【J1クラブ中間評価】積み上げたものが形にならずも新体制で見えた光明《大宮アルディージャ》
2017.07.12 17:00 Wed
▽2017シーズンの明治安田生命J1リーグは早くも折り返し地点に。DAZNマネーで増加した分配金などを巡る争いも背景に存在していることから、優勝争いのみならず、例年以上に戦いが激化している。超ワールドサッカー編集部は、このタイミングでJ1全18クラブを中間評価。今回は大宮アルディージャ編をお届けする。
◆形なき序盤戦…監督交代でベクトルを変え上向きに
勝ち点14/4勝2分け11敗
▽第9節の浦和レッズとの“さいたまダービー”でシーズン初勝利を飾るも、その後が続かず第13節の柏レイソル戦終了後に渋谷洋樹監督、黒崎久志ヘッドコーチを解任。伊藤彰コーチが新監督に昇格したことでシステムのベースを[4-1-4-1]に変更。これが奏功し、残留を争う直接のライバルであるアルビレックス新潟(1-2)、サンフレッチェ広島(0-3)と連勝。望みを繋いで前半戦を終えることとなった。
◆ポジション別採点
▽17試合で30失点。昨シーズンの年間36失点を考えれば最悪の出来だ。守備陣の陣容が大きく変わらない中、キャプテンであるDF菊地光将の負傷離脱は誤算だったが、攻守にわたって単純なミスが多く、失点をすると立て続けに繰り返してしまう悪癖を繰り返した。守備をベースにチーム作りをしていただけに、評価はできない。
【MF】40/100点満点
▽序盤戦は試合ごとに組み合わせが変わる中、新加入組ではMF茨田陽生が15試合に出場。メンバーを固定しなかったことが、不安定さを生んだ要因の1つとも言える。伊藤監督就任後は、アンカーにMF大山啓輔、インサイドハーフにMF横谷繁、茨田、右サイドにMF岩上祐三、左サイドにFW大前元紀と固定。連係も上がり、監督の描くサッカーを体現しはじめている。
▽昨シーズン加入したME江坂任がチーム唯一の全試合出場とフル稼働。シーズン序盤はなかなか得点を挙げられなかったが、役割が明確になった第14節から3試合連続得点を記録し、前半戦で5得点をマークした。また、今シーズン無得点のFWドラガン・ムルジャが湘南ベルマーレに移籍。済州ユナイテッドFCからブラジル人FWマルセロ・トスカーノを獲得し、競争を生み出しながら得点力向上を目指し、後半戦の巻き返しを狙う。
◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー
MF江坂任(25歳/No.7)
▽名実ともに大宮のエースになりつつある江坂を選出。昨シーズンに続き、トップ、右サイド、左サイドと複数ポジションを試合中にこなす中、ゲームメイクに終始していた序盤戦から一転、システム変更により1トップに固定され、本来の得点能力が復活。伊藤新体制ではチームの連勝に大きく貢献した。後半戦はよりマークが厳しくなることが予想されるが、ゴール、ゲームの組み立てに加わりならがらも2ケタ得点を記録できれば、チームのJ1残留は果たされるだろう。
◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー
GK塩田仁史(36歳/No.21)
明治安田生命J1リーグ:9試合(先発8回)/20失点
▽失点はGKだけの責任とは言えないものの、9試合で20失点は多すぎた。昨シーズンはGK加藤順大とポジションを争いながら15試合に出場。今シーズンは開幕スタメンを勝ち取るも、判断ミスや処理ミスなど、ベテランらしからぬプレーが散見。防げる失点を与え、戦況を悪化させた試合も多く、勝ち点を取りこぼした印象が強い。監督交代後は3番手に降格し、厳しいシーズンとなった。
◆変幻自在のシステムでJ1残留へ
▽1ケタ順位を目標に掲げてスタートしたシーズンと考えれば、期待を大きく裏切っている現状といえる。しかし、伊藤新監督の下、チームが見せるサッカーは変貌。特に攻撃面での可能性が以前より増し、試合の主導権を握る時間帯が増えている。
▽課題はプレー精度と連携、そしてフィニッシュまでの道筋を確立させること。攻撃サッカーを標榜する伊藤監督の下、約1カ月のリーグ戦中断期間でどこまで細部を詰められるかで、J1残留だけでなく、より上の順位でフィニッシュすることが見えてくるだろう。伊藤監督が描くゲームビジョンが間違わなければ、結果は自ずとついてくるはずだ。
◆形なき序盤戦…監督交代でベクトルを変え上向きに
勝ち点14/4勝2分け11敗
(C)CWS Brains,LTD.
▽昨シーズン、クラブ史上最高の5位という好成績でJ1復帰シーズンを終えた大宮。攻撃の軸であったMF家長昭博(川崎フロンターレ)、MF泉澤仁(ガンバ大阪)がチームを去った穴は大きかった。戦力的だけでなく戦術的な穴が大きく、新加入選手をハメた戦いが機能せず、能力を発揮させることができなかった。これまでどおり守備をベースに戦うも、失点を減らすことができず、1得点10失点で開幕6連敗と最悪のスタートを切った。◆ポジション別採点
(C)CWS Brains,LTD.
【GK&DF】10点/100点満点▽17試合で30失点。昨シーズンの年間36失点を考えれば最悪の出来だ。守備陣の陣容が大きく変わらない中、キャプテンであるDF菊地光将の負傷離脱は誤算だったが、攻守にわたって単純なミスが多く、失点をすると立て続けに繰り返してしまう悪癖を繰り返した。守備をベースにチーム作りをしていただけに、評価はできない。
【MF】40/100点満点
▽序盤戦は試合ごとに組み合わせが変わる中、新加入組ではMF茨田陽生が15試合に出場。メンバーを固定しなかったことが、不安定さを生んだ要因の1つとも言える。伊藤監督就任後は、アンカーにMF大山啓輔、インサイドハーフにMF横谷繁、茨田、右サイドにMF岩上祐三、左サイドにFW大前元紀と固定。連係も上がり、監督の描くサッカーを体現しはじめている。
【FW】30/100点満点
▽昨シーズン加入したME江坂任がチーム唯一の全試合出場とフル稼働。シーズン序盤はなかなか得点を挙げられなかったが、役割が明確になった第14節から3試合連続得点を記録し、前半戦で5得点をマークした。また、今シーズン無得点のFWドラガン・ムルジャが湘南ベルマーレに移籍。済州ユナイテッドFCからブラジル人FWマルセロ・トスカーノを獲得し、競争を生み出しながら得点力向上を目指し、後半戦の巻き返しを狙う。
◆超WS的前半戦チーム内GOODプレーヤー
MF江坂任(25歳/No.7)
(c)J.LEAGUE PHOTOS
明治安田生命J1リーグ:17試合(先発17回)/5ゴール▽名実ともに大宮のエースになりつつある江坂を選出。昨シーズンに続き、トップ、右サイド、左サイドと複数ポジションを試合中にこなす中、ゲームメイクに終始していた序盤戦から一転、システム変更により1トップに固定され、本来の得点能力が復活。伊藤新体制ではチームの連勝に大きく貢献した。後半戦はよりマークが厳しくなることが予想されるが、ゴール、ゲームの組み立てに加わりならがらも2ケタ得点を記録できれば、チームのJ1残留は果たされるだろう。
◆超WS的前半戦チーム内BADプレーヤー
GK塩田仁史(36歳/No.21)
明治安田生命J1リーグ:9試合(先発8回)/20失点
▽失点はGKだけの責任とは言えないものの、9試合で20失点は多すぎた。昨シーズンはGK加藤順大とポジションを争いながら15試合に出場。今シーズンは開幕スタメンを勝ち取るも、判断ミスや処理ミスなど、ベテランらしからぬプレーが散見。防げる失点を与え、戦況を悪化させた試合も多く、勝ち点を取りこぼした印象が強い。監督交代後は3番手に降格し、厳しいシーズンとなった。
◆変幻自在のシステムでJ1残留へ
▽1ケタ順位を目標に掲げてスタートしたシーズンと考えれば、期待を大きく裏切っている現状といえる。しかし、伊藤新監督の下、チームが見せるサッカーは変貌。特に攻撃面での可能性が以前より増し、試合の主導権を握る時間帯が増えている。
▽課題はプレー精度と連携、そしてフィニッシュまでの道筋を確立させること。攻撃サッカーを標榜する伊藤監督の下、約1カ月のリーグ戦中断期間でどこまで細部を詰められるかで、J1残留だけでなく、より上の順位でフィニッシュすることが見えてくるだろう。伊藤監督が描くゲームビジョンが間違わなければ、結果は自ずとついてくるはずだ。
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