【会見&質疑応答】国際大会でトーナメントを戦うアメリカ、ブラジル、オーストラリアとの対戦に向けて高倉監督「恥ずかしくない試合をしてきたい」《アメリカ遠征》

2017.07.14 14:57 Fri
©超ワールドサッカー
▽日本サッカー協会(JFA)は14日、アメリカ遠征に臨むなでしこジャパンのメンバー23名を発表した。

▽会見に出席したなでしこジャパンの高倉麻子監督は、会見で現状についてコメント。勝負がかかった試合から遠ざかっていることを受けて「真剣勝負ができていない」と不安を吐露。しかし今回の遠征が「W杯や五輪で勝負がかかった場面で対戦する相手」だとして「恥ずかしくない試合をしたい」と意気込みを口にしている。
◆高倉麻子監督(なでしこジャパン)
「今回のアメリカ遠征は、お手元のメンバー構成となりました。アメリカとは長くライバル関係であり、ブラジル、オーストラリアの4国で対戦します。強化の一環としてアメリカに行きます」

「新しく選手を4人いれました。この選手は、就任した当初から言っているように様々な選手にチャンスがある中で、その当時から頭の中にいた選手です。リーグを見て追いかけて、コンディションが上がってきたと思い呼びました。前回読んだ選手で試した選手もいましたが、さらに活性化を図りたかったからです。この選手を入れて、チームに力を加えてもらえればと思っています」

「ブラジル、オーストラリア、アメリカはFIFAランクでも上位の国です。選手を試しながら積み上げる中で、いつも勝ちにこだわってと言っていますが、来年4月のW杯予選があります。選手を試すこともありますが、チームとして勝ちに行くことにこだわってやらなければいけません」
「この前のオランダ・ベルギー遠征では新たなフォーメーションを試しました。チームの幅広げて、チームの力を重ねていきたいと思います」

「また、キャプテンの熊谷がインターナショナルマッチデーではないため、チームから出せないとのことでした。残念ながら来ませんが、彼女がキャプテンであることに変わりないです。引き続き、チームで頑張ってもらいたいと思っています」

「今年はチーム力を付ける中で、間をおかずにゲームを組んでもらっています。とにかく全員で成長できるように全力でぶつかってきます」

――現在の課題は
「サッカーは攻撃と守備で分けるものではないと思っていますが、試合に負けないという意味では、守備のところで試している部分をあと一歩。ポジショニングや球際の強さもそうです。やれているつもりではなく、完璧にこなす部分でこだわりたいと思っています」

「攻撃では、ゲームに入ると守備の確認に多くの時間を割いています。いかに点を取るかはトレーニングで長い時間懸けられていません。色々なフォワードがいるので、どうやってチームとして点取るかを積み上げていきたいと思います」

――新しく招集した選手について
「齊藤に関しては、山根がスペインに移籍したこともあり、コンディションを考え新たな選手の発掘が必要だと感じていました。GKを探していて、彼女は仙台で第2GKとして下積みをしていましたが、ここのところ力をつけていると監督とも話しました。サイズを含め、カップ戦で見ても十分やれるなと。GKの活性化図りたいと思っています」

「坂本に関しては、長野が新しいチームながらもリーグで良い成績を残していて、守備の真ん中でリーダーシップを発揮しています。読みも良く、年代別にも選ばれていた選手です。監督からの推薦もあり、センターバックが手薄なのでどれくらいやれるかと、思い切って呼びました」

「櫨は、前から気になっていた選手です。テクニックがあり、伊賀では前目でプレーしていますが、落ち着いてゲームを読んでテクニックを発揮しています。体の強さを活かしつつ変化をつけられると思いますし、技術レベルではやっていけると思います。少し違うタイプの中盤の選手が欲しく呼びました」

「泊は、横山の相棒で長野でプレーしています。運動量が多く、攻守においてチームに活力を与えられる選手です。動き回るだけでなく、ボールの受け方、持ってからの判断は高いと感じています。新しい風を吹かせてくれるかなと思って呼びました」

――前回の五輪予選で敗れてから勝敗がかかった試合から遠ざかっている。東アジア選手権に向けてどの辺りでツイッチを入れていく考えか
「色々な選手を試して、毎試合勝ちにはこだわっていますが、真剣勝負という意味では体感できない状況にあります。選手は必死に自分のプレーを表現しようとしていますが、その状況がない中で、今回の遠征では、W杯や五輪に行った時に勝負がかかった試合で対戦するような相手です。ランク的にそういう部分があると思っています」

「そういう相手と恥ずかしい試合はできないと強く感じています。色々試す中で、予選が近づいてきているとチーム全体で把握して、選手がアピールだけでなく、チームを勝たせる強い思い、表現する力を発揮してもらいたいです。いつ頃エンジンかけるかといえば、この遠征からぼちぼちやっていきたいと思います」

――就任して1年が経ち、今の立ち位置や課題は
「約1年経ちましたが、最初にアメリカ遠征した時にメンバーを選んで、一年後に、この選んだ選手が半分いるかわからないと言いました。実際に今回のメンバーの名前を見てみると、半分以上変わっているなと。これは意図的ではなく、選ばれた選手が信頼を勝ち取るパフォーマンス、代表として恥ずかしくないパフォーマンスをし続けることが、代表に生き残る道だということです」

「それを強く感じています。真剣勝負という話が出ましたが、この状態でW杯や五輪に行ったら勝てるチームではないと思っています。たくさんの課題があり、頭の中で埋まっていないピースがいくつもあります。選手をどこにはめるかと、チームでどう戦うか。そのピースを埋める作業を、試合を重ねながらやらなければいけません」


「ネガティブに言いたくはないですが、世界のトップに向かってはいけない実感があります。選手の可能性は無限に広がっていて、それを引き出すのが私の仕事です。全力で大会に臨んでいきたいとおもいます」

――W杯予選を逆算して
「普通にいえば予選があってそれから計算して、この時点でどこまで上げるという計算をするかもしれません。ただ、そういう風にチームを作っているわけではなく、選手を試す中で、この日本女子サッカー選手の中でどの選手がピッチに立てるか。そこをチームづくりで見つけていることで、これからもその作業はやっていきます」

「また、メンバーは固定しないです。差があれば固定して評価することもあるでしょうが、色々な選手に可能性があると思っています。W杯や五輪では短期間で試合を重ねます。どの選手が抜けたからチーム力が下がる、そういうチームを作りたくないです。欲を言えば、2チームが変わらないようなチーム作りが理想だと思っています」
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「良いシミュレーションになる」パリ五輪へ向けてアメリカ遠征に臨むなでしこジャパン、池田太監督は「選手の成長を見守り、促していきたい」

28日、4月1日から11日までアメリカで行われるShebelieves Cupに臨むなでしこジャパンのメンバー発表会見が行われた。 パリ・オリンピックのアジア最終予選で北朝鮮女子代表相手にしっかりと勝利し、出場権を獲得した日本。本番に向けて、残り短い期間での強化が必要となる。 今回のShebelieves Cupでは、6日にアメリカ女子代表と対戦。9日には、ブラジル女子代表かカナダ女子代表と対戦することとなる。 パリ・オリンピックの組み合わせも決定した中、最後の仕上げに入っていく日本。池田太は今回の大会に臨むにあたり、意気込みを語るとともに、北朝鮮戦の応援への感謝を口にした。 「我々なでしこジャパンは、先月DPRコリア(北朝鮮)とのアジア最終予選を勝ち抜きまして、パリ・オリンピック出場権獲得することができました」 「タフな戦いを1つ乗り越えて戦った選手たちを称えたいと思いますし、色々な不確定なことが多かったなか、しっかりとサポートしてくれたスタッフ、そして国立競技場に応援に来ていただいたサポーター、お客さん、テレビの前で応援してくださった皆さんに、改めて心から感謝したいと思います。ありがとうございました」 「我々はパリ・オリンピックに向けて4カ月を切っている短い中での準備期間で、このアメリカ遠征、Shebelieves Cup。そして5月末からの活動の2回を有意義に使い、パリ・オリンピックに向けて準備していきたいと思っております」 「昨年のワールドカップが終わって、アジア2次予選、最終予選、オリンピックと、この期間でチームが成長し、チームづくりを進めていく上で1つ1つの活動、また選手の成長を見守っていきたいと、促していきたいと思っています」 メンバーは2023年のオーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)から大きくは変更されておらず、大きな競争というよりは精度を上げていくことがメインとなるなでしこジャパン。その中で、女子W杯得点王ながらケガの影響で久々の招集となるFW宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)が復帰を果たした。 クラブではトレーニングには復帰しているものの、試合にはまだ復帰していない宮澤。池田監督は「宮澤選手ですが、我々のメディカルチーム、スタッフも含めて、所属チームとコミュニケーションをとっている中で、彼女のケガからのリハビリの状況もしっかり把握していました」と語り、「このShebelieves Cupに向けて、彼女は所属チームではしっかりトレーニングをしており、試合に出られる状況であるというコミュニケーションも取っていて、招集させてもらいました。また、彼女がコンディションや戦い方の中でどうプレーするからはこれからですが、ピッチ上もそうですし、限られたオリンピックの活動の中で、ピッチ外で積み上げることも必要だと思って今回メンバーに入れました」と語り、本番まで時間がない中で共有することを含めて久々に招集したと語った。 また、久々に招集したGK大場朱羽(ミシシッピ大学)については「GKの大場選手ですが、GKの積み上げている中で、山下(杏也加)選手、平尾(知佳)選手、田中(桃子)選手とW杯からこの3人で色々なことを積み上げてきました。さらに、選手の共有ごとを増やしていくという意味で、今回GKの層を広げるという意味で大場選手を招集したというのがあります。GKも3人、4人と招集できる機会があれば良いですが、そういう中でGKの層を厚くしておく、やれること、考えられることを増やすということもありました」と、今回招集した理由を語った。 守屋都弥(INAC神戸レオネッサ)も今回復帰を果たしたが「復帰した守屋選手は所属チームでしっかりプレーしていることもありますし、ポジションのやれること、彼女の上下動という部分でもなでしこの力になってくれるということもあります。日頃の成長を我々のチームでも生かしてくれると思って招集しました」と期待を寄せている。 今大会ではパリ・オリンピックでも対戦するブラジル女子代表とも対戦する可能性がある。試合も中2日、移動も伴うこととなると、パリ・オリンピックのシミュレーションにもなる。 池田監督は良いシミュレーションになるとコメント。さまざまな面でオリンピックのシミュレーションをしたいと語った。 「オリンピックの中2日、しかもベニュー(会場)移動が伴う中2日というのは、今回のShebelieves Cupで確認というか、シミュレーションになるんではないかと思っています。全く同じ状況ではないと思いますけど、移動してトレーニング、短い時間で次の対戦相手を分析して試合に向かう。そういった流れを体感できるのは、スタッフを含めて選手にとっても良いシミュレーションになるかなと思っています」 「2試合目の対戦相手がブラジルになるのかカナダになるのかは、1戦目の状況に応じて考えることになりますが、ブラジルに関しては昨年ですと3回対戦していますし、色々なことをお互いがトライすることになるのかなと思います」 「ブラジル戦だけでなく、Shebelieves Cupの中では我々としてはオリンピックに向けてやれることを増やしていくという確認と積み上げを同時に進めていかなければいけないですし、チームを作ってあげるのと同時に、メンバー選考ではないですが、限られた人数で戦わなければいけない見極めも含めて、Shebelieves Cup、5月末の活動を総合的に考えたいと思います」 そのオリンピックでは、ブラジル、そして女子W杯でも対戦したスペインと対戦する。改めて、その思いを語った。 「オリンピックの出場国が12カ国ということは、どこと戦っても厳しい戦いになることは承知していましたし、ポットが決まった時に、各大陸の中で組み合わせもある程度見えてきた部分もあったので、そういった部分ではポット1ではフランスかスペイン、ポット3ではブラジルかコロンビアということもある程度決まっていたので、それほど大きな驚きはなかったです」 「スペインとはアンダー世代からよく戦うことが多かったので、いつも縁があるなと思っています」 「W杯を経て、チームを進化させようとどの国もしていて、監督が変わったりすることもあります。我々がやってきたことのベースを含めて、やれることを増やしていくというのは、この遠征でもやっていきたいですし、その中でどう戦っていくか、どういうふうな変化に選手が対応するかをピッチ内外で見ていければと思います」 残り少ない実戦の機会。なでしこの準備がしっかり進むのか注目だ。 2024.03.28 20:55 Thu

宮澤ひなたがケガから復帰! 長谷川唯、熊谷紗希などなでしこジャパンメンバー22名が発表!【Shebelieves Cup】

日本サッカー協会(JFA)は28日、アメリカで行われる2024 Shebelieves Cupに臨むなでしこジャパンのメンバー22名を発表した。 パリ・オリンピック本大会へ向け、重要な強化の場となる今遠征には、キャプテンの熊谷紗希(ローマ)や長谷川唯(マンチェスター・シティ)らが順当に選出された。 また、オーストラリア&ニュージーランド女子ワールドカップ(W杯)で得点女王に輝いたFW宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド)が負傷離脱から復帰。その他、FW浜野まいか(チェルシー)なども復帰した。また、今回アメリカで開催されることもありGK大場朱羽(ミシシッピ大学)も招集された。 なお、過去の同大会は4カ国総当たりのリーグ戦形式が主だったが、今年はパリ・オリンピックを意識してのトーナメント形式を採用。参加する4カ国は、日本を含めていずれもパリ・オリンピック出場権を獲得しており、本大会へ向けた意義深いものとなっている。 参加国は日本に加え、開催国のアメリカ女子代表、カナダ女子代表、ブラジル女子代表。日本は6日に行われる初戦の準決勝でアメリカと対戦し、9日に3位決定戦、または決勝に臨む。 ◆なでしこジャパンメンバー22名 GK 山下杏也加(INAC神戸レオネッサ) 平尾知佳(アルビレックス新潟レディース) 大場朱羽(ミシシッピ大学) FP 熊谷紗希(ローマ/イタリア) 田中美南(INAC神戸レオネッサ) 清水梨紗(ウェストハム/イングランド) 清家貴子(三菱重工浦和レッズレディース) 守屋都弥(INAC神戸レオネッサ) 上野真実(サンフレッチェ広島レジーナ) 長谷川唯(マンチェスター・シティ/イングランド) 杉田妃和(ポートランド・ソーンズFC/アメリカ) 北川ひかる(INAC神戸レオネッサ) 林穂之香(ウェストハム/イングランド) 南萌華(ローマ/イタリア) 長野風花(リバプール/イングランド) 植木理子(ウェストハム/イングランド) 宮澤ひなた(マンチェスター・ユナイテッド/イングランド) 石川璃音(三菱重工浦和レッズレディース) 藤野あおば(日テレ・東京ヴェルディベレーザ) 浜野まいか(チェルシー/イングランド) 谷川萌々子(FCローゼンゴード/スウェーデン) 古賀塔子(フェイエノールト/オランダ) 2024.03.28 13:01 Thu

U-20日本女子代表DF小山史乃観が新天地スウェーデンで公式戦デビュー!主戦場はトップ下か

ユールゴーデンIFのU-20日本女子代表DF小山史乃観が、新天地での公式戦デビューを果たした。 ユールゴーデンは24日、女子スウェーデンカップ、グループ3のグループステージ最終節でAIKと対戦。小山はトップ下で先発し、フル出場を果たした。 今年2月にセレッソ大阪ヤンマーレディースからスウェーデンへと渡った小山は、AFC U20女子アジアカップ参加のため、グループステージの第1節、第2節を欠場。この試合がユールゴーデンでの公式戦初出場となった。 先のAFC U20女子アジアカップではユーティリティ性を買われ、左右のサイドバックから2列目や最前線でもプレー。U-20女子ワールドカップ(W杯)出場権獲得や準優勝に貢献した。 なでしこリーグ1部時代にはFWとして2021年に9得点、2022年に10得点を挙げ、それぞれ得点ランキングの4位、3位タイの成績も残すなど得点力も高く、ユールゴーデン加入後もトレーニングマッチながらすでにゴールを挙げている。加入時には「攻撃的なポジションでプレーしたい」とも述べており、今後も前線での起用が中心となりそうだ。 なお、試合はユールゴーデンがFKから15分に先制したが、19分、50分に失点を喫したのちに、83分にマチルダ・プランがCKから同点弾を奪取。2-2の引き分けに終わっている。 <span class="paragraph-title">【動画】なでしこ小山史乃観が新天地デビュー、ユールゴーデンvsAIKのハイライト</span> <span data-other-div="movie"></span> <script>var video_id ="wUIdp9rLa4A";var video_start = 0;</script><div style="text-align:center;"><div id="player"></div></div><script src="https://web.ultra-soccer.jp/js/youtube_autoplay.js"></script> 2024.03.25 18:40 Mon

震災以来13年ぶり福島帰還のJFAアカデミー福島女子、Jヴィレッジでのホーム戦初戦を勝利で飾る

JFAアカデミー福島は24日、プレナスなでしこリーグ2部第2節のSEISA OSAレイア湘南FC戦を、福島県のナショナルトレーニングセンター Jヴィレッジスタジアムで行った。 「世界トップ10を目指した個の育成」や「世界基準を日常に」をキーワードに、サッカー内外における総合的なリーダーシップをそなえたエリートを育成するため、2006年に開校したac福島。 女子チームからは菅澤優衣香(三菱重工浦和レッズレディース)や平尾知佳(アルビレックス新潟レディース)、北川ひかる(INAC神戸レオネッサ)に遠藤純(エンジェル・シティFC)、谷川萌々子(FCローゼンゴード)など、なでしこジャパンへ数多くの選手を輩出してきた。 2011年の東日本大震災、福島第一原子力発電所事故を受け、活動拠点を静岡県に移していたが、2021年4月から男子チームが1学年ずつ福島での活動を再開。女子も2024年3月21日に楢葉町へ帰還し、13年ぶりに福島での活動を再開させた。 本拠へ帰還し、福島での新たなスタートを切ったac福島は、昇格組のR湘南を迎えたホーム開幕戦を3-1で勝利。年代別の日本女子代表に名を連ねる板村真央らがゴールを決め、開幕2連勝を飾っている。 2024.03.25 17:50 Mon
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