【J1クラブ中間評価】新戦力を活かせず中位に…期待された優勝争いへの参戦は遠く《FC東京》
2017.07.19 21:00 Wed
▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回はFC東京編をお届けする。
◆攻守に期待を下回り中位に沈む…大型補強は活かせず
勝ち点24 / 7勝3分け7敗
▽さらに、中盤での守備力に定評のあるMF米本拓司を負傷で欠いた影響か、相手にシュートまで持ち込まれるシーンが目立っている。1試合平均の被シュート数は昨シーズンの12.6本から13.4本に増加。GK林彰洋の奮闘もあり失点数こそ増加していないものの、守備の構築には疑問符がつく。
▽シーズン開始前には各方面から優勝候補に挙げられていたチームは、開幕直後こそ上位にいたものの、前半戦終了時点で9位。新規加入選手のポテンシャルを十分に活かすことができないまま、6得点をマークしていたFW大久保嘉人、守備の要であるDF森重真人が立て続けに負傷するといった不運にも見舞われている。
◆ポジション別採点
▽新規加入のGK林彰洋が印象的な活躍を見せている。しかし、その他のディフェンス陣はネームバリューに期待される水準からは程遠い。DF森重真人は対人面においてJ1屈指の強さを発揮しているが、ディフェンスリーダーとしての統率力は発揮し切れているとは言えないパフォーマンス。両サイドバックは裏のスペースのリスク管理に修正が求められる。対戦相手としては、そのスペースを起点にすることがFC東京攻略の定石となっていた。
▽MF高萩洋次郎、MF東慶悟はチャンスに絡む能力を発揮しており、求められている役割を十分にこなしていた。MF中島翔哉やMF河野広貴はアタッカーとしての特色は出せていたものの、守備面で不安定さを露呈。中盤起用の多かったFW永井謙佑も含め、動きながらのプレーに持ち味を持つ選手が豊富に揃っているものの、流動性があまり見られず、ルーズボールを奪われた際に後手に回る守備がチームとして目立った。また、パスコースを塞がれた味方に対してのフォローにも向上の余地がある。
【FW】30/100点満点
▽チームの総得点は17試合22得点と、期待されていた数字を大きく下回った。15試合に出場し6得点を記録したチーム内得点王のFW大久保嘉人も、本来のポテンシャルを考慮すれば満足できる数字ではない。FW前田遼一に至っては12試合に出場するも無得点に終わり、ここまで放った総シュート数はわずかに4本。FW大久保嘉人の負傷欠場を補うためにも、後半戦は多くの引き出しを持つベテランフォワードの奮起に期待したい。
◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー
GK林彰洋(30歳/No.33)
▽相手に容易にシュートを許してしまう試合が頻発する中、孤軍奮闘。前半戦の枠内シュートのセーブ率は77.4%とリーグトップレベルを記録した。特に第12節のヴィッセル神戸戦は、総シュート17本、枠内シュート9本を打たれながらも1失点に抑え、チームに勝ち点をもたらした。両サイドバックが攻撃的なプレースタイルのためクロスを入れられるシーンが目立ったが、得意とするハイボールには冷静に対応。現役日本代表として、ここまで疑いの余地がない実力を見せ付けている。
◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー
DF丸山祐市(28歳/No.5)
明治安田生命J1リーグ:14試合(先発13回)/1ゴール
▽守備の不安定さは前線、中盤からフィルターがかかっていないことにも起因しているが、丸山が個人で失点に絡んでいるシーンも散見された。ディフェンスラインの上げ下げのタイミング、サイドバックが上がった際のスライド、対人でのチェックの判断など身体的素質以前の部分で問題を抱えている。印象的な第17節のセレッソ大阪戦では、負傷したDF森重真人に代わって出場。準備時間が少なかったとはいえ、試合に入れず、ボールの動きを見失い、ラインの統率に失敗。相手への逆転弾献上に大きく関与してしまった。しかし、強みである左足でのキック精度、左サイドバックのDF太田との絡みは重要な攻撃オプションと成り得るため、中断期間明けに安定感を取り戻し、チームの浮上へ貢献することが求められる。
◆現有戦力を最大限に活かすことが最大の補強
▽FW3名、MF5名、DF5名、GK1名。日本代表経験者が14名と、それだけで先発を埋め尽くせるほどの豪華な選手層を擁するFC東京。試合の中でも、マークの受け渡しでのミスや選手同士の距離感が時間帯によって間延びしてしまうといった、全体を見た上での問題は多数抱えているものの、選手個々の能力が落ちているようには見受けられない。
▽エースの大久保と守備の要であった森重の離脱は痛いところだが、前者についてはFWピーター・ウタカ、永井、前田が控えており、後者に関しては12日に発表のあった韓国代表DFチャン・ヒョンスの獲得で十二分に補完が可能。連携を深めないままチームのバランスが崩れるような補強を敢行すれば、前半戦の焼き増しとなることが危惧される。
▽チームバランスとしては、やはり中盤の守備面に改善を期待したい。篠田善之監督の標榜する攻撃的サッカーの中ではボランチの守備の負担が大きく、現在に至るまで満足な組織は構築されているとは言えない。前半戦では攻撃面で強みを持つ高萩の相方としてMF梶山陽平、MF田邉草民、MF橋本拳人が試されていたが、安定感は示せず。高萩も攻撃に絡む頻度が落ちるといった悪循環に陥っていた。後半戦では高萩の相方を見つけ出すか、現有戦力に合わせたシステムへの変更が求められる。
◆攻守に期待を下回り中位に沈む…大型補強は活かせず
勝ち点24 / 7勝3分け7敗
(C)CWS Brains,LTD.
▽FW大久保嘉人、FW永井謙佑、MF高萩洋次郎、DF太田宏介、GK林彰洋と日本代表経験者の5名や、Jリーグで実績のあるFWピーター・ウタカを獲得し、万全の布陣で今シーズンに臨んだFC東京。総得点数39得点(10位タイ)で年間9位で終わった昨シーズンから主に攻撃面での上積みが期待されたが、前半戦終了時点で22得点と奮わなかった。▽シーズン開始前には各方面から優勝候補に挙げられていたチームは、開幕直後こそ上位にいたものの、前半戦終了時点で9位。新規加入選手のポテンシャルを十分に活かすことができないまま、6得点をマークしていたFW大久保嘉人、守備の要であるDF森重真人が立て続けに負傷するといった不運にも見舞われている。
◆ポジション別採点
(C)CWS Brains,LTD.
【GK&DF】30/100点満点▽新規加入のGK林彰洋が印象的な活躍を見せている。しかし、その他のディフェンス陣はネームバリューに期待される水準からは程遠い。DF森重真人は対人面においてJ1屈指の強さを発揮しているが、ディフェンスリーダーとしての統率力は発揮し切れているとは言えないパフォーマンス。両サイドバックは裏のスペースのリスク管理に修正が求められる。対戦相手としては、そのスペースを起点にすることがFC東京攻略の定石となっていた。
【MF】40/100点満点
▽MF高萩洋次郎、MF東慶悟はチャンスに絡む能力を発揮しており、求められている役割を十分にこなしていた。MF中島翔哉やMF河野広貴はアタッカーとしての特色は出せていたものの、守備面で不安定さを露呈。中盤起用の多かったFW永井謙佑も含め、動きながらのプレーに持ち味を持つ選手が豊富に揃っているものの、流動性があまり見られず、ルーズボールを奪われた際に後手に回る守備がチームとして目立った。また、パスコースを塞がれた味方に対してのフォローにも向上の余地がある。
【FW】30/100点満点
▽チームの総得点は17試合22得点と、期待されていた数字を大きく下回った。15試合に出場し6得点を記録したチーム内得点王のFW大久保嘉人も、本来のポテンシャルを考慮すれば満足できる数字ではない。FW前田遼一に至っては12試合に出場するも無得点に終わり、ここまで放った総シュート数はわずかに4本。FW大久保嘉人の負傷欠場を補うためにも、後半戦は多くの引き出しを持つベテランフォワードの奮起に期待したい。
◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー
GK林彰洋(30歳/No.33)
(c)J.LEAGUE PHOTOS
明治安田生命J1リーグ:17試合(先発17回)/19失点▽相手に容易にシュートを許してしまう試合が頻発する中、孤軍奮闘。前半戦の枠内シュートのセーブ率は77.4%とリーグトップレベルを記録した。特に第12節のヴィッセル神戸戦は、総シュート17本、枠内シュート9本を打たれながらも1失点に抑え、チームに勝ち点をもたらした。両サイドバックが攻撃的なプレースタイルのためクロスを入れられるシーンが目立ったが、得意とするハイボールには冷静に対応。現役日本代表として、ここまで疑いの余地がない実力を見せ付けている。
◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー
DF丸山祐市(28歳/No.5)
明治安田生命J1リーグ:14試合(先発13回)/1ゴール
▽守備の不安定さは前線、中盤からフィルターがかかっていないことにも起因しているが、丸山が個人で失点に絡んでいるシーンも散見された。ディフェンスラインの上げ下げのタイミング、サイドバックが上がった際のスライド、対人でのチェックの判断など身体的素質以前の部分で問題を抱えている。印象的な第17節のセレッソ大阪戦では、負傷したDF森重真人に代わって出場。準備時間が少なかったとはいえ、試合に入れず、ボールの動きを見失い、ラインの統率に失敗。相手への逆転弾献上に大きく関与してしまった。しかし、強みである左足でのキック精度、左サイドバックのDF太田との絡みは重要な攻撃オプションと成り得るため、中断期間明けに安定感を取り戻し、チームの浮上へ貢献することが求められる。
◆現有戦力を最大限に活かすことが最大の補強
▽FW3名、MF5名、DF5名、GK1名。日本代表経験者が14名と、それだけで先発を埋め尽くせるほどの豪華な選手層を擁するFC東京。試合の中でも、マークの受け渡しでのミスや選手同士の距離感が時間帯によって間延びしてしまうといった、全体を見た上での問題は多数抱えているものの、選手個々の能力が落ちているようには見受けられない。
▽エースの大久保と守備の要であった森重の離脱は痛いところだが、前者についてはFWピーター・ウタカ、永井、前田が控えており、後者に関しては12日に発表のあった韓国代表DFチャン・ヒョンスの獲得で十二分に補完が可能。連携を深めないままチームのバランスが崩れるような補強を敢行すれば、前半戦の焼き増しとなることが危惧される。
▽チームバランスとしては、やはり中盤の守備面に改善を期待したい。篠田善之監督の標榜する攻撃的サッカーの中ではボランチの守備の負担が大きく、現在に至るまで満足な組織は構築されているとは言えない。前半戦では攻撃面で強みを持つ高萩の相方としてMF梶山陽平、MF田邉草民、MF橋本拳人が試されていたが、安定感は示せず。高萩も攻撃に絡む頻度が落ちるといった悪循環に陥っていた。後半戦では高萩の相方を見つけ出すか、現有戦力に合わせたシステムへの変更が求められる。
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