【J1クラブ中間評価】物議醸した指揮官交代も、連覇へ気運が高まる《鹿島アントラーズ》2017.07.27 16:00 Thu

twitterfacebookhatenalinegplus
photo
(c) J.LEAGUE PHOTOS
▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。最終回は鹿島アントラーズ編をお届けする。

◆物議醸した監督解任で好転
勝ち点36 / 12勝5敗
(C)CWS Brains,LTD.
▽J1リーグと天皇杯の国内2冠を達成した昨シーズンの成功継続を狙う鹿島アントラーズは、AFCチャンピオンズリーグ(ACL)を並行しながら、リーグ戦は12勝5敗の結果を残し、首位で折り返した。開幕前には、MFレオ・シルバ(アルビレックス新潟)、FWペドロ・ジュニオール(ヴィッセル神戸)らJリーグで実績のある外国人選手や、FW金森健志(アビスパ福岡)、DF三竿雄斗(湘南ベルマーレ)とJ2降格クラブからも獲得。さらに、開幕直前に韓国代表GKクォン・スンテ(全北現代モータース/韓国)を獲得するなど、計9名の新戦力を迎えた。

▽開幕節こそFC東京に敗れたものの、そこからリーグ戦4連勝を記録。しかし、5月の半ばから2連敗となると、ACLでは広州恒大を前にベスト16で大会を後にした。これを受け、クラブは石井正忠監督の解任を決断。第14節からは、コーチから昇格した鹿島OBの大岩剛監督が指揮を執り、そこから5連勝で勝ち点を積み上げ、首位ターンを実現した。

◆ポジション別採点
(C)CWS Brains,LTD.
【GK&DF】90/100点満点
▽GKは、今シーズン全北現代から加入した韓国代表GKクォン・スンテがJリーグ初挑戦ながらも上々のパフォーマンスを披露し、守護神として君臨。さらに、セカンドGKにも曽ヶ端準が控えており、盤石の態勢を維持している。センターバックに関しては、開幕当初からDFファン・ソッコが抜けて選手層が不安視されたが、伸び代十分のDF植田直通とDF昌子源のコンビがしっかり稼働し、問題とはならなかった。左サイドバックのDF山本脩斗、右サイドバックのDF西大伍とDF伊東幸敏を含め、大崩れのない最終ラインが形成できている。

【MF】70/100点満点
▽テネリフェに移籍したMF柴崎岳に代わる形で加入したMFレオ・シルバだったが、5月に左ヒザ半月板損傷により手術を強いられて離脱となったことが大きな誤算。さらに、攻撃のバリエーションとアクセントを付けることができるMF遠藤康が1カ月ほど離脱したのも痛かった。それでも、ベテランMF小笠原満男がいまだ健在で、MF中村充孝やMF永木亮太、MF 三竿健斗ら力のある選手も控えている選手層が鹿島の強み。負傷者が復帰して調子を上げてくるとみられる後半戦は、監督にとって中盤の人選が嬉しい悩みになりそうだ。

【FW】60/100点満点
▽軸となるべきFW金崎夢生の好調が続かず、FWペドロ・ジュニオールも大岩政権後こそ調子を上げてきたものの、序盤戦は低調なパフォーマンス。石井監督が起用し続けたFW鈴木優磨も、インパクトを残すことができず、チームとして頼りどころを欠いた。チャンスメークで貢献できるFW土居聖真も肝心のゴール数は1つと物足りない。新加入のFW金森健志とFW安部裕葵はリーグ戦でなかなかチャンスを得ることができていないが、6月21日の天皇杯でスタメン出場すると、金森が1ゴール、安部が2ゴールと結果を残した。後半戦、もう少し出場機会を与えられれば面白い存在になれるかもしれない。あとはやはり、ここにきて動きの質を上げているペドロ・ジュニオールの好調が続くかどうかに懸かっている。

◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー
DF昌司源(24歳/No.3)
(c) J.LEAGUE PHOTOS
明治安田生命J1リーグ:17試合(先発17回)/1ゴール
▽ここまで全試合に出場している日本代表DF昌司源が前半戦のチーム内MVPだ。前への対人対応と粘り強い守備に磨きがかかっており、相棒である植田をしっかりとリードして最終ラインを統率。日本代表としても定位置確保を狙えるところまで評価を高めた。クロス処理やクリアの精度を高めれば、より完成度の高いセンターバックとなれそうだ。

◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー
FW鈴木優磨(21歳/No.9)
明治安田生命J1リーグ:12試合(先発6回)2ゴール
▽インパクトを残した昨シーズンからさらなる飛躍が期待された鈴木だが、前半戦はサポーターの期待に応えることができなかった。途中出場も多かったが、リーグ戦12試合で2ゴールは物足りない。また、ゴール数だけでなく、攻守の切り替えの面や動きの質、量も含めて好調時の出来にはなかった。まだ21歳のためパフォーマンスにムラがあるのは仕方ないものの、メンタル面を含めてさらなる成長に向けて奮起してもらいたいところだ。

◆ホームで強さを見せることができるか
▽前半戦は、アウェイ8試合で全勝を収める偉業を達成。24ポイントを稼いだ一方で、ホームでの勝ち点は半分の12ポイントにとどまった。常勝軍団だけにサポーターを前にしてのプレッシャーもあるだろうが、この点は優勝を目指す後半戦に向けて改善したいところだ。負傷者も戻ってきており、選手の質だけでなく層も十分な状況。後半戦は、ACL敗退を受けてリーグにより集中できる環境となる点もプラス材料で、無論、狙うはJ1リーグ連覇となる。

コメント

関連ニュース

thumb

【日本代表ターニングポイント】受けに回った采配、世界との差を見た12人目以降の選手

▽日本代表は2日、ロシア・ワールドカップのラウンド16でグループG首位のベルギー代表と対戦した。史上初のベスト8進出を懸けて戦った日本代表。善戦したものの、後半アディショナルタイムに力尽き、逆転負け。大会を去ることとなった。 ▽立ち上がりから落ち着いた入りを見せた日本は、ベルギーの時間帯もしっかりと凌ぎゴールレスで45分を終えた。そして後半の立ち上がり、ピンチを迎えると一転して逆襲。鋭いカウンターからFW原口元気が決めて先制すると、52分にはMF乾貴士がボックス手前から右足一閃。2-0とリードを広げた。しかし、そこから日本は3失点し逆転負け。ターニングポイントはどこにあったのか。 <span style="font-weight:700;">◆受けに回った采配</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180703_21_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽今回の試合の“ターニングポイント”は、西野朗監督の采配と言える。そして、ベンチ入りメンバーの質とも言えるだろう。 ▽前述の通り、後半の立ち上がりに素晴らしい2ゴールでリードを奪った日本。得点を奪うべく前掛かりになったベルギーだったが、日本はギリギリの所で対応し、得点を許さなかった。 ▽局面を変えたかったベルギーは、攻撃面で違いを作れていなかったMFヤニク・フェレイラ=カラスコとFWドリエス・メルテンスを下げ、MFマルアン・フェライニ、FWナセル・シャドリを投入。この交代が流れを引き寄せることとなった。 ▽前半からサイドを崩したベルギーは、FWロメル・ルカクをターゲットマンとして攻撃を仕掛けていたが、DF昌子源がしっかりと対応し、自由にさせる場面を限定していた。一方で、左サイドを崩した際には、ファーサイドを狙ってクロスをあげ、右ウイングバックに入っていたDFトーマス・ムニエの頭を狙っていた。 ▽日本の左サイドはMF乾貴士、DF長友佑都と上背がなく、190cmもあるムニエとの空中戦では分が悪かった。ゴールにこそ繋がらなかったが、何度も使われていた。そして、これは交代後にも起こる。フェライニは途中交代でピッチに入ると、長友の近くにポジションを取ることに。圧倒的な身長差で、空中戦で負けることはなく、さらにリーチの深さで攻撃の起点となりつつあった。 ▽MFエデン・アザール、MFケビン・デ・ブライネが自由にポジションをとり、フェライニやルカクを使ってボックス付近へ侵入。ベルギーの攻撃にエンジンが掛かり始めた所で2ゴールを続けて奪った。 ▽1点目はファーサイドへ高く上がったクリアボールを、ボックス内でヴェルトンゲンがヘッド。2点目は左サイドを仕掛けたアザールのクロスをフェライニがドンピシャヘッド。3点目はCKからのカウンターを受け、最後はシャドリに決められた。フェライニの対策、高さのケアをしなかった采配は、西野監督らしいと言えばらしい。それだけに、延長戦も辞さなかったプランがラストプレーで崩れたのは誤算だっただろう。相手を受けてしまっての采配は、輝きを見せることがなかった。 <span style="font-weight:700;">◆明確な手が打てない選手層</span> ▽選手交代が後手に回ったことも影響されるが、明確なカードを切れない選手層にも差を感じさせられた。ベルギーは2点を奪われ、前半から日本の弱点を考えていた高さを利用した。 ▽カラスコやメルテンスが思った以上に仕事をさせてもらえなかったこと、さらに、DF吉田麻也、昌子のセンターバックコンビ以外には空中戦で勝算があったこと、GK川島永嗣がクロスボールに対して出てこないことも計算して、明確に“高さ”とボールの収まりどころを置いた。 ▽一方で、日本は選手投入によって明確なプランを描けない状況がある。攻守にわたってカギとなっていた柴崎に代わって入った山口は、難しい時間帯ではありながらも、試合に入ることができず。最後の失点シーンでは、デ・ブライネに対する対応を誤り、ゴールに繋げてしまった。 ▽また、フェライニのように、チームにメッセージを送れる選手も少ない。23名を選考した時点である程度は固まっていたが、局面を打開できるメンバーが揃っていたかといえば、ベスト8に進む国に比べると少ないだろう。今後、日本が上を目指すために必要な課題はハッキリしたはず。4年後に向けた検証と分析は早急に進めたい。 2018.07.03 08:20 Tue
twitterfacebook
thumb

【日本代表ターニングポイント】先を見据えた選手起用も疑問が残る“ギャンブル”

▽日本代表は、28日に行われたロシア・ワールドカップのグループH最終戦でポーランド代表と対戦。0-1で敗れたものの、セネガル代表vsコロンビア代表でコロンビアが1-0と勝利したため、日本の決勝トーナメント進出が決定した。 ▽引き分け以上の結果を残せば自力で決勝トーナメント進出を決められた日本。しかし、最後は自力を放棄し、他力に頼る決断を下した。 <span style="font-weight:700;">◆先を見据えた戦い</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180629_23_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽この試合のターニングポイントは、選手起用にある。 ▽まず、スターティングメンバーを6人変更してきた。特に前線の選手は大きく入れ替え、最終ラインもDF昌子源を外し、DF槙野智章を起用した。 ▽ワールドカップ前の国際親善試合3試合で起用していた選手を外し、本大会では、昌子、そしてMF柴崎岳をスタメン起用。その2人のパフォーマンスも高く、2試合は良い結果を残していた。 ▽しかし、決勝トーナメント進出が懸かる大事な3戦目では、槙野をはじめ、MF山口蛍、DF酒井高徳、MF宇佐美貴史、FW岡崎慎司、FW武藤嘉紀を起用。攻守の核を外して、大一番に臨んだ。 ▽無謀とも思われた大幅変更の選手起用だったが、先を見据えての選手起用だったとも言える。例えば、MF長谷部誠はイエローカードを貰っており、あと1枚でラウンド16に進出しても出場停止となる状況だった。 ▽また、前線選手は2試合での疲労も考慮。ラウンド16の戦いに備えて休息を与えたと考えても良い。メンバーが変わっても、ある程度のパフォーマンスを出せる自信があったからこその決断だと思うが、結果的にラウンド16に進出したため、今回の判断は間違いではなかったと言わざるを得ない。 <span style="font-weight:700;">◆無謀過ぎるギャンブル</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180629_23_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽ある種の“ターニングポイント”となったのは、試合終盤の采配だ。日本は敗れれば、他会場の結果に左右されることとなるが、59分にポーランドに先制を許してしまう。 ▽その後、一度は反撃に転じるが、勢いづくポーランドの前に思うようなプレーができず。徐々に押し込まれる展開となった。 ▽すると、3枚目の交代カードとしてMF長谷部誠を起用。中盤を落ち着かせに行ったかと思われが、ここからまさかの展開を目の当たりにすることとなった。 ▽1点ビハインドの状況ながら、最終ラインでパスを繋ぐことに終始。ポーランドも無理して追うことが無いため、時間がただ過ぎていくのを待っていた。 ▽セネガルvsコロンビアは74分にコロンビアが先制。この情報が長谷部によって選手たちに伝えられたようだが、間違えないで欲しい。セネガルvsコロンビアがドローに終わっていたら、日本は敗退していたのだ。 ▽アディショナルタイムを含めて10分強。その時間をセネガルvsコロンビアの結果に託したのだ。ギャンブルに勝ったから良いものの、果たして正解だったのか。結果オーライという言葉しか出てこず、判断は間違っていたとは言えない。ただ、上を目指すものの戦いだったかと言われると、疑問が残るラスト10分だった。 2018.06.29 06:30 Fri
twitterfacebook
thumb

【日本代表ターニングポイント】西野采配的中! システム変更&選手交代で勝ち点1奪取

▽日本代表は、24日に行われたロシア・ワールドカップのグループH第2戦でセネガル代表と対戦。2点ずつを取り合い、2-2のドローに終わった。 ▽互いに初戦で勝利していた両国にとって、この試合は大きな意味を持っていた。敗れれば厳しい状況に、逆に勝利すればグループステージ突破の可能性もあった試合。両者の勝利への思いが、試合にも表れ、好ゲームとなった。 <span style="font-weight:700;">◆冷静に対応した日本</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180625_13_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽立ち上がり、セネガルは積極的に試合に入り、前線からのプレス、そしてボール奪取からの素早い攻撃を仕掛けた。しかし、初戦に勝っていたからか、日本は慌てることなく対応。一対一の局面では何度か突破されるシーンがあったものの、決定機を作らせるまでには至らなかった。 ▽しかし、耐える時間でもあった中、日本は残念な形で失点。正面のシュートをGK川島永嗣がパンチング。しかし、これがFWサディオ・マネに当たりゴールネットを揺らした。 ▽アンラッキーとも言える失点だったが、日本は冷静に対応した。攻撃時にはシステムを若干変更。MF長谷部誠を最終ラインへと入れ、3バックに。MF柴崎岳がアンカーのポジションに入り、両サイドバックが高い位置を取った。これが1つ目の“ターニングポイント”だ。 ▽柴崎がボールを持ち、周りを見る時間が増えた。そこから同点ゴールが生まれる。34分、柴崎のロングフィードにDF長友佑都が最終ラインの裏で反応。そこからボックスに侵入すると、ボールを失ったかに見えたが、持ちこたえ、こぼれ球を拾ったMF乾貴士がコースを狙ってネットを揺らした。 <span style="font-weight:700;">◆本田圭佑、岡崎慎司の投入</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180625_13_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽1-1で迎えた後半、またしてもセネガルにリードを許す。すると、西野朗監督は選手交代。FW岡崎慎司を準備していたが、MF本田圭佑に変更。その直後に岡崎を投入し、流れが変わった。 ▽ボックス手前でFW大迫勇也がボールを受けると、そのままキープしクロス。これに岡崎が飛び込むと、中央でGKと交錯して潰れる。流れたボールに反応した乾が、ライン際でマイナスのパスを送ると、岡崎が再び合わせに動き、最後は本田が蹴り込んで同点となった。 ▽本田は、コロンビア戦のアシストに続いて、決定的な仕事をこなし、自身3大会連続ゴールを記録。岡崎も、持ち前のボールへの執着心を見せ、陰ながらアシストした。 ▽西野監督の選手交代がズバり当たり、日本は2-2のドロー。第3戦でグループステージ突破を懸けて、敗退が決定したポーランド代表と対戦する。 <span style="font-weight:700;">◆選手、監督が持つ自信</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180625_13_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽2試合で4ゴール。コロンビア戦は同点に追いつかれてからの勝ち越し、セネガル戦は2度リードを許してからの追い付きを見せた。下馬評が高くなかった日本にとっては、1勝1分けという結果は悪くない。そして、苦境に立たされても盛り返す力は、自信が大きいだろう。 ▽西野監督は、2試合続けて選手交代で流れを変えて結果を掴んだ。選手たちも、それぞれが持ち味を出し、それぞれの特徴を生かしてゴールを奪っている。試合を重ねるごとに増していく自信。過信にならなければ、2大会ぶりのベスト16は見えてくるはずだ。 2018.06.25 07:00 Mon
twitterfacebook
thumb

【編集部コラム】チームになれないアルゼンチン、不安要素が本大会で露呈

▽世界最高のプレーヤーの1人であるFWリオネル・メッシを擁するアルゼンチン代表。4年前の前回大会で準優勝に終わり、雪辱を晴らすために臨んだ今大会だが、グループステージでの敗退危機が迫っている。 ▽メッシにとっても最後のワールドカップとなる可能性が高い今大会。優勝候補にも挙げられていたアルゼンチンの低迷はどこに要因があるのだろうか。 <span style="font-weight:700;">◆チームになれないアルゼンチン</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180622_25_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽2試合で1得点、4失点。アルゼンチンの守備がトップレベルで高いとは言えないが、攻撃力は世界でもトップクラスだ。前線の陣容を見ても、メッシを筆頭に、FWセルヒオ・アグエロ、FWゴンサロ・イグアイン、FWパウロ・ディバラと各クラブでエースとして活躍する選手たちが揃っている。 ▽メッシはリーガエスパニョーラで33ゴール、アグエロはプレミアリーグで21ゴール、イグアインはセリエAで16ゴール、ディバラは同じくセリエAで22ゴールを記録。FW4人のリーグ戦でのゴール数を合計すると、92ゴールを記録しているが、アルゼンチン代表としてはここまで機能していない。初戦のアイスランド代表戦は、1トップにアグエロ、トップ下にメッシを配置。2戦目となったクロアチア代表戦は、3トップの中央にアグエロ、右にメッシを配置していた。 ▽初戦のアイスランド代表戦は、FWセルヒオ・アグエロのゴールで先制するも、FWアルフレッド・フィンボガソンにゴールを許して同点に。その後はボールを握る展開が続いたが、崩すには至らなかった。メッシに対しての警戒心はアイスランドも高く、常に2人以上で見る状況に。メッシにボールが入ると、すぐさま距離を詰めてボールを奪いに来ていた。 ▽クロアチア戦は、アイスランド戦ほどではなかったものの、今度は連携面の悪さを見せた。システム、選手を初戦からイジったものの、攻撃はアグエロ、メッシへの依存が高く、クロアチアは2人を抑える守備に。良い形でボールに絡むことなく、決定機もそれほど作れずに0-3で敗れた。 ▽チームとしての完成度の低さは南米予選から続いており、ワールドカップ出場すら危うかったアルゼンチン。予選ではチームを窮地から救ったメッシが、本大会でも力を発揮できるのかがカギとなるだろう。 <span style="font-weight:700;">◆絶対的ではなくなった中盤の仕事人</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180622_25_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽さらに、守備面でも4年前とは異なる部分がある。それは、MFハビエル・マスチェラーノの働きだ。34歳となったマスチェラーノは、長年主軸としてプレーしたバルセロナを冬に退団。中国の河北華夏へと活躍の場を移した。 ▽エルネスト・バルベルデ監督からの信頼を得られなくなった様に、かつてのマスチェラーノの姿は薄れつつある。4年前、準決勝のオランダ戦では、獅子奮迅の活躍でチームを決勝に導いた。ボールホルダーへの寄せや危機察知能力の高さを見せつけ、マン・オブ・ザ・マッチ級の活躍を見せていた。 ▽今大会も守備面で持ち味を発揮しているが、4年前ほどの迫力も無い。また、攻撃面で前線を後方から支援する動きは少なく、ボールを保持している時間でも、攻撃的なプレーはできていない。もちろん、そこを求められる選手ではないが、今のアルゼンチンの戦い方に置いては、流れを寸断してしまう可能性もある。4年前はチームでも突出した存在だったが、ここまではその力を見せては居ない。 <span style="font-weight:700;">◆信頼し切れない守護神</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180622_25_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽そして大きな問題点の1には、チームを最後尾で支えるはずの守護神の存在もある。今大会直前に、正守護神だったGKセルヒオ・ロメロが負傷。メンバー外になる緊急事態が起きてしまった。 ▽強豪国の中でも、とりわけ守護神にワールドクラスの選手が居ないことが悩みの種となっていたアルゼンチン代表。破壊力抜群の攻撃陣とは裏腹に、GK受難は続いている。代わりにゴールを守るのは36歳のベテランGKウィルフレッド・カバジェロだ。現在はチェルシーに所属し、かつてはボカ・ジュニアーズやマラガ、マンチェスター・シティなどにも所属していた。 ▽クラブレベルでの経験はあるカバジェロだが、アルゼンチン代表キャップはわずかに「5」。初出場は、今年3月のイタリア代表との国際親善試合だった。アルゼンチン代表として招集外になることも多かったカバジェロだが、急きょ正守護神となり、ワールドカップデビューもアイスランド戦で果たした。しかし、いくらベテランといえども、不安定さは拭えなかった。 ▽アイスランド戦では、後方からのビルドアップに参加した際にミスキックから決定機を与える事態に。ここは難を逃れたが、フィンボガソンのゴールに繋がる流れでも、プレーの不安定さを露呈。クロスへの対応などには終始不安が残った。 ▽そして迎えたクロアチア戦。FWアンテ・レビッチの先制点のシーンは、明らかなミスだった。ゴールレスで迎えた後半、ここからという時にバックパスを受けると、チップキックで味方にパスを出そうとしてミス。短くなったボールを、レビッチにダイレクトボレーで叩き込まれた。 ▽今大会はGKが良くも悪くもフィーチャーされている大会。名手がらしくないミスを犯したりもしているが、アルゼンチンとしては悩みどころだろう。 <span style="font-weight:700;">◆サンパオリのチームコントロール</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180622_25_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽南米屈指の名将として知られるホルヘ・サンパオリ監督だが、アルゼンチン代表をコントロールすることはここまでできていない。チリ代表ではコパ・アメリカを連覇するなど、輝かしい成績を残し、強豪揃いの南米においても特色を持ったチームを作り上げた。 ▽2017年にアルゼンチン代表監督に就任。しかし、南米予選でも苦戦が続き、チームとしての完成形を見つけられないまま時間が経過。ワールドカップ出場を決めても、チームの完成度は上がっていなかった。 ▽絶対的なエースであるメッシを軸に攻撃を組み立てたい意図は見られるが、周りの選手のコントロールや組み合わせに確固たるものがなく、メッシ個人に依存する形から抜け出すことができなかった。この2試合を見ても、メッシ、アグエロ、MFマクシミリアーノ・メサの3人以外は、前線の組み合わせを変えている。「チームが彼に合っていない」とクロアチア戦後に語った様に、現段階でも模索している状況だ。 ▽「ディバラとメッシの共存は不可能」という発言も以前はしていたが、能力の高い選手が揃っているだけに、化学反応が起こり得る可能性はある。チリ代表のようなチーム作りは不可能だが、絶対に勝たなくてはいけないナイジェリア代表との第3戦では、思い切った決断も必要となるはずだ。名将がここぞで打つ手に、アルゼンチンの命運は託されている。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.06.22 15:00 Fri
twitterfacebook
thumb

【編集部コラム】今大会顕著に見られる相手国対策、日本はできているのか

▽4年に1度のサッカーの祭典が開幕し、4日が経過した。ここまでグループAのロシア代表vsサウジアラビア代表からスタートし、11試合が消化。第1節も残すところ5試合となった。 ▽我らが日本代表は19日の21時に初戦を迎える。相手はコロンビア代表。4年前のブラジル・ワールドカップでも同じグループに属し、第3戦目で4-1と大敗を喫したチームだ。 ▽戦前の予想では、コロンビアの勝利が優勢。日本が勝利すること、そして勝ち点を得ることは、厳しいミッションだと言えるだろう。 <span style="font-weight:700;">◆番狂わせは不可能ではない</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw2.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽しかし、今大会の4日目までの11試合を振り返ると、必ずしも本命が結果を残せているというわけではない。むしろ、今大会は番狂わせと言える結果がここまでも多い。 ▽例えば、大会2日目、グループBのモロッコ代表vsイラン代表のイラン、大会3日目、グループDのアルゼンチン代表vsアイスランド代表のアイスランド、大会4日目、ドイツ代表vsメキシコ代表のメキシコ、ブラジル代表vsスイス代表のスイスが挙げられる。 ▽メキシコやスイスはワールドカップでも実績があり、番狂わせとは言いにくいかもしれないが、前回王者のドイツ代表に勝利したこと、ブラジル代表に引き分けたことは、驚きと言っても良いだろう。 <span style="font-weight:700;">◆共通項は守備時の“オーガナイズ”</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw6.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽それ以上に驚きを与えたのは、イランとアイスランドだ。イランは直近では1998年、2006年、2014年とワールドカップに出場したが、勝利は1998年以来20年ぶりの快挙となった。 ▽一方、アイスランドは人口がワールドカップ史上最少の国であり、2年前のユーロで大舞台に初めて立ったチーム。アルゼンチン戦は、ワールドカップ初戦だった。 ▽この2カ国に共通していたのは、守備時の“オーガナイズ”だ。互いに監督が用意したプランをチームとして完遂することを90分間続けた結果が、試合結果にも表れた。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw3.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽また、これはドイツに勝利したメキシコにも言える。フアン・カルロス・オソリオ監督が「我々は6カ月前からプランを準備してきた」と語った通り、ドイツの良さを消しに行くプランを遂行。アンカーの位置に入ったMFトニ・クロースにマンマークを付けることで、嫌がるクロースを中央から追い出す作戦に成功。その後は、ボール奪取から2人のセンターバックで守るが故に空いたスペースを使ったカウンターを仕掛け何度もドイツゴールを脅かし、前半のうちに先制。ドイツは後半対応したものの、今度は[5-4-1]で跳ね返し続け、メキシコはそのまま逃げ切った。 ▽イランにしても、モロッコを相手にハードワークを90分間通して行い、低いディフェンスラインから、切れ味鋭いカウンターで応戦。2列目がしっかりとボールを奪えたからこそ、カウンターが生き、終盤にFKを得ると、そこからオウンゴールで勝利した。 <div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw4.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽アイスランドも顕著だった。FWリオネル・メッシに対しての人数の掛け方、2トップを含めてのラインの距離、そしてむやみに奪いに行かず、距離を保ちながらタイミングを見てのボール奪取。キャプテンでもあるMFアーロン・グンナルソンのコーチングも光っていた。ユーロ2016でもチームとしての戦い方に完成度の高さを見せたアイスランドだったが、ワールドカップの舞台でもそれ以上のパフォーマンスを見せたと言えるだろう。 ▽それぞれの国が、強者に対しての戦い方として、しっかりと準備してきたものを選手たちがピッチ上で体現できたことで、予想を覆す結果を残した。決して、相手が舐めていたというわけではないだろう。 <span style="font-weight:700;">◆日本はどう出るか</span><div style="text-align:center;"><img src="http://image.ultra-soccer.jp/800/image/get20180618_43_tw5.jpg" style="max-width: 100%;"></div><div style="text-align:right;font-size:x-small;">Getty Images<hr></div>▽初戦を19日に控える日本。相手は前述の通り、4年前に悔しい思いをさせられたコロンビアだ。力関係としては、前述のカード以上かも知れない。 ▽しかし、ここまでの今大会を見れば、いかにチームとして準備を行い、相手の研究を徹底して、ウィークポイントを抑えること。さらに、そこから反撃に出るプランをどう立てているかだ。 ▽西野朗監督の強化試合3試合を観る限り、ハッキリと決められていたものはないように思える。スイス代表戦、パラグアイ代表戦と結果は1勝1敗だが、チームとしての完成度は低い。西野監督も、これまでのチーム作りを見れば相手を研究して…というタイプではないだろう。 ▽一方で、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は昨年12月1日の抽選会後、対戦相手3カ国の研究、分析に入っていた。そのデータがどこまで引き継がれているのかはわからないが、今の日本が相手のことをどこまで丸裸にできているのかは不明だ。大会後にでもハリルホジッチ監督のレビューを聞いてみたいものだが…。 ▽理想を求めることも大事であり、可能性を求めて戦うことも重要だ。しかし、現実を見ることは何よりも重要。相手に対してどれだけ準備をし、ピッチ上で11人が体現してこそ、自分たちのサッカーが生まれるはずだ。日本の初戦は、他国の戦いと比較するという点でも注目だ。 《超ワールドサッカー編集部・菅野剛史》 2018.06.18 23:30 Mon
twitterfacebook


ロシアW杯

超WS×MON

ACL

欧州移籍情報
hikari

アクセスランキング

@ultrasoccerjp

新着ニュース