初めて日本を訪れたパトリックコーチは、日本の子供たちを初めて指導。「今回のキャンプは6回目で、僕は初めてです。良い協力関係の下で(キャンプを)行えていることが良いと思います。どの国でも同じですが、サッカーをやりたいという気持ちは目を見た瞬間にわかります。70人しかいませんが、色々なコーチや親御さんが観ている中でサッカーができることは良いことだと思います」と、日本で実施しているキャンプの印象を語った。▽下級生のクラスでありながら、単純なパスやボールを蹴る動きだけでなく、実戦を意識した動きながらのパスなどをトレーニングに取り入れていたパトリックコーチ。その狙いについて尋ねると、「今日(2日目)の練習はシュートでしたが、ドイツでは比較的シュートを打つことにフォーカスを置いて、全部の練習をすることが多いです」とドイツでの指導方法を取り入れていたことを明かし、以下の様に続けた。「まずは、ボールを沢山触るような、個人のトレーニングをやります。それをゲームの中で、使うようなシチュエーションを用いてトレーニングをします。その後、誰かとペアを組んで基礎的なことをやり、ゲーム形式でやります。強度は年齢によって変わっていきます。そういったものを取り入れながら、流れを重視をしてやっています」。試合で重要とされるシュートの動きを、基礎をシチュエーションを考えての両面でトレーニングしていたと教えてくれた。
(C)CWS Brains,LTD.
▽普段はドルトムントのU-13チームでコーチを務めているパトリックコーチ。日本人とドイツ人の子供の差を尋ねると、「ドリブルに関しての個人戦術は、過ぎるほど上のレベルにあると思います。ヨーロッパでも通じるものがあると思います」と、ドリブルの技術に関しては高く評価していると教えてくれた。しかしながら、「ただ、パスの技術、パスを貰う技術、シュートの技術は見劣りすると思います」と語り、試合を決定づけるパス、シュートの能力の低さを危惧していた。▽また、重要なポイントを1つ挙げ「チームとして勝つという気持ちが足りないと思います」とコメント。これはブンデスリーガに所属する18クラブがDFB(ドイツサッカー連盟)から言われていることにも関連しているとのことで、「ドルトムントに限らず、ブンデスリーガに所属する全クラブがDFBから言われていることですが、チームスポーツなのでチームで勝つことを伝えて育成するようにと言われています」と明かし、ドイツでの育成方針の中にチームプレーがあることを教えてくれた。
▽一時期は、世代交代が進んでいないことが危惧されていたドイツサッカー。しかし、2014年のブラジル・ワールドカップでは見事に優勝を果たし、選手の育成に関しては世界的に高いレベルであることが認められている。
(C)CWS Brains,LTD.
▽最後にパトリックコーチに子供の頃からやっておいた方が良いことを尋ねると、「僕の個人的な意見ではありますが、たくさんボールタッチをした方がいいと思います。それが今後の成長につながると思います。日本ではあまりないと思いますが、他の国でトレーニングキャンプをすると、20人の子供に対してボールが10個しかなかったりします。そうなると、個人的な技術を上げるタイミングが計れません。必ず1人にボールが1個ある中で、どれだけボールに触れるかをトレーニング中に励んだほうが良いと思います」と語り、いかに数多くボールに触れているかが、後の成長に繋がると考えていることを教えてくれた。▽高い育成力が評価されているドイツ国内において、トップクラスの評価を得ているドルトムント。アカデミーコーチの話からも、高い評価を得ている理由が垣間見えた気がする。
(C)CWS Brains,LTD.
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